説明

無染色生物試料の多色画像の生成

無染色生物試料12の少なくとも2つの化学的に異なる関心物質。各々に対して、画像の領域ごとに物質の量を示す物質画像24,26が生成される。多色画像が物質画像に基づいて生成される。関連する態様において、データキャリアはコンピュータに該方法を制御又は実行するよう指示するための命令を担持する。別の関連する態様において、無染色生物試料12のシステム10は、選択周波数の紫外光18に暴露するため、及び試料の様々な領域に対して透過紫外光20の強度を測定するため、及び暴露するステップと測定するステップを異なる紫外周波数に対して繰り返し、それによって各周波数に対して紫外画像を生成するための光学系と、紫外画像に基づいて物質画像を生成するため、及び物質画像に基づいて多色画像を生成するためのコンピュータとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様において、本発明は無染色生物試料の多色画像を生成する方法に関し、該試料は少なくとも2つの化学的に異なる関心物質を有する。
【0002】
第2の態様において、本発明はデータキャリアに関する。
【0003】
第3の態様において、本発明は無染色生物試料の多色画像を生成するためのシステムに関し、対象物は少なくとも2つの化学的に異なる関心物質を有する。
【背景技術】
【0004】
組織病理学及び細胞病理学において、病理学者は組織又は細胞塗抹標本からとられる顕微鏡画像を日常的に解析する。試料は典型的には可視光を用いる標準顕微鏡で解析される。細胞及び組織は可視光をほとんど吸収しないという事実のため、試料を染色することが一般的なやり方である。染色化学物質は可視光において観察されることができる。染色化学物質は、これが典型的に結合する構造の存在を示し、一般的にはその量もまた示す。長年の訓練と経験の間に、病理学者は試料の染色画像を解釈し、診断に至る方法を学ぶ。デジタル病理学界において染色化学物質の使用は一般的に透過においてスライド標本を画像化するために必須であるとみなされている。
【0005】
どの染色法が選ばれるかは典型的には病理学者が関心を持っている特異的構造に依存する。非常に有名な染色法はヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色である。ヘマトキシリンは好塩基構造に結合してそれらを青紫色に染める。好塩基構造は例えば核酸を含む細胞成分及びRNAを多く含む細胞質領域である。好酸性構造は一般的に細胞内又は細胞外タンパク質から成り、エオシンによってピンクに染められる。
【0006】
しかしながら染色はいくつかの主要な欠点を持つ。その1つは、染色試料の画像における演色が、使用された染色法に強く依存するということである。T.Abe et al(T.Abe et al,"Colour Correction of Pathological Images Based on Dye Amount Quantification".Optical Review,Vol.12,No.4,2005,pp.293‐300)によって指摘される通り、染色の質は一定ではない。しかし良い質は病理学者が適切な診断に至ることを可能にするために重要である。別の問題は、従来の病理学の自動診断への移行に関連し、これは今日重要な発展である。病院の間で、又は染色機械の間でも、又は染色機械において経時的に観察される質の変動は、自動診断にとって深刻な障害を示す。これらの問題を解決するために異なる解決法が提案されており、例えば染色プロセスの制御を改良すること、又はコンピュータを用いて染色標本の多色画像をデジタル補正すること(T.Abe et alによる上述の論文を参照)などによる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、試料の染色を必要としない無染色生物試料の多色画像を生成する方法を提供することである。
【0008】
この目的は独立請求項の特徴によって実現される。さらなる明細及び好適な実施形態は従属請求項に概説される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、該方法は、
関心物質の各々に対して、画像の領域ごとに該物質の量を示す物質画像を生成するステップと、
物質画像に基づいて多色画像を生成するステップとを有する。従って各物質画像は試料中の各物質の分布のマップである。物質画像は任意の適切な方法によって得られることができる。特に、試料による多波長の光の吸光度を測定し、この測定データをRGB画像データに変換することが提案されている。このRGB画像データは、試料が例えば一般的な染色法ヘマトキシリン・エオシン(H&E)法で染色され、従来の顕微鏡で観察された場合の試料のRGB画像の近い近似となり得る。従って染色が完全に回避されることができる。本発明は組織病理学の全分野に適用可能であり得る。染色はほぼ全ての組織/細胞に基づく診断にとって慣習となっている(1年当たり病院当たりほぼ300.000+標本程度)。染色手順を回避することはスループット時間を劇的に増加し、コンピュータによる診断の(部分的)自動化を促進する。
