説明

潤滑組成物

(i)1つ以上の添加剤;(ii)少なくとも25重量%の、100℃にて6から10mm/秒の範囲の運動粘度を有する第1のフィッシャー・トロプシュ由来基油;および(iii)少なくとも10重量%の、100℃にて15から30mm秒の範囲の運動粘度を有する第2のフィッシャー・トロプシュ由来基油、ブライトストック、脱アスファルトシリンダー油(DACO)、ポリイソブチレンおよびこの混合物から選択される増粘剤;を含む潤滑組成物であって、潤滑組成剤が少なくとも20mg KOH/gのTBNおよび100℃における少なくとも9mm/秒の運動粘度を有する、潤滑組成物。本発明の潤滑組成物は、優れた潤滑剤−燃料適合性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑組成物に、特に船舶用ディーゼルエンジンおよび電力用途などの持続的高負荷条件下で動作するエンジンで使用するための潤滑組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジンで使用するための潤滑油は、高レベルの応力を受ける。潤滑油は、多種多様の条件下で良好な潤滑特性を提供して、他の特性の中でも良好な摩耗、腐食保護を提供し、エンジンを清浄に維持するのを助け、熱および酸化に対して安定であり、エンジンから熱を除去するべきであることが不可欠である。
【0003】
船舶用ディーゼルエンジンで使用される潤滑油が特に高レベルの応力を受けるのは、船舶用エンジンが通常、しばしば遠隔位置で長期間にわたってほぼ全負荷条件下で連続動作するという事実のためである。さらに、船舶用エンジンの潤滑油を交換する機会がほとんどまたは全くないことが多いため、潤滑油は長い寿命を有することが期待される。
【0004】
当分野では、「船舶用」という用語が、このようなエンジンを水上船舶に使用されるエンジンに限定しないことが認識されるであろう。即ちさらに、前記用語は発電用途に使用されるエンジンも含む。このような高性能で低燃費の低速および中速船舶用および定置ディーゼルエンジンは、高圧、高温およびロングストロークで動作する。
【0005】
すべてのエンジンの潤滑油は、燃料構成要素による汚染のリスクに瀕しており、結果として起こる潤滑特性の低下が潤滑油によって示される。しかし上述のように、船舶用エンジンは、たいてい潤滑油の障害に迅速に応答する機会をほとんど伴わずに、長期間にわたって連続的に動作することが期待されるため、船舶用エンジンで使用するための潤滑油がエンジンに動力供給するために使用される燃料と高度に適合することが特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今や驚くべきことに、100℃にて6から10mm/秒の範囲の運動粘度を有するフィッシャー・トロプシュ由来基油を規定の増粘剤および1つ以上の添加剤と共に潤滑組成物中に包含することによって、潤滑剤−燃料適合性の著しい改善が観察されることが見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により、潤滑組成物であって:
(i)1つ以上の添加剤;
(ii)少なくとも25重量%の、100℃にて6から10mm/秒の範囲の運動粘度を有する第1のフィッシャー・トロプシュ由来基油;および
(iii)少なくとも10重量%の、100℃にて15から30mm−1の範囲の運動粘度を有する第2のフィッシャー・トロプシュ由来基油、ブライトストック、脱アスファルトシリンダー油(DACO)、ポリイソブチレンおよびこの混合物から選択される増粘剤;
を含み、潤滑組成剤が少なくとも20のTBNおよび100℃にて少なくとも9mm/秒の運動粘度を有する、潤滑組成物が提供される。
【0008】
潤滑組成物は、優れた潤滑特性を有すると共に、改善された潤滑剤−燃料適合性を提供する。
【0009】
従って本発明の別の態様により潤滑組成物が提供され、組成物は、本明細書で後述する潤滑剤−燃料適合性試験方法において60:40以上の潤滑剤:燃料重量比にて、50mlを超える油相を提供する。
【0010】
本発明のまた別の態様により、改善された潤滑剤−燃料適合性を提供するための、潤滑組成物中での100℃にて6から10mm/秒の範囲の運動粘度を有するフィッシャー・トロプシュ由来基油の使用が提供される。
【0011】
本発明のまた別の態様により、中速4ストロークエンジン、好ましくは船舶用エンジンを潤滑するための、本明細書で後述する潤滑組成物の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「潤滑剤−燃料適合性」という用語は、本明細書で使用する場合は、潤滑剤および燃料の混合物が単一液相中に残存する能力を意味する。本明細書で使用する場合、「改善された潤滑剤−燃料適合性」という用語は、(潤滑剤および燃料混合物からの)潤滑剤および燃料の増加量が(所与の潤滑剤:燃料比で)単一液相中に存在することを意味する。特に「改善された潤滑剤−燃料適合性」という用語は本明細書で使用する場合、好ましくは本発明の潤滑組成物が本明細書で後述する潤滑剤−燃料適合性試験方法において60:40以上の潤滑剤:燃料重量比にて、50mlを超える油相を提供することを意味する。
【0013】
本明細書の組成物中の第1の必須構成要素は、100℃にて6から10mm/秒の範囲の、好ましくは7から9mm/秒の範囲の、特に約8mm/秒の運動粘度を有するフィッシャー・トロプシュ由来基油である(以下ではフィッシャー・トロプシュ由来軽質基油と呼ぶ。)。
【0014】
「フィッシャー・トロプシュ由来の」という用語は本明細書で使用する場合、物質がフィッシャー・トロプシュ濃縮法の合成生成物であること、または合成生成物に由来することを意味する。フィッシャー・トロプシュ由来生成物は、「GTL(ガス・ツー・リキッド)」生成物とも呼ばれ得る。
【0015】
フィッシャー・トロプシュ濃縮法:
n(CO+2H)=(−CH−)+nHO+熱
は適切な触媒の存在下で、通例、高温(例えば125から300℃、好ましくは175から250℃)および/または高圧(例えば5から100バール、好ましくは12から50バール)にて、一酸化炭素および水素をより長鎖、通常はパラフィン系炭化水素に変換する反応である。所望ならば2:1以外の水素:一酸化炭素比が使用され得る。
【0016】
一酸化炭素および水素自体は、通例は天然ガスまたは有機由来メタンのどちらかからの有機または無機、天然または合成源に由来し得る。概して、フィッシャー・トロプシュ法を使用して液体燃料構成要素に変換されるガスは、天然ガス(メタン)、LPG(例えばプロパンまたはブタン)、「コンデンセート」、例えばエタン、合成ガス(CO/水素)ならびに石炭、バイオマスおよび他の炭化水素に由来するガス状生成物を含むことができる。
【0017】
フィッシャー・トロプシュ法を使用して、LPG、ナフサ、灯油およびガス油留分を含む、一連の炭化水素燃料を調製することができる。これらのうちガス油は、自動車用ディーゼル燃料組成物として、および自動車用ディーゼル燃料組成物中で、通例は石油由来ガス油とのブレンド中で使用されてきた。より重い留分は水素化処理および真空蒸留後に得ることができ、一連の基油は潤滑基油ストックとして有用である各種の蒸留特性および粘度を有する。
【0018】
