説明

潤滑流通路を有するフライホイール

【課題】潤滑流通路を有するフライホイールを提供する。
【解決手段】フライホイールは、フライホイールの中心の周りに同心状に規定されたハブ部分を含む。ハブ部分の周囲に位置する本体部分は、駆動側面および被駆動側面を有する。本体部分の複数の通路は、フライホイールを通って延在し、駆動側面と被駆動側面を流体連結させる。複数の通路はそれぞれは、フライホイールが回転している時に本体部分の駆動側にこぼれる潤滑油の流れを受け、本体部分の被駆動側面から潤滑油を排出するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般的に、機械式動力伝達用のシステムに使用される構成部材の潤滑に関し、より詳しくは、そのような構成部材に形成された潤滑通路に関する。
【背景技術】
【0002】
フライホイールおよびクラッチを含む機械式動力伝達用のシステムが公知である。これらのシステムは、一般に動力を生成する駆動部分、例えば、内燃機関や電動モータと、被駆動部分、例えば、車両変速機や発電機とを含む。このようなシステムは、厳しい温度条件下で動作することが多く、クラッチのような、これらのシステムに含まれる個々の構成部材は、望ましくない摩擦を低減しかつ冷却をもたらす潤滑を必要とすることがある。
【0003】
クラッチを潤滑にすることは、一般に、駆動部分からの潤滑油を受けてクラッチへ潤滑油を供給する流体管路を、フライホイールのような他の中間的な構成部材の周りに延在させることによって組み込むことにより達成されている。従来、このような設計が効果的であることが判っているが、このように流体管路を伝達装置に組み込むことは、費用がかかり複雑な場合がある。これらの流体管路は一般に、駆動部分からの潤滑油源をクラッチへ接続する通常狭く蛇行する経路に沿うような形状に曲げられる鋼管製である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
潤滑油の流れを伝達させるためのフライホイールは、フライホイールの中心の周りに同心状に規定されたハブ部分と、駆動側面および被駆動側面を有する本体部分とを含む。本体部分には、フライホイールを通って延在しかつ駆動側面と被駆動側面を流体結合させる複数の通路が規定される。複数の通路それぞれが、フライホイールが回転している時に本体部分の駆動側にこぼれる潤滑油の流れの部分を受け、本体部分の被駆動側面から潤滑油を排出するように構成される。
【0005】
フライホイールが回転している際中に、フライホイールの被駆動側に配置されたクラッチを潤滑する方法は、フライホイールの駆動側にこぼれる潤滑流体の流れを与えることを含む。潤滑流れの一部を、フライホイールを通って延在する通路の少なくとも1つで受けて、フライホイールの被駆動側において排出してクラッチを潤滑する。
【0006】
一実施形態では、本明細書による伝達装置は、被駆動システムに接続されたクラッチと、駆動システムに接続されたフライホイールとを含み得る。少なくとも1つの通路と流体連通している少なくとも1つのコレクタを、本体部分に規定することができる。フライホイールに接続されたハブギアと接触する遊び歯車を、作動中、駆動システムからの潤滑流体の流れを受けるように構成することができ、潤滑流体の流れ用の潤滑経路を、遊び歯車の回転界面と、コレクタと、通路と、クラッチとの間に規定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書は、伝達系において、回転する構成部材を潤滑する装置および方法に関する。本明細書に開示する潤滑構成は、潤滑油を収集して他の構成部材の方へ向け直すための、回転するフライホイールに形成された少なくとも1つのコレクタを含む。潤滑油の流れは、コレクタから、フライホイールを通って延在する通路へ送られ、構成部材、例えばフライホイールの背後に位置決めされた滑りクラッチを潤滑できるようにする。
【0008】
