説明

濃縮装置

【課題】蒸発量を効率的に増加させて安定した濃縮を実現する濃縮装置を提供する。
【解決手段】原液を貯留する原液タンクと、前記原液を減圧蒸留で濃縮する液体濃縮器と、前記液体濃縮器に前記原液を送る輸送手段と、前記液体濃縮器により前記原液が濃縮された濃縮液を貯留する濃縮液タンクと前記濃縮液タンクに前記濃縮液を送る輸送手段および、前記液体濃縮器内の前記原液を減圧蒸留により蒸発させた蒸気を冷却し、前記蒸気を再び液体に戻す凝集部と、凝集部に冷却水を送る冷却水装置と、前記蒸留液を貯留する蒸留液タンクと前記液体濃縮器と前記凝集部と前記蒸留液タンク内を減圧とする真空ポンプと、前記液体濃縮器内で発生した蒸気を移動させる蒸気移動手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体を減圧蒸留により濃縮する濃縮装置に係り、効率的に蒸発を行い濃縮液量を増加させる機能を持つ濃縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液体濃縮方法の一例が、特許文献1に開示されている。この公報に記載の減圧蒸発濃縮装置は、原液を入れ減圧蒸留をする液体濃縮器1には、内周側に上下方向に延びる多数の溝が形成された溝付き管18と、この溝付き管とほぼ同心であって溝付き管の外周面側に配置された外管10と、溝付き管の内周側のほぼ中心部に配置され溝付き管内部に供給された処理対象液体の揮発成分を外部に導く部材とを有し溝付き管と外管との間に溝付き管内部とは隔離した空間を形成しこの空間に温水を供給する手段と、前記溝付き管の内周側の処理空間を減圧する減圧排気手段と付設されている。
【0003】
更に、前記温水供給手段に溝付き管に供給する温水の温度を測定する手段83と、前記液体濃縮器に溝付き管の内部の圧力を計測する手段86と、処理対象液体の濃縮成分が流通する部材およびその部材に介在させた流量調整弁96とがそれぞれ設けられている。濃縮は、減圧蒸留方式を用い、温水により加温し、温度と圧力を適切に設定し沸騰しない条件で濃縮を行うこととされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−289984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体を濃縮するにあたり、濃縮液量が減量する原因である濃縮原液の蒸留液への飛散を起こさずに濃縮液量を増量化させることが要求されている。濃縮原液が蒸留液に飛散する原因は、濃縮原液を沸騰させることにある。沸騰による飛散は液内部から発生した蒸気が液表面ではじけることで起こる。このため上記特許文献1では、沸騰させない条件で減圧蒸留させることで、蒸留液への飛散を防止している。そして残りの濃縮液量の増量化としては、被処理液の蒸気を多量に発生させるために、温水にて加温された液体濃縮器に多数設けられた溝に原液を供給することで、液体濃縮器内の原液が蒸発する液表面積を多くして、蒸発量を増量化できるとしている。しかしながら、この従来方法では、蒸発表面積を増加させている分の蒸発量は多くできるが、液の表面付近に蒸気が多量に存在するため蒸発し難く、蒸発量が限定される。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、液体の濃縮装置において、蒸発量を効率的に増加させて安定した濃縮を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明では、原液を減圧蒸留で濃縮する液体濃縮器を備えた濃縮装置において、
原液を貯留する原液タンクと、前記液体濃縮器に前記原液を送る輸送手段と、前記液体濃縮器により前記原液が濃縮された濃縮液を貯留する濃縮液タンクと前記濃縮液タンクに前記濃縮液を送る輸送手段および、前記液体濃縮器内の前記原液を減圧蒸留により蒸発させた蒸気を冷却し、前記蒸気を再び液体に戻す凝集部と、凝集部に冷却水を送る冷却水装置と、前記蒸留液を貯留する蒸留液タンクと前記液体濃縮器と前記凝集部と前記蒸留液タンク内を減圧とする真空ポンプと、前記液体濃縮器内で発生した蒸気を移動させる蒸気移動手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、上記に記載の濃縮装置において、前記蒸気移動手段は前記液体濃縮器内に設けられた送風機からなることを特徴とする。