炭化水素生成物は、フィッシャー・トロプシュ反応から直接または例えばフィッシャー・トロプシュ合成生成物の分留によりもしくは水素処理フィッシャー・トロプシュ合成生成物から間接的に得ることができる。水素処理は、沸騰範囲を調整するための水素添加分解および/または分枝パラフィンの割合を増加させることによる低温流特性を改善することができる水素異性化を含むことができる。他の合成後処理、例えば重合、アルキル化、蒸留、熱分解−脱炭酸、異性化および水素改質を使用して、フィッシャー・トロプシュ濃縮生成物の特性を修正することができる。
【0019】
パラフィン系炭化水素のフィッシャー・トロプシュ合成のための代表的な触媒は、触媒活性構成要素として、周期律表の第VIII族の金属、特にルテニウム、鉄、コバルトまたはニッケルを含む。好適なこのような触媒は例えばEP−A−0583836(3および4ページ)に記載されている。
【0020】
フィッシャー・トロプシュに基づく方法の例は、「The Shell Middle Distillate Synthesis Process」,van der Burgt et al,paper delivered at the 5th Synfuels Worldwide Symposium,Washington DC,November 1985に記載されているSMDS(シェル中間留分合成)である;Shell International Petroleum Company Ltd,London,UKによる同じ表題の1989年11月の刊行物も参照。本方法(場合によりシェル「ガス・ツー・リキッド」または「GTL」技術とも呼ばれる)は、天然ガス(主にメタン)由来の合成ガスを重い長鎖炭化水素(パラフィン)ろうへ変換して、次に長鎖炭化水素ろうを水素変換および分留して、液体輸送用燃料、例えばディーゼル燃料組成物中で使用できるガス油を産生することにより、中間留分範囲生成物を産生する。重い基油を含む基油は、このような方法によっても産生され得る。固定床リアクタを利用するSMDS方法の1つの種類は、マレーシアBintuluで現在使用されていて、このガス油生成物は、市販の自動車用燃料中で石油由来ガス油とブレンドされている。
【0021】
フィッシャー・トロプシュ法のために、フィッシャー・トロプシュ由来基油は、硫黄および窒素を本質的に有さない、または検出できないレベルの硫黄および窒素を有する。これらのヘテロ原子を含有する化合物は、フィッシャー・トロプシュ触媒に対する毒として作用する傾向があり、従って合成ガス供給原料から除去される。これにより本発明による潤滑剤組成物に追加の利益をもたらすことができる。
【0022】
さらにフィッシャー・トロプシュ法は、通常操作されるように、芳香族構成要素を全くまたは本質的に産生しない。ASTMD−4629によって好適に決定されたフィッシャー・トロプシュ由来基油構成要素の芳香族含有率は通例、(原子ベースとは対照的に)分子ベースで1重量%未満、好ましくは0.5重量%およびさらに好ましくは0.1重量%未満であろう。
【0023】
一般的に言えば、フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素生成物は、例えば石油由来炭化水素と比べて、比較的低レベルの極性構成要素、特に極性界面活性剤を有する。このことは消泡および濁り除去性能の改善に寄与し得る。このような極性構成要素は、例えば酸素添加物、ならびに硫黄および窒素含有化合物を含み得る。フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素中の硫黄が低レベルであることが概して、酸素添加物および窒素含有化合物のどちらも低レベルであることを示すのは、すべてが同じ処理方法によって除去されるためである。
【0024】
フィッシャー・トロプシュ由来軽質基油は本明細書の潤滑組成物中に、潤滑組成物の重量で少なくとも25%の、好ましくは少なくとも30%の、さらに好ましくは35%のレベルで存在する。
【0025】
フィッシャー・トロプシュ由来軽質基油は本明細書の潤滑組成物中に好ましくは、潤滑組成物の重量で最大で70%の、さらに好ましくは最大で60%の、なおさらに好ましくは最大で50%のレベルで存在する。
【0026】
本発明の潤滑組成物中で便利に使用され得る好適なフィッシャー・トロプシュ由来の軽質基油は、例えばEP0776959、EP0668342、WO97/21788、WO00/15736、WO00/14188、WO00/14187、WO00/14183、WO00/14179、WO00/08115、WO99/41332、EP1029029、WO01/18156およびWO01/57166に記載されているものを含む。
【0027】
特に好ましいフィッシャー・トロプシュ由来の軽質基油は「GTL 8」である。
【0028】
本明細書の潤滑組成物の第2の必須構成要素は、100℃にて15から30mm/秒−1の範囲の運動粘度を有する第2のフィッシャー・トロプシュ由来基油、ブライトストック、脱アスファルトシリンダー油(DACO)、ポリイソブチレンおよびこの混合物から選択される増粘剤である。
【0029】
増粘剤は、組成物の重量で少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%の、さらに好ましくは少なくとも20%の、なおさらに好ましくは少なくとも25%の、特に少なくとも30%の、およびさらに特に少なくとも35%のレベルで存在する。
【0030】
本明細書で使用する増粘剤は、組成物の重量で好ましくは最大で60%の、さらに好ましくは最大で50%の、および特に最大で40%のレベルで存在する。
【0031】
本明細書で使用するのに好ましい増粘剤は、100℃において15から30mm/秒の範囲の、好ましくは18から27mm/秒の範囲の運動粘度を有し、第1のフィッシャー・トロプシュ由来基油とは異なる、第2のフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン系基油である(以下、フィッシャー・トロプシュ由来重質基油と呼ぶ。)。本発明の一実施形態において、フィッシャー・トロプシュ由来重質基油は、100℃において18から22mm/秒の範囲の粘度を有する。本発明の別の実施形態において、フィッシャー・トロプシュ由来重質基油は、100℃にて24から27mm/秒の範囲の運動粘度を有する。
【0032】
上述のように、フィッシャー・トロプシュ法を使用して、LPG、ナフサ、灯油およびガス油留分を含む、一連の炭化水素燃料を調製することができる。これらのうちガス油は、自動車用ディーゼル燃料組成物として、および自動車用ディーゼル燃料組成物中で、通例は石油由来ガス油とのブレンド中で使用されてきた。より重い留分は水素化処理および真空蒸留後に得ることができ、一連の基油は潤滑基油ストックとして有用である異なる蒸留特性および粘度を有する。より大きい分子量、真空カラムから潤滑基油カットを回収した後に残存するいわゆる「塔底生成物」は通常、水素添加分解ユニットに再循環されて、より低分子量の生成物に変換され、潤滑基油そのものとしての使用には不適と見なされることが多い。
【0033】
しかし適切に処理されたフィッシャー・トロプシュ塔底物由来基油(以下、「フィッシャー・トロプシュ由来重質基油」と呼ぶ。)は、潤滑剤−燃料適合性を改善する観点から、フィッシャー・トロプシュ軽質基油と共に潤滑組成物中で好都合であり得ることが見出されている。
