説明

溶射皮膜形成方法及び溶射皮膜形成装置

【課題】溶射工程の後のホーニング工程で、溶射皮膜表面に形成される突起部の脱落を抑える方法を提供する。
【解決手段】ワイヤを溶融させた溶融金属を被溶射物の被溶射面に向けて供給して溶射皮膜を形成する溶射工程27と、溶射皮膜の表面に対してホーニング加工を施すホーニング工程31との間に、突起部除去工程29を設ける。突起部除去工程29は、溶射工程27でワイヤが溶融する際に発生した粗大な粒子が溶射皮膜に混入し、溶射皮膜の表面から突出するように形成された、溶融金属を含む突起部を、周囲の溶射皮膜の脱落を伴うことなく除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶射用材料を溶融させた溶融金属を被溶射物に供給して溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成方法及び溶射皮膜形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の内燃機関用シリンダブロックのシリンダボア内面に、金属もしくはセラミック材を溶射して皮膜を形成し、その後、この溶射皮膜に対しホーニング加工を施して表面の粗さを適切にし、摺動面を形成する溶射皮膜形成方法が知られている。溶射皮膜形成方法として、材料にワイヤ材、熱源にプラズマを用いたワイヤプラズマ法がある(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
ワイヤプラズマ法は、プラズマガスを吐出するノズルとノズル内に配置してある陰極との間に、ノズル側を陽極として高周波、高電圧を付与してパイロットアークを発生させる。発生したパイロットアークは、ノズル内を流れるプラズマガス流に乗ってノズルと同様の陽極となっているワイヤへ移行してプラズマアークを形成する。このプラズマアークの熱によってワイヤが溶融するととともに、溶融したワイヤの溶融金属がプラズマガス流によって被溶射部物に吹き付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5938944号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したワイヤプラズマ法は、順次送られるワイヤの溶融状態が安定化しにくく、溶融金属中に稀に粗大な溶滴(粒子)が発生し、被溶射部物に吹き付けられことがある。この場合、溶射皮膜中に粗大な粒子が含まれることになって溶射皮膜表面に突起部となって現れることがある。
【0006】
そして、この突起部が現れた状態のままホーニング加工を実施すると、突起部にホーニング砥石が側方から衝突することになるので、突起部が研削されずに周囲の溶射皮膜とともに脱落して不良品となる場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、溶射工程の後のホーニング工程で、溶射皮膜表面に形成される突起部の脱落を抑えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被溶射物に溶射皮膜を形成する溶射工程と、溶射皮膜の表面にホーニング加工を施すホーニング工程との間に、溶射工程で溶射皮膜の表面から突出するように形成された、溶融金属を含む突起部を、周囲の溶射皮膜の脱落を伴うことなく除去する突起部除去工程を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、溶射工程の後の突起部除去工程で、溶射皮膜表面に形成された突起部を除去するようにしたので、その後のホーニング工程で、溶射皮膜表面に形成される突起部の脱落を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる突起部除去具により、被溶射物の溶射皮膜に発生した突起部を除去している状態を示す作用説明図である。
【図2】本発明の溶射皮膜形成方法を示す作業工程図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係わる突起部除去具により、被溶射物の溶射皮膜に発生した突起部を除去している状態を示す作用説明図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係わる突起部除去具により、被溶射物の溶射皮膜に発生した突起部を除去している状態を示す作用説明図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係わる突起部除去具により、被溶射物の溶射皮膜に発生した突起部を除去している状態を示す作用説明図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係わる突起部除去具により、被溶射物の溶射皮膜に発生した突起部を除去している状態を示す作用説明である。
【図7】(a)は、被溶射物の溶射皮膜を形成するプラズマ溶射装置の溶射ガンを、シリンダボア内に挿入する動作を示す斜視図、(b)は、(a)の溶射ガンのノズル先端に発生させたプラズマアークによってワイヤを溶融させ溶射皮膜を形成している状態を示す断面図である。
