説明

濾過助剤として好適なポリマーブレンドの製造方法

本発明は、ポリスチレンと架橋型非水溶性ポリビニルピロリドンとから、押出し機を用いて両成分を処理することにより、濾過助剤として使用するのに適したポリマーブレンドを製造する方法に関する。本発明は、押出し機によりポリスチレンを溶融し、次に、ポリビニルピロリドンと混合し、該成分の混合物にポリスチレンとポップコーンポリマーとの全量を基準にして0.1〜10重量%になるように水を添加し、その後、混合物を押し出して細粒化することが特徴である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出し機による成分の処理を介してポリスチレンとポップコーンポリマーとをベースとするポリマーブレンドを製造する改良された方法と、さらには濾過助剤としてのこうした組成物の使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業生産プロセスの重要な工程は、濾過を介する固体物質/液体物質混合物の分離である。濾過助剤という用語は、自由流動性固体、粉末、顆粒、または繊維の形態で濾過プロセスに利用される多くの製品に対して使用される。
【0003】
濾過助剤は、より目の粗いケーク構造を達成するために濾過プロセスの開始前に濾過助剤層の形態でフィルターに適用したり(プレコートフィルター)、または濾過されるスラリーに連続的に添加したりすることが可能である。
【0004】
濾過という用語は、不連続相(被分散物質)と連続相(分散媒)とで構成されたサスペンジョン(スラリー)をポーラスフィルターに通して流動させることを意味するものとする。この場合、固体粒子は、濾過材上に堆積され、清澄な濾過された液体(濾液)は、濾過材から排出される。このプロセス中に加えられる圧力差は、流動抵抗を克服するための外力として作用する。
【0005】
基本的には、濾過手順中にさまざまな固形分分離機構が観察され得る。この場合に使用される主要な方式は、表面濾過またはケーク濾過、層濾過、およびシーブ濾過である。多くの場合、少なくとも2つの手順の併用が見受けられる。
【0006】
表面濾過またはケーク濾過の場合、飲料濾過に対しては種々のタイプのプレコートフィルターが使用される。
【0007】
プレコートフィルター方式ではいずれも、濾過される液体中に含まれる固形分とさらには意図的に添加された固形分(濾過助剤)とがフィルター媒体に保持されて、濾過ケークを形成する。濾過プロセスの過程では、濾過材を貫通するだけでなく、これを貫通する流動も依然として起こる。このタイプの濾過は、プレコート濾過とも呼ばれる。
【0008】
本発明に従って濾過される液体は、飲料、特定的には、フルーツジュースまたはワインやビールのような発酵飲料である。本発明に係る方法により得られる濾過助剤は、特に、ビールの濾過に使用される。しかしながら、濾過助剤は、例えば、茶製品や発泡性ワインを処理するためにまたは一般的に食品や他の消耗品の望ましくない成分を吸着するために使用することも可能である。
【0009】
(特許文献1)には、発泡ポリスチレンをベースとする濾過助剤を用いてプレコート濾過する方法が記載されている。
【0010】
(特許文献2)には、安定化剤や濾過助剤としての高架橋型ポリビニルピロリドンが記載されている。
【0011】
(特許文献3)には、ポリスチレンをベースとする濾過助剤が開示されている。押出し機によりポリスチレンを他の成分の存在下で配合することにより、調製を行うことが可能である。ケイ酸塩、炭酸塩、酸化物などのような多種多様な無機化合物と共に使用し得る他の成分は、架橋型ポリビニルピロリドンのようなポリマーである。
【0012】
しかしながら、こうして得られた生成物は、粉砕中に問題を引き起こす可能性のあることが判明した。例えば、エネルギーコストを増大させた場合のみ粉砕が可能であり、工業規模ではコスト効率が良くない。
【特許文献1】米国特許第4344846号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第351363号明細書
