説明

炊飯器

【課題】炊飯器の購入時にあらかじめ記憶されている炊飯または保温などの調理シーケンスによって調理された結果がユーザの嗜好と異なっていた場合に、ユーザの嗜好に合うように調理シーケンスを変更できるようにすること。
【解決手段】制御手段5が第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを使用して調理した結果と第2の通信手段8aを介して炊飯器外部に送信された調理中の制御情報を判断材料として、シーケンス変更手段10により第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを変更可能とすることにより、ユーザは自分の嗜好に合うように調理シーケンスを変更できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理物を入れる内鍋を加熱する加熱手段を制御手段により制御して炊飯または保温を行う炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、嗜好の多様化に伴い、メニューやかたさなどの異なる数種類の炊き分け機能を有する炊飯器が求められている。
【0003】
従来、この種の炊飯器では、あらかじめ記憶手段に記憶されている炊飯または保温などの調理シーケンスの中から選択手段によって選択した1種類の調理シーケンスに基づいて制御手段が加熱手段を制御し、内鍋を加熱することで数種類の炊き分けを可能にする構成となっていた。しかしながら、このような従来の炊飯器では、あらかじめ記憶手段に記憶されている調理シーケンスの中から選択するため、使用できる調理シーケンスは記憶手段に記憶されているものに限定されていた。そのため、ユーザはあらかじめ記憶されている調理シーケンスによって調理された結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、つぎに買い換えるまではそのまま使用せざるを得ないという問題があった。
【0004】
その解決策として、通信手段を介して新たに調理シーケンスを受信し、そのシーケンスを記憶して、そのシーケンスで調理を行うことができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−137112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、通信手段を介して新たに調理シーケンスを取得することにより選択の幅は広がるが、通信手段を介して取得できる調理シーケンスの種類にも限りがあるため、その中に自分の嗜好に合うものが必ずしもあるとは限らないという問題を有していた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、シーケンス変更手段により、記憶手段にあらかじめ記憶されている炊飯や保温などの調理シーケンスをユーザが自分の嗜好に合うように任意に変更できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、調理物を入れる内鍋を加熱手段により加熱し、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶情報の書き換えが可能な第1の記憶手段に記憶し、第1の記憶手段に記憶されている調理シーケンスと温度検知手段が検知した内鍋内部の調理物の温度と計時手段が計測した時間に基づいて、制御手段により加熱手段を制御し、調理中の少なくとも1つの制御手段の入出力情報を第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信し、シーケンス変更手段により制御手段が使用する調理シーケンスの変更を可能とするよう構成し、第1の記憶手段に記憶されている調理シーケンスを調理結果と第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信した制御手段の入出力情報とを判断材料としてシーケンス変更手段により変更し、変更した調理シーケンスを次回以降の調理時に使用可能にしたものである。
【0008】
これにより、シーケンス変更手段により、第1の記憶手段にあらかじめ記憶されている炊飯や保温などの調理シーケンスをユーザが自分の嗜好に合うように任意に変更すめることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の炊飯器は、シーケンス変更手段により炊飯または保温などの調理シーケンスを任意に変更することができるため、あらかじめ記憶されている調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、自分の嗜好に合うように変更した調理シーケンスで調理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、炊飯器本体内部に収容され調理物を入れる内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内部の調理物の温度を検知する温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶し記憶情報の書き換えが可能な第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている調理シーケンスと前記温度検知手段が検知した前記内鍋内部の調理物の温度と前記計時手段が計測した時間に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、前記制御手段が使用する調理シーケンスの変更を可能とするシーケンス変更手段と、炊飯器外部と情報の通信を行う第2の通信手段とを備え、調理中の少なくとも1つの制御手段の入出力情報を前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信し、前記第1の記憶手段に記憶されている調理シーケンスを前記シーケンス変更手段により変更し、変更した調理シーケンスを次回以降の調理時に使用可能にしたものであり、前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信することによって炊飯器外部で可視化することが可能となった実際の動作情報(例えば、所定の工程での所要時間や調理物の温度、加熱手段のオン・オフ情報など)を調理シーケンス変更時の判断材料として使用して炊飯または保温などの調理シーケンスをユーザが自分の嗜好に合うように任意に変更できるようになり、現在の調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、自分の嗜好に合うように変更した調理シーケンスで次回以降の調理を行うことができる。また、第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信された動作情報は調理中に異常が発生した場合の原因解析に利用することもできる。
【0011】
