説明

溝形金属部材を組立形成される構造部材

【課題】構造部材内部への配線が容易であると共に、孔あけ加工時の曲げ変形によるバリが生じることなく高い精度の孔あけが可能で、軽量で強度が大きく、製造コストの安価な構造部材の提供。
【解決手段】 間隔をおいて対向する第2溝形金属部材とこれらに挟まれるように内側に配置される第1溝形金属とからなる構造部材において、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成された第1溝形金属部材2を間隔をおいて3つ以上配置し、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成され、ウェブ7に内側または外側方向に突出するリブ9を複数形成した第2溝形金属部材3を第1溝形金属部材2におけるフランジ5の外側に渡って対向配置し、各第1溝形金属部材2のフランジ5と第2溝形金属部材3の内側リブ9またはウエブ7とをドリルネジ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合したことを特徴とする溝形金属部材を組立形成される構造部材1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用の柱,梁あるいは壁などの構造部材、パーティション(間仕切り)構成材またはインテリア家具あるいはオフィスデスク等の家具の金属製フレーム部材、OA機器等の筐体を構成する金属製フレーム部材として使用する溝形金属部材を組立形成される構造部材に関する。
【背景技術】
【0002】
建築用の断面矩形の構造部材、オフィスデスク等の家具の断面矩形のフレーム部材、OA機器等の筐体を構成するフレーム部材として要求されるのは、強度、軽量化は勿論であるが、安定性がよく、接合ねじ等の接合手段が部材表面から突出しないで意匠性にも優れていることが必要となる。
【0003】
このような要求を満足するものとして、例えば、フレーム部材としての板状構造部材の上下に、それぞれ上部ステーおよび下部ステーを接合して、デスク等に好適な家具用脚体としたものが知られている(例えば、特許文献1および2参照。)
また、薄板鋼板をロール成形して凹凸を形成し、電縫溶接やカシメにより4辺に凹凸を形成した閉断面柱状部材としたものも知られている。(例えば、特許文献3参照)
また、同様な断面形状の閉断面柱状部材をアルミの押し出し成形により形成することが実施されている。
【特許文献1】特開2001−186949号、図4
【特許文献2】特開平7−327748号公報、図2
【特許文献3】特開2002−266467号公報、図6
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、予め閉断面となる従来の構造部材の場合は、構造部材内部への配線等が困難であるという問題がある。また、図13に示すように、中空の閉断面柱状部材27では、ドリル28により孔開けを行う場合には、閉断面柱状部材27における側面板29が、ドリル28などの工具に対する充分な反力がとれないので、図13(a)から図13(b)に示すように、側面板29の変形あるいは湾曲が生じ、バリができるという欠点が生じる。また、孔あけ精度も低下するという問題もある。
また、特開2002−266467号公報に開示されたものは、ロール成形に極めて大がかりな設備を必要とし、そのため製品のコストが上昇するという問題を有するものであった。
また、アルミの押し出し成形によるものも、コスト的に高価であるという問題を有するものであった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の持つ課題を解消し、構造部材内部への配線が容易であると共に、孔あけ加工時の曲げ変形によるバリが生じることなく高い精度の孔あけが可能で、軽量で強度が大きく、製造コストの安価な構造部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の溝形金属部材を組立形成される構造部材においては、間隔をおいて対向する第2溝形金属部材とこれらに挟まれるように内側に配置される第1溝形金属とからなる構造部材において、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成された第1溝形金属部材を間隔をおいて3つ以上配置し、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成され、ウェブに内側または外側方向に突出するリブを複数形成した第2溝形金属部材を前記第1溝形金属部材におけるフランジの外側に渡って対向配置し、各第1溝形金属部材のフランジと第2溝形金属部材の内側リブまたはウエブとをドリルネジ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合したことを特徴とする。
【0007】
