説明

潤滑油組成物

【課題】高速且つ高荷重の過酷な環境下で運転されるセラミックス球転がり軸受を有する高速主軸の軸受などに使用可能な潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】鉱油及び/または合成油から選ばれる少なくとも1種の基油に、アミンと炭素数12〜30の飽和モノカルボン酸または炭素数18〜24の不飽和モノカルボン酸とを反応させて得た酸アミド、ザルコシン酸、またはアスパラギン酸誘導体の群から選ばれる添加剤を、少なくとも1種含有させることによって、潤滑油組成物にする。
この潤滑油組成物はセラミックス球転がり軸受の潤滑に好適である。
この潤滑油組成物には、更に、リン含有カルボン酸、リン含有カルボン酸エステル、酸性リン酸エステル、チオリン酸エステル、チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩などを添加することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は潤滑油組成物、特にセラミックス潤滑用の潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の日本の工作機械メーカーは需要家の要望に応えると共に差別化をはかるため、工作機械の高性能・高機能化を図ってきた。特に、マシニングセンタ(MC)においては、より高速で高精度な加工を可能にする工作機械の開発が進められている。1982年にはじめて10、000m−1の主軸が登場してから、毎年MCの高速化は進化しており、最近では30、000m−1を超える中大型のMCが実用化されている。このような高速化に貢献した技術としてはオイルエア潤滑、セラミックス球、低発熱ロバスト軸受などが挙げられる。
【0003】
高速での切削加工ではころがり軸受への熱負荷が大幅に増加し、ころがり軸受のスコーリング、スカッフィング発生が問題になるため、これらの用途に使用されるオイルエア潤滑油には、低発熱性、耐摩耗性・極圧性が強く求められている。
【0004】
こうしたことから、従来も、このような潤滑油としては、所定基油に酸化防止剤、防錆剤及びマイルドな耐摩耗剤を配合したものが知られているが、こうしたものでも、未だ充分な効果を得られないでいた。(特許文献1)
【特許文献1】特開平5―320679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、従来の潤滑油は、セラミックス球転がり軸受を有する高速主軸潤滑に使用した場合、軸受の冷却性能及び耐摩耗性・極圧性が必ずしも十分とは言えなかった。すなわち、高い冷却性、高い極圧性、耐摩耗性、防錆性が要求される用途には、トリアルキルリン酸エステルなどのリン系極圧剤あるいはアルキル化チオフォスフェイトなどの硫黄−リン系極圧剤と、防錆剤としてCaスルフォネートやBaスルフォネート等を添加した潤滑油が広く使用されているが、防錆剤はその性質上、金属表面への吸着性が高いために各種極圧剤の潤滑性能の向上作用を阻害する可能性が大きく、防錆性と極圧性を両立させるのは非常に難しい。
【0006】
特に、潤滑剤が高温で使用される用途においては、硫黄−リン系極圧剤はその添加量が微量であっても熱負荷が加わるとスラッジを多量に生成し、軸受の冷却性を低下させる傾向がある。そのため、硫黄系極圧剤を添加した潤滑油では、上述のセラミックス球転がり軸受を有する高速主軸軸受において十分な冷却性及び耐スラッジ性能を得ることが困難である。
【0007】
一方、リン系極圧剤は硫黄系極圧剤に比べてスラッジを生成し難い傾向にあるが、リン系極圧剤を単独で使用した場合には、上記セラミックス球転がり軸受の高速主軸潤滑油に要求される高いレベルの冷却性、極圧性を得ることが困難である。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、高速且つ高荷重の過酷な環境下で運転されるセラミックス球転がり軸受を有する工作機械の高速主軸などに使用した場合であっても、十分な冷却性を示し、高い錆止め性、高水準の熱酸化安定性、並びに高い極圧性を有している優良な潤滑油組成物を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、鉱油及び/または合成油から選ばれる少なくとも1種の基油に、アミンと炭素数12〜30の飽和モノカルボン酸または炭素数18〜24の不飽和モノカルボン酸とを反応させて得た酸アミド、ザルコシン酸、またはアスパラギン酸誘導体の群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させることによって、セラミックス潤滑用の潤滑油組成物にする。
更に、リン含有カルボン酸、リン含有カルボン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステル、ホスフォロチオネート、チオリン酸エステル、チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸エステル、またはチオカルバミン酸の金属塩のうち、少なくとも1種を組み合わせて使用することにより、セラミックス/鉄鋼間の潤滑性に優れ、尚且つ優良な防錆性を有する潤滑油組成物を得ることができる。
また、芳香族アミン化合物、フェノール系化合物をさらに含有させることによって、十分に長い酸化寿命を有する潤滑油組成物とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の潤滑油組成物によれば、高温且つ高荷重の過酷な環境下で機械加工されるセラミックス球転がり軸受を有する工作機械の高速主軸などに、使用した場合であっても、優良な低摩擦特性及び冷却性(油温上昇の抑制性)を得ることができる。また、潤滑油として十分に長い酸化寿命を示し、高水準の耐摩耗性及び極圧性を保持したものとすることが可能となる。従って、本発明の潤滑油組成物は、工作機械のセラミックス球転がり軸受を有する高速主軸の発熱抑制、牽いては、工作機械の熱的変位安定化により高い加工精度を達成できる点で非常に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、化合物又は官能基が直鎖状及び分岐状の構造の双方を取り得る場合、特に断らない限り当該化合物には直鎖状のものと分岐状のものとの双方が含まれる。
【0012】
本発明の潤滑油組成物は、鉱油、合成油から選ばれる少なくとも1種の基油を含有する。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製したパラフィン系などの油を挙げることができる。
【0013】
これら本潤滑油組成物の基油には、高度精製基油と呼ばれる鉱油、合成油を使用することができ、特に、API(American Petroleum Institute,米国石油協会)基油カテゴリーでグループ1、グループ2、グループ3、グループ4、グループ5などに属する基油を、単独または混合物として使用することができる。
ここで使用する基油は、全硫黄分が1質量%以下、好ましくは500質量ppm以下、より好ましくは300質量ppm以下、一層好ましくは50質量ppm以下がよい。また15℃における密度は0.8〜0.9g/cm、好ましくは0.8〜0.865g/cm、より好ましくは0.81〜0.84g/cmがよい。芳香族分は3%未満、好ましくは2%未満、より好ましくは0.1%未満がよい。