第2の発明は、炊飯器本体内部に収容され調理物を入れる内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内部の調理物の温度を検知する温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶する第2の記憶手段と、調理シーケンスの変更を可能とするシーケンス変更手段と、前記シーケンス変更手段によって変更した調理シーケンスを少なくとも1つ記憶する変更シーケンス記憶手段と、前記第2の記憶手段または前記変更シーケンス記憶手段に記憶されている調理シーケンスの中から使用する調理シーケンスを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択した調理シーケンスと前記温度検知手段が検知した前記内鍋内部の調理物の温度と前記計時手段が計測した時間に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、炊飯器外部と情報の通信を行う第2の通信手段とを備え、調理中の少なくとも1つの制御手段の入出力情報を前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信し、前記第2の記憶手段または前記変更シーケンス記憶手段に記憶されている調理シーケンスを前記シーケンス変更手段により変更し、次回以降の調理時に使用可能にしたものであり、現在の調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信することによって炊飯器外部で可視化することが可能となった実際の動作情報(例えば、所定の工程での所要時間や調理物の温度、加熱手段のオン・オフ情報など)を調理シーケンス変更時の判断材料として使用して自分の嗜好に合うように変更した調理シーケンスで次回以降の調理を行うことができる。また、第2の記憶手段と前記変更シーケンス記憶手段に記憶されている調理シーケンスの中から使用する調理シーケンスを選択手段によって選択するようにすることにより、次回以降の調理時にあらかじめ記憶されているシーケンスと変更後のシーケンスのいずれかを選択して使用することが可能となり、シーケンスの変更に失敗した場合でも容易に変更前のシーケンスに戻すことができる。
【0012】
第3の発明は、炊飯器本体内部に収容され調理物を入れる内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内部の調理物の温度を検知する温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶する第2の記憶手段と、調理シーケンスの変更を可能とするシーケンス変更手段と、前記シーケンス変更手段による調理シーケンスの変更情報を少なくとも1つ記憶する変更情報記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスまたは前記変更情報記憶手段に記憶されている変更情報の中から使用する調理シーケンスまたは変更情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択した調理シーケンスまたは前記選択手段によって選択した変更情報を前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスに反映させた調理シーケンスと前記温度検知手段が検知した前記内鍋内部の調理物の温度と前記計時手段が計測した時間に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、炊飯器外部と情報の通信を行う第2の通信手段とを備え、調理中の少なくとも1つの制御手段の入出力情報を前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信し、前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスまたは前記変更情報記憶手段に記憶されている変更情報を前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスに反映させた調理シーケンスを前記シーケンス変更手段により変更し、次回以降の調理時に使用可能にしたものであり、現在の調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信することによって炊飯器外部で可視化することが可能となった実際の動作情報(例えば、所定の工程での所要時間や調理物の温度、加熱手段のオン・オフ情報など)を調理シーケンス変更時の判断材料として使用して自分の嗜好に合うように変更した調理シーケンスで次回以降の調理を行うことができる。また、第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスと変更情報記憶手段に記憶されている変更情報を第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスに反映させた調理シーケンスの中から使用する調理シーケンスを選択手段によって選択するようにすることにより、次回以降の調理時にあらかじめ記憶されているシーケンスと変更後のシーケンスのいずれかを選択して使用することが可能となり、シーケンスの変更に失敗した場合でも容易に変更前のシーケンスに戻すことができる。また、調理シーケンスを記憶するのではなく、シーケンス変更手段による変更情報のみを記憶するため、調理シーケンスを記憶する場合と比較して小さな記憶容量で実現することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0015】
図1に示すように、内鍋1は内部に調理物を入れ、加熱手段2によって加熱される。内鍋1内部の調理物の温度は温度検知手段3によって検知され、制御手段5に送られる。計時手段4は調理中の各工程(例えば、吸水工程)での経過時間を計測し、計測した時間を制御手段5に送信する。第1の記憶手段7は炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶し、記憶情報の書き換えが可能なものである。制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスと温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間に基づき、加熱手段2を制御して調理を行う。シーケンス変更手段10は、調理シーケンスの変更を行うものであり、シーケンスデータの設定を行う設定キーとシーケンスデータを表示するLCDで構成され、制御手段5を介して、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更を行う。
【0016】
上記構成において図2のフローチャートを参照しながら動作を説明する。ステップ20で炊飯器の使用を開始し、ステップ21に進む。ステップ21では、制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを使用して調理を開始し、ステップ22に進む。ステップ22では、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスと温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間に基づき、制御手段5が加熱手段2を制御して内鍋1を加熱することにより調理を行う。