【0009】
また、上記に記載の濃縮装置において、前記蒸気移動手段は気体供給装置及び前記液体濃縮器へ接続する配管から構成されたことを特徴とする。
【0010】
また、上記に記載の濃縮装置において、前記蒸気移動手段は前記液体濃縮器内の上方に発生する蒸気を交差する横方向に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、濃縮器内部の液体から発生した蒸気を移動させる手段を設けることにより、蒸気が発生しやすくなり、効率的に濃縮を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1になる濃縮装置を示す図である。
【図2】本発明の実施例2になる濃縮装置を示す図である。
【図3】本発明の実施例3になる濃縮装置を示す図である。
【図4】本発明の実施例の液体濃縮器を拡大して示す図である。
【図5】本発明の実施例の気体流量と蒸発量の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
図1、図4を用いて本発明の実施例1を説明する。図1において、原液タンク11には濃縮される原液Aが溜められている。この原液タンク11の濃縮原液Aは、原液ポンプ21の上流へ供給できるように配管52により接続されている。原液ポンプ21の下流側には順番に配管53、バルブ37、配管54、流量計35、配管55が接続され、配管55が液体濃縮器1へ繋がれている。液体濃縮器1へ接続された配管55は、液体濃縮器1内部の濃縮原液Aを温めるための水を流す加熱部73を通り抜け、濃縮原液Aを濃縮する濃縮部72に接続されている。濃縮部72にはもうひとつの配管58が接続されており、濃縮後の濃縮液を排出できるように構成されている。その後配管58は濃縮液ポンプ22、配管59を介し、濃縮液タンク12へ供給できるように構成されている。液体濃縮器1内部の加熱部73と濃縮部72は仕切られて液が漏れない構造となっている。
【0014】
図4に示すように、液体濃縮器1の蒸留部71は濃縮原液Aからの蒸気が滞在できる構造となっており、蒸発部71には蒸気移動手段としての送風機5とそのファン5aが取り付けられている。蒸発部71の内部のファン5aは、蒸発面より上方に発生する蒸気を交差する横方向に移動させるように、液体濃縮器1に接続された配管44を通じて凝集部3へ効率的に送れるような位置に配置されている。上記配管44は、圧力計33と配管45を介し、液体濃縮器1と凝集部3を接続している。凝集部3では上記配管44から送られた濃縮原液Aの蒸気を冷却し、凝集させるために蒸気が直接触れる部分を冷却させる必要がある。このため、冷却は冷却装置4で製作された冷却水で行い、この冷却水は凝集部3内では濃縮原液Aの蒸気とは直接触れないよう構成されている。この冷却水は冷却装置4から配管46を介し、凝集部3に送られ、配管47を介し冷却装置4に戻るように構成されている。
【0015】
濃縮原液Aの蒸気が凝集部3により凝集した液は、凝集部3に接続された配管48を介し、蒸留液タンク13に送られる。蒸留液タンク13に送られた濃縮原液Aの蒸気が凝集した液は蒸留液タンク13に貯留され、蒸留液タンク13に配置された配管49よりバルブ38、配管50を介し、真空ポンプ23に接続されており、真空ポンプ23の排出側には配管51が接続されている。
【0016】
次に、図1に示す濃縮装置の運転について説明する。まず、加熱準備運転について説明する。温水装置2より予め設定した温水を配管56を介し、液体濃縮器1の加熱部73に供給する。加熱部73は密閉されており、温水装置2からの温水は配管57からのみ排出される構造となっている。加熱部73に供給した温水は、熱が加熱部73および液体濃縮器1全体に奪われ、水温が低くなった状態で配管57から温水装置2に戻される。温水装置2では低下した温度を設定値まで上昇させて、その後また再度液体濃縮器1の加温部73に送られるという循環を繰り返す。
