説明

無線タグ発行装置

【課題】 無線タグおよびインレットの大きさにかかわらず、また、複雑な構造を要することなく、かつ安価に特定の無線タグとのみ通信可能な無線タグ発行装置を提供すること。
【解決手段】 無線タグ発行装置のアンテナ20を電波吸収体で形成したアンテナ収納ケース21と、同じく電波吸収体で形成した無線タグ30のインレット31と同程度の幅で形成したスリット22aを有するスリット部材22とで包囲する。さらに、スリット22aの無線タグ30を挟んだ対向側に、スリット22aを全て覆い隠す大きさの開口部26aを有する電波吸収体ケース26を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップとアンテナとを有する無線タグを複数配置した台紙を搬送し、搬送される各無線タグに対して無線通信により情報の読み取りや書き込みを行って無線タグを発行する無線タグ発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流業などにおいては、バーコード等の機械コードをラベル等に印字して管理対象の物品に添付し、それをバーコードリーダで読み取って管理していた。近年では、無線通信技術を使用したRFID(Radio Frequency Identification)システムが利用され始めている。RFIDシステムでは、インレットと呼ばれる無線通信可能なIC回路を埋め込んだ無線タグとこの無線タグと無線通信可能な無線通信装置とが使用される。インレットは、アンテナにICチップを実装した構成になっており、無線通信装置から自身のアンテナが受信した命令に従い、ICチップに記憶した情報を無線通信装置へ返信したり、受信した情報をICチップに記憶したりする。
【0003】
上記RFIDシステムにおいて使用される無線タグを発行する際には、無線タグ発行装置が使用される。無線タグ発行装置は、連続媒体上に配置された無線タグを順次搬送していき、アンテナの対向位置に位置決めされた無線タグに対して無線通信により所定の情報を書き込んで発行する。また、無線タグのICチップに記憶された情報が直接人間に理解することができないという事情を考慮して、無線タグへの情報の書き込みのほか、内蔵したサーマルプリンタなどのプリンタによりICチップに書き込んだ情報を無線タグの表面に印字する印字機能を備えたものが存在する。通常、印字機能を備えた無線タグ発行装置で使用される無線タグは、インレットを被印字用紙と剥離紙の間に挟み込む構成となっており、無線タグ発行装置から発行される際には、被印字用紙とインレットが一体となって剥離紙から剥離される。そして、剥離した被印字用紙およびインレットを管理対象となる物品などに貼り付けて使用する。
【0004】
このような無線タグ発行装置を用いて無線通信により情報を書き込む際、書き込み対象の無線タグの前後に配置された無線タグにまで誤って情報を書き込んでしまうという問題があった。かかる問題に対処するため、例えば特許文献1に記載の無線タグ発行装置が提案されている。
【0005】
特許文献1に記載の無線タグ発行装置は、無線タグと無線通信を行うアンテナを金属部材に収納し、この金属部材の無線タグ搬送面側にスリットを形成することで、当該装置のアンテナから放射される電波に無線通信の対象となる無線タグの方向のみの指向性を持たせている。さらに搬送される無線タグを挟んで上記金属部材の対向方向から金属ケースで該無線タグを包囲することにより、無線タグ発行装置の筐体内に電波が散乱しないようにして、無線通信を行う対象の無線タグ以外の無線タグとの誤通信を防止している。
【特許文献1】特開2005−190216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の無線タグ発行装置では、所定の大きさの無線タグを包囲できる大きさに上記金属ケースを形成した場合、剥離紙上に小ピッチで小さい無線タグが配置されている場合など規格の異なる剥離紙および無線タグを使用すると複数の無線タグのインレットを包囲してしまう蓋然性がある。かかる場合には上記金属ケースで反射した電波によって意図しない無線タグに情報を書き込んでしまうことがある。そのため、規格の異なる大小さまざまな大きさの無線タグに対応することが困難であった。また、この問題に対処するために上記金属ケースの大きさを可変させたとしても、無線タグ発行装置の構造が複雑になり安価に提供することができない。
【0007】
