説明

炭化水素又はヒドロフルオロカーボンにより発泡されたASTME−84クラスI硬質ポリウレタン発泡体

本発明は、ポリイソシアネート、芳香族ポリエステルポリオール及びショ糖開始ポリエーテルポリオールを含むポリオール成分並びに塩素含有燃焼調節剤及び臭素含有燃焼調節剤を含む難燃成分を、約160又はそれ以下のイソシアネート指数において、炭化水素又はヒドロフルオロカーボン発泡剤、場合により、水、界面活性剤、顔料、触媒及び充填剤の1種又はそれ以上の存在下に、反応させた反応生成物から形成された硬質ポリウレタン発泡体を提供する。本発明の発泡体は、発泡体の質量に基づいて、少なくとも約3質量%の塩素、約1〜約2質量%の臭素、及び約1質量%未満のリンを含み、ASTM E-84 試験法に従ったClass I 等級を満足しつつ、良好な特性、良好な加工性及び良好な金属への接着性を発揮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ポリウレタンに関し、より詳細には、炭化水素又はヒドロフルオロカーボンにより発泡され、ASTM E-84 のクラスI材料の要求を満足する硬質ポリウレタン発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
長年にわたり、ポリウレタン発泡体を発泡するために使用される主たる発泡剤は、クロロフルオロカーボン(CFC)であった。このような発泡剤は、成層圏オゾン層に脅威を与えると認められた後は、次第に使用されなくなった。CFCが次第に使用されなくなった後、最も一般的に使用されている種類の発泡剤は、水素化クロロフルオロカーボン(HCFC)である。HCFCは、より環境にやさしい発泡剤であると認められているが、これらも、少しではあるがオゾン層破壊能(Ozone Depleting Potential; ODP)を有しており、従って、段階的使用禁止が命令された。
【0003】
金属表面発泡体パネルの製造業者は、これまで、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC-141b)を、ポリウレタン発泡体の発泡剤として選択してきた。冷貯蔵用途(例えば、ウオークイン冷蔵庫)の不連続パネル製造業者、並びに連続建築用パネル製造業者は、HCFC-141b から、認定された代替品、例えばヒドロフルオロカーボン(HFC)、炭化水素(HC)又は二酸化炭素(水とイソシアネートとの反応により発生)に切り替えなけれればならない。そのような発泡体は、Class I 等級燃焼要求を伴うトンネル試験としてしられている、ASTM E-84 ("Standard Test Method for Surface Burning Characteristics of Building Materials") (ASTM International) を満たす必要がある。加えて、発泡体は、良好な加工特性、良好な物理的性質(例えば、低温での寸法安定性)、及び良好な金属基材への接着性を有する必要がある。
【0004】
このような発泡体製造業に可能性がある発泡剤は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)及び炭化水素(例えば、シクロペンタン、ペンタンの異性体)である。HCFC-141bは、それを用いた発泡体の燃焼特性を助長したが、ヒドロフルオロカーボン及び炭化水素は、残念ながら同様の利点を提供しない。典型的に、ポリイソシアヌレート ("PIR") 発泡体(約175より大きいイソシアネート指数)は、そのイソシアヌレート構造の故に良好な燃焼性能を発揮するが、ポリウレタン ("PUR") 発泡体(約175未満のイソシアネート指数)は発揮しない。「イソシアネート指数」は、イソシアネート基の数をイソシアネート反応性基の数で割った商を100倍したものである。製造業者は、不連続パネル及び連続建築用パネルには、PUR発泡体を好む。それは、PUR発泡体が、PIR発泡体に比べ、より良い加工性、より良い性能及びより良い金属への接着性を与えるからである。しかしながら、ASTM E84 Class I 燃焼要求を満足することは、これまで、ヒドロフルオロカーボン及び炭化水素により発泡されたPUR発泡体では、困難であった。加えて、多くの旧来の発泡装置は、イソシアネート対ポリオールの1:1 又は 1.25:1 の固定された容量比においてのみ、稼働する。このことは、特により高い水レベルを処方で使用した場合、装置の使用が事実上PUR系に特定されてしまう。
【0005】
米国特許第6,319,962号(Singh et al.)は、改良された難燃性を有する硬質ポリウレタン又はウレタン改質ポリイソシアヌレート発泡体を開示しており、この発泡体は、イソシアネート、イソシアネート反応性物質、炭化水素/水発泡剤及びハロゲン置換燐化合物を含み、ハロゲンは反応系の合計質量に対して1.4質量%を超えない量で存在し、かつリンは反応系の合計質量に対して約0.3〜約2質量%の範囲の量で存在する組成物から調製される。同米国特許の発泡体は、炭化水素を、イソシアネート指数275〜325において、単独で又はヒドロフルオロカーボンともにを使用する。当業者なら知っているように、より高い指数は、通例、発泡体の表面燃焼特性を改良する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、この技術分野においては、ポリウレタン発泡体の特性であるより良い加工性、特性及び金属に対する接着性を提供するために、燐含量が少なく、より低いイソシアネート指数で反応できる、ヒドロフルオロカーボン又は炭化水素により発泡されたASTM E-84 Class I 硬質ポリウレタン発泡体に対する要求が存在し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、ポリイソシアネート、芳香族ポリエステルポリオール及びショ糖開始ポリエーテルポリオールを約1:1〜約4:1の比で含むポリオール成分、並びに塩素含有燃焼調節剤及び臭素含有燃焼調節剤を含む難燃成分を、炭化水素又はヒドロフルオロカーボン発泡剤、場合により、水、界面活性剤、顔料、触媒及び充填剤の1種又はそれ以上の存在下に、反応させた反応生成物を含んでなり、発泡体の質量に基づいて、少なくとも約3質量%の塩素、約1〜約2質量%の臭素、及び約1質量%未満のリンを含む、硬質ポリウレタン発泡体を提供する。ポリオール成分は、良好な特性、良好な加工性及び良好な金属への接着性を示し、かつASTM E-84 試験法に従ったClass I 燃焼要求を満足する硬質ポリウレタン発泡体を形成するように、約160又はそれ以下のイソシアネート指数において、ポリイソシアネートと反応させる。
【0008】
本発明のこれら及び他の利点及び利益は、以下の発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を、説明の目的で記述するが、限定する目的はない。実施例中又は他の指示がある場合を除き、明細書における量、割合などを表す数値は全て、いかなる場合にも「約」により修飾されているものと解すべきである。
【0010】
本発明は、
少なくとも1種のポリイソシアネート;
芳香族ポリエステルポリオール及びショ糖開始ポリエーテルポリオールを約1:1〜約4:1の比で含むポリオール成分;並びに
塩素含有燃焼調節剤及び臭素含有燃焼調節剤を含む難燃成分
を、約160又はそれ以下のイソシアネート指数において、
炭化水素又はヒドロフルオロカーボン発泡剤、
場合により、水、界面活性剤、顔料、触媒及び充填剤の1種又はそれ以上
の存在下に、反応させた反応生成物を含んでなる硬質ポリウレタン発泡体であって、
発泡体は、ASTM E-84 試験法に従ったClass I 等級を満足し、発泡体の質量に基づいて、少なくとも約3質量%の塩素、約1〜約2質量%の臭素、及び約1質量%未満のリンを含む、硬質ポリウレタン発泡体を提供する。
【0011】
更に本発明は、
少なくとも1種のポリイソシアネート;
芳香族ポリエステルポリオール及びショ糖開始ポリエーテルポリオールを約1:1〜約4:1の比で含むポリオール成分;並びに
塩素含有燃焼調節剤及び臭素含有燃焼調節剤を含む難燃成分
を、約160又はそれ以下のイソシアネート指数において、
炭化水素又はヒドロフルオロカーボン発泡剤、
場合により、水、界面活性剤、顔料、触媒及び充填剤の1種又はそれ以上
の存在下に、反応させることを含んでなる、硬質ポリウレタン発泡体の製造方法であって、
発泡体は、ASTM E-84 試験法に従ったClass I 等級を満足し、発泡体の質量に基づいて、少なくとも約3質量%の塩素、約1〜約2質量%の臭素、及び約1質量%未満のリンを含む、製造方法を提供する。
【0012】
本発明の硬質ポリウレタン発泡体は、ポリオール成分を少なくとも1種の有機ポリイソシアネートと反応させることにより、調製される。適当なポリイソシアネートは、当業者には知られており、未変性ポリイソシアネート、変性ポリイソシアネート、及びイソシアネートプレポリマーを包含する。そのような有機ポリイソシアネートには、例えば、W. Siefken著、Justus Liebigs Annalen der Chemie, 562, 75-136頁に記載されているような種類の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環式ポリイソシアネートが包含される。そのようなイソシアネートの例には、式:
【化1】

[式中、n は2〜5、好ましくは2〜3の数であり、Qは、2〜18個、好ましくは6〜10個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基;4〜15個、好ましくは5-10個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基;7〜34個、好ましくは7〜20個の炭素原子を有する芳香脂肪族炭化水素基 ;又は6〜15個、好ましくは6〜13個の芳香族炭化水素基である。]
で示されるイソシアネートを包含する。
【0013】
適当なイソシアネートの例には、下記の化合物が包含される:エチレンジイソシアネート;1,4-テトラメチレンジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;1,12-ドデカンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-及び-1,4-ジイソシアネート並びにこれら異性体の混合物;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン (イソホロンジイソシアネート;例えば、ドイツ公告特許1,202,785 及び米国特許第3,401,190号);2,4-及び2,6-ヘキサ-ヒドロトルエンジイソシアネート並びにこれら異性体の混合物;ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI);1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート;2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート並びにこれら異性体の混合物(TDI);ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI);ナフチレン-1,5-ジイソシアネート;トリフェニルメタン-4,4',4"-トリイソシアネート;例えばGB 878,430 及び GB 