説明

無停電電源装置監視システム、無停電電源装置監視方法及び無停電電源装置監視プログラム

【課題】無停電電源装置の異常を効率よく管理して通知することができる無停電電源装置監視システム、無停電電源装置監視方法及び無停電電源装置監視プログラムを提供する。
【解決手段】複数の機器(10−1,…,10−n)に接続されているUPS10は、ネットワークを介して、UPSコントローラ15及びネットワーク監視サーバ20に接続されている。UPS10は、障害が発生した場合、UPSコントローラ15にログ記録処理を実行させ、ネットワーク監視サーバ20にメール送信処理を実行し、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、運用区の担当者へのメール送信処理を実行する。ネットワーク監視サーバ20は、定期的に死活監視処理を実行し、UPS10から応答がない場合には、運用区の担当者へのメール送信処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無停電電源装置を監視するための無停電電源装置監視システム、無停電電源装置監視方法及び無停電電源装置監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークに接続された複数の機器の障害を監視し、異常を検出した際に、機器の担当者に異常を通知するための機器監視装置が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の機器監視装置は、通信ネットワークを介して機器の状態を表わす情報を受信する手段と、情報を通知するための通知手段を特定する手段を備える。更に、この機器監視装置は、特定した通知手段に基づきメッセージテンプレートを取得してメッセージを作成する手段と、作成したメッセージを特定した通知手段に基づき変換し、担当者の利用端末に通知する手段とを備えている。
【特許文献1】特開2002−290595号公報(第1頁及び図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、無停電電源装置(UPS)は、停電等の異常時にしか利用されない。従って、日常的にUPSを監視していないことが多く、UPS自身に異常があったとしても気がつかないことがある。また、UPSは、停電時においても停止することができないコンピュータシステム等に接続されており、多様な場所に設置されている。このため、電源において問題があったときにも、どのUPSに障害が発生しているかについて特定が困難な場合が多い。
【0004】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、無停電電源装置の異常を効率よく管理して通知することができる無停電電源装置監視システム、無停電電源装置監視方法及び無停電電源装置監視プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、主電源からの電源供給が停止された場合に機器に電力を供給する電力供給手段と、障害発生時に障害発生通知を送信し、稼動確認要求に対して応答を返信する通信手段とを備えた無停電電源装置と、無停電電源装置の管理を行なう担当者のメールアドレスを記憶した通知先記憶手段と、無停電電源装置からの障害発生通知を受信する障害発生受信手段を有する監視サーバとを備えた無停電電源監視システムであって、前記監視サーバは、前記無停電電源装置に対して稼動確認要求を送信し、前記無停電電源装置からの応答の有無により死活状態を判定する死活監視手段と、無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合に、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知し、更に、前記死活監視手段において前記無停電電源装置からの応答がない場合にも、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知する通知手段とを備えたことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無停電電源装置監視システムにおいて、前記監視サーバは、機器と、これに電力を供給する無停電電源装置との接続関係に関する電力系統図を記憶した接続関係データ記憶手段に接続されており、前記監視サーバは、前記機器における異常発生の有無についての監視を行なう機器監視手段と、無停電電源装置から前記障害発生通知を受信した場合又は前記稼動確認要求に対する応答がない場合に、こ
の無停電電源装置が電力を供給する機器に関する異常の有無についてのデータを取得し、前記無停電電源装置の異常の有無及び機器の異常の有無から、点検指示箇所を特定する異常発生箇所特定手段とを更に備え、前記通知手段は、特定した点検指示を含む通知を行なうことを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の無停電電源装置監視システムにおいて、前記無停電電源装置は、電力供給先機器に接続された電力線を利用して通信を行なう電力線搬送通信手段を備えており、前記監視サーバは、前記電力線搬送通信手段を用いて電力供給先機器から、この電力供給先機器の識別情報を取得した無停電電源装置から、この無停電電源装置の識別情報と前記電力供給先機器の識別情報とを受信する手段と、前記無停電電源装置の識別情報と、前記電力供給先機器の識別情報とを関連付けて前記電力系統図を作成する手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無停電電源装置監視システムにおいて、前記無停電電源装置は、障害発生に関するログを蓄積するログ蓄積手段に接続されており、前記監視サーバは、前記担当者が用いるクライアント端末に接続されており、前記無停電電源装置は、障害発生を検知した場合、この障害発生に関するデータを前記ログ蓄積手段に登録し、前記監視サーバは、前記クライアント端末から無停電電源装置についてのログ取得指示を受信した場合には、この無停電電源装置の障害発生に関するログを前記ログ蓄積手段から取得することを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、主電源からの電源供給が停止された場合に機器に電力を供給する電力供給手段と、障害発生時に障害発生通知を送信し、稼動確認要求に対して応答を返信する通信手段とを備えた無停電電源装置と、無停電電源装置の管理を行なう担当者のメールアドレスを記憶した通知先記憶手段と、無停電電源装置からの障害発生通知を受信する障害発生受信手段を有する監視サーバとを備えたシステムにおける無停電電源監視方法であって、前記監視サーバが、前記無停電電源装置に対して稼動確認要求を送信し、前記無停電電源装置からの応答の有無により死活状態を判定する死活監視段階と、無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合に、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知し、更に、前記死活監視段階において前記無停電電源装置からの応答がない場合にも、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知する通知段階とを実行することを要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、主電源からの電源供給が停止された場合に機器に電力を供給する電力供給手段と、障害発生時に障害発生通知を送信し、稼動確認要求に対して応答を返信する通信手段とを備えた無停電電源装置と、無停電電源装置の管理を行なう担当者のメールアドレスを記憶した通知先記憶手段と、無停電電源装置からの障害発生通知を受信する障害発生受信手段を有する監視サーバとを備えたシステムを用いた無停電電源監視プログラムであって、前記監視サーバを、前記無停電電源装置に対して稼動確認要求を送信し、前記無停電電源装置からの応答の有無により死活状態を判定する死活監視手段、及び無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合に、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知し、更に、前記死活監視手段において前記無停電電源装置からの応答がない場合にも、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知する通知手段として機能させることを要旨とする。
【0011】
(作用)
本発明によれば、監視サーバは、無停電電源装置に対して稼動確認要求を送信し、無停電電源装置からの応答の有無により死活状態を判定する。監視サーバは、無停電電源装置
から障害発生通知を受信した場合に、通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知し、更に、死活監視手段において無停電電源装置からの応答がない場合にも、通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知する。このため、無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合だけでなく、死活監視により無停電電源装置から応答がない場合にも、監視サーバは、担当者に無停電電源装置の異常を通知することができる。従って、監視サーバは、無停電電源装置における異常を一括して効率よく管理することができる。
【0012】
本発明によれば、監視サーバは、機器における異常発生の有無についての監視も行なう。監視サーバは、無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合又は稼動確認要求に対する応答がない場合に、この無停電電源装置が電力を供給する機器に関する異常の有無についてのデータを取得し、無停電電源装置の異常の有無及び機器の異常の有無から、点検指示箇所を特定する。監視サーバは、特定した点検指示を含む通知を行なう。このため、担当者は、点検指示箇所を把握することができるため、効率よく保守点検を行なうことができる。
【0013】
本発明によれば、監視サーバは、電力線搬送通信を用いて電力供給先機器からこの機器の識別情報を取得した無停電電源装置から、この無停電電源装置の識別情報とこの機器の識別情報とを受信する。監視サーバは、無停電電源装置の識別情報と、これとともに受信した機器の識別情報とを関連付けて電力系統図を作成する。このため、監視サーバは、無停電電源装置から受信した無停電電源装置の識別情報と機器の識別子とを受信すると、電力系統図が自動的に作成されるので、効率よく電力系統図を作成することができる。
【0014】
本発明によれば、無停電電源装置は、障害発生を検知した場合、この障害発生に関するデータをログ蓄積手段に登録する。監視サーバは、クライアント端末から無停電電源装置についてのログ取得指示を受信した場合には、この無停電電源装置の障害発生に関するログをログ蓄積手段から取得する。このため、担当者は、障害発生に関するログを閲覧しながら、効率よく保守点検を行なうことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、監視サーバは、無停電電源装置における異常を効率よく管理して通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態においては、図1に示すように、複数の無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply;UPS10)と、これらUPS10の障害発生や死活を監視するネットワーク監視サーバ20とから構成されるUPS監視システムについて説明する。なお、本実施形態では、UPS10から障害発生通知があった場合と、死活監視によりUPS10からの応答がなかった動作停止状態の場合とを含めて、UPS10に異常が発生した場合とする。
【0017】
本実施形態の監視対象であるUPS10は、ネットワークを介して、UPS10のログ監視を行なうログ蓄積手段としてのUPSコントローラ15、メールサーバ18及びネットワーク監視サーバ20に接続されている。
【0018】
各UPS10は、複数の機器(10−1,…,10−n)に接続されている。UPS10は、これら機器(10−1,…,10−n)への主電源からの電力供給が停止した場合に、一時的に電力を供給する装置である。
【0019】
このUPS10は、電力供給手段、障害検知手段、応答手段及び通信手段を備えている
。電力供給手段は、主電源からの電力供給が停止したことを検知して、機器(10−1,…,10−n)に電力を供給する処理を実行する。
【0020】
障害検知手段は、UPS10の内部において障害が発生した場合に、この障害内容を検知する処理を実行する。この場合、障害検知手段は、内蔵する時計の時刻及び障害内容に関するデータを通信手段に供給する。
【0021】
応答手段は、ネットワーク監視サーバ20からの稼動確認要求に対する応答を返す応答処理を実行する。
