説明

濃縮シャンプー

27から70重量%の洗浄用界面活性剤と、コンディショニングゲル相と、短鎖ジオールと油とを含み、コンディショニングゲル相が、(a)脂肪材料と、(b)炭素数16から30のアルキル基を含むゲルネットワーク形成アニオン性界面活性剤と、(c)カチオン性界面活性剤とを含み、コンディショニングゲルネットワークが総電荷をもたないかまたはアニオン性である濃縮シャンプー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は濃縮シャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術にもかかわらす、毛髪にコンディショニング効果を与える改良された濃縮シャンプー組成物は依然として要望されている。
【発明の概要】
【0003】
これに応じて本発明は、請求項1に記載の濃縮シャンプー組成物を提供する。
【0004】
われわれは意外にも、組成物の粘度を有意に低下させることなく油を追加的に組成物に混入でき同時にコンディショニング効果を提供するように濃縮シャンプー中に短鎖ジオールを高レベルで分散させ得ることを知見した。予想された消費者の拒絶を全く生じることなく、すなわち、毛髪の清浄度を低下させることなく、コンディショニング効果が達成される。
【0005】
好ましくは短鎖ジオールが、3から7個の炭素原子、より好ましくは3または4個の炭素原子を有している。
【0006】
より好ましくは短鎖ジオールが、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールおよびそれらの混合物から選択される。特に好ましくは短鎖ジオールが、1,3−ブチレングリコールおよび1,2−プロピレングリコールから選択される。
【0007】
最も好ましい実施態様においては短鎖ジオールが、1,2−プロピレングリコールである。
【0008】
好ましくは油が低粘度油であり、ブルックフィールド粘度計でスピンドルRV5を使用し20rpm、30℃で測定したときに1から500cPsの粘度を有している。
【0009】
好ましくは油の10から100重量%が、ASTM D−445に従って30℃で測定したときに0.01から600cPsの粘度を有している。
【0010】
好ましくは油が、組成物の0.05から10重量%、特に0.2から5重量%、とりわけ0.5から3重量%で存在する。
【0011】
適切な油は、炭化水素油、エステル油、ポリオレフィン油およびトリグリセリド油から選択される。最も好ましくは油が軽質鉱物油である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
アニオン性界面活性剤
シャンプーは洗浄用界面活性剤を含む。好ましくは洗浄用界面活性剤がアニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤は8から14個の炭素、より好ましくは10から12個、最も好ましくは12個の炭素を有している。より好ましくはこれらの炭素が単アルキル基に存在している。
【0013】
好ましい界面活性剤は、アルカリ金属アルキルスルフェート、より好ましくはアルキルエーテルスルフェートを含む。特に好ましいアニオン性洗浄用界面活性剤はラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む。
【0014】
洗浄相は組成物の27から70重量%、好ましくは35から50重量%の洗浄用界面活性剤を含む。
【0015】
好ましくは組成物が27から70重量%のアニオン性界面活性剤を含む。より好ましくは組成物が30から50重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0016】
コンディショニングゲル相
コンディショニングゲルネットワークは、
(a)脂肪材料と、
(b)炭素数16から30のアルキル基を含むゲルネットワーク形成アニオン性界面活性剤と、
(c)カチオン性界面活性剤と、
を含み、コンディショニングゲルネットワークは総電荷をもたないかまたはアニオン性である。
【0017】
カチオン性界面活性剤は、脂肪材料/アニオン性界面活性剤ゲルネットワークの結束を強化し、非カチオン性の洗浄相をさらに含む組成物から得られるコンディショニング効果の向上に導く。洗浄相中のアニオン性界面活性剤とコンディショニングゲル中のアニオン性界面活性剤との炭素鎖長の違いがコンディショニングゲルネットワークの安定性を有意に改善し、シャンプー組成物中でその集結性を維持する。
【0018】
好ましくは、ゲルネットワーク中のアニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤が4個以内、好ましくは2個の炭素を有しており、極めて好ましくは同数の炭素を有している。より好ましくは、これらの界面活性剤は4個以内、より好ましくは2個以内の単アルキル基を含んでおり、極めて好ましくは同じ長さである。これはゲルネットワークの安定性の維持を助ける。
【0019】
好ましくはゲルネットワークのカチオン性界面活性剤中の炭素が単アルキル基に存在する。より好ましくはゲルネットワークカチオン性界面活性剤が16から30個の炭素を有している。
【0020】
油は、シャンプーに加える前のコンディショニングゲル相に分散させてもよく、または後で添加してもよい。
【0021】
ゲルネットワークのカチオン性界面活性剤
好ましくは、コンディショニングゲルネットワークが14から30個の炭素を有しているカチオン性界面活性剤を含む。
【0022】
好ましくはゲルネットワークのカチオン性界面活性剤中の炭素が単アルキル基に存在している。より好ましくは、ゲルネットワークのカチオン性界面活性剤が16から30個の炭素を有している。
【0023】