【0034】
増粘剤がフィッシャー・トロプシュ由来重質基油であるとき、増粘剤は組成物の重量で、好ましくは少なくとも25%の、さらに好ましくは少なくとも30%の、なおさらに好ましくは少なくとも35%のレベルで存在する。増粘剤がフィッシャー・トロプシュ由来重質基油であるとき、増粘剤は潤滑組成物の重量で、好ましくは最大で60%の、さらに好ましくは最大で50%の、およびなおさらに好ましくは最大で40%のレベルで存在する。
【0035】
本発明の文脈において、フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン系重質基油は好適には、1つ以上の下流処理ステップの後に直接または間接的にのどちらかで、フィッシャー・トロプシュ「塔底」(即ち高沸点)生成物に由来した基油である。フィッシャー・トロプシュ塔底生成物は、フィッシャー・トロプシュ由来供給原料流の分留後に、分留カラム、通常は真空カラムから回収された炭化水素生成物である。
【0036】
さらに好ましくは、パラフィン系基油は、フィッシャー・トロプシュ合成ステップで調製されたようなパラフィンろうの水素異性化、および前記水素異性化方法の流出物から分離された残留分の脱ろうによって調製される。パラフィン系基油の調製に好適なこのような方法の例は、WO−A−2004/007647、US−A−US2004/0065588、WO−A−2004/033595およびWO−A−02070627に記載されており、これらの刊行物は参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
水素異性化ステップへの比較的重い供給原料は好適には、少なくとも0.2の、好ましくは少なくとも0.4のおよびさらに好ましくは少なくとも0.55の、少なくとも60個以上の炭素原子を有する化合物および少なくとも30個の炭素原子を有する化合物の重量比を有する。さらに供給原料は、少なくとも30重量%の、好ましくは少なくとも50重量%のおよびさらに好ましくは少なくとも55重量%の、少なくとも30個の炭素原子を有する化合物を有する。このような供給原料は好ましくはフィッシャー・トロプシュ生成物を含み、フィッシャー・トロプシュ生成物は次に、少なくとも0.925の、好ましくは少なくとも0.935の、さらに好ましくは少なくとも0.945の、なおさらに好ましくは少なくとも0.955のASF−アルファ値(アンダーソン−シュルツ−フローリー連鎖成長因子)を有するC20+留分を含む。供給原料の初期沸点は好ましくは200℃未満である。好ましくは、4個以下の炭素原子のいずれの化合物およびこの範囲内の沸点を有するいずれの化合物も前記供給原料中に存在しない。供給原料は、脱ろう後に得られるような方法再循環物および/または規格外の基油留分も含み得る。
【0038】
比較的重質のフィッシャー・トロプシュ生成物を生じ得る、好適なフィッシャー・トロプシュ合成方法は、例えばWO−A−9934917に記載されている。
【0039】
方法は概して、フィッシャー・トロプシュろうを得るためのフィッシャー・トロプシュ合成、水素異性化ステップおよび残留分の流動点降下ステップを含み、
(a)フィッシャー・トロプシュろうを水素添加分解/水素異性化するステップ、
(b)ステップ(a)の生成物から蒸留残留物を分離するステップおよび
(c)パラフィン系基油を得るために蒸留残留物を脱ろうするステップ;および場合により
(d)軽質末端を除去して所望の粘度を有する残留パラフィン系基油を得るために、パラフィン系基油を再蒸留するステップ
を含む。
【0040】
ステップ(a)の水素変換/水素異性化反応は好ましくは水素および触媒の存在下で行われ、触媒はこの反応に好適であるような当業者に公知の触媒から選択することができ、この幾つかは以下でより詳細に説明されるであろう。触媒は原則として、パラフィン系分子の異性化に好適であることが当分野で公知であるいずれの触媒でもよい。概して、好適な水素変換/水素異性化触媒は、耐火性酸化物担体、例えば非晶質シリカ−アルミナ(ASA)、アルミナ、フッ化アルミナ、モレキュラーシーブ(ゼオライト)またはこれらの2つ以上の混合物に担持された水素化構成要素を含む触媒である。本発明による水素変換/水素異性化ステップで利用される1種類の好ましい触媒は、水素化構成要素として白金および/またはパラジウムを含む水素変換/水素異性化触媒である。たいへん好ましい水素変換/水素異性化触媒は、非晶質シリカ−アルミナ(ASA)担体に担持された白金およびパラジウムを含む。白金および/またはパラジウムは好適には、元素として計算され、担体の総重量に基づいて、0.1から5.0重量%の、さらに好適には0.2から2.0重量%の量で存在する。どちらも存在する場合、白金のパラジウムに対する比は、広い限界内で、しかし好適には0.05から10の、さらに好適には0.1から5の範囲で変化し得る。ASA触媒上の好適な貴金属の例は、例えばWO−A−9410264およびEP−A−0582347に開示されている。他の好適な貴金属ベースの触媒、例えば白金担持フッ化アルミナ担体は、例えばUS−A−5059299およびWO−A−9220759に開示されている。
【0041】
第2の種類の好適な水素変換/水素異性化触媒は、少なくとも1つの第VIB族金属、好ましくはタングステンおよび/またはモリブデン、ならびに水素化構成要素として少なくとも1つの第VIII族非貴金属、好ましくはニッケルおよび/またはコバルトを含む触媒である。どちらの金属も酸化物、硫化物またはこの組合せとして存在し得る。第VIB族金属は好適には、元素として計算され、担体の総重量に基づいて、1から35重量%の、さらに好適には5から30重量%の量で存在する。第VIII族非貴金属は好適には、元素として計算され、担体の総重量に基づいて、1から25重量%の、好ましくは2から15重量%の量で存在する。この種の水素変換触媒は、特に好適であることが見出されており、フッ化アルミナに担持されたニッケルおよびタングステンを含む触媒である。
【0042】
上の非貴金属ベースの触媒は、好ましくはこの硫化物形で使用される。使用中に触媒の硫化形を維持するために、供給原料中に多少の硫黄が存在する必要がある。好ましくは少なくとも10mg/kgのおよびさらに好ましくは50から150mg/kgの硫黄が供給原料中に存在する。
【0043】
非硫化形で使用することができる好ましい触媒は、酸性担体に担持された、第IB族金属、例えば銅と併せた第VIII族非貴金属、例えば鉄、ニッケルを含む。銅は好ましくは、パラフィンからメタンへの水素化分解を抑制するために存在する。触媒は、吸水率によって決定されるような、好ましくは0.35から1.10ml/gの範囲の細孔容積、BET窒素吸着によって決定されるような、好ましくは200から500m/gの表面積、および0.4から1.0g/mlのバルク密度を有する。触媒担体は好ましくは、5から96重量%の、好ましくは20から85重量%の広範囲で存在し得る、非晶質シリカ−アルミナからなる。SiOとしてのシリカ含有率は、好ましくは15から80重量%である。また担体は、少量、例えば20から30重量%の結合剤、例えばアルミナ、シリカ、第IVA族金属酸化物、および各種の種類の粘土、マグネシアなど、好ましくはアルミナまたはシリカを含有し得る。