【図8】(a)は、溶滴中に発生した粗大な粒子がシリンダボア内面に吹き付けられている状態を示す断面図、(b)は、(a)の粗大な粒子が溶射皮膜の表面に突起部となって現れた状態を示す断面図、(c)は、(b)の突起部が現れた状態でホーニング加工を行っている状態を示す断面図、(d)は、(c)のホーニング加工により突起部が周囲の溶射皮膜とともに脱落した状態を示す断面図である。
【図9】(a)は、溶射皮膜の表面をホーニング加工するホーニングヘッドを、シリンダボア内に挿入する動作を示す斜視図、(b)は、(a)のホーニングヘッドにより溶射皮膜の表面をホーニング加工している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる突起部除去手段としての突起部除去具1により、被溶射物3の表面の溶射皮膜5に発生した突起部7を除去している状態を示している。なお、ここでの被溶射物3は、自動車等の内燃機関用シリンダブロックであり、そのシリンダボア内面の被溶射面3aに上記した溶射皮膜5を形成してある。この溶射皮膜5の形成に関しては、図7に示すプラズマ溶射装置を使用する。
【0013】
プラズマ溶射装置は、回転かつシリンダボアの軸線方向に移動可能な溶射手段としての溶射ガン8の先端から、ワイヤ9を溶融させた溶融金属の液滴11を噴射して被溶射面3aに吹き付ける。溶射ガン7は先端にノズル13を備え、ノズル13内の電極(陰極)15とワイヤ(陽極)9との間にプラズマアークを発生させ、該プラズマアークの熱エネルギによって、順次送られるワイヤ9の先端を溶融させる。
【0014】
その際、ノズル13においては、中心部のプラズマ用ガス吐出通路17からプラズマ用ガスが吐出されると同時に、その周囲のアトマイズ用エア吐出通路19からアトマイズ用エアが吐出される。このプラズマガス流及びアトマイズエア流によって上記した液滴11が流され、噴流となって被溶射面3aに吹き付けられて溶射皮膜5を形成する。
【0015】
このようにして溶射皮膜5を形成する際に、前述したように、ワイヤ9の溶融状態が不安定になった場合には、図8(a)に示すように、噴流中に発生する粗大な塊である粒子21が被溶射面3aに吹き付けられることになる。この場合、溶射皮膜5中に上記した粗大な粒子21が含まれることになって溶射皮膜5の表面に、図8(b)に示すように、溶融金属からなる突起部7となって現れることになる。
【0016】
なお、この突起部7は、溶射皮膜5の形成過程において、被溶射面3aに付着あるいは溶射加工中に皮膜中に混入した異物(前工程から持ち込んだ切粉・自工程で発生した皮膜片・スパッタなど)を核として皮膜層中に発生した突起物も含む。
【0017】
そして、この突起部7が現れたまま図8(c)のようにホーニング手段としてのホーニングツール23を用いてホーニング加工を行うと、回転するホーニングヘッド24の外周部に取り付けてある砥石25が突起部7の側方から衝突することになる。砥石25が突起部7の側方から衝突すると、図8(d)のように突起部7が研削されずに周囲の溶射皮膜5とともに脱落し、ボア内面に凹部28が形成されることになる。この凹部28は、内燃機関の稼動時にオイルが入り込んでオイル消費の増大を招くなどの不具合を発生させる。
【0018】
そこで、本実施形態では、このような突起部7を、ホーニング加工を行う前に、図1に示す突起部除去具1を用いて事前に除去しておく。
【0019】
すなわち、本実施形態による溶射被膜形成装置を用いた溶射被膜形成方法では、図2に示すように、溶射工程27の後に、突起部除去具1を用いた突起部除去工程29を設定し、突起部除去工程29の後にホーニング工程31を設定している。突起部除去工程29では、溶融金属を含む突起部7を、該突起部7周囲の溶射皮膜の脱落を伴うことなく除去する。ホーニング工程31は、図9に示すように外周部に砥石25を備えたホーニングヘッド24を回転させつつ軸方向に移動させ、被溶射面3aに形成してある溶射被膜5の表面を研削して仕上げ加工する。
【0020】
図1に示した突起部除去具1は、駆動機構35によって回転する回転軸37の外周部の全周にわたり、可撓性シート状部材としての矩形状のフラップ39を複数取り付け、フラップ39の少なくとも先端側の表面には、研削部となる砥粒41を多数付着させている。
【0021】
砥粒41は、例えばアルミナ、シリコン、ジルコニア(粒度♯40〜♯600)などを使用し、フラップ39の主として先端側の一方の面に付着させる。フラップ39は、例えば紙ヤスリのベース紙となる部分に使用している強化紙などでよく、回転軸37の全周にわたり、その周方向に沿ってほぼ等間隔に取り付ける。
【0022】
このような突起部除去具1を溶射皮膜形成後のシリンダボア内に挿入し、駆動機構35の駆動によって回転軸37を回転させると、複数のフラップ39も同時に回転する。この回転時のフラップ39は、砥粒41を付着させた側を回転方向前方側とする。
【0023】
