説明

無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するための方法及びデバイス

【課題】基地局のセル内に位置する建物内に設置されたホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するための方法を提供する。
【解決手段】方法は、ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングする基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手するステップ(S400)と、移動端末をサービングしない他の基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手するステップ(S401)と、ホーム基地局によってサービングされる移動端末における雑音レベルを入手するステップ(S402)と、建物の壁貫通係数を入手するステップ(S403)と、ホーム基地局セルエッジにおける信号対干渉雑音比、ホーム基地局セルエッジにおける受信電力、ホーム基地局の無線信号送信電力の値を求めるステップ(S404)と、ホーム基地局の送信電力の最大値を設定するステップ(S405)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線セルラー電気通信ネットワークは広く展開されているが、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局によってカバーされないいくつかのエリアが依然として存在する。基地局は、所与の計画に従って事業者によって展開される。
【0003】
例えば、基地局及び/又は移動端末によって放射される信号が過度に減衰すると、無線セルラー電気通信ネットワークへのアクセスは、不可能になるか、又は過度に大きな送信電力若しくは過度に低いスペクトル効率、すなわち、建物内に位置する移動端末に対して過度に多くのシステムリソースを必要とする場合がある。
【0004】
今日、複数の解決策が提案されている。ホーム基地局若しくはフェムト基地局若しくはピコ基地局又は中継器のような、必ずしも事業者によって展開されるのではなく、それゆえ、所与の計画に従わない特定の基地局が、建物内のカバレッジエリア及び基地局負荷軽減(offload)を提供することができる。中継器は、屋外のカバレッジ拡張を提供することもできる。
【0005】
ホーム基地局又はフェムト基地局が提供するカバレッジエリアは限られる。絶えずカバレッジエリアサイズを縮小し、スペクトル効率を増加させることに起因して、セル間干渉が主な問題になった。
【0006】
これらのホーム基地局は、基地局と強く干渉するか、若しくは更にはカバレッジホールを生成する場合があるか、又は、ホーム基地局の電力は、ホーム基地局信号が基地局信号と過度に干渉するのを避けるために、良好なリンク条件において移動端末をサービングするには低すぎる送信電力値に設定される場合がある。
【0007】
シャドーイングが生じない場合、干渉の影響は、基地局及びホーム基地局を隔てる距離による。ダウンリンクチャネルでは、基地局とホーム基地局との間の距離が長いほど、ホーム基地局の送信電力値は小さくすべきであり、基地局とホーム基地局との間の距離が短いほど、ホーム基地局の送信電力値は大きくすべきである。
【0008】
ホーム基地局は、それぞれのリソースを通じて、限られた数の移動端末だけが無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスできるようにする。ホーム基地局を通じてネットワークのリソースにアクセスするのを許される移動端末は、ホーム基地局の所有者、ネットワーク、又はその両方の組み合わせによって決定され得る。
【0009】
ここで、所有者は包括的な意味において理解されなければならない。所有者はホーム基地局の唯一の主なユーザーとすることもできるし、ホーム基地局を賃借りする人とすることもできるし、自分の家又は事務所内にホーム基地局を収容する人とすることもできる。
【0010】
例えば、ホーム基地局の所有者及びその家族の移動端末だけがホーム基地局を通じて無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスすることができる。これらの移動端末は、ホーム基地局に関連付けられる。
【0011】
基地局は、それぞれのリソースを通じて、多数の移動端末が無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスできるようにする。基地局を通じてネットワークのリソースにアクセスするのを許される移動端末は、無線セルラー電気通信ネットワークの事業者によって決定され得る。
【0012】
基地局のセルは通常、一般的に建物内に設置されたホーム基地局のセルよりもはるかに大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、ホーム基地局と、該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間で転送される信号が、基地局と、該基地局によってサービングされる移動端末との間で転送される信号と著しく干渉するのを避けることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのために、本発明は、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するための方法であって、該ホーム基地局は基地局のセル内に位置する建物内に設置され、
該方法は、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングする前記基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手するステップと、
前記ホーム基地局によって、前記建物の壁貫通係数を考慮に入れて、かつ基地局によってサービングされるとともに前記ホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を前記ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指して、前記基地局によって転送された受信無線信号の前記入手した電力値に従って、前記ホーム基地局によって転送される前記信号の送信電力の最大値を設定するステップと、
を含むことを特徴とする、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するための方法に関する。
【0015】
本発明はまた、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのデバイスであって、該ホーム基地局は基地局のセル内に位置する建物内に設置され、
該デバイスは、
前記ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングする前記基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手する手段と、
前記建物の壁貫通係数を考慮に入れて、かつ基地局によってサービングされるとともに前記ホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を前記ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪信号対干渉雑音比に等しくすることを目指して、前記基地局によって転送された受信無線信号の前記入手した電力値に従って、前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信電力値の最大値を設定する手段と、
を備えることを特徴とする、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのデバイスに関する。
【0016】
したがって、ホーム基地局セルエッジにおいてサービングされるスループットと、ホーム基地局周囲の基地局セルエッジにおいてサービングされるスループットとの間のバランスが適正になる。これにより、基地局スループットもホーム基地局スループットも優先されることはない。
【0017】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、
該ホーム基地局付近に位置する前記少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手し、
該ホーム基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の雑音レベルを入手し、
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、前記雑音レベル、並びに前記ホーム基地局付近に位置する前記少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の前記電力値に基づいて設定される。
【0018】
したがって、雑音レベル、並びにホーム基地局付近にある移動端末において、ホーム基地局とは異なる他の基地局及び/又は他のホーム基地局からの信号送信から生じるセル間干渉が考慮に入れられるので、ホーム基地局の最大送信電力値は、移動端末性能への実際の影響に基づいて設定される。実際には、ホーム基地局が送信しない場合に、セル間干渉又は雑音レベルが既に高い場合には、移動端末性能へのその影響を無視することができ、更に高いホーム基地局送信電力を適用することができる。
【0019】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、前記ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比
【数1】