通信手段は、ネットワークを介してデータの送受信を行なう処理を実行する。このため、通信手段は、IPアドレスを記憶した通信カードを備えている。更に、本実施形態では、この通信手段は、発生した障害に関するログデータをUPSコントローラ15に登録する登録依頼を送信する。また、通信手段は、稼動確認要求を行なったネットワーク監視サーバ20に対して、応答手段から指示された応答データを送信する。更に、通信手段は、発生した障害に関するデータを含む通知メールを、メールサーバ18を介して、ネットワーク監視サーバ20に送信する。このため、通信手段は、ネットワーク監視サーバ20のメールアドレスを記憶している。
【0022】
UPSコントローラ15は、UPSログデータ記憶部16を備えている。UPSコントローラ15は、UPS10から登録依頼を受信すると、UPSログデータ記憶部16に障害に関するログデータを登録する処理を実行する。
【0023】
UPSログデータ記憶部16は、図2(a)に示すように、UPS特定レコード161と、UPS履歴レコード162とを記憶している。UPS特定レコード161は、UPS10に対するIPアドレスが付与されて、登録された場合に記録される。UPS履歴レコード162は、UPS10から登録依頼を受信した場合に記録される。
【0024】
UPS特定レコード161は、UPS識別子、IPアドレス及びステータスに関するデータを含んで構成される。
UPS識別子データ領域には、各UPS10を特定するための識別子に関するデータが記録されている。例えば、このUPS識別子として、型番及び製造番号等を用いることができる。
【0025】
IPアドレスデータ領域には、このUPS10のネットワーク接続手段を特定するためのIPアドレスに関するデータが記録されている。このIPアドレスに基づいて、データを送信したUPS10を特定することができる。
【0026】
ステータスデータ領域には、このUPS10の現在の状況(ステータス)に関するデータが記録されている。このステータス領域には、障害が発生したときには「障害発生中」を示すステータスデータが記録される。また、このステータス領域には、正常動作しているときには「正常動作中」を示すステータスデータが記録される。
【0027】
UPS履歴レコード162は、UPS識別子、障害発生時刻及び障害発生事象に関するデータを含んで構成される。
UPS識別子データ領域には、各UPSを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0028】
障害発生時刻データ領域には、このUPS10において障害が発生した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
障害発生事象データ領域には、発生した障害の内容を特定する障害事象特定フラグに関
するデータが記録される。
【0029】
一方、図1のネットワークに接続されるメールサーバ18は、メールアドレスを管理し、電子メールの送受信を制御する公知のサーバシステムである。本実施形態では、障害が発生したUPS10は、このメールサーバ18を介してネットワーク監視サーバ20に通知を送信する。また、ネットワーク監視サーバ20は、このメールサーバ18を介して、UPS10の保守点検を行なう運用区の担当者に対して通知メールを送信する。
【0030】
一方、ネットワーク監視サーバ20は、UPS10について障害発生の監視や死活監視を行なう。このネットワーク監視サーバ20は、運用区の担当者が用いるクライアント端末(図示せず)に接続されている。ネットワーク監視サーバ20は、UPS10における異常を検知した場合には、担当者のクライアント端末にメールを送信する。更に、ネットワーク監視サーバ20は、クライアント端末からのアクセスに応じて、UPS10のステータスや履歴等の情報をクライアント端末に送信する。
【0031】
具体的には、ネットワーク監視サーバ20は、制御部21と、通知先記憶手段としての担当者データ記憶部22とを備えている。制御部21は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(アラート受信段階、死活監視段階、通知段階、アクセス受入段階、ログ取得段階及び状況表示段階等を含む処理)を行なう。そして、このための無停電電源装置監視プログラムを実行することにより、制御部21は、障害発生受信手段としてのアラート受信手段211、死活監視手段212、通知手段213、アクセス受入手段214、ログ取得手段215及び状況表示手段216等として機能する。
【0032】
アラート受信手段211は、UPS10から障害発生に関するメールを受信する。アラート受信手段211は、各障害事象特定フラグと障害内容とを関連付けた障害内容特定テーブルを記憶している。アラート受信手段211は、障害事象特定フラグに対応する障害内容を特定し、メールの送信を通知手段213に指示する。
【0033】
死活監視手段212は、UPS10の死活を判定するために、ポーリングを行なう。具体的には、UPS10に対して稼動確認要求を送信する。そして、死活監視手段212は、稼動確認要求に対する応答の有無によりUPS10が動作停止状態か否かを判定する。UPS10からの応答がない場合には、死活監視手段212は、UPSに動作停止状態にある旨のメールの送信を通知手段213に指示する。
【0034】
通知手段213は、アラート受信手段211及び死活監視手段212からの指示に応じて、担当者に対してメールを送信する処理を実行する。
アクセス受入手段214は、クライアント端末からのアクセスを受け入れる処理を実行する。この場合、アクセス受入手段214は、クライアント端末から受信したログイン識別子及びパスワードを用いて、担当者であるか否かの認証処理を実行する。
【0035】
ログ取得手段215は、UPSログデータ記憶部16からUPS10のログに関するデータを取得する処理を実行する。
状況表示手段216は、クライアント端末に対して、UPS10に生じた障害履歴や現在の状況を送信するための処理を実行する。
【0036】
担当者データ記憶部22は、図2(b)に示すように、UPS10の管理を行なう担当者に関する担当者レコード220を記憶している。この担当者レコード220は、UPS10を管理する担当者に関するデータが登録された場合に記録される。担当者レコード220は、担当者識別子、ログイン識別子、パスワード、メールアドレス及び担当IPアドレスに関するデータを含んで構成される。
【0037】
担当者識別子データ領域には、各担当者を特定する識別子に関するデータが記録されている。
ログイン識別子データ領域及びパスワードデータ領域には、この担当者のログイン識別子及びパスワードに関するデータが記録されている。これらログイン識別子及びパスワードは、担当者からのアクセスであるか否かの認証処理に用いられる。
【0038】