【0044】
非晶質シリカ−アルミナミクロスフェアの調製は、Ryland,Lloyd B.,Tamele,M.W.,and Wilson,J.N.,Cracking Catalysts,Catalysis:volume VII,Ed.Paul H.Emmett,Reinhold Publishing Corporation,New York,1960,pp.5−9に記載されている。
【0045】
触媒は、溶液からの金属を担体へ共含浸させることと、100から150℃にて乾燥させることと、空気中200から550℃にて焼成することとによって調製される。第VIII族金属は、約15重量%以下の、好ましくは1から12重量%の量で存在するが、第IB族金属は通常より少ない量で、例えば第VIII族金属に対して例えば1:2から1:20の重量比で存在する。代表的な触媒を以下に示す:
Ni、重量% 2.5から3.5
Cu、重量% 0.25から0.35
Al−SiO重量% 65から75
Al(結合剤)重量% 25から30
表面積 290から325m/g
細孔容積(Hg)0.35から0.45ml/g
バルク密度 0.58から0.68g/ml
別のクラスの好適な水素変換/水素異性化触媒は、ゼオライト系物質をベースとして、好適には少なくとも1つの第VIII族金属構成要素、好ましくはPtおよび/またはPdを水素化構成要素として含む触媒である。好適なゼオライト系および他のアルミノケイ酸塩物質はここで、ゼオライトベータ、ゼオライトY、ウルトラステーブルY、ZSM−5、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−48、MCM−68、ZSM−35、SSZ−32、フェリエライト、モルデナイトおよびシリカ−アルミノリン酸塩、例えばSAPO−11およびSAPO−31を含む。好適な水素異性化/水素異性化触媒の例は例えばWO−A−9201657に記載されている。これらの触媒の組合せも可能である。非常に好適な水素変換/水素異性化方法は、ゼオライトベータベースの触媒が使用される第1ステップおよびZSM−5、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−48、MCM−68、ZSM−35、SSZ−32、フェリエライト、モルデナイトベースの触媒が使用される第2ステップを含む方法である。後者の群のうちZSM−23、ZSM−22およびZSM−48が好ましい。このような方法の例は、US−A−2004/0065581およびUS−A−2004/0065588に記載されている。US−A−2004/0065588の方法において、本記載の文脈で意図されるようなステップ(a)および(c)は、同じZSM−48ベースの触媒を使用して行われる。
【0046】
フィッシャー・トロプシュ生成物が、最初に上述のようなシリカ−アルミナ担体を含む非晶質触媒を使用する第1の水素異性化ステップを、続いてモレキュラーシーブを含む触媒を使用する第2の水素異性化ステップを受ける組合せも、本発明で使用される基油を調製する好ましい方法として認められてきた。さらに好ましい第1および第2の水素異性化ステップは、直列フローで行われる。
【0047】
ステップ(a)では、供給原料は、高温および高圧にて触媒の存在下で酸素と接触する。温度は通例、175から380℃の、好ましくは250℃を超える、およびさらに好ましくは300から370℃の範囲であるだろう。圧力は通例、10から250バールの、および好ましくは20から80バールの範囲であるだろう。水素は、100から10000Nl/l/時の、好ましくは500から5000Nl/l/時の気体時空間速度で供給され得る。炭化水素供給原料は、0.1から5kg/l/時の、好ましくは0.5kg/l/時を超える、およびさらに好ましくは2kg/l/時より低い重量空間速度で供給され得る。水素対炭化水素供給原料の比は100から5000Nl/kgの範囲であり得、好ましくは250から2500Nl/kgである。
【0048】
ステップ(a)の変換は、370℃未満で沸騰する留分に対して通過1回ごとに反応する、370℃より上で沸騰する供給原料のパーセンテージとして定義され、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%、しかし好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下である。上の定義で使用したような供給原料は、ステップ(a)に供給された全炭化水素供給原料であり、それゆえステップ(b)で得ることができる高沸点留分のいずれかの任意の再循環物でもある。
【0049】
ステップ(b)では、ステップ(a)の生成物から残留物が単離される。本明細書では残留物によって、ステップ(a)の放出物中に存在するような沸点が最も高い化合物が残留物の一部であることを意味する。蒸留は、WO−A−02/070627で例証されているように大気圧にて、またはWO−A−2004/007647で例証されているようにより低い圧力にて行われ得る。
【0050】
ステップ(c)は、溶剤または接触脱ろうによって行われ得る。溶剤脱ろうが好都合なのは、例えばWO−A−0246333に記載されているように曇りのないパラフィン系油が次に得られるためである。曇りのない基油は、15℃未満の曇り点を有する組成物として定義される。曇りのあるパラフィン系基油は、15℃以上の曇り点を有する。接触脱ろうは、WO−A−2004/033595および2004/0065588で例証されているように、曇りのあるパラフィン系基油を生じ得る。しかし接触脱ろうは、この操作がより簡単であるため溶剤脱ろうよりも好ましい。従って接触脱ろうによって得られるような、曇りのあるパラフィン系基油から曇りを除去する方法が開発されている。前記方法の例は、US−A−6051129、US−A−2003/0075477およびUS−A−6468417である。出願人は今や、接触脱ろうによって調製されるような曇りのあるパラフィン系基油を使用してブレンド油を調製すると、透明で明色の生成物が得られることを見出した。それゆえフィッシャー(商標)トロプシュワックスから得られるこのような曇りのあるパラフィン系基油について、非常に興味深い用途が見出されている。
【0051】
脱ろうは好ましくは、接触脱ろうによって行われる。接触脱ろうは、当業者に公知であり、水素ならびにモレキュラーシーブを含み、および場合により水素化機能を有する金属、例えば第VIII族金属と組合された好適な不均一系触媒の存在下で好適に行われる。モレキュラーシーブ、およびさらに好適には中間孔径ゼオライトは、接触脱ろう条件下で基油前駆体留分の流動点を低下させる良好な触媒能力を示している。好ましくは、中間孔径ゼオライトは、0.35から0.8nmの孔径を有する。好適な中間孔径ゼオライトは、モルデナイト、ZSM−5、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、SSZ−32、ZSM−35およびZSM−48である。モレキュラーシーブの別の好ましい群は、シリカ−アルミナホスフェート(SAPO)物質であり、そのうちSAPO−11は、例えばUS−A−4859311に記載されているように最も好ましい。ZSM−5は場合により、第VIII族金属のいずれも存在しないときにこのHZSM−5形で使用され得る。他のモレキュラーシーブは好ましくは、添加された第VIII族金属と組合せて使用される。好適な第VIII族金属は、ニッケル、コバルト、白金およびパラジウムである。考えられる組合せの例は、Ni/ZSM−5、Pt/ZSM−23、Pd/ZSM−23、Pt/ZSM−48およびPt/SAPO−11である。好適なモレキュラーシーブおよび脱ろう条件のさらなる詳細事項および例は、例えばWO−A−9718278、US−A−5053373、US−A−5252527、US−A−4574043、US−A−5157191、WO−A−0029511、EP−A−832171に記載されている。