【特許文献3】国際公開第02/32544号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、ポリスチレンをベースとし、架橋型ポリビニルピロリドンをも含み、配合材料のモルフォロジーに何ら悪影響を及ぼすことなく改良された被粉砕性を与える(したがって、濾過作用に重要である)濾過助剤を製造する改良された方法を見出すことであった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、濾過助剤として適しておりかつポリスチレンと架橋型非水溶性ポリビニルピロリドンとで構成されるブレンドを押出し機による成分の処理を介して製造する方法を見出した。この方法は、押出し機によりポリスチレンを溶融することと、次に、それをポリビニルピロリドンと一緒に処理することと、成分の混合物に、ポリスチレンと架橋型ポリビニルピロリドンとの全量を基準にして0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の水を添加することと、混合物を押し出してペレット化することと、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ポリマーブレンドとは、化学的に異なるポリマーの混合物のことである。本発明の場合、ブレンドは、熱可塑性ポリスチレン成分と非熱可塑性非水溶性架橋型ポリビニルピロリドンポップコーンポリマーとで構成される。この場合、物理的方法によりブレンドを破壊して個々の成分を与えることはできない。
【0016】
良く知られたポリスチレングレードのいずれをもポリスチレン成分として使用することが可能であり、例としては、標準的なポリスチレン、スチレンとブタジエンとで構成されるコポリマーのような耐衝撃性変性ポリスチレン(SBグレード)、またはポリブタジエンゴム変性もしくはスチレン−ブタジエンゴム変性のポリスチレンのような高耐衝撃性変性ポリスチレン(HIPSグレード)が挙げられる。これらのポリスチレンは、例えば、PS158k、PS486M、またはスタイロルクス(Styrolux)(登録商標)(BASF)の形態で市販されている。
【0017】
本発明によれば、ブレンドは、ポリスチレン成分と共に第2のポリマー成分として、水を吸収してもゲルを形成することがなく文献中で「ポップコーンポリマー」と呼ばれる非水溶性架橋型ポリビニルピロリドンポリマーを含む(J.W.Breitenbach, Chimia,Vol.21,pp.449−488,1976を参照されたい)。米国薬局方(USP)や欧州薬局方(Ph.Eur.)のような薬局方では、こうしたポリマーは、クロスポビドンと呼ばれる。このタイプのポリマーは、ポーラス構造を有しかつ多くのキャビティーを有する。ポリマーは、水を吸収したときでさえもゲルを形成することはない。20℃の水中におけるこのタイプのポリマーの膨潤体積は、通常は2〜10L/kg、好ましくは4〜8L/kgの範囲内である。
【0018】
ポップコーンポリマーの調製自体は、公知である。ガラス状ポリマーではなくポップコーンポリマーを与えるかどうかは、重合プロセスの実施方法により実質的に決定される。例えば、欧州特許第88964号明細書には、本発明の目的で使用されるポップコーンポリマーを調製するのに好適な方法が記載されている。
【0019】
ポップコーンポリマーは、架橋型ポリマーである。架橋は、物理的または化学的に実施可能である。好適な化学架橋剤は、一般的には、分子が少なくとも2個のエチレン性不飽和非共役二重結合を含む化合物であり、したがって、重合プロセス中に二官能性架橋剤として作用する化合物である。好ましい代表例は、アルキレンビスアクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミドおよびN,N’−アクリロイルエチレンジアミン)、N,N’−ジビニルエチレンウレア、N,N’−ジビニルプロピレンウレア、エチリデンビス−3−(N−ビニルピロリドン)、N,N’−ジビニルイミダゾリル(2,2’)ブタン、および1,1’−ビス(3,3’)ビニルベンゾイミダゾリン−2−オン−1,4−ブタンである。他の好適な架橋剤の例は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート)、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼンおよびジビニルトルエン)、さらにはビニルアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジビニルジオキサン、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、トリアリルアミン、さらには架橋剤の混合物である。
【0020】
特に好ましい架橋剤は、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N’−ジビニルエチレンウレア(DVEH)、およびジビニルベンゼン(DVB)である。