メールアドレスデータ領域には、この担当者に対して通知を行なう場合のメールアドレスに関するデータが記録されている。
担当IPアドレスデータ領域には、この担当者が保守点検を担当する機器のIPアドレスに関するデータが記録されている。
【0039】
次に、以上のような構成のUPS監視システムにおける処理について、図3及び図4を用いて説明する。
(時刻調整処理)
図3に示すように、UPSコントローラ15は、定期的に、UPS10に対して時刻情報の送信処理を実行する(ステップS1−1)。この場合、UPS10は、時刻同期処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、UPS10は、UPSコントローラ15から受信した時刻情報に一致するように、内蔵する時計の時刻を調整する。
【0040】
(ログ登録処理)
UPS10においては、内部において障害が発生したか否かの障害監視処理を行なう(ステップS2−1)。具体的には、UPS10の障害検知手段は、UPS10内の各部において発せられる障害発生信号を待機する。
【0041】
ここで、UPS10内において障害が発生した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、UPS10は、ログ送信処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、UPS10の障害検知手段は、発生した障害の種別に対応する障害事象特定フラグと、現在の時刻とを含むログ登録通知を生成して、UPSコントローラ15に送信する。このログ登録通知には、このUPS10自身のIPアドレスを含める。
【0042】
ログ登録通知を受信したUPSコントローラ15は、ログ記録処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、UPSコントローラ15は、受信したIPアドレスが記録されたUPS特定レコード161を抽出し、これに含まれるUPS識別子を特定する。更に、UPSコントローラ15は、特定したUPS識別子、障害発生時刻及び障害発生事象を含むUPS履歴レコード162を生成する。この場合、UPSコントローラ15は、受信したログデータの現在時刻をアラート発生時刻データ領域に記録し、障害事象特定フラグを障害発生事象データ領域に記録する。更に、UPSコントローラ15は、UPS特定レコード161のステータス領域に、「障害発生中」を示すステータスデータを記録する。
【0043】
一方、ログ送信処理(ステップS2−3)を実行したUPS10は、ネットワーク監視サーバ20へのメール送信処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、UPS10の障害検知手段は、生成したログデータを含む障害発生メールの送信指示を通信手段に指示する。通信手段は、この障害発生メールの宛先を、ネットワーク監視サーバ20のメールアドレスに設定する。更に、通信手段は、このUPS10自身のIPアドレスに対応する送信元データをメールに含める。そして、通信手段は、生成した障害発生メールを、メールサーバ18を介してネットワーク監視サーバ20に送信する。
【0044】
ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、障害発生メールの受信処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21のアラート受信手段211は、メール受信
サーバを介して障害発生メールを受信する。
【0045】
障害発生メールを受信した場合、制御部21のアラート受信手段211は、障害発生メールに含まれていた障害事象特定フラグに対応する障害の内容を、障害内容特定テーブルを用いて特定する。そして、アラート受信手段211は、通知手段213に、特定した障害内容を含むメール送信の指示を行なう。
【0046】
次に、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、運用区担当者へのメール送信処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の通知手段213は、障害内容と、障害発生メールに含まれるIPアドレスとを含む通知メールを生成する。更に、制御部21は、送信する担当者を特定する。具体的には、制御部21の通知手段213は、担当IPアドレスとして含む担当者レコード220を担当者データ記憶部22から抽出する。そして、通知手段213は、抽出した担当者レコード220に含まれるメールアドレスを、生成した通知メールの宛先として設定する。更に、制御部21の通知手段213は、この通知メールを、メールサーバ18を介して送信する。
【0047】
(死活監視処理)
一方、ネットワーク監視サーバ20は、定期的に死活監視処理を実行する。具体的には、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、定期的に、調査対象の特定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の死活監視手段212は、予め設定された順番に1つのUPS10を調査対象として特定する。
【0048】
次に、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、ポーリング処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の死活監視手段212は、特定したUPS10に対して、ネットワークを介して稼動確認要求を送信する。その後、稼動確認要求を送信したネットワーク監視サーバ20の制御部21は、UPS10から、予め定められた基準時間内に応答があったか否かの判定処理を実行する(ステップS4−3)。
【0049】
ここで、正常に動作しているUPS10は、受信した稼動確認要求に対して応答をネットワーク監視サーバ20に送信する。ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、基準時間内にUPS10から応答を受信する。この場合、制御部21は、応答があったと判定し(ステップS4−3において「YES」の場合)、再びステップS4−1以降の処理を実行する。
【0050】