【0017】
次に、原液の予備供給について説明する。原液タンク11に濃縮原液Aを投入し、原液タンク11より配管52を介し、原液ポンプ21の駆動により順番に配管52、バルブ37、配管54、流量計35、配管55を通過させ、液体濃縮器1の濃縮部72に供給する。このとき供給量は予め設定した流量となるように、流量計35の値よりバルブ37を調整して行う。濃縮部72に供給された濃縮原液Aは予め設定した液量となったら原液ポンプ21を停止し、バルブ37を閉じる。
【0018】
次に、予備圧力設定について説明する。バルブ38を開き、真空ポンプ23を稼動させる。稼動後に加熱準備運転で過熱した温度では沸騰しない予め設定した圧力となるように圧力計33の値によりバルブ38を調整して行く。このように沸騰しない温度とすると液の蒸発は液面上からの蒸発のみとなり、沸騰した場合に起こる液内部よりの蒸気発生がなくなる。これにより蒸気が液面で破裂し、破裂した液の一部が、蒸気と共に凝集部3に移り、蒸留液に混じるということが起こらなくなる。液体濃縮器1の蒸発部71と濃縮部72には仕切りがなく、つながった空間で構成されている。このため予め設定した圧力とすると、濃縮部72に供給された濃縮原液Aの液面より蒸発のみが起こる。
【0019】
次に、凝集部準備、原液供給と濃縮液排出及び送風機の稼動について説明する。冷却装置4の運転は、予め設定した水温、冷却水流量となるように冷却装置4で調整し、配管46より凝集部3へ供給する。供給された冷却水は配管47を通り、冷却装置4へ戻される。このようにして冷却水により凝集部3が冷却され、凝集部準備が完了する。
【0020】
次に、予め設定した濃縮原液Aの流量と流量計35の値が同じになるようにバルブ37にて調整し、液体濃縮器1の濃縮部72に供給する。濃縮部72に濃縮原液Aが供給されたと同時に、濃縮ポンプ22を濃縮原液Aが濃縮部72に供給された流量から濃縮部72内部で濃縮原液Aが蒸発する量を引いた流量となるように設定された濃縮液ポンプ22を稼動し、原液供給と濃縮液排出を行う。この状態となったら送風機5を予め設定した風量で稼動する。この状態で濃縮運転が開始となる。
【0021】
蒸発部71で発生する蒸気量は同一の液温度、同一の圧力下では、濃縮部72の濃縮原液Aの液面上に滞在する蒸気の圧力に依存し、蒸気圧が高いほど蒸発量は少ない。このため、濃縮原液Aの液面上で蒸気が発生すると液面上の蒸気圧が局部的に上昇し、発生する蒸気量が減少する。そして、発生した蒸気を除くと蒸気圧が下がり蒸気が発生しやすくなる。この蒸気を取り除く方法として、蒸気を移動させる蒸気移動手段として送風機5を用いて、送風により液面上の蒸気を効率的に移動させることで、同一の液温度、同一の圧力下で最大限の蒸発量を得ることができる。
【0022】
濃縮部72に残った濃縮原液Aは蒸発した分だけ液量が減少し、濃縮液となり、濃縮液として濃縮液タンク12へ回収される。このようにして、濃縮処理運転が連続で行われる。
【0023】
以上のようにすることで減圧蒸留を用い、沸騰しない条件で最大限の蒸発量を得ることができ、連続で蒸留液を得ることができる。また、今回は沸騰しない条件の説明であるが、沸騰により蒸留液側に原液が飛散しない程度であれば沸騰条件であっても運転は可能で蒸発量を更に増加させることができる。
【0024】
また、上記は手動で行った場合を示したが、制御部を設け、流量計、圧力計からの信号を取り入れ、ポンプ、バルブに信号を与えることにより自動で運転することが可能である。
(実施例2)
図2を用いて本発明の実施例2を説明する。先の実施例1では、送風機5の送風を用いて発生した蒸気を凝集部3に移動させていたが、図2の本実施例2では、蒸気を移動させる手段を外部から気体を供給し、その流れにより蒸気を凝集部3へ移動させている。その構成としては、液体濃縮器1内の蒸留部71の液面付近に気体供給装置6からの気体を供給できる配管43を設け、順番に配管43、流量計34、配管42、バルブ36、配管41を介し、気体供給部6まで接続している。本実施例では、上記の配管43から気体供給部6までの接続構成を蒸気移動手段としている。
【0025】