【0010】
試料は可視光に対して実質的に透過性であり得、例えば80%を超える、又は90%を超える透過率を持つ。試料は組織病理学的試料であり得、これは顕微鏡スライド上に配置され得る。
【0011】
物質画像に基づいて多色画像を生成するステップは、
関心物質の各々に仮想色を割り当てるステップと、
物質画像の各々を、割り当てられた色を持つ単色画像に変換するステップと、
単色画像を重ね合わせるステップとを有し得る。
【0012】
関心物質の少なくとも1つは、その物質に結合することができる染料の色と一致する色を割り当てられ得る。より具体的には、
例えば吸光度変動を介して、無染色試料に存在する成分の量を測定することを可能にする画像/検出モダリティを用いて第1の画像を取得し、
成分の少なくとも1つの量を推定し、
推定された量を用いることによって、まるで試料が所定の染色化学物質(例えばH&E)で染色されたかのように着色される第2の画像を作り出すことが提案される。従って最終画像は、試料が染色されていないにもかかわらず、病理学者が精通している表現を示す。ここで、白黒(B&W)又はグレースケール画像を作り得る任意の画像技術に対するデジタル病理学界における強い偏見があることが留意され得る。病理学者は、コンピュータが何をするとしても、最終診断に至るための重要なステップは、彼らが理解し彼らが慣れているやり方で病理学者に見えるようにされなければならないことが、彼らにとって重要であることを強調してきた。特に病理学者は、例えば2つの隣接核の単色画像に各核内の核酸の量を示す数を重ね合わせたものには満足しそうにない。彼はむしろ多色画像に数を重ね合わせたものを受け入れるだろう。核の色は、H&E染色がしたであろうと同様に、核酸の量が多い核に対して濃い染色を示すだろう。
【0013】
試料は第1の関心物質としてタンパク質を、第2の関心物質として核酸を有し得る。タンパク質は赤又はピンク色を割り当てられ得、核酸は青、バイオレット、又は紫色を割り当てられ得る。
【0014】
多色画像は減法混色モデルに従って重ね合わされた単色画像から得られ得る。つまり、様々な関心物質に割り当てられた色の各々は、割り当てられた色のみを透過するフィルタとしてはたらく。そして多色画像は白色背景上に単色画像を重ね合わせることによって作られ得る。例えば青と赤を重ね合わせると紫ではなくグレー色調又は黒を作り出す。それによって従来の染色に基づく画像との多色画像の類似性が向上されることができる。
【0015】
変換及び重ね合わせのステップはコンピュータ上で実行され得る。
【0016】
各物質画像の単色画像への変換は、
物質の量を色の強度に関連付けるルックアップテーブルを調べるステップ、及び/又は、
物質の量を色の強度に関連付ける指数関数を評価するステップを有し得る。
【0017】
物質画像に基づいて多色画像を生成するステップは、
関心物質の各々に可視周波数領域における仮想吸収スペクトルを割り当てるステップと、
物質画像と仮想吸収スペクトルに基づいて透過光画像を計算するステップとを有し得、透過光画像は、これらの物質の各々が仮想吸収スペクトルを持つと仮定して、白色光によって照射された場合に関心物質によって透過され得る光のスペクトルを画像の領域ごとに示す。従って透過光画像は関心物質による光の透過をシミュレートすることによって生成され、これらの物質の真の吸収スペクトルの代わりに仮想吸収スペクトルが使用される。これは、得られる多色画像が染色法によって得られる画像を特にうまく模倣することを確実にし得る。シミュレーションにおいて関心物質によって透過されるべき光は特に白色光であり得る。
【0018】
透過光画像は、物質画像と仮想吸収スペクトルを入力データとして、ランベルト・ベールの法則を用いて計算され得る。
【0019】
物質画像は、
試料を選択周波数の紫外光に暴露すること、
試料の様々な領域に対して透過紫外光の強度を測定すること、
暴露及び測定のステップを異なる周波数に対して実行し、それによって各周波数に対して紫外画像を生成すること、