本発明は、かかる事情に基づいてなされたものであり、その目的は、無線タグおよびインレットの大きさにかかわらず、また、複雑な構造を要することなく、かつ安価に特定の無線タグとのみ通信可能な無線タグ発行装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る無線タグ発行装置は、ICチップとタグアンテナとを有するインレットを備えた複数の無線タグが一方向に配列された連続媒体を前記無線タグの配列方向に搬送する搬送手段と、前記インレットのタグアンテナと無線通信を行うことにより前記ICチップからの情報の読み取りおよび前記ICチップへの情報の書き込みを行うアンテナと、電波吸収体からなり、前記搬送手段により前記連続媒体とともに順次搬送される無線タグのうち、無線通信の対象となる1つの無線タグと対向する側に開口部を設け、前記アンテナを包囲した電波指向性手段と、電波吸収体からなり、前記開口部と対向する位置に設置され、前記無線通信の対象となる無線タグのインレットを前記電波指向性手段と挟みこむ形で前記開口部を覆い隠す電波散乱防止手段と、を具備してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、無線タグおよびインレットの大きさにかかわらず、また、複雑な構造を要することなく、かつ安価に特定の無線タグとのみ通信可能な無線タグ発行装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る無線タグ発行装置1の概略構成図である。無線タグ発行装置1は、筐体内に無線タグ30に対して無線通信を行う無線通信部2、無線タグ30に対して印字を行う印字部3、搬送される無線タグ30の先端を所定位置で検知するラベルエッジセンサ14、無線タグ30を所定の間隔で一方向に多数配置した連続媒体である剥離紙9を送出する剥離紙送出軸10、該軸10から剥離紙9を引き出す搬送ローラ17、該ローラ17により引き出された剥離紙9を巻き取る剥離紙巻取り軸11、および剥離紙9を挟んで無線通信部2に対向する位置で図示しない稼動部材により支持された電波吸収体ケース26を備えている。
【0011】
印字部3は、ライン状に配設された発熱素子群を有するサーマルヘッド4、該ヘッド4に対向配置されたプラテンローラ5、インクリボン6を送出するリボン送出軸7、該軸7からインクリボン6を引き出すリボン搬送ローラ18、および該ローラ18により引き出されたインクリボン6を巻き取るリボン巻取り軸8で構成される。サーマルヘッド4とプラテンローラ5との当接位置(印刷出力位置P)には、剥離紙9がインクリボン6とともに搬送されている。無線タグ30への印字は、印字データに基づいて上記発熱素子群に通電して発熱させ、インクリボン6のインクを溶解させて無線タグ30に熱転写することで行う。そして、印刷出力位置Pを通過後、無線タグ30が剥離紙9から剥離して当該装置1から発行される。
【0012】
無線通信部2は、無線タグ30と無線通信するための電波を発するダイポールアンテナやパッチアンテナなどのアンテナ20、このアンテナ20を収納するアンテナ収納部材21およびスリット部材22を備えている。アンテナ収納部材21およびスリット部材22についての詳細は、図3の説明にて後述する。
【0013】
図2は、無線タグ発行装置1の制御回路を示すブロック図である。当該装置1の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)を主体とした制御部12に、上記無線通信部2、上記印字部3、搬送ローラ17を回転させて剥離紙9を搬送する搬送モータ13(搬送手段)、剥離紙9とともに搬送される無線タグ30の先端を厚みの違いにより検知するラベルエッジセンサ14、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とにより構成された記憶部15、および電波吸収体ケース26を支持する上記稼動部材を制御するケース稼動部16とをアドレスバスやデータバスなどのバスライン17により接続して構成されている。
【0014】
無線通信部2は、無線タグ30と無線通信を行う際に各種コマンドを伴う送信信号を変調してアンテナ20に出力し、また、アンテナ20から入力された受信信号を復調して制御部12に出力する送受信部27を備えている。
【0015】
無線タグ30は、アンテナ32とICチップ36とを有するインレット31を備え、ICチップ36は、アンテナ32を介して無線タグ発行装置1と無線通信を行う送受信部33と情報の記憶が可能なメモリ34とを備えている。送受信部33は、アンテナ32が受信した電波を復調してコマンドを取り出すとともに、取り出したコマンドに基づいて各種情報処理を行う。
【0016】