【0021】
架橋剤の使用量は、ポリマーの全量を基準にして、0〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、特に好ましくは0.2〜5重量%である。
【0022】
これらのクロスポビドンは、例えば、ダイバガン(Divergan)(登録商標)グレード(BASF)またはポリプラスドン(Polyplasdone)(登録商標)グレード(ISP)の形態で市販されている。
【0023】
ポップコーンポリマーの粒子サイズは、一般的には15μm〜1500μmである。
【0024】
この場合、濾過助剤が、20〜95重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは60〜75重量%のポリスチレンと、5〜80重量%、好ましくは15〜50重量%、特に好ましくは40〜25重量%の架橋型非水溶性ポリビニルピロリドンとを含むように、量の比率が選択される。
【0025】
原理的には、当業者に公知の従来型押出し機は、本発明に係る方法に好適である。これらは、通常、バレルと、駆動ユニットと、さらには搬送エレメントまたは混練エレメントを備えた1本以上の回転シャフト(スクリュー)で構成される可塑化ユニットと、を含む。
【0026】
スクリューに沿って移送方向に2つ以上のセクションが存在し、本発明に係る方法では供給ゾーンと混合ゾーンと計量ゾーンとが含まれる。脱揮発ゾーンを設けても良く、この場合、大気圧下および/または真空中で脱揮発を行うことが可能である。例えば、スタッフィングスクリューやスチームジェットポンプを用いて、真空脱揮発を行うことが可能である。
【0027】
これらの各セクションは、順次、最小独立ユニットとして1つ以上のバレルセクションを含み得る。
【0028】
濾過助剤は、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、または多軸スクリュー押出機により調製可能であるが、好ましくは、二軸スクリュー押出機により調製される。2本以上のスクリューを噛み合わせてまたは密に噛み合わせて同方向回転または異方向回転させるように設計することが可能である。押出し機の好ましい設計は、同方向回転式かつ密噛合い式である。個々のバレルセクションは、加熱可能であることが望ましい。バレルセクションはまた、冷却できるように、例えば、水により冷却できるように設計されたものであっても良い。
【0029】
押出プロセスで慣用されるエレメントのいずれかでスクリューを構成することが可能である。それらは、従来の搬送エレメントだけでなく、混練ディスクまたは逆搬送エレメントをも含み得る。当業者であれば、単純な試験を用いて、どのスクリュー構成が個々の場合に好適であるかを決定することが可能である。スクリュー長さ対スクリュー直径(LD比)の比は、25:1〜50:1、好ましくは30:1〜40:1であり得る。
【0030】
本発明に従って使用される押出し機は、本質的に、次のセクションに分けられる。すなわち、第1のセクションでは、ポリスチレンが押出し機に導入され溶融される。このセクションのスクリュー形状は、熱可塑性ポリマーの搬送および溶融に用いられる従来の条件に対応する。供給装置を備えたバレルセクションに続いて、ポリスチレンの溶融が行われる1〜2つのバレルセクションが存在する。この領域では、スクリューは、搬送エレメントだけでなく混練ディスクをも有し得る。
【0031】
混合ゾーンとして設計される第2のセクションでは、架橋型ポリビニルピロリドンが、溶融されたポリスチレンに導入される。添加前、溶融されたポリスチレンは、好ましくは、予備脱気または脱揮発に付される。脱揮発/脱気は、0.005〜0.1MPaの圧力で、好ましくは大気圧で行われる。次に、溶融されたポリスチレン中に処理条件下で固体である架橋型ポリビニルピロリドンが均一に分散されるように、成分が十分に混合される。このセクションも同様に、従来の搬送エレメントを含む。混合物を搬送するために、混練ディスクを組み込むことが望ましいこともある。混合プロセスのさらなる改良を行うために、逆搬送エレメントを組み込むことが望ましいこともある。一般的には、1〜3つのバレルセクションがこのセクションに設けられる。
【0032】
この混合ゾーンと第3のセクションとの間に遅延エレメントが装着される。これは、スチームが逆方向に移動して架橋型ポリマーの供給装置中に戻りそれを詰まらせることを防止することが目的である。
【0033】