【0014】
グループ1基油には、例えば、原油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたパラフィン系鉱油、等が挙げられる。
【0015】
グループ2基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組合せて適用することにより得られたパラフィン系鉱油がある。ガルフ社法などの水素化精製法により精製されたグループ2基油は、全硫黄分が10質量ppm未満、芳香族分が5%以下であり、本発明に好適である。これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は80〜120、好ましくは100〜120がよい。40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。また全硫黄分は300質量ppm未満、好ましくは200質量ppm未満、更に好ましくは10質量ppm未満がよい。全窒素分も10質量ppm未満、好ましくは1質量ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは100〜135℃のものを使用するのがよい。
【0016】
グループ3基油及びグループ2プラス基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して高度水素化精製により製造されるパラフィン系鉱油や、脱ろうプロセスにて生成されるワックスをイソパラフィンに変換・脱ろうするISODEWAXプロセスにより精製された基油や、モービルWAX異性化プロセスにより精製された基油も好適である。これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は95〜145、好ましくは100〜140がよい。40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。また全硫黄分は、0〜100質量ppm、好ましくは10質量ppm未満がよい。全窒素分も10質量ppm未満、好ましくは1質量ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは110〜135℃のものを使用するのがよい。
【0017】
天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)は、原油から精製された鉱油基油と比較して、全硫黄分や芳香族分が極めて低く、パラフィン構成比率が極めて高いため、酸化安定性に優れ、蒸発損失も非常に小さいため、本発明の基油として好適である。GTL基油の粘度性状は特に制限されないが、通例、粘度指数は130〜180、より好ましくは140〜175である。また40℃における動粘度は、2〜680mm/s、より好ましくは5〜120mm/sである。また通例全硫黄分は10質量ppm未満、全窒素分1質量ppm未満である。そのようなGTL基油商品の一例として、SHELL XHVI(登録商標)がある。
【0018】
グループ4基油には 例えば、ポリオレフィン、及びグループ5基油には、例えば、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等)、シリコーン油などの合成油が挙げられる。
【0019】
上記ポリオレフィンには、各種オレフィンの重合物又はこれらの水素化物が含まれる。オレフィンとしては任意のものが用いられるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、炭素数5以上のα−オレフィンなどが挙げられる。ポリオレフィンの製造にあたっては、上記オレフィンの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にポリαオレフィン(PAO)と呼ばれているポリオレフィンが好適である。
これら合成基油の粘度は特に制限されないが、40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。
【0020】
本発明の潤滑油組成物における上記基油の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物の全量基準で60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。
【0021】
上記基油には、酸アミド、ザルコシン酸、アスパラギン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させて潤滑油組成物にする。この添加剤は、主として防錆効果を有するものである。
【0022】
上記酸アミドは、炭素数12〜30の飽和モノカルボン酸または炭素数18〜24の不飽和モノカルボン酸とアミンを反応させた酸アミド化合物が好適で、例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、イソステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等が挙げられる。また、ポリアルキルアミンと反応させて得たポリアルキレンポリアミド、例えばイソステアリン酸トリエチレンテトラミド、イソステアリン酸テトラエチレンペンタミド、イソステアリン酸ペンタエチレンヘキサミド、オレイン酸ジエチレントリアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、などのカルボン酸アミドも好適に用いることができる。
【0023】
上記ザルコシン酸は、下記の一般式1に示すグリシンの誘導体である。
【化1】

(上記式1中、Rは炭素数1〜30の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、アルケニル基を示す。)
【0024】
上記ザルコシン酸としては、具体的には、例えば、下記の式2の(Z)−N−メチル−N−(1−オキソ−9−オクタデセニル)グリシンなどが、挙げられる。
【化2】

【0025】
上記したアスパラギン酸誘導体は、下記の一般式3に示すものである。
【化3】

【0026】
上記一般式3中、X及びXは各々水素又は炭素数3〜6の同一または異なったアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基であり、より好ましくはそれぞれが2−メチルプロピル基やターシャリーブチル基がよい。
は1〜30個の炭素原子からなるアルキル基、若しくはエーテル結合を有するアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基である。例えば、オクタデシル基、アルコキシプロピル基、ヒドロカーボンの炭素数が6〜18でありかつアルキル基が炭素数3〜6である3−ヒドロカーボンオキシアルキル基、更に好ましくは、シクロヘキシルオキシプロピル基、3−オクチルオキシプロピル基、3−イソオクチルオキシプロピル基、3−デシルオキシプロピル基、3−イソデシルオキシプロピル基、3−ドデシルオキシプロピル基、3−テトラデシルオキシシプロピル基、3−ヘキサデシルオキシシプロピル基がよい。