図3は、無線通信部2の構成を示す分解斜視図である。アンテナ収納部材21およびスリット部材22は、アンテナ20から放射される電波を吸収する電波吸収体で形成されている。アンテナ収納部材21には、アンテナ20と略同一形状のアンテナ収納部21aが形成されており、アンテナ収納部21a内の所定位置には、対向面まで貫通した小孔21bが形成されている。スリット部材22には、剥離紙9の搬送方向に対する略直交方向を長手方向として開口したスリット22a(開口部)が形成されている。このスリット22aの上記搬送方向と平行な方向の幅は、アンテナ20の同一方向の幅以下で、好ましくはアンテナ20によって無線タグ30と無線通信を行える最短の幅に形成することが望ましい。
【0017】
アンテナ20をアンテナ収納部材21のアンテナ収納部21aに嵌め込んだ際には、アンテナ20の開放面とアンテナ収納部21aの形成面とが平面をなす。この平面にスリット部材22のスリット22aの形成面を当接させて固定したときには、スリット22aの上記搬送方向の幅がアンテナ20の上記搬送方向の幅を超えない範囲内に位置決めされるようになっている。
【0018】
上記のような構成の無線通信部2は、当該装置1内部の所定位置に剥離紙9と当接するように設置する。すなわち、剥離紙9の搬送を開始したときには、スリット部材22の上面が剥離紙9の搬送面をなす。また、アンテナ20には図示しない同軸ケーブルが接続され、該ケーブルの他端は小孔21bを挿通して外部に延出し、送受信部27と接続される。このとき、送受信部27からの信号に基づいてアンテナ20から放射された電波は、スリット22a方向を除いて電波吸収体であるアンテナ収納部材21およびスリット部材22に吸収されるので、アンテナ20から放射される電波にスリット22a方向への指向性を持たせることができる。すなわち、アンテナ収納部材21とスリット部材22とは、アンテナを無線通信の対象となる1つの無線タグと対向する側にスリット22aを残して電波吸収体で包囲する電波指向性手段を構成する。
【0019】
電波吸収体ケース26は、アンテナ収納部材21およびスリット部材22と同様に電波吸収体で形成されており、スリット部材22のスリット22aを全て覆い隠すことができる大きさの凹部26aを有している。
【0020】
なお、アンテナ収納部材21、スリット部材22および電波吸収体ケース26を形成する電波吸収体は、無線タグ30との通信に使用される電波の周波数に応じて最適な厚さに設定することが望ましい。
【0021】
次に、図4および図5を用いて剥離紙9上に配置されて搬送される無線タグ30について説明する。図4は、剥離紙9に所定の間隔を開けて複数取り付けられた無線タグ30および無線通信部2の断面図、図5は、無線通信部2上を搬送される剥離紙9を上から見た模式図である。
【0022】
無線タグ30は、ICチップ36とその両端に配置されたアンテナ32a,32bとを有するインレット31を、その上面側をラベル35で覆い、下面側に粘着層37を形成して構成されている。そして、剥離紙9は、搬送モータ13による搬送ローラ17の駆動によりスリット部材22の搬送面上を図中矢印で示した方向に搬送されている。無線タグ30と無線通信を行う際には、スリット22aによる電波の指向性方向にインレット31のアンテナ32が位置するように無線タグ30が位置決めされる。この位置を無線通信位置Qと称して図4中に示している。
【0023】
無線通信部2が無線タグ30と無線通信を行うときには、制御部12がケース稼動部16を介して上記稼動部材を駆動制御し、電波吸収体ケース26を無線タグ30に接近する方向へ下降させる。このとき、電波吸収体ケース26の凹部26a形成面の対向面が付勢手段である弾性体28により付勢され、凹部26aの縁が無線タグ30の上面を軽く押圧して、電波吸収体ケース26とスリット部材21とが無線通信位置Qに位置決めされた無線タグ30のインレット31を包囲する。すなわち、電波吸収体ケース26は電波散乱防止手段を構成する。
【0024】
また、上記のように電波吸収体ケース26を付勢するのは、無線通信の際に該ケース26と無線タグ30との間に隙間が構成されないようにするためである。これにより、アンテナ20から放射された電波が電波吸収体ケース26の外部へ漏れて無線タグ発行装置1の筐体内に散乱することを防ぐことができる。
【0025】
無線通信位置Qに位置決めされた無線タグ30との無線通信が終了すると、制御部12がケース稼動部16を介して上記稼動部材を駆動制御し、電波吸収体ケース26を上記待機位置まで離間させる。すなわち、上記稼動部材は、電波吸収体ケース26を無線通信の対象となる無線タグ30に対して接離可能に稼動せしめる稼動手段である。
