測色システム、測色システムの紙送り誤差の検出方法及び測色システムの紙送り誤差検出プログラム
【課題】コストパフォーマンスの高い測色システムを提供する。
【解決手段】測色デバイスと、紙送り機200により紙送りされる被記録部材1に記録されたパターン情報と、前記紙送り機200の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材1の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報を含み、前記紙送りピッチ情報と前記一対の位置検出パターンの位置情報から検出できる前記被記録部材上の位置で、前記一対の位置検出パターンの各々を前記測色デバイスにより測色し、前記測色デバイスによる測色の結果と前記一対の位置検出パターンの情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出することを特徴とする測色システムを提供する。
【解決手段】測色デバイスと、紙送り機200により紙送りされる被記録部材1に記録されたパターン情報と、前記紙送り機200の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材1の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報を含み、前記紙送りピッチ情報と前記一対の位置検出パターンの位置情報から検出できる前記被記録部材上の位置で、前記一対の位置検出パターンの各々を前記測色デバイスにより測色し、前記測色デバイスによる測色の結果と前記一対の位置検出パターンの情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出することを特徴とする測色システムを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測色システム、測色システムの紙送り誤差の検出方法及び測色システムの紙送り誤差の検出プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品のパッケージ、ポスターなど大量に作成されるものには、記録装置などの印刷または記録する手段を用いて作成されるものがある。このような場合、製品の個々で色の違いがあると品質上の観点から好ましくない印象を人に与える場合がある。色の違いを発生させる要因としては、被記録部材の質の違い、気温の違い、空気の湿度の違いなど様々なものが存在する。また、記録装置が異なると、同じ色を記録するための設定が異なる場合が多い。このため、実際に記録装置を用いて記録(印刷)した色を測色し、測色した結果から得られる調整量をフィードバックして記録装置の設定を調整することが行われる。
【0003】
測色する対象は、カラーチャートである場合が多い。カラーチャートとは、複数の色を特定の大きさのブロック状に記録し並べたものであり、測色はブロック状の複数の色の各々について行われる。
【0004】
カラーチャートの測色は測色器により行われる。測色器には、人手でカラーチャート上を走査して測色を行うハンディタイプの測色器や、搬送機を用いてカラーチャートを記録した被記録部材を測色エリアに搬送し自動的に測色を行うタイプの測色器が存在する。人手による走査は同じ走査を繰り返すことが困難であることから自動的に測色を行うタイプの測色器(測色システム)の導入が進んでいる。
【0005】
しかしながら、自動的に測色を行うタイプの測色器では、被記録部材が適切に搬送されていないと複数の色の各々の測色位置が正確でなくなり、周囲の色の影響を受けてしまうことから正確な測色を行うことができない。従って、記録装置にフィードバックする正確な調整量を算出するためには被記録部材を適切に測色器に搬送できるかどうかが重要なポイントとなる。記録される色の違いが被記録部材の質の違い、気温の違い、空気の湿度の違いなどが原因で発生するように、被記録部材の搬送量も、被記録部材の質の違い、気温の違い、空気の湿度の違いなどが原因で発生する。
【0006】
被記録部材が適切に搬送されているかどうかを確認する手段は、例えば、特許文献1に、ロール紙の搬出方向に対して所定の幅を持つレジストマーカーを印刷し、レジストセンサーにより印刷後のレジストマーカーのロール紙搬出方向の幅を検出することでロール紙のスキューを検知する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−31978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、被記録部材が適切に搬送されているかどうかの検出のために専用のセンサーを持つことは測色器のコストの上昇を招くという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。また、特に断りのない場合、紙送りピッチ情報とは紙送りピッチ長及び紙送りピッチ数の両方の要素を含むものとする。
【0010】
[適用例1]
本適用例に係るひとつの測色システムは、測色デバイスと、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、前記一対の位置検出パターンの測色情報と、を含み、前記紙送りピッチ情報と前記一対の位置検出パターンの位置情報から検出できる前記被記録部材上の位置で、前記一対の位置検出パターンの各々を前記測色デバイスによる測色を行い、前記測色デバイスによる測色の結果と前記一対の位置検出パターンの測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンを測色システムが有する測色デバイスを用いて測色することで、被記録部材の紙送り状態を検出することができると共に、専用のセンサーを有しないのでコストの上昇を抑えることができる。
【0012】
また、パターン情報として一対の位置検出パターンの位置情報と紙送り機の紙送りピッチ情報とから被記録部材における一対の位置検出パターンの測色位置を検出することが可能であり、該検出位置における一対の位置検出パターンの測色結果から紙送り誤差を検出することが可能となる。紙送り誤差が分かれば、紙送りピッチの補正量の算出が可能となる。
【0013】
[適用例2]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記パターン情報は、前記一対の位置検出パターンの各々の形状の情報を含み、前記各々の形状の情報は、前記一対の位置検出パターンの各々が、ずらして配置された複数の単位ブロックを含むこと、前記複数の単位ブロックの各々が、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していること、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置すること、前記複数の単位ブロックのうち、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、を含むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、複数の単位ブロックの各々は、一方の端部に位置する第1の単位ブロックから他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックまで連続して所定の長さずれて記録されていることから、最もよく認識できる単位ブロックが第1の単位ブロックまたは第2の単位ブロックから数えて何番目の位置にある単位ブロックかを知ることで、容易に紙送り量の誤差を知ることができる。単位ブロックのズレの所定の長さとは、被記録部材の紙送り量がずれたとしても測色デバイスによる測色位置が、複数の単位ブロックのいずれかの単位ブロック上にくることを見込んで設定する長さである。例えば紙送りピッチ長の初期設定値と同じとしてもよい。
【0015】
[適用例3]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報を含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、を含み、前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、前記他の一方の位置検出パターンに対して第2の測色を行い、前記一対の位置検出パターンの各々における前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記紙送りピッチ情報に基づいて算出される前記被記録部材の紙送り量とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出し、前記紙送り誤差に基づいて前記紙送りピッチ情報の補正を行うことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第2領域の前後の位置における測色結果である、第1の測色結果及び第2の測色結果と紙送りピッチ情報から紙送り誤差を検出することができ、被測色パターンを適切に測色することができるための紙送りピッチ情報の補正値を算出することができる。
【0017】
[適用例4]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記補正は、前記被測色パターンの測色の前に算出することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、補正後に被測色パターンの測色を行うことで、被測色パターンの測色を適切な紙送りピッチで行うことができる。
【0019】
[適用例5]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記補正値は、前記第1の測色、前記被測色パターンの測色及び前記第2の測色を連続して行った後に算出することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、被測色パターンの測色が適した紙送りピッチ情報で行われたかどうかを知ることができる。
【0021】
[適用例6]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報とを含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、を含み、前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、前記第1の測色における前記複数の単位ブロックの測色結果と前記紙送りピッチ情報とから前記被記録部材が前記第1の測色を行った地点までの第1の紙送り誤差を検出し、前記第1の紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報を補正するための第1の補正値を算出し、前記第1の補正値による補正後の紙送りピッチ情報により前記被記録部材を紙送りして前記被測色パターンの測色及び前記他の一方の位置検出パターンに対しての第2の測色を行い、前記第1の測色結果及び前記第2の測色結果と前記補正後の紙送りピッチ情報とから求まる前記一対の位置検出パターンの各々の間の距離から前記補正後の紙送りピッチ情報に対しての第2の補正値を算出することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、第1の測色結果による第1の補正値を算出し、第1の補正値による補正後の紙送りピッチで被測色パターンの測色及び第2の測色を行うことで、被測色パターンの測色を適切な紙送りピッチで行えると共に、第1の測色結果及び第2の測色結果と補正後の紙送りピッチ情報とから求まる一対の位置検出パターンの各々の間の距離から補正後の紙送りピッチ情報に対しての第2の補正値を算出することができ、第2の補正値がどのような値であるかを確認することで第2領域の測色が正しく行われたかどうかの確認を行うことができる。第2の補正値が所定の値よりも小さければ被測色パターンの測色は適切に行われたと判断することができる。所定の値とは第2領域に記録された被測色パターンの識別条件で決まる値であり、例えば、カラーチャートの各々の色のブロックの大きさを元にして決めることができる値である。
【0023】
[適用例7]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記一対の位置検出パターンの少なくともひとつにおける前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記測色情報とから、前記被記録部材が前記紙送り方向に対して斜めの状態で前記紙送りされていることを検出するが好ましい。
【0024】
この構成によれば、測色システムが予め有している一対の位置検出パターンの測色情報と、一対の位置検出パターンのいずれかを形成する複数の単位ブロックの測色結果とを比較することにより、被記録部材が斜行していることを容易に検出することができる。
【0025】
[適用例8]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、更に、前記紙送り方向における前記測色デバイスの手前側に送風部を有し、前記送風部により送風を行った前記第1領域及び前記第2領域における領域に対して前記測色デバイスによる測色が行われることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、第1領域及び第2領域に記録されたパターンの色が安定するまで所定の時間の経過が必要な場合でも、第1領域及び第2領域に送風部を用いて送風を行うことで、所定の時間よりも短い時間でパターンの色を安定させることができる。
【0027】
[適用例9]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記紙送り機を含むことが好ましい。
【0028】
この構成によれば、測色システム外に紙送り機を用意する必要がなくなる。
【0029】
[適用例10]
本適用例に係るひとつの測色システムの紙送り誤差の検出方法は、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、前記一対の位置検出パターンの測色情報と、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、を含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていること、前記一対の位置検出パターンの各々がずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいること、前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、を含み、前記紙送り機が紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行い、前記一対の位置検出パターンの測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出し、前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出することを特徴とする。