一方、異常が発生したUPS10は、稼動確認要求に対応して応答を返信できないことがある。この場合、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、予め定めた基準時間が経過してもUPS10から応答を受信しないため、応答がないと判定する。この場合(ステップS4−3において「NO」の場合)、制御部21は、ステップS3−2と同様に、運用区担当者へのメール送信処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の通知手段213は、応答がない旨と、応答がなかったUPS10のIPアドレスとを含む通知メールを生成する。そして、通知手段213は、送信する担当者を特定し、この運用担当者のメールアドレスを宛先とする通知メールを生成する。そして、通知手段213は、この通知メールを、メールサーバ18を介して送信する。
【0051】
(情報提供処理)
担当者は、クライアント端末を用いて、自分のメールアドレスに対して送信されたメールを取得する。そして、通知メールを受信した担当者は、状況を確認するために、クライアント端末をネットワーク監視サーバ20にアクセスする。この場合、クライアント端末は、通知メールに含まれたUPS10のIPアドレスを含む状況確認画面要求をネットワーク監視サーバ20に送信する。
【0052】
ここで、クライアント端末からのアクセスを受信したネットワーク監視サーバ20の制御部21は、状況確認画面要求の受信処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、まず認証処理を実行する。具体的には、制御部21のアクセス受入手段214は、クライアント端末に対してログイン画面データを送信する。クライアント端末は、ログイン識別子及パスワードを入力する入力欄と、送信ボタンとを含むログイン画面を表示する。
【0053】
ここで、担当者は、自分のログイン識別子及パスワードをそれぞれ入力欄に入力し、送信ボタンを選択する。この場合、クライアント端末は、ログイン画面に入力されたログイン識別子及びパスワードをネットワーク監視サーバ20に送信する。
【0054】
ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、受信したログイン識別子及びパスワードに一致する担当者レコード220を担当者データ記憶部22において検索する。制御部21のアクセス受入手段214は、該当する担当者レコード220を抽出できた場合には、認証処理が完了する。
【0055】
次に、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、詳細ログの取得処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21のログ取得手段215は、UPSコントローラ15にログ取得要求を送信する。この場合、ログ取得手段215は、クライアント端末から取得したIPアドレスをログ取得要求に含める。
【0056】
UPSコントローラ15は、ネットワーク監視サーバ20から取得したIPアドレスを含むUPS特定レコード161をUPSログデータ記憶部16から抽出し、これに含まれるステータスデータを特定する。更に、UPSコントローラ15は、このUPS特定レコード161のUPS識別子を含むUPS履歴レコード162をUPSログデータ記憶部16から抽出する。そして、UPSコントローラ15は、取得したUPS履歴レコード162の障害発生時刻及び障害発生事象に関するデータと、UPS特定レコード161のステータスデータとをネットワーク監視サーバ20に送信する。
【0057】
次に、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、状況確認画面の生成処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の状況表示手段216は、取得した障害発生時刻及び障害発生事象に関するデータを時系列に並べた履歴一覧表示と、取得したステータスとを含む状況確認画面データを生成する。
【0058】
そして、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、状況確認画面の送信処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の状況表示手段216は、生成した状況確認画面データをクライアント端末に送信する。クライアント端末は、この状況確認画面データに基づいて状況確認画面を表示する。担当者は、この状況確認画面を閲覧しながら、異常が発生したUPS10について、保守対応要否の判断を行なう。そして、保守対応が必要と判断した場合には、担当者は、UPS10の履歴レコード等を参考にすることもできる。なお、保守対応の結果、UPS10が正常動作を行なえるようになった場合には、担当者は、UPSログデータ記憶部16のUPS特定レコード161のステータスデータ領域を、「正常動作中」を示すステータスデータに変更する処理をクライアント端末を介して実行する。
【0059】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、UPS10において障害が発生した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、UPS10は、ネットワーク監視サーバへのメール送信処理を実行する(ステップS2−5)。ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、運用区担
当者へのメール送信処理を実行する(ステップS3−2)。一方、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、定期的に死活監視処理を実行し、稼動確認要求に対する応答データをUPS10から応答しなかった場合(ステップS4−3において「NO」の場合)、運用区担当者へのメール送信処理を実行する(ステップS4−4)。このため、UPS10から障害発生データを受信した場合だけでなく、死活監視によりUPS10から応答がない場合にも、ネットワーク監視サーバ20は、担当者にUPS10の異常を一括して通知することができる。従って、ネットワーク監視サーバ20は、UPS10における異常を効率よく管理して通知することができる。
【0060】
・ 本実施形態では、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、運用区担当者へのメール送信処理(ステップS3−2)において、障害内容を含むメールを生成して送信する。更に、制御部21は、運用区担当者へのメール送信処理(ステップS4−4)において、応答がない旨の内容を含む通知メールを生成して送信する。このため、担当者は、通知メールからUPS10に発生した異常の概略を把握することができる。
【0061】