を有することを目指して設定され、
ただし、φ=PM,i/(aPi+N)は、前記ホーム基地局が電源を切られるときの、前記基地局によってサービングされるとともに前記建物内に位置する移動端末の信号対干渉雑音比であり、
aは壁貫通係数であり、
iは前記ホーム基地局付近に位置する前記少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値であり、
Nは前記移動端末MTにおける雑音レベルであり、
η=aPi/Nである。
【0020】
したがって、この式によれば、最大ホーム基地局送信電力値を設定し、かつ基地局によってサービングされるとともにホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比SINR1F,CEを、ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指すための実用的な解が存在する。
【0021】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、前記基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を、前記ホーム基地局からの干渉を受けない場合の送信に比べて所与の劣化係数だけ劣化させることを目指す送信電力に従って設定される。
【0022】
したがって、ホーム基地局送信による基地局劣化が制御され、事業者及びその顧客が許容できると想定される一定のレベル未満に保持される。
【0023】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、該ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比
【数2】

を有することを目指して設定され、
ただし、ρは劣化係数である。
【0024】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、該ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比
【数3】

を有することを目指して設定される。
【0025】
したがって、この式によれば、ホーム基地局最大送信電力値を設定する実用的な解であって、基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比をホーム基地局からの干渉がない場合の送信に比べて劣化係数だけ劣化させることを目指す送信電力に従って、基地局によってサービングされるとともにホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を設定させることを目指すための実用的な解が存在する。
【0026】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値はテーブルを用いて設定され、前記基地局によって転送された受信無線信号の前記入手した電力値は、前記壁貫通係数及び所定の係数に依存する関数だけシフトされる最大送信電力値を与えるテーブルのエントリである。
【0027】
したがって、事業者は、ネットワークを通じてホーム基地局に適切なテーブルを提供することができ、テーブルを変更することによって、ホーム基地局の電力設定規則を容易に更新することができる。
【0028】
テーブルのエントリによって、各ホーム基地局の最大送信電力値をその環境に応じて適合させることができる。最大送信電力値は、テーブルエントリには含まれないが、それでも送信電力値の選択に影響を与えるパラメーターに従ってシフトされ得る。
【0029】
これにより、最大送信電力値は、壁貫通係数及び所定の係数のような、最初にテーブル設計の一部ではなかったパラメーターを考慮に入れて、更に適切に設定される。したがって、テーブルは、エントリの数が少なく、簡単なままである。
【0030】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、
該ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手し、
該ホーム基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の雑音レベルを入手し、
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値はテーブルを用いて設定され、受信無線信号の前記入手した電力値、前記建物の前記壁貫通係数及び前記雑音レベルは該テーブルのエントリである。
【0031】
したがって、テーブルはテーブルの更に多くのパラメーターエントリを含み、事業者は最大送信電力設定を更に良好に制御することができる。
【0032】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、
該ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手し、
該ホーム基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の雑音レベルを入手し、
該ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の最小経路利得を入手し、
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値はテーブルを用いて設定され、受信無線信号の前記入手した電力値、前記最小経路利得、前記建物の前記壁貫通係数及び前記雑音レベルは該テーブルのエントリである。
【0033】
したがって、テーブルは、テーブルの更に多くのパラメーターエントリを含み、事業者は最大送信電力設定を、更に良好に制御することができる。
【0034】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、
第2の通信プロトコルの信号が転送される第2の周波数帯上でいくつかの測定を実行するように少なくとも1つの移動端末に要求するメッセージを、前記無線インターフェースを通じて、第1の周波数帯内で信号が転送される第1の通信プロトコルを用いて転送し、
前記少なくとも1つの移動端末によって実行される測定値を、前記無線インターフェースを通じて、前記第1の通信プロトコルを用いて受信し、
前記第2の周波数帯について、前記ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の最小経路利得、及び壁貫通係数を入手し、
前記測定値、前記壁貫通係数及び前記最小経路利得に従って、前記第2の周波数帯内で前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信電力値の最大値を設定する。
【0035】
したがって、例えば、第1の周波数帯において3GPP LTE(第三世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(third Generation Partnership Project Long Term Evolution))プロトコルを使用し、例えば、第2の周波数帯において3GPP UMTS(ユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunications System))プロトコル又は3GPP HSPA(高速パケットアクセス(High Speed Packet Access))プロトコルを使用する、2つの周波数帯において動作することができるハイブリッドホーム基地局のようなホーム基地局は、その最大送信電力値を適切に設定するために、これらの能力を利用することができる。
3GPP LTEでは、ホーム基地局は、RAT間測定(別の無線アクセス技術に属するダウンリンクチャネル上での測定)を開始する、すなわち、移動端末に3GPP UMTS/HSPA周波数帯上で測定を実行するように要求することができるとともに、3GPP UMTS及び3GPP HSPAの場合とは異なり、移動端末測定を処理することができるので、第2の周波数帯において適切な最大送信電力値を選択するために、この知識から利益を得ることができる。
【0036】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、
前記第1の周波数帯上でいくつかの測定を実行するように少なくとも1つの移動端末に要求するメッセージを、前記無線インターフェースを通じて、第1の周波数帯内で信号が転送される第1の通信プロトコルを用いて転送し、
前記少なくとも1つの移動端末によって実行される測定値を、前記無線インターフェースを通じて、前記第1の通信プロトコルを用いて受信し、
前記第1の周波数帯について、前記ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の最小経路利得、及び壁貫通係数を入手し、