【0017】
つぎに、ステップ23に進み、調理が終了したかをチェックする。ステップ23で調理が終了していない場合はステップ22に戻り、引き続き調理を行う。ステップ23で調理が終了した場合はステップ24に進む。ステップ24では、ユーザはステップ21からステップ23で行われた調理結果を判断材料として、調理シーケンスをどのように変更するかを判断する。ステップ24で調理シーケンスを変更する必要がないと判断した場合はステップ26に進み、炊飯器の使用を終了する。
【0018】
ステップ24で調理シーケンスを変更すると判断した場合はステップ25に進み、ユーザはステップ24で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更をシーケンス変更手段10により制御手段5を介して行う。ステップ25で調理シーケンスの変更を終了した後はステップ26に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ25で変更された調理シーケンスは、次回以降の使用時に、ステップ21からステップ23の調理時に使用することができる。
【0019】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯または保温などの調理結果を判断材料として、シーケンス変更手段10により第1の記憶手段7に記憶されている炊飯または保温などの調理シーケンスを変更できるようにすることにより、調理シーケンスをユーザが任意に変更できるようになり、現在の調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、自分の嗜好に合うように調理シーケンスを変更して、変更した調理シーケンスで調理を行うことができる。
【0020】
なお、本実施の形態では、シーケンス変更手段10はシーケンスデータの設定を行う設定キーとシーケンスデータを表示するLCDという構成で説明したが、調理シーケンスの編集を行うことが可能なものであれば任意のものが使用でき、シーケンス変更専用に使用しても、その他の機能と兼用で使用しても構わない。
【0021】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0022】
図3に示すように、第2の記憶手段7aは、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶し、記憶情報の書き換えが不可能なものである。変更シーケンス記憶手段12は、シーケンス変更手段10によって変更された調理シーケンスを記憶するもので、制御手段5は、シーケンス変更手段10により変更された調理シーケンスを変更シーケンス記憶手段12に記憶させるようにしている。選択手段6は、第2の記憶手段7aまたは変更シーケンス記憶手段12に記憶されている調理シーケンスの中から制御手段5が調理時に使用する調理シーケンスを選択するようにしている。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
上記構成において図4のフローチャートを参照しながら動作を説明する。ステップ30で炊飯器の使用を開始し、ステップ31に進む。ステップ31では、ユーザが選択手段6により炊飯または保温などの調理時に制御手段5が使用する調理シーケンスを第2の記憶手段7aまたは変更シーケンス記憶手段12に記憶されている調理シーケンスの中から選択する。
【0024】
つぎに、ステップ32に進み、ステップ32では、制御手段5はステップ31でユーザが選択した調理シーケンスを使用して調理を開始し、ステップ33に進む。ステップ33では、ステップ31でユーザが選択した調理シーケンスと温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間に基づき、制御手段5が加熱手段2を制御して内鍋1を加熱することにより調理を行う。
【0025】
つぎに、ステップ34に進み、調理が終了したかをチェックする。ステップ34で調理が終了していない場合はステップ33に戻り、引き続き調理を行う。ステップ34で調理が終了した場合はステップ35に進む。ステップ35では、ユーザはステップ32からステップ34で行われた調理結果を判断材料として、調理シーケンスをどのように変更するかを判断する。ステップ35で調理シーケンスを変更する必要がないと判断した場合はステップ38に進み、炊飯器の使用を終了する。
【0026】
ステップ35で調理シーケンスを変更すると判断した場合はステップ36に進み、ユーザはステップ35で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、シーケンス変更手段10により調理シーケンスを変更し、ステップ37に進む。ステップ37では、制御手段5はステップ36で変更された調理シーケンスを変更シーケンス記憶手段12に記憶する。ステップ37で変更された調理シーケンスを記憶した後はステップ38に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ36で変更された調理シーケンスは、次回以降の使用時に、ステップ31で選択することにより、ステップ32からステップ34の調理時に使用することができる。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯または保温などの調理結果を判断材料として、シーケンス変更手段10により炊飯または保温などの調理シーケンス変更可能とすることにより、調理シーケンスをユーザが任意に変更できるようになり、現在の調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、自分の嗜好に合うように調理シーケンスを変更して、変更した調理シーケンスで調理を行うことができる。また、シーケンス変更手段10により変更された調理シーケンスを変更シーケンス記憶手段12に記憶し、第2の記憶手段7aと変更シーケンス記憶手段12に記憶されている調理シーケンスの中から使用する調理シーケンスを選択手段6によって選択するようにすることにより、次回以降の調理時にあらかじめ記憶されているシーケンスと変更後のシーケンスのいずれかを選択して使用することが可能となり、シーケンスの変更に失敗した場合でも容易に変更前のシーケンスに戻すことができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、第2の記憶手段7aは記憶情報の書き換えが不可能なものとして説明したが、あらかじめ記憶されている調理シーケンスの内容を保持することが可能であれば、記憶情報の書き換えが可能なものでも構わない。また、第2の記憶手段7aと変更シーケンス記憶手段12の2つの記憶手段を使用して説明したが、あらかじめ記憶されている調理シーケンスと変更後の調理シーケンスを別々の記憶領域に記憶できれば、1つの記憶手段で実現しても構わない。
【0029】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0030】