・ 本実施形態では、クライアント端末から状況確認画面要求を受信したネットワーク監視サーバ20の制御部21は、取得したUPS10のIPアドレスを含むログ取得要求をUPSコントローラ15に送信して、詳細ログの取得処理を実行する(ステップS5−2)。ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、取得した障害発生時刻及び障害発生事象に関するデータとステータスとを含む状況確認画面データを生成して、クライアント端末に送信する。クライアント端末は、この状況確認画面データに基づいて状況確認画面を表示する。担当者は、障害発生に関するログを閲覧しながら、効率よく保守点検を行なうことができる。
【0062】
・ 本実施形態では、UPSコントローラ15は、定期的に、UPS10に対して時刻情報の送信処理を実行する(ステップS1−1)。この場合、UPS10は、UPSコントローラ15から受信した時刻情報に一致するように、内蔵する時計の時刻を調整する。このため、定期的に時刻調整を行なうので、より正確な時刻を障害発生時刻としてログデータに含めることができる。従って、UPSログデータ記憶部16に記録されたUPS履歴レコード162の障害発生時刻がより正確になるため、障害発生のログ解析をより正確に行なうことができる。
【0063】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、UPS10の異常発生について監視を行なった。これに加えて、ネットワーク監視サーバ20は、監視しているUPS10に接続されている機器(10−1,…,10−n)の異常発生についても監視を合わせて行なってもよい。この場合、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、機器ログデータ記憶部を備える。この機器ログデータ記憶部には、UPSログデータ記憶部16と同様に、機器特定レコード及び機器履歴レコードが記録される。
【0064】
機器特定レコードには、機器(10−1,…,10−n)を特定する機器識別子、IPアドレス及びステータスに関するデータが含まれる。
また、機器履歴レコードには、機器識別子、障害発生時刻及び障害発生事象に関するデータが含まれる。
【0065】
そして、制御部21は、機器(10−1,…,10−n)に発生した障害通知や機器(10−1,…,10−n)のステータスのデータを取得し、機器ログデータ記憶部に記録する。
【0066】
更に、制御部21は、機器(10−1,…,10−n)に対して死活監視を行なう。こ
の場合、制御部21は、上述したUPS10の死活監視処理と同様な処理による死活監視を行なう。
【0067】
ここで、ネットワーク監視サーバ20は、UPSや機器の状態から問題がある部分(異常発生箇所)を特定して、担当者に通知を行なってもよい。例えば、UPS10においては通信を行なう場合に通信カードが通信手段として用いられている。この場合、UPS10に問題がある部分が、この通信カードであるか、又はその他の部分(UPS10の電力供給機能部本体)であるかを特定して通知するようにしてもよい。
【0068】
具体的には、ネットワーク監視サーバ20に、UPS10と、各UPS10が電力を供給している機器との接続関係を表わした電力系統図に関するデータを記憶した接続関係データ記憶手段を設ける。電力系統図は、例えば、図5に示すように、UPSを特定するUPS識別子(図5では「A」のUPS)に対して、このUPSに接続されている機器を特定する機器識別子(図5では「α」及び「β」の機器)が関連付けられている。更に、ネットワーク監視サーバ20にUPS管理データ記憶手段を設ける。このUPS管理データ記憶手段には、各UPS識別子と、UPSに付与したIPアドレスと、UPSのタイプ(バイパス型又は直列型)を示すタイプフラグとを関連付けたUPS管理データを記憶する。ここで、バイパス型のUPSは、UPS10が故障していても、これに接続されている機器には主電源から電力供給が行なわれる。また、直列型のUPSでは、UPS10が故障した場合には、これに接続されている機器に主電源からの電力供給ができなくなる。
【0069】
そして、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、機器監視手段及び異常発生箇所特定手段として機能する。具体的には、この制御部21は、障害発生メールを受信した場合(ステップS3−1)又は死活監視処理においてUPS10から応答がなかった場合(ステップS4−3において「NO」の場合)には、図6に示す異常発生箇所特定処理を実行する。
【0070】
この場合、まず、制御部21は、異常が発生したUPS10がバイパス型であるか否かの判定処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部21は、障害発生メールに含まれるIPアドレス、又は応答がなかったUPS10のIPアドレスを含むUPS特性データをUPS特性データ記憶手段から抽出する。制御部21は、抽出したUPS特性データのタイプフラグからUPS10がバイパス型であるか否かを判定する。
【0071】
ここで、UPS10がバイパス型であった場合(ステップS6−1において「YES」の場合)、制御部21は、通信カード及びUPS本体の点検指示を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部21の通知手段213は、通信カード及びUPS本体の点検を指示する旨を含む通知メールを生成する。
【0072】
一方、UPS10が直列型の場合(ステップS6−1において「NO」の場合)、制御部21は、電力供給先の機器にも異常が発生しているか否かを判定する(ステップS6−3)。この場合、制御部21は、このUPS10に接続されている機器(10−1,…,10−n)を、接続関係データ記憶手段に記録されたデータから特定する。制御部21は、特定した機器の機器識別子の現在のステータスを機器ログデータ記憶部から取得する。そして、この機器のステータスが「障害発生中」の場合には、制御部21は、機器にも異常が発生していると判定する。また、この機器のステータスが「正常動作中」の場合には、制御部21は、この機器のIPアドレスを機器ログデータ記憶部から取得し、このIPアドレスに対して稼動確認要求を送信して、基準時間が経過するまで待機する。この基準時間内に機器から応答を受信しなかった場合には、制御部21は、この機器にも異常が発生していると判定する。この場合(ステップS6−3において「YES」の場合)、制御部21は、UPS本体の点検指示を実行する(ステップS6−4)。
【0073】