また、第2発明では、第1発明の溝形金属部材を組立形成される構造部材において、各第1溝形金属部材が間隔をおいて直列に配置され、第2溝形金属部材が各第1溝形金属部材を挟むように平行に配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、第3発明では、第1発明の溝形金属部材を組立形成される構造部材において、溝部が内側に向くように対向配置された一組の第1溝形金属部材からなる内側第1溝形金属部材ユニットが等角度間隔をおいて配置され、巾方向中央部が屈折され全体としてくの字状とされた第2溝形金属部材が等角度間隔をおいて配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、第4発明では、第3発明の溝形金属部材を組立形成される構造部材において、中心よりに等角度間隔をおいて配置された3つ以上の第1溝形金属部材と、第1溝形金属部材を接続する第2溝形金属部材により、中心部側に前記3つ以上の第1溝形金属部材と第2溝形金属部材とにより閉鎖断面形状の柱状部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
第5発明では、第3発明の溝形金属部材を組立形成される構造部材において、内側第1溝形金属部材ユニットが90°あるいは120°等の等角度間隔をおいて3方向以上に配置されていることを特徴とする。
【0011】
第6発明では、第1発明〜第5発明の溝形金属部材を組立形成される構造部材において、少なくとも2つ以上の環状閉鎖断面の柱状部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
第7発明では、第1発明〜第5発明の溝形金属部材を組立形成される構造部材において、前記第2溝形金属部材のフランジ先端にリップを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明によると、間隔をおいて対向する第2溝形金属部材とこれらに挟まれるように内側に配置される第1溝形金属とからなる構造部材において、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成された第1溝形金属部材を間隔をおいて3つ以上配置し、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成され、ウェブに内側または外側方向に突出するリブを複数形成した第2溝形金属部材を前記第1溝形金属部材におけるフランジの外側に渡って対向配置し、各第1溝形金属部材のフランジと第2溝形金属部材の内側リブまたはウエブとをドリルネジ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合して形成される構造部材の構成により、製造コストが安価で、強度の大きい構造部材を提供することができる。
また、本発明の第1及び第2溝形金属部材の接合が窪み部でドリルネジ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段より接合される構成により、接合部が表面に露出することのない構造部材を提供することができる。
また、ウェブに外側方向に突出するリブを形成した第1溝形金属部材と、ウェブに外側リブ及び内側リブを複数形成した第2溝形金属部材との組み合わせ構成の構造部材により、外側辺に他部材との接合のための窪んだ平坦面が形成されるため、他部材との接合部が表面に露出することがない構造部材を提供することができる。
また、本発明の構造部材は、第1溝形金属部材の両側に、それぞれ第2溝形金属部材を接合して組立て構成されるために、予め第1溝形金属部材あるいは第2溝形金属部材の内面側に、配線あるいは配線支持設備などの配線設備等あるいは内部部品を設けた後に、組立てることが可能になり、構造部材内部への配線部品あるいは内部部品の取り付けが容易になる。
また、構造部材組立前の単体状態の各第1溝形金属部材および第2溝形金属部材に、孔開け作業ができるので、平置きされた各溝形金属部材に孔開け作業をすることができるので、各溝形金属部材が撓み変形することなく孔開け作業をすることができるので、バリが生じることなく精度の高い孔を形成することができる。
【0014】
第2発明によると、各第1溝形金属部材が間隔をおいて直列に配置され、第2溝形金属部材が各第1溝形金属部材を挟むように平行に配置されているので、第1溝形金属部材の配置数および第2溝形金属部材の巾方向の長さのものを適宜組み合わせることにより、軽量で剛性の大きい安価な柱状あるいは壁状の構造部材を容易に製作することができる。
【0015】
第3発明によると、溝部が内側に向くように対向配置された一組の第1溝形金属部材からなる内側第1溝形金属部材ユニットが等角度間隔をおいて配置され、巾方向中央部が屈折され全体としてくの字状とされた第2溝形金属部材が等角度間隔をおいて配置されている構成であるので、軽量で剛性の大きい安価な放射状に伸びる構造部材を容易に構成することができる。
【0016】
第4発明によると、中心部側に3つ以上の第1溝形金属部材と第2溝形金属部材とにより、閉鎖断面形状の柱状部が形成されているので、中心部の剛性を高めた構造部材とすることができる。