は1〜30個の炭素原子からなる飽和、若しくは不飽和カルボン酸基、若しくは1〜30個の炭素原子からなるアルキル基、若しくはアルケニル基、若しくはヒドロキシアルキル基である。例えばプロピオン酸基やプロピオニル酸基がよい。
【0027】
上記アスパラギン酸誘導体は、JIS K2501で定める酸価が10〜200mgKOH/gのもの、より好ましくは50〜150mgKOH/gのものがよい。アスパラギン酸誘導体は、潤滑油組成物中に約0.01〜5質量%程度、好ましくは約0.05〜2質量%程度で用いられる。
【0028】
上記した酸アミド、ザルコシン酸、アスパラギン酸誘導体等の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物の全量基準で、0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜4.5質量%、より好ましくは0.05〜4質量%、更に好ましくは0.05〜3.5質量%、一層好ましくは0.05〜3質量%である。これらの含有量が0.01質量%未満の場合には防錆性が不十分となるおそれがあり、一方、5質量%を超えると抗乳化性及び泡立ち性が低下するおそれがある。
【0029】
本発明の潤滑油組成物に対して、リン化合物を添加することができ、これによって更に耐摩耗性や極圧性を付与することができる。本発明に適したリン化合物としては、例えば、リン含有カルボン酸、リン含有カルボン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステル、ホスフォロチオネート、チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩、チオカルバミン酸エステル、などが挙げられる。これらのリン化合物は、基油100質量%に対して、0.01〜2質量%の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0030】
リン含有カルボン酸、同エステル等のリン含有カルボン酸化合物としては、同一分子中にカルボキシル基とリン原子の双方を含んでいればよく、その構造は特に制限されない。しかし、極圧性及び熱・酸化安定性の点から、ホスホリル化カルボン酸、若しくは、ホスホリル化カルボン酸エステルが好ましい。
【0031】
ホスホリル化カルボン酸及びホスホリル化カルボン酸エステルとしては、例えば下記の式(4)で表される化合物が挙げられる。
【0032】
【化4】

(式(4)中、R4及びR5は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R7は水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、X1、X2、X3及びX4は同一でも異なっていてもよく、それぞれ酸素原子又は硫黄原子を示す。)
【0033】
上記式(4)中の、R4及びR5における炭素数1〜30の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
【0034】
上記ホスホリル化カルボン酸の中でも有用なβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸は、下記の式(5)の構造を有するものである。
【0035】
【化5】

【0036】
このβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸としては、具体的に、3−(ジ−イソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸などが挙げられる。
【0037】
本潤滑油組成物におけるリン含有カルボン酸化合物の含有量は、特に制限されるものではないが、潤滑油組成物の全量基準で、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.002〜0.5質量%である。
リン含有カルボン酸化合物の含有量が前記下限値未満では十分な潤滑性が得られない傾向にある。一方、前記上限値を超えて加えても含有量に見合う潤滑性向上効果が得られない傾向にあり、更には熱・酸化安定性や加水分解安定性が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0038】
なお、上記式(4)で表されるホスホリル化カルボン酸のうち、R7が水素原子である化合物の含有量については、好ましくは0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.002〜0.08質量%、更に好ましくは0.003〜0.07質量%、一層好ましくは0.004〜0.06質量%、特に好ましくは0.005〜0.05質量%である。
【0039】
また、上記酸性リン酸エステルの具体例としては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、及びジオレイルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
【0040】
上記酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、及びトリオクチルアミンなどのアミンとの塩などが挙げられる。
【0041】
上記亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、及びトリクレジルホスファイトなどが挙げられる。
【0042】
上記ホスフォロチオネートとしては、具体的には、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
【0043】
上記したチオリン酸エステル酸誘導体としてはエステル及び金属塩などがあり、具体的には、チオリン酸エステルの化合物として、脂肪族チオリン酸エステル、例えばトリイソプロピルチオホスフェート、トリブチルチオホスフェート、エチルジブチルチオホスフェート、トリヘキシルチオホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルチオホスフェート、トリラウリルチオホスフェート、トリステアリルチオホスフェート、トリオレイルチオホスフェート;および芳香族チオリン酸エステル、例えばベンジルフェニルチオホスフェート、アリルジフェニルチオホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリクレジルチオホスフェート、エチルジフェニルチオホスフェート、クレジルジフェニルチオホスフェート、ジクレジルフェニルチオホスフェート、エチルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジエチルフェニルフェニルチオホスフェート、プロピルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルチオホスフェート、トリエチルフェニルチオホスフェート、トリプロピルフェニルチオホスフェート、ブチルフェニルジフェニルチオホスフェート、ジブチルフェニルフェニルチオホスフェート、トリブチルフェニルチオホスフェートを挙げることができる。
【0044】
