説明

濃縮素子、及び、それを用いた化学分析装置

【課題】外部に別に設置する濃縮素子を用いることなく、システム内で液体試料の濃縮が可能な濃縮素子、及び、この濃縮素子を具備する化学分析装置を提供する。
【解決手段】基体上に形成された流路と、前記流路の側面の少なくとも一部に接して設置される溶媒分離層と、前記溶媒分離層を介して設置される溶媒保持層とを備えた濃縮素子;並びに、液体試料を用いて、化学分析を行う化学分析装置であって、前記濃縮素子と濃縮素子に前記液体試料を導入する導入手段とを備えた化学分析装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料を濃縮する濃縮素子、及び濃縮素子を用いた化学分析装置に関する。本発明は特に、チップ上で化学分析や化学合成を行う微小化学分析システム(μTAS:Micro Total Analysis System)に好適に応用できる。
【背景技術】
【0002】
近年、μTASの研究が盛んになっている。μTASとはMicro Total Analysis Systemの略称でポンプ、バルブ、センサなどを、ガラスやプラスチックのような基体上に小型化、集積化した微小化学分析システムである。
【0003】
このμTASの利点として、サンプル量や消費電力の低減、反応時間の短縮、装置の小型化やディスポーザブル化、安価、前処理を含めた測定の自動化などが挙げられる。
【0004】
そして、このμTASは、特に、医療や環境測定の分野においてその利点を発揮できると考えられており、例えば、安価な使い捨てタイプのバイオセンサへの応用等に期待が高まっている。
【0005】
しかし、このμTASが実用化されている分野はまだ多くはない。よって、その応用範囲を広げるためにも、さらなる分析精度の向上、分析時間の短縮化が望まれている。
【0006】
化学分析における分析精度、分析時間には、液体試料中の分析対象成分(以下分析成分)の濃度が大きく影響する。
【0007】
例えば、液体試料中の分析成分の濃度が非常に低い場合、物理的、化学的変化が現れる、もしくは定常化するまでに時間を要してしまう。また、現れた変化量も少なく、検知が困難となってしまう。
【0008】
このような場合は、試料を分析するための前処理として、試料を一定濃度まで濃縮する必要が生じる。
【0009】
一般的な濃縮方法としては、イオン交換反応を用いて分析成分の分離精製を行う方法、有機溶媒により分析成分を抽出する方法、遠心力を利用して溶媒を分離する方法、溶媒を蒸発させることで分離する方法等、様々な方法が用いられている。
【0010】
これらの方法は、大掛かりな装置や操作が必要である。従って、装置の小型化を至上命題とするμTASで化学分析を行う場合には、システム外部で別途これらの濃縮処理を行う必要があった。
【0011】
ところが、システム外部でこれらの濃縮処理を行うと、手間が煩雑である、前処理も含めた全体の分析時間が増大する、分析コストが余計にかかるといった問題が生じる。
【0012】
さらには、濃縮処理後の試料をμTASに導入する際に、ハンドリング等に起因する誤差や、不純物混入による汚染が生じ、分析精度に影響を及ぼす可能性があった。
【0013】
このような背景において、特開2004-053371号公報では、外部に別に設置した濃縮装置を用いることなく、液体試料を濃縮することを目的として、液体試料を発熱体素子により加熱して溶媒を蒸発させることにより濃縮する化学分析方法が開示されている。
【0014】
また、特開2005-31041号公報では、一つの基体上に液中の成分を分離して吸着する濃縮部と、液中の成分を溶媒抽出する抽出部を有することを特徴とするマイクロリアクターが開示されている。
【特許文献1】特開2004-053371号公報
【特許文献2】特開2005-31041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、小型、低価格、低消費電力というμTASの利点をさらに活用するためには、さらに簡便、安価な濃縮方法が望まれる。
【0016】
また、上記特開2004-053371号公報の方法では、試料を加熱して濃縮するため、試料の耐熱性が低い場合、試料が変性してしまう可能性がある。例えば、バイオセンサに用いる生体物質の耐熱性は比較的低い場合が多く、この変性が問題となる場合があった。
【0017】
また、上記特開2005-31041号公報の方法は、濃縮部において目的の成分を吸着させ、その後目的とする成分を溶離液に溶解し濃縮液を得るという方法である。
【0018】
よって、吸着、溶解という二つの処理が必要であることから、時間を要する、手間が煩雑であるといった問題が残っていた。
【0019】
さらには、吸着処理において吸着しきれない成分、溶解処理において溶解しきれない成分が発生し、事実上使用できない成分が多く存在してしまう可能性もあった。