【0030】
この方法によれば、被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンを測色システムが有する測色デバイスを用いて測色することで検出することから、被記録部材の紙送り状態を検出するための専用のセンサーを有しないのでコストの上昇を抑えることができる。また、一対の位置検出パターンの各々がずらして配置された複数の単位ブロックから構成されていることから、測色システムが有しているパターン情報と紙送りピッチ情報とから検出される位置で一対の位置検出パターンの測色を行うことで、測色システムが保持している測色情報、測色結果及び単位ブロックの各々の所定の長さのズレ量とから紙送り量の誤差を検出することが可能となり、紙送りピッチの補正量の算出が可能となる。第2領域を挟んで離れた位置にある一対の位置検出パターンの各々に紙送りピッチの補正量を算出することにより、適切な被記録部材の紙送りの制御のための補正値を算出することが可能となる。所定の長さとは、被記録部材の紙送り量がずれたとしても測色デバイスによる測色位置が、複数の単位ブロックのいずれかの単位ブロック上にくることを見込んで設定する長さである。例えば紙送りピッチ長の初期設定値と同じとしてもよい。
【0031】
[適用例11]
上記の適用例に係るひとつの測色システムの紙送り補正値の検出方法において、前記測色デバイスにより測色を行う前に前記第1領域及び前記第2領域に対しての送風を行うことが好ましい。
【0032】
この方法によれば、第1領域及び第2領域に記録されたパターンの色が安定するまで所定の時間の経過が必要な場合でも、第1領域及び第2領域に送風部を用いて送風を行うことで、所定の時間よりも短い時間でパターンの色を安定させることができる。
【0033】
[適用例12]
本適用例に係るひとつの測色システムの紙送り誤差検出プログラムは、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、前記一対の位置検出パターンの測色情報と、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、を含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていること、前記一対の位置検出パターンの各々は、ずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいること、前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、を含み、前記紙送り機が前記紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行う第1の処理と、前記第1の処理における測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出する第2の処理と、前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出する第3の処理と、を有することを特徴とする。
【0034】
このプログラムによれば、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、第1の処理において測色システムが予め有している一対の位置検出パターン及び紙送りピッチ情報から一対の位置検出パターンの測色を行い、第2の処理において第1の処理の測色結果と測色システムが予め有している測色情報とから被記録部材の紙送り誤差を検出し、第3の処理において第2の処理で検出した紙送り誤差から紙送りピッチ情報の補正値を算出することができる。これにより、被測色パターンの測色を適切に行うことができる紙送りピッチ情報を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】全実施形態における測色システムのイメージを示す図。
【図2】全実施形態における被記録部材のイメージを示す図。
【図3】第1、5、8実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図4】第1実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図5】第1実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図6】第1実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図7】第2実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図8】第3実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図9】第4実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図10】第4実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図11】第5実施形態における位置検出パターンを示す図。
【図12】第7実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図13】第8実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図14】第9実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図15】第10実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図16】第7実施形態〜10実施形態におけるサブルーチンを示す図。
【図17】第7実施形態〜10実施形態におけるサブルーチンを示す図。
【図18】第7実施形態〜10実施形態におけるサブルーチンを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて具体的に説明する。図は説明を判り易くするために誇張して描いている部分もあり、実際のパターン形状は図のものと異なっていてもよい。
【0037】
図1に、本発明の実施形態の説明で用いる測色システム100、紙送り部200及び被記録部材301を示す。測色システム100は、内部に測色システム制御部(図示しない)、測色デバイス(図示しない)を有する測色器101及び乾燥ファン102を有する。測色器101は、被記録部材301の紙送り方向と直交する方向に測色器駆動部(図示しない)により駆動される。乾燥ファン102及び測色器駆動部は測色システム制御部により制御される。被記録部材301にはカラーチャート306が記録されており、紙送り方向において、カラーチャート306の前側に第1のマーカー304が記録され、カラーチャート306の後側に第2のマーカー305が記録されている。
【0038】
図2は被記録部材301における第1領域302と第2領域303を示す図である。第2領域303は第1領域302に囲まれており、図1において、カラーチャート306が記録されている領域は、第2領域303の一部である。ここで、第2領域303の一部としたが、第2領域303全体にカラーチャートが記録されていても構わない。また、第1のマーカー304、第2のマーカー305及びカラーチャート306の記録後の乾燥が不十分な場合、測色前に乾燥ファン102により被記録部材301に送風することで、乾燥を進めた状態での測色が可能となる。
【0039】
(第1実施形態)
図3に本実施形態で用いる被記録部材1を示す。第1領域2には第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5が記録されている。第2領域3は測色の対象が記録される領域である。測色の対象は本実施形態では特に指定しない。
【0040】
図3には測色器101の測色エリア8と測色器101の測色時の進行方向9を示す。また、図3に第1の位置検出パターン4の記録位置6と第2の位置検出パターン5の記録位置7を示す。記録位置6及び記録位置7はそれぞれ第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の中心の位置である。紙送り部200は、記録位置6及び記録位置7の位置を被記録部材1の先端11からの紙送りピッチ情報で認識する。紙送り部200が紙送りピッチ情報で認識する被記録部材1の紙送り位置を理論的記録位置と呼ぶことにする。以降において、記録位置6に対しての理論的記録位置を理論的記録位置61と、記録位置7に対しての理論的記録位置を理論的記録位置71と呼ぶことにする。
【0041】
第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の各々は矩形状の単位ブロックが複数繋がって構成されている。それぞれの単位ブロックは隣合う単位ブロックとは被記録部材1の紙送り方向10において長さP1ずれて記録されている。本実施形態において、第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5のそれぞれの単位ブロック数は奇数である。奇数個の単位ブロックで構成されることにより、記録位置6及び記録位置7はそれぞれの中心にある単位ブロックの中心の位置を示す位置となる。
【0042】
第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の測色結果はLab値で出力される。本実施形態において、各々の単位ブロックは黒である。よって、例えば記録位置6と理論的記録位置61が一致した場合、第1の位置検出パターン4の測色結果は第1の位置検出パターン4の中心に位置する単位ブロック45のL値が最も小さい値となる。測色システム100には、パターン情報の1つとして、記録位置6において測色を行った場合の各々の単位ブロックのL値の状態が記憶されている。記憶されるL値の状態は各々の単位ブロックの識別が可能であるものであればどのようなものでもよい。例えば、各々の単位ブロックのL値を記憶してもよいし、最も高いL値を持つ単位ブロックの位置及び最も低いL値を持つ単位ブロックの位置でもよい。本実施形態では、第1の位置検出パターン4の中心に記録された単位ブロック45のL値が他の単位ブロックのL値よりも低い値であり、第1の位置検出パターン4の両端に位置する単位ブロック41及び49のL値が他の単位ブロックのL値よりも高い値であり、単位ブロック41から49までのL値の変化率が予め記憶されていることとする。
【0043】
図4に被記録部材1が先端11から理論的記録位置まで、紙送り部200により紙送り方向10に紙送りされ、記録位置6と理論的記録位置61が一致した場合の図を示す。測色器101の測色エリア80は90で示される方向に単位ブロックの大きさ分の移動をしながら測色を行う。測色エリアを単位ブロックの大きさの位置に合わせて移動させて測色を行うことで、単位ブロックの各々に対しての測色結果を得ることができる。
【0044】
図4に、第1の位置検出パターン4の中心にある単位ブロック45における測色エリア81を示す。図5に、第1の位置検出パターン4の紙送り方向10において最前列となる単位ブロック41の測色エリア82を示す。図6に第1の位置検出パターン4の紙送り方向10において最後列となる単位ブロック49の測色エリア83を示す。図4〜6における測色エリア81、82及び83おける各々の単位ブロックの占める面積から分かるように、第1の位置検出パターン4の測色結果は、両端に位置する単位ブロック41及び49のL値が他の単位ブロックよりも高く、中心に位置する単位ブロック45のL値が他の単位ブロックよりも低い値となる。この測色結果は、測色システム100に予め記憶された記録位置6における測色結果と一致する。これにより、測色システム100は適切な紙送りピッチで被記録部材1が紙送りされており、紙送り部200に対して、紙送りピッチの補正の必要がないことを認識することができる。
【0045】
(第2実施形態)
本実施形態は、記録位置6と理論的記録位置61が一致しなかった場合の1例である。
【0046】
図7は、測色システム100が、理論的記録位置61が測色位置に到達したと判断したときに、記録位置6が測色位置に到達しなかった場合を示す図である。図7から分かるように、単位ブロック43のL値が他の単位ブロックのL値よりも高く、最後列の単位ブロック49は測色エリア83に入ることができず、測色エリア83のL値は他の単位ブロックのL値よりも高くなる。この測色結果は、測色システム100に予め記憶された記録位置6における測色結果と一致しない。従って、測色システム100は、適切に被記録部材1の紙送りを行うためには紙送りピッチの補正が必要であると判断することができる。
【0047】
本実施形態の場合、各々の単位ブロックの測定において、L値が最も低いのは単位ブロック43の測色結果である。単位ブロック43は、紙送り方向10において、本来最もL値が低くなるはずの単位ブロック45よりも前方にP1×2ずれて記載されているブロックである。このことから、理論的記録位置61までの紙送り量がP1×2少なかったことになる。被記録部材1の先端11から理論的記録位置61までの紙送りピッチ数をmとすると、紙送りピッチ長を{(P1×2)/m}多くする補正を行うことで、適切な紙送りピッチ長とすることができる。
【0048】
(第3実施形態)
本実施形態は、記録位置6と理論的記録位置61が一致しなかった場合の他の例である。
【0049】
図8は、測色システム100が、理論的記録位置61が測色位置に到達したと判断したときに、記録位置6が測色位置を過ぎてしまった場合を示す図である。図8から分かるように、単位ブロック47のL値が他の単位ブロックのL値よりも低く、最前列の単位ブロック41は測色エリア82に入ることができず、測色エリア82のL値は他の単位ブロックのL値よりも高くなる。この測色結果は、測色システム100に予め記憶された記録位置6における測色結果と一致しない。従って、測色システム100は、適切に被記録部材1の紙送りを行うためには紙送りピッチの補正が必要であると判断することができる。
【0050】
本実施形態の場合、各々の単位ブロックの測定において、L値が最も低いのは単位ブロック45の測色結果である。単位ブロック47は、紙送り方向10において、本来最もL値が低くなるはずの単位ブロック45よりも後方にP1×2ずれて記載されているブロックである。このことから、理論的記録位置61までの紙送り量がP1×2多かったことになる。被記録部材1の先端11から理論的記録位置61までの紙送りピッチ数をmとすると、紙送りピッチ長を{(P1×2)/m}少なくする補正を行うことで、適切な紙送りピッチ長とすることができる。
【0051】
(第4実施形態)
本実施形態は、記録位置6と理論的記録位置61が一致しなかった場合の他の例である。
【0052】
図9は、被記録部材1が紙送り方向10において右側が先行する第1の斜行の状態で紙送りされているときに、理論的記録位置61が測色位置にきたと、測色システム100が判断した場合を示す図である。また、図10は、被記録部材1が紙送り方向10において左側が先行する第2の斜行の状態で紙送りされているときに理論的記録位置61が測色位置にきたと、測色システム100が判断した場合を示す図である。