図5に示すように、第2の記憶手段7aは炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶し、記憶情報の書き換えが不可能なものである。変更情報記憶手段13は、シーケンス変更手段10による炊飯または保温などの調理シーケンスの変更情報を記憶するもので、制御手段5は、シーケンス変更手段10により変更された調理シーケンスと変更前の調理シーケンスとを比較し、その差分をシーケンス変更情報として変更情報記憶手段13に記憶させるようにしている。選択手段6は、変更情報記憶手段13に記憶されているシーケンス変更情報と第2の記憶手段7aに記憶されている調理シーケンスの中から制御手段5が調理時に使用するものを選択するようにしている。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
上記構成において図6のフローチャートを参照しながら動作を説明する。ステップ40で炊飯器の使用を開始し、ステップ41に進む。ステップ41では、ユーザが選択手段6により変更情報記憶手段13に記憶されているシーケンス変更情報と第2の記憶手段7aに記憶されている調理シーケンスの中から制御手段5が調理時に使用するものを選択し、ステップ42に進む。
【0032】
ステップ42では、ステップ41でユーザが変更情報記憶手段13に記憶されているシーケンス変更情報を選択したかを判断し、ユーザが変更情報記憶手段13に記憶されているシーケンス変更情報を選択していない、すなわち第2の記憶手段7aに記憶されている調理シーケンスを選択したと判断した場合はステップ44に進み、ユーザが変更情報記憶手段13に記憶されているシーケンス変更情報を選択したと判断した場合はステップ43に進む。ステップ43では、制御手段5はユーザがステップ41で選択したシーケンス変更情報に対応した調理シーケンスにシーケンス変更情報を反映させて、ステップ44に進む。
【0033】
ステップ44では、ステップ41でユーザが選択した調理シーケンス、またはステップ43でシーケンス変更情報を反映させた調理シーケンスを使用して調理を開始し、ステップ45に進む。ステップ45では、ステップ41でユーザが選択した調理シーケンス、またはステップ43でシーケンス変更情報を反映させた調理シーケンスと温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間に基づき、制御手段5が加熱手段2を制御して内鍋1を加熱することにより調理を行い、ステップ46に進む。
【0034】
つぎに、ステップ46では、調理が終了したかをチェックする。ステップ46で調理が終了していない場合はステップ45に戻り、引き続き調理を行う。ステップ46で調理が終了した場合はステップ47に進む。ステップ47では、ユーザはステップ44からステップ46で行われた調理結果を判断材料として、調理シーケンスをどのように変更するかを判断する。ステップ47で調理シーケンスを変更する必要がないと判断した場合はステップ50に進み、炊飯器の使用を終了する。
【0035】
ステップ47で調理シーケンスを変更すると判断した場合はステップ48に進み、ユーザはステップ47で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、シーケンス変更手段10により調理シーケンスを変更し、ステップ49に進む。ステップ49では、制御手段5はシーケンス変更手段10により変更された調理シーケンスと変更前の調理シーケンスとを比較し、その差分をシーケンス変更情報として変更情報記憶手段13に記憶させる。つぎに、ステップ50に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ48で変更された調理シーケンスの変更情報は、次回以降の使用時のステップ41で選択することにより、ステップ44からステップ46の調理時に使用することができる。
【0036】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯または保温などの調理結果を判断材料として、シーケンス変更手段10により炊飯または保温などの調理シーケンス変更可能とすることにより、調理シーケンスをユーザが任意に変更できるようになり、現在の調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、自分の嗜好に合うように調理シーケンスを変更して、変更した調理シーケンスで調理を行うことができる。
【0037】
また、シーケンス変更手段10による調理シーケンスの変更情報を変更情報記憶手段13に記憶し、第2の記憶手段7aに記憶されている調理シーケンスと変更情報記憶手段13に記憶されているシーケンス変更情報の中から制御手段5が調理時に使用するものを選択手段6により選択するようにすることにより、次回以降の調理時に変更前のシーケンスと変更情報を反映させたシーケンスのいずれかを選択して使用することが可能となり、シーケンスの変更に失敗した場合でも容易に変更前のシーケンスに戻すことができる。また、シーケンスを記憶するのではなく、シーケンス変更手段10によるシーケンス変更情報のみを記憶するため、シーケンスを記憶する場合と比較して小さな記憶容量で実現することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、第2の記憶手段7aは記憶情報の書き換えが不可能なものとして説明したが、あらかじめ記憶されている調理シーケンスの内容を保持することが可能であれば、記憶情報の書き換えが可能なものでも構わない。また、第2の記憶手段7aと変更情報記憶手段13の2つの記憶手段を使用して説明したが、あらかじめ記憶されている調理シーケンスとシーケンス変更手段10によるシーケンス変更情報を別々の記憶領域に記憶できれば、1つの記憶手段で実現しても構わない。
【0039】
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0040】
図7に示すように、第1の通信手段8は、炊飯器19外部と情報の通信を行うことが可能なもので、制御手段5が調理時に使用した調理シーケンスを制御手段5より受信し、受信した調理シーケンスをパーソナルコンピュータ9に送信する。パーソナルコンピュータ9は第1の通信手段8より受信した調理シーケンスを閲覧することが可能なものである。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
上記構成において図8のフローチャートを参照しながら動作を説明する。ステップ60で炊飯器の使用を開始し、ステップ61に進む。ステップ61では、制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを使用して調理を開始し、ステップ62に進む。ステップ62では、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスと温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間に基づき、制御手段5が加熱手段2を制御して内鍋1を加熱することにより調理を行う。
【0042】