【0020】
本発明は、上記問題点を鑑みなされたもので、μTASのシステム内で試料の濃縮が可能であり、簡便な濃縮素子、及び、化学分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明は、液体試料を濃縮する濃縮素子であって、基体上に形成された流路と、前記流路の側面の少なくとも一部に接して設置される溶媒分離層と、前記溶媒分離層を介して設置される溶媒保持層とを備えることを特徴とする。
【0022】
尚、前記溶媒分離層は多孔質材料からなることが好ましく、前記溶媒保持層には溶媒を吸収する材料を備えることが好ましい。
【0023】
そして、前記流路が、液体試料を導入する導入口を備え、前記導入口の断面積が流路の断面積より小さいという構成や、前記流路が、液体試料を導入する導入口と液体試料を排出する排出口を備え、前記排出口の断面積が、前記導入口の断面積より小さいという構成や、前記流路が、圧損部を備えているという構成であることがさらに望ましい。
【0024】
また本発明は、液体試料を用いて、化学分析を行う化学分析装置であって、前記濃縮素子と、前記濃縮素子に前記液体試料を導入する導入手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
さらには、液体試料中の物質の有無、もしくは量が検出される検出部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、μTASのシステム内で液体試料の濃縮が可能であり、簡便な濃縮素子、及び、化学分析装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明にかかる濃縮素子は、液体試料を濃縮する濃縮素子であって、基体上に形成された流路と、前記流路の側面の少なくとも一部に接して設置される溶媒分離層と、前記溶媒分離層を介して設置される溶媒保持層とを備えることを特徴とする。液体試料を流路に導入すると、その液体の圧力により、液体試料に含まれる溶媒は溶媒分離層を選択的に通過し、溶媒保持層に保持される。よって、溶媒が液体試料から選択的に取り除かれ、結果的に液体試料を濃縮することが可能となる。
【0028】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0029】
(基体)
本発明にかかる濃縮素子はμTASに好適に用いられるものである。よって、基体も、一般的にμTASに用いられる基体を用いることが可能である。
【0030】
例示すると、ガラス等無機材料、樹脂等有機材料、シリコン等半導体材料、金属材料等が挙げられ、後述の流路を形成することが可能であり、かつ、液体試料に対して耐性を有すればこれに限るものではない。
【0031】
また、基体自体が後に説明する溶媒分離層や溶媒保持層を兼ねていても構わない。
【0032】
(流路)
図1は本発明に係る濃縮素子に備えられる流路の形状の例を模式的に示した図である。
【0033】
本発明における流路(3)とは、液体試料(1)が導入される空間を意味し、少なくとも液体試料を導入する導入口(2)を有する。
【0034】
さらに、液体試料(1)を排出する排出口(4)を備えていても構わない(図1(a))。そして、本発明における濃縮素子に備えられる流路(3)には、液体試料(1)を導入もしくは排出するために接続流路(5)が、導入口(2)、排出口(4)を介してさらに接続されてもよい。
【0035】
尚、図1(b)のように導入口(2)の断面積を、流路(3)の断面積より小さくしてもよい。このような構成にすると、液体試料(1)が濃縮素子内に滞留する時間が長くなり、濃縮効果をあげることが可能である。
【0036】
また、図1(c)のように導入口(2)の断面積より排出口(4)の断面積を小さくしてもよい。濃縮素子内を液体試料が流れると、溶媒が除去されることにより、液量が減少する。そのため流速が減少する。よって、流速の変化を低減したい場合、この図1(c)のような構成は有効である。
【0037】
さらには、流路(3)に圧損部(6)を設けてもよい。圧損部が液体試料(1)の流れに対して抵抗障害となることで、濃縮効果を上げることが可能である。
【0038】
尚、前記圧損部(6)は図1(d)のように、絞りとなるような構造物を設置することで設けてもよいし、流路内壁面の、液体試料(1)との親和性(例えば、液体試料が水溶液の場合は、親水性)を下げた領域(例えば撥水性の領域)を設ける等別の方法を用いてもよく、試料の流れに対して抵抗障害となる領域を設ければよい。
【0039】
尚、これらの形状は、平面方向の形状のみに限るものではなく、深さ方向(流路に対して、縦方向)で構成されていても構わない。また、導入口(2)や、排出口(4)、接続流路(5)の位置も、平面方向の位置構成に限るものではない。
【0040】