紫外画像から物質画像を導き出すことによって決定され得る。従って物質画像は多重スペクトル解析を用いて取得される。無染色試料は可視光を吸収しないので、UV波長が特に有利であり得る。周知の通り、細胞及び組織は高周波数(UV/深UV)の光を吸収する。Zeskind et al(B.J.Zeskind et al,"Nucleic acid and protein mass mapping by live‐cell deep‐ultraviolet microscopy".Nature Methods,Vol.4,No.7,July 2007,pp.567‐569)は、多重スペクトル画像から得られるスペクトル情報が細胞中の特定構造(例えば核酸又はタンパク質)の量を推定することを可能にすることを示した。組織/細胞の多重スペクトル画像を用いて、画像を比較することによって画像画素当たりの組織/細胞の特定構造の量が推定されることができる。この知識はこれらの構造を同定するために通常使用される染色化学物質の'理想'スペクトルの知識と組み合されることができる。この組み合わせから、まるで染色されたかのように組織/細胞をあらわすRGB色画像が人工的に、すなわちコンピュータを用いて作られることができる。この手順は染色の欠点を欠くにもかかわらず、同様の出力を生じる。'理想'とは応用に依存する。ほとんどの病理学者は特定の染色の質について個人的な定義を持つ。自動化の目的のため、最適コントラストが望まれ得る。しかしながら、ユーザは最も好むいかなるスペクトルも自由に使用することができる。
【0020】
物質画像はランベルト・ベールの法則を用いて紫外画像から導き出され得る。これは以下により詳細に概説される。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、データキャリアはコンピュータに上記方法を制御又は実行するよう指示するための命令を担持する。コンピュータはPC又は任意の他の適切な情報処理装置又は電子制御装置であり得る。
【0022】
本発明の第3の態様によれば、無染色試料の多色画像を生成するためのシステムは、
試料を選択周波数の紫外光に暴露するため、及び、試料の様々領域に対して透過紫外光の強度を測定するため、及び、暴露及び測定のステップを異なる紫外周波数に対して繰り返し、それによって各周波数に対して紫外画像を生成するための、光学系と、
紫外画像に基づいて物質画像を生成するため、及び、物質画像に基づいて多色画像を生成するための、コンピュータとを有する。
【0023】
光学系は顕微鏡を有し得る。顕微鏡は、試料を照射すること、及び試料から集光することの両方に役立ち得る。顕微鏡は従来の光学顕微鏡又は走査顕微鏡であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】無染色試料の多色画像を生成するための装置を概略的に図示する。
【図2】試料を概略的に図示する。
【図3】第1の物質画像を概略的に図示する。
【図4】第2の物質画像を概略的に図示する。
【図5】第1の物質画像に重ね合わされた第2の物質画像を概略的に図示する。
【図6】無染色試料の多色画像を生成するステップを図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
他に指定されない限り、異なる図にあらわれる同一又は同様の参照数字は同一又は同様の構成要素を表示する。
【0026】
図1は試料12の二次元多色画像を生成するためのシステム10を概略的に図示し、一方図2は試料12の斜視図を提供する。試料12は、例えば個別細胞などの有機物質を含む液体層であるか、又は生物材料が埋め込まれたパラフィンのスライスであり得る。試料12は基本的に図の平面に対して垂直なx‐y平面に沿ってのびる。試料12は少なくとも第1の物質(例えばタンパク質)と第2の物質(例えば核酸)を有する。第1の周波数の紫外光18が試料12の上面14上に照らされる。同じ周波数の透過紫外光20は下面16を介して試料12から出て検出器22に到達する。検出器22は、透過紫外光20に応じて検出器22によって供給されるデータを登録するためのプログラムを担持する、例えばパーソナルコンピュータ又は別の適切な情報処理装置などのコンピュータ(不図示)に結合される。こうして試料12の第1の紫外画像が生成される。続くステップにおいて第2の周波数の紫外光(不図示)が試料12の上面14上に照らされ、試料12の第2の紫外画像をもたらす。関心領域にわたる、すなわち画像領域にわたる第1の物質及び第2の物質の空間分布は、ランベルト・ベールの法則を用いて、Zeskind et al(上述の論文を参照)によって提案されたものと同様のアプローチで以下のように導き出される。試料12におけるz軸6に平行な選択軸上の周波数νの光の強度I(ν,z)を考える。特定のz位置において強度は次のように近似されることができる。

σ(ν)とσ(ν)はそれぞれ第1の物質と第2の物質の吸収断面積(例えば平方メートル)であり、N(z)とN(z)はそれぞれ第1の物質と第2の物質の位置0及びzの間の軸上の単位面積当たりの粒子の数である。より正確には、N(z)とN(z)は、単位面積で割られる、その単位面積上のz方向に沿った射影を持つ粒子の数である。位置0は上面14上に選ばれる。z値は下面16に対応するように選ばれ、今後は削除される。その代わりx及びyへの、つまりx‐y平面2,4における位置への依存度を導入する。