【0052】
接触脱ろう条件は当分野で公知であり、通例、200から500℃の、好適には250から400℃の範囲の操作温度、10から200バールの、好ましくは40から70バールの範囲の水素圧力、触媒1リットル当たり1時間に付き0.1から10kg(kg/l/時)の、好適には0.2から5kg/l/時、さらに好適には0.5から3kg/l/時の範囲の重量空間速度(WHSV)ならびに油1リットル当たり水素100から2,000リットルの範囲の水素対油比を含む。
【0053】
必要な粘度を有する所望のパラフィン系基油は、ステップ(c)の放出物から直接得ることができる。必要な場合には、上で規定したような前記粘度要件を満足するために、いずれかのより低い沸点の化合物がステップ(d)で蒸留によって除去され得る。
【0054】
本発明で使用するためのフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン系重質基油を調製する好ましい方法はUS−A−7354508に記載されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
本明細書で使用するための別の好適な増粘剤は、脱アスファルトシリンダー油(DACO)である。脱アスファルトシリンダー油は、鉱物由来真空残留物を脱アスファルトして脱アスファルト油を得ること、脱アスファルト油を溶剤抽出すること、および脱アスファルトシリンダー油(DACO)抽出物を得ることによって調製され得る。脱アスファルトシリンダー油(DACO)抽出物は、本発明で使用される前に、溶剤脱ろうステップを受けさせることができる。好ましくは、脱アスファルトシリンダー油抽出物は、前記脱アスファルトシリンダー油が脱ろうステップを受けずに、溶剤抽出方法ステップで得られたままで使用される。脱アスファルトシリンダー油を調製する方法に関するさらなる詳細事項はEP−A−1752514に見出され、この開示は、EP−A−1752514で参照される参考文献を含めて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
脱アスファルトシリンダー油は本発明の潤滑組成物中に存在するとき、好ましくは0.1重量%から20重量%の、さらに好ましくは1重量%から10重量%の、および特に3重量%から8重量%のレベルで存在する。
【0057】
脱アスファルトシリンダー油の100℃における運動粘度は、好ましくは少なくとも40mm/秒、さらに好ましくは少なくとも48mm/秒である。脱アスファルトシリンダー油の流動点は、好ましくは50℃未満、さらに好ましくは27℃未満および最も好ましくは21℃未満である。
【0058】
本明細書の潤滑組成物で使用するための他の好適な増粘剤は、本明細書では石油由来ブライトストック基油およびポリイソブテンである。
【0059】
ブライトストック油は、潤滑油組成物において、特に硫黄含有率が最大4.0重量%の残留燃料を燃焼する船舶および定置低速クロスヘッドディーゼルエンジンのための、ならびに工業および船舶用途において残留燃料で動作するトランクピストン中速エンジンのための潤滑油組成物において基油として使用される。
【0060】
本明細書で使用できるブライトストック油の種類には特に制限がない。本明細書での使用に好適なブライトストック基油は、Royal Dutch/Shell Group of Companiesから「HVI」という名称で入手できるもの、例えばHVI650(Catenex S579という商標名で市販されている。)を含む。
【0061】
増粘剤がブライトストック基油であるとき、ブライトストック基油は通例、組成物の重量で約5%から約50%の、好ましくは約10%から約30%のレベルで存在する。
【0062】
ポリイソブテンは、本明細書の潤滑組成物での増粘剤としての使用にも好適である。本明細書での使用に好適なポリイソブテンは、WO2006/064138に開示されているものを含み、この教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
本発明の潤滑組成物は、すでに上述した基油構成要素に加えて追加の基油構成要素も含み得る。潤滑組成物での使用に好適ないずれの従来の基油も本明細書で使用することができる。
【0064】
本発明の潤滑油組成物での使用に好適な基油は、グループI、グループIIまたはグループIII基油、ポリアルファオレフィン、フィッシャー・トロプシュ由来基油(すでの上述したもの以外)およびこの混合物を含む。
【0065】
本発明において「グループI」基油、「グループII」基油および「グループIII」基油とは、米国石油協会(American Petroleum Institute(API))カテゴリI、IIおよびIIIの定義に従う潤滑油基油を意味する。このようなAPIカテゴリは、API Publication 1509,15th Edition,Appendix E,April 2002に定義されている。
【0066】
合成油は、炭化水素油、例えばオレフィンオリゴマー(PAO)、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、および脱ろうろう様ラフィネートを含む。Shell Groupによって「XHVI」(商標)という名称で販売されている合成炭化水素基油が便利に使用され得る。
【0067】
本発明の一実施形態において、基油は、Royal Dutch/Shell Group of Companiesによって「HVI」または「MVIN」という名称で販売されている鉱物起源の基油である。このような基油の特に好ましい例は、HVI 160S(商標名Catenex S542で市販されている。)である。
【0068】
本発明の潤滑組成物で上記の種類の基油の混合物を使用できるにもかかわらず、本発明の好ましい実施形態において、基油は、フィッシャー・トロプシュ由来重質基油と組合されたフィッシャー・トロプシュ由来軽質基油のみからなる。
【0069】
本発明の潤滑組成物は、100℃にて少なくとも9mm/秒の、好ましくは少なくとも10mm/秒の、なおさらに好ましくは少なくとも12.5mm/秒の運動粘度を有するように調合される。本発明の潤滑組成物は、好ましくは100℃にて最大で20mm/秒の、好ましくは最大で18mm/秒の、さらに好ましくは最大で16.3mm/秒の運動粘度を有するように調合される。
【0070】
本明細書の潤滑組成物は、船舶用ディーゼルエンジンの潤滑剤としての使用に特に好適である。
【0071】
ディーゼルエンジンは概して低速、中速または高速エンジンに分類され得、低速エンジンは深喫水船および工業用途で使用される。