好ましくはカチオン性界面活性剤が式N(R)(R)(R)(R)を有しており、式中のR、R、RおよびRは独立に(C16からC30の)アルキルまたはベンジルである。
【0024】
好ましくは、R、R、RおよびRの1、2または3つが独立に(C16からC30の)アルキルであり、その他の1つまたは複数のR、R、RおよびR基が(C−C)アルキルまたはベンジルである。
【0025】
場合により、アルキル基は、1つ以上のエステル(−OCO−または−COO−)結合および/またはエーテル(−O−)結合をアルキル鎖の内部に含み得る。アルキル基は場合により、1つ以上のヒドロキシル基で置換され得る。アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、3つ以上の炭素原子を有するアルキル基の場合には環状でもよい。アルキル基は飽和していてもよく、または1つ以上の炭素−炭素二重結合を含有してもよい(たとえば、オレイル)。アルキル基のアルキル鎖は場合により1つ以上のエチレンオキシ基でエトキシル化されている。
【0026】
本発明のコンディショナー組成物に使用するための適切なカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG−2−オレアンモニウムクロリド、および、対応するそれらの水酸化物を含む。また別の適切なカチオン性界面活性剤は、クアテルニウム−5、クアテルニウム−31およびクアテルニウム−18というCTFA名称を有する材料を含む。上記材料のいずれかの混合物も適切であろう。
【0027】
本発明のコンディショナーに使用するための特に有用なカチオン性界面活性剤はたとえば、Hoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。本発明のコンディショナーに使用するための特に有用なもう1つのカチオン性界面活性剤はたとえば、ClariantからGENAMIN KDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0028】
単独でまたは1種以上の他のカチオン性コンディショニング界面活性剤と混合して本発明に使用するための適切なカチオン性界面活性剤の別のクラスの例は、以下の(i)と(ii):
(i)一般式(I):
【0029】
【化1】

[式中、Rは10個以上の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖であり、
およびRは炭素原子数1から10のヒドロカルビル鎖から独立に選択され、
mは1から約10までの整数である]で示されるアミドアミン、および、
(ii)酸、
の組合せである。
【0030】
ここに使用したヒドロカルビル鎖という用語はアルキルまたはアルケニル鎖を意味する。
【0031】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)において、Rが約11から約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、RおよびRがおのおの独立に1から約4個の炭素原子を有しているヒドロカルビル残基、好ましくはアルキル基であり、mが1から約4の整数を表す化合物である。
【0032】
好ましくは、RおよびRがメチルまたはエチル基である。
【0033】
好ましくは、mが2または3であり、すなわち、エチレンまたはプロピレン基である。
【0034】
ここに有用な好ましいアミドアミンは、ステアラミド−プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド−アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、および、それらの混合物を含む。
【0035】
ここに有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびそれらの混合物である。
【0036】
ここに有用な市販のアミドアミンは、Inolex(Philadelphia Pennsylvania,USA)から入手可能な商品名LEXAMINE S−13およびNikko(Tokyo,Japan)から入手可能な商品名AMIDOAMINE MSPのステアラミドプロピルジメチルアミン、Nikkoから入手可能な商品名AMIDOAMINE Sのステアラミドエチルジエチルアミン、Croda(North Humberside,England)から入手可能な商品名INCROMINE BBのベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ならびに、Scher(Clifton New Jersey,USA)から入手可能な商品名SCHERCODINEシリーズの様々なアミドアミンを含む。
【0037】
酸(ii)はヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化する能力を有している有機酸または無機酸のいずれかでよい。ここに有用な適切な酸は、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、および、それらの混合物を含む。好ましくは、酸が、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸およびそれらの混合物から成る群から選択される。
【0038】
酸の主要な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化し、これによってヘアトリートメント組成物中で第三級アミン塩(TAS)を現場形成することである。TASは実際には非永久性第四級アンモニウムまたは擬似第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0039】