チオリン酸金属塩としては、具体的にはジチオリン酸亜鉛、ジチオリン酸モリブデンなどがあり、ジチオリン酸亜鉛としては、一般に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛、アリールアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は、炭素数3〜22の第1級又は第2級のアルキル基、炭素数3〜18のアルキル基で置換されたアルキルアリール基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が使用される。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛の具体例としては、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルジチオリン酸亜鉛、ジヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジイソペンチルジチオリン酸亜鉛、ジエチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリン酸亜鉛、ジノニルジチオリン酸亜鉛、ジデシルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルメチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジノニルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルフェニルジチオリン酸亜鉛、等が挙げられる。
【0045】
上記したジチオリン酸モリブデンとしては、一般に、ジアルキルジチオリン酸モリブデン、ジアリールジチオリン酸モリブデン、アリールアルキルジチオリン酸モリブデン等が挙げられる。例えば、ジアルキルジチオリン酸モリブデンのアルキル基は、炭素数3〜22の第1級又は第2級のアルキル基、炭素数3〜18のアルキル基で置換されたアルキルアリール基を有するジアルキルジチオリン酸モリブデンが使用される。
ジアルキルジチオリン酸モリブデンの具体例としては、ジプロピルジチオリン酸モリブデン、ジブチルジチオリン酸モリブデン、ジペンチルジチオリン酸モリブデン、ジヘキシルジチオリン酸モリブデン、ジイソペンチルジチオリン酸モリブデン、ジエチルヘキシルジチオリン酸モリブデン、ジオクチルジチオリン酸モリブデン、ジノニルジチオリン酸モリブデン、ジデシルジチオリン酸モリブデン、ジドデシルジチオリン酸モリブデン、ジプロピルフェニルジチオリン酸モリブデン、ジペンチルフェニルジチオリン酸モリブデン、ジプロピルメチルフェニルジチオリン酸モリブデン、ジノニルフェニルジチオリン酸モリブデン、ジドデシルフェニルジチオリン酸モリブデン、等が挙げられる。
【0046】
上記したチオカルバミン酸誘導体としてはエステル及び金属塩などがあり、具体的にはジチオカルバミン酸エステル及びジチオカルバミン酸金属塩が挙げられる。
ジチオカルバミン酸エステルとして、具体的には、メチルジブチルジチオカルバメート、エチルジプロピルジチオカルバメート、デシルジブチルジチオカルバメート、ヘキシルジデシルジチオカルバメート、オクタデシルジイソプロピルジチオカルバメート、オクチルメチルプロピルジチオカルバメートおよびイソブチルプロピル−デシルジチオカルバメート等を挙げることができる。
【0047】
上記ジチオカルバミン酸金属塩の中でも特に亜鉛、若しくはモリブデンのものが有用である。ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンの具体例としては、例えば、ジブチルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジペンチルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジヘキシルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジヘプチルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジオクチルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジノニルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジデシルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジウンデシルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジドデシルジチオカルバミン酸モリブデン、ジトリデシルジチオカルバミン酸モリブデン、ジブチルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジペンチルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジヘキシルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジヘプチルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジオクチルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジノニルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジデシルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジウンデシルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、ジドデシルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン、及びジトリデシルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン等を挙げることができる。
【0048】
上記した成分のほかに更に性能を向上させるため、必要に応じて種々の添加剤を適宜使用することができる。こうしたものとしては、酸化防止剤、金属不活性剤、極圧剤、油性向上剤、消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、防錆剤、抗乳化剤等や、その他の公知の潤滑油添加剤を挙げることができる。
【0049】
本発明において使用する酸化防止剤としては、潤滑油に使用されるものが実用的には好ましく、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、基油100質量%に対して、0.01〜5質量%の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0050】