第5発明によると、単に、内側第1溝形金属部材ユニットを、等角度間隔をおいて3方向以上に配置するだけで、巾方向中央部をそれに合わせて適宜屈折させた第2溝形金属部材を組み合わせることにより、内側第1溝形金属部材ユニットと第2溝形金属部材とを組み合わせた軽量で剛性の大きい安価な放射状に伸びる各種の構造部材を容易に構成することができる。
【0017】
第6発明によると、構造物材に2つ以上の環状閉鎖断面の柱状部が形成されているので、一つの柱状部のみの場合に比べて著しく剛性の大きい構造部材とすることができる。
第7発明によると、第2溝形金属部材にリップを形成する構成により、より剛性の高い構造部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施例1)
本発明の実施形態を図により説明する。図1は、本発明の実施例1の溝形金属部材を組立形成される構造部材の断面図である。構造部材1は、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成される第1溝形金属部材2と、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成される第2溝形金属部材3の2種類の溝形金属部材を組立てて形成される。第1及び第2溝形金属部材は、鋼、鉄と他の金属との合金、アルミ、アルミ合金等の金属部材をロール成形又はプレス加工により形成される。必要に応じて第1溝形金属部材2及び第2溝形金属部材3を、プラスチック、繊維補強プラスチック、樹脂等の非金属材料で形成してもよい。
【0019】
第1溝形金属部材2は、そのウェブ4、フランジ5及びウェブ4に形成した外側方向に突出した外側リブ6を有する。第1溝形金属部材2としては、外側リブ6を省略してもよい。
【0020】
第2溝形金属部材3は、広幅ウェブ7、両端部のフランジ8及び広幅ウェブ7に形成した内側方向に突出した多数の内側リブ9を有し、フランジ8の先端部にリップ10を有し、そのような広幅ウェブ7における中央側の内側リブ9間の中間部を外側に、くの字状に折り曲げて、折り曲げ部11を介して、全体として屈折された第2金属溝形部材3が構成されている。
【0021】
一対の前記第1金属溝形部材2にけるウェブ4が平行になるように間隔をおいて平行に配置され、かつ外側リブ6(または外側リブ6がない場合にはウェブ4)が互いに外側を向くように対向配置されて構成される内側第1金属溝形部材組ユニット12が、120°の等角度間隔をおいて3組配置され、等角度間隔をおいて対向する2つの各内側第1金属溝形部材組ユニット12における周方向外側の4つの各フランジ5に渡って、前記の第2溝形金属部材3が配置されると共に、その内側リブ9が当接するように配置され、各フランジ5と各内側リブ9とがドリルネジ16、ボルト、リベット、溶接、接着剤等の接合手段により一体化され、剛性の高い構造部材1が構成されている。
【0022】
この第1実施形態の構造部材1では、中央部側に配置された3つの第1溝形金属部材2と各第2溝形金属部材3の折り曲げ部11およびその両側の内側リブ9とにより、中央部側に全体としてほぼ三角形状で、屈折した閉鎖環状の筒状部13が形成されていると共に、その内側筒状部13に接続し、その周縁部に等角度間隔をおいて、内側第1溝形金属部材組ユニット12と対抗する第2溝形金属部材3により形成される屈折した閉鎖環状の外側筒状部14が3つ形成され、剛性の大きい安定した構造部材1とされている。
【0023】
前記第1溝形金属部材2と第2溝形金属部材3の長手方向の長さについては、これらを、同じ長さとしてもよく、一対の第2溝形金属部材3の端部間に他の部材を配置して、ドリルネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤等の接合手段により一体に接合する形態とする場合には、第2溝形金属部材3の長さよりも第1溝形金属部材2の長さを短くしてもよい。
【0024】
(第2実施形態)
図2は、本発明の構造部材1の第2実施形態を示すものであって、内側第1金属溝形部材組ユニット12が90度の等角度間隔で4組配置され、第2金属溝形部材3が90度の等角度間隔をおいて配置されて、ドリルネジ16、ボルト、リベット、溶接、接着剤等の接合手段により一体化されて接合されている。
【0025】
この第2実施形態の構造部材1では、中央部側に配置された4つの第1溝形金属部材2と各第2溝形金属部材3の折り曲げ部11およびその両側の内側リブ9とにより、中央部側に全体としてほぼ矩形形状で、屈折した閉鎖環状の筒状部13が形成されていると共に、その筒状部13に接続し、その周縁部に等角度間隔をおいて、内側第1溝形金属部材組ユニット12と対抗する第2溝形金属部材3により形成される屈折した閉鎖環状の外側筒状部14が4つ形成され、第1実施形態の場合より剛性の大きい安定した構造部材1とされている。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