次に、第3のセクションでは、水が高分子成分の混合物に導入される。水は、従来の仕込み装置を介して、例えば、漏斗形の仕込み装置を介して、または計量ポンプを用いて、添加可能である。次に、水を含む組成物は、水と溶融体とを混合しながら排出オリフィスの方向にさらに搬送される。このセクションは、処理される組成物の量に応じて1〜3つのバレルセクションで構成され得る。
【0034】
水が導入される第3のセクションと排出オリフィスとの間に、1つ以上のバレルセクションを有するベントゾーンを設けても良い。この場合、大気圧下および/または真空中で脱揮発を行うことが可能である。脱揮発は、好ましくは、0.005〜0.1MPaの圧力で行われる。ベントゾーンと排出オリフィスとの間にさらなるバレルセクションを設けても良い。
【0035】
次に、依然として塑性状態の組成物は、押出し機から排出される。排出方法は、従来のダイプレート、ペレタイジングダイ、または他の好適な装置を使用し得る。
【0036】
ポリスチレンの供給ゾーンは、通常、加熱されない。組成物の塑性を確保するために、他方のゾーンはすべて加熱され、押出し機とダイプレートとの間の移行セクション、さらにはダイプレート自体も同様である。
【0037】
押出し機のセクションのバレル温度、トランジションピースの温度、およびダイプレートの温度は、通常、180〜220℃である。選択されるバレル温度は、常に、組成物の温度がポリスチレンの融点よりは高いが架橋型ポリマーの分解温度よりは低くなるようにしなければならない。
【0038】
依然として塑性状態の混合物は、好ましくは、ダイに通して押し出され、細粒化される。好適な細粒化方法は、原理的には、この目的に用いられる公知の従来法のいずれか、例えば、ホットカットペレタイザーおよびコールドカットペレタイザーである。
【0039】
例えば、回転ナイフによりまたはエアジェットにより押出し物を細断することが可能である。
【0040】
押出し物をペレット化する他の方法は、水冷式ダイフェースペレット化である。
【0041】
次に、押出し物は粉砕される。粉砕は、1工程以上で、好ましくは2工程で実施可能であり、これにより所望の粒子サイズに設定される。設定粒子サイズは、20〜100μmであり得る。液体窒素または任意の他の市販の冷却媒体(例えばドライアイス)で生成物を−50℃〜+5℃の温度に冷却しながら任意の市販のローター型ミル(好ましくは異方向回転式ピン付きディスクミル)を用いて予備細粒化(第1の粉砕工程)を行った後、任意の市販の対向ジェットミルを用いて第2の粉砕工程を行うことにより、粉砕を行い得る。第2の粉砕プロセスに関して、好ましい好適なプロセスは低温粉砕である。この場合、粉砕される組成物に低温の不活性ガスが導入される。使用し得る粉砕ガスの例は、窒素またはアルゴンである。粉砕ガスは、好ましくは、−50〜+5℃の温度に冷却される。
【0042】
所望により、粉砕前に押出し物を乾燥させることも可能である。
【0043】
第1の粉砕工程の後の濾過助剤の平均粒子サイズは、45〜100μm、好ましくは45〜75μmである。
【0044】
第2の粉砕プロセスの後の濾過助剤の好ましい平均粒子サイズは、20〜40μmである。
【0045】
平均粒子サイズは、累積重量分布を測定することにより決定される。
【0046】
次に、所望により、濾過助剤を残留スチレンモノマー分の減量プロセスに付すことも可能である。これは、微粒子状ブレンドを水と混合することと、混合物を水蒸気蒸留プロセスに付すことと、次に、微粒子状ブレンドを分離することと、により、または組成物を移動させる装置を備えた槽(例えばパドル乾燥機)を用いて、微粒子状ブレンドと水とで構成された混合物から水を直接吸引除去することにより、行い得る。
【0047】
濾過助剤として使用するために、単一の平均粒子サイズを有する粉砕された押出し物、さもなければ異なる平均粒子サイズを有する粉砕された画分の混合物、のいずれかを使用することが可能である。例えば、第1の粉砕工程から得られる粉砕された押出し物と第2の粉砕工程から得られる粉砕された押出し物とで構成される混合物を使用することが可能である。こうした混合物の量比は、自由に選択可能であり、通常、濾過される生成物の性質に依存する。例えば、5:95〜95:5、20:80〜80:20、30:70〜70:30、40:60〜60:40、または50:50の量比で第1の粉砕工程の粉砕生成物と第2の粉砕工程の粉砕生成物とで構成される混合物を使用することが可能である。しかしながら、20〜40μmの平均粒子サイズを有する第2の粉砕工程の粉砕生成物を単独で使用することも可能である。45〜100μmの平均粒子サイズを有する第1の粉砕工程の粉砕生成物を単独で使用することも可能である。