つぎに、ステップ63に進み、調理が終了したかをチェックする。ステップ63で調理が終了していない場合はステップ62に戻り、引き続き調理を行う。ステップ63で調理が終了した場合はステップ64に進む。ステップ64では、制御手段5が調理時に使用した調理シーケンスを第1の通信手段8が制御手段5より受信し、第1の通信手段8は受信した調理シーケンスをパーソナルコンピュータ9に送信する。
【0043】
つぎに、ステップ65に進み、ユーザはステップ61からステップ63で行われた調理結果に加え、ステップ64でパーソナルコンピュータ9が受信した調理シーケンスを閲覧することによって調理シーケンスをどのように変更するかを判断する。ステップ65で調理シーケンスを変更する必要がないと判断した場合はステップ67に進み、炊飯器の使用を終了する。
【0044】
ステップ65で調理シーケンスを変更すると判断した場合はステップ66に進み、ユーザはステップ65で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更をシーケンス変更手段10により制御手段5を介して行う。ステップ66で調理シーケンスの変更を終了した後はステップ67に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ66で変更された調理シーケンスは、次回以降の使用時に、ステップ61からステップ63の調理時に使用することができる。
【0045】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段5が調理時に使用した調理シーケンスを第1の通信手段8を介してパーソナルコンピュータ9に送信するようにすることにより、炊飯器内部の調理シーケンスをパーソナルコンピュータ9で取り扱うことが可能となり、炊飯器本体の大きさやコストなどの制約を受ける炊飯器本体のシーケンス変更手段10により調理シーケンスの閲覧を行う場合と比較して、容易に調理シーケンス全体を把握することができ、調理シーケンスの変更内容をより適切に判断することができる。また、受信した調理シーケンスをインターネット上のホームページに公開したり、プリンタで印刷することにより他のユーザに公開することもできる。
【0046】
なお、本実施の形態では、調理時に制御手段5が使用した調理シーケンスを調理終了後に第1の通信手段8を介してパーソナルコンピュータ9に送信する構成で説明したが、調理シーケンスの各工程(例えば、吸水工程や炊き上げ工程など)が終了するごとにその工程のシーケンスデータを送信するなど任意の時点で任意のデータ量を送信しても構わない。
【0047】
また、本実施の形態では、第1の通信手段8の接続先をパーソナルコンピュータ9として説明したが、データ通信機能を持ち、受信した調理シーケンスを閲覧可能なものであれば任意のものを接続先として使用できる。また、第1の通信手段8とパーソナルコンピュータ9との間の通信は有線または無線などの物理的形式、通信規格などの通信方式については任意のものが使用可能である。
【0048】
(実施の形態5)
図9は、本発明の第5の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0049】
図9に示すように、第2の通信手段8aは、炊飯器19外部と情報の通信を行うことが可能なもので、温度検知手段3が調理中に検知した調理物の温度と、計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間と、制御手段5によって制御された加熱手段2のオン・オフ情報を制御手段5より受信し、受信した情報をパーソナルコンピュータ9に送信する。パーソナルコンピュータ9は第2の通信手段8aより受信した情報を閲覧することが可能なものである。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
上記構成において図10のフローチャートを参照しながら動作を説明する。ステップ70で炊飯器の使用を開始し、ステップ71に進む。ステップ71では、制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを使用して調理を開始し、ステップ72に進む。ステップ72では、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスと温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間に基づき、制御手段5が加熱手段2を制御して内鍋1を加熱することにより調理を行い、ステップ73に進む。
【0051】
ステップ73では調理中に温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間と制御手段5によって制御された加熱手段2のオン・オフ情報を制御手段5から第2の通信手段8aへ送信し、第2の通信手段8aは受信した調理物の温度と各工程での経過時間と加熱手段2のオン・オフ情報をパーソナルコンピュータ9に送信する。
【0052】
つぎに、ステップ74に進み、調理が終了したかをチェックする。ステップ74で調理が終了していない場合はステップ72に戻り、引き続き調理を行う。ステップ74で調理が終了した場合はステップ75に進む。ステップ75では、ユーザはステップ71からステップ74で行われた調理結果と、ステップ73でパーソナルコンピュータ9に送信された調理中の調理物の温度と各工程での経過時間と制御手段5によって制御された加熱手段2のオン・オフ情報を判断材料として、調理シーケンスをどのように変更するかを判断する。
【0053】
ステップ75で調理シーケンスを変更する必要がないと判断した場合はステップ77に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ75で調理シーケンスを変更すると判断した場合はステップ76に進み、ユーザはステップ75で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更をシーケンス変更手段10により制御手段5を介して行う。ステップ76で調理シーケンスの変更を終了した後はステップ77に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ76で変更された調理シーケンスは、次回以降の使用時のステップ71からステップ74の調理時に使用することができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段5の入出力情報として、調理中に温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間と制御手段5によって制御された加熱手段2のオン・オフ情報を第2の通信手段8aを介してパーソナルコンピュータ9に送信するようにすることにより、送信された調理中の調理物の温度と各工程での経過時間と制御手段5によって制御された加熱手段2のオン・オフ情報を調理シーケンスの変更内容の判断材料として利用することが可能となり、自分の嗜好に合うように調理シーケンスを変更するための判断をより正確に行うことができる。また、送信された制御手段5の入出力情報は調理中に異常が発生した場合の原因解析に利用することもできる。
【0055】