前記ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の前記最小経路利得、及び前記壁貫通係数を前記第2の周波数帯に移行し、
前記測定値、前記移行した前記壁貫通係数及び前記最小経路利得に従って、前記第2の周波数帯内で前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信電力値の最大値を設定する。
【0037】
したがって、例えば、第1の周波数帯において3GPP LTEプロトコルを使用し、例えば、第2の周波数帯において3GPP UMTSプロトコル又は3GPP HSPAプロトコルを使用する、2つの周波数帯において動作することができるハイブリッドホーム基地局のようなホーム基地局は、その最大送信電力を適切に設定するために、これらの能力を利用することができる。
3GPP LTEでは、ホーム基地局は、3GPP UMTS及び3GPP HSPAの場合とは異なり、移動端末測定を処理することができるので、第2の周波数帯において適切な最大送信電力値を選択するために、この知識から利益を得ることができる。
【0038】
第1の周波数帯及び第2の周波数帯の異なる伝搬特性に応じて補正を適用することにより、ホーム基地局は、長く複雑なRAT間測定に頼ることなく、その最大送信電力値を適切に設定することができる。
【0039】
更に別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイスに直接にロードすることができるコンピュータープログラムに関し、そのコンピュータープログラムは、プログラマブルデバイス上でそのコンピュータープログラムが実行されるときに、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコードの一部を含む。
【0040】
また、本発明は、1組の命令を含むコンピュータープログラムを格納する情報記憶手段にも関連し、1組の命令は、格納された情報がコンピューターによって読み出され、プロセッサによって実行されるときに、本発明の種々の実施の形態のうちのいずれか1つにおいて上記の方法を実施するためにプロセッサによって実行することができる。
【0041】
コンピュータープログラム及び/又は情報記憶手段に関連する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上記で詳述されたのと同じであるので、ここでは繰り返さない。
【0042】
本発明の特徴は、実施形態の例に関する以下の説明を読むことから更に明らかになり、その説明は添付の図面を参照しながら行われる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す図である。
【図2】本発明が実施されるホーム基地局のアーキテクチャーを表す図である。
【図3】本発明が実施されるサーバーのアーキテクチャーを表す図である。
【図4】本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第1の例を開示する図である。
【図5】本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第2の例を開示する図である。
【図6】本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第3の例を開示する図である。
【図7】本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第4の例を開示する図である。
【図8】本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第5の例を開示する図である。
【図9】本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第6の例を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す。
【0045】
図1には、無線セルラー電気通信ネットワークの2つの基地局BS1及びBS2並びに1つのホーム基地局HBSが示されている。
【0046】
2つの基地局BS1及びBS2並びに1つのホーム基地局HBSしか示されないが、本発明は、更に多くの数の基地局BS及び/又はホーム基地局HBSが存在するときにも機能することを理解することができる。
【0047】
基地局BS1は、例えば、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局であり、基地局BS1のセルCE1内に位置する移動端末をサービングする。
【0048】
明確にするために、図1には2つの移動端末MT1及びMT2だけが示される。
【0049】
ホーム基地局HBSは、フェムト基地局又はピコ基地局又は中継器とも呼ばれる。例えば、中継器は、基地局BS1との無線リンクを介して無線セルラー電気通信ネットワークに接続されるホーム基地局である。
【0050】
ホーム基地局HBSは建物又は家HM内に設置され、ホーム基地局HBSに関連付けられた移動端末MTが無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスできるようにすることができる。
【0051】
例えば、ホーム基地局HBS、及び例えば移動端末M1のような移動端末MTは、移動端末MT1がホーム基地局HBSの所有者に属するときに、又は移動端末MT1がホーム基地局HBSの所有者の家族又は友人に属するときに関連付けられる。
【0052】
移動端末MTが基地局BS又はホーム基地局HBSによってサービングされるときに、その移動端末は、基地局BS又はホーム基地局HBSを通じて、遠隔通信デバイスとの通信を受信又は確立又は継続することができる。
【0053】
基地局BS1は、エリア又はセルCE1内に位置する移動端末MT2によって転送される信号を受信することができる。基地局BS1は、セルCE1内に位置する移動端末MT2が受信し処理することができる信号を転送する。図1の例では、基地局BS1は1つのセルCE1のみを有する。本発明は、基地局BS1が複数のセルを有するときにも適用することができる。
【0054】
ホーム基地局HBSは移動端末MT1をサービングする。ホーム基地局HBSは、エリア又はセル内に位置する移動端末MT1によって転送される信号を受信することができる。
【0055】
図1の例によれば、ホーム基地局HBSのセルは、建物HM内に限られるが、建物HMよりも広いエリアをカバーすることができる。ホーム基地局HBSは、移動端末MT1が受信し処理することができる信号を転送する。
【0056】
移動端末MT1及びホーム基地局HBSは、基地局BS1及びBS2から、かつ図1には示されない近隣の基地局及び/又はホーム基地局から信号を受信する。これらの受信信号は、ホーム基地局HBSによって転送される信号に対し干渉する。
【0057】
図1には、サーバーServが示される。サーバーServは、複数の基地局BSの複数のセル及び複数のホーム基地局HBSの複数のセルを制御することができ、かつ本発明による本アルゴリズムの少なくとも一部を実行することができるコアネットワークデバイスである。サーバーServは、コーディネーターと呼ぶこともできる。
【0058】
本発明によれば、ホーム基地局は、
−ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングする基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手し、
−建物の壁貫通係数を考慮に入れて、かつ基地局によってサービングされるとともにホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比をホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指して、基地局によって転送された受信無線信号の入手した電力値に従って、ホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定する。
【0059】
ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1の全ての取り得る位置について、ホーム基地局HBSによって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PF,uは、ホーム基地局HBSによって転送されるとともにホーム基地局HBSのセルエッジにおいて受信される信号の電力値PF,CE以上である。
【0060】
基地局BS1によってサービングされるとともに、ホーム基地局付近に、すなわち、ホーム基地局HBSのセルの近くに位置する移動端末MT2によって経験される信号対干渉雑音比(SINR)は以下のように表される。
【数4】