【0048】
驚くべきことに、本発明に係る方法によれば、エネルギーコストの増大を伴うことなく粉砕により所望の粒子サイズに調整可能なペレットを容易に生成することが可能である。
【0049】
水を導入したにもかかわらず、ブレンドの脱混合は起こらず、しかもモルフォロジーが影響を受けなかったことも、同様に驚くべきことであった。
【0050】
当業者であれば、水に接触すると高い膨潤圧を生じることもあるというポップコーンポリマーの有する性質により、ポリスチレンマトリックス中への組込みが妨害され、代わりに、2つの構成要素の相分離が起こると予想するであろう。粉砕プロセス中でさえも、成分の脱混合は、観察されなかった。
【実施例】
【0051】
以下の実施例で行われた実験は、押出し機の出口にペレタイジングダイを備えたヴェルナー&フライデラー(Werner&Pfleiderer)製の同方向回転密噛合い式ZSK40二軸スクリューニーダーを用いて実施された。
【0052】
押出し機の構造:
9つのセクション(ゾーン0〜8)、加熱移行部フランジ(ゾーン9)、ダイプレート(ゾーン10)。ゾーン5とゾーン6との間に、スクリューは遅延エレメントを有していた。L/D比は37であった。
【0053】
選択された温度プロファイルは、いずれの実験の場合にも、以下の通りであった。ただし、指定温度は、常に、バレル温度である。
ゾーン0:室温;ゾーン2:200℃;ゾーン3〜5:180℃;ゾーン6:185℃;ゾーン7〜9:190℃;ダイプレート:210℃
【0054】
スクリュー回転速度は、200rpmであった。
【0055】
送出中の押出し物は、水冷式ダイフェースペレット化により造形された。
【0056】
実施例1、4、5、および6の使用材料は、70重量%のポリスチレン158Kと30重量%のクロスポビドンとを押し出すことにより得られたものであった。実施例2および3の材料は、同一重量比でポリスチレン486Mを用いて得られたものであった。
【0057】
粉砕:
粒子サイズは、生成物の乾燥ディスパージョンおよび0.3MPaの圧力を用いてマルバーン・インサイテック(Malvern Insitec)レーザー回折分光計により測定された。X50:平均粒子サイズ、累積重量分布。
【0058】
実施例1〜5の材料の粉砕:
第1の工程:押出し物は、10000rpmのメインローター回転速度および3300rpmのカウンターローター回転速度ならびに10kg/hのスループットでピンインサートを用いたパルマン(Pallmann)PP L18異方向回転式ピン付きディスクミルにより細粒化された。押出し物は、冷却スクリュー中の液体窒素により冷却された。ミル投入温度は−20℃であった。
【0059】
第2の工程:これは、ホソカワ・アルピネ(Hosokawa Alpine)AFG200流動床対向ジェットミルを用いて行われた。使用した粉砕ガスは、−5〜+5℃に予備冷却された0.8MPaの粉砕圧の窒素を含んでいた。ミルは、3本の直径4mm粉砕ノズルを備えていた。使用した分級ホイールは、ホソカワ・アルピネ製の標準的ATP100鋼薄板ホイールを含み、分級ホイール速度は3500rpmであった。本発明に従って配合されたペレットは、計量スクリューおよびダブルフラップエアロックバルブを介してミルに添加されたとき室温であり、指定の粒子サイズに粉砕された。
【0060】
実施例6の材料の粉砕:
第1の工程:押出し物は、ホソカワ・アルピネ・コントラプレックス(Hosokawa Alpine Contraplex)250CW異方向回転式ピン付きディスクミルを用いて細粒化された。ただし、ローター回転速度は、ハウジング側で11200rpmかつドア側で5200rpmであり、スループットは90kg/hであった。押出し物は、液体窒素を有する冷却スクリューにより冷却された。ミル排出温度は−20℃であった。
【0061】
第2の工程:これは、ホソカワ・アルピネAFG400流動床対向ジェットミルを用いて行われた。使用した粉砕ガスは、+5℃に予備冷却された0.8MPaの粉砕圧の窒素を含んでいた。ミルは、3本の直径8mm粉砕ノズルを備えていた。使用した分級ホイールは、ホソカワ・アルピネ製の標準的ATP200鋼薄板ホイールを含み、分級ホイール速度は2450rpmであった。本発明に従って配合されたペレットは、計量スクリューおよびダブルフラップエアロックバルブを介してミルに添加されたとき室温であり、指定の粒子サイズに粉砕された。
【表1】

【表2】

【0062】
適用例:未濾過ビールの濾過