本発明による伝達系100の一例の外観図を図1に示す。伝達系100は、駆動システム102を被駆動システム104に接続して、機械式動力を駆動システム102から伝達系100を通って被駆動システム104まで伝達できるようにする。図示の例では、駆動システムは、伝達系100のハブギア108に接続されたクランクシャフト106を有する内燃機関(図示せず)である。ハブギア108を、クラッチ112を動作可能に回転させ得るフライホイール110に接続してもよい。この例では、クラッチ112を発電機116のアーマチュア組立体114に接続する。伝達系100は、ハブギア108のハブギア部分120とかみ合う遊び歯車118を使用することによって、被駆動システム104に加えて他の構成部材も駆動できる。フライホイール110は、中心線122を中心として対称的であることが有利であり、フライホイール110に同心状に接続された環状フランジ124を有する。環状フランジ124をフライホイール110の駆動側126に接続し、その対向する側にはフライホイール110の被駆動側128がある。図示のようにフライホイール110の被駆動側128は、クラッチ112に向いている方の側である。
【0009】
伝達装置100に互いに関連して取り付けられたフライホイール110および遊び歯車118の外観図を図2に示すが、明確にするために、他の周辺の構成部材を省略している。環状フランジ124をフライホイール110の本体部分202に接続する。環状フランジ124と本体部分202との間に、一連のコレクタ開口部204を規定する。各開口部204は、2つの隣接するコレクタポスト206の間に弓状に延在する領域である。一般に、本体部分202と、環状フランジ124と、2つの隣接するコレクタポスト206との間の隙間が、各コレクタ開口部204を規定する。
【0010】
環状フランジ124が取り除かれたフライホイール110の外観図を図3に示し、環状フランジ124が取り付けられたフライホイール110の外観図を図4に示す。明確にするために、どちらの図からもハブギア108を取り除いた。フライホイール110は、本体部分202に規定された複数の通路開口部302を含む。通路開口部302はそれぞれ、複数のコレクタ304のそれぞれと流体連通している。各コレクタ304は、上述のように個々のコレクタ開口部204に開口し、フライホイール110に対してほぼ接線方向に延在する。各コレクタ304は、各コレクタの個々のコレクタ開口部204と個々の通路開口部302を流体結合させる。
【0011】
本体部分202上には、一連の湾曲した突起306が形成される。突起306は、駆動側126に沿って、周辺に延在するフランジ308から延在する。周辺に延在するフランジ308は本体部分202上に配置され、フライホイール110のハブ部分310を取り囲む。各突起306は、フライホイール110の中心312に対して外側に向かう方向に延在し、一般的に個々のコレクタ304の片側を形成する接線経路に沿うように湾曲する。突起306それぞれの遠位端が、個々のコレクタポスト206を形成する。図示の例示的実施形態では、環状フランジ124を、周辺に延在するフランジ308と突起306それぞれの少なくとも一部分とを覆ってフライホイール110に圧入して、コレクタ304のそれぞれを囲い込んでコレクタ304を少なくとも部分的に規定し得ることが有利である。
【0012】
フライホイール110および複数の周辺構成部材の外観図を図5に示す。説明のために、遊び歯車118の一方および環状フランジ124を部分的に切り欠いて示してある。作動中、フライホイール110は、湾曲した矢印で示す「R」の方向に回転する。フライホイール110に接続されたハブギア108は、フライホイール110と共に回転し、2つの遊び歯車118それぞれを回転させる。遊び歯車118それぞれは、各歯車118の中心を通る個々のハブ502の周りを回転する。
【0013】
作動中、潤滑流体の流れが各ハブ502にもたらされ得る。潤滑流体の流れは、各遊び歯車118とその個々のハブ502との間の回転界面504を通過して潤滑し、1つ以上の開口部505を通って各界面504からあふれ出てもよい。各界面504からあふれ出る潤滑流体の流れを、有利にも、フライホイール110の少なくとも一部分を湿潤させる潤滑油のジェット流とし得る。潤滑流体の流れは、フライホイール110が回転する時、少なくとも部分的にコレクタ開口部204の1つ以上に入ってもよい。各開口部204に入る潤滑流の部分を、有利にも、各突起306によって「すくい集め」、個々のコレクタ304に入れ、個々の通路開口部302へ送ってもよい。界面504を通過する潤滑油の流れは、作動中連続的でも断続的でもよい。
【0014】