ただし、aは建物HMの壁貫通係数である。a<1は壁減衰、すなわち、建物HMの壁貫通損失を表す。
Nは、移動端末MTにおける雑音レベルである。
M,uは、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT2によって受信される信号の電力値である。
F,CEは、ホーム基地局HBSによって転送されるとともにホーム基地局HBSのセルエッジにおいて受信される信号の電力値である。
M,iは、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号、すなわち、基地局BS1から移動端末MT1によって受信される干渉の電力値である。
iは、基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号、すなわち、基地局BS2のような、建物HM付近に位置する移動端末をサービングしない基地局及び/又はホーム基地局から移動端末MT1によって受信される干渉の電力値である。
【0061】
基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,iは、移動端末MT1によって、又はホーム基地局HBSによって測定することができる。
【0062】
基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,iがホーム基地局HBSによって測定される場合には、その電力値はホーム基地局HBSのセル内で一定であると見なされる。
【0063】
電力値Piは、移動端末MT1によって、又はホーム基地局HBSによって測定することができる。
【0064】
電力値Piがホーム基地局HBSによって測定される場合には、その電力値はホーム基地局HBSのセル内で一定であると見なされる。
【0065】
移動端末における雑音レベルNは、全ての移動端末について同じであると見なされる。移動端末における雑音レベルNは、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号によって生成される雑音及び基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号によって生成される雑音を除く、熱雑音のような任意の雑音を含む。
【0066】
移動端末MT1が建物HMの外側に位置する場合(これは移動端末MT1がホーム基地局HBSから基地局BS1にハンドオーバーする直前に生じる可能性がある)、ホーム基地局HBSから移動端末MT1によって受信される信号の電力値はaだけ減衰する一方で、基地局BS1及び基地局BS2から受信される干渉電力値は、移動端末MT1が建物HM内に位置する場合よりも1/aだけ大きいことに留意されたい。
【0067】
さらに、ここで通常、10log10(a)≦−5dBであることに留意されたい。
【0068】
本発明によれば、PM.u≧PM,i/aを設定することによって下限が得られる。すなわち、移動端末MT2と基地局BS1との間の無線リンクは、壁貫通係数によって補正された、移動端末MT1と基地局BS1との間の無線リンクよりも高い経路利得を有する。
【0069】
さらに、PF,i≦aPF,CE≦aPF,uである。すなわち、ホーム基地局HBSによって転送されるとともに移動端末MT2によって受信される信号の電力値PF,iは、ホーム基地局HBSによって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値であるPF,uに、壁貫通係数を掛けた値よりも低いと仮定される。
【0070】
F,i≦aPF,CEとみなす。言い換えると、最悪の場合、移動端末MT1は壁の近くにあり、移動端末MT2は壁の直ぐ後にあると仮定することができる。
【0071】
値γは、建物HMに近くかつ建物HMの外側にある基地局BS1によってサービングされる移動端末MT2のための目標SINRである。
【0072】
ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1によって経験される信号対干渉雑音比SINRFUEは、以下のように表される。
【数5】

【0073】
ホーム基地局HBSによってサービングされるとともにホーム基地局HBSのセルエッジにある移動端末MTによって経験される信号対干渉雑音比SINRF,CEは、以下のように表される。
【数6】

【0074】
本発明によれば、ホーム基地局HBS無線信号送信電力値は、移動端末MT2のための最低限の性能を保証するように設定される。これは、γを所与の値に設定することによって達成される。ホーム基地局HBS最大無線信号送信電力値は、ホーム基地局HBSのセルエッジにおいて受信される電力がPF,CE以下であるように設定することができる。
【数7】

ただし、φ=PM,i/(aPi+N)は、ホーム基地局が電源を切られるときの、基地局BS1によってサービングされるとともに建物HM内に位置する移動端末MTのSINRである。壁貫通係数は、専門技術者によって測定するか又はホーム基地局HBSの所有者によって実行される測定から推測することもできるし、amax(例えば、−5dB)を上限とすることもできるし、例えば、移動端末が建物HMに入るか、又は建物HMから離れるときに、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MTによって、及び/又はホーム基地局HBSによって実行される測定から推測することもできる。
【0075】
F,CEは、ホーム基地局HBSのセルエッジにおける上限を表す。本発明によれば、ホーム基地局HBSのセルエッジにおいてPF,CEよりも低い受信電力、例えば、PF,CEの90%の電力に対応するホーム基地局の無線信号送信電力を用いることもできる。
【0076】
ホーム基地局HBS無線信号送信電力を制限することによって、建物HM内の最悪のSINRは以下のように表される。
【数8】

ただし、η=aPi/Nは、ホーム基地局HBSがオンにされないときに、システムが建物HM内で干渉又は雑音制限されるか否かを示す。
【0077】
本発明によれば、基地局BS1によってサービングされるとともに建物HMの近くにある移動端末MTの最悪のSINRは、建物HM内の最悪のSINR、SINRF,CEに等しく設定される。
【数9】

そして、ホーム基地局によって転送されるとともにホーム基地局HBSのセルエッジにおいて受信される信号の送信電力の最大値は以下の通りである。
【数10】

この値は、基地局BS1によってサービングされる移動端末MT2のSINRがγよりも大きいことを保証する。
【0078】
ここで、λSINR1F,CE=γを解くことによってこれを一般化できることに留意されたい。ただし、λはホーム基地局HBSのSINRペナルティである。
【0079】
この方策は、φの大きな値に対して、すなわち、基地局BS1セル中心において、すなわち、ホーム基地局HBSが基地局BS1セル中心にあるときに、効率的に適用され得る。
【0080】
ホーム基地局HBSが起動されないときに、基地局BS1によってサービングされるとともに建物HMの近くにある移動端末MT2のSINRは、
【数11】

に等しい。基地局BS1によってサービングされる移動端末MT2のためのSINRが最大で劣化係数ρだけ劣化するような、ホーム基地局HBS無線信号送信電力設定のための目標SINRγを得ることができる。例えば、ρは、デシベル単位で表される場合に、−0.5dBに等しい。したがって、基地局BS1によってサービングされる移動端末MT2の目標SINRは以下の通りである。
【数12】

【0081】
その場合、セルエッジにおいてホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1のためのSINRは、以下の値を超えてはならない。
【数13】

【0082】
ここで、係数ρはSINR劣化であることに留意されたい。係数ρは、例えば、シャノン容量のような他の項目の劣化も表すことができる。
【0083】
その場合、
【数14】