一方、基準時間内に機器から応答を受信した場合には、機器には異常が発生していないと判定する。この場合(ステップS6−3において「NO」の場合)、制御部21は、通信カードの点検指示を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21の通知手段213は、通信カードの点検を指示する旨を含む通知メールを生成して送信する。この場合には、ネットワーク監視サーバ20が、UPS10のタイプや機器における異常発生について、点検するべき箇所についての情報を担当者に提供するので、担当者は保守点検を効率よく実行することができる。
【0074】
更に、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、異常が発生したUPS10に接続された機器(10−1,…,10−n)についての情報を通知メールに含めてもよい。具体的には、制御部21は、障害発生メールを受信した場合(ステップS3−1)又は死活監視処理においてUPS10から応答がなかった場合(ステップS4−3において「NO」の場合)には、接続関係データ記憶手段から、このUPS10に関連付けられた機器(10−1,…,10−n)の識別子を取得する。そして、制御部21は、この機器(10−1,…,10−n)の識別子を含めた通知メールを生成する。これにより、担当者は、通知メールに、異常が発生したUPS10に接続されている機器(10−1,…,10−n)を把握することができる。従って、接続されている機器に応じたUPS10の保守点検を効率よく行なうことができる。
【0075】
更に、ネットワーク監視サーバ20は、電力系統図データを、図7に示す電力系統図生成処理により作成してもよい。具体的には、UPS10に、電力供給先機器に対して電力線を利用して通信を行なう電力線搬送通信(Power Line Communication)手段を設け、電力供給先データ収集プログラムを記憶させる。UPS10が設置された場合、UPS10は、この電力供給先データ収集プログラムに基づいて、電力線搬送通信により電力供給先機器の識別情報の要求処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、UPS10は、すべての電力線を介して接続している機器の識別情報の送信要求を送信する。
【0076】
送信要求を受信した機器は、電力線搬送通信により自分の識別情報の提供処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、機器は、自分のIPアドレスをUPS10に送信する。この場合、UPS10は、電力供給先情報を取得する(ステップS7−3)。そして、UPS10は、取得した電力供給先情報の提供処理を実行する(ステップS7−4)。具体的には、UPS10は、取得した機器(10−1,…,10−n)のIPアドレスを、自分のIPアドレスとともに、ネットワーク監視サーバ20に送信する。
【0077】
ネットワーク監視サーバ20は、電力系統図の作成処理を実行する(ステップS7−5)。具体的には、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、取得したUPSのIPアドレスと、機器のIPアドレスとを関連付けて電力系統図データとして電力系統図データ記憶手段に記録する。これにより、UPS10が設置された場合には、設置したUPS10と、これに接続されている機器との電力系統図が自動的に作成されるので、電力系統図を効率よく作成することができる。
【0078】
○ 上記実施形態においては、障害発生メールの受信処理(ステップS3−1)、ポーリングによる応答がない場合(ステップS4−3)には、運用区担当者にメール送信処理を実行した(ステップS3−2,S4−4)。この場合に、障害が発生したUPS10に接続されている機器(10−1,…,10−n)の重要度に応じて、管理者に通知するメールの優先度を変更してもよい。具体的には、ネットワーク監視サーバ20の制御部21は、死活監視処理において、複数の機器(10−1,…,10−n)から応答がなかった場合には、優先通知決定処理を実行する。この場合、ネットワーク監視サーバ20に、上述の電力系統図に関するデータを記憶した接続関係データ記憶手段と、UPS管理データ
記憶手段と、機器の識別子に関連付けた機器の重要度に関するデータを記憶した重要度データ記憶手段とを設ける。
【0079】
そして、制御部21は、UPS10からポーリング処理に応じた応答がなかった場合(ステップS4−3において「NO」の場合)、ステップS4−4の代わりに、応答がなかったUPS10のIPアドレスを一時的に記憶する。そして、制御部21は、次の調査対象を特定して(ステップS4−1)、これらの処理(ステップS4−1〜S4−3の処理とS4−4の代わりの処理)を繰り返す。そして、すべてのUPS10について死活監視処理が完了した場合、一時的に記憶したUPS10のIPアドレスが複数ある場合には、制御部21は、UPS10に接続される機器(10−1,…,10−n)の優先度が高い順番にメールを送信する。具体的には、制御部21は、一時的に記憶したUPS10のIPアドレスに対応するUPS識別子をUPS管理データから特定する。制御部21は、特定したUPS識別子に関連付けられた機器識別子を、接続関係データ記憶手段の電力系統図データを用いて特定する。更に、制御部21は、特定した機器識別子に対応する重要度を重要度データ記憶手段から特定する。そして、制御部21は、この機器識別子に関連付けられたUPS10のUPS識別子を、機器識別子の重要度順に並べ替える。この場合、1つのUPS識別子に対して複数の機器識別子が関連付けられている場合には、制御部21は、最も高い重要度を特定して、この重要度を用いてUPS識別子を並べ替える。そして、制御部21は、並べ替えた順番に、UPS識別子によって特定されるUPS10について異常が発生した旨を含む通知メールを運用区担当者に送信する。このため、接続されている機器(10−1,…,10−n)の重要度に応じて、異常が発生したUPS10についての通知を行なうことができるので、重要な機器を優先的に保守点検を行なうことができる。
【0080】
○ 上記実施形態においては、UPS10を特定するUPS識別子を、IPアドレスとは別に設定したが、UPS識別子としてIPアドレスを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施形態におけるUPS監視システムの概略図。
【図2】データ記憶部に記録されたデータの構成を説明する説明図であり、(a)はUPSログデータ記憶部、(b)は担当者データ記憶部。
【図3】障害発生処理や死活監視処理等の処理手順を説明するための流れ図。
【図4】情報提供処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図5】変更例におけるUPSと機器との接続関係を表わす電力系統図の説明図。