例えば、図1(b)における接続流路(5)が濃縮素子の流路(3)に対して縦方向に形成され、接続されても構わない。
【0041】
流路の幅は、いわゆるμTASで用いられている流体制御技術を考慮して、およそ1μm〜数mm、より好ましくは、1μmから数100μmの寸法から適宜選び、構成することができる。
【0042】
そして、このような微細な流路を用いることで、導入される溶液の体積に対して表面積を多くとることが可能となる。よって、体積に対して、溶媒分離層と接する面積の割合が大きくなり、濃縮効果を高めることが可能となる。
【0043】
これらの流路は基体上に形成される。図2は形成される流路断面の例を模式的に示す図である。流路(3)は図2(a)のように基体(10)上に形成されてもよいが、図2(b)のように、溝部(14)を有する第一の基体(11)と蓋部となる第二の基体(12)を重ねあわせることで形成してもよく、このような方法は製法上簡便であり好適である。
【0044】
前記溝部(14)は図3(a)のように基体(13)をエッチングや切削加工等処理により部分的に除去することで形成してもよく、また、図3(b)のように基体(15)上に別部材(16)を設置し、隙間を利用して形成してもよい。また、基体(13,15)や別部材(16)が後に説明する溶媒分離層や溶媒保持層を兼ねることも可能である。
【0045】
(溶媒分離層)
溶媒分離層は前記流路の側面の少なくとも一部に接して設置される。本発明における溶媒分離層とは、液体試料から、溶媒を分離する機能を有する層を意味する。つまり、分析成分が膜を透過する速度と、溶媒が膜を透過する速度が大きく異なり、結果的に、液体試料から溶媒を主に通過させる層を意味する。
【0046】
よって、溶媒分離層は、選択的に溶媒を通過させる機能を有していることが望ましいが、通過する溶媒に分析成分が含まれていても、液体試料と比較して、分析成分に対する溶媒の量の比が高ければ、本発明の効果を得ることができる。尚、溶媒には、分析成分以外の他の成分が含まれ、同時に分離されても構わない。
【0047】
前記分離には、分析成分の性質とそれ以外の成分の性質との差を利用する。
【0048】
例えば、分析成分分子と溶媒分子の大きさに差が有る場合、分離層に多孔質材料を用いることで、分離が可能となる。多孔質材料の孔径を、溶媒分子は通過可能であるが、分析成分は通過しにくい大きさに設定すれば、主に溶媒がこの分離層を通過することになる。
【0049】
この多孔質材料にはセルロース系膜、ポリアミド系膜といった、いわゆる半透膜として使用される材料が好適に用いられる。このような半透膜は、様々な物質に対して、その分子量に対応した分離能を有するものが数多く市販されており、本発明に好適に用いられる。
【0050】
また、メソポーラスシリカ、ポーラスシリコン、多孔質セラミックといった無機材料や相分離等を利用して形成される有機多孔質材料も使用可能である。
【0051】
さらに、本発明における多孔質材料とは、いわゆる細孔を有する材料のみならず、微粒子や繊維、中空糸等を束ねて細孔を形成した材料も含み、材料内の微細空間を利用して、溶媒を分離可能であれば、いかなるものも使用可能である。
【0052】
また、分離層を溶媒に対して親和性の高い性質にすれば、より溶媒が浸透、通過する効率が上がり、分離効率を高めることが可能である。
【0053】
例えば、溶媒が水である場合、溶媒分離層の表面を親水性とすることが好ましい。この親水性溶媒分離層は、親水性材料からなる多孔質材料を用いることや、多孔質材料に表面処理を行うことで形成可能となる。例えば、多孔質材料が無機材料である場合、シランカップリング剤等による表面処理(親水化)が有効となる。
【0054】
尚、本発明において、液体試料は、流路に導入され、溶媒分離層に圧力を有して接触する。この液体試料の圧力を利用することで、前記溶媒分離層を利用した分離をより効果的に行うことが可能となる。よって、本発明における流路の側面が意味するところは、流路内の壁面であり、上面、下面、横面等全て含むものである。
【0055】
(溶媒保持層)
溶媒保持層は、前記溶媒分離層を介して設置される。本発明における溶媒保持層とは、溶媒分離層によって液体試料から分離された溶媒を保持する機能を有する層を意味する。
【0056】
よって、溶媒を保持する空間を形成すれば溶媒保持層とすることが可能であるが、溶媒吸収能が高い材料を備えていることがより好ましい。例えば、溶媒が水である場合は、吸水性ポリマー、吸水性ゲル、多孔質材料、不織布等を溶媒吸収能が高い材料として用いることが可能である。
【0057】
これらの材料は、溶媒保持層の少なくとも一部に備えられていれば効果を得ることができるが、溶媒分離層に接し、溶媒分離層を通過した溶媒を直接吸収する構成であることがより望ましい。
【0058】
溶媒保持層には、溶媒導入効率を上げるために、溶媒保持層内部に存在する空気を逃がす空気孔が存在していることが望ましい。そして、さらに効率を上げるために溶媒保持層を減圧状態にする手段を設けてもよい。