である。
【0084】
したがって、この手法によれば、基地局BS1によってサービングされる移動端末MT2のSINR、すなわちφが増加するとき、ホーム基地局HBS性能が低下することがわかる。したがって、ホーム基地局HBS無線信号電力設定は、基地局BS1デッドゾーン又は基地局BS1セルエッジにおいてより良好に機能し、それらの場所では、雑音及び干渉の他の発生源に対して、基地局BS1によってサービングされる移動端末に対するその干渉を無視できるようになる。
【0085】
本発明の特定の実現形態によれば、SINR1F,CE及びSINR2F,CEは、補足的な利益を得るために組み合わせられる。
【0086】
SINR1F,CE及びSINR2F,CEは一次結合することができるか、又は例えば、SINR1F,CE及びSINR2F,CEの最大値をとること等によって、非線形に組み合わせることができる。
【0087】
例えば、SINRは、ホーム基地局HBSフェムトセルエッジにおいて、2つのSINR1F,CE及びSINR2F,CEの和として設定される。その際、以下の式が成り立つ。
【数15】

【0088】
ホーム基地局HBSセルエッジにおける最大受信電力値は以下の値に設定される。
【数16】

【0089】
Gが、ホーム基地局HBSと、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MTとの間の建物HM内の最も低い経路利得である場合、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値はPF,CE/Gに設定される。これは、ホーム基地局HBSの無線信号送信電力の最大値が以下の値に設定されることを意味する。
【数17】

【0090】
Gは、例えば、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MTによって転送される測定報告を用いて、長期的に決定される。
【0091】
図2は、本発明が実施されるホーム基地局のアーキテクチャーを表す図である。
【0092】
ホーム基地局HBSは、例えば、バス201によって互いに接続される構成要素、及び図4〜図9において開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ200に基づくアーキテクチャーを有する。
【0093】
バス201は、プロセッサ200を、リードオンリーメモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、無線インターフェース205及びネットワークインターフェース206にリンクする。
【0094】
メモリ203は、図4〜図9において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの変数及び命令を受信するように構成されるレジスタを含む。
【0095】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206及び無線インターフェース205の動作を制御する。
【0096】
リードオンリーメモリ202は、図4〜図9において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、それらの命令は、ホーム基地局HBSが電源を入れられるときに、ランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0097】
ホーム基地局HBSは、ネットワークインターフェース206を通じて、図1には示されないバックボーンネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース206は、DSL(デジタル加入者線(Digital Subscriber Line))モデム、又はISDN(統合サービスデジタル網(Integrated Services Digital Network))インターフェース、又はホーム基地局HBSをコアネットワーク、サーバーServ及び/若しくは基地局BS等にリンクする無線リンク等である。ネットワークインターフェース206を通じて、ホーム基地局HBSは、無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワークにメッセージを転送することができる。
【0098】
無線インターフェース205及びネットワークインターフェース206は、移動端末MT1が遠隔電気通信デバイスとの通信を確立又は受信するときに、無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスするために移動端末MT1によって用いられるホーム基地局HBSのリソースである。
【0099】
図3は、本発明を実施することができるサーバーのアーキテクチャーを表す図である。
【0100】
サーバーServは、例えば、バス301によって互いに接続される構成要素、及び図4〜図9において開示されるようなプログラムの一部によって制御されるプロセッサ300に基づくアーキテクチャーを有する。
【0101】
バス301は、プロセッサ300を、リードオンリーメモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303及びネットワークインターフェース306にリンクする。
【0102】
ランダムアクセスメモリ303は、図4〜図9において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの部分の変数及び命令を受信するように構成されるレジスタを含む。
【0103】
プロセッサ300は、ネットワークインターフェース306の動作を制御する。
【0104】
リードオンリーメモリ302は、図4〜図9において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの部分の命令を含み、それらの命令は、サーバーServが電源を入れられるときに、ランダムアクセスメモリ303に転送される。
【0105】
サーバーServは、ネットワークインターフェース306を通じて、バックボーンネットワークに接続される。例えば、ネットワークインターフェース306は、DSLモデム、又はISDNインターフェース等である。ネットワークインターフェース306を通じて、サーバーServは、ホーム基地局HBSにメッセージを転送し、及び/又はホーム基地局HBSからメッセージを受信することができる。
【0106】
図4〜図9に関してこれ以降に記述されるアルゴリズムのありとあらゆるステップは、PC(パーソナルコンピューター(Personal Computer))、DSP(デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor))又はマイクロコントローラーのようなプログラマブル計算機によって1組の命令又はプログラムを実行することによってソフトウェアにおいて実施することができるか、又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array))又はASIC(特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit))のような機械又は専用構成要素によってハードウェアにおいて実施することができる。
【0107】
図4は、本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第1の例を開示する。
【0108】
より厳密には、本アルゴリズムは、ホーム基地局HBSが電源を入れられるときに、かつ/又は周期的に、かつ/又はホーム基地局が或る移動端末MTをサービングし始めるか、若しくはサービングし終わるときに、ホーム基地局HBSのプロセッサ200によって実行される。
【0109】
ステップS400において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS付近に位置する、移動端末MT2のような移動端末をサービングする基地局BS1によって転送された受信無線信号の電力値を無線インターフェース205から入手する。基地局BS1によって転送された受信無線信号の電力値は、ホーム基地局HBSの無線インターフェース205によって測定されるか、又はホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1のような移動端末によって受信される信号の測定報告から検索される。
【0110】
ステップS401において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS付近に位置する移動端末をサービングしない基地局BS2によって転送される受信無線信号の電力値を無線インターフェース205から入手する。基地局BS2によって転送される受信無線信号の電力値は、ホーム基地局HBSの無線インターフェース205によって測定されるか、又はホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1のような移動端末によって受信される信号の測定報告から検索される。
【0111】
次のステップS402において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1における雑音レベルNを入手する。
【0112】
雑音レベルは、RAMメモリ203内に格納されるか、又は移動端末MT1によって転送される所定の値とすることができる。
【0113】
次のステップS403において、プロセッサ200は、壁貫通係数aを入手する。
【0114】
壁貫通係数aは、RAMメモリ203に格納される所定の値とすることもできるし、専門技術者によって測定するか又はホーム基地局HBSの所有者によって実行される測定から推測することもできる。
【0115】
次のステップS404において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBSセルエッジにおけるSINR、及び/又はホーム基地局HBSセルエッジにおける受信電力、及び/又はホーム基地局HBSの無線信号送信電力の値を求める。
【0116】
例えば、ホーム基地局HBSセルエッジにおけるSINRは、SINR1F,CEに等しいか、又はSINR1F,CEとSINR2F,CEとの和に等しい。後者の場合、以下の式が成り立つ。
【数18】