前記アミン系酸化防止剤としては、p,p’−ジオクチル−ジフェニルアミン(精工化学社製:ノンフレックスOD−3)、p,p’−ジ−α−メチルベンジル−ジフェニルアミン、N−p−ブチルフェニル−N−p’−オクチルフェニルアミンなどのジアルキル−ジフェニルアミン類、モノ−t−ブチルジフェニルアミン、モノオクチルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン類、ジ(2,4−ジエチルフェニル)アミン、ジ(2−エチル−4−ノニルフェニル)アミンなどのビス(ジアルキルフェニル)アミン類、オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、N−t−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミンなどのアルキルフェニル−1−ナフチルアミン類、1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N−ヘキシルフェニル−2−ナフチルアミン、N−オクチルフェニル−2−ナフチルアミンなどのアリール−ナフチルアミン類、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン類、フェノチアジン(保土谷化学社製:Phenothiazine)、3,7−ジオクチルフェノチアジンなどのフェノチアジン類などが挙げられる。
【0051】
硫黄系酸化防止剤としては、ジドデシルサルファイド、ジオクタデシルサルファイドなどのジアルキルサルファイド類、ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ドデシルオクタデシルチオジプロピオネートなどのチオジプロピオン酸エステル類、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
【0052】
フェノール系酸化防止剤としては、2−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(川口化学社製:アンテージDBH)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールなどの2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール類、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エトキシフェノールなどの2,6−ジ−t−ブチル−4−アルコキシフェノール類がある。
また、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプト−オクチルアセテート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉富製薬社製:ヨシノックスSS)、n−ドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2’−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−ヒドロキシ−炭素数7〜炭素数9側鎖アルキルエステル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL135)などのアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート類、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−400)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−500)などの2,2’−メチレンビス(4−アルキル−6−t−ブチルフェノール)類がある。
さらに、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−300)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(シェル・ジャパン社製:Ionox220AH)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−(ジ−p−ヒドロキシフェニル)プロパン(シェル・ジャパン社製:ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL109)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](吉富製薬社製:トミノックス917)、2,2’−チオ−[ジエチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL115)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(住友化学:スミライザーGA80)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージRC)、2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチル−レゾルシン)などのビスフェノール類がある。
そして、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL101)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(吉富製薬社製:ヨシノックス930)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(シェル・ジャパン社製:Ionox330)、ビス−[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−4−(2”,4”−ジ−t−ブチル−3”−ヒドロキシフェニル)メチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノールなどのポリフェノール類、p−t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドの縮合体、p−t−ブチルフェノールとアセトアルデヒドの縮合体などのフェノールアルデヒド縮合体などが挙げられる。
【0053】
リン系酸化防止剤として、トリフェニルフォスファイト、トリクレジルフォスファイトなどのトリアリールフォスファイト類、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイトなどのトリアルキルフォスファイト類、トリドデシルトリチオフォスファイトなどが挙げられる。
【0054】
本発明の組成物と併用できる金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール、4−メチル−ベンゾトリアゾール、4−エチル−ベンゾトリアゾールなどの4−アルキル−ベンゾトリアゾール類、5−メチル−ベンゾトリアゾール、5−エチル−ベンゾトリアゾールなどの5−アルキル−ベンゾトリアゾール、1−ジオクチルアミノメチル−2,3−ベンゾトリアゾールなどの1−アルキル−ベンゾトリアゾール類、1−ジオクチルアミノメチル−2,3−トルトリアゾールなどの1−アルキル−トルトリアゾール類等のベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール、2−(オクチルジチオ)−ベンゾイミダゾール、2−(デシルジチオ)−ベンゾイミダゾール、2−(ドデシルジチオ)−ベンゾイミダゾールなどの2−(アルキルジチオ)−ベンゾイミダゾール類、2−(オクチルジチオ)−トルイミダゾール、2−(デシルジチオ)−トルイミダゾール、2−(ドデシルジチオ)−トルイミダゾールなどの2−(アルキルジチオ)−トルイミダゾール類等のベンゾイミダゾール誘導体がある。