【0026】
(第3実施形態)
図3は、本発明の構造部材1の第3実施形態を示すものであって、一対の第1溝形金属部材2により構成される内側第1溝形金属部材組ユニット12における第1溝形金属部材2に平行にさらに他の第1溝形金属部材2が間隔をおいて配置され、3つの第1溝形金属部材2におけるフランジ5に渡って第2溝形金属部材3が配置され、第1溝形金属部材2のフランジ5と、第2溝形金属部材3の内側リブ9が、ドリルネジ16、ボルト、リベット、溶接、接着剤等の接合手段により一体化されるように接合されている。
【0027】
この第3実施形態の構造部材1では、中央部側に直列に配置された3つの第1溝形金属部材2と、それらの両側に配置された各第2溝形金属部材3により、全体としてほぼ矩形形状で、屈折した閉鎖環状の筒状部13が2つ形成されている、剛性の大きい安定した構造部材1とされている。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
【0028】
(第4実施形態)
図4は、本発明の構造部材1の第4実施形態を示すものであって、一対の前記第1金属溝形部材2にけるウェブ4が平行になるように間隔をおいて平行に配置され、かつ外側リブ6が互いに外側を向くように対向配置されて構成された内側第1溝形金属部材組ユニット12が、90°の等角度間隔をおいて2組配置され、等角度間隔をおいて対向する2組の各内側第1溝形金属部材組ユニット12における周方向外側の4つの各フランジ5に渡って、中間部のウェブ7を長くすると共に90°折り曲げ形成した屈折外隅部15を有する第2溝形金属部材3が配置されると共に、その内側リブ9が当接するように配置され、各フランジ5と各内側リブ9とが、ドリルネジ16、ボルト、リベット、溶接、接着剤等の接合手段により一体化され、また、各内側第1溝形金属部材組ユニット12における周方向外側(内隅部側)の4つの各フランジ5に渡って、図2に示す第2溝形金属部材3が配置されて、剛性の高い構造部部材1が構成されている。
【0029】
この第4実施形態の構造部材1では、コーナー部側に配置された近接する2つの第1溝形金属部材2と各第2溝形金属部材3の屈折外隅部15およびその両側の内側リブ9とにより、コ−ナー部側に全体としてほぼ矩形形状で、屈折した閉鎖環状の筒状部13が形成されていると共に、その筒状部13に接続し、その筒状部13に等角度間隔をおいて、内側第1溝形金属部材組ユニット12と対抗する第2溝形金属部材3により形成される屈折した矩形閉鎖環状の筒状部13とこれに直角に2方向に外側筒状ブレース14が2つ形成され、隅部用に適した剛性の大きい安定した構造部材1とされている。このような構造部材1では、隅部用の構造部材として剛性の大きい構造部材1とすることができる。
【0030】
(第5実施形態)
図5は、本発明の構造部材1の第5実施形態を示すものであって、端的に説明すると、図4に示す実施形態の変形形態であり、屈折外隅部15を有する一枚ものの第2溝形金属部材3に代えて、屈折外隅部15を有しない直線的な巾方向の寸法の短い第2溝形金属部材3を2個使用して、ドリルネジ16、ボルト、リベット、溶接、接着剤等の接合手段により一体化するように接合した形態であり、コーナー部に凹部17が形成されている。
【0031】
このような形態では、内隅部側に配置される1枚の第2溝形金属部材2と、一対の内側第1溝形金属部材組ユニット12と、外側に配置される2つの第2溝形金属部材3とにより、2つの閉鎖環状断面の筒状部14が形成されているので、前後方向および左右方向の剛性の大きい構造部材1とすることができる。例えば、出隅部のある部分に近接して配置する構造用部材として利用することができる。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
【0032】
前記の各実施形態の構造部材1は、前記のように、建築用の柱,梁あるいは壁などの構造部材、パーティション(間仕切り)構成材またはインテリア家具あるいはオフィスデスク等の家具の金属製フレーム部材、OA機器等の筐体を構成する金属製フレーム部材(構造部材)として使用することができる。
【0033】
例えば、前記各実施形態の構造部材1を、スチールハウス等の建物における壁材パネルを構成する隅部あるいは中間部の縦枠材として利用することもできる。このような場合には、第2溝形金属部材3に薄鋼板等の構造用面材の側端部を接合するようにすればよい。また、第2溝形金属部材3の上下両端部から離れるように第1溝形金属部材2の長さを短くし、第2溝形金属部材3の上下両端部における対向する第2溝形金属部材3間に、第1溝形金属部材2の巾寸法と同様な巾寸法の横枠材の端部を挿入配置し、横枠材と第2溝形金属部材3とを接合するようにすればよい。
【0034】
また、前記各実施形態の構造部材を、室内におけるパーティションを構成する縦骨組み材(柱状構造部材)として利用することもできる。この場合も、前記と同様に第2溝形金属部材3の両端部から離れるように短尺の第1溝形金属部材2とし、上端部における対向する第2溝形金属部材3の間に横枠材を配置して、第2溝形金属部材3に接合するようにすればよい。