【0027】
2つの紫外周波数ν及びνに対する上記関係を評価することによって、それぞれ第1の物質及び第2の物質の単位面積当たりの粒子の数、N(x,y)及びN(x,y)に対する線形系が得られる。

【0028】
本願において、関数N(x,y)及びN(x,y)は、表面(この場合は試料12の下面16)上の各物質の分布の画像をもたらすため、物質画像と称される。これらは異なる方法で、例えば陰影単色画像として、等高線図として、又はx‐y平面上に定義される表面として図で表現されることができる。入射強度値I(ν,x,y)及びI(ν,x,y)によって正規化される透過強度値I(ν,x,y)及びI(ν,x,y)は、上述の紫外画像を形成する。これらは入射紫外光の強度と透過紫外光の強度をx‐y平面における様々な位置に対して測定することによって、及び場合により隣接位置間を補間することによって得られる。断面σ(ν),σ(ν),σ(ν),σ(ν)は既知であると考えられる。例えば、ヘマトキシリン及びエオシンの最適/正規化スペクトル吸収係数はAbe et alによって発表されている(上述の論文を参照)。そして物質画像N(x,y)及びN(x,y)は上記線形系を解くことによって導き出される。このアプローチは2つよりも多くの物質に容易に一般化されることができる。資料12中のM個の物質の各々に対して物質画像を決定するために、試料12は毎回異なる周波数の光を用いてM回連続的に照射される。
【0029】
図3及び図4に、第1の物質の物質画像N(x,y)と第2の物質の物質画像N(x,y)が概略的にあらわされる。第1の物質画像24は単位面積当たりの第1の物質の粒子の数が平均を上回る領域30を有する。同様に、第2の物質画像26は単位面積当たりの第2の物質の粒子の数が平均を上回る領域32を有する。
【0030】
図5において、物質画像N(x,y)及びN(x,y)が"複数物質"画像として一緒に概略的にあらわされる。本発明に沿って、例えばx‐y平面における任意の選択点に対してN(x,y)及びN(x,y)をそれぞれ赤色と青色によってあらわすことにより、物質画像N(x,y)及びN(x,y)に基づいて多色画像が生成され、色の強度又は彩度はそれぞれ値N(x,y)及びN(x,y)に対応する。有利なことに、多色画像は一方における物質画像、及び他方における多色画像の間のマッピングの結果である。つまり、一方における値N及びNと他方における明度との間に1対1対応がある。好適には1対1対応は多色画像の領域ごとに同じである。
【0031】
ここで図6を参照すると、無染色試料の多色画像を生成する方法のフローチャートが示され、試料は少なくとも第1の物質と第2の物質を有する。第1のステップ601において、第1の物質画像N(x,y)が生成され、第1の物質画像は画像の領域ごとにその領域に位置する第1の物質の量、例えば物質の粒子の数を示す。第2のステップ602において、第2の物質画像N(x,y)が生成され、第2の物質画像は画像の領域ごとにその領域に位置する第2の物質の量、例えば物質の粒子の数を示す。続く第3のステップ603において、物質画像に基づいて多色画像C(x,y)が生成され、Cは色を示し、色空間、例えばレッド‐グリーン‐ブルー(RGB)加法混色空間又はシアン‐マゼンタ‐イエロー(CMYK)若しくはCMY減法混色空間におけるベクトルによってあらわされることができる。
【0032】
本発明は図面と前述の説明に詳細に図示され記載されているが、図面と説明は例示であって限定ではないとみなされるものとする。本発明は開示された実施形態に限定されない。上記に記載されない均等物、組み合わせ、及び変更もまた本発明の範囲から逸脱することなく実現され得る。
【0033】
"有する"という動詞とその派生語は、"有する"が参照するものにおける他のステップ又は要素の存在を除外しない。不定冠詞"a"又は"an"はその冠詞が参照する対象の複数を除外しない。請求項で言及される複数の手段の機能を単一のユニットが提供してもよいこともまた留意される。特定の特徴が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項における任意の参照符号は範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無染色生物試料の多色画像を生成する方法であって、前記試料は少なくとも2つの化学的に異なる関心物質を有し、前記方法は、
前記関心物質の各々に対して、画像の領域ごとに前記物質の量を示す物質画像を生成するステップと、
前記物質画像に基づいて前記多色画像を生成するステップとを有する、方法。