【0053】
第1の斜行の状態であっても、第2の斜行の状態であっても、被記録部材1が斜行の状態で紙送りされた場合、隣合う単位ブロック間におけるL値の変化の割合が測色システム100に予め記憶されている状態から求まる隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合と異なってくる。測色システム100に予め記憶されている状態から求まる隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合に対して、第1の斜行の状態の場合は隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合が小さくなり、第2の斜行の状態の場合は隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合は大きくなる。
【0054】
(第5実施形態)
本実施形態は、第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5とを用いて紙送りピッチ情報を補正する方法である。図11に第1の位置検出パターン4の記録位置6と理論的記録位置61及び第2の位置検出パターン5の記録位置7と理論的記録位置71を示す。本実施形態では、紙送りピッチ数は、第2領域の測色パターンの測色に適した値に決められているとする。
【0055】
被記録部材1の先端11より紙送り部200により紙送りされ、まず、理論的記録位置61において、第1の位置検出パターン4における最もL値の低い単位ブロックの位置を検出する。測色器101は単位ブロックの大きさ分移動しながら各々の単位ブロックを測色するので、最もL値の低い単位ブロックの位置は容易に知ることができる。図11に示すように、理論的記録位置61は単位ブロック44の中心にあり、最もL値の低い単位ブロックは単位ブロック44となる。
【0056】
理論的記録位置61で測色を行った後、被記録部材1は紙送り部200により紙送りされ、理論的記録位置71において、第2の位置検出パターン5における最もL値の低い単位ブロックの位置を検出する。図11に示すように、理論的記録位置71は単位ブロック51の中心にあり、最もL値の低い単位ブロックは単位ブロック51である。ここで、理論的記録位置61から理論的記録位置71までの、紙送りピッチ数と紙送りピッチ長で決まる距離を第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5との間の理論的距離とする。
【0057】
紙送りピッチ数から認識できる記録位置6と記録位置7との間の距離をDとすると、理論的距離は、単位ブロック2個のズレ量分短いことになり(D−P1×3)となる。紙送りピッチ数をmとすると、{(P1×3)/m}紙送りピッチ長を多くする補正を行うことで適切な紙送りピッチとすることができる。
【0058】
(第6実施形態)
本実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態及び第5実施形態を含む実施形態である。まず、第1の紙送りピッチ情報で第1の位置検出パターン4の記録位置6と理論的記録位置61との関係から第1の補正値を求め、第1の紙送りピッチ情報の補正を第1の補正値を用いて行い、第2の紙送りピッチ情報を算出する。これに関しては第1〜3実施形態を参照していただきたい。
【0059】
次に、第2の紙送りピッチ情報で第2領域3の測色を行った後、被記録部材1を理論的記録位置71まで紙送りを行う。
【0060】
理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5の測色を行い、第1の位置検出パターン4の最もL値の低い単位ブロックの位置と第2の位置検出パターン5の最もL値の低い単位ブロックの位置との関係から第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターンとの間の理論的距離と第2の紙送りピッチ情報から認識できる記録位置6と記録位置7との間の距離Dとから第2の補正値を求める。これに関しては第5実施形態を参照していただきたい。
【0061】
第2の補正値が第2領域3の測色パターンの測色が正しくできる許容範囲内であるとき、第2領域3の測色は問題なく行われたと判断することができる。
【0062】
(第7実施形態)
本実施形態は、測色システムにおける、上述した第5実施形態を実施するためのプログラムである。フローチャートを図12に示す。本実施形態で用いる被記録部材は、図11で示す被記録部材1であり、測色システムのイメージは図1である。従って、本実施形態においても上述の実施形態の用語をそのまま用いる。本実施形態のプログラムのフローチャート1を図12に示す。また、このフローチャートは処理を行うに際して必要な初期設定の記載は省略してある。必要な初期設定とは、例えば紙送りピッチ長や、被記録部材1の先端から、理論的記録位置61、理論的記録位置71及び第2領域の先端部のそれぞれにいたるまでの紙送りピッチ数、単位ブロックのズレ量P1などである。
【0063】
被記録部材1の第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の測色を行う第1の処理は、フローチャート1の処理1001〜処理1004である。処理1000により被記録部材の投入を検出すると、紙送り部200は第1の位置検出パターン4の理論的記録位置61が測色エリアに来るように被記録部材1を紙送りする(処理1001)。
【0064】
測色器101は、被記録部材1を予め決められた単位ブロックの単位で測色エリアを移動させながら各々の単位ブロックを測色し、L値の最も小さいブロックの位置を特定する(処理1002)。図11において、測色エリアの中心は理論的記録位置61上にある。このことから分かるように、本実施形態においては、単位ブロック44のL値が最も小さくなる。フローチャートに記載はしないが、このときに隣合う単位ブロックのL値の変化の割合も計算し測色システム100内のメモリーに記憶しておくとよい。
【0065】
次に、紙送り部200は第2の位置検出パターン5の理論的記録位置71まで被記録部材1を紙送りし(処理1003)、測色器101は予め決められた単位ブロックの単位で測色エリアを移動させながら各々の単位ブロックの測色を行いL値の最も小さいブロックの位置を特定する(処理1004)。図11において、単位ブロック51のL値が最も小さくなる。第1の位置検出パターン4のときの測色と同様に、フローチャートに記載はしないが、このときに隣合う単位ブロックのL値の変化の割合も計算し測色システム100内のメモリーに記憶しておくとよい。
【0066】
上述した第1の処理により、理論的記録位置61及び71とそれぞれの被記録部材1上の記録位置6及び7とのズレを検出することができる。検出精度は単位ブロックの並びのズレ量と紙送りピッチ長の初期設定値に依存する。これらの値は第2領域に記録されている測色パターンに適切となるように適宜合わせて設定してから第1の処理を行うことが好ましい。
【0067】
第2の処理はフローチャート1の処理1005〜処理1008である。処理1005は第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5との間の理論的距離を求める処理である。処理1005において求めた理論的距離をEとする。
【0068】
第1の処理により第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5においてL値が最小となった単位ブロックの位置がそれぞれ分かっている。図11において、理論的記録位置61は単位ブロック44の中心を通っている。ここでズレ量は、記録位置6(7)よりも先に理論的記録位置61(71)が測色エリアに到達した場合、マイナスの符号を付けることにする。これにより、理論的記録位置61におけるズレ量(第1のズレ量)は−P1である(処理1006)。理論的記録位置71は単位ブロック51の中心を通っている。4個分のズレがあり、理論的記録位置71におけるズレ量(第2のズレ量)は−P1×4である(処理1007)。よって、理論的記録位置61から理論的記録位置71に至るまでの紙送り量のズレ量は{(−P1×4)−(−P1×)=−P1×3}となる(処理1008)。よって、補正後の理論的距離がE+(P1×3)となればよい。
【0069】
第3の処理は、フローチャート1の処理1009である。理論的記録位置61から理論的記録位置71までの紙送りピッチ数をmとすると、紙送りピッチ長の補正値は{−(−P1×3)/m}となる。この補正値を適応することで、第1の位置検出パターン4の中心から第2の位置検出パターン5の中心までの紙送りを紙送りピッチ数をmとして行うことができる。
【0070】
(第8実施形態)
本実施形態は、第2領域3の被測色パターンの測色を含む測色処理1のプログラムである。フローチャートを図13に示す。測色システムは図1に示す測色システム100、被記録部材は図3または11に示す被記録部材1である。本実施形態は、一対の位置検出パターン4,5の測色を行い紙送りピッチ情報に補正が必要かどうかを判断し、必要な補正を行った後で第2領域3の測色を行うフローを示したものである。尚、フローチャートの記載が大きくなることを避けるため、フローチャートに細かな処理すべての記載は行わず、追加の説明が必要と判断するものは文章で記載することにする。
【0071】
まず、被記録部材1を投入すると紙送り部200が起動し、被記録部材1の紙送りがスタートする(処理2000)。被記録部材1の紙送りがスタートすると処理は図16に示すサブルーチン「第1の位置検出パターンの測色」(処理2001)に制御が渡される。
【0072】
処理2001内の処理を説明する。紙送り部200により被記録部材1を理論的記録位置61が測色位置にくるまで紙送りを行う(処理4000)。次に図18に示すサブルーチン「単位ブロックの測色」(処理4001)に制御が渡される。処理4001では理論的記録位置61を中心にした測色エリアですべての単位ブロックの測色が行われ測色結果が記憶される(処理6000)。記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の低い単位ブロックを特定する(処理6001)。続いて、記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の高い単位ブロックを特定し(処理6002)、制御が処理4001におけるサブルーチンから返される。処理4001の測色結果と測色システム100が予め有している測色情報とから記録位置6と理論的記録位置61の誤差を算出する。(処理4002)。その後制御は処理2001におけるサブルーチンから返される。
【0073】
処理2001の結果から第1の位置検出パターン4が許容範囲にあるかどうかを判断する(処理2002)。処理2002における許容範囲にあるかどうかを判断するとは、以降の処理の継続が可能かどうか、ということを判断することである。例えば、測色位置を理論的記録位置61まで進めたが、第1の位置検出パターン4のいずれの単位ブロック上にも理論的記録位置61がこなかった場合、第1の位置検出パターン4の測色は行えたが測色結果から被記録部材1が斜行していると判断された場合がこれにあたる。測色システム100が処理の継続が可能でないと判断した場合は、エラー通知を行い(処理2015)、測色処理1を終了させる。
【0074】
測色処理が可能な場合、図17に示すサブルーチン「第2の位置検出パターンの測色」(処理2003)に制御が渡される。まず、理論的記録位置71が測色位置に来るように被記録部材1の紙送りを行う(処理5000)。次に図18に示すサブルーチン「単位ブロックの測色」(処理5001)に制御が渡る。処理5001では理論的記録位置71を中心にした測色エリアですべての単位ブロックの測色が行われ測色結果が記憶される(処理6000)。記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の低い単位ブロックを特定する(処理6001)。続いて、記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の高い単位ブロックを特定し(処理6002)、制御が処理5001におけるサブルーチンから返される。処理5001の測色結果と測色システム100か予め有している測色情報とから記録位置7と理論的記録位置71の誤差を算出する。(処理5002)。その後制御は処理2003におけるサブルーチンから返される。
【0075】
処理2003の結果から第2の位置検出パターン5が許容範囲にあるかどうかを判断する(処理2004)。処理2004における許容範囲にあるかどうかを判断するとは、以降の処理の継続が可能かどうか、ということを判断することである。例えば、測色位置を理論的記録位置71まで進めたが、第2の位置検出パターン5のいずれの単位ブロック上にも理論的記録位置71がこなかった場合、第2の位置検出パターン5の測色は行えたが測色結果から被記録部材1が斜行していると判断された場合がこれにあたる。測色システム100が処理の継続が可能でないと判断した場合は、エラー通知を行い(処理2015)、測色処理1を終了させる。
【0076】
処理2001及び処理2003の測色結果から紙送りの補正値を算出する(処理2005)。具体的な処理はフローチャートには記載しないが、算出の方法は上述した実施形態に記載した方法と同様である。補正値が0の場合も存在する。
【0077】
次に、処理2005で求めた補正値が適正値かどうかの判断を行う(処理2006)。適正値かどうかは、補正値で補正をした紙送りピッチ情報による紙送りによる測色で、第2領域3に記録された被測色パターンの分解能が保障されるかどうかで判断される。適正値と判断される場合は処理2007に進む。適正値と判断されない場合は、エラー通知を行い(処理2015)、測色処理1を終了させる。
【0078】
第2領域3を測色するためには、被記録部材1を紙送り部200により紙送り方向10の反対の方向に戻す必要がある。戻す位置は被記録部材1の先端11まで戻してもよいが、第1の位置検出パターン4の位置まで戻すのが好ましい。被記録部材1の戻し位置を確認するサブルーチンの処理が処理2007である。処理2007の中で実行される処理4002により理論的記録位置61と記録位置6のズレ量を検出する。その結果を元に測色位置と記録位置6が重なるように、つまり第1の位置検出パターン4の中心が測色位置にくるように紙送り部200は被記録部材1の位置を調整する(この処理はフローチャートに図示しない)。
【0079】
次に紙送りピッチ情報のうちの紙送りピッチ長を処理2005により算出した補正値により補正する(処理2008)。第1の位置検出パターン4と第2領域3における被測色パターンと距離情報を有する場合は補正をした紙送り情報を元にして紙送り量を算出する(処理2009)。この情報に基づき紙送り部200は被測色パターンの先端が測色位置まで来るように紙送りを行う(処理2010)。場合によっては処理2009及び処理2010は省略しても構わない。処理2009及び処理2010を省略した場合は被測色パターンの位置を意識せずに測色を行う場合である。この場合は第1の位置検出パターン4から第2の位置検出パターン5までの間すべて領域の測色が必要となる。よって、処理2009及び処理2010を行うことは、測色時間の短縮に繋げることができる。