フライホイール110および周辺構成部材の断面図を図6に示し、遊び歯車118の1つの周囲の領域の詳細な図を図7に示す。例示的な図では、ある1つのコレクタ304の一部が個々の通路開口部302と交差する部分の断面で示してある。フライホイール110の本体部分202に規定された通路602は、本体部分202を通って延在し、コレクタ304を出口開口部604に流体連結させる。フライホイール110が回転している間、遊び歯車118のそれぞれの界面504からあふれ出る潤滑油の流れの部分が、コレクタ304に入るかまたはコレクタ304によってすくい集められる。コレクタ304内にある間に、潤滑油の流れの部分は通路開口部302を通って通路602へ向けられる。潤滑油の流れの部分は、通路602に沿ってフライホイール110を伝わり、出口開口部604を通ってフライホイール110の被駆動側128から出る。被駆動側128から出る潤滑油の流れの部分を使用して、フライホイール110の外部に追加的な潤滑管路を設けることなくクラッチ112のような他の構成部材を潤滑できることが有利である。
【0015】
潤滑流通路802が内部を通って延在するフライホイール800の代替的な実施形態の断面図を図8に示す。フライホイール800は、例えば、回転するクランクシャフト(図示せず)に接続された駆動側804と、一般的に808に示すクラッチを作動可能に駆動する被駆動側806とを有する。フライホイール800には、フライホイール800の中心線A−Aを取り囲むフライホイール800のハブ部分812に沿ってハブギア810が接続される。フライホイール800の本体部分814を、フライホイールのハブ部分812を取り囲む部分として規定してもよい。流れ通路802を、フライホイール800の本体部分814に形成される複数の流れ通路802の1つとし得る。複数の流れ通路802のそれぞれを、フライホイール800の本体部分814を完全に貫いて延在させてもよい。
【0016】
1つ以上の通路802のそれぞれは、有利にも、作動中フライホイール800が回転している際に、クラッチ808への断続的な「見通し線(line of sight)」をもたらすことができる。この見通し線は、フライホイール800の駆動側804の離れた位置にあり得る潤滑油の噴霧源816から始まる。ここから分かるように、フライホイール800を貫通する見通し線経路818に沿った潤滑油の断続的な噴霧が、噴霧源816から直接クラッチ808に適用されてもよい。噴霧源816を、継続的に潤滑油を噴霧するように作動させてもよいし、またはそのようにする代わりに、噴霧源816を、フライホイール800の回転時にクラッチ808への見通し線経路818が利用できる際に、断続的に潤滑油を噴霧するように配置してもよい。
【0017】
潤滑流通路902が内部を通って延在するフライホイール900の別の代替的な実施形態の断面図を図9に示す。通路902は、フライホイール900の本体部分904に規定されてもよく、フライホイール900全体に延在する。ハブギア906をフライホイール900に同心状に接続してもよい。フライホイール900とハブギア906との間の界面912を取り囲む周囲面910に沿って、周囲溝908を規定し得る。周囲溝908は、周方向に設けられた流れ偏向器914を含み得る。周方向に設けられた流れ偏向器914は、「J」字形状の断面を有してもよく、潤滑流体の貯蔵容器としての機能を果たしてもよい。さらに、流れ偏向器914は、溝908に入る潤滑油の流れを、潤滑油の流れの一部が1つ以上の通路902に入るように偏向してもよい。
【0018】
潤滑油の流れは、有利にも、溝908に入り、偏向器914がフライホイール900と共に回転している間に偏向器914から飛び出て、1つ以上の通路902に入り、フライホイール900の背後に位置決めされ得るクラッチ918に噴霧され得る。この方法では、フライホイール900の周りを廻るように特別に位置決めされた潤滑通路を追加することなく、クラッチ918を作動中潤滑することができる。
【0019】
フライホイール1000の代替的な実施形態の断面を図10に示す。フライホイール1000は、複数の通路開口部1002を規定する本体部分1001を有する。通路開口部1002のそれぞれは、複数のコレクタ1004のそれぞれと流体連通している。各コレクタ1004は、フライホイール1000に対して半径方向部分1006および接線方向部分1008を有する経路1005に沿って延在する。
【0020】