【0059】
また、溶媒保持層の一部が溶媒分離層であっても構わず、一つの部材が両方の層を兼ねても構わない。
【0060】
例えば、水や、分析成分の分子量以下の成分を選択的に吸収する吸水ゲルを用いれば、液体試料から溶媒を分離する機能と分離された溶媒を保持する機能の両方を兼ねることが可能である。よって、吸水ゲル層が溶媒分離層と溶媒保持層を兼ねることになる。
【0061】
(流路、溶媒分離層、溶媒保持層の配置)
本発明による濃縮素子は、流路と溶媒分離層と溶媒保持層を備え、溶媒分離層は、流路の側面の少なくとも一部に接して設置され、溶媒保持層は前記溶媒分離層を介して設置される。
【0062】
以下、これらの配置について図を用いて詳細に説明する。
【0063】
図4、図5、図6は流路(3)、溶媒分離層(23,33)、溶媒保持層(24,34)の配置例を示した断面模式図である。
【0064】
図4は、第一の基体(21)上に溶媒保持層(24)を設け、この溶媒保持層を部分的に除去して溝部(14)を形成し、前記溝部表面に溶媒分離層(23)を設けた例である。
【0065】
溝部(14)に溶媒分離層となる材料をコーティングして溶媒分離層(23)を形成する、もしくは、溝部に溶媒分離層となる材料を充填し、形成された溶媒分離層(23)の一部を除去する。その後、第二の基体(22)を重ね合わせることで、流路(3)を形成することが可能となる。
【0066】
強度が比較的高く、加工性(除去性)に優れている溶媒吸収材を充填し、溶媒保持層(24)とする場合等に有効な配置である。
【0067】
図5は、図4と同様に第一の基体(21)上に溶媒保持層(24)を設け、この溶媒保持層を部分的に除去して溝部(14)を形成する、もしくは、第一の基体上(21)に溶媒保持層を別部材(16)として設置し、隙間を溝部(14)として形成した例を示す模式図である。
【0068】
溶媒分離層(23)は、溶媒分離層となる材料のコーティングや、充填後除去といった操作により該溝部表面に設けられる。
【0069】
図6は、第一の基体(31)上に溶媒保持層(34)を設け、その他の部材(16)により流路(3)を形成した例を示す模式図である。
【0070】
図6(a)は、第一の基体(31)上に溶媒保持層(34)、溶媒分離層(33)を設置し、さらに、溝部(14)を設けた第二の基体(32)を重ねあわせることで流路(3)を形成することが可能となる。
【0071】
図6(b)は、溶媒保持層(34)と溶媒分離層(33)を備えた第一の基体(31)と第二の基体(32)の間に別部材(16)を挟んで重ねあわせることで流路(3)を形成することが可能となる。
【0072】
図6(c)はさらに、第一の基体(31)、第二の基体(32)両方に溶媒保持層(34)、溶媒分離層(33)を設置し、別部材(16)を挟んで重ね合わせることで、流路(3)を形成した例である。
【0073】
これらの配置は、溶媒保持層(34)や溶媒分離層(33)に対して微細加工を行う必要が少なく、製法上簡便な配置である。また、流路内下面に溶媒分離層、溶媒保持層が配置されていることで、流路内に液体試料を導入し、濃縮を行う際、溶媒の分離効率を上げることが可能となる。
【0074】
尚、図4、図5、図6に模式的に示した構成を組み合わせて使用してもよい。また、これらの構成は例であり、本発明の効果を得ることが可能な構成であれば、これらに限定されるものではない。
【0075】
(化学分析装置)
本発明に係る化学分析装置は、液体試料を用いて、化学分析を行う化学分析装置であって、前記濃縮素子と、前記濃縮素子に前記液体試料を導入する手段とを備える。液体試料は、液体試料を導入する手段により、濃縮素子に導入され濃縮される。
【0076】
本発明に係る化学分析装置は、いわゆるμTAS、ラボ・オン・チップ、マイクロリアクターと呼ばれる、チップ上に集積化・小型化した化学装置を主に指す。よって、分析のみならず、化学反応を行うための装置も含む。
【0077】
前記濃縮素子は、前述のように簡便な構成であり、基体上に容易に形成可能である。よって、本発明にかかる化学分析装置に好適である。
【0078】
図7、図8は本発明に係る分析装置の例を示す概略図である。
【0079】
図7の化学分析装置には、基体(10)上に液体試料注入槽(40)、送液流路(41)、開閉弁(42,51)、ポンプ(43,52)、接続流路(44)、濃縮素子(50)、検出部(53)、液体試料排出槽(54)が備えられている。
【0080】
例えば、液体試料は、液体試料注入槽(40)から導入され、送液流路(41)、接続流路(44)を通り、濃縮素子(50)に導入される。本発明においては、前述のように、基体上に濃縮素子を形成し、液体試料導入手段として接続流路を形成することで、液体試料の導入、濃縮が可能となる。
【0081】