適正には、存在する全アミドアミンをプロトン化するために十分な量、すなわち、組成物中に存在するアミドアミンの量に少なくとも等しいモルとなるレベルで酸を含有させる。
【0040】
カチオン性界面活性剤のレベルは、組成物の全重量を基準としてカチオン性界面活性剤の全量が一般には0.01から10重量%、より好ましくは0.02から7.5重量%、最も好ましくは0.05から5重量%となる範囲であろう。
【0041】
ゲルネットワークの脂肪材料
本発明の組成物のコンディショニングゲルネットワークは脂肪材料を含む。
【0042】
好ましくは脂肪材料が、脂肪酸、脂肪アミド、脂肪アルコール、脂肪エステルおよびそれらの混合物から選択される。
【0043】
好ましくは脂肪材料が、14から30個、より好ましくは16から22個の炭素原子を有する脂肪基を含む。適切な脂肪アルコールの例は、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物を含む。適切な脂肪エステルの一例はグリセリルモノステアレートである。
【0044】
本発明の組成物中の脂肪材料のレベルは適正には組成物の0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%である。
【0045】
好ましくは、脂肪材料とゲルネットワークのアニオン性界面活性剤との比が0.1:1から100:1、好ましくは1.2:1から50:1、より好ましくは1.5:1から10:1、最も好ましくはほぼ2:1の範囲である。
【0046】
好ましくは、ゲルネットワークのアニオン性材料と脂肪材料とが炭素数4以内、好ましくは2のアルキル基を含有し、極めて好ましくは同数の炭素を有している。より好ましくは、これらの材料が、4以内、より好ましくは2以内の単アルキル基を含み、極めて好ましくは同一長さである。これがゲルネットワークの安定性の維持を助ける。
【0047】
ゲルネットワークのアニオン性界面活性剤
本発明の組成物のコンディショニングゲル相はゲルネットワーク形成アニオン性界面活性剤を含む。
【0048】
アニオン性界面活性剤は炭素数16から30、好ましくは炭素数16から22のアルキル鎖を含む。
【0049】
好ましくは、ゲルネットワークのアニオン性界面活性剤中の炭素が単アルキル基に存在する。
【0050】
ゲルネットワークは、ゲルネットワークの総電荷をアニオン性にするかまたはゲルネットワークの総電荷をゼロにするためのアニオン性界面活性剤を含む。
【0051】
ゲルネットワークのアニオン性界面活性剤は、組成物の0.1から5重量%、より好ましくは0.5から2.0重量%で存在する。
【0052】
カチオン性付着ポリマー
好ましい実施態様において、本発明の組成物はカチオン性付着ポリマーを含む。
【0053】
適切なカチオン性付着補助ポリマーは、カチオン性に置換されたホモポリマーでもよくまたは2種類以上のモノマーから形成されてもよい。ポリマーの重量平均(M)分子量は一般に100,000から2,000,000ドルトンまでの範囲であろう。ポリマーは、第四級アンモニウムもしくはプロトン化アミノ基またはそれらの混合物のようなカチオン性窒素含有基を有するであろう。ポリマーの分子量が過度に低いとき、コンディショニング効果が十分でない。過度に高いとき、注ぎ出した組成物の糸曳きが生じるような高い伸び粘度という問題がある。
【0054】
カチオン性窒素含有基は一般にカチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部に置換基として存在するであろう。したがって、ポリマーがホモポリマーでないとき、該ポリマーはスペーサーとなる非カチオン性モノマー単位を含有できる。このようなポリマーはCTFA Cosmetic Ingredient Directory,3rd editionに記載されている。カチオン性モノマー単位対非カチオン性モノマー単位の比は、一般的に0.2から3.0meq/gmである所要範囲のカチオン電荷密度を有するポリマーを与えるように選択される。ポリマーのカチオン電荷密度は窒素の化学的定量法として米国薬局方(US Pharmacopoeia)に記載されているケルダール法によって適正に測定される。
【0055】
適切なカチオン性ポリマーはたとえば、カチオン性アミン官能基または第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリルアミド、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリドンのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーを含む。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは好ましくはC1−C7アルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基を有している。他の適切なスペーサーは、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールを含む。
【0056】
カチオン性アミンは、特定の種および組成物のpH次第で第一級、第二級または第三級アミンでよい。一般的に第二級および第三級、特に第三級アミンが好まれる。
【0057】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンはアミン形態に重合でき次いで第四級化によってアンモニウムに変換できる。
【0058】
カチオン性ポリマーはアミン-および/または第四級アンモニウム−置換モノマーに由来のモノマー単位および/または相溶性スペーサーモノマーとの混合物を含むことができる。
【0059】
適切なカチオン性ポリマーはたとえば
−カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、たとえば、業界(CTFA)でそれぞれポリクアテルニウム6およびポリクアテルニウム7と呼ばれているジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーおよびアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー、
−3から5個の炭素原子を有している不飽和カルボン酸のホモ−およびコ−ポリマーのアミノ−アルキルエステルの無機酸塩(たとえば、米国特許4,009,256に記載)、
−カチオン性ポリアクリルアミド(たとえば、WO95/22311に記載)、
を含む。
【0060】
使用できる他のカチオン性ポリマーは、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体のようなカチオン性多糖ポリマーを含む。
【0061】
本発明の組成物に使用するための適切なカチオン性多糖ポリマーは、式:
【0062】
【化2】

のモノマーを含み、式中の、Aは無水グルコース残基、たとえばデンプンまたはセルロースの無水グルコース残基である。Rはアルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン基またはそれらの組合せである。R、RおよびRは独立に、おのおのが約18個までの炭素原子を含有するアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコシアルキルまたはアルコキシアリール基を表す。各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R、RおよびRに存在する炭素原子の総和)は好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0063】
別の種類のカチオン性セルロースは、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの高分子量第四級アンモニウム塩を含む。これは業界(CTFA)でポリクアテルニウム24と呼ばれている。これらの材料はAmerchol Corporationからたとえば商品名Polymer LM−200として入手可能である。
【0064】
他の適切なカチオン性多糖ポリマーは、第四級窒素含有セルロースエーテル(たとえば米国特許3,962,418に記載)およびエーテル化セルロースとデンプンとのコポリマー(たとえば米国特許3,958,581に記載)を含む。
【0065】
使用できる特に適切な種類のカチオン性多糖ポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(RhodiaからJAGUAR商標シリーズで市販)のようなカチオン性グアーガム誘導体である。このような材料の例はJAGUAR C13S、JAGUAR C14、JAGUAR C15およびJAGUAR C17である。
【0066】
上記のカチオン性ポリマーのいずれかの混合物を使用してもよい。
【0067】
カチオン性ポリマーは、組成物の全重量を基準としてカチオン性ポリマーの全量が一般には0.01から5重量%、好ましくは0.05から2重量%、より好ましくは0.07から1.2重量%となるレベルで本発明のシャンプー組成物中に存在するであろう。
【0068】
好ましくは本発明の毛髪手入れ組成物は水性である、すなわち、水または水溶液またはリオトロピック液晶相を主要成分として有している。
【0069】
好適には組成物が組成物の全重量を基準として10から98重量%、好ましくは30から95重量%の水を含むであろう。
【0070】
シリコーン
本発明の組成物は好ましくはシリコーンを含む。
【0071】
特に好ましいシリコーンコンディショニング剤はシリコーンエマルジョン、たとえば、ポリジオルガノシロキサン、特にジメチコーンというCTFA名称を有しているポリジメチルシロキサン、ジメチコノールというCTFA名称を有しているヒドロキシル末端基をもつポリジメチルシロキサン、および、アモジメチコーンというCTFA名称を有しているアミノ官能性ポリジメチルシロキサンのようなシリコーンから形成されたシリコーンエマルジョンである。
【0072】
エマルジョン液滴は本発明の組成物中で典型的には0.01から20マイクロメーター、より好ましくは0.2から10マイクロメーターの範囲のSauter平均液滴直径(D3,2)を有している。
【0073】
Sauter平均液滴直径(D3,2)の適切な測定方法はMalvern Mastersizerのような計器を使用するレーザー光散乱による測定である。
【0074】
本発明の組成物に使用するための適切なシリコーンエマルジョンはDow CorningおよびGE Siliconesのようなシリコーン供給業者から入手できる。このような既製シリコーンエマルジョンの使用は加工が容易でありかつシリコーン粒度を管理できるという理由で好ましい。このような既製のシリコーンエマルジョンは典型的にはアニオン性もしくは非イオン性の乳化剤またはそれらの混合物のような適切な乳化剤をさらに含み、乳化重合のような化学的乳化プロセスまたは高剪断ミキサーを使用する機械的乳化によって調製し得る。0.15マイクロメーター未満のSauter平均液滴直径(D3,2)を有している既製シリコーンエマルジョンは一般にマイクロエマルジョンと呼ばれている。
【0075】