この実施形態では、本体部分1001に一連の湾曲した突起1010が形成されていて、突起1010は、経路1005に沿った各コレクタ1004の形状にほぼ沿うように外側に向かって延在している。ここから分かるように、経路1005の半径方向部分1006の周囲に配置された各コレクタ1004のセグメントが、フライホイール1000の作動中、潤滑油を収集して、各通路開口部1002から流出する潤滑油の供給が中断されないようにし得る。
【0021】
フライホイール1100のセグメントの断面を図11に示す。これまでの説明と同じように、フライホイール1100は、フライホイール1100の本体部分1104を通って延在する通路1102を形成する。通路1102の中心線1106が、フライホイール1100の被駆動側面1108に対して直角となっている。つまり、通路1102の中心線1106は、作動中、フライホイール1100の回転軸とほぼ平行にある。この形態では、通路1102にある潤滑油に作用する求心力は、相当な程度まで潤滑油を加速も減速もさせることはない。個々のコレクタ1110に入る潤滑油は、既にコレクタ1110内にある潤滑油を移動させて、潤滑油を通路1102に押し出すように働く。
【0022】
フライホイール1200の代替的な実施形態のセグメントの断面を図12に示す。この実施形態では、フライホイール1200は、フライホイール1200の本体部分1204を通って延在する通路1202を形成している。通路1202の中心線1206は、フライホイール1200の被駆動側面1208に対して角度αとなっている。中心線1206が、フライホイール1200の回転中、理論的円錐面を描くとするなら、円錐面の頂点はフライホイール1200の回転軸上にあり、頂点は、フライホイール1200の駆動側1210に位置するであろう。つまり、この実施形態では角度αは、フライホイール1200の回転方向から離れる方へ通路1202を傾斜させる働きをするので、通路1202にある潤滑油に作用する求心力が、通路1202を通る潤滑油の流れを加速させ、通路1202から潤滑油を出す働きをするようになる。
【0023】
フライホイール1300の代替的な実施形態のセグメントの断面を図13に示す。この実施形態では、フライホイール1300は、フライホイール1300の本体部分1304を通って延在する通路1302を形成している。通路1302の中心線1306は、フライホイール1300の被駆動側面1308に対して角度βとなっている。中心線1306が、フライホイール1300の回転中、理論的円錐面を描くとするなら、描かれた円錐面の頂点はフライホイール1300の回転軸上にあり、頂点は、フライホイール1300の被駆動側1308に位置するであろう。つまり、この実施形態では角度βは、フライホイール1300の回転方向の方へ通路1302を傾斜させる働きをするので、通路1302にある潤滑油に作用する求心力が、通路1302の潤滑油の流れを減速させる働きをするようになる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本明細書で説明した少なくとも1つの潤滑流通路を有するフライホイールの産業上の利用可能性は、前述の説明から容易に理解されよう。フライホイールを通る潤滑油の流れを可能にする1つ以上の通路を組み込むことにより、既存の潤滑構成を単純化する。本明細書で説明した実施形態によれば、フライホイールの周りを廻る別個の冷却通路を設ける必要性が低減または排除される。フライホイールを含む伝達系は、フライホイールを通る潤滑通路を設けることによって、および潤滑通路を通って潤滑油の流れを誘導する機能をもたらすことによって、作動中、効率的および効果的に十分に潤滑される。
【0025】
一般に、回転被駆動側に位置決めされたクラッチを潤滑する方法は、フライホイールの駆動側面にこぼれる潤滑流体の流れを与える工程を含む。潤滑流体の流れの少なくとも一部を、少なくとも1つのコレクタを通る通路でまたはフライホイールを通って延在する通路で直接受けることができる。例えば偏向器、噴霧源、または潤滑油を通路に押し込むために求心力を使用する接線方向に延在するコレクタを使用して、通路を通って移動するように流れを誘導し得る。通路からの流れを、フライホイールの被駆動側に位置決めされ得るクラッチを潤滑するためにフライホイールの被駆動側から排出することができる。
【0026】
