説明

炊飯器

【課題】電源電圧を検知する機能を有する炊飯器において、インバータ回路の発振停止の理由を容易に知るようにし、電源を良化するための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができ、スピーディーに対応できるようにする。
【解決手段】炊飯容器となる鍋23を加熱手段24により加熱し、入力電流を制御手段27により制御し、商用電源21を整流する整流回路22より得た直流電力をインバータ回路25により高周波電力に変換して加熱手段24に供給し、整流回路22による整流後の回路電圧を二次側回路電圧検知手段35により検知し、炊飯を開始させる炊飯開始スイッチ29を有する操作手段30とマイクロコンピュータ28とを備え、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値より大きいときには、使用者に使用状態を認識させる表示手段34に表示する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源電圧を検知する機能を有する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器は、図5に示すように構成していた(例えば、特許文献1参照)。以下、その構成について説明する。
【0003】
図5に示すように、商用電源1は、整流回路2により整流し、その直流電力をインバータ回路5により高周波電力に変換し、加熱手段4により炊飯容器となる鍋3を加熱するよう構成している。入力電流検知手段6は商用電源1からの入力電流を検知するものである。操作手段10は炊飯開始スイッチ9を有し、マイクロコンピュータ8に接続している。制御手段7は、入力電流を制御するもので、あらかじめ設定された入力電流制御値Icを有し、入力電流検知手段6の出力を入力し、インバータ回路5の動作を制御するよう構成している。
【0004】
二次側回路電圧検知手段15は整流回路2による整流後の回路電圧を検知し、検知値を制御手段7へ入力している。時間計測手段11は経過時間を計測するもので、マイクロコンピュータ8に入力している。内蓋温度検知手段12は内蓋の温度を検知するもので、鍋底温度検知手段13は鍋底の温度を検知するもので、それぞれ検知した値をマイクロコンピュータ8に入力している。表示手段14は使用者に使用状態を認識させるものでマイクロコンピュータ8に接続している。
【0005】
上記構成において動作を説明する。炊飯開始スイッチ9が押されると、規定の炊飯シーケンスに基づき、内蓋温度検知手段12、鍋底温度検知手段13、時間計測手段11により検知した値に応じて炊飯を行う。インバータ回路5を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、二次側回路電圧検知手段15による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと検知したときには、インバータ回路5を停止し、インバータ回路5を構成する部品を保護するように制御している。
【0006】
実際の使用実態においては、電源環境が悪いために二次側回路電圧検知手段15による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと誤検知してインバータ回路5を停止させている場合がある。そのような場合には、電源を良化するための手段を講じて対策を行う必要がある。そのためにも、インバータ回路5を停止させている要因の特定が非常に重要になってくる。
【特許文献1】特開平9−164061号公報(第2−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の炊飯器では、二次側回路電圧検知手段15による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと検知して、インバータ回路5を停止したときでも、表示手段14に表示していないため、容易に確認することができない。
【0008】
したがって、サービスマン等がインバータ回路5の発振停止の理由が二次側回路電圧検知手段15による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと検知したためであるかどうかが容易に知ることができず、その内容を確認するためには炊飯器を分解してオシロスコープで各部の波形をモニタリングする必要がある。その波形測定のポイントもプローブで容易につかめる所ばかりではなく、ときには測定ポイントをはんだ付けしてリード線を引っ張り出す必要がある場合もあり、非常に手間のかかる作業であり、持参する計測器も必要である上、使用中の炊飯器を分解して確認するため、使用したままでの作業ができないといった問題があった。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、インバータ回路の発振停止の理由を容易に知るようにし、電源を良化するための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができ、スピーディーに対応できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために、炊飯容器となる鍋を加熱手段により加熱し、入力電流を制御手段により制御し、商用電源を整流する整流回路より得た直流電力をインバータ回路により高周波電力に変換して加熱手段に供給し、整流回路による整流後の回路電圧を二次側回路電圧検知手段により検知し、炊飯を開始させる炊飯開始スイッチを有する操作手段とマイクロコンピュータとを備え、二次側回路電圧検知手段により検知した値があらかじめ設定した閾値より大きいときには、使用者に使用状態を認識させる表示手段に表示する機能を有するものである。