【0117】
ホーム基地局HBSセルエッジにおける最大受信電力値は以下の式に等しい。
【数19】

【0118】
ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値は以下の式に等しい。
【数20】

【0119】
Gは、例えば、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MTによって転送される測定報告を用いて、長期的に決定される。
【0120】
ホーム基地局HBSセルエッジにおけるSINRがSINR1F,CEに等しい場合には、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値は、基地局によってサービングされるとともにホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を、ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指す。
【0121】
ここで、一変形形態では、ステップS403及び/又はS404は、ホーム基地局HBSの代わりに、サーバーServによって実行されることに留意されたい。ホーム基地局HBSは、ステップS400、S401、S402又はS400〜S403において入手した情報をサーバーServに転送し、サーバーは、それに応答して、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力を転送する。
【0122】
次のステップS405において、プロセッサ200は、無線インターフェースに対して、最大無線信号送信電力値Pt、又は少なくとも0(null)でない送信電力値、かつ高くても最大無線信号送信電力値Ptを適用するように指示する。
【0123】
例えば、適用される電力値は、最小でも、最大無線信号送信電力値Ptの90%に等しい。
【0124】
図5は、本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第2の例を開示する。
【0125】
より厳密には、本アルゴリズムは、ホーム基地局HBSが電源を入れられるときに、かつ/又は周期的に、かつ/又はホーム基地局HBSが或る移動端末をサービングし始めるか、若しくはサービングし終わるときに、ホーム基地局HBSのプロセッサ200によって実行される。
【0126】
ステップ500において、プロセッサ200は、基地局BSによって転送される信号の受信電力とホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値とを関連付けるテーブルを入手する。
【0127】
例えば、そのテーブルはROMメモリ202に格納されるか、又はネットワークインターフェース206を通じてサーバーServから受信される。
【0128】
ステップS501において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS付近に位置する、移動端末MT2のような移動端末をサービングする基地局BS1によって転送される受信無線信号の電力値を無線インターフェース205から入手する。基地局BS1によって転送される受信無線信号の電力値は、ホーム基地局HBSの無線インターフェース205によって測定されるか、又はホーム基地局HBSによってサービングされる、移動端末MT1のような移動端末によって受信される信号の測定報告から検索される。
【0129】
次のステップS502において、プロセッサ200は、壁貫通係数a及び劣化係数ρを入手する。
【0130】
壁貫通係数aはRAMメモリ203内に格納される所定の値とすることもできるし、専門技術者によって測定するか、又はホーム基地局HBSの所有者によって実行される測定から推測することもできる。係数ρは、RAMメモリ203に格納される所定の値とすることもできるし、専門技術者によって設定することもできる。
【0131】
次のステップS503において、プロセッサ200は、ステップS500において入手したテーブル及び基地局BS1によって転送された受信無線信号の電力値を用いて、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値を求める。また、プロセッサ200は、基地局によってサービングされるとともにホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比をホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指して、求められた最大送信電力値を壁貫通係数a、劣化係数ρに依存する関数だけシフトする。
【0132】
次のステップS504において、プロセッサ200は、無線インターフェース206に対して、シフトされた最大無線信号送信電力値Ptを、又は少なくとも0でない送信電力値、かつ高くてもシフトされた最大無線信号送信電力値Ptを適用するように指示する。
【0133】
例えば、適用されるシフトされた無線信号送信電力値は、最小でもシフトされた最大無線信号送信電力値Ptの90%に等しい。
【0134】
図6は、本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第3の例を開示する。
【0135】
より厳密には、本アルゴリズムは、ホーム基地局HBSが電源を入れられるときに、かつ/又は周期的に、かつ/又はホーム基地局HBSが或る移動端末をサービングし始めるか、若しくはサービングし終わるときに、ホーム基地局HBSのプロセッサ200によって実行される。
【0136】
ステップS600において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBSのセルエッジにおける受信電力を、建物HMの壁貫通係数a、移動端末MTにおける雑音レベルN、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,i、及び基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値Piに関連付けるテーブルを入手する。
そのテーブルは、基地局によってサービングされるとともにホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を、ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指す。
【0137】
例えば、そのテーブルは、RAMメモリ202に格納されるか、又はネットワークインターフェース206を通じてサーバーServから受信される。
【0138】
次のステップS601において、プロセッサ200は、建物HMの壁貫通係数a、移動端末MTにおける雑音レベルN、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,i、及び基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値Piを入手する。
【0139】
上記の入手した値は、移動端末MT1から受信される測定報告若しくはRAMメモリ203に格納されるデータから導出されるか、又は無線インターフェース205によって測定される。
【0140】
次のステップS602において、プロセッサ200は、
ステップS600において入手したテーブルと、
建物HMの壁貫通係数a、移動端末MTにおける雑音レベルN、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,i、及び基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値Piとを用いて、
ホーム基地局HBSのセルエッジにおける受信電力値を求める。
【0141】
次のステップS603において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gの値を求める。
【0142】
Gは、例えば、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MTによって転送される測定報告を用いて、長期的に求められる。
【0143】
次のステップS604において、プロセッサ200は、求められたホーム基地局HBSのセルエッジにおける受信電力値、及びホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gを用いて、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値を求める。
【0144】
次のステップS605において、プロセッサ200は、無線インターフェース206に対して、最大無線信号送信電力値Pt、又は少なくとも0でない送信電力値、かつ高くても最大無線信号送信電力値Ptを適用するように指示する。
【0145】
例えば、適用される電力値は、最小でも、最大無線信号送信電力値Ptの90%に等しい。
【0146】
図7は、本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第4の例を開示する。
【0147】
より厳密には、本アルゴリズムは、ホーム基地局HBSが電源を入れられるときに、かつ/又は周期的に、かつ/又はホーム基地局HBSが或る移動端末をサービングし始めるか、若しくはサービングし終わるときに、ホーム基地局HBSのプロセッサ200によって実行される。
【0148】
ステップS700において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値を、建物HMの壁貫通係数a、移動端末MTにおける雑音レベルN、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,i、基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値Pi、及びホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gに関連付けるテーブルを入手する。
【0149】
例えば、そのテーブルはROMメモリ202に格納されるか、又はネットワークインターフェース206を通じてサーバーServから受信される。
【0150】
そのテーブルは、基地局によってサービングされるとともにホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を、ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指す。
【0151】
次のステップS701において、プロセッサ200は、建物HMの壁貫通係数a、移動端末MTにおける雑音レベルN、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,i、基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値Pi、及びホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gを入手する。
【0152】
上記の入手した値は、移動端末MT1から受信される測定報告若しくはRAMメモリ203に格納されるデータから導出されるか、又は無線インターフェース205によって測定される。
【0153】
ステップS702において、プロセッサ200は、ステップS700において入手したテーブル、及びステップS701において入手したデータを用いて、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値を求める。
【0154】
次のステップS703において、プロセッサ200は、無線インターフェースに対して、最大無線信号送信電力値Pt、又は少なくとも0でない送信電力値、かつ高くても最大無線信号送信電力値Ptを適用するように指示する。
【0155】
例えば、適用される電力値は、最小でも、最大無線信号送信電力値Ptの90%に等しい。
【0156】
図8は、本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第5の例を開示する。
【0157】
より厳密には、本アルゴリズムは、ホーム基地局HBSが電源を入れられるときに、かつ/又は周期的に、かつ/又はホーム基地局HBSが或る移動端末をサービングし始めるか、若しくはサービングし終わるときに、ホーム基地局HBSのプロセッサ200によって実行される。
【0158】
第5の例において、ホーム基地局HBSは、無線信号が第1の周波数帯において転送される第1の通信プロトコルを用いて移動端末をサービングすることができる。また、ホーム基地局HBSは、第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルを用いて移動端末をサービングすることができ、その場合、無線信号は第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯において転送される。
【0159】
ステップS800において、プロセッサ200は、無線インターフェース205を通じて、かつ第1の通信プロトコルを用いてメッセージを転送するように指示する。そのメッセージは、第2の周波数帯においていくつかの測定を実行する要求である。
【0160】
ステップS801において、プロセッサ200は、無線インターフェースを通じて、移動端末MT1により実行された測定値の受信を検出する。
【0161】
例えば、測定値は、移動端末MTにおける雑音レベルN、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,i、基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値Piである。
【0162】
次のステップS802において、プロセッサ200は、第2の周波数帯について、ホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gを求める。
【0163】
Gは、例えば、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MTによって転送される測定報告を用いて、長期的に決定される。
【0164】
同じステップにおいて、プロセッサ200は、第2の周波数帯の壁貫通係数aを入手する。
【0165】
壁貫通係数aは、RAMメモリ203内に格納される所定の値とすることもできるし、専門技術者によって測定するか、又はホーム基地局HBSの所有者によって実行される測定から推測することもできる。
【0166】
次のステップS803において、プロセッサ200は、第2の周波数帯について、受信した測定値、壁貫通係数a、及びホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gを用いて、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値を求める。
【0167】
例えば、ホーム基地局HBSセルエッジにおけるSINRは、SINR1F,CEに等しいか、又はSINR1F,CEとSINR2F,CEとの和に等しい。後者の場合、以下の式が成り立つ。
【数21】