本明細書は、クラッチを作動的に回転させる、少なくとも1つの回転するフライホイールを利用するいずれの伝達系にも適用できる。本明細書で説明した実施形態は、一般的に、駆動システム、例えば内燃機関からの動力を被駆動システム、例えば発電機へ伝達するための伝達系に関する。本明細書で説明した、クラッチを潤滑するための装置および方法を、駆動システムと被駆動システムとの間の動力の伝達を伴う他の多くの異なる種類の応用に使用することができる。
【0027】
上述した説明では、開示したシステムおよび技術について例示していることを理解されるであろう。しかしながら、本明細書の他の実装例は、上述の例とは細部が異なり得ることが考えられる。本発明またはその例への言及は全て、その時に説明されている特定の例について述べるものであり、概して本発明の範囲を限定することを全く意図するものではない。ある特徴に対して差別や悪い評価を与える用語は全て、それらの特徴に対する好みが欠如していることを表すものであるが、排除すると指摘されていない限り、本発明の範囲からそれらを排除するものでは全くない。
【0028】
本明細書で値の範囲を示しているが、本明細書に示さない限り、その範囲に入る個別の値それぞれを個別に説明する簡略な方法としての役割を単に果たすものであり、個別の各値は、本明細書で個別に説明された場合のように、本明細書に組み込まれる。本明細書で説明された方法は全て、本明細書に実施できないと指摘されていない限り、または文脈に明らかに相反しない限り、任意の好適な順序で実施できる。
【0029】
従って、本発明は、適用法で認められるように、本明細書に添付される特許請求の範囲に説明される主題の修正例および等価物を全て含む。さらに、上述の要素の任意の組み合わせは、そのあらゆる可能な変形例において、本明細書に含まれないと指摘されていない限り、または文脈に明らかに相反しない限り、本発明に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本明細書によるフライホイールを有する伝達系の部分的な断面図である。
【図2】取り付けられた状態のフライホイールと2つの遊び歯車との間の空間的な関係の外観図である。
【図3】本明細書による潤滑流の特徴を有するフライホイールの外観図である。
【図4】本明細書による環状フランジが取り付けられた図3に示すフライホイールの外観図である。
【図5】フライホイールおよび複数の周辺構成部材の部分的な切欠き図である。
【図6】本明細書による潤滑流通路を有するフライホイールの断面図である。
【図7】図6に示すフライホイールの詳細な断面図である。
【図8】本明細書によるフライホイールの代替的な実施形態の部分的な断面図である。
【図9】本明細書によるフライホイールの別の代替的な実施形態の部分的な断面図である。
【図10】フライホイールの代替的な実施形態の断面図である。
【図11】本明細書によるフライホイールの断面図である。
【図12】潤滑油の流れを加速させることができる通路を有するフライホイールの断面図である。
【図13】潤滑油の流れを減速させることができる通路を有するフライホイールの断面図である。
【符号の説明】
【0031】
100 伝達系
102 駆動システム
104 被駆動システム
106 クランクシャフト
108 ハブギア
110 フライホイール
112 クラッチ
114 アーマチュア組立体
116 発電機
118 遊び歯車
120 ハブギアのハブギア部分
122 フライホイールの中心線
124 環状フランジ
126 フライホイールの駆動側
128 フライホイールの被駆動側
202 フライホイールの本体部分
204 コレクタ開口部
206 コレクタポスト
302 通路開口部
304 複数のコレクタ
306 湾曲した突起
308 周囲に延在するフランジ
310 フライホイールのハブ部分
312 フライホイールの中心
502 ハブ
504 回転界面
505 開口部
602 潤滑流通路
604 通路の出口開口部
800 フライホイール
802 潤滑流通路
804 フライホイールの駆動側
806 フライホイールの被駆動側
808 クラッチ、一般的
810 ハブギア
812 フライホイールのハブ部分
814 フライホイールの本体部分
816 潤滑油の噴霧源
818 見通し線経路
900 フライホイール
902 潤滑流通路
904 フライホイールの本体部分