848,671に記載されている、アニリンとホルムアルデヒドを縮合し、続いてホスゲン化して得られる種類のポリフェニルポリメチレン-ポリイソシアネート (粗MDI) ;米国特許第3,492,330号に記載されているような、ノルボルナンジイソシアネート;米国特許第3,454,606号に記載されているような種類のm-及びp-イソシアナトフェニルスルホニル-イソシアネート;例えば米国特許第3,227,138号に記載されているような種類のパー塩素化アリールポリイソシアネート;米国特許第3,152,162号に記載されているような種類のカルボジイミド基含有変性ポリイソシアネート;例えば米国特許第3,394,164号及び同第3,644,457号に記載されているような種類のウレタン基含有変性ポリイソシアネート;例えばGB 994,890、BE 761,616及びNL 7,102,524に記載されているような種類のアロファネート基含有変性ポリイソシアネート;例えば米国特許第3,002,973号、ドイツ特許1,022,789、1,222,067及び1,027,394並びにドイツ特許公開1,919,034及び2,004,048に記載されているような種類のイソシアヌレート基含有変性ポリイソシアネート;ドイツ特許1,230,778に記載されているような種類の尿素基含有変性ポリイソシアネート;例えばドイツ特許1,101,394、米国特許第3,124,605号及び同第3,201,372号並びにGB 889,050に記載されているような種類のビウレット基含有ポリイソシアネート;例えば米国特許第3,654,106号に記載されているような種類のテロマー化反応により得られるポリイソシアネート;例えばGB 965,474及びGB 1,072,956、米国特許第3,567,763号並びにドイツ特許1,231,688に記載されているような種類のエステル基含有ポリイソシアネート;ドイツ特許1,072,385に記載されているような上記イソシアネートとアセタールとの反応生成物;及び米国特許第3,455,883号に記載されているような種類のポリマー脂肪酸基含有ポリイソシアネート。また、商業的規模でのイソシアネートの製造時に蓄積し、場合により上記ポリイソシアネートの1種又はそれ以上中の溶液である、イソシアネート-含有蒸留残渣を使用することもできる。当業者なら、上記ポリイソシアネートの混合物を使用することも可能であることを認識するであろう。本発明の発泡体に含めるのに特に好ましいイソシアネートは、重合体MDI (PMDI)、又はPMDIのプレポリマーである。
【0014】
他のイソシアネート末端プレポリマーを、本発明の発泡体の製造時に使用することもできる。プレポリマーは、過剰の有機ポリイソシアネート又はそれらの混合物を、Kohler, Journal of the American Chemical Society, 49, 3181(1927) に記載されている周知のツェレビチノフ試験により決定される活性水素含有化合物の少量と反応させることにより調製することができる。このような化合物及びそれらの製造方法は、当業者にはよく知られている。1種の特定の活性水素化合物を使用することが重要なのではなく、どのような活性水素化合物も本発明を実施する場合に使用することができる。
【0015】
この分野では、ポリエステルポリオールが、発泡体に良好な燃焼性能を付与することも知られており、典型的には、ポリイソシアヌレート (PIR) 発泡体中で使用される。ポリウレタン (PUR) 発泡体中では、そのようなポリオールは、主としてポリマー特性に対するその軟化効果の故に、高官能性ポリエーテルポリオールと共に、ごく少量でのみ通常使用される。本発明者らは、驚くべきことに、ポリエステルポリオールを非常に高濃度 (すなわち、4:1までのポリエステル:ポリエーテルポリオール比)で上首尾に使用でき、しかも、発泡体を従来の発泡装置で加工できるように、1:0.9〜1:1.3、より好ましくは 1:1〜1:1.25、最も好ましくは 1:1 のポリオール対イソシアネート容量比において、良好な性質を有する発泡体が得られることを見出した。
【0016】
適当な芳香族ポリエステルポリオールには、ポリカルボン酸及び/又はその誘導体又は無水物を多価アルコールと反応させることにより調製されるものが包含され、ここで、これら反応体の少なくとも1種は、芳香族である。ポリカルボン酸は、既知の脂肪族、脂環式、芳香族、及び/又は複素環式ポリカルボン酸のいずれでもよく、(例えばハロゲン原子で)置換されていても、または置換されていなくてもよい。適当なポリカルボン酸及び無水物の例には、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、並びに二量体及び三量体脂肪酸(例えば、単量体脂肪酸との混合物であってよいオレイン酸などの二量体及び三量体脂肪酸)を包含する。ポリカルボン酸の単純エステル、例えばテレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ビスグリコール及びその抽出物を使用することもできる。
【0017】
適当な芳香族ポリカルボン酸誘導体は、ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びトリメリット酸のジメチル又はジエチルエステルである。適当な芳香族酸無水物の例は、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物及びピロメリット酸無水物である。
【0018】