また、インダゾール、4−アルキル−インダゾール、5−アルキル−インダゾールなどのトルインダゾール類等のインダゾール誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール誘導体(千代田化学社製:チオライトB−3100)、2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾールなどの2−(アルキルジチオ)ベンゾチアゾール類、2−(ヘキシルジチオ)トルチアゾール、2−(オクチルジチオ)トルチアゾールなどの2−(アルキルジチオ)トルチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾールなど2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)トルチアゾールなどの2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−トルゾチアゾール類等のベンゾチアゾール誘導体がある。
さらに、2−(オクチルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(デシルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)ベンゾオキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)−ベンゾオキサゾール類、2−(オクチルジチオ)トルオキサゾール、2−(デシルジチオ)トルオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)トルオキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)トルオキサゾール類等のベンゾオキサゾール誘導体、2,5−ビス(ヘプチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(アルキルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール類、2,5−ビス(N,N−ジエチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジオクチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール類、2−N,N−ジブチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−N,N−ジオクチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどの2−N,N−ジアルキルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール類等のチアジアゾール誘導体、1−ジ−オクチルアミノメチル−2,4−トリアゾールなどの1−アルキル−2,4−トリアゾール類等のトリアゾール誘導体などが挙げられる。
これらの金属不活性剤は、基油100質量%に対して、0.01〜0.5質量%の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0055】
本発明の潤滑油組成物に対して、油性を向上させる目的で多価アルコールの脂肪酸エステルを配合することができる。例えば、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、キシリトール等の多価アルコールの炭素数1〜24の飽和または不飽和脂肪酸の部分または完全エステルを用いることができる。
例えば、グリセロールエステルとして、グリセロールモノラウリレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノパルミテート、グリセロールモノオレート、グリセロールジラウリレート、グリセロールジステアレート、グリセロールジパルミテート、グリセロールジオレート等がある。
ソルビトールエステルとしては、ソルビトールモノラウリレート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノオレート、ソルビトールジラウリレート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールジオレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールトリラウリレート、ソルビトールトリオレート、ソルビトールテトラオレート等が挙げられる。
アルキレングリコールエステルとしては、エチレングリコールモノラウリレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノオレート、エチレングリコールジラウリレート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジオレート、プロピレングリコールモノラウリレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールジラウリレート、プロピレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジオレート等がある。
ネオペンチルグリコールエステルとしては、ネオペンチルグリコールモノラウリレート、ネオペンチルグリコールモノステアレート、ネオペンチルグリコールモノオレート、ネオペンチルグリコールジラウリレート、ネオペンチルグリコールジステアレート、ネオペンチルグリコールジオレート等が挙げられる。
トリメチロールプロパンエステルとしては、トリメチロールプロパンモノラウリレート、トリメチロールプロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノオレート、トリメチロールプロパンジラウリレート、トリメチロールプロパンジステアレート、トリメチロールプロパンジオレート、ペンタエリスリトールモノラウリレート等がある。
ペンタエリスリトールエステルとしては、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ペンタエリスリトールジラウリレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジオレート、ジペンタエリスリトールモノオレート等がある。
こうした多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、好ましくは多価アルコールと不飽和脂肪酸との部分エステルを用いるとよい。
【0056】
本発明の潤滑油組成物に対して、低温流動性や粘度特性を向上させるために、流動点降下剤や粘度指数向上剤を添加してもよい。
粘度指数向上剤としては、例えばポリメタクリレート類やエチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体、ポリイソブチレン、ポリスチレンなどのオレフィンポリマー類等の非分散型粘度指数向上剤や、これらに含窒素モノマーを共重合させた分散型粘度指数向上剤等が挙げられる。その添加量は、基油100質量%に対して、0.05〜20質量%の範囲で使用できる。