【0072】
低速ディーゼルエンジンは通例、約57から250rpmの範囲で動作する直結型自己逆転2ストロークエンジンであり、通常、残留燃料で動作する。これらのエンジンは、パワーシリンダーをクランクケースから隔離して燃焼生成物のクランクケースへの進入およびクランクケース油との混合を防止する、ダイアフラムおよびスタッフィングボックスを備えたクロスヘッド構造である。
【0073】
中速エンジンは通例、250から約1100rpmの範囲で動作して、4ストロークまたは2ストロークサイクルで動作し得る。これらのエンジンはトランクピストン設計であり、多くは1.5重量%を超える硫黄を含有する残留燃料でも動作し得る。これらのエンジンは、残留物をほとんどまたは全く含有しない蒸留燃料でも動作し得る。遠洋船舶では、これらのエンジンは推進用途、補助用途またはこの両方に使用され得る。
【0074】
低速および中速船舶用ディーゼルエンジンは、発電プラント運転にも広範に使用されている。本発明は、このような用途にも利用できる。
【0075】
それぞれの種類のディーゼルエンジンは、潤滑油を使用して、他の可動部材の中でもピストンリング、シリンダライナ、クランクシャフトおよび連結ロッドのベアリング、カムおよびバルブリフタを含むバルブトレイン機構を潤滑する。潤滑剤は、構成要素の摩耗を防止し、熱を除去して、燃焼生成物を中和および分散し、錆および腐食を防止して、スラッジの形成または堆積を防止する。
【0076】
低速船舶用クロスヘッドディーゼルエンジンにおいて、シリンダおよびクランクケースは個別に潤滑され、シリンダの潤滑は、シリンダライナ周囲に配置された潤滑装置にシリンダ油を給油する注入デバイスによって、貫流ベースで提供される。これは「全損」潤滑システムとして公知である。シリンダ油は通例、良好な酸化および熱安定性、水乳化破壊性、防食および良好な消泡性能を提供するように調合される。燃焼方法の間に形成された酸を中和するためのアルカリ性洗浄剤添加物も存在する。好適な添加剤の使用により、分散、抗酸化、消泡、抗摩耗および超高圧(EP)性能も提供され得る。
【0077】
好ましくは、本発明の潤滑組成物は、分散剤、洗浄剤、抗摩耗剤、減摩剤、増粘剤、金属不動態化剤、酸金属イオン封鎖剤、流動点降下剤、防食剤、消泡剤、シール固定剤またはシール適合剤および酸化防止剤から選択される1つ以上の添加剤を含む。
【0078】
好ましくは、上に挙げた添加剤のすべてが本発明の潤滑油組成物中に存在する。このような添加剤の例は、例えばUS−B−6596673に記載されており、この刊行物は参照によりここで本明細書に組み込まれる。
【0079】
本発明の潤滑油組成物で便利に使用され得る洗浄剤は、フェナート洗浄剤、サリチレート洗浄剤およびスルホネート洗浄剤から選択される1つ以上の洗浄剤を含む。アルカリ金属およびアルカリ土類金属サリチレート、フェナートおよびスルホネート洗浄剤は、本発明の潤滑油組成物において好ましい。カルシウムおよびマグネシウムサリチレート、フェナートおよびスルホネートは、その中の特に好ましい洗浄剤である。
【0080】
本発明の潤滑油組成物で使用される洗浄剤は、それぞれ独立して、ISO 3771によって測定されるような30から350mg KOH/gの範囲の、好ましくは約70mg KOH/gのTBN(全塩基価)を有し得、好ましくは前記潤滑油組成物の総重量に基づいて、0.5から18重量%の範囲の総量で存在する。
【0081】
潤滑組成物は本明細書では、ISO 3771によって測定されるように、好ましくは少なくとも20mg KOH/gの、さらに好ましくは少なくとも25mg KOH/gの、なおさらに好ましくは少なくとも30mg KOH/gの、および特に少なくとも40mg KOH/gの全塩基価(TBN)を有する。潤滑組成物は本明細書では、好ましくは最大で60mg KOH/gの、さらに好ましくは最大で50mg KOH/gの全塩基価(TBN)を有する。
【0082】
本発明の潤滑油組成物で便利に使用され得る酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤および/またはフェノール系酸化防止剤の群から選択される1つ以上の酸化防止剤である。前記酸化防止剤は概して、前記潤滑油組成物の総重量に基づいて、0から2重量%の範囲の総量で存在し得る。
【0083】
便利に使用され得るアミン系酸化防止剤の例としては、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミンおよびアルキル化−α−ナフチルアミンが挙げられる。
【0084】
好ましいアミン系酸化防止剤は、ジアルキルジフェニルアミン、例えばp,p’−ジオクチル−ジフェニルアミン、p,p’−ジ−α−メチルベンジル−ジフェニルアミンおよびN−p−ブチルフェニル−N−p’−オクチルフェニルアミン、モノアルキルジフェニルアミン、例えばモノ−t−ブチルジフェニルアミンおよびモノ−オクチルジフェニルアミン、ビス(ジアルキルフェニル)アミン、例えばジ−(2,4−ジエチルフェニル)アミンおよびジ(2−エチル−4−ノニルフェニル)アミン、アルキルフェニル−1−ナフチルアミン、例えばオクチルフェニル−1−ナフチルアミンおよびn−t−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、1−ナフチルアミン、アリールナフチルアミン、例えばフェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N−ヘキシルフェニル−2−ナフチルアミンおよびN−オクチルフェニル−2−ナフチルアミン、フェニレンジアミン、例えばN,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンおよびN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ならびにフェノチアジン、例えばフェノチアジンおよび3,7−ジオクチルフェノチアジンを含む。
【0085】
好ましいアミン系酸化防止剤は、以下の商品名:「Sonoflex OD−3」(Seiko Kagaku Co.より)、「Irganox L−57」(Ciba Specialty Chemicals Co.から)およびフェノチアジン(Hodogaya Kagaku Co.から)で入手可能なものを含む。
【0086】