運転方法は、液体濃縮器1内の液面より蒸発した蒸気が気体供給部6より予め設定した流量となるように、流量計34の値よりバルブ36を調整する。こうすることで気体供給部6より送られた気体により、上方に発生する蒸気を交差する横方向に移動させることで凝集部3へ移動させ、液面からの蒸気を効率よく取り除き、蒸発を促進することができる。
【0026】
ここで気体供給装置6から供給される気体は蒸気圧を下げるため乾燥した気体が望ましく、更に濃縮原液Aに影響を与えないことが必要である。具体的には乾燥した窒素ガスや乾燥した空気が望ましいが、濃縮原液Aに影響を与えない気体であれば、乾燥していなく、液体を含んでいる気体を用いても効率は落ちるが蒸気を移動させることは可能である。また、上記は手動で行った場合を示したが、制御部を設け、流量計、圧力計からの信号を取り入れ、ポンプ、バルブに信号を与えることにより自動で運転することが可能である。
【0027】
前述したように、蒸発部71で発生する蒸気量は同一の液温度、同一の圧力下では濃縮部72の濃縮原液Aの液面上に滞在する蒸気の圧力に依存し蒸気圧が高いほど蒸発量は少ない。このため、濃縮原液A液面上で蒸気が発生すると液面上の蒸気圧が局部的に上昇し、発生する蒸気量が減少する。そして、発生した蒸気を除くと蒸気圧が下がり蒸気が発生しやすくなるが、本実施例2では、外部の気体供給部6からの気体で蒸気を取除いているので、2つの効果が得られる。1つは、気体が外部から供給されるため、液面上の蒸気の移動する速度が速くなり、この蒸気の速やかな移動により液面上の空間が常に蒸発し易い条件となり蒸発量が増加する。もう1つは、外から取り込まれた気体の飽和蒸気圧に達するまで液面からの蒸発が継続し、蒸発量が増加することである。
【0028】
この関係を気体流量と蒸発量として図5に示す。図5中の(1)は気体が供給されることにより液面上の蒸気が移動する速度が速くなり、液面上の蒸気が速やかに移動して蒸発量が増加することによる効果を示している。また、図中の(2)の範囲は気体を取り込むことで、蒸気は取り込んだ気体の飽和蒸気圧に達するまで蒸発が継続して蒸発量が増加することを示しており、この間は気体流量に比例して蒸発量も増加する。
【0029】
(1)+(2)の範囲はこの両方の効果がある範囲を示している。図中の(3)は空気流量が増加しても蒸発量はほとんど増加しない範囲を示している。これは蒸発量は圧力と温度により決定され、気体量を増加させても蒸発量が最大となったためにこれ以上増加しないためである。
【0030】
実測によれば、乾燥空気を用いた場合では、蒸発量の0.1〜5倍程度の気体流量とすることで、蒸発量を増加させることが確認された。
(実施例3)
図3に本発明の実施例3の構成を示す。図1の実施例1では、原液ポンプ21を用いて予め設定した流量となるように流量計35の値よりバルブ37を調整しながら原液を供給していたが、図3の本実施例では、原液タンク11の濃縮原液Aを三方バルブ39、配管60を介し、シリンジポンプ24に供給するよう配管62により接続し、三方バルブ39の残りの接続部には配管55を接続し、配管55を液体濃縮器1へ繋ぎ、液体濃縮器1へ接続された配管55は液体濃縮器1内部の濃縮原液Aを温めるための水を流す加熱部73を通り抜け、濃縮原液Aを濃縮する濃縮部72に接続している。そして濃縮部72にはもうひとつの配管58を接続し、濃縮後の濃縮液を排出できるようにし、その後配管58は三方バルブ40、配管61を介し、シリンジポンプ25に供給するように接続し、三方バルブ40の残りの接続部は配管63を繋ぎ、濃縮タンク12に供給するように構成している。
【0031】
そして原液供給は、原液タンク11に濃縮原液Aを投入し、原液タンク11より配管62、三方バルブ39より、配管60を介し、シリンジポンプ24を稼動させ、予め設定した量をシリンジポンプ24で吸引し、そして三方バルブ39を配管60と配管55を通るようにして、その後シリンジポンプ24を稼動させ、予め設定した量を吐出し、配管55より濃縮部72に濃縮原液Aを供給する。また、原液供給を繰り返す連続的な供給では、濃縮原液Aが供給されたと同時に、三方バルブ39を配管62と配管60が繋がるように切替えて、シリンジポンプ24を稼動し、予め設定した流量となるように吸引し、三方バルブ39を配管60と配管55が繋がるように切替えて、予め設定した流量となるようにシリンジポンプ24を吐出し、濃縮原液Aを濃縮部72へ供給する。