906 ハブギア
908 周囲溝
910 周囲面
912 界面
914 周方向の流れ偏向器
918 クラッチ
1000 フライホイール
1001 本体部分
1002 通路開口部
1004 コレクタ
1005 経路
1006 経路の半径方向部分
1008 経路の接線方向部分
1010 突起
1100 フライホイール
1102 通路
1104 本体部分
1106 通路中心線
1108 フライホイールの被駆動側面
1110 コレクタ
1200 フライホイール
1202 通路
1204 本体部分
1206 通路の中心線
1208 フライホイールの被駆動側面
1210 フライホイールの駆動側面
1300 フライホイール
1302 通路
1304 本体部分
1306 通路の中心線
1308 フライホイールの被駆動側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油の流れを伝達させるためのフライホイールにおいて、
フライホイールの中心の周りに同心状に規定されたハブ部分と、
ハブ部分の周囲に配置され、駆動側面および被駆動側面を有する本体部分と、
本体部分に規定され、フライホイールを通って延在して本体部分の駆動側面を被駆動側面と流体連結させる複数の通路と
を含み、複数の通路それぞれが、フライホイールが回転している時に本体部分の駆動側にこぼれる潤滑油の流れの部分を受け、潤滑油の流れを本体部分の被駆動側面から流出させるように向ける構成とされた、フライホイール。
【請求項2】
個々の通路に対応する、駆動側面に規定された複数のコレクタさらに含む、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項3】
各コレクタが個々の通路と流体連通する、請求項2に記載のフライホイール。
【請求項4】
各コレクタが、個々の通路それぞれから本体部分に対してほぼ接線方向に延在する、請求項2に記載のフライホイール。
【請求項5】
各コレクタが少なくとも2つの隣接する突起間に規定され、少なくとも2つ突起のそれぞれがフライホイールの駆動側面に規定され、各突起が、フライホイールに対して半径方向および接線方向の少なくとも一方に延在する、請求項2に記載のフライホイール。
【請求項6】
本体部分の駆動側面に同心状に接続された環状フランジをさらに含み、各コレクタが、フライホイールの2つの隣接する突起間と、環状フランジ面と、本体部分の面との間に規定される、請求項5に記載のフライホイール。
【請求項7】
フライホイールに対して同心状に配置された、周方向に設けられた流れ偏向器をさらに含み、流れ偏向器は、界面の周りに規定された溝に配置され、界面は、フライホイールとハブギアとの間に配置されている、請求項1に記載のフライホイール。
【請求項8】
クランクシャフトに接続されたフライホイールの被駆動側に配置されたクラッチを潤滑する方法において、
フライホイールを回転させることと、
フライホイールの駆動側にこぼれる潤滑流体の流れを与えることと、
フライホイールを通って延在する少なくとも1つの通路を通る潤滑流体の流れの少なくとも一部を受けることと、
フライホイールの被駆動側において通路から潤滑流体を排出することと、
排出された潤滑流体で、フライホイールの被駆動側に配置されたクラッチを潤滑することと
を含む方法。
【請求項9】
フライホイールの駆動側に規定された、接線方向に延在するコレクタに流体の流れを集めることと、
コレクタを通して潤滑流体の流れの一部を加速させることと、
コレクタからの潤滑流体の流れの一部を少なくとも1つの通路に連通させることと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
潤滑流体の流れの一部を、フライホイールに対して半径方向および接線方向に延在する突起を有する通路にすくい集めることをさらに含み、突起は、フライホイールの駆動側に形成されている、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−30806(P2009−30806A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196101(P2008−196101)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】