流動点降下剤としては、例えばポリメタクリレート系のポリマーが挙げられる。その添加量は、基油100質量%に対して、0.01〜5質量%の範囲で使用できる。
【0057】
本発明の潤滑油組成物に対して、消泡性を付与するために、消泡剤を添加してもよい。本発明に適した消泡剤として、通常潤滑油添加剤として使用される公知のものが挙げられる。例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルシリケート、フルオロシリコーン等のオルガノシリケート類、ポリアルキルアクリレート等の非シリコーン系消泡剤が挙げられる。その添加量は、基油100質量%に対して、0.0001〜0.1質量%の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0058】
本発明に適した抗乳化剤として、通常潤滑油添加剤として使用される公知のものが挙げられる。その添加量は、基油100質量%に対して、0.0005〜0.5質量%の範囲で使用できる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0060】
実施例1〜17及び比較例1〜4の調製に当り、以下の基油及び添加剤を用意した。
(1)基油A:合成基油・PAO(ポリαオレフィン)(特性:100℃における動粘度;6.36mm/s、粘度指数;136、全硫黄分(硫黄元素換算値);5質量ppm未満)
(2)基油B:グループ1のパラフィン系鉱油;原油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたパラフィン系鉱油であるHVI60(登録商標)とHVI160S(登録商標)を調合し粘度をISO VG#32に調整したもの(特性:100℃における動粘度;5.45mm/s、粘度指数;104、全硫黄分(硫黄元素換算値);0.5質量%=5000質量ppm)
(3)基油C:天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)基油を調合し、粘度をISO VG#32に調整したもの(特性:100℃における動粘度;6.25mm/s、粘度指数;145、全硫黄分(硫黄元素換算値);10質量ppm未満)
【0061】
(4)添加剤A1:ポリアルキレンポリアミド(シェブロン社製:Oloa340D)
(5)添加剤A2:オレイルザルコシン酸(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:Sarkosyl O)
(6)添加剤A3:アスパラギン酸誘導体(キング社製:K−corr100)
(7)添加剤A4:合成系Caスルフォネート(インフィニアム社製:Infineum
9330)
(8)添加剤A5:アルケニルコハク酸エステル(ルブリゾール社製:Lubrizol
859)
上記添加剤A1〜A5は主として防錆剤として作用するものである。
【0062】
(9)添加剤B1:β−ジチオホスホリル化プロピオン酸(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:Irgalube353)
(10)添加剤B2:オクチルアシッドフォスフェート
(11)添加剤B3:ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP/ルブリゾール社製:Lubrizol1095)
(12)添加剤B4:ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP/ルブリゾール社製:Lubrizol1375)
(13)添加剤B5:ジアルキルジチオリン酸モリブデン(MoDTP/バンダービルト社製MolyvanL)
(14)添加剤B6:ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC/アデカ社製サクラルーブ165)
(15)添加剤B7:ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC/ケッチェンOX77M)
上記添加剤B1〜B7は主として摩擦調整剤として作用するものである。
【0063】
(16)添加剤C1:アルキル化ジフェニルアミン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL57)
(17)添加剤C2:フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL135)
上記添加剤C1〜C2は主として酸化防止剤として作用するものである。
【0064】
上記基油及び添加剤を用いて、表1〜表4に示す組成を有する実施例1〜17と、表5に示す比較例1〜4の潤滑油組成物を調製した。また、比較例5として市販工作機械用潤滑油を用意した。なお、表1〜5中の各組成成分の量は、質量%で表示した。
【0065】
(特性値の測定)
上記実施例1〜17、比較例1〜5の各潤滑油組成物について、その特性を知るために、40℃の動粘度(JIS K2283に基づく)、100℃の動粘度(JIS K2283に基づく)、粘度指数(JIS K2283に基づく)、及び酸価(JIS K2501に基づく)を測定した。
各測定結果を表1〜表5に記載した。
【0066】
(試験)
実施例1〜17及び比較例1〜5の各潤滑油組成物を用いて、その性能を見るために以下の試験を行った。
【0067】
(錆止め性試験)
JIS K2510に基づき、恒温槽内に設置した容器に、試料油300mlを採取し、毎分1000回転で攪拌する。60℃になったときに、鉄製の試験片を試料油中に挿入し、更に人工海水を30ml加え、60℃に保ったまま24時間攪拌を続け、その後試験片を取り出し、試験片のさびの発生状態を目視で評価した。
評価基準は下記によった。
錆なし;錆の発生が見られない(0%)
軽 微;1mm以下の点さびが6個以下
中 度;上記軽微を超え、表面積の5%未満
高 度;上記中度を超え、表面積の5%以上
【0068】
(セラミックス潤滑性試験)
ASTM D 4172で標準化された試験方法により、シェル4球摩耗試験を行い、各潤滑油組成物の潤滑性を評価した。従来のシェル4球摩耗試験は、試験条件が1200m-1ないし1800m-1と比較的低回転数(すべり速度)で行なわれているが、実際の使用条件を鑑み、より苛酷な下記の試験条件で実施し、測定した油温の上昇速度、最大トルク、摩擦係数及び固定球の摩耗痕径の値を潤滑性能評価の指標とした。
<試験条件>
試験球: 回転球をセラミックス(Si)とし、固定球を軸受鋼(SUJ−2)とした。
荷重(P): 40.0kgf(=392N)
回転数: 6,000m−1
試験時間: 30分
温 度: 室温(試験開始時)
測 定: 試験開始から終了までの間、摩擦トルク(摩擦係数)及び試験油温、室温を自動計測し、油温上昇速度(℃/10s)、最大トルク(kgf・cm)、及び摩擦係数を下記の式によって求めた。また、試験終了後にSUJ−2球(固定球)の摩耗痕径を測定した。
摩擦係数=T/(0.4488×P)
〔T:摩擦トルク(kgf・cm)、P:荷重(kgf)〕