さらには、ポンプや開閉弁等流体制御素子が備えられていることが望ましい。液体試料の流速を変化させることで、圧力や濃縮素子内での液体の滞留時間を制御することができ、濃縮率を変えることも可能である。また、開閉弁2(51)を閉じ、濃縮素子内に圧力をかけることで、濃縮効果を高めることも可能である。
【0082】
また、これら濃縮素子や導入手段は、基体上に複数形成されていてもよい。一種類の液体試料に対して複数の濃縮素子を利用して、濃縮効果を高めることも可能である。また、複数の液体試料に対して複数の濃縮素子を形成し、それぞれに対して濃縮を行ってもよい。
【0083】
尚、複数の濃縮素子を形成する場合、それぞれに別々に、溶媒流路、溶媒分離層、溶媒保持層を形成してもよいが、溶媒保持層においては、複数の濃縮素子に対してひとつの溶媒保持層が兼ねる構成でも構わない。
【0084】
本発明に係る化学分析装置は、さらには、基体上に検出部が備えられることが望ましい。濃縮された液体試料は検出部に導入され、分析が可能となる。
【0085】
検出部では、分析成分が存在することによる化学的、もしくは物理的変化が検出される。例えば、電流、電圧、光量、質量、熱量等の変化を検出することで、分析が可能となる。
【0086】
これらの変化を検出する検出手段は、基体上に備えられていてもよいが、外部に備えられていてもよい。例えば、電気的変化を検出する電極等は基体上に備えられていることが望ましいが、光学的変化を検出する受光手段等は基体上に備えられていなくてもよい。
【0087】
また、これらの変化は、濃縮された分析成分が検出部において、なんらかの化学反応を起こし、発生するものでもよい。
【0088】
例えば、あらかじめ、検出部に備えられた他の物質と分析成分が反応したことによる変化や、検出部に他の物質が導入され、分析成分と反応した結果、発生する変化を検出してもよい。また、反応部に光、熱等が付与され、分析成分が反応を起こした結果、変化が発生してもよい。
【0089】
尚、濃縮素子が検出部を兼ねていても構わない。例えば、図8のような構成の化学分析装置を用い、濃縮素子に液体試料を導入し、溶媒の除去を行いつつ、同時に検出を行うことも可能である。
【0090】
尚、本発明に係る化学分析装置は、いわゆるバイオセンサとして好適に用いることが可能である。
【0091】
バイオセンサは、生体や生体分子の持つ優れた分子認識能を活用した計測デバイスである。そのため、検出部には、優れた分子認識能を有する物質(捕捉体成分)が備えられていることが望ましい。
【0092】
この捕捉体成分を検出部に固定化し、捕捉体成分が分析成分を認識し、捕捉した際に発生する化学的、物理的な変化を検出することにより、本発明による化学分析装置をバイオセンサとして用いることが可能となる。
【0093】
捕捉体成分は、液体試料中の分析成分の選択に係わる物質であればよく、例えば、液体試料中の分析成分と選択的に直接反応する物質(いわゆるレセプター)、分析成分の反応に係わる物質(例えば、分析成分の反応に選択的に触媒作用をもたらす物質)、液体試料中の分析成分以外の物質を不活性化する物質等である。
【0094】
また、この捕捉体成分は、検出の有無や程度の表示に係わる機能、例えば、レセプターが放出する物質や残余の物質と反応し発色する機能等を兼ねるものであってもよい。本発明に使用される捕捉体成分には、酵素、糖鎖、触媒、抗体、抗原、遺伝子、呈色試薬、などが挙げられるがこれに限る物ではない。
【実施例】
【0095】
以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、材料、組成条件、反応条件等、本発明で目的とする機能を有する濃縮素子及び化学分析装置が得られる範囲で自由に変えることが可能である。
【0096】
以下、実施例1、2、3、4に濃縮素子を作製し、たんぱく質水溶液を濃縮する例、実施例5に化学分析装置を作製し、分析を行う例を示す。
【0097】
(実施例1)
本実施例は、図9のような形状の流路(3)を有する濃縮素子を作製し、濃縮処理を行う例である。図9(a)はAA'線平面図(基体上部から見た図)、図9(b)はBB'線縦断面図を示す。
【0098】
本実施例のように非常に簡便な構造の濃縮素子においても、濃縮効果を得ることが可能である。
【0099】
図10は本実施例の濃縮素子の作製工程を示す工程図である。
【0100】
まず、シリコン基板を用意し、第一の基体(31)とする(図10(a))。
【0101】
次に、前記第一の基体上に溶媒保持層(34)を形成する。本実施例では、吸水性材料としてポリオレフィン系親水性多孔質焼結成形体サンファイン(旭化成社製)を用い、第一の基体(31)に貼りあわせる(図10(b))。
【0102】
次に、溶媒分離層(33)として、セルロース系半透膜を溶媒保持層(34)の上に設置する(図10(c))。
【0103】