【0080】
処理2011は被測色パターンの測色処理である。処理2011の後、処理2012により理論的記録位置71の位置検出を行い、理論的記録位置71と記録位置7との誤差を改めて検出する。
【0081】
次に、第2領域3の被測色パターンが適切に測色できたかどうかを判断するために、処理2007及び処理2012で求めた誤差から、被測色パターンの測色における紙送り誤差を算出する(処理2013)。処理2013で求めた誤差が、被測色パターンの測色が適切に行うことができるための許容範囲内であるかを判断し(処理2014)、許容範囲である場合は測色処理1を終了させ、許容範囲内でない場合はエラーを通知(処理2015)して測色処理1を終了する。
【0082】
(第9実施形態)
本実施形態は、第2領域3の被測色パターンの測色を含む測色処理2のプログラムである。測色処理2のフローチャートを図14に示す。測色システム100、被記録部材1を用いるのは第8実施形態と同じである。本実施形態は、紙送りピッチ情報の補正を行わずに被測色パターンの測色を行い、被測色パターンの測色後に算出する補正値から被測色パターンが適切に測色されたかを判断する処理である。このため、第2の位置検出パターンの測色を被測色パターンの測色前に行わないので、被記録部材1の測色位置を戻す必要がない。
【0083】
まず、被記録部材1を投入すると紙送り部200が起動し、被記録部材1の紙送りがスタートする(処理3000)。理論的記録位置61において第1の位置検出パターン4の測色を行い紙送り情報の第1の誤差を検出する(処理3001)。処理3001において、理論的記録位置61において第1の位置検出パターン4が存在しなかった場合、または斜行状態であった場合は、それぞれ測定範囲外となる値を第1の誤差として設定する。検出した第1の誤差から第1の位置検出パターン4が第2領域3の測色が適切に行える許容範囲にあるかどうかを判断し(処理3002)、適切な測色ができないと判断した場合はエラーを通知し(処理3008)、測色処理2を終了させる。
【0084】
処理3002において第2領域3の測色が適切に行えると判断された場合、第2領域3の測色を行い(処理3003)、引き続き、理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5の測色を行い第2の誤差を検出する(処理3004)。処理3004において、理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5が存在しなかった場合、または斜行状態であった場合は、それぞれ測定範囲外となる異なる値を第2の誤差として設定する。
【0085】
次に、検出した第2の誤差から第2の位置検出パターン5の位置が許容範囲にあるかどうかを判断し(処理3005)、適切な測色ができない紙送り量であると判断した場合はエラーを通知し(処理3008)測色処理2を終了させる。
【0086】
次に第1の誤差及び第2の誤差から被記録部材1の紙送り誤差を算出する(処理3006)し、紙送り量が適切であるかどうかを判断し(処理3007)、適切な場合は測色処理2を終了させ、適切でない場合はエラー通知(処理3008)後に測色処理2を終了させる。
【0087】
(第10実施形態)
本実施形態は、第1の位置検出パターン4の測色結果から紙送りピッチ情報を補正してから第2領域3の測色及び第2の位置検出パターン5の測色を行い、第1の位置検出パターン4の測色結果と第2の位置検出パターン5の測色結果とから第2領域3の測色における紙送り誤差を算出し、算出した紙送り誤差から第2領域3が適切に測色できたかを判断する測色処理3のプログラムである。フローチャートを図15に示す。この方法においても、第2の位置検出パターンの測色を第2領域3の測色前に行わないので、被記録部材1の測色位置を戻す必要がない。
【0088】
まず、被記録部材1を投入すると紙送り部200が起動し、被記録部材1の紙送りがスタートする(処理7000)。理論的記録位置61において第1の位置検出パターン4の測色を行い紙送り量の第1の誤差を検出する(処理7001)。処理7001において、理論的記録位置61に第1の位置検出パターン4が存在しなかった場合、または斜行状態であった場合は、それぞれ測定範囲外となる値を第1の誤差として設定する。検出した第1の誤差から第1の位置検出パターン4が第2領域3の測色が適切に行える許容範囲にあるかどうかを判断し(処理7002)、適切な測色ができないと判断した場合はエラーを通知し(処理7009)、測色処理3を終了させる。
【0089】
次に、処理7001で検出した第1の誤差から紙送りピッチ情報に対しての補正値を算出し、紙送りピッチ情報の補正を行う(処理7003)。補正した紙送りピッチ情報を、第2紙送りピッチ情報と呼ぶ。処理7004から処理7007の処理は、上述した処理3007から処理3007と同等の処理である。
【0090】
次に、理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5の測色を行い紙送り量の第2の誤差を検出し(処理7008)、適切な測色ができない紙送り量であると判断した場合はエラーを通知し(処理7009)測色処理3を終了させる。
【0091】
以上、複数の実施形態の説明を行ったが、本発明は上述した実施形態に含まれる処理内容が含まれればよく、上述した実施形態に限られるものではない。
【0092】
また、上術の実施形態においては、いずれも紙送りピッチ情報の補正を紙送りピッチ長で行う実施形態を示したが、紙送りピッチ情報の補正を紙送りピッチ数で行ってもかまわない。この場合、補正により理論的記録位置61と理論的記録位置71間の紙送りピッチ数が異なってくることになる。いずれにしても、第1の位置検出パターン及び第2の位置検出パターンの測色結果をもとに紙送りピッチ情報の補正を行うことで、第2領域3の被測色パターンを適切に測色することが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
1…被記録部材、4…第1の位置検出パターン、5…第2の位置検出パターン、6…記録位置、7…記録位置、100…測色システム、101…測色器、102…乾燥ファン、200…紙送り部、301…被記録部材、302…第1領域、303…第2領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、測色システム、測色システムの紙送り誤差の検出方法及び測色システムの紙送り誤差の検出プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品のパッケージ、ポスターなど大量に作成されるものには、記録装置などの印刷または記録する手段を用いて作成されるものがある。このような場合、製品の個々で色の違いがあると品質上の観点から好ましくない印象を人に与える場合がある。色の違いを発生させる要因としては、被記録部材の質の違い、気温の違い、空気の湿度の違いなど様々なものが存在する。また、記録装置が異なると、同じ色を記録するための設定が異なる場合が多い。このため、実際に記録装置を用いて記録(印刷)した色を測色し、測色した結果から得られる調整量をフィードバックして記録装置の設定を調整することが行われる。
【0003】
測色する対象は、カラーチャートである場合が多い。カラーチャートとは、複数の色を特定の大きさのブロック状に記録し並べたものであり、測色はブロック状の複数の色の各々について行われる。
【0004】
カラーチャートの測色は測色器により行われる。測色器には、人手でカラーチャート上を走査して測色を行うハンディタイプの測色器や、搬送機を用いてカラーチャートを記録した被記録部材を測色エリアに搬送し自動的に測色を行うタイプの測色器が存在する。人手による走査は同じ走査を繰り返すことが困難であることから自動的に測色を行うタイプの測色器(測色システム)の導入が進んでいる。
【0005】
しかしながら、自動的に測色を行うタイプの測色器では、被記録部材が適切に搬送されていないと複数の色の各々の測色位置が正確でなくなり、周囲の色の影響を受けてしまうことから正確な測色を行うことができない。従って、記録装置にフィードバックする正確な調整量を算出するためには被記録部材を適切に測色器に搬送できるかどうかが重要なポイントとなる。記録される色の違いが被記録部材の質の違い、気温の違い、空気の湿度の違いなどが原因で発生するように、被記録部材の搬送量も、被記録部材の質の違い、気温の違い、空気の湿度の違いなどが原因で発生する。
【0006】
被記録部材が適切に搬送されているかどうかを確認する手段は、例えば、特許文献1に、ロール紙の搬出方向に対して所定の幅を持つレジストマーカーを印刷し、レジストセンサーにより印刷後のレジストマーカーのロール紙搬出方向の幅を検出することでロール紙のスキューを検知する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−31978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、被記録部材が適切に搬送されているかどうかの検出のために専用のセンサーを持つことは測色器のコストの上昇を招くという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。また、特に断りのない場合、紙送りピッチ情報とは紙送りピッチ長及び紙送りピッチ数の両方の要素を含むものとする。
【0010】
[適用例1]
本適用例に係るひとつの測色システムは、測色デバイスと、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、前記一対の位置検出パターンの測色情報と、を含み、前記紙送りピッチ情報と前記一対の位置検出パターンの位置情報から検出できる前記被記録部材上の位置で、前記一対の位置検出パターンの各々を前記測色デバイスによる測色を行い、前記測色デバイスによる測色の結果と前記一対の位置検出パターンの測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンを測色システムが有する測色デバイスを用いて測色することで、被記録部材の紙送り状態を検出することができると共に、専用のセンサーを有しないのでコストの上昇を抑えることができる。
【0012】
また、パターン情報として一対の位置検出パターンの位置情報と紙送り機の紙送りピッチ情報とから被記録部材における一対の位置検出パターンの測色位置を検出することが可能であり、該検出位置における一対の位置検出パターンの測色結果から紙送り誤差を検出することが可能となる。紙送り誤差が分かれば、紙送りピッチの補正量の算出が可能となる。
【0013】
[適用例2]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記パターン情報は、前記一対の位置検出パターンの各々の形状の情報を含み、前記各々の形状の情報は、前記一対の位置検出パターンの各々が、ずらして配置された複数の単位ブロックを含むこと、前記複数の単位ブロックの各々が、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していること、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置すること、前記複数の単位ブロックのうち、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、を含むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、複数の単位ブロックの各々は、一方の端部に位置する第1の単位ブロックから他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックまで連続して所定の長さずれて記録されていることから、最もよく認識できる単位ブロックが第1の単位ブロックまたは第2の単位ブロックから数えて何番目の位置にある単位ブロックかを知ることで、容易に紙送り量の誤差を知ることができる。単位ブロックのズレの所定の長さとは、被記録部材の紙送り量がずれたとしても測色デバイスによる測色位置が、複数の単位ブロックのいずれかの単位ブロック上にくることを見込んで設定する長さである。例えば紙送りピッチ長の初期設定値と同じとしてもよい。
【0015】
[適用例3]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報を含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、を含み、前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、前記他の一方の位置検出パターンに対して第2の測色を行い、前記一対の位置検出パターンの各々における前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記紙送りピッチ情報に基づいて算出される前記被記録部材の紙送り量とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出し、前記紙送り誤差に基づいて前記紙送りピッチ情報の補正を行うことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第2領域の前後の位置における測色結果である、第1の測色結果及び第2の測色結果と紙送りピッチ情報から紙送り誤差を検出することができ、被測色パターンを適切に測色することができるための紙送りピッチ情報の補正値を算出することができる。
【0017】
[適用例4]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記補正は、前記被測色パターンの測色の前に算出することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、補正後に被測色パターンの測色を行うことで、被測色パターンの測色を適切な紙送りピッチで行うことができる。
【0019】
[適用例5]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記補正値は、前記第1の測色、前記被測色パターンの測色及び前記第2の測色を連続して行った後に算出することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、被測色パターンの測色が適した紙送りピッチ情報で行われたかどうかを知ることができる。
【0021】