なお、本実施の形態では、調理中に温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間と制御手段5によって制御された加熱手段2のオン・オフ情報を調理中に第2の通信手段8aを介してパーソナルコンピュータ9に随時送信する構成で説明したが、調理中は第1の記憶手段7に記憶させておき、調理終了後に一括して送信するなど、任意の時点で任意のデータ量を送信しても構わない。
【0056】
また、本実施の形態では、温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間と制御手段5によって制御された加熱手段2のオン・オフ情報を第2の通信手段8aを介してパーソナルコンピュータ9に送信する構成で説明したが、調理シーケンスの変更を行う際の判断材料になる情報であれば、他の情報でも構わない。
【0057】
また、本実施の形態では、第2の通信手段8aの接続先をパーソナルコンピュータ9として説明したが、データ通信機能を持ち、受信した情報を閲覧可能なものであれば任意のものを接続先として使用できる。また、第2の通信手段8aとパーソナルコンピュータ9との間の通信は有線または無線などの物理的形式、通信規格などの通信方式については任意のものが使用可能である。
【0058】
(実施の形態6)
図11は、本発明の第6の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0059】
図11に示すように、情報端末10aは調理シーケンスの変更を行うことが可能なインタフェースを持つ情報端末である。第3の通信手段11は情報端末10aによって変更された調理シーケンスを受信し、受信した変更後の調理シーケンスを制御手段5に送信して、制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを第3の通信手段11より受信した変更後の調理シーケンスに書き換える。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
上記構成において図2のフローチャートを参照しながら動作を説明する。図2のステップ25では、ユーザはステップ24で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、情報端末10aのインタフェースを利用して調理シーケンスの変更を行い、変更後の調理シーケンスは第3の通信手段11を介して制御手段5に送信され、制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを第3の通信手段11より受信した変更後の調理シーケンスに書き換える。他のステップでの動作は上記実施の形態1と同じである。
【0061】
以上のように、本実施の形態においては、シーケンス変更手段を調理シーケンスの変更を行うことが可能なインタフェースを持つ情報端末10aにすることにより、情報端末10aのインタフェースを利用して調理シーケンスの変更を行うことが可能となり、炊飯器本体の大きさやコストなどの制約を受ける炊飯器本体のシーケンス変更手段によりシーケンス変更を行う場合と比較して、容易にシーケンス変更を行うことができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、情報端末10aのインタフェースを利用して調理シーケンスの変更を行い、変更後の調理シーケンスを第3の通信手段11を介して制御手段5に送信し、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを制御手段5が受信した変更後の調理シーケンスに書き換えるように説明したが、情報端末10aによるシーケンス変更内容を第3の通信手段11を介して制御手段5に随時送信し、制御手段5が受信したシーケンス変更内容を第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスに随時反映させても構わない。また、第3の通信手段11と情報端末10aとの間の通信は有線または無線などの物理的形式、通信規格などの通信方式については任意のものが使用可能である。
【0063】
(実施の形態7)
図1におけるシーケンス変更手段10は、シーケンスデータの変更による調理シーケンスの変更に加え、変更前の調理シーケンスによる調理結果の食味評価をレベル3とする5段階のパラメータからなるご飯の食味評価指標(つや、粘り、硬さ、甘み、香り)を入力として調理シーケンスの変更を行うことを可能としている。制御手段5は、シーケンス変更手段10によりシーケンスデータを変更することによって調理シーケンスを変更する場合は、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスをシーケンス変更手段10による変更後の調理シーケンスに書き換え、シーケンス変更手段10により食味評価指標のパラメータ値を変更することによって調理シーケンスを変更する場合は、シーケンス変更手段10により入力された食味評価指標のパラメータ値に基づき、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更内容を決定し、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更を行うようにしている。他の構成は上記実施の形態1と同じである。
【0064】
上記構成において図12のフローチャートを参照しながら動作を説明する。ステップ80で炊飯器の使用を開始し、ステップ81に進む。ステップ81では、制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを使用して調理を開始し、ステップ82に進む。ステップ82では、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスと温度検知手段3が検知した調理物の温度と計時手段4が計測した調理中の各工程での経過時間に基づき、制御手段5が加熱手段2を制御して内鍋1を加熱することにより調理を行い、ステップ83に進む。ステップ83では、調理が終了したかをチェックする。ステップ83で調理が終了していない場合はステップ82に戻り、引き続き調理を行う。
【0065】
ステップ83で調理が終了した場合はステップ84に進む。ステップ84では、ユーザはステップ81からステップ83で行われた調理結果を判断材料として、調理シーケンスをどのように変更するかを判断する。ステップ84で調理シーケンスを変更する必要がないと判断した場合はステップ88に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ84で調理シーケンスを変更すると判断した場合はステップ85に進み、ユーザは食味評価指標のパラメータ変更によって調理シーケンスを変更するかを判断する。
【0066】
ステップ85で食味評価指標のパラメータ変更による調理シーケンスの変更を行わないと判断した場合はステップ86に進み、ユーザはステップ84で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、シーケンス変更手段10によりシーケンスデータを変更することによって調理シーケンスの変更を行い、制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスをシーケンス変更手段10による変更後の調理シーケンスに書き換える。つぎにステップ88に進み、炊飯器の使用を終了する。