【0011】
これにより、インバータ回路の発振停止の理由が二次側回路電圧検知手段による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと検知したためであることを容易に知ることができ、その結果、電源を良化するための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができるので、サービスマン等がスピーディーな対応を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の炊飯器は、インバータ回路の発振停止の理由が二次側回路電圧検知手段による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと検知したためであることを容易に知ることができ、その結果、電源を良化するための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができるので、サービスマン等がスピーディーな対応を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の発明は、炊飯容器となる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、入力電流を制御する制御手段と、商用電源を整流する整流回路と、前記整流回路より得た直流電力を高周波電力に変換して前記加熱手段に供給するインバータ回路と、前記整流回路による整流後の回路電圧を検知する二次側回路電圧検知手段と、使用者に使用状態を認識させる表示手段と、炊飯を開始させる炊飯開始スイッチを有する操作手段と、マイクロコンピュータとを備え、前記二次側回路電圧検知手段により検知した値があらかじめ設定した閾値より大きいときには前記表示手段に表示する機能を有するものであり、インバータ回路の発振停止の理由が二次側回路電圧検知手段による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと検知したためであることを容易に知ることができ、その結果、電源を良化するための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができるので、サービスマン等がスピーディーな対応を行うことができる。
【0014】
第2の発明は、上記第1の発明において、二次側回路電圧検知手段により検知した検知レベルを表示手段に表示する機能を有するものであり、二次側回路電圧検知手段による検知値があらかじめ設定している閾値よりも高いか低いという表示ではなく、詳細なレベル表示を行うので、さらに詳細な現象の分析を行うことができ、その結果、サービスマン等がさらに適切でスピーディーでな対応を行うことができる。
【0015】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、二次側回路電圧検知手段による検知結果を表示手段に表示させるかどうかを選択する表示選択手段を備え、前記表示選択手段により表示手段への表示を選択した場合には、前記二次側回路電圧検知手段による検知値に応じて表示手段に表示し、前記表示選択手段により表示手段への非表示を選択した場合には、表示手段への表示を行わない機能を有するものであり、炊飯器の使用者に応じて表示手段への表示、非表示を選択し適切な設定を選択することができ、二次側回路電圧検知手段により検知した値があらかじめ設定した閾値より大きいときに表示手段へ表示する機能をよりきめ細やかで使用者を選択しないものとすることができる。
【0016】
第4の発明は、上記第3の発明において、表示選択手段は、複数のキー操作の組み合わせにより構成したものであり、表示選択手段を専用で設ける必要がないため、スイッチを1つ削減することができ、その結果、操作手段を小型化することができ、ひいては炊飯器をコンパクトにすることができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1に示すように、商用電源21は、整流回路22により整流し、その直流電力をインバータ回路25により高周波電力に変換して加熱手段24に供給し、加熱手段24により炊飯容器となる鍋23を加熱するよう構成している。入力電流検知手段26は商用電源21からの入力電流を検知するものである。
【0019】
操作手段30は炊飯を開始させる炊飯開始スイッチ29を有し、マイクロコンピュータ28に接続している。制御手段27は、入力電流を制御するもので、あらかじめ設定された入力電流制御値Icを有し、入力電流検知手段26の出力を入力し、インバータ回路25の動作を制御するよう構成している。二次側回路電圧検知手段35は整流回路22による整流後の回路電圧を検知し、検知値を制御手段27へ入力している。時間計測手段31は経過時間を計測するもので、マイクロコンピュータ28に入力している。内蓋温度検知手段32は内蓋の温度を検知するもので、鍋底温度検知手段33は鍋底の温度を検知するもので、それぞれ検知した値をマイクロコンピュータ28に入力している。表示手段34は使用者に使用状態を認識させるもので、マイクロコンピュータ28に接続している。
【0020】
ここで、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値より大きいときには、表示手段34に表示するよう構成している。
【0021】