[適用例6]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報とを含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、を含み、前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、前記第1の測色における前記複数の単位ブロックの測色結果と前記紙送りピッチ情報とから前記被記録部材が前記第1の測色を行った地点までの第1の紙送り誤差を検出し、前記第1の紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報を補正するための第1の補正値を算出し、前記第1の補正値による補正後の紙送りピッチ情報により前記被記録部材を紙送りして前記被測色パターンの測色及び前記他の一方の位置検出パターンに対しての第2の測色を行い、前記第1の測色結果及び前記第2の測色結果と前記補正後の紙送りピッチ情報とから求まる前記一対の位置検出パターンの各々の間の距離から前記補正後の紙送りピッチ情報に対しての第2の補正値を算出することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、第1の測色結果による第1の補正値を算出し、第1の補正値による補正後の紙送りピッチで被測色パターンの測色及び第2の測色を行うことで、被測色パターンの測色を適切な紙送りピッチで行えると共に、第1の測色結果及び第2の測色結果と補正後の紙送りピッチ情報とから求まる一対の位置検出パターンの各々の間の距離から補正後の紙送りピッチ情報に対しての第2の補正値を算出することができ、第2の補正値がどのような値であるかを確認することで第2領域の測色が正しく行われたかどうかの確認を行うことができる。第2の補正値が所定の値よりも小さければ被測色パターンの測色は適切に行われたと判断することができる。所定の値とは第2領域に記録された被測色パターンの識別条件で決まる値であり、例えば、カラーチャートの各々の色のブロックの大きさを元にして決めることができる値である。
【0023】
[適用例7]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記一対の位置検出パターンの少なくともひとつにおける前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記測色情報とから、前記被記録部材が前記紙送り方向に対して斜めの状態で前記紙送りされていることを検出するが好ましい。
【0024】
この構成によれば、測色システムが予め有している一対の位置検出パターンの測色情報と、一対の位置検出パターンのいずれかを形成する複数の単位ブロックの測色結果とを比較することにより、被記録部材が斜行していることを容易に検出することができる。
【0025】
[適用例8]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、更に、前記紙送り方向における前記測色デバイスの手前側に送風部を有し、前記送風部により送風を行った前記第1領域及び前記第2領域における領域に対して前記測色デバイスによる測色が行われることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、第1領域及び第2領域に記録されたパターンの色が安定するまで所定の時間の経過が必要な場合でも、第1領域及び第2領域に送風部を用いて送風を行うことで、所定の時間よりも短い時間でパターンの色を安定させることができる。
【0027】
[適用例9]
上記の適用例に係るひとつの測色システムにおいて、前記紙送り機を含むことが好ましい。
【0028】
この構成によれば、測色システム外に紙送り機を用意する必要がなくなる。
【0029】
[適用例10]
本適用例に係るひとつの測色システムの紙送り誤差の検出方法は、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、前記一対の位置検出パターンの測色情報と、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、を含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていること、前記一対の位置検出パターンの各々がずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいること、前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、を含み、前記紙送り機が紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行い、前記一対の位置検出パターンの測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出し、前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出することを特徴とする。
【0030】
この方法によれば、被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンを測色システムが有する測色デバイスを用いて測色することで検出することから、被記録部材の紙送り状態を検出するための専用のセンサーを有しないのでコストの上昇を抑えることができる。また、一対の位置検出パターンの各々がずらして配置された複数の単位ブロックから構成されていることから、測色システムが有しているパターン情報と紙送りピッチ情報とから検出される位置で一対の位置検出パターンの測色を行うことで、測色システムが保持している測色情報、測色結果及び単位ブロックの各々の所定の長さのズレ量とから紙送り量の誤差を検出することが可能となり、紙送りピッチの補正量の算出が可能となる。第2領域を挟んで離れた位置にある一対の位置検出パターンの各々に紙送りピッチの補正量を算出することにより、適切な被記録部材の紙送りの制御のための補正値を算出することが可能となる。所定の長さとは、被記録部材の紙送り量がずれたとしても測色デバイスによる測色位置が、複数の単位ブロックのいずれかの単位ブロック上にくることを見込んで設定する長さである。例えば紙送りピッチ長の初期設定値と同じとしてもよい。
【0031】
[適用例11]
上記の適用例に係るひとつの測色システムの紙送り補正値の検出方法において、前記測色デバイスにより測色を行う前に前記第1領域及び前記第2領域に対しての送風を行うことが好ましい。
【0032】
この方法によれば、第1領域及び第2領域に記録されたパターンの色が安定するまで所定の時間の経過が必要な場合でも、第1領域及び第2領域に送風部を用いて送風を行うことで、所定の時間よりも短い時間でパターンの色を安定させることができる。
【0033】
[適用例12]
本適用例に係るひとつの測色システムの紙送り誤差検出プログラムは、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、前記パターン情報は、前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、前記一対の位置検出パターンの測色情報と、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、を含み、前記一対の位置検出パターンの位置情報は、前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていること、前記一対の位置検出パターンの各々は、ずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいること、前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、を含み、前記紙送り機が前記紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行う第1の処理と、前記第1の処理における測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出する第2の処理と、前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出する第3の処理と、を有することを特徴とする。
【0034】
このプログラムによれば、紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、紙送り機の紙送りピッチ情報と、を備え、第1の処理において測色システムが予め有している一対の位置検出パターン及び紙送りピッチ情報から一対の位置検出パターンの測色を行い、第2の処理において第1の処理の測色結果と測色システムが予め有している測色情報とから被記録部材の紙送り誤差を検出し、第3の処理において第2の処理で検出した紙送り誤差から紙送りピッチ情報の補正値を算出することができる。これにより、被測色パターンの測色を適切に行うことができる紙送りピッチ情報を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】全実施形態における測色システムのイメージを示す図。
【図2】全実施形態における被記録部材のイメージを示す図。
【図3】第1、5、8実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図4】第1実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図5】第1実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図6】第1実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図7】第2実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図8】第3実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図9】第4実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図10】第4実施形態における位置検出パターンと測色エリアの関係を示す図。
【図11】第5実施形態における位置検出パターンを示す図。
【図12】第7実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図13】第8実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図14】第9実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図15】第10実施形態におけるフローチャートを示す図。
【図16】第7実施形態〜10実施形態におけるサブルーチンを示す図。
【図17】第7実施形態〜10実施形態におけるサブルーチンを示す図。
【図18】第7実施形態〜10実施形態におけるサブルーチンを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて具体的に説明する。図は説明を判り易くするために誇張して描いている部分もあり、実際のパターン形状は図のものと異なっていてもよい。
【0037】
図1に、本発明の実施形態の説明で用いる測色システム100、紙送り部200及び被記録部材301を示す。測色システム100は、内部に測色システム制御部(図示しない)、測色デバイス(図示しない)を有する測色器101及び乾燥ファン102を有する。測色器101は、被記録部材301の紙送り方向と直交する方向に測色器駆動部(図示しない)により駆動される。乾燥ファン102及び測色器駆動部は測色システム制御部により制御される。被記録部材301にはカラーチャート306が記録されており、紙送り方向において、カラーチャート306の前側に第1のマーカー304が記録され、カラーチャート306の後側に第2のマーカー305が記録されている。
【0038】
図2は被記録部材301における第1領域302と第2領域303を示す図である。第2領域303は第1領域302に囲まれており、図1において、カラーチャート306が記録されている領域は、第2領域303の一部である。ここで、第2領域303の一部としたが、第2領域303全体にカラーチャートが記録されていても構わない。また、第1のマーカー304、第2のマーカー305及びカラーチャート306の記録後の乾燥が不十分な場合、測色前に乾燥ファン102により被記録部材301に送風することで、乾燥を進めた状態での測色が可能となる。
【0039】
(第1実施形態)
図3に本実施形態で用いる被記録部材1を示す。第1領域2には第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5が記録されている。第2領域3は測色の対象が記録される領域である。測色の対象は本実施形態では特に指定しない。
【0040】
図3には測色器101の測色エリア8と測色器101の測色時の進行方向9を示す。また、図3に第1の位置検出パターン4の記録位置6と第2の位置検出パターン5の記録位置7を示す。記録位置6及び記録位置7はそれぞれ第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の中心の位置である。紙送り部200は、記録位置6及び記録位置7の位置を被記録部材1の先端11からの紙送りピッチ情報で認識する。紙送り部200が紙送りピッチ情報で認識する被記録部材1の紙送り位置を理論的記録位置と呼ぶことにする。以降において、記録位置6に対しての理論的記録位置を理論的記録位置61と、記録位置7に対しての理論的記録位置を理論的記録位置71と呼ぶことにする。
【0041】
第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の各々は矩形状の単位ブロックが複数繋がって構成されている。それぞれの単位ブロックは隣合う単位ブロックとは被記録部材1の紙送り方向10において長さP1ずれて記録されている。本実施形態において、第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5のそれぞれの単位ブロック数は奇数である。奇数個の単位ブロックで構成されることにより、記録位置6及び記録位置7はそれぞれの中心にある単位ブロックの中心の位置を示す位置となる。
【0042】
第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の測色結果はLab値で出力される。本実施形態において、各々の単位ブロックは黒である。よって、例えば記録位置6と理論的記録位置61が一致した場合、第1の位置検出パターン4の測色結果は第1の位置検出パターン4の中心に位置する単位ブロック45のL値が最も小さい値となる。測色システム100には、パターン情報の1つとして、記録位置6において測色を行った場合の各々の単位ブロックのL値の状態が記憶されている。記憶されるL値の状態は各々の単位ブロックの識別が可能であるものであればどのようなものでもよい。例えば、各々の単位ブロックのL値を記憶してもよいし、最も高いL値を持つ単位ブロックの位置及び最も低いL値を持つ単位ブロックの位置でもよい。本実施形態では、第1の位置検出パターン4の中心に記録された単位ブロック45のL値が他の単位ブロックのL値よりも低い値であり、第1の位置検出パターン4の両端に位置する単位ブロック41及び49のL値が他の単位ブロックのL値よりも高い値であり、単位ブロック41から49までのL値の変化率が予め記憶されていることとする。