【0067】
ステップ85で食味評価指標のパラメータ変更による調理シーケンスの変更を行うと判断した場合はステップ87に進み、ユーザはステップ84で判断した調理シーケンスの変更内容に基づき、シーケンス変更手段10により食味評価指標のパラメータ変更を行い、制御手段5はシーケンス変更手段10により入力された食味評価指標のパラメータ値に基づき、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更内容を決定し、第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの変更を行う。つぎにステップ88に進み、炊飯器の使用を終了する。ステップ86またはステップ87で変更された調理シーケンスは、次回以降の使用時のステップ81からステップ83の調理時に使用することができる。
【0068】
以上のように、本実施の形態においては、シーケンス変更手段10を変更前の調理シーケンスによる調理結果の食味評価をレベル3とする5段階のパラメータからなるご飯の食味評価指標を変更することによって調理シーケンスの変更を行うことができるようにすることにより、直感的にわかりやすい食味評価指標で調理シーケンスを変更することが可能となり、炊飯や保温などの調理シーケンスに関する知識をあまり所有していないユーザでも容易に自分の嗜好に合うように調理シーケンスを変更することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、シーケンスデータの変更による調理シーケンスの変更と、食味評価指標のパラメータ変更による調理シーケンスの変更のいずれか1つの方法を選択するようにして説明しているが、一方の変更方法による変更を行った後に、もう一方の変更方法による変更を行っても構わない。
【0070】
また、本実施の形態では、変更前の調理シーケンスによる調理結果の食味評価をレベル3とする5段階のパラメータからなるご飯の食味評価指標を入力として調理シーケンスの変更を行うようにして説明したが、食味評価指標のパラメータの段階数および変更前の調理シーケンスによる調理結果の食味評価のレベルは任意の数値に設計変更可能である。また、シーケンス変更入力に使用する食味評価指標を「つや、粘り、硬さ、甘み、香り」として説明しているが、食味評価に関する他の指標も使用することが可能である。
【0071】
(実施の形態8)
図13は、本発明の第8の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0072】
図13に示すように、外部入出力手段14は、調理シーケンスを記憶可能な外部記憶媒体15に対してデータの書き込みおよび読み込みが可能なもので、外部記憶媒体15と接続可能なものである。書き込み命令入力手段16は外部記憶媒体15へ第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスの書き込みを開始する命令を入力するものである。読み込み命令入力手段17は外部記憶媒体15より外部記憶媒体15に記憶されている調理シーケンスの読み込みを開始する命令を入力するものである。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0073】
上記構成において動作を説明する。なお、外部記憶媒体15への調理シーケンスの書き込みおよび外部記憶媒体15からの調理シーケンスの読み込みに関する動作以外は、上記実施の形態1での動作と同じであるので説明を省略し、外部記憶媒体15への調理シーケンスの書き込みおよび外部記憶媒体15からの調理シーケンスの読み込みに関する動作について、その動作を図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0074】
外部入出力手段14に外部記憶媒体15が接続されるとステップ90で、外部記憶媒体15への調理シーケンスの書き込みおよび外部記憶媒体15からの調理シーケンスの読み込みに関する制御を開始し、ステップ91に進む。ステップ91では、制御手段5は書き込み命令入力手段16または読み込み命令入力手段17による入力が行われたかをチェックする。書き込み命令入力手段16または読み込み命令入力手段17による入力が行われていない場合はステップ91で、書き込み命令入力手段16または読み込み命令入力手段17による入力が行われたかを繰り返しチェックする。
【0075】
書き込み命令入力手段16または読み込み命令入力手段17による入力が行われた場合はステップ92に進み、ステップ92では、制御手段5はステップ91での入力が書き込み命令入力手段16による入力であるかをチェックし、入力が書き込み命令入力手段16による入力ではなかった場合はステップ93に進む。ステップ93では、制御手段5は外部入出力手段14に対して外部記憶媒体15より調理シーケンスを読み込むように命令し、外部入出力手段14は外部記憶媒体15より読み込んだ調理シーケンスを制御手段5に送信し、制御手段5は受信した調理シーケンスを第1の記憶手段7に記憶させる。つぎに、ステップ95に進み、外部記憶媒体15への調理シーケンスの書き込みおよび外部記憶媒体15からの調理シーケンスの読み込みに関する制御を終了する。ステップ93で外部記憶媒体15から読み込まれ、第1の記憶手段7に記憶された調理シーケンスは、次回以降の調理時に使用できる。
【0076】
ステップ92のチェックで、ステップ91での入力が書き込み命令入力手段16による入力であった場合はステップ94に進み、ステップ94では制御手段5は第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスを取得し、取得した調理シーケンスを外部入出力手段14に送信するとともに、外部入出力手段14に対して調理シーケンスを外部記憶媒体15に書き込むように命令し、外部入出力手段14は制御手段5より受信した調理シーケンスを外部記憶媒体15に書き込む。
【0077】
つぎに、ステップ95に進み、外部記憶媒体15への調理シーケンスの書き込みおよび外部記憶媒体15からの調理シーケンスの読み込みに関する制御を終了する。ステップ94で調理シーケンスを書き込まれた外部記憶媒体15は、本実施の形態に記載の炊飯器と同様の機能を持つ炊飯器に接続することにより、記憶している調理シーケンスを読み込ませることが可能である。
【0078】
以上のように、本実施の形態においては、調理シーケンスを記憶可能な外部記憶媒体15に対してデータの書き込みおよび読み込みが可能な外部入出力手段14を付加し、外部記憶媒体15への調理シーケンスの書き込みおよび外部記憶媒体15からの調理シーケンスの読み込みを可能とすることにより、調理シーケンスを持ち運ぶことが可能となり、ユーザ間での調理シーケンスの共有を可能とすることができる。
【0079】