フラップ39は可撓性があり柔軟性を有しているので、回転時に回転方向前方側が凸曲面となるよう変形する。このフラップ39の変形状態での先端側の一部を、溶射皮膜5の少なくとも突起部7に接触させるようにすることで、砥粒41が突起部7に対して摺動し、これにより突起部7を先端側から徐々に研削して除去することができる。この場合、突起部7を砥粒41によって徐々に研削していくので、突起部7の周囲の溶射皮膜5を伴なう脱落を抑えることができる。
【0024】
実際の突起部除去作業にあたっては、回転軸37の中心をシリンダボアの中心軸線に合わせた状態で、突起部除去具1をシリンダボア内に挿入し、回転させつつ軸方向に徐々に移動させる。その際、回転軸37の回転数は、500〜10000rpmとし、図1に示すように、取り代H(切り込み量)は、0.2mm〜2.0mmとする。例えば、突起部7を形成する粗大な粒子21の直径が1.0mmの場合には、突起部7の突出量が直径の半分の約0.5mmとなり(残りの半分は溶射被膜5の中に埋もれた状態となる)、取り代Hを0.5mmとすることで突起部7のほぼ全体を除去することができる。この場合、突起部7を形成するのは粗大な粒子21のほぼ半分であるから、残りの半分は、突起部除去作業後に溶射被膜5の中に埋もれたままとなる。
【0025】
このようにして突起部7を除去した後に、ホーニング加工を行うことで、突起部7の周囲の溶射被膜5を伴なう脱落を抑制でき、溶射被膜5の表面の仕上げ加工を高精度に行って不良品の発生を抑えることができる。
【0026】
また、本実施形態では、可撓性のフラップ39を使用しているので、例えば取り代Hを1.0mm程度とすることで、製造誤差によりシリンダボア内径が±0.1mm程度ずれたとしても、突起部7の除去には問題がない。つまり、回転軸37の中心からフラップ39の先端までの長さは、シリンダボア内径に対してそれほど高精度に合わせることなく、突起部7の除去を確実に行うことができる。
【0027】
また、加工速度については、後述するブラシによるものに比較して速く、作業性に優れている。
【0028】
図3は、本発明の第2の実施形態に係わる突起部除去具1Aにより、被溶射物3の溶射皮膜5に発生した突起部7を除去している状態を示している。この実施形態は、前記図1の第1の実施形態で使用した砥粒41を備えたフラップ39に代えて、ブラシ43を使用している。
【0029】
ブラシ43は、可撓性を有して柔軟性のある鉄系金属からなるワイヤ45を回転軸37の周囲に多数取り付けたものである。ワイヤ45は、硬さが例えばHRC40以上で、線径(直径)が0.150mm〜0.500mmである。
【0030】
また、ワイヤ45として、可撓性を有して柔軟性のある樹脂製のワイヤの表面にアルミナの砥粒(粒度♯40〜♯600)を付着させたものでもよい。
【0031】
ブラシ43を使用した突起部除去具1Aも、前記したフラップ39を使用した突起部除去具1と同様に、回転軸37の中心をシリンダボアの中心軸線に合わせた状態でシリンダボア内に挿入し、回転させつつ軸方向に徐々に移動させる。その際、回転軸37の回転数は、突起部除去具1と同様に、500〜10000rpmとし、取り代H(切り込み量)も、0.2mm〜2.0mmとする。
【0032】
ブラシ43を回転させることで、ワイヤ45の先端が突起部7に接触して摺動し、突起部7を除去することになる。
【0033】
上記した第2の実施形態においても、突起部7を除去した後に、ホーニング加工を行うことで、突起部7の周囲の溶射被膜5を伴なう脱落を抑制でき、溶射被膜5の表面の仕上げ加工を高精度に行って不良品の発生を抑えることができる。
【0034】
また、第1の実施形態と同様に、例えば取り代Hを1.0mm程度とすることで、製造誤差によりシリンダボア内径が±0.1mm程度ずれたとしても、突起部7の除去には問題がない。つまり、回転軸37の中心からワイヤ45の先端までの長さは、シリンダボア内径に対してそれほど高精度に合わせることなく、突起部7の除去を確実に行うことができる。さらに、第2の実施形態では、フラップ39を使用している第1の実施形態に比較して工具寿命を長くすることができる。
【0035】
なお、前記した第1、第2の実施形態では、固定状態の被溶射物3に対して突起部除去具1、1Aを回転させているが、固定状態の突起部除去具1、1Aに対して被溶射物3を回転させてもよい。
【0036】
図4は、本発明の第3の実施形態に係わる突起部除去具1Bにより、被溶射物3の表面の溶射皮膜5に発生した突起部7を除去している状態を示している。この実施形態は、回転軸37の先端周囲に、円柱形状の砥石(ゴム砥石でもよい)47を取り付け、コンタリング加工によって突起部7を研削加工する。
【0037】
すなわち、砥石47は、その外径を、溶射皮膜5を形成した後のシリンダボア内径より小さく設定し、回転軸37を砥石47とともに回転させつつシリンダボア内面に沿って周方向に相対移動させて、突起部7を研削し除去する。
【0038】
したがって、本実施形態においても、突起部7をコンタリング加工により除去した後にホーニング加工を行うことで、突起部7の周囲の溶射被膜5を伴なう脱落を抑制でき、溶射被膜5の表面の仕上げ加工を高精度に行って不良品の発生を抑えることができる。
【0039】
また、本実施形態では、砥石47を用いてコンタリング加工することで、前記した各実施形態に比較して加工精度を高めることができる。