【0026】
次に、当該装置1による無線タグの発行処理について説明する。図6は、制御部12が無線タグ発行処理において実行する処理の流れ図である。先ず、制御部12は、ST1として搬送モータ13を駆動し搬送ローラ17による剥離紙9の搬送を開始する。そして、制御部12は、ST2としてラベルエッジセンサ14が無線タグ30の先端を検知したか否かを判断する。この処理は、ラベルエッジセンサ14が無線タグ30の先端を検知したと判断するまで繰り返され(ST2のNo)、その間、ST1の処理が繰り返される。
【0027】
ラベルエッジセンサ14が無線タグ30の先端を検知したと判断したとき(ST2のYes)には、制御部12は、ST3として搬送モータ13を駆動し、先端を検知した無線タグ30を搬送ローラ17により無線通信位置Qに搬送する。しかる後、制御部12は、ST4としてケース稼動部16を介して上記稼動部材を駆動制御し、電波吸収体ケース26を無線タグ30に接近する方向へ稼動せしめ、弾性体28の付勢により凹部26aの縁が無線タグ30の上面を軽く押圧するようにセットする。そして、制御部12は、ST5として無線通信部2を制御して無線タグ30と無線通信を行い、メモリ34に記憶された情報の読み取りやメモリ34への情報の書き込みを行う。
【0028】
次に、制御部12は、ST6として上記無線通信処理が完了したか否かを判断する。この処理は、ST5の無線通信処理が完了したと判断されるまで繰り返され(ST6のNo)、無線通信処理が完了したと判断したとき(ST6のYes)には、制御部12は、ST7としてケース稼動部16を介して上記稼動部材を駆動制御し、電波吸収体ケース26を無線タグ30から上記待機位置まで離間せしめセットを解除する。すなわち、制御部12がST4およびST7にて行う処理は、制御手段を構成する。
【0029】
電波吸収体ケース26のセットを解除した後、制御部12は、ST8として搬送モータ13を駆動し、無線通信を行った無線タグ30の先端が印刷出力位置Pに達するまで搬送ローラ17により搬送する。しかる後、制御部12は、ST9として印字部3を制御して無線タグ30のラベル35に対し、無線通信処理にて無線タグ30のメモリ34に書き込んだ情報などの印字を行う。そして、無線タグ30のラベル35に対する印字が完了すると、制御部12は、ST10として搬送モータ13を駆動して無線タグ30を所定位置まで搬送する。このとき、無線タグ30は、剥離紙9から剥離されて当該装置1の筐体外に発行されることとなる。
【0030】
上記無線通信処理(ST5)において無線通信部2が無線通信の対象である無線タグ30と無線通信を行う最適な位置すなわち無線通信位置Qは、該無線タグ30のアンテナ32a,32bがちょうどスリット22aの上方に来る位置である。アンテナ20から放射される電波には、アンテナ収納部材21およびスリット部材22によりスリット22a方向に指向性を持たせているため、印刷出力位置Qに位置決めされた無線タグ30とのみ無線通信することとなる。
【0031】
なお、図3の説明にて上述の通り、スリット22aの上記搬送方向幅をアンテナ20の該方向幅以下で、アンテナ20によって無線タグ30と無線通信を行える最短の幅に形成しておけば、より小ピッチで無線タグ30が剥離紙9上に配置されている場合においても無線通信の対象となる無線タグ30とのみ通信できる。
【0032】
また、電波吸収体ケース26を設置することで、アンテナ20から放射された電波が無線タグ発行装置1の筐体内に散乱することを防止できる。すなわち、スリット22aから放射された電波は電波吸収体ケース26に吸収され、該ケース26内で反射することはないので、凹部26a内に複数のインレット31を包囲した場合であっても、電波吸収体ケース26の大きさにかかわらず無線通信位置Qに位置決めされた無線通信の対象となるインレット31とのみ確実に無線通信できる。そのため、無線タグ30やインレット31の配置間隔や大きさに応じて電波吸収体ケース26の大きさを可変させるような複雑な構造を要することなく、かつ安価に無線通信の対象となる無線タグ30とのみ通信可能な無線タグ発行装置を提供することができる。
【0033】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲内にて各構成要素を適宜変形して具体化することができる。
【0034】
例えば、送受信部27は、無線タグ発行装置1の外部に設置し、アンテナ20と接続した同軸ケーブルを無線タグ発行装置1の筐体外に排出して接続してもよい。