【0043】
図4に被記録部材1が先端11から理論的記録位置まで、紙送り部200により紙送り方向10に紙送りされ、記録位置6と理論的記録位置61が一致した場合の図を示す。測色器101の測色エリア80は90で示される方向に単位ブロックの大きさ分の移動をしながら測色を行う。測色エリアを単位ブロックの大きさの位置に合わせて移動させて測色を行うことで、単位ブロックの各々に対しての測色結果を得ることができる。
【0044】
図4に、第1の位置検出パターン4の中心にある単位ブロック45における測色エリア81を示す。図5に、第1の位置検出パターン4の紙送り方向10において最前列となる単位ブロック41の測色エリア82を示す。図6に第1の位置検出パターン4の紙送り方向10において最後列となる単位ブロック49の測色エリア83を示す。図4〜6における測色エリア81、82及び83おける各々の単位ブロックの占める面積から分かるように、第1の位置検出パターン4の測色結果は、両端に位置する単位ブロック41及び49のL値が他の単位ブロックよりも高く、中心に位置する単位ブロック45のL値が他の単位ブロックよりも低い値となる。この測色結果は、測色システム100に予め記憶された記録位置6における測色結果と一致する。これにより、測色システム100は適切な紙送りピッチで被記録部材1が紙送りされており、紙送り部200に対して、紙送りピッチの補正の必要がないことを認識することができる。
【0045】
(第2実施形態)
本実施形態は、記録位置6と理論的記録位置61が一致しなかった場合の1例である。
【0046】
図7は、測色システム100が、理論的記録位置61が測色位置に到達したと判断したときに、記録位置6が測色位置に到達しなかった場合を示す図である。図7から分かるように、単位ブロック43のL値が他の単位ブロックのL値よりも高く、最後列の単位ブロック49は測色エリア83に入ることができず、測色エリア83のL値は他の単位ブロックのL値よりも高くなる。この測色結果は、測色システム100に予め記憶された記録位置6における測色結果と一致しない。従って、測色システム100は、適切に被記録部材1の紙送りを行うためには紙送りピッチの補正が必要であると判断することができる。
【0047】
本実施形態の場合、各々の単位ブロックの測定において、L値が最も低いのは単位ブロック43の測色結果である。単位ブロック43は、紙送り方向10において、本来最もL値が低くなるはずの単位ブロック45よりも前方にP1×2ずれて記載されているブロックである。このことから、理論的記録位置61までの紙送り量がP1×2少なかったことになる。被記録部材1の先端11から理論的記録位置61までの紙送りピッチ数をmとすると、紙送りピッチ長を{(P1×2)/m}多くする補正を行うことで、適切な紙送りピッチ長とすることができる。
【0048】
(第3実施形態)
本実施形態は、記録位置6と理論的記録位置61が一致しなかった場合の他の例である。
【0049】
図8は、測色システム100が、理論的記録位置61が測色位置に到達したと判断したときに、記録位置6が測色位置を過ぎてしまった場合を示す図である。図8から分かるように、単位ブロック47のL値が他の単位ブロックのL値よりも低く、最前列の単位ブロック41は測色エリア82に入ることができず、測色エリア82のL値は他の単位ブロックのL値よりも高くなる。この測色結果は、測色システム100に予め記憶された記録位置6における測色結果と一致しない。従って、測色システム100は、適切に被記録部材1の紙送りを行うためには紙送りピッチの補正が必要であると判断することができる。
【0050】
本実施形態の場合、各々の単位ブロックの測定において、L値が最も低いのは単位ブロック45の測色結果である。単位ブロック47は、紙送り方向10において、本来最もL値が低くなるはずの単位ブロック45よりも後方にP1×2ずれて記載されているブロックである。このことから、理論的記録位置61までの紙送り量がP1×2多かったことになる。被記録部材1の先端11から理論的記録位置61までの紙送りピッチ数をmとすると、紙送りピッチ長を{(P1×2)/m}少なくする補正を行うことで、適切な紙送りピッチ長とすることができる。
【0051】
(第4実施形態)
本実施形態は、記録位置6と理論的記録位置61が一致しなかった場合の他の例である。
【0052】
図9は、被記録部材1が紙送り方向10において右側が先行する第1の斜行の状態で紙送りされているときに、理論的記録位置61が測色位置にきたと、測色システム100が判断した場合を示す図である。また、図10は、被記録部材1が紙送り方向10において左側が先行する第2の斜行の状態で紙送りされているときに理論的記録位置61が測色位置にきたと、測色システム100が判断した場合を示す図である。
【0053】
第1の斜行の状態であっても、第2の斜行の状態であっても、被記録部材1が斜行の状態で紙送りされた場合、隣合う単位ブロック間におけるL値の変化の割合が測色システム100に予め記憶されている状態から求まる隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合と異なってくる。測色システム100に予め記憶されている状態から求まる隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合に対して、第1の斜行の状態の場合は隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合が小さくなり、第2の斜行の状態の場合は隣合う単位ブロック間のL値の変化の割合は大きくなる。
【0054】
(第5実施形態)
本実施形態は、第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5とを用いて紙送りピッチ情報を補正する方法である。図11に第1の位置検出パターン4の記録位置6と理論的記録位置61及び第2の位置検出パターン5の記録位置7と理論的記録位置71を示す。本実施形態では、紙送りピッチ数は、第2領域の測色パターンの測色に適した値に決められているとする。
【0055】
被記録部材1の先端11より紙送り部200により紙送りされ、まず、理論的記録位置61において、第1の位置検出パターン4における最もL値の低い単位ブロックの位置を検出する。測色器101は単位ブロックの大きさ分移動しながら各々の単位ブロックを測色するので、最もL値の低い単位ブロックの位置は容易に知ることができる。図11に示すように、理論的記録位置61は単位ブロック44の中心にあり、最もL値の低い単位ブロックは単位ブロック44となる。
【0056】
理論的記録位置61で測色を行った後、被記録部材1は紙送り部200により紙送りされ、理論的記録位置71において、第2の位置検出パターン5における最もL値の低い単位ブロックの位置を検出する。図11に示すように、理論的記録位置71は単位ブロック51の中心にあり、最もL値の低い単位ブロックは単位ブロック51である。ここで、理論的記録位置61から理論的記録位置71までの、紙送りピッチ数と紙送りピッチ長で決まる距離を第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5との間の理論的距離とする。
【0057】
紙送りピッチ数から認識できる記録位置6と記録位置7との間の距離をDとすると、理論的距離は、単位ブロック2個のズレ量分短いことになり(D−P1×3)となる。紙送りピッチ数をmとすると、{(P1×3)/m}紙送りピッチ長を多くする補正を行うことで適切な紙送りピッチとすることができる。
【0058】
(第6実施形態)
本実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態及び第5実施形態を含む実施形態である。まず、第1の紙送りピッチ情報で第1の位置検出パターン4の記録位置6と理論的記録位置61との関係から第1の補正値を求め、第1の紙送りピッチ情報の補正を第1の補正値を用いて行い、第2の紙送りピッチ情報を算出する。これに関しては第1〜3実施形態を参照していただきたい。
【0059】
次に、第2の紙送りピッチ情報で第2領域3の測色を行った後、被記録部材1を理論的記録位置71まで紙送りを行う。
【0060】
理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5の測色を行い、第1の位置検出パターン4の最もL値の低い単位ブロックの位置と第2の位置検出パターン5の最もL値の低い単位ブロックの位置との関係から第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターンとの間の理論的距離と第2の紙送りピッチ情報から認識できる記録位置6と記録位置7との間の距離Dとから第2の補正値を求める。これに関しては第5実施形態を参照していただきたい。
【0061】
第2の補正値が第2領域3の測色パターンの測色が正しくできる許容範囲内であるとき、第2領域3の測色は問題なく行われたと判断することができる。
【0062】
(第7実施形態)
本実施形態は、測色システムにおける、上述した第5実施形態を実施するためのプログラムである。フローチャートを図12に示す。本実施形態で用いる被記録部材は、図11で示す被記録部材1であり、測色システムのイメージは図1である。従って、本実施形態においても上述の実施形態の用語をそのまま用いる。本実施形態のプログラムのフローチャート1を図12に示す。また、このフローチャートは処理を行うに際して必要な初期設定の記載は省略してある。必要な初期設定とは、例えば紙送りピッチ長や、被記録部材1の先端から、理論的記録位置61、理論的記録位置71及び第2領域の先端部のそれぞれにいたるまでの紙送りピッチ数、単位ブロックのズレ量P1などである。
【0063】
被記録部材1の第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5の測色を行う第1の処理は、フローチャート1の処理1001〜処理1004である。処理1000により被記録部材の投入を検出すると、紙送り部200は第1の位置検出パターン4の理論的記録位置61が測色エリアに来るように被記録部材1を紙送りする(処理1001)。
【0064】
測色器101は、被記録部材1を予め決められた単位ブロックの単位で測色エリアを移動させながら各々の単位ブロックを測色し、L値の最も小さいブロックの位置を特定する(処理1002)。図11において、測色エリアの中心は理論的記録位置61上にある。このことから分かるように、本実施形態においては、単位ブロック44のL値が最も小さくなる。フローチャートに記載はしないが、このときに隣合う単位ブロックのL値の変化の割合も計算し測色システム100内のメモリーに記憶しておくとよい。
【0065】
次に、紙送り部200は第2の位置検出パターン5の理論的記録位置71まで被記録部材1を紙送りし(処理1003)、測色器101は予め決められた単位ブロックの単位で測色エリアを移動させながら各々の単位ブロックの測色を行いL値の最も小さいブロックの位置を特定する(処理1004)。図11において、単位ブロック51のL値が最も小さくなる。第1の位置検出パターン4のときの測色と同様に、フローチャートに記載はしないが、このときに隣合う単位ブロックのL値の変化の割合も計算し測色システム100内のメモリーに記憶しておくとよい。
【0066】
上述した第1の処理により、理論的記録位置61及び71とそれぞれの被記録部材1上の記録位置6及び7とのズレを検出することができる。検出精度は単位ブロックの並びのズレ量と紙送りピッチ長の初期設定値に依存する。これらの値は第2領域に記録されている測色パターンに適切となるように適宜合わせて設定してから第1の処理を行うことが好ましい。
【0067】
第2の処理はフローチャート1の処理1005〜処理1008である。処理1005は第1の位置検出パターン4と第2の位置検出パターン5との間の理論的距離を求める処理である。処理1005において求めた理論的距離をEとする。
【0068】
第1の処理により第1の位置検出パターン4及び第2の位置検出パターン5においてL値が最小となった単位ブロックの位置がそれぞれ分かっている。図11において、理論的記録位置61は単位ブロック44の中心を通っている。ここでズレ量は、記録位置6(7)よりも先に理論的記録位置61(71)が測色エリアに到達した場合、マイナスの符号を付けることにする。これにより、理論的記録位置61におけるズレ量(第1のズレ量)は−P1である(処理1006)。理論的記録位置71は単位ブロック51の中心を通っている。4個分のズレがあり、理論的記録位置71におけるズレ量(第2のズレ量)は−P1×4である(処理1007)。よって、理論的記録位置61から理論的記録位置71に至るまでの紙送り量のズレ量は{(−P1×4)−(−P1×)=−P1×3}となる(処理1008)。よって、補正後の理論的距離がE+(P1×3)となればよい。
【0069】
第3の処理は、フローチャート1の処理1009である。理論的記録位置61から理論的記録位置71までの紙送りピッチ数をmとすると、紙送りピッチ長の補正値は{−(−P1×3)/m}となる。この補正値を適応することで、第1の位置検出パターン4の中心から第2の位置検出パターン5の中心までの紙送りを紙送りピッチ数をmとして行うことができる。
【0070】
(第8実施形態)
本実施形態は、第2領域3の被測色パターンの測色を含む測色処理1のプログラムである。フローチャートを図13に示す。測色システムは図1に示す測色システム100、被記録部材は図3または11に示す被記録部材1である。本実施形態は、一対の位置検出パターン4,5の測色を行い紙送りピッチ情報に補正が必要かどうかを判断し、必要な補正を行った後で第2領域3の測色を行うフローを示したものである。尚、フローチャートの記載が大きくなることを避けるため、フローチャートに細かな処理すべての記載は行わず、追加の説明が必要と判断するものは文章で記載することにする。
【0071】
まず、被記録部材1を投入すると紙送り部200が起動し、被記録部材1の紙送りがスタートする(処理2000)。被記録部材1の紙送りがスタートすると処理は図16に示すサブルーチン「第1の位置検出パターンの測色」(処理2001)に制御が渡される。
【0072】
処理2001内の処理を説明する。紙送り部200により被記録部材1を理論的記録位置61が測色位置にくるまで紙送りを行う(処理4000)。次に図18に示すサブルーチン「単位ブロックの測色」(処理4001)に制御が渡される。処理4001では理論的記録位置61を中心にした測色エリアですべての単位ブロックの測色が行われ測色結果が記憶される(処理6000)。記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の低い単位ブロックを特定する(処理6001)。続いて、記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の高い単位ブロックを特定し(処理6002)、制御が処理4001におけるサブルーチンから返される。処理4001の測色結果と測色システム100が予め有している測色情報とから記録位置6と理論的記録位置61の誤差を算出する。(処理4002)。その後制御は処理2001におけるサブルーチンから返される。