なお、本実施の形態における第1の記憶手段7に記憶されている調理シーケンスには、シーケンス変更手段10による変更後の炊飯または保温シーケンスも含まれていることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、炊飯または保温などの調理シーケンスを任意に変更することができるため、あらかじめ記憶されている調理シーケンスでの調理結果が自分の嗜好と異なっていた場合でも、自分の嗜好に合うように変更した調理シーケンスで調理を行うことができるので、調理物を入れる内鍋を加熱する加熱手段を制御手段により制御して炊飯または保温を行う炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図
【図2】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態2における炊飯器のブロック図
【図4】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態3における炊飯器のブロック図
【図6】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態4における炊飯器のブロック図
【図8】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態5における炊飯器のブロック図
【図10】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態6における炊飯器のブロック図
【図12】本発明の実施の形態7における炊飯器の動作を示すフローチャート
【図13】本発明の実施の形態8における炊飯器のブロック図
【図14】同炊飯器の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0082】
1 内鍋
2 加熱手段
3 温度検知手段
4 計時手段
5 制御手段
7 第1の記憶手段
8a 第2の通信手段
10 シーケンス変更手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体内部に収容され調理物を入れる内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内部の調理物の温度を検知する温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶し記憶情報の書き換えが可能な第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている調理シーケンスと前記温度検知手段が検知した前記内鍋内部の調理物の温度と前記計時手段が計測した時間に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、前記制御手段が使用する調理シーケンスの変更を可能とするシーケンス変更手段と、炊飯器外部と情報の通信を行う第2の通信手段とを備え、調理中の少なくとも1つの制御手段の入出力情報を前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信するようにしたことと、前記第1の記憶手段に記憶されている調理シーケンスを前記シーケンス変更手段により変更し、変更した調理シーケンスを次回以降の調理時に使用可能にしたことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
炊飯器本体内部に収容され調理物を入れる内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内部の調理物の温度を検知する温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶する第2の記憶手段と、調理シーケンスの変更を可能とするシーケンス変更手段と、前記シーケンス変更手段によって変更した調理シーケンスを少なくとも1つ記憶する変更シーケンス記憶手段と、前記第2の記憶手段または前記変更シーケンス記憶手段に記憶されている調理シーケンスの中から使用する調理シーケンスを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択した調理シーケンスと前記温度検知手段が検知した前記内鍋内部の調理物の温度と前記計時手段が計測した時間に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、炊飯器外部と情報の通信を行う第2の通信手段とを備え、調理中の少なくとも1つの制御手段の入出力情報を前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信するようにしたことと、前記第2の記憶手段または前記変更シーケンス記憶手段に記憶されている調理シーケンスを前記シーケンス変更手段により変更し、次回以降の調理時に使用可能にしたことを特徴とする炊飯器。
【請求項3】
炊飯器本体内部に収容され調理物を入れる内鍋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内部の調理物の温度を検知する温度検知手段と、時間を計測する計時手段と、炊飯または保温などの調理シーケンスを記憶する第2の記憶手段と、調理シーケンスの変更を可能とするシーケンス変更手段と、前記シーケンス変更手段による調理シーケンスの変更情報を少なくとも1つ記憶する変更情報記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスまたは前記変更情報記憶手段に記憶されている変更情報の中から使用する調理シーケンスまたは変更情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択した調理シーケンスまたは前記選択手段によって選択した変更情報を前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスに反映させた調理シーケンスと前記温度検知手段が検知した前記内鍋内部の調理物の温度と前記計時手段が計測した時間に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、炊飯器外部と情報の通信を行う第2の通信手段とを備え、調理中の少なくとも1つの制御手段の入出力情報を前記第2の通信手段を介して炊飯器外部に送信するようにしたことと、前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスまたは前記変更情報記憶手段に記憶されている変更情報を前記第2の記憶手段に記憶されている調理シーケンスに反映させた調理シーケンスを前記シーケンス変更手段により変更し、次回以降の調理時に使用可能にしたことを特徴とする炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−307415(P2007−307415A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222412(P2007−222412)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【分割の表示】特願2003−380891(P2003−380891)の分割
【原出願日】平成15年11月11日(2003.11.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】