ポリエステルポリオールの調製に適した多価アルコールは、脂肪族、脂環式、芳香族、及び/又は複素環式アルコールである。多価アルコールは、場合により、反応に対して不活性である置換基、例えば塩素及び臭素置換基を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。適当なアミノアルコール、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどを使用することもできる。適当な多価アルコールの例には、エチレングルコール、プロピレングルコール、ポリオキシアルキレングリコール (例えば、ジエチレングルコール、ポリエチレングルコール、ジプロピレングリコール及びポリプロピレングリコール)、グリセロール及びトリメチロールプロパンが包含される。適当な芳香族多価アルコールの例は、1,4ベンゼンジオール、ヒドロキノンジ(2-ヒドロキシエチル)エーテル、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート及びレゾルシノールである。
【0019】
多くの供給業者(例えば、Stepan、INVISTA、OXIDなど)から得られる多数のポリエステルポリオールがある。
【0020】
本発明の発泡体で使用されるショ糖系ポリオールは、好ましくは、ショ糖及び所望により他の開始剤(水を用い、又は用いない)を、塩基触媒の存在下に、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと反応させることにより、調製される。生成物は、塩基触媒を中和するために酸により処理され得、生成した塩は、所望により生成物から除去され得る。適当なショ糖系ポリオールの製造方法を開示している米国特許第4,430,490号は、その全体を参照して本明細書に組み込む。例えばイツ公告特許1,176,358及び1,064,938に記載されているような種類のショ糖ポリエーテルを、本発明に従って使用することもできる。
【0021】
ショ糖系ポリエーテルポリオールは、好ましくは、芳香族ポリエステル対ショ糖系ポリエーテルポリオールの比が1:1〜4:1となるような量で、ポリオール成分中に含まれる。
【0022】
本発明のポリウレタン生成用組成物は、また、高塩素含量の第1燃焼調節剤及び臭素含有第2燃焼調節剤を含む難燃成分を含む。これらの燃焼調節剤は、得られる発泡体が、少なくとも3質量%の塩素、1〜2質量%の臭素及び1質量%未満のリンを含むように、選択される。ここで、すべての質量%は、発泡体の質量に基づく。適当な燃焼調節剤は、AKZO Nobel、Albemarle、Great Lakesなどの供給業者から入手できる。
【0023】
発泡剤は、当業者に既知の炭化水素及び/又はヒドロフルオロカーボンであってよい。好ましい炭化水素及びヒドロフルオロカーボン発泡剤の例には、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン (HFC-245fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン (HFC-365mfc)、1,1,1,2-テトラ-フルオロエタン (HFC-134a)、シクロペンタン、イソペンタン及びこれらの混合物が包含される。
【0024】
イソシアネート及びポリオール成分は、場合により、水、界面活性剤、顔料、触媒及び充填剤の少なくとも1種の存在下に、反応させてもよい。
【0025】
発泡反応混合物が硬くなるまでそれを安定化するために、少量の界面活性剤を用いるのが有利なことがある。シリコーン/エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーを含む、適当な界面活性剤のいずれも、本発明で使用できる。本発明において有用な界面活性剤の例には、GE Silicones、Air Products and Chemicals 及び Goldschmidt Chemical Corporationのような製造業者から入手できる界面活性剤が包含される。他の適当な界面活性剤は、米国特許第4,365,024号及び同第4,529,745号に記載されている。好ましさは劣る他の界面活性剤には、長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、長鎖アルキル酸スルフェートエステルの第3級アミン又はアルカノールアミン塩、アルキルスルホン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸エステルが包含される。そのような界面活性剤は、発泡反応混合物を崩壊や大きくて不均一な気泡の発生に対して安定化するのに十分な量で使用される。界面活性剤は、ポリオール成分中に、ポリオール成分の0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜6質量%の量で、含まれ得る。
【0026】
適当な触媒には、当業者に既知の第3級アミン及び金属化合物が含まれる。適当な第3級アミン触媒には、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン及び高級同族体、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N-メチル-N'-(ジメチル-アミノエチル)ピペラジン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N-ジメチル-ベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、1,3,5-トリス-(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、ジプロピレングリコール中のN-(2-ヒドロキシプロピル)-N-トリメチル-アンモニウムホルメート、ペンタメチルジエチレントリアミン (PMDETA)、N,N,N'-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン及びギ酸のアミン塩、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、単環及び二環アミジン、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルエーテルs (米国特許第3,330,782号)、並びにアミド基 (好ましくはホルムアミド基) を含む第3級アミンが包含される。使用される触媒は、既知の、第2級アミン(例えば、ジメチルアミン)及びアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)又はケトン(例えば、アセトン)及びフェノールのマンニッヒ塩基であってもよい。