【図6】変更例における異常発生箇所特定処理の処理手順を説明する流れ図。
【図7】電力系統図の作成処理の処理手順を説明するための流れ図。
【符号の説明】
【0082】
10…無停電電源装置、10…UPS、15…UPSコントローラ、16…UPSログデータ記憶部、18…メールサーバ、20…ネットワーク監視サーバ、21…制御部、22…担当者データ記憶部、211…アラート受信手段、212…死活監視手段、213…通知手段、214…アクセス受入手段、215…ログ取得手段、216…状況表示手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源からの電源供給が停止された場合に機器に電力を供給する電力供給手段と、障害発生時に障害発生通知を送信し、稼動確認要求に対して応答を返信する通信手段とを備えた無停電電源装置と、
無停電電源装置の管理を行なう担当者のメールアドレスを記憶した通知先記憶手段と、
無停電電源装置からの障害発生通知を受信する障害発生受信手段を有する監視サーバとを備えた無停電電源監視システムであって、
前記監視サーバは、
前記無停電電源装置に対して稼動確認要求を送信し、前記無停電電源装置からの応答の有無により死活状態を判定する死活監視手段と、
無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合に、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知し、
更に、前記死活監視手段において前記無停電電源装置からの応答がない場合にも、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知する通知手段とを備えたこと
を特徴とする無停電電源装置監視システム。
【請求項2】
前記監視サーバは、機器と、これに電力を供給する無停電電源装置との接続関係に関する電力系統図を記憶した接続関係データ記憶手段に接続されており、
前記監視サーバは、
前記機器における異常発生の有無についての監視を行なう機器監視手段と、
無停電電源装置から前記障害発生通知を受信した場合又は前記稼動確認要求に対する応答がない場合に、この無停電電源装置が電力を供給する機器に関する異常の有無についてのデータを取得し、前記無停電電源装置の異常の有無及び機器の異常の有無から、点検指示箇所を特定する異常発生箇所特定手段とを更に備え、
前記通知手段は、特定した点検指示を含む通知を行なうことを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置監視システム。
【請求項3】
前記無停電電源装置は、電力供給先機器に接続された電力線を利用して通信を行なう電力線搬送通信手段を備えており、
前記監視サーバは、
前記電力線搬送通信手段を用いて電力供給先機器から、この電力供給先機器の識別情報を取得した無停電電源装置から、この無停電電源装置の識別情報と前記電力供給先機器の識別情報とを受信する手段と、
前記無停電電源装置の識別情報と、前記電力供給先機器の識別情報とを関連付けて前記電力系統図を作成する手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の無停電電源装置監視システム。
【請求項4】
前記無停電電源装置は、障害発生に関するログを蓄積するログ蓄積手段に接続されており、
前記監視サーバは、前記担当者が用いるクライアント端末に接続されており、
前記無停電電源装置は、障害発生を検知した場合、この障害発生に関するデータを前記ログ蓄積手段に登録し、
前記監視サーバは、前記クライアント端末から無停電電源装置についてのログ取得指示を受信した場合には、この無停電電源装置の障害発生に関するログを前記ログ蓄積手段から取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無停電電源装置監視システム。
【請求項5】
主電源からの電源供給が停止された場合に機器に電力を供給する電力供給手段と、障害
発生時に障害発生通知を送信し、稼動確認要求に対して応答を返信する通信手段とを備えた無停電電源装置と、
無停電電源装置の管理を行なう担当者のメールアドレスを記憶した通知先記憶手段と、
無停電電源装置からの障害発生通知を受信する障害発生受信手段を有する監視サーバとを備えたシステムにおける無停電電源監視方法であって、
前記監視サーバが、
前記無停電電源装置に対して稼動確認要求を送信し、前記無停電電源装置からの応答の有無により死活状態を判定する死活監視段階と、
無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合に、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知し、
更に、前記死活監視段階において前記無停電電源装置からの応答がない場合にも、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知する通知段階と
を実行することを特徴とする無停電電源装置監視方法。
【請求項6】
主電源からの電源供給が停止された場合に機器に電力を供給する電力供給手段と、障害発生時に障害発生通知を送信し、稼動確認要求に対して応答を返信する通信手段とを備えた無停電電源装置と、
無停電電源装置の管理を行なう担当者のメールアドレスを記憶した通知先記憶手段と、
無停電電源装置からの障害発生通知を受信する障害発生受信手段を有する監視サーバとを備えたシステムを用いた無停電電源監視プログラムであって、
前記監視サーバを、
前記無停電電源装置に対して稼動確認要求を送信し、前記無停電電源装置からの応答の有無により死活状態を判定する死活監視手段、及び
無停電電源装置から障害発生通知を受信した場合に、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知し、
更に、前記死活監視手段において前記無停電電源装置からの応答がない場合にも、前記通知先記憶手段から担当者のメールアドレスを取得し、この無停電電源装置の異常を通知する通知手段
として機能させることを特徴とする無停電電源装置監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−154622(P2010−154622A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328809(P2008−328809)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】