適切な既製シリコーンエマルジョンの例は、すべてDow Corningから入手可能なエマルジョンDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788、ならびに、マイクロエマルジョンDC2−1865およびDC2−1870を含む。DC7051は好ましいシリコーンである。これらはいずれもジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。DC2−8177およびDC939(Dow Corning製)ならびにSME253(GE Silicones製)のようなアモジメチコーンエマルジョンも好適である。
【0076】
また、たとえばWO03/094874に記載されているような、ある種の高分子量界面活性ブロックコポリマーがシリコーンエマルジョン液滴にブレンドされているシリコーンエマルジョンも好適である。このような材料においては、シリコーンエマルジョン液滴が上述のようなポリジオルガノシロキサンから形成されるのが好ましい。界面活性ブロックコポリマーの好ましい1つの形態は次式:
【0077】
【化3】

によって表され、式中の、xの平均値は4以上であり、yの平均値は25以上である。
【0078】
界面活性ブロックコポリマーの別の好ましい形態は次式:
【0079】
【化4】

によって表され、式中のaの平均値は2以上であり、bの平均値は6以上である。
【0080】
上述のシリコーンエマルジョンのいずれかの混合物も使用し得る。
【0081】
上述のシリコーンエマルジョンは、組成物の全重量を基準としてシリコーン全量が一般には0.05から15重量%、好ましくは0.5から12重量%となるレベルで本発明の組成物に存在するであろう。
【0082】
シリコーンは好ましくは0.5から15重量%、より好ましくは1から12重量%で存在する。
【0083】
場合により、本発明の組成物はさらに、性能および/または消費者の満足度を向上させるために以下に記載のような追加成分を含有し得る。
【0084】
組成物は、組成物に美的特性、物理的特性または洗浄特性を付与するのを助ける界面活性助剤を含むことができる。
【0085】
界面活性助剤の一例は、非イオン性界面活性剤であり、これは組成物の全重量を基準として0.5から10重量%、好ましくは0.7から6重量%の範囲の量で含有させ得る。
【0086】
たとえば、本発明のシャンプー組成物に含有させ得る代表的な非イオン性界面活性剤は、脂肪族(C−C18)第一級または第二級の直鎖状または分枝状アルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド、通常はエチレンオキシドとの縮合生成物を含み、一般に6から30個のエチレンオキシド基を有している。
【0087】
別の代表的な非イオン性界面活性剤は、モノ−またはジ−アルカノールアミドを含む。それらの例は、ココモノ−またはジ−エタノールアミド、および、ココモノ−イソプロパノールアミドを含む。特に好ましい非イオン性界面活性剤はココモノ−エタノールアミドである。
【0088】
シャンプー組成物に含有させることができるまた別の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)類である。典型的にはAPGは、1つ以上のグリコシル基のブロックに(場合により架橋基を介して)連結されたアルキル基を含むものである。好ましいAPGは次式:
RO−(G)n
によって定義され、式中のRは飽和または不飽和の分枝状または直鎖状アルキル基であり、Gは糖基である。
【0089】
Rは、約Cから約C20の平均アルキル鎖長を表し得る。好ましくはRが約Cから約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくはRの値が約9.5から約10.5の範囲に存在する。GはCまたはCの単糖残基から選択することができ、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびそれらの誘導体を含む群から選択され得る。好ましくはGがグルコースである。
【0090】
重合度nは、約1から約10またはそれ以上の値を有し得る。好ましくはnの値が約1.1から約2の範囲に存在する。最も好ましくはnの値が約1.3から約1.5の範囲に存在する。
【0091】
本発明に使用するための適切なアルキルポリグリコシドは市販されており、たとえば、Seppic社のOramix NS10、Henkel社のPlantaren 1200およびPlantalen 2000などという名称をもつ材料を含む。
【0092】
本発明の組成物に含有させることができるその他の糖由来非イオン性界面活性剤は、たとえばWO 9206154およびUS 5194639に記載されているC10−C18N−メチルグルカミドのようなC10−C18のN−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、ならびに、C10−C18のN−(3−メトキシプロピル)グルカミドのようなN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドを含む。
【0093】
界面活性助剤の好ましい一例は両性または双イオン性界面活性剤であり、これらは組成物の全重量を基準として0.5から約10重量%、好ましくは1から6重量%の範囲の量で含有させることができる。
【0094】
両性または双イオン性界面活性剤の例は、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートを含み、それらのアルキルおよびアシル基は8から19個の炭素原子を有している。本発明のシャンプーに使用するための典型的な両性および双イオン性界面活性剤は、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびココアンホ酢酸ナトリウムを含む。
【0095】
特に好ましい両性または双イオン性界面活性剤はコカミドプロピルベタインである。
【0096】