【0027】
また、適当な触媒には、ある種のイソシアネート反応性水素原子含有第3級アミンが包含される。そのような触媒の例には、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、これらアミンとアルキレンオキシド (例えば、プロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシド) 並びに第2級-第3級アミンが包含される。
【0028】
他の適当な触媒には、有機金属化合物、特に有機錫、ビスマス及び亜鉛化合物が包含される。適当な有機錫化合物には、硫黄を含む錫化合物(例えば、ジオクチル錫メルカプチド)及び好ましくは、カルボン酸の錫(II)塩(例えば、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、エチルヘキサン酸錫(II)、及びラウリン酸錫(II))、更に、錫(IV)化合物(例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫マレエート及びジオクチル錫ジアセテートが含まれる。適当なビスマス化合物には、ネオデカン酸ビスマス、ベルサト酸ビスマス、及びこの分野で既知の種々のカルボン酸ビスマスが含まれる。適当な亜鉛化合物には、ネオデカン酸亜鉛及びベルサト酸亜鉛が含まれる。2種以上の金属を含む混合金属塩(例えば、亜鉛及びビスマスの両方を含むカルボン酸塩)も、適当な触媒である。上記の触媒のいずれも、混合物として使用することができる。適当な触媒混合物は、米国特許第5,401,824号に記載されている。
【0029】
触媒は、選択された触媒が、使用する発泡剤の選択された量に基づいて所望の反応性プロフィールを達成するような量で、ポリオール成分中に含まれ得る。
【0030】
充填剤及び強化剤も、本発明において使用するのに適している。適当な充填剤及び強化剤は、有機及び無機化合物の両方を包含する。そのような無機化合物には、例えば、繊維、フレーク、カット繊維、マット又は微小球形状のガラスのような化合物;雲母、ワラストナイト;炭素繊維;カーボンブラック;タルク;及び炭酸カルシウムが包含される。適当な有機化合物には、例えば、膨張微小球(これは、既知であり、例えば、米国特許第4,829,094号、同第4,843,104号、同第4,902,722号及び同第5,244,613号に記載されている)が含まれる。また、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、粘土、珪藻土、白亜(重質炭酸カルシウム)、雲母、液晶繊維、アラミド繊維も適する材料である。充填剤は、発泡体の質量に基づいて、5質量%まで、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲の任意の量で、ポリオール成分中に含まれ得る。
【0031】
ポリオール成分とポリイソシアネートとの反応を行う場合、ポリイソシアネートの量は、イソシアネート指数が160以下であるような量とすべきである。ここで、「イソシアネート指数」は、イソシアネート基の数をイソシアネート反応性基の数で割った商を100倍したものである。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を下記実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。「部」及び「%」で示される量は全て、別途記載がない限り、質量基準である。実施例の発泡体を製造するために、以下の物質を使用した。
【0033】
ポリオールA:約315 mgKOH/gのOH価及び約2.3数平均官能価を有するジエチレングリコールテレフタレートポリエステルポリオール;
ポリオールB:約380 mgKOH/gのOH価及び約5.8の数平均官能価を有するショ糖開始ポリエーテルポリオール;
界面活性剤:シリコーン界面活性剤(Goldschmidt AGからTEGOSTAB B-8469 として入手)
燃焼調節剤A:トリス-(1,3-ジクロロイソプロピル)ホスフェート;
燃焼調節剤B:3,4,5,6-テトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコール及びプロピレングリコールとの混合エステル;
触媒A:1,3,5-トリス-(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン;
触媒B:ジプロピレングリコール中のN-(2-ヒドロキシプロピル)-N-トリメチルアンモニウムホルメート;
触媒C:ペンタメチルジエチレントリアミン (PMDETA);
触媒D:N,N,N'-トリメチルアミノエチルエタノールアミン;
発泡剤A:1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン (HFC-245fa);
発泡剤B:シクロヘキサンとイソペンタンとの70/30混合物;