1kgf=9.80665Nであり、1kgf・cm=9.80665N・cmである。
【0069】
<測定結果の評点>
(1)摩耗痕径について
◎: 0.7未満
○: 0.7以上1.0未満
×: 1.0以上
(2)油温上昇速度について
◎: 0.15未満
○: 0.15以上0.2未満
×: 0.2以上
(3)最大トルクについて
◎: 1.8未満
○: 1.8以上2.7未満
×: 2.7以上
(4)摩擦係数について
◎: 0.100未満
○: 0.100以上0.150未満
×: 0.150以上
【0070】
(試験結果)
各試験結果を表1〜表5に示す。
【0071】
(評価)
実施例1の基油A(PAO)に添加剤A1のポリアルキレンポリアミドを配合したものでは、錆の発生が見られず、シェル4球摩耗試験における結果も良好である。また、実施例1に添加剤C1、C2の酸化防止剤を加えた実施例2のものでは、摩耗痕径が小さくなっている。実施例2の添加剤A1に代えて、添加剤A2のオレイルザルコシン酸を使用した実施例3、添加剤A3のアスパラギン酸誘導体を使用した実施例4のものも、錆の発生が見られず、シェル4球摩耗試験における結果も良好である。
上記実施例2、3、4に示すものに、添加剤B1のβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸を加えた実施例5、6、7のものでは、錆の発生が見られず、シェル4球摩耗試験における結果も良好であり、摩耗痕径が小さくなっている。
実施例8、9は、実施例5の基油Aを基油Bのグループ1のパラフィン系鉱油、基油CのGTL基油に変更したものであるが、実施例5とほぼ同様の良好な結果が得られている。
実施例10は、実施例5の添加剤B1に代えて添加剤B2のオクチルアシッドフォスフェートを使用したものであり、これも潤滑油組成物として使用することが可能である。
実施例11、12は、実施例10の添加剤A1の代わりに、添加剤A1+A2、添加剤A1+A3と、両者を併用したものであって、実施例10よりも更に良好な結果が得られている。
実施例13〜17は、実施例10の添加剤B2のオクチルアシッドフォスフェートに代えて、順次、添加剤B3のジアルキルジチオリン酸亜鉛、添加剤B4のジアルキルジチオリン酸亜鉛、添加剤B5のジアルキルジチオリン酸モリブデン、添加剤B6のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、添加剤B7のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンを使用したものであり、これらのものも潤滑油組成物として好適に使用することが可能である。
上記実施例中、特にセラミックス球転がり軸受用の潤滑油組成物としても好適なものは、実施例5〜12に示すものである。
一方、比較例1の基油Aでは錆止め性試験において、高度の錆が発生しており、シェル4球摩耗試験においても油温上昇速度、最大トルク、摩擦係数が大きく、摩耗痕径も大きくて悪い結果が出ている。比較例2の基油Aに添加剤C1のアルキル化ジフェニルアミンと添加剤C2のフェノール系酸化防止剤を加えたものでは、シェル4球摩耗試験において良い結果が得られているが、錆止め性試験において高度の錆が発生している。比較例3の添加剤A4の合成系Caスルフォネートと、上記添加剤C1+C2を使用したものでは、錆止め性試験において錆は発生していないが、シェル4球摩耗試験における結果が悪い。また、このシェル4球摩耗試験は1800秒試験を行うべきところであるが、430秒にて発煙し、発火の恐れがあったので、試験を中止した。比較例4の添加剤A5のアルケニルコハク酸エステルと、上記添加剤C1+C2を使用したものでは、錆止め性試験において錆は発生していないが、シェル4球摩耗試験における結果が悪い。また、比較例5の市販の工作機械用潤滑油も、錆の発生は見られなかったが、シェル4球摩耗試験における結果が悪かった。
このように、比較例のものは、いずれもセラミックス球転がり軸受用潤滑油としての要求基準を満たしておらず、セラミックス球転がり軸受を使用する高速主軸用オイルエア潤滑油としての使用に適さないことが判った。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
【表3】

【0075】
【表4】

【0076】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱油及び/または合成油から選ばれる少なくとも1種の基油が、アミンと炭素数12〜30の飽和モノカルボン酸または炭素数18〜24の不飽和モノカルボン酸とを反応させて得た酸アミド、ザルコシン酸、またはアスパラギン酸誘導体の群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とするセラミックス潤滑用の潤滑油組成物。
【請求項2】
上記酸アミドのアミンがポリアルキルアミンであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
リン含有カルボン酸、リン含有カルボン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステル、ホスフォロチオネート、チオリン酸エステル、チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸エステル、またはチオカルバミン酸の金属塩のうち、少なくとも1種を更に含有することを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
上記リン含有カルボン酸またはリン含有カルボン酸エステルが、β−ジチオホスホリル化プロピオン酸またはβ−ジチオホスホリル化プロピオン酸エステルである請求項3に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
上記チオリン酸金属塩がジアルキルジチオリン酸亜鉛またはジアルキルジチオリン酸モリブデンであることを特徴とする請求項3に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
上記チオカルバミン酸の金属塩がジチオカルバミン酸亜鉛またはジチオカルバミン酸モリブデンであることを特徴とする請求項3に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
上記潤滑油組成物に、更に芳香族アミン化合物、フェノール系化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
上記基油が、合成油であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
上記合成油が、ポリαオレフィンであることを特徴とする請求項8に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
上記合成油が、GTLであることを特徴とする請求項8に記載の潤滑油組成物。

【公開番号】特開2008−179669(P2008−179669A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12784(P2007−12784)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】