【0168】
ホーム基地局HBSセルエッジにおける最大受信電力値は以下の式に等しい。
【数22】

【0169】
ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値は以下の式に等しい。
【数23】

【0170】
次のステップS804において、プロセッサ200は、無線インターフェースに対して、最大無線信号送信電力値Pt、又は少なくとも0でない送信電力値、かつ高くても最大無線信号送信電力値Ptを第2の周波数帯に適用するように指示する。
【0171】
例えば、適用される電力値は、最小でも、最大無線信号送信電力値Ptの90%に等しい。
【0172】
図9は、本発明による、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのアルゴリズムの第6の例を開示する。
【0173】
より厳密には、本アルゴリズムは、ホーム基地局HBSが電源を入れられるときに、かつ/又は周期的に、かつ/又はホーム基地局HBSが或る移動端末をサービングし始めるか、若しくはサービングし終わるときに、ホーム基地局HBSのプロセッサ200によって実行される。
【0174】
第6の例において、ホーム基地局HBSは、無線信号が第1の周波数帯において転送される第1の通信プロトコルを用いて移動端末をサービングすることができる。また、ホーム基地局HBSは、第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルを用いて移動端末をサービングすることができ、その場合、無線信号は第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯において転送される。
【0175】
ステップS900において、プロセッサ200は、無線インターフェース205を通じて、第1の通信プロトコルを用いてメッセージを転送するように指示する。そのメッセージは、第1の周波数帯においていくつかの測定を実行する要求である。
【0176】
ステップS901において、プロセッサ200は、無線インターフェースを通じて、移動端末MT1によって実行された測定値の受信を検出する。
【0177】
例えば、測定値は、移動端末MTにおける雑音レベルN、基地局BS1によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値PM,i、基地局BS2によって転送されるとともに移動端末MT1によって受信される信号の電力値Piである。
【0178】
次のステップS902において、プロセッサ200は、第1の周波数帯の場合に、ホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gを求める。
【0179】
Gは、例えば、ホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MTによって転送される測定報告を用いて、長期的に決定される。
【0180】
同じステップにおいて、プロセッサ200は、第1の周波数帯について、壁貫通係数aを入手する。
【0181】
壁貫通係数aは、RAMメモリ203内に格納される所定の値とすることができるし、専門技術者によって測定するか、又はホーム基地局HBSの所有者によって実行される測定から推測することができる。
【0182】
次のステップS903において、プロセッサ200は、第1の周波数帯と第2の周波数帯との間の補正係数を用いて、求められた壁貫通係数a、及びホーム基地局HBSとホーム基地局HBSによってサービングされる移動端末MT1との間の建物HM内の最小経路利得Gを変更する。
【0183】
補正係数は、例えば、ホーム基地局HBSのRAMメモリ202に格納されている。
【0184】
次のステップS904において、プロセッサ200は、受信した測定値、補正された壁貫通係数a及び補正された最小経路利得Gを用いて、ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値を求める。
【0185】
例えば、ホーム基地局HBSセルエッジにおける最大SINRはSINR1F,CEに等しいか、又はSINR1F,CEとSINR2F,CEとの和に等しい。後者の場合、以下の式が成り立つ。
【数24】