さらに、第二の基体(32)として、溝部(14)を有する樹脂基板を用意し、圧着させることで流路(3)を形成する(図10(d))。
【0104】
そして、液漏れを防ぎ、素子の強度を高めるために、周囲を樹脂材で封止する。但し、導入口(2)と排出口(4)は封止されないようにし、さらに、空気孔となるように溶媒保持層(34)の一部を開放部として残す。
【0105】
導入口(2)と排出口(4)には図示しない接続流路を形成し、さらに、シリコンチューブを接続して、接続部分は液漏れがないよう樹脂材で封止する。導入口(2)側のシリコンチューブはディスポーザブルシリンジに接続し、シリンジポンプを用いることで流量制御を可能とする。
【0106】
以上の操作を経る事で、図9のような濃縮素子を作製することができる。尚、本実施例における濃縮素子の流路は幅300μm、高さ50μmである。
【0107】
次に、この濃縮素子を用いて、液体試料を濃縮する例について説明する。
【0108】
まず、10μmol/L 抗BSA抗体のPBS溶液を用意する (PBSバッファー:0.1mol/L NaCl,10mmol/L リン酸ナトリウム(pH 7.4)) 。
【0109】
この溶液を、シリンジを用いて、接続流路、導入口から濃縮素子に導入する。本実施例のように、微細流路の一面を溶媒分離層とすることにより、液体試料の体積に対して、溶媒分離層と接する面積の割合が大きくなり、濃縮効果を高めることが可能となる。
【0110】
また、シリンジポンプを用いて、液体試料の流速を変化させることで、圧力や濃縮素子内での液体の滞留時間を制御することができ、これらの制御によって、濃縮率を変えることも可能である。
【0111】
尚、排出口から排出された溶液に対して、吸光度測定行い、抗BSA抗体の濃度を求めることで、濃縮率を求めることができる。本実施例においては、2倍以上の濃縮率を得ることが可能である。
【0112】
(実施例2)
本実施例は、図11のような形状の流路(3)を有する濃縮素子を作製し、濃縮処理を行った例である。
【0113】
図11(a)はAA'線平面図(基体上部から見た図)、図11(b)はBB'線縦断面図を示す。本実施例は、流路(3)が導入口(2)を備え、導入口(2)の断面積が流路(3)の断面積より小さい濃縮素子の一例である。
【0114】
作製方法について記述する。
【0115】
まず、シリコン基板を用意し、第一の基体(31)とする。次に、前記第一の基体上に溶媒保持層(34)を形成する。次に、溶媒分離層(33)として、セルロース系半透膜を溶媒保持層(34)の上に設置する。以上の操作は実施例1と同様の操作である。
【0116】
さらに、第二の基体(32)として、溝部を有する樹脂基板を用意し、圧着させることで流路(3)を形成する。但し、本実施例における第二の基体(32)は、流路(3)となる溝部のほかに、導入口(2)、排出口(4)、接続流路(5)となる空間がさらに形成されている。
【0117】
そして、液漏れを防ぎ、素子の強度を高めるために、周囲を樹脂材で封止する。但し、導入口(2)と排出口(4)は封止されないようにし、さらに、空気孔となるように溶媒保持層(34)の一部を開放部として残す。
【0118】
接続流路(5)には、さらに、シリコンチューブが接続され、接続部分は液漏れがないよう樹脂材で封止する。導入口側のシリコンチューブはディスポーザブルシリンジに接続し、シリンジポンプを用いることで流量制御が可能となるようにする。
【0119】
以上の操作を経る事で、図11のような濃縮素子を作製することができる。尚、本実施例における濃縮素子の流路は幅500μm、高さ100μmであり、導入口の内径は70μmである。
【0120】
次に、この濃縮素子を用いて、液体試料を濃縮する例について説明する。
【0121】
実施例1と同様に、抗BSA抗体のPBS溶液を濃縮素子に導入する。本発明においては、濃縮素子流路(3)の断面積が、導入口(2)の断面積より大きく、導入された溶液が濃縮素子内に滞留する時間を長く取ることが可能である。
【0122】
よって、例えば、濃縮素子(50)が他の素子と同一基体(10)上に形成され、一定の流速で液体試料(1)を流し、順次複数の素子において異なる操作を行う場合、濃縮素子(50)における滞留時間を長く取り、濃縮効果を高めることが可能となる。
【0123】
尚、排出口から排出された溶液に対して、吸光度測定行い、抗BSA抗体の濃度を求めることで、濃縮率を求めることができる。本実施例においては、3倍以上の濃縮率を得ることが可能である。
【0124】
(実施例3)
本実施例は、図12のような形状の流路(3)を有する濃縮素子を作製し、濃縮処理を行った例である。
【0125】
図12(a)はAA'線平面図(基体上部から見た図)、図12(b)はBB'線縦断面図を示す。本実施例は、流路(3)が導入口(2)と排出口(4)を備え、排出口(4)の断面積が導入口(2)の断面積より小さい濃縮素子の一例である。