【0035】
本発明を実施する場合、第1実施形態および第2実施形態のような3方向あるいは4方向に伸びる構造部材の変形形態として、第1溝形金属部材組ユニット12を、例えば、72度、60°等の等角度間隔に5個、6個等、周方向に配置し、5方向あるいは6方向に伸びる変形形態でもよい。また、第3実施形態の変形形態として、第1溝形金属部材2を周方向に、角度間隔をおいて配置し、第2溝形金属部材3の中間部を屈折させて、くの字状としたり、あるいは屈曲させて円弧状にした第2溝形金属部材3とを組み合わせるような構成の構造部材としてもよい。
【0036】
また、本発明の構造部材1を各種用途に使用した場合に、構造部材1相互を直列に配置して連結配置する必要のある場合には、図6に示すように直列に隣り合う構造部材1相互の端部のフランジ8およびリップ10相互に圧入嵌合する係止溝を有する長尺の鋼製等の連結金具23により、隣り合う構造部材1のフランジ8相互を接触させて連結させることができる。また、図7に示すように隣り合う第2溝形金属部材3の外側に渡って化粧板24を当接配置してドリルネジ16等の固定手段により取り付けるようにしてもよい。
【0037】
次に、一例として、インテリア家具に適用した実施例について説明する。
図8および図9は、前記第1実施形態の構造部材の一使用例を示したもので、第1溝形金属部材2の長さを第2溝形金属部材3の長さよりも短くし、上下方向の下端部および上端部における対向する第2溝形金属部材3の間における下端側には、横方向に張り出すアーム18の基端部を接合手段により接合し、アーム18の下部に座板19を固定し、また、上端部には、横方向に張り出す支持用アーム20の基端部を接合手段により接合し、前記支持用アーム20に上部水平板21を接合して、室内インテリア家具用のテーブル22を構成している。前記の接合手段としては、ドリルネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤等の接合手段を採用することができる。
【0038】
また、図3に示す第3実施形態の変形形態の構造部材1を、家具用脚体に使用する場合の一形態として、デスクの両側部の構造材に使用する場合を図10および図11により説明すると、この形態では、構造部材1における第1溝形金属部材2の上下両端部を第2溝形金属部材3の端部から離れて短い部材の第1溝形金属部材1が使用され、上部および下部の第2溝形金属部材3間の凹溝に、断面角形鋼製パイプ等からなる上部ステー25および下部ステー26が嵌合配置され、第2溝形金属部材3における内側リブ9と上部ステー25とがドリルネジ16等により接合され、同様に下部側において、内側リブ9と下部ステー26とがドリルネジ16等により接合されている。また、下部ステー26の長手方向の両端下部には、適宜高さ調整可能な脚座30が設けられ、このように構成されたデスク脚体31が間隔をおいて平行に配置されて、これらのデスク用脚体31の上部に渡って、2点鎖線で示すように上面板(デスク板)32が載置されて、適宜の取付手段により着脱可能に設置されて家具用脚体が構成される。
なお、この実施形態の第2溝形金属部材3では、ウェブ7に形成される内側リブ9間の間隔が大きくされた溝形金属部材が示されている。
【0039】
次に、本発明の構造部材1を構成する場合に、図13に示す従来の閉断面柱状部材27の場合よりも有利な点について、図12により説明すると、本発明の構造部材1は、第1溝形金属部材2および第2溝形金属部材3の組立により構成されるため、予め特に溝形金属部材3の時に、この部材の内側リブ9の外面を下面になるように平置きして、内側リブ9(またはウェブ7側を下面にする場合には、ウェブ7)の部分をドリル28により、ウェブ7を撓ませることなく、またバリを生じさせないで容易に正確に孔開け作業をすることができる。このようにウェブ7を極力撓ませないようにするためには、ウェブ7外面からのフランジ8の巾寸法と、内側リブ9の突出寸法を極力同じ寸法とするようにすればよい。そして、図12(b)に示すように、必要に応じ、第1溝形金属部材2のフランジ5に設けられた孔と、予め第2溝形金属部材3の内側リブ9に設けられた孔にドリルネジ16をねじ込んで、接合することができるため、精度のよい構造部材1を製作することができる。
【0040】
前記各実施形態では、第2溝形金属部材3に内側リブ9を設けた形態を示したが、外側リブを設けた形態の第2溝形金属部材3としてもよく、また、前記内側リブ9と反対方向の外側リブを設けた形態の第2溝形金属部材3と、第1溝形金属部材2のフランジ5とを接合する場合には、第2溝形金属部材3のウエブ7と第1溝形金属部材2のフランジ5とを前記と同様、ドリルネジなどの接合手段により接合するようにすればよく、また、第1溝形金属部材2を第2溝形金属部材3のウエブ7に接合するために、第1溝形金属部材2をより内側にずらす必要がある場合には、第1溝形金属部材2の外側リブ6の突出高さを高くして、第1溝形金属部材2の外側リブ6外面と第2溝形金属部材3のフランジ8外面を同面状とするとよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図6】構造部材相互を連結する場合の形態を示す断面図である。