【0040】
なお、本実施形態での砥石47の回転数は、2000rpm〜10000rpmで、取り代は、0.1mm〜0.5mmである。
【0041】
図5は、本発明の第4の実施形態に係わる突起部除去具1Cにより、被溶射物3の溶射皮膜5に発生した突起部7を除去している状態を示している。この実施形態は、突起部除去具1Cとしてレーザ光供給手段を構成している。レーザ光供給手段は、図示しないレーザ発振器から供給される熱エネルギを有するレーザ光49を、レーザ照射用ヘッド51から突起部7に向けて照射し、突起部7を溶融させて除去する。
【0042】
図6は、本発明の第5の実施形態に係わる突起部除去具1Dにより、被溶射物3の溶射皮膜5に発生した突起部7を除去している状態を示している。この実施形態は、突起部除去具1Dとして、前記図7に示したプラズマアーク53を発生させるプラズマ発生手段を構成している。プラズマ発生手段は、ノズル55に設けた電極と被溶射物3との間に形成したプラズマアークにより、突起部7に対し熱エネルギを付与して溶融させて除去する。
【0043】
したがって、上記第4、第5の各実施形態においても、突起部7を溶融により除去した後にホーニング加工を行うことで、突起部7の周囲の溶射被膜5を伴なう脱落を抑制でき、溶射被膜5の表面の仕上げ加工を高精度に行って不良品の発生を抑えることができる。
【0044】
なお、第4の実施形態ではレーザ光を、第5の実施形態ではプラズマアークを使用しているが、突起部7を溶融させることが可能な熱エネルギを備えていれば、これらに限ることはない。
【符号の説明】
【0045】
1,1A,1B,1C,1D 突起部除去具(突起部除去手段)
3 被溶射物
3a 被溶射物の被溶射面
5 溶射皮膜
7 突起部
8 溶射ガン(溶射手段)
9 ワイヤ(溶射用材料)
11 溶滴(溶融金属)
21 溶滴の粗大な粒子
23 ホーニングツール(ホーニング手段)
27 溶射工程
29 突起部除去工程
31 ホーニング工程
39 フラップ(可撓性シート状部材)
41 砥粒
43 ブラシ
45 ワイヤ
47 砥石
49 レーザ光
53 プラズマアーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶射用材料を溶融させた溶融金属を被溶射物に供給して溶射皮膜を形成する溶射工程と、この溶射工程で前記溶射皮膜を形成する際に溶射皮膜の表面から突出するように形成された、前記溶融金属を含む突起部を、周囲の溶射皮膜の脱落を伴うことなく除去する突起部除去工程と、この突起部除去工程で前記突起部を除去した状態で、前記溶射皮膜の表面に対してホーニング加工を施すホーニング工程と、を有することを特徴とする溶射皮膜形成方法。
【請求項2】
前記突起部除去工程は、可撓性の突起部除去具を前記突起部に対し摺動させて除去することを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜形成方法。
【請求項3】
前記突起部除去具は、可撓性シート状部材に砥粒を設けてあり、この砥粒を前記突起部に対し摺動させて研削し除去することを特徴とする請求項2に記載の溶射皮膜形成方法。
【請求項4】
前記突起部除去具は、複数の可撓性ワイヤを備えたブラシであり、このブラシの先端を前記突起部に対し摺動させて除去することを特徴とする請求項2に記載の溶射皮膜形成方法。
【請求項5】
前記突起部除去具を、前記被溶射物に対して相対回転させることで、前記突起部に対して摺動させることを特徴とする請求項3または4に記載の溶射皮膜形成方法。
【請求項6】
前記突起部除去工程は、砥石を備えた突起部除去具を、回転させつつ前記溶射皮膜の表面に沿って相対移動させることで、前記砥石を前記突起部に対して摺動させて研削し除去することを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜形成方法。
【請求項7】
前記突起部除去工程は、前記突起部に熱エネルギを付与して溶融させることで前記突起部を除去することを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜形成方法。
【請求項8】
溶射用材料を溶融させた溶融金属を被溶射物に供給して溶射皮膜を形成する溶射手段と、この溶射手段により前記溶射皮膜を形成する際に溶射皮膜の表面から突出するように形成された、前記溶融金属を含む突起部を、周囲の溶射皮膜の脱落を伴うことなく除去する突起部除去手段と、この突起部除去手段により前記突起部を除去した状態で、前記溶射皮膜の表面に対してホーニング加工を施すホーニング手段と、を有することを特徴とする溶射皮膜形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−23762(P2013−23762A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162923(P2011−162923)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】