イソシアネート:約31.5%のイソシアネート含量及び約3の官能価を有する重合体ジフェニルメタンジイソシアネート (PMDI) 。
【0034】
発泡体は、下記表Iに記載した質量部の成分から製造した。ポリオール及び他の成分をまず合わせ、次いで、イソシアネートと反応させた。コア密度はASTM D 1622に従って、連続気泡/独立気泡含有量はASTM D 6226に従って、熱伝導率はASTM C 518に従って、測定した。結果を下記表Iに示す。















【0035】
【表I】

【0036】
実施例1の発泡体の寸法安定性を、ASTM D 2126に従って、70℃ 及び100%相対湿度、100℃及び大気相対湿度、並びに-30℃及び大気相対湿度において、1日、7日及び28日間、測定した。結果を下記表IIに示す。
【0037】
【表II】

【0038】
5%及び10%での圧縮強度をASTM D 1621に従って測定し、表IIIにまとめて示す。




【0039】
【表III】

【0040】
本発明の発泡体それぞれの性能を、ASTM E-84により評価した。ASTM E-84では、0〜25の火炎拡散指数がClass I であり、26〜75がClass II であり、76〜225がClass III である。このE-84 試験では、これらクラスのそれぞれについて、450未満の発煙限界が求められる。ASTM E-84 トンネル試験結果を、下記表IVにまとめて示す。表IVを参照して理解されるように、本発明の発泡体は、ASTM E-84 試験において、Class I 等級を達成した。
【0041】
【表IV】

【0042】
本発明者らは、本発明の発泡体が、E-84 Class I 水準の燃焼特性を必要とするあらゆる用途、例えば建築物パネル、ウオークイン冷蔵庫及び冷凍倉庫に使用できると考える。
【0043】
本発明の上記の実施例は、説明の目的で提供されたのであり、限定する意図はない。本明細書に記載された形態が、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、種々の方法で変更又は改変することができることは、当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のポリイソシアネート;
芳香族ポリエステルポリオール及びショ糖開始ポリエーテルポリオールを約1:1〜約4:1の比で含むポリオール成分;並びに
塩素含有燃焼調節剤及び臭素含有燃焼調節剤を含む難燃成分
を、約160又はそれ以下のイソシアネート指数において、
炭化水素又はヒドロフルオロカーボン発泡剤、
場合により、水、界面活性剤、顔料、触媒及び充填剤の1種又はそれ以上
の存在下に、反応させた反応生成物を含んでなる硬質ポリウレタン発泡体であって、
発泡体は、ASTM E-84 試験法に従ったClass I 等級を満足し、発泡体の質量に基づいて、少なくとも約3質量%の塩素、約1〜約2質量%の臭素、及び約1質量%未満のリンを含む、硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項2】
少なくとも1種のポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-及び -1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン (イソホロンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI)、重合体ジフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4',4"-トリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレン-ポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-及びp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、パー塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、ウレア変性ポリイソシアネート、ビウレット変性ポリイソシアネート及びイソシアネート末端化プレポリマーから選択される、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項3】
発泡剤は、1,1,1,3,3 -ペンタフルオロプロパン (HFC-245fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン (HFC-365mfc)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン (HFC-134a)、シクロペンタン、イソペンタン及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項4】
芳香族ポリエステルポリオールは、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、フタル酸のジメチル又はジエチルエステル、イソフタル酸のジメチル又はジエチルエステル、テレフタル酸のジメチル又はジエチルエステル、トリメリット酸のジメチル又はジエチルエステル、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物 及びピロメリット酸無水物の1つに基づく、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項5】