便利に使用され得るフェノール系酸化防止剤の例としては、3,5−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロピオン酸のC−C分枝アルキルエステル、2−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−アルコキシフェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−エトキシフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトオクチルアセテート、アルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、例えばn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−ブチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよび2’−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−アルキル−6−t−ブチルフェノール)、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、および2,2−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ビスフェノール、例えば4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−(ジ−p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオ−[ジエチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)および2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルレゾルシノール)、ポリフェノール、例えばテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス−[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)酪酸]グリコールエステル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−4−(2”,4”−ジ−t−ブチル−3”−ヒドロキシフェニル)メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、ならびにp−t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒドコンデンセートおよびp−t−ブチルフェノール−アセトアルデヒドコンデンセートが挙げられる。
【0087】
好ましいフェノール系酸化防止剤は、以下の商品名:「Irganox L−135」(Ciba Specialty Chemicals Co.より)、「Antage DBH」(Kawaguchi Kagaku Co.より)、「Yoshinox SS」(Yoshitomi Seiyaku Co.より)、「Antage W−400」(Kawaguchi Kagaku Co.より)、「Antage W−500」(Kawaguchi Kagaku Co.より)、「Antage W−300」(Kawaguchi Kagaku Co.Antage)、「Ionox 220AH」(Shell Japan Co.から)、Shell Japan Co.により製造されたビスフェノールA、「Irganox L109」(Ciba Speciality Chemicals Co.より)、「Tominox 917」(Yoshitomi Seiyaku Co.より)、「Irganox L115」(Ciba Speciality Chemicals Co.より)、「Sumilizer GA80」(Sumitomo Kagakuより)、「Antage RC」(Kawaguchi Kagaku Co.より)、「Irganox L101」(Ciba Speciality Chemicals Co.より)、「Yoshinox 930」(Yoshitomi Seiyaku Co.より)、「Ionox 330」(Shell Japan Co.より)で入手可能なものを含む。
【0088】
好ましい実施形態において、本発明の潤滑油組成物は、抗摩耗添加剤として1つ以上のジチオリン酸亜鉛を含み得、該または各ジチオリン酸亜鉛は、ジアルキル−、ジアリール、またはアルキルアリール−ジチオリン酸亜鉛から選択される。ジアルキルジチオリン酸亜鉛が特に好ましい。
【0089】
市販されている好適なジチオリン酸亜鉛の例は、Lubrizol Corporationから商品名「Lz 1097」および「Lz 1395」で入手できるもの、Chevron Oroniteから商品名「OLOA 26,7」および「OLOA 269R」で入手できるもの、ならびにEthylから商品名「HITEC 7197」で入手できるもの;ジチオリン酸亜鉛、例えばLubrizol Corporationから商品名「Lz 677A」、「Lz 1095」および「Lz 1371」で入手可能なもの、Chevron Oroniteから商品名「OLOA 262」で入手可能なものおよびEthylから商品名「HITEC 7169」で入手可能なもの;ならびにジチオリン酸亜鉛、例えばLubrizol Corporationから商品名「Lz 1370」および「Lz 1373」で入手可能なものならびにChevron Oroniteから商品名「OLOA 260」で入手可能なものを含む。
【0090】
本発明による潤滑油組成物は概して、潤滑油組成物の総重量に基づいて、0.1から1.5重量%の範囲で、好ましくは0.4から0.9重量%の範囲で、および最も好ましくは0.45から0.8重量%の範囲でジチオリン酸亜鉛を含む。
【0091】
便利に使用され得るさらなる抗摩耗添加剤は、モリブデン含有化合物およびホウ素含有化合物を含む。
【0092】
このようなモリブデン含有化合物の例は便利には、ジチオカルバミン酸モリブデン、例えばWO−A−98/26030に記載されているような3核モリブデン化合物、モリブデンの硫化物およびジチオリン酸モリブデンを含み得る。
【0093】
前記モリブデン含有抗摩耗添加剤は、本発明の潤滑油組成物に、潤滑油組成物の総重量に基づいて0.1から3.0重量%の範囲の量で便利に添加される。
【0094】
便利に使用され得るホウ素含有化合物は、ホウ酸エステル、ホウ素化脂肪アミン、ホウ素化エポキシド、ホウ酸アルカリ金属(または混合アルカリ金属またはアルカリ土類金属)およびホウ素化過剰塩基金属塩を含む。
【0095】
前記ホウ素含有抗摩耗添加剤は、本発明の潤滑油組成物に、潤滑油組成物の総重量に基づいて0.1から3.0重量%の範囲の量で便利に添加される。
【0096】
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油組成物の総重量に基づいて5から15重量%の範囲の量で好ましくは混合され得る1つ以上の分散剤をさらに含有し得る。
【0097】
使用され得る分散剤の例としては、特許第1367796号、同第1667140号、同第1302811号および同第1743435号に開示されているポリアルケニルスクシンイミドおよびポリアルケニルコハク酸エステルが挙げられる。好ましい分散剤は、ホウ素化スクシンイミドを含む。
【0098】
便利に使用され得る好ましい減摩剤は脂肪酸アミド、さらに好ましくは不飽和脂肪酸アミドを含む。
【0099】
本発明の潤滑油組成物に添加され得る減摩剤の量は便利には、潤滑油組成物の総重量に基づいて、0.05から1.2重量%の範囲である。
【0100】
ポリメタクリレート、例えば特許第1195542号および同第1264056号に開示されているものは、本発明の潤滑油組成物中で有効な流動点降下剤として便利に使用され得る。
【0101】