【0073】
処理2001の結果から第1の位置検出パターン4が許容範囲にあるかどうかを判断する(処理2002)。処理2002における許容範囲にあるかどうかを判断するとは、以降の処理の継続が可能かどうか、ということを判断することである。例えば、測色位置を理論的記録位置61まで進めたが、第1の位置検出パターン4のいずれの単位ブロック上にも理論的記録位置61がこなかった場合、第1の位置検出パターン4の測色は行えたが測色結果から被記録部材1が斜行していると判断された場合がこれにあたる。測色システム100が処理の継続が可能でないと判断した場合は、エラー通知を行い(処理2015)、測色処理1を終了させる。
【0074】
測色処理が可能な場合、図17に示すサブルーチン「第2の位置検出パターンの測色」(処理2003)に制御が渡される。まず、理論的記録位置71が測色位置に来るように被記録部材1の紙送りを行う(処理5000)。次に図18に示すサブルーチン「単位ブロックの測色」(処理5001)に制御が渡る。処理5001では理論的記録位置71を中心にした測色エリアですべての単位ブロックの測色が行われ測色結果が記憶される(処理6000)。記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の低い単位ブロックを特定する(処理6001)。続いて、記憶されたすべての単位ブロックの測色結果から最もL値の高い単位ブロックを特定し(処理6002)、制御が処理5001におけるサブルーチンから返される。処理5001の測色結果と測色システム100か予め有している測色情報とから記録位置7と理論的記録位置71の誤差を算出する。(処理5002)。その後制御は処理2003におけるサブルーチンから返される。
【0075】
処理2003の結果から第2の位置検出パターン5が許容範囲にあるかどうかを判断する(処理2004)。処理2004における許容範囲にあるかどうかを判断するとは、以降の処理の継続が可能かどうか、ということを判断することである。例えば、測色位置を理論的記録位置71まで進めたが、第2の位置検出パターン5のいずれの単位ブロック上にも理論的記録位置71がこなかった場合、第2の位置検出パターン5の測色は行えたが測色結果から被記録部材1が斜行していると判断された場合がこれにあたる。測色システム100が処理の継続が可能でないと判断した場合は、エラー通知を行い(処理2015)、測色処理1を終了させる。
【0076】
処理2001及び処理2003の測色結果から紙送りの補正値を算出する(処理2005)。具体的な処理はフローチャートには記載しないが、算出の方法は上述した実施形態に記載した方法と同様である。補正値が0の場合も存在する。
【0077】
次に、処理2005で求めた補正値が適正値かどうかの判断を行う(処理2006)。適正値かどうかは、補正値で補正をした紙送りピッチ情報による紙送りによる測色で、第2領域3に記録された被測色パターンの分解能が保障されるかどうかで判断される。適正値と判断される場合は処理2007に進む。適正値と判断されない場合は、エラー通知を行い(処理2015)、測色処理1を終了させる。
【0078】
第2領域3を測色するためには、被記録部材1を紙送り部200により紙送り方向10の反対の方向に戻す必要がある。戻す位置は被記録部材1の先端11まで戻してもよいが、第1の位置検出パターン4の位置まで戻すのが好ましい。被記録部材1の戻し位置を確認するサブルーチンの処理が処理2007である。処理2007の中で実行される処理4002により理論的記録位置61と記録位置6のズレ量を検出する。その結果を元に測色位置と記録位置6が重なるように、つまり第1の位置検出パターン4の中心が測色位置にくるように紙送り部200は被記録部材1の位置を調整する(この処理はフローチャートに図示しない)。
【0079】
次に紙送りピッチ情報のうちの紙送りピッチ長を処理2005により算出した補正値により補正する(処理2008)。第1の位置検出パターン4と第2領域3における被測色パターンと距離情報を有する場合は補正をした紙送り情報を元にして紙送り量を算出する(処理2009)。この情報に基づき紙送り部200は被測色パターンの先端が測色位置まで来るように紙送りを行う(処理2010)。場合によっては処理2009及び処理2010は省略しても構わない。処理2009及び処理2010を省略した場合は被測色パターンの位置を意識せずに測色を行う場合である。この場合は第1の位置検出パターン4から第2の位置検出パターン5までの間すべて領域の測色が必要となる。よって、処理2009及び処理2010を行うことは、測色時間の短縮に繋げることができる。
【0080】
処理2011は被測色パターンの測色処理である。処理2011の後、処理2012により理論的記録位置71の位置検出を行い、理論的記録位置71と記録位置7との誤差を改めて検出する。
【0081】
次に、第2領域3の被測色パターンが適切に測色できたかどうかを判断するために、処理2007及び処理2012で求めた誤差から、被測色パターンの測色における紙送り誤差を算出する(処理2013)。処理2013で求めた誤差が、被測色パターンの測色が適切に行うことができるための許容範囲内であるかを判断し(処理2014)、許容範囲である場合は測色処理1を終了させ、許容範囲内でない場合はエラーを通知(処理2015)して測色処理1を終了する。
【0082】
(第9実施形態)
本実施形態は、第2領域3の被測色パターンの測色を含む測色処理2のプログラムである。測色処理2のフローチャートを図14に示す。測色システム100、被記録部材1を用いるのは第8実施形態と同じである。本実施形態は、紙送りピッチ情報の補正を行わずに被測色パターンの測色を行い、被測色パターンの測色後に算出する補正値から被測色パターンが適切に測色されたかを判断する処理である。このため、第2の位置検出パターンの測色を被測色パターンの測色前に行わないので、被記録部材1の測色位置を戻す必要がない。
【0083】
まず、被記録部材1を投入すると紙送り部200が起動し、被記録部材1の紙送りがスタートする(処理3000)。理論的記録位置61において第1の位置検出パターン4の測色を行い紙送り情報の第1の誤差を検出する(処理3001)。処理3001において、理論的記録位置61において第1の位置検出パターン4が存在しなかった場合、または斜行状態であった場合は、それぞれ測定範囲外となる値を第1の誤差として設定する。検出した第1の誤差から第1の位置検出パターン4が第2領域3の測色が適切に行える許容範囲にあるかどうかを判断し(処理3002)、適切な測色ができないと判断した場合はエラーを通知し(処理3008)、測色処理2を終了させる。
【0084】
処理3002において第2領域3の測色が適切に行えると判断された場合、第2領域3の測色を行い(処理3003)、引き続き、理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5の測色を行い第2の誤差を検出する(処理3004)。処理3004において、理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5が存在しなかった場合、または斜行状態であった場合は、それぞれ測定範囲外となる異なる値を第2の誤差として設定する。
【0085】
次に、検出した第2の誤差から第2の位置検出パターン5の位置が許容範囲にあるかどうかを判断し(処理3005)、適切な測色ができない紙送り量であると判断した場合はエラーを通知し(処理3008)測色処理2を終了させる。
【0086】
次に第1の誤差及び第2の誤差から被記録部材1の紙送り誤差を算出する(処理3006)し、紙送り量が適切であるかどうかを判断し(処理3007)、適切な場合は測色処理2を終了させ、適切でない場合はエラー通知(処理3008)後に測色処理2を終了させる。
【0087】
(第10実施形態)
本実施形態は、第1の位置検出パターン4の測色結果から紙送りピッチ情報を補正してから第2領域3の測色及び第2の位置検出パターン5の測色を行い、第1の位置検出パターン4の測色結果と第2の位置検出パターン5の測色結果とから第2領域3の測色における紙送り誤差を算出し、算出した紙送り誤差から第2領域3が適切に測色できたかを判断する測色処理3のプログラムである。フローチャートを図15に示す。この方法においても、第2の位置検出パターンの測色を第2領域3の測色前に行わないので、被記録部材1の測色位置を戻す必要がない。
【0088】
まず、被記録部材1を投入すると紙送り部200が起動し、被記録部材1の紙送りがスタートする(処理7000)。理論的記録位置61において第1の位置検出パターン4の測色を行い紙送り量の第1の誤差を検出する(処理7001)。処理7001において、理論的記録位置61に第1の位置検出パターン4が存在しなかった場合、または斜行状態であった場合は、それぞれ測定範囲外となる値を第1の誤差として設定する。検出した第1の誤差から第1の位置検出パターン4が第2領域3の測色が適切に行える許容範囲にあるかどうかを判断し(処理7002)、適切な測色ができないと判断した場合はエラーを通知し(処理7009)、測色処理3を終了させる。
【0089】
次に、処理7001で検出した第1の誤差から紙送りピッチ情報に対しての補正値を算出し、紙送りピッチ情報の補正を行う(処理7003)。補正した紙送りピッチ情報を、第2紙送りピッチ情報と呼ぶ。処理7004から処理7007の処理は、上述した処理3007から処理3007と同等の処理である。
【0090】
次に、理論的記録位置71において第2の位置検出パターン5の測色を行い紙送り量の第2の誤差を検出し(処理7008)、適切な測色ができない紙送り量であると判断した場合はエラーを通知し(処理7009)測色処理3を終了させる。
【0091】
以上、複数の実施形態の説明を行ったが、本発明は上述した実施形態に含まれる処理内容が含まれればよく、上述した実施形態に限られるものではない。
【0092】
また、上術の実施形態においては、いずれも紙送りピッチ情報の補正を紙送りピッチ長で行う実施形態を示したが、紙送りピッチ情報の補正を紙送りピッチ数で行ってもかまわない。この場合、補正により理論的記録位置61と理論的記録位置71間の紙送りピッチ数が異なってくることになる。いずれにしても、第1の位置検出パターン及び第2の位置検出パターンの測色結果をもとに紙送りピッチ情報の補正を行うことで、第2領域3の被測色パターンを適切に測色することが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
1…被記録部材、4…第1の位置検出パターン、5…第2の位置検出パターン、6…記録位置、7…記録位置、100…測色システム、101…測色器、102…乾燥ファン、200…紙送り部、301…被記録部材、302…第1領域、303…第2領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測色デバイスと、
紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、
前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、
を備え、
前記パターン情報は、
前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、
前記一対の位置検出パターンの測色情報と、
を含み、
前記紙送りピッチ情報と前記一対の位置検出パターンの位置情報から検出できる前記被記録部材上の位置で、前記一対の位置検出パターンの各々を前記測色デバイスによる測色を行い、
前記測色デバイスによる測色の結果と前記一対の位置検出パターンの測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出することを特徴とする測色システム。
【請求項2】
前記パターン情報は、前記一対の位置検出パターンの各々の形状の情報を含み、
前記各々の形状の情報は、
前記一対の位置検出パターンの各々が、ずらして配置された複数の単位ブロックを含むこと、
前記複数の単位ブロックの各々が、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していること、
前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置すること、
前記複数の単位ブロックのうち、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、
を含むこと特徴とする請求項1に記載の測色システム。
【請求項3】
前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報を含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが、前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、
前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが、前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、
を含み、
前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、前記他の一方の位置検出パターンに対して第2の測色を行い、
前記一対の位置検出パターンの各々における前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記紙送りピッチ情報に基づいて算出される前記被記録部材の紙送り量とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出し、前記紙送り誤差に基づいて前記紙送りピッチ情報の補正を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の測色システム。
【請求項4】
前記補正は、前記被測色パターンの測色の前に算出することを特徴とする請求項3に記載の測色システム。
【請求項5】
前記補正値は、前記第1の測色、前記被測色パターンの測色及び前記第2の測色を連続して行った後に算出することを特徴とする請求項3に記載の測色システム。
【請求項6】
前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報とを含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、
前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、
を含み、
前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、