芳香族ポリエステルポリオールは、1,4-ベンゼンジオール、1,3-ベンゼンジオール (レゾルシノール)、ヒドロキノンジ(2-ヒドロキシエチル)エーテル及びビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートの1つに基づく、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項6】
充填剤は、雲母、ワラストナイト、炭素繊維、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、粘土、珪藻土、白亜(重質炭酸カルシウム)、液晶繊維、アラミド繊維、及び繊維、フレーク、カット繊維、マット又は微小球の形状のガラスから選択される、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項7】
触媒は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N-メチル-N'-(ジメチルアミノエチル)ピペラジン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジエチル-ベンジルアミン、ビス(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、1,3,5-トリス-(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、ジプロピレングリコール中のN-(2-ヒドロキシプロピル)-N-トリメチルアンモニウムホルメート、ペンタメチルジエチレントリアミン (PMDETA)、N,N,N'-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン及びギ酸のアミン塩、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、単環及び二環アミジン、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルエーテル、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、ジオクチル錫メルカプチド、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、エチルヘキサン酸錫(II)、ラウリン酸錫(II)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫マレエート、及びジオクチル錫ジアセテート、ネオデカン酸ビスマス、ベルサト酸ビスマス、カルボン酸ビスマス、ネオデカン酸亜鉛ベルサト酸亜鉛並びに亜鉛及びビスマスを含むカルボン酸塩から選択される1種又はそれ以上を含む請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項8】
ポリオール成分は、約1:0.9〜約1:1.3のポリオール対イソシアネート容量比でポリイソシアネートと反応させる、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項9】
ポリオール成分は、約1:1〜約1:1.25のポリオール対イソシアネート容量比でポリイソシアネートと反応させる、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項10】
ポリオール成分は、約1:1のポリオール対イソシアネート容量比でポリイソシアネートと反応させる、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項11】
塩素含有燃焼調節剤は、トリス−(1,3-ジクロロイソプロピル)ホスフェートである、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項12】
臭素含有燃焼調節剤は、3,4,5,6-テトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコール及びプロピレングリコールとの混合エステルである、請求項1に記載の硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項13】
少なくとも1種のポリイソシアネート;
芳香族ポリエステルポリオール及びショ糖開始ポリエーテルポリオールを約1:1〜約4:1の比で含むポリオール成分;並びに
塩素含有燃焼調節剤及び臭素含有燃焼調節剤を含む難燃成分
を、約160又はそれ以下のイソシアネート指数において、
炭化水素又はヒドロフルオロカーボン発泡剤、
場合により、水、界面活性剤、顔料、触媒及び充填剤の1種又はそれ以上
の存在下に、反応させることを含んでなる、硬質ポリウレタン発泡体の製造方法であって、
発泡体は、ASTM E-84 試験法に従ったClass I 等級を満足し、発泡体の質量に基づいて、少なくとも約3質量%の塩素、約1〜約2質量%の臭素、及び約1質量%未満のリンを含む、製造方法。
【請求項14】
少なくとも1種のポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-及び -1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン (イソホロンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI)、重合体ジフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4',4"-トリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレン-ポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-及びp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、パー塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、ウレア変性ポリイソシアネート、ビウレット変性ポリイソシアネート及びイソシアネート末端化プレポリマーから選択される、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