さらにアルケニルコハク酸またはこのエステル部分、ベンゾトリアゾールベース化合物およびチオジアゾールベース化合物などの化合物は、本発明の潤滑油組成物で防食剤として便利に使用され得る。
【0102】
ポリシロキサン、ジメチルポリシクロヘキサンおよびポリアクリレートなどの化合物は、本発明の潤滑油組成物で消泡剤として便利に使用され得る。
【0103】
本発明の潤滑油組成物でシール固定剤またはシール適合剤として便利に使用され得る化合物は、例えば市販の芳香族エステルである。
【0104】
本発明の潤滑油組成物は、基油ブレンドならびに分散剤、洗浄剤、抗摩耗剤、減摩剤、増粘剤、金属不動態化剤、酸金属イオン封鎖剤、流動点降下剤、防食剤、消泡剤、シール固定剤またはシール適合剤および酸化防止剤から選択される1つ以上の添加剤を混合することによって便利に調製され得る。
【0105】
本発明の別の実施形態において、船舶もしくは定置低速クロスヘッドディーゼルエンジンまたはトランクピストン中速ディーゼルエンジンを潤滑する方法であって、上記のような潤滑油組成物をエンジンに利用することを含む方法が提供される。
【0106】
本発明は今や、本発明の範囲を決して制限することを意図するものではない、以下の実施例を参照することによって説明される。
(実施例1および2ならびに比較例AからC)
以下の実施例の潤滑組成物を、添加剤一式と基油および増粘剤ブレンドとを均質になるまで混合することによって調製した。
【0107】
調製した潤滑組成物の組成を下の表1に示す。
【0108】
【表1】

1.Royal Dutch/Shell Group of Companiesから市販されている、100℃にて約11mm/秒の運動粘度を有する、溶剤抽出方法によって製造されたパラフィン系APIグループI基油
2.Royal Dutch/Shell Group of Companiesから市販されている、100℃にて約32mm/秒の運動粘度を有する、溶剤抽出方法によって製造されたパラフィン系APIグループI基油
3.100℃にて66m/秒の運動粘度、989kg/mの密度および9℃の流動点を有する、Royal Dutch/Shell Group of Companiesから市販されている脱アスファルトシリンダー油
4.米国特許第7354508号に記載された方法によって便利に調製され得る、100℃にて約19cStの運動粘度、142の粘度指数、837kg/mの密度および−24℃の流動点を有するフィッシャー・トロプシュ由来グループIII基油
5.WO02/070631に記載された方法によって便利に調製され得る、100℃にて約8mm/秒の運動粘度、143から148の粘度指数、828kg/mの密度および−24℃の流動点を有するフィッシャー・トロプシュ由来グループIII基油
6.過剰塩基洗浄剤、抗摩耗剤としてのジチオリン酸亜鉛、安定剤、流動点降下剤および消泡剤を含む添加剤一式
【0109】
実施例1および2ならびに比較例AからCの潤滑剤−燃料適合性を、以下の試験方法に従って試験した。
【0110】
潤滑剤−燃料適合性試験方法
本方法は、潤滑剤−燃料組成物の潤滑剤−燃料適合性を決定する手順について説明する。
【0111】
試験方法で使用した燃料バッチは、以下の組成/特性を有していた:
【0112】
【表2】

【0113】
試験は、100/0、90/10、80/20、70/30および60/40の潤滑油/燃料ブレンド比を用いて行った。試験中のブレンド調合物を円錐形で220mm長の100ml遠心管で60℃にて12週間保管した。管は垂直にして保管した。12週間後、ブレンド調合物の油相の量を記録した。
【0114】
潤滑剤−燃料適合性試験の結果を以下の表2に示す。
【0115】
【表3】

【0116】
表2からわかるように、(本発明による)実施例1および2の潤滑組成物は、特に潤滑剤−燃料ブレンドに60体積%以上で存在するときに、(本発明によらない)比較例AからCの潤滑組成物と比較して、潤滑剤−燃料適合性を著しく改善した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1つ以上の添加剤;
(ii)少なくとも25重量%の、100℃にて6から10mm/秒の範囲の運動粘度を有する第1のフィッシャー・トロプシュ由来基油;および
(iii)少なくとも5重量%の、100℃にて15から30mm−1の範囲の運動粘度を有する第2のフィッシャー・トロプシュ由来基油、ブライトストック、脱アスファルトシリンダー油(DACO)、ポリイソブチレンおよびこの混合物から選択される増粘剤;
を含む潤滑組成物であって、潤滑組成剤が少なくとも20mg KOH/gのTBNおよび100℃にて少なくとも9mm/秒の運動粘度を有する、潤滑組成物。
【請求項2】
増粘剤が100℃にて18から22mm/秒の範囲の運動粘度を有するフィッシャー・トロプシュ由来基油である、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項3】
増粘剤が100℃にて24から27mm/秒の範囲の運動粘度を有するフィッシャー・トロプシュ由来基油である、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項4】
第1のフィッシャー・トロプシュ由来基油が7から9mm/秒の運動粘度を有する、請求項1から3のいずれかに記載の潤滑組成物。
【請求項5】
第1のフィッシャー・トロプシュ由来基油が組成物の少なくとも30重量%のレベルで存在する、請求項1から4のいずれかに記載の潤滑組成物。
【請求項6】
第1のフィッシャー・トロプシュ由来基油が組成物の少なくとも35重量%のレベルで存在する、請求項1から5のいずれかに記載の潤滑組成物。
【請求項7】
増粘剤が組成物の重量で少なくとも20%のレベルで存在する、請求項1から6のいずれかに記載の潤滑組成物。
【請求項8】
増粘剤が組成物の重量で少なくとも30%のレベルで存在する、請求項1から7のいずれかに記載の潤滑組成物。
【請求項9】
増粘剤が組成物の重量で少なくとも35%のレベルで存在する、請求項1から8のいずれかに記載の潤滑組成物。
【請求項10】
潤滑組成物が少なくとも30mg KOH/gの、好ましくは少なくとも40mg KOH/gのTBNを有する、請求項1から9のいずれかに記載の潤滑組成物。
【請求項11】
潤滑剤−燃料適合性試験方法において60:40以上の潤滑剤:燃料重量比にて、50mlを超える油相を提供する潤滑組成物。
【請求項12】
中速4ストロークエンジンのための請求項1から11のいずれかに記載の潤滑組成物の使用。
【請求項13】
エンジンが船舶用エンジンである、請求項12に記載の潤滑組成物の使用。
【請求項14】
潤滑剤−燃料適合性を改善するための、潤滑組成物での、100℃にて6mm/秒から10mm/秒の範囲の運動粘度を有するフィッシャー・トロプシュ由来基油の使用。

【公表番号】特表2012−511608(P2012−511608A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540112(P2011−540112)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066875
【国際公開番号】WO2010/066860
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】