【図7】構造部材相互を連結し表面化粧板を設けた形態を示す断面図である。
【図8】図1に示す形態の一使用例を示す正面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】図3に示す実施形態の一使用例を示す正面図である。
【図11】図10に示す本発明の構造部材とこれに接合される上部ステーおよび下部ステーに分解した形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の溝形金属部材に孔を設けて、接合して構造部材を構成する場合の説明図である。
【図13】従来の中空の閉断面柱状部材に孔を設ける場合の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 構造部材
2 第1溝形金属部材
3 第2溝形金属部材
4 ウェブ
5 フランジ
6 外側リブ
7 ウェブ
8 フランジ
9 内側リブ
10 リップ
11 折り曲げ部
12 内側第1溝形金属部材組ユニット
13 筒状部
14 外側筒状部
15 屈折外隅部
16 ドリルネジ
17 凹部
18 アーム
19 座板
20 支持用アーム
21 上部水平板
22 テーブル
23 連結金具
24 化粧板
25 上部ステー
26 下部ステー
27 閉断面柱状部材
28 ドリル
29 側面板
30 脚座
31 デスク用脚体
32 上面板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて対向する第2溝形金属部材とこれらに挟まれるように内側に配置される第1溝形金属とからなる構造部材において、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成された第1溝形金属部材を間隔をおいて3つ以上配置し、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成され、ウェブに内側または外側方向に突出するリブを複数形成した第2溝形金属部材を前記第1溝形金属部材におけるフランジの外側に渡って対向配置し、各第1溝形金属部材のフランジと第2溝形金属部材の内側リブまたはウエブとをドリルネジ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合したことを特徴とする溝形金属部材を組立形成される構造部材。
【請求項2】
各第1溝形金属部材が間隔をおいて直列に配置され、第2溝形金属部材が各第1溝形金属部材を挟むように平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の溝形金属部材を組立形成される構造部材。
【請求項3】
溝部が内側に向くように対向配置された一組の第1溝形金属部材からなる内側第1溝形金属部材ユニットが等角度間隔をおいて配置され、巾方向中央部が屈折され全体としてくの字状とされた第2溝形金属部材が等角度間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の溝形金属部材を組立形成される構造部材。
【請求項4】
中心よりに等角度間隔をおいて配置された3つ以上の第1溝形金属部材と、第1溝形金属部材を接続する第2溝形金属部材により、中心部側に前記3つ以上の第1溝形金属部材と第2溝形金属部材とにより閉鎖断面形状の柱状部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の溝形金属部材を組立形成される構造部材。
【請求項5】
内側第1溝形金属部材ユニットが90°あるいは120°等の等角度間隔をおいて3方向以上に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の溝形金属部材を組立形成される構造部材。
【請求項6】
少なくとも2つ以上の環状閉鎖断面の柱状部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溝形金属部材を組立形成される構造部材。
【請求項7】
前記第2溝形金属部材のフランジ先端にリップを形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の溝形金属部材を組立形成される構造部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−124940(P2006−124940A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311107(P2004−311107)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】