【0126】
作製方法について記述する。
【0127】
まず、シリコン基板を用意し、第一の基体(31)とする。次に、前記第一の基体上に溶媒保持層(34)を形成する。次に、溶媒分離層(33)として、セルロース系半透膜を溶媒保持層(34)の上に設置する。以上の操作は実施例1と同様の操作である。
【0128】
さらに、第二の基体(32)として、溝部を有する樹脂基板を用意し、圧着させることで流路(3)を形成する。但し、本実施例における第二の基体は、流路(3)となる溝部の形状を、排出口(4)の断面積が、導入口(2)の断面積より小さくなるように形成されている。
【0129】
そして、液漏れを防ぎ、濃縮素子の強度を高めるために、濃縮素子の周囲を樹脂材で封止する。但し、導入口(2)と排出口(4)は封止されないようにし、さらに、空気孔となるように溶媒保持層(34)の一部を開放部として残す。
【0130】
導入口(2)と排出口(4)には図示しない接続流路が形成され、さらに、シリコンチューブを接続し、接続部分は液漏れがないよう樹脂材で封止する。導入口(2)側のシリコンチューブはディスポーザブルシリンジに接続し、シリンジポンプを用いることで流量制御が可能となるようにする。
【0131】
以上の操作を経る事で、図12のような濃縮素子を作製することができる。尚、本実施例における濃縮素子の流路は導入口(2)においては幅300μm、排出口においては幅100μm、高さ50μmである。
【0132】
次に、この濃縮素子を用いて、液体試料を濃縮する例について説明する。
【0133】
実施例1と同様に、抗BSA抗体のPBS溶液を濃縮素子に導入する。本発明においては、流路の導入口(2)の断面積より排出口(4)の断面積を小さい。よって、濃縮素子内で溶媒が除去され、液量が減少しても、流速の変化を低減することが可能である。
【0134】
尚、排出口(4)から排出された溶液に対して、吸光度測定行い、抗BSA抗体の濃度を求めることで、濃縮率を求めることができる。本実施例においては、3倍以上の濃縮率を得ることが可能である。
【0135】
(実施例4)
本実施例は、図13のような形状の流路(3)を有する濃縮素子を作製し、濃縮処理を行った例である。
【0136】
図13(a)はAA'線平面図(基体上部から見た図)、図13(b)はBB'線縦断面図を示す。本実施例は、流路(3)が圧損部(6)として絞りを備えている濃縮素子の一例である。
【0137】
作製方法について記述する。
【0138】
まず、シリコン基板を用意し、第一の基体(31)とする。次に、前記第一の基体上に溶媒保持層(34)を形成する。次に、溶媒分離層(33)として、セルロース系半透膜を溶媒保持層(34)の上に設置する。以上の操作は実施例1と同様の操作である。
【0139】
さらに、第二の基体(32)として、溝部を有する樹脂基板を用意し、圧着させることで流路(3)を形成する。但し、本実施例における第二の基体は、流路(3)となる溝部に、絞りとなる突起を設けて形成されている。
【0140】
そして、液漏れを防ぎ、濃縮素子の強度を高めるために、濃縮素子の周囲を樹脂材で封止する。但し、導入口(2)と排出口(4)は封止されないようにし、さらに、空気孔となるように溶媒保持層(34)の一部を開放部として残す。
【0141】
導入口(2)と排出口(4)には図示しない接続流路が形成され、さらに、シリコンチューブを接続し、接続部分は液漏れがないよう樹脂材で封止する。導入口側のシリコンチューブはディスポーザブルシリンジに接続し、シリンジポンプを用いることで流量制御が可能となるようにする。
【0142】
以上の操作を経る事で、図13のような濃縮素子を作製することができる。尚、本実施例における濃縮素子の流路は幅400μm、高さ50μmであり、絞りの設置により、幅が70μmに狭められている。
【0143】
次に、この濃縮素子を用いて、液体試料を濃縮する例について説明する。
【0144】
実施例1と同様に、抗BSA抗体のPBS溶液を濃縮素子に導入する。本発明においては、流路(3)に絞りが設けられているため、絞りが液体の流れに対して抵抗障害となり、濃縮効果を上げることが可能となる。
【0145】
尚、排出口から排出された溶液に対して、吸光度測定行い、抗BSA抗体の濃度を求めることで、濃縮率を求めることができる。本実施例においては、4倍以上の濃縮率を得ることが可能である。
【0146】
(実施例5)
本実施例は、図7で示した構成の化学分析装置を作製し、たんぱく質水溶液を濃縮し、たんぱく質を検出する例である。
【0147】
基体(10)にはガラス基板を使用し、濃縮素子(50)の作製方法は実施例4に準ずる。検出部(53)には、捕捉体成分としてBSA分子があらかじめ固定されている。この固定化処理は、検出部にアミノ化処理を行ったあとに、BSA分子を付与することでできる。
【0148】