前記第1の測色における前記複数の単位ブロックの測色結果と前記紙送りピッチ情報とから前記被記録部材が前記第1の測色を行った地点までの第1の紙送り誤差を検出し、
前記第1の紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報を補正するための第1の補正値を算出し、
前記第1の補正値による補正後の紙送りピッチ情報により前記被記録部材を紙送りして前記被測色パターンの測色及び前記他の一方の位置検出パターンに対しての第2の測色を行い、
前記第1の測色結果及び前記第2の測色結果と前記補正後の紙送りピッチ情報とから求まる前記一対の位置検出パターンの各々の間の距離から前記補正後の紙送りピッチ情報に対しての第2の補正値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の測色システム。
【請求項7】
前記一対の位置検出パターンの少なくともひとつにおける前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記測色情報とから、前記被記録部材が前記紙送り方向に対して斜めの状態で前記紙送りされていることを検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の測色システム。
【請求項8】
更に、前記紙送り方向における前記測色デバイスの手前側に送風部を有し、
前記送風部により送風を行った前記第1領域及び前記第2領域における領域に対して前記測色デバイスによる測色が行われることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の測色システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の測色システムが、前記紙送り機を含むことを特徴とする測色システム。
【請求項10】
紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、
前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、
を備え、
前記パターン情報は、
前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、
前記一対の位置検出パターンの測色情報と、
前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、
を含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていること、
前記一対の位置検出パターンの各々は、ずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいること、
前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、
を含み、
前記紙送り機が紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行い、
前記一対の位置検出パターンの測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出し、前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出することを特徴とする、測色システムの紙送り誤差の検出方法。
【請求項11】
前記測色デバイスにより測色を行う前に前記第1領域及び前記第2領域に対しての送風を行うことを特徴とする請求項10に記載の測色システムの紙送り誤差の検出方法。
【請求項12】
紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、
前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、
を備え、
前記パターン情報は、
前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、
前記一対の位置検出パターンの測色情報と、
前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、
を含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていることと、
前記一対の位置検出パターンの各々は、ずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいることと、
前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていることと、を含み、
前記紙送り機が前記紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行う第1の処理と、
前記第1の処理における測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出する第2の処理と、
前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出する第3の処理と、
を有することを特徴とする、測色システムの紙送り誤差検出プログラム。
【請求項1】
測色デバイスと、
紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、
前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、
を備え、
前記パターン情報は、
前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、
前記一対の位置検出パターンの測色情報と、
を含み、
前記紙送りピッチ情報と前記一対の位置検出パターンの位置情報から検出できる前記被記録部材上の位置で、前記一対の位置検出パターンの各々を前記測色デバイスによる測色を行い、
前記測色デバイスによる測色の結果と前記一対の位置検出パターンの測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出することを特徴とする測色システム。
【請求項2】
前記パターン情報は、前記一対の位置検出パターンの各々の形状の情報を含み、
前記各々の形状の情報は、
前記一対の位置検出パターンの各々が、ずらして配置された複数の単位ブロックを含むこと、
前記複数の単位ブロックの各々が、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していること、
前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置すること、
前記複数の単位ブロックのうち、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、
を含むこと特徴とする請求項1に記載の測色システム。
【請求項3】
前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報を含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが、前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、
前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが、前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、
を含み、
前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、前記他の一方の位置検出パターンに対して第2の測色を行い、
前記一対の位置検出パターンの各々における前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記紙送りピッチ情報に基づいて算出される前記被記録部材の紙送り量とから前記被記録部材の紙送り誤差を検出し、前記紙送り誤差に基づいて前記紙送りピッチ情報の補正を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の測色システム。
【請求項4】
前記補正は、前記被測色パターンの測色の前に算出することを特徴とする請求項3に記載の測色システム。
【請求項5】
前記補正値は、前記第1の測色、前記被測色パターンの測色及び前記第2の測色を連続して行った後に算出することを特徴とする請求項3に記載の測色システム。
【請求項6】
前記パターン情報は、更に、前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報とを含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の前側に記録されていること、
前記一対の位置検出パターンの他の一方の位置検出パターンが前記紙送り方向において前記第2領域の後側に記録されていること、
を含み、
前記一方の位置検出パターンに対して第1の測色を行い、
前記第1の測色における前記複数の単位ブロックの測色結果と前記紙送りピッチ情報とから前記被記録部材が前記第1の測色を行った地点までの第1の紙送り誤差を検出し、
前記第1の紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報を補正するための第1の補正値を算出し、
前記第1の補正値による補正後の紙送りピッチ情報により前記被記録部材を紙送りして前記被測色パターンの測色及び前記他の一方の位置検出パターンに対しての第2の測色を行い、
前記第1の測色結果及び前記第2の測色結果と前記補正後の紙送りピッチ情報とから求まる前記一対の位置検出パターンの各々の間の距離から前記補正後の紙送りピッチ情報に対しての第2の補正値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の測色システム。
【請求項7】
前記一対の位置検出パターンの少なくともひとつにおける前記複数の単位ブロックの各々の測色結果と前記測色情報とから、前記被記録部材が前記紙送り方向に対して斜めの状態で前記紙送りされていることを検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の測色システム。
【請求項8】
更に、前記紙送り方向における前記測色デバイスの手前側に送風部を有し、
前記送風部により送風を行った前記第1領域及び前記第2領域における領域に対して前記測色デバイスによる測色が行われることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の測色システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の測色システムが、前記紙送り機を含むことを特徴とする測色システム。
【請求項10】
紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、
前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、
を備え、
前記パターン情報は、
前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、
前記一対の位置検出パターンの測色情報と、
前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、
を含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていること、
前記一対の位置検出パターンの各々は、ずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいること、
前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていること、
を含み、
前記紙送り機が紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行い、
前記一対の位置検出パターンの測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出し、前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出することを特徴とする、測色システムの紙送り誤差の検出方法。
【請求項11】
前記測色デバイスにより測色を行う前に前記第1領域及び前記第2領域に対しての送風を行うことを特徴とする請求項10に記載の測色システムの紙送り誤差の検出方法。
【請求項12】
紙送り機により紙送りされる被記録部材に記録されたパターン情報と、
前記紙送り機の紙送りピッチ情報と、
を備え、
前記パターン情報は、
前記被記録部材の第1領域に記録された一対の位置検出パターンの位置情報と、
前記一対の位置検出パターンの測色情報と、
前記被記録部材の前記第1領域に囲まれた第2領域に記録された被測色パターンの情報と、
を含み、
前記一対の位置検出パターンの位置情報は、
前記第2領域が前記一対の位置検出パターンの一方の位置検出パターンと他の一方の位置検出パターンとに挟まれていることと、
前記一対の位置検出パターンの各々は、ずらして配置された複数の単位ブロックを含んでいることと、
前記一対の位置検出パターンの各々において、前記複数の単位ブロックの各々は、隣り合う単位ブロック同士が紙送り方向に対して直交する方向に連続していると共に、前記複数の単位ブロックのうち、一方の端部に位置する第1の単位ブロックが前記紙送り方向において最前列に位置し、他の一方の端部に位置する第2の単位ブロックが前記紙送り方向において最後列に位置し、前記第1の単位ブロック及び前記第2の単位ブロックの間に位置する単位ブロックの各々は、前記第1の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも所定の長さ後方にずれ、かつ、前記第2の単位ブロック側に隣り合う単位ブロックよりも前記所定の長さ前方にずれて記録されていることと、を含み、
前記紙送り機が前記紙送りピッチ情報から検出する前記一対の位置検出パターンの各々の位置において、前記一対の位置検出パターンの各々の測色を測色デバイスにより行う第1の処理と、
前記第1の処理における測色結果と前記測色情報とから前記被記録部材の紙送り誤差を算出する第2の処理と、
前記紙送り誤差から前記紙送りピッチ情報の補正値を算出する第3の処理と、
を有することを特徴とする、測色システムの紙送り誤差検出プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−26045(P2011−26045A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171893(P2009−171893)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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