発泡剤は、1,1,1,3,3 -ペンタフルオロプロパン (HFC-245fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン (HFC-365mfc)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン (HFC-134a)、シクロペンタン、イソペンタン及びこれらの混合物から選択される、請求項13に記載の製造方法。
【請求項16】
芳香族ポリエステルポリオールは、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、フタル酸のジメチル又はジエチルエステル、イソフタル酸のジメチル又はジエチルエステル、テレフタル酸のジメチル又はジエチルエステル、トリメリット酸のジメチル又はジエチルエステル、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物 及びピロメリット酸無水物の1つに基づく、請求項13に記載の製造方法。
【請求項17】
芳香族ポリエステルポリオールは、1,4-ベンゼンジオール、1,3-ベンゼンジオール (レゾルシノール)、ヒドロキノンジ(2-ヒドロキシエチル)エーテル及びビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートの1つに基づく、請求項13に記載の製造方法。
【請求項18】
充填剤は、雲母、ワラストナイト、炭素繊維、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、粘土、珪藻土、白亜(重質炭酸カルシウム)、液晶繊維、アラミド繊維、及び繊維、フレーク、カット繊維、マット又は微小球の形状のガラスから選択される、請求項13に記載の製造方法。
【請求項19】
触媒は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N-メチル-N'-(ジメチルアミノエチル)ピペラジン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジエチル-ベンジルアミン、ビス(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、1,3,5-トリス-(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、ジプロピレングリコール中のN-(2-ヒドロキシプロピル)-N-トリメチルアンモニウムホルメート、ペンタメチルジエチレントリアミン (PMDETA)、N,N,N'-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン及びギ酸のアミン塩、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、単環及び二環アミジン、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルエーテル、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、ジオクチル錫メルカプチド、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、エチルヘキサン酸錫(II)、ラウリン酸錫(II)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫マレエート、及びジオクチル錫ジアセテート、ネオデカン酸ビスマス、ベルサト酸ビスマス、カルボン酸ビスマス、ネオデカン酸亜鉛ベルサト酸亜鉛並びに亜鉛及びビスマスを含むカルボン酸塩から選択される1種又はそれ以上を含む請求項13に記載の製造方法。
【請求項20】
ポリオール成分は、約1:0.9〜約1:1.3のポリオール対イソシアネート容量比でポリイソシアネートと反応させる、請求項13に記載の製造方法。
【請求項21】
ポリオール成分は、約1:1〜約1:1.25のポリオール対イソシアネート容量比でポリイソシアネートと反応させる、請求項13に記載の製造方法。
【請求項22】
ポリオール成分は、約1:1のポリオール対イソシアネート容量比でポリイソシアネートと反応させる、請求項13に記載の製造方法。
【請求項23】
塩素含有燃焼調節剤は、トリス−(1,3-ジクロロイソプロピル)ホスフェートである、請求項13に記載の製造方法。
【請求項24】
臭素含有燃焼調節剤は、3,4,5,6-テトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコール及びプロピレングリコールとの混合エステルである、請求項13に記載の製造方法。

【公表番号】特表2008−540767(P2008−540767A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511232(P2008−511232)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/017705
【国際公開番号】WO2006/124364
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】