【請求項2】
前記試料が可視光に対して実質的に透過性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物質画像に基づいて前記多色画像を生成するステップが、
前記関心物質の各々に仮想色を割り当てるステップと、
前記物質画像の各々を前記割り当てられた色を持つ単色画像に変換するステップと、
前記単色画像を重ね合わせるステップとを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記関心物質の少なくとも1つが、その物質に結合することができる染料の色と一致する色を割り当てられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記試料が第1の関心物質としてタンパク質を、第2の関心物質として核酸を有し、前記タンパク質が赤又はピンク色を割り当てられ、前記核酸が青、バイオレット、又は紫色を割り当てられる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記多色画像が減法混色モデルに従って前記重ね合わされた単色画像から得られる、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記変換するステップと重ね合わせるステップがコンピュータ上で実行される、請求項3乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
各物質画像を単色画像に変換するステップが、
物質の量を色強度に関連付けるルックアップテーブルを調べるステップ、及び/又は、
物質の量を色強度に関連付ける指数関数を評価するステップを有する、請求項3乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記物質画像に基づいて前記多色画像を生成するステップが、
前記関心物質の各々に可視周波数領域における仮想吸収スペクトルを割り当てるステップと、
前記物質画像と前記仮想吸収スペクトルに基づいて透過光画像を計算するステップとを有し、前記透過光画像は、これらの物質の各々が前記仮想吸収スペクトルを持つと仮定して、白色光によって照射された場合に前記関心物質によって透過され得る光のスペクトルを前記画像の領域ごとに示す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記透過光画像が、前記物質画像と前記仮想吸収スペクトルを入力データとしてランベルト・ベールの法則を用いて計算される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記物質画像が、
前記試料を選択周波数の紫外光に暴露するステップと、
前記試料の様々な領域に対して透過紫外光の強度を測定するステップと、
前記暴露するステップと測定するステップを異なる周波数に対して実行し、それによって各周波数に対して紫外画像を生成するステップと、
前記紫外画像から前記物質画像を導き出すステップとによって決定される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記物質画像がランベルト・ベールの法則を用いて前記紫外画像から導き出される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに制御又は実行するよう指示するための命令を担持するデータキャリア。
【請求項14】
無染色試料の多色画像を生成するためのシステムであって、前記試料は少なくとも2つの化学的に異なる関心物質を有し、前記システムは、
前記試料を選択周波数の紫外光に暴露するため、及び、前記試料の様々な領域に対して透過紫外光の強度を測定するため、及び、前記暴露するステップと測定するステップを異なる紫外周波数に対して繰り返し、それによって各周波数に対して紫外画像を生成するための、光学系と、
前記紫外画像に基づいて物質画像を生成するため、及び、前記物質画像に基づいて前記多色画像を生成するための、コンピュータとを有する、システム。
【請求項15】
前記光学系が顕微鏡を有する、請求項14に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−510069(P2012−510069A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538081(P2011−538081)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055159
【国際公開番号】WO2010/061319
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】