上記の両性または双イオン性界面活性剤のいずれかの混合物も適切であろう。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインとそれとは別の上記の両性または双イオン性界面活性剤との混合物である。好ましい別の両性または双イオン性界面活性剤はココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0097】
好ましくは、本発明の水性シャンプー組成物がさらに懸濁化剤を含む。適切な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリルエステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶質長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、エチレングリコールステアレート、16から22個の炭素原子を有している脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択されるのが望ましい。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を与えるので好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸はCarbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能剤で架橋されたアクリル酸のポリマーも使用し得る。それらはCarbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマーの好適な一例はCarbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標)材料はGoodrichから入手可能である。
【0098】
アクリル酸とアクリレートエステルとの適切な架橋ポリマーはPemulen TR1またはPemulen TR2である、適切なヘテロ多糖ガムはキサンタンガム、たとえばKelzan muとして入手できるものである。
【0099】
上記の懸濁化剤のいずれかの混合物も使用し得る。架橋アクリル酸ポリマーと結晶質長鎖アシル誘導体との混合物が好ましい。
【0100】
懸濁化剤は、組成物の全重量を基準として懸濁化剤の全量が一般には0.1から10重量%、好ましくは0.5から6重量%、より好ましくは0.9から4重量%となるレベルでシャンプー組成物中に存在するであろう。
【0101】
本発明の組成物は性能および/または消費者の満足度を向上させるための他の成分を含有し得る。このような成分は、芳香料、染料および顔料、pH調整剤、真珠光沢剤または乳白剤、粘度調整剤、ならびに、保存剤もしくは抗菌薬を含む。これらの成分のおのおのはその目的を果たすために有効な量で存在するであろう。一般的にこれらの任意成分はおのおのが全組成物の5重量%までのレベルで含有される。
【0102】
本発明を以下の非限定実施例によってさらに詳細に説明する。実施例に引用したすべてのパーセンテージは異なる指示がない限り全重量を基準とする。
【実施例1】
【0103】
【表1】


【0104】
【表2】

【0105】
手順
水の少なくとも8%の量をサイドポットで約80℃に加熱した。これに、カチオン性界面活性剤(ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド)、脂肪アルコール、第二のアニオン性界面活性剤(セチルステアリル硫酸ナトリウム)を、高速撹拌を使用しながら添加した。均一な分散液が得られたとき、この混合物を同じ速度で撹拌しながら約45℃に冷却した。次にこの混合物を、デュアルホモジナイザーディスクとスクレーパとを備えた高速分散ミキサー内の濃縮した第一界面活性剤(ラウレト硫酸ナトリウム)に添加した。成分を真空下、高剪断を伴って混練した。次に同じ条件下で残りの成分を添加した。シリコーンオイルの添加後に油を添加した。プロピレングリコールは残りの水を添加する前に添加した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
27から70重量%の洗浄用界面活性剤と、コンディショニングゲル相と、短鎖ジオールと油とを含み、コンディショニングゲル相が、
(a)脂肪材料と、
(b)炭素数16から30のアルキル基を含むゲルネットワーク形成アニオン性界面活性剤と、
(c)カチオン性界面活性剤と、
を含み、コンディショニングゲルネットワークが総電荷をもたないかまたはアニオン性である濃縮シャンプー組成物。
【請求項2】
27から70重量%のアニオン性界面活性剤を含む請求項1または2に記載の濃縮シャンプー。
【請求項3】
コンディショニングゲル相の脂肪材料が、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アミドおよび脂肪エステルから選択される請求項1または2に記載の濃縮シャンプー。
【請求項4】
油が、炭化水素油、エステル油、ポリオレフィン油およびトリグリセリド油から選択される請求項1から3のいずれか一項に記載の濃縮シャンプー。
【請求項5】
短鎖ジオールがプロピレングリコールである請求項1から4のいずれか一項に記載の濃縮シャンプー。

【公表番号】特表2012−530745(P2012−530745A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516601(P2012−516601)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056335
【国際公開番号】WO2010/149425
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】