濾過プロセスは、第1の粉砕工程の画分(X50:51μm)60重量%と第2の粉砕工程の画分(X50:27μm)40重量%とで構成される混合物を用いた実施例6の材料を用いて行われた。
【0063】
濾過作用は、未濾過ビールに対して決定された。実施した試験は、パイロットキャンドルフィルター(ギャップ間隔70μm、濾過面積0.032m、スループット15L/h)を利用したプレコート濾過プロセスであった。濾液は、EBC値が1未満のときに透明であると見なされた。流動速度も測定された。材料により提供された濾過作用は、キーゼルグールと同程度に良好であることが判明した。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過助剤として適しておりかつポリスチレンと架橋型非水溶性ポリビニルピロリドンとで構成されるポリマーブレンドを押出し機によるこれら2種の成分の処理を介して製造する方法であって、押出し機によりポリスチレンを溶融することと、次に、それをポリビニルピロリドンと一緒に処理することと、該成分の混合物にポリスチレンとポップコーンポリマーとの全量を基準にして0.1〜10重量%の水を添加することと、該混合物を押し出して細粒化することと、を含む上記方法。
【請求項2】
濾過助剤が20〜95重量%のポリスチレンと5〜80重量%のポリビニルピロリドンとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
濾過助剤が50〜85重量%のポリスチレンと15〜50重量%のポリビニルピロリドンとを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
濾過助剤が60〜75重量%のポリスチレンと25〜40重量%のポリビニルピロリドンとを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
押出処理中に添加される水の量が0.5〜5重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
処理が180〜220℃のバレル温度で行われる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ポリスチレン溶融体がポリビニルピロリドンの添加前に脱揮発される請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
送出中の押出し物が水冷式ダイフェースペレット化により造形される請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
押出し物が粉砕により所望の粒子サイズに調整される請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
粉砕が1工程以上で行われる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
45〜100μmの平均粒子サイズが得られる請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
20〜40μmの平均粒子サイズが得られる請求項9または10に記載の方法。
【請求項13】
所望の粒子サイズが低温粉砕により設定される請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
濾過助剤としての、請求項1〜13のいずれかに記載のポリマーブレンドの使用。
【請求項15】
異なる平均粒子サイズを有する粉砕されたポリマーブレンドの混合物が使用される請求項14に記載の使用。
【請求項16】
単一の平均粒子サイズを有する粉砕されたポリマーブレンドが使用される請求項14に記載の使用。
【請求項17】
飲料を処理するための、請求項14〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
ビールを濾過するための、請求項14〜17のいずれかに記載の使用。

【公表番号】特表2008−536660(P2008−536660A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501290(P2008−501290)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060702
【国際公開番号】WO2006/097469
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】