上記構成において動作を説明する。マイクロコンピュータ28は、炊飯開始スイッチ29が押されると、規定の炊飯シーケンスに基づき、内蓋温度検知手段32、鍋底温度検知手段33および時間計測手段31の検知値に応じて炊飯を行う。
【0022】
炊飯動作中もしくは保温動作中のインバータ回路25の動作時に、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときには、インバータ回路25を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、インバータ回路25を停止し、インバータ回路25の部品を保護するとともに、表示手段34に表示するように制御する。
【0023】
これにより、インバータ回路25の発振停止の理由が二次側回路電圧検知手段35による検知値があらかじめ設定している閾値C0よりも大きいと検知したためであることを容易に知ることができる。
【0024】
その結果、電源環境そのものが要因でインバータ回路25を停止している事例の場合には、電源環境を良化することが必要だということが容易にわかるので、そのための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができるので、適切でスピーディーな対応を行うことができる。その適切でスピーディーな対策の結果、電源事情が改善され、インバータ回路25の部品へ印加される電圧も正常な値となり、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きくなることもなくなり、インバータ回路25が停止されることが皆無となる。
【0025】
その結果、本来の炊飯シーケンスで炊飯を行うので、おいしいご飯を提供することができる。そして、インバータ回路25の部品への印加電圧も低下することができるので、炊飯器の品質をさらに向上することができる。
【0026】
加えて、上記一連の原因解析は炊飯器を使用状態のまま行うことができるため、使用しているユーザーがその原因解析のために炊飯器を使用できなくなるといった不具合は皆無となり、ユーザーへ迷惑をかけることも大幅に低減することができる。
【0027】
このことは炊飯器という商品の性質上非常に重要なことである。なぜなら、炊飯器を使用している家庭にとって、原因が電源事情であれ、不具合の原因解析の間炊飯することができないということは非常に不便であり、通常であれば代わりに使用する炊飯器が必要な状況であり、本実施の形態はその不具合の確率を大きく低減することができるからである。
【0028】
なお、本実施の形態においては、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときには、インバータ回路25を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、インバータ回路25を停止し、インバータ回路部品を保護するとともに、表示手段34に表示するように制御しているが、この表示手段34はLCDのみあるいはLEDのみで構成されていてもいいし、LCDとLEDを組み合わせて構成されていても良いのはいうまでもない。
【0029】
また、その表示方法も、LCDのみ、あるいはLEDのみに表示してもいいし、LCDとLEDの両方を組み合わせて表示してもよい。さらに、表示手段34に加えてブザー等の報知手段を用いて使用者に知らせるようにしてもよい。
【0030】
(実施の形態2)
図2に示すように、二次側回路電圧検知手段35は整流回路22による整流後の回路電圧を検知し、検知値を制御手段27へ入力するとともにマイクロコンピュータ28へも入力し、二次側回路電圧検知手段35により検知した検知レベルを表示手段34に表示するよう構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
上記構成において動作を説明する。マイクロコンピュータ28は、炊飯開始スイッチ29が押されると、規定の炊飯シーケンスに基づき、内蓋温度検知手段32、鍋底温度検知手段33および時間計測手段31の検知値に応じて炊飯を行う。
【0032】
炊飯動作中もしくは保温動作中のインバータ回路25の動作時に、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときにはインバータ回路を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、インバータ回路25を停止し、インバータ回路25の部品を保護する。
【0033】
この動作と平行して、マイクロコンピュータ28は二次側回路電圧検知手段35からの出力電圧レベルに応じて表示手段34に表示する。
【0034】
また、図3に示すように、二次側回路電圧検知手段35は整流回路22による整流後の回路電圧を検知し、検知値を制御手段27へ入力せずにマイクロコンピュータ28へ入力するのみの構成としても構わない。
【0035】
上記構成において動作を説明する。インバータ回路25を停止させる閾値C0をマイクロコンピュータ28に設定し、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときには、インバータ回路25を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、マイクロコンピュータ28がインバータ回路25を停止し、インバータ回路25の部品を保護する。それと平行して、二次側回路電圧検知手段35からの出力電圧レベルに応じて表示手段34に表示する。
【0036】