【0032】
このように図3では、シリンジポンプを用いているために微少な液量を一定供給することができるために、微少流量制御が可能である。このため、蒸発量が少ない場合や濃度を高くしたい場合の制御が図1よりも効果的に行える。
【0033】
また、上記各実施例は液表面からの蒸発であるために、濃縮原液Aの成分として固形分が含まれる場合は、液表面から蒸気が発生し見かけ上の固形分濃度が高くなることがあり、このため見かけ上の濃度が高くなると、蒸発量が減少し、予め設定した蒸発量が得られなくなることがある。このようなときは、濃縮部72内の濃縮原液Aの液表面と底部の液とを混合し、液表面の固形分濃度を低くすることで、予め設定した濃度とすることができる。
【0034】
この実現の一例として図3を用いることができる。すなわち、濃縮中にシリンジポンプ24とシリンジポンプ25とで濃縮部72内の濃縮原液Aを交互に吸引し合するものであり、これにより濃縮部72内の濃縮原液Aはシリンジ内に移動するため、この流れにより液表面の固形分と底部の液は混合され、液濃度が均一になる。これを定期的に行うことで、安定した運転が行え、予め設定した蒸発量を得ることができる。
【0035】
また、上記は手動で行った場合を示したが、制御部を設け、圧力計からの信号を取り入れ、シリンジポンプ、バルブに信号を与えることにより自動で運転することが可能である。
【0036】
濃縮は食品、化粧品、薬品などの分野で多く使われている技術である。原液が混じらない蒸留液と濃縮液に分離でき、更に単位時間当たりの処理量が多い濃縮装置が製品化されれば、時間当たりの生産量を増加できるために産業上利用される可能性は高い。
【符号の説明】
【0037】
1…液体濃縮器、2…温水装置、3…凝集部、4…冷却水装置、5、5a…送風機(蒸気移動手段)、6…気体供給装置(蒸気移動手段)、11…原液タンク、12…濃縮液タンク、13…蒸留液タンク、21…原液ポンプ、22…濃縮液ポンプ、23…真空ポンプ、24…シリンジポンプ、33…圧力計、34、35…流量計、36、37、38…バルブ、39、40…三方バルブ、41〜42…配管、52〜55…輸送手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液を減圧蒸留で濃縮する液体濃縮器を備えた濃縮装置において、
原液を貯留する原液タンクと、前記液体濃縮器に前記原液を送る輸送手段と、前記液体濃縮器により前記原液が濃縮された濃縮液を貯留する濃縮液タンクと前記濃縮液タンクに前記濃縮液を送る輸送手段および、前記液体濃縮器内の前記原液を減圧蒸留により蒸発させた蒸気を冷却し、前記蒸気を再び液体に戻す凝集部と、凝集部に冷却水を送る冷却水装置と、前記蒸留液を貯留する蒸留液タンクと前記液体濃縮器と前記凝集部と前記蒸留液タンク内を減圧とする真空ポンプと、前記液体濃縮器内で発生した蒸気を移動させる蒸気移動手段を設けたことを特徴とする濃縮装置。
【請求項2】
請求項1記載の濃縮装置において、前記蒸気移動手段は前記液体濃縮器内に設けられた送風機からなることを特徴とする濃縮装置。
【請求項3】
請求項1記載の濃縮装置において、前記蒸気移動手段は気体供給装置及び前記液体濃縮器へ接続する配管から構成されたことを特徴とする濃縮装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の濃縮装置において、前記蒸気移動手段は前記液体濃縮器内の発生蒸気を横方向に移動させることを特徴とする濃縮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−240227(P2011−240227A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113051(P2010−113051)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】