具体的には、検出部(53)となるガラス基板上にアミノプロピルトリメトキシシラン(アルドリッチ社製))のエタノール溶液を滴下、静置した後に、エタノールで洗浄、乾燥する。この処理で、検出部にはアミノ基が導入される。
【0149】
さらに、前記検出部に100μmol/LのBSA水溶液を滴下し、乾燥固定した後、5%スキムミルク溶液に1時間浸漬して室温で乾燥させる。以上の処理により、検出部にBSA分子が固定される。
【0150】
尚、検出部(53)以外へのBSA分子の固定化をより防ぎたい場合は、検出部以外の領域をマスキングして、上記処理を行ってもよい。
【0151】
尚、これに対して、比較例として濃縮素子を備えない化学分析装置を同時に作製する。
【0152】
次に、この化学分析装置、及び、比較例として作製する化学分析装置を用いて、たんぱく質の検出を行う例について説明する。
【0153】
まず、本実施例に係る化学分析装置に100μmol/LのCy3標識した抗BSA抗体PBS溶液を導入する。その後、PBSバッファー導入し、洗浄する。蛍光顕微鏡で検出部を観察し、蛍光を観察することで、抗BSA抗体の存在を検出することができる。
【0154】
本実施例に係る化学分析装置を用いることで、比較例に対して、強い蛍光を観察することが可能となる。さらには、観察に十分な強度の蛍光を観察するまでの時間も短くすることができる。
【0155】
以上のように、本発明により、短時間、かつ、高感度で分析成分を検出することが可能と成る。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明に係る濃縮素子に備えられる流路の形状の例を示す模式図である。
【図2】本発明による流路断面の例を示す模式図である。
【図3】溝部の形成方法の例を示す模式図である。
【図4】流路、溶媒分離層、溶媒保持層の配置例を示した断面模式図である。
【図5】流路、溶媒分離層、溶媒保持層の配置例を示した断面模式図である。
【図6】流路、溶媒分離層、溶媒保持層の配置例を示した断面模式図である。
【図7】本発明による化学分析装置の構成例を示す概略図である。
【図8】本発明による化学分析装置の構成例を示す概略図である。
【図9】実施例1に係る濃縮素子を示す模式図である。
【図10】実施例1に係る濃縮素子の作製工程を示す工程図である。
【図11】実施例2に係る濃縮素子を示す模式図である。
【図12】実施例3に係る濃縮素子を示す模式図である。
【図13】実施例4に係る濃縮素子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0157】
1:液体試料
2:導入口
3:流路
4:排出口
10:基体
21, 31:第一の基体
22, 32:第二の基体
23, 33:溶媒分離層
24, 34:溶媒保持層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料を濃縮する濃縮素子であって、
基体上に形成された流路と、
前記流路の側面の少なくとも一部に接して設置される溶媒分離層と
前記溶媒分離層を介して設置される溶媒保持層とを
備えることを特徴とする濃縮素子。
【請求項2】
前記溶媒分離層が多孔質材料からなることを特徴とする請求項1に記載の濃縮素子。
【請求項3】
前記溶媒保持層に溶媒を吸収する材料を備えることを特徴とする請求項1ないし2に記載の濃縮素子。
【請求項4】
前記流路が、液体試料を導入する導入口を備え、前記導入口の断面積が流路の断面積より小さいことを特徴する請求項1乃至3のいずれかに記載の濃縮素子。
【請求項5】
前記流路が、液体試料を導入する導入口と液体試料を排出する排出口を備え、前記排出口の断面積が、前記導入口の断面積より小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の濃縮素子。
【請求項6】
前記流路が、圧損部を備えていることを特徴する請求項1乃至5のいずれかに記載の濃縮素子。
【請求項7】
液体試料を用いて化学分析を行う化学分析装置であって、
基体上に形成された流路と、前記流路の側面の少なくとも一部に接して設置される溶媒分離層と前記溶媒分離層を介して設置される溶媒保持層とを備える濃縮素子と、
前記濃縮素子に前記液体試料を導入する導入手段とを
備えることを特徴とする化学分析装置。
【請求項8】
液体試料中の物質の有無、もしくは量が検出される検出部を備えることを特徴とする請求項7に記載の化学分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−155398(P2007−155398A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348186(P2005−348186)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】