本実施の形態において、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときの表示内容は、二次側回路電圧検知手段35からの出力電圧レベルが、明確に理解できるもの(例えば150V等)であってもいいし、基準電圧に対する相対的なレベル表示(例えば+1等)であってもよい。
【0037】
以上のように制御することにより、二次側回路電圧検知手段35により検知した値に応じたレベルを表示手段34に表示するので、二次側回路電圧検知手段35による検知値があらかじめ設定している閾値C0よりも高いか低いという表示ではなく、詳細なレベル表示を行うので、さらに詳細な現象の分析を行うことができる。
【0038】
その結果、電源環境そのものが要因でインバータ回路25を停止している事例の場合には、電源環境を良化することが必要だということが容易にわかり、さらに電源事情の詳細な状況も知ることができる。そして、そのための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができるので、さらに適切でスピーディーでな対応を行うことができる。その適切でスピーディーな対策の結果、電源事情が改善され、インバータ回路25の部品へ印加される電圧も正常な値となり、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きくなることもなくなり、インバータ回路25が停止されることが皆無となる。
【0039】
その結果、本来の炊飯シーケンスで炊飯を行うので、おいしいご飯を提供することができる。そして、インバータ回路25の部品への印加電圧も低下することができるので、炊飯器の品質をさらに向上することができる。
【0040】
なお、本実施の形態においては、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときにはインバータ回路25を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、インバータ回路25を停止し、インバータ回路25の部品を保護するとともに、マイクロコンピュータ28は二次側回路電圧検知手段35からの出力電圧レベルに応じて表示手段34に表示するように制御しているが、この表示手段34はLCDのみあるいはLEDのみで構成されていてもいいし、LCDとLEDを組み合わせて構成されていてもよいのはいうまでもない。
【0041】
また、その表示方法もLCDのみ、あるいはLEDのみに表示してもいいし、LCDとLEDの両方を組み合わせて表示してもよい。さらに、表示手段34に加えてブザー等の報知手段を用いて使用者に知らせるようにしてもよい。
【0042】
(実施の形態3)
図4に示すように、表示選択手段36は、二次側回路電圧検知手段35による検知結果を表示手段に34表示させるかどうかを選択するもので、操作手段30に設け、表示選択手段36により表示手段34への表示を選択した場合には、二次側回路電圧検知手段35による検知値に応じて表示手段34に表示し、表示選択手段36により表示手段34への非表示を選択した場合には、表示手段34への表示を行わないようにしている。他の構成は上記実施の形態1または2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
上記構成において動作を説明する。マイクロコンピュータ28は、炊飯開始スイッチ29が押されると、規定の炊飯シーケンスに基づき、内蓋温度検知手段32、鍋底温度検知手段33および時間計測手段31の検知値に応じて炊飯を行う。
【0044】
炊飯動作中もしくは保温動作中のインバータ回路25の動作時に、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときには、インバータ回路25を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、インバータ回路25を停止し、インバータ回路25の部品を保護する。
【0045】
このとき、表示選択手段36により表示手段34への表示を選択した場合には、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいことを表示手段34に表示するように制御する。逆に、表示選択手段36により表示手段34への非表示を選択した場合には、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいことを表示手段34には表示しない。このように表示選択手段36の設定により、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときの表示手段34への表示を使用者の意思で設定することができる。
【0046】
これらの情報は、見たい人にとっては非常に重要で便利なものであるが、見る必要のない人にとっては表示内容が増加するため表示手段34の表示内容が煩わしいものと感じる恐れがある。つまり、炊飯器の使用者に応じて表示手段34への表示、非表示を選択し適切な設定を選択すれば、本機能を煩わしく感じる人が居なくなり、本発明に対する不満を感じる人をなくすことができる。
【0047】
すなわち、本実施の形態により、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときに表示手段34へ表示する機能をよりきめ細やかで、使用者を選択しないものとすることができる。
【0048】
(実施の形態4)
図4に示す表示選択手段36に代えて、操作手段30を構成する複数のキー操作の組み合わせにより、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいとき、表示手段34への表示・非表示の選択を行うよう構成している。他の構成は上記実施の形態3と同じである。