【0035】
また、上記実施形態においては、無線通信部2が無線タグ30と無線通信処理を行った後に印字部3が無線タグ30のラベル35への印字処理を行う無線タグ発行装置1に本発明を適用した例について説明したが、印字処理を行わずに無線通信のみを行う構成としてもよいし、印字部3が印字処理した後に無線通信部2が無線通信処理を行う構成としてもよい。
【0036】
また、無線タグ発行装置1のアンテナ20は、電波指向性手段すなわちアンテナ収納部材21とスリット部材22とで包囲されるとしたがこれに限定されず、これに代えてアンテナ収納部材21とスリット部材22とを予め一部品として形成するなどの他の構成にしてもよい。
【0037】
また、電波吸収体ケース26を用いない構成とした場合であっても、複数のインレット31がスリット22a上に位置しないようにスリット22aの上記搬送方向幅を無線通信部2と無線タグ30とが無線通信可能な範囲で可能な限り狭く形成しておけば、無線通信対象の無線タグ30以外の無線タグ30との誤通信が生じる蓋然性を軽減することができる。
【0038】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全体構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態における無線タグ発行装置の概略構成図。
【図2】同実施形態における無線タグ発行装置の制御回路を示すブロック図。
【図3】同実施形態における無線通信部の構成を示す分解斜視図。
【図4】同実施形態において剥離紙に複数取り付けられた無線タグおよび無線通信部の断面図。
【図5】同実施形態において無線通信部上を搬送される剥離紙を上から見た模式図。
【図6】同実施形態における無線タグ発行処理において制御部が実行する処理の流れ図。
【符号の説明】
【0040】
1…無線タグ発行装置、2…無線通信部、3…印字部、4…サーマルヘッド、5…プラテンローラ、9…剥離紙、12…制御部、13…搬送モータ、14…ラベルエッジセンサ、15…記憶部、16…ケース稼動部、17…搬送ローラ、20…アンテナ、21…アンテナ収納部材、21a…アンテナ収納部、22…スリット部材、22a…スリット、26…電波吸収体ケース、26a…凹部、27…送受信部、28…弾性体、30…無線タグ、31…インレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップとタグアンテナとを有するインレットを備えた複数の無線タグが一方向に配列された連続媒体を前記無線タグの配列方向に搬送する搬送手段と、
前記インレットのタグアンテナと無線通信を行うことにより前記ICチップからの情報の読み取りおよび前記ICチップへの情報の書き込みを行うアンテナと、
電波吸収体からなり、前記搬送手段により前記連続媒体とともに順次搬送される無線タグのうち、無線通信の対象となる1つの無線タグと対向する側に開口部を設け、前記アンテナを包囲した電波指向性手段と、
電波吸収体からなり、前記開口部と対向する位置に設置され、前記無線通信の対象となる無線タグのインレットを前記電波指向性手段と挟みこむ形で前記開口部を覆い隠す電波散乱防止手段と、
を具備してなることを特徴とする無線タグ発行装置。
【請求項2】
前記開口部は、前記連続媒体の搬送方向の幅を、前記アンテナの同一方向の幅以下としたことを特徴とする請求項1に記載の無線タグ発行装置。
【請求項3】
前記電波散乱防止手段を前記無線通信の対象となる無線タグに対して接離可能に稼動せしめる稼動手段と、
前記アンテナが無線タグと無線通信していないときには、前記稼動手段により前記電波散乱防止手段を前記連続媒体から離間させ、前記アンテナが無線タグと無線通信しているときには、前記稼動手段により前記電波散乱防止手段を該無線タグに当接するまで前記連続媒体に接近させる制御手段と、
をさらに具備してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線タグ発行装置。
【請求項4】
前記電波散乱防止手段を、前記無線通信の対象となる無線タグの方向に付勢する付勢手段、
をさらに具備してなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載の無線タグ発行装置。
【請求項5】
前記アンテナにより無線通信を行った無線タグに対して印字を行う印字手段、
をさらに具備してなることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載の無線タグ発行装置。