【0186】
ホーム基地局HBSセルエッジにおける最大受信電力値は以下の式に等しい。
【数25】

【0187】
ホーム基地局HBSの最大無線信号送信電力値は以下の式に等しい。
【数26】

【0188】
次のステップS904において、プロセッサ200は、無線インターフェースに対して、最大無線信号送信電力値Pt、又は少なくとも0でない送信電力値、かつ高くても最大無線信号送信電力値Ptを第2の周波数帯に適用するように指示する。
【0189】
例えば、適用される電力値は、最小でも、最大無線信号送信電力値Ptの90%に等しい。
【0190】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信電力の最大値を設定するための方法であって、該ホーム基地局は基地局のセル内に位置する建物内に設置され、
該方法は、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングする前記基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手するステップと、
前記ホーム基地局によって、前記建物の壁貫通係数を考慮に入れて、かつ基地局によってサービングされるとともに前記ホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を前記ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比に等しくすることを目指して、前記基地局によって転送された受信無線信号の前記入手した電力値に従って、前記ホーム基地局によって転送される前記信号の最大送信電力値を設定するステップと、
を含むことを特徴とする、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するための方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局付近に位置する前記少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手するステップと、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の雑音レベルを入手するステップと、
を更に含むことを特徴とし、
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、前記雑音レベル、並びに前記ホーム基地局付近に位置する前記少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の前記電力値に基づいて設定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、前記ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を
【数1】

に等しくすることを目指して設定され、
ただし、φ=PM,i/(aPi+N)は、前記ホーム基地局が電源を切られるときの、前記基地局によってサービングされるとともに前記建物内に位置する移動端末の信号対干渉雑音比であり、
aは壁貫通係数であり、
iは前記ホーム基地局付近に位置する前記少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値であり、
Nは前記移動端末MTにおける雑音レベルであり、
η=aPi/Nであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、前記基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を、前記ホーム基地局からの干渉を受けない場合の送信に比べて所与の劣化係数だけ劣化させることを目指す送信電力に従って設定されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、該ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を
【数2】

に等しくすることを目指す送信電力に従って設定され、
ただし、ρは劣化係数であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、該ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を
【数3】

に等しくすることを目指して設定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値は、テーブルを用いて設定され、前記基地局によって転送された受信無線信号の前記入手した電力値は、前記壁貫通係数及び所定の係数に依存する関数だけシフトされる最大送信電力値を与えるテーブルのエントリであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手するステップと、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の雑音レベルを入手するステップと、
を更に含むことを特徴とし、
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値はテーブルを用いて設定され、受信無線信号の前記入手した電力値、前記建物の前記壁貫通係数及び前記雑音レベルは該テーブルのエントリであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングしない少なくとも別の基地局及び/又は別のホーム基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手するステップと、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局によってサービングされる少なくとも1つの移動端末の雑音レベルを入手するステップと、
前記ホーム基地局によって、該ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の最小経路利得を入手するステップと、
を更に含むことを特徴とし、
前記ホーム基地局によって転送される信号の前記最大送信電力値はテーブルを用いて設定され、受信無線信号の前記入手した電力値、前記最小経路利得、前記建物の前記壁貫通係数及び前記雑音レベルは該テーブルのエントリであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記ホーム基地局によって実行される更なるステップであって、
第2の通信プロトコルの信号が転送される第2の周波数帯上でいくつかの測定を実行するように少なくとも1つの移動端末に要求するメッセージを、前記無線インターフェースを通じて、第1の周波数帯内で信号が転送される第1の通信プロトコルを用いて転送するステップと、
前記少なくとも1つの移動端末によって実行される測定値を、前記無線インターフェースを通じて、前記第1の通信プロトコルを用いて受信するステップと、
前記第2の周波数帯について、前記ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の最小経路利得、及び壁貫通係数を入手するステップと、
前記測定値、前記壁貫通係数及び前記最小経路利得に従って、前記第2の周波数帯内で前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信電力値の最大値を設定するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記ホーム基地局によって実行される更なるステップであって、
第1の周波数帯上でいくつかの測定を実行するように少なくとも1つの移動端末に要求するメッセージを、前記無線インターフェースを通じて、第1の周波数帯内で信号が転送される第1の通信プロトコルを用いて転送するステップと、
前記少なくとも1つの移動端末によって実行される測定値を、前記無線インターフェースを通じて、前記第1の通信プロトコルを用いて受信するステップと、
前記第1の周波数帯について、前記ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の最小経路利得、及び壁貫通係数を入手するステップと、
前記ホーム基地局と該ホーム基地局によってサービングされる移動端末との間の前記建物内の前記最小経路利得、及び前記壁貫通係数を前記第2の周波数帯に移行するステップと、
前記測定値、前記移行した前記壁貫通係数及び前記最小経路利得に従って、前記第2の周波数帯内で前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信電力値の最大値を設定するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのデバイスであって、該ホーム基地局は基地局のセル内に位置する建物内に設置され、
該デバイスは、
前記ホーム基地局付近に位置する少なくとも1つの移動端末をサービングする前記基地局によって転送される受信無線信号の電力値を入手する手段と、
前記建物の壁貫通係数を考慮に入れて、かつ基地局によってサービングされるとともに前記ホーム基地局付近に位置する移動端末の最悪の信号対干渉雑音比を前記ホーム基地局によってサービングされる移動端末の最悪信号対干渉雑音比に等しくすることを目指して、前記基地局によって転送された受信無線信号の前記入手した電力値に従って、前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信電力値の最大値を設定する手段と、
を備えることを特徴とする、無線インターフェースを通じてホーム基地局により転送される信号の送信電力の最大値を設定するためのデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−165378(P2012−165378A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−12977(P2012−12977)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】