【0049】
上記構成において動作を説明する。マイクロコンピュータ28は、炊飯開始スイッチ29が押されると、規定の炊飯シーケンスに基づき、内蓋温度検知手段32、鍋底温度検知手段33および時間計測手段31の検知値に応じて炊飯を行う。
【0050】
炊飯動作中もしくは保温動作中のインバータ回路25の動作時に、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときには、インバータ回路25を構成する部品の定格電圧を越えて動作しないように、インバータ回路25を停止し、インバータ回路25の部品を保護する。
【0051】
このとき、操作手段30を構成する複数のスイッチの操作の組み合わせにより表示手段34への表示を選択していた場合には、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいことを表示手段34に表示するように制御する。逆に、複数のスイッチの操作の組み合わせにより表示手段34への非表示を選択していた場合には、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいことを表示手段34には表示しない。
【0052】
このように、操作手段30を構成する複数のキー操作の組み合わせによる設定により、二次側回路電圧検知手段35により検知した値があらかじめ設定した閾値C0より大きいときの表示手段34への表示を使用者の意思で設定することができる。
【0053】
このように、本実施の形態においては、操作手段30を構成する複数のキー操作の組み合わせにより、表示手段34への表示・非表示の選択を行うことにより、表示選択手段36を専用で設ける必要がないため、スイッチを1つ削減することができ、その結果、操作手段30を小型化することができ、ひいては炊飯器をコンパクトにすることができる。加えて、スイッチを1つ削減することができる効果として、操作手段30のスペースを有効に使用することができるため、炊飯器のデザインに対する規制を低減することができる。その結果、魅力的なデザインを特徴とした炊飯器を提供することができる。
【0054】
さらに、操作手段30を構成する複数のキー操作の組み合わせにより、表示手段34への表示・非表示の選択を行うことで、一般のユーザーが操作できないようにすることができる。すなわち、サービスマンなどの炊飯器を熟知したものだけの使用を限定することができ、ユーザーに知らせる必要のないことは知らせずに、知りたい者だけが炊飯器を動作させながら確認するといった使い方が可能となる。
【0055】
その結果、ユーザーとの関係などの様々な事情に応じて炊飯器の使用状況を確認し、なおかつユーザーに不愉快な思いをさせることを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、インバータ回路の発振停止の理由が二次側回路電圧検知手段による検知値があらかじめ設定している閾値よりも大きいと検知したためであることを容易に知ることができ、その結果、電源を良化するための手段を講じて対策を行うことにポイントを絞ることができ、サービスマン等がスピーディーな対応を行うことができるので、電源電圧を検知する機能を有する炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態1の炊飯器のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2の炊飯器のブロック図
【図3】同炊飯器の他の例のブロック図
【図4】本発明の実施の形態3の炊飯器のブロック図
【図5】従来の炊飯器のブロック図
【符号の説明】
【0058】
21 商用電源
22 整流回路
23 鍋
24 加熱手段
25 インバータ回路
27 制御手段
28 マイクロコンピュータ
29 炊飯開始スイッチ
30 操作手段
34 表示手段
35 二次側回路電圧検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯容器となる鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、入力電流を制御する制御手段と、商用電源を整流する整流回路と、前記整流回路より得た直流電力を高周波電力に変換して前記加熱手段に供給するインバータ回路と、前記整流回路による整流後の回路電圧を検知する二次側回路電圧検知手段と、使用者に使用状態を認識させる表示手段と、炊飯を開始させる炊飯開始スイッチを有する操作手段と、マイクロコンピュータとを備え、前記二次側回路電圧検知手段により検知した値があらかじめ設定した閾値より大きいときには前記表示手段に表示する機能を有する炊飯器。
【請求項2】
二次側回路電圧検知手段により検知した検知レベルを表示手段に表示する機能を有する請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
二次側回路電圧検知手段による検知結果を表示手段に表示させるかどうかを選択する表示選択手段を備え、前記表示選択手段により表示手段への表示を選択した場合には、前記二次側回路電圧検知手段による検知値に応じて表示手段に表示し、前記表示選択手段により表示手段への非表示を選択した場合には、表示手段への表示を行わない機能を有する請求項1または2記載の炊飯器。
【請求項4】
表示選択手段は、複数のキー操作の組み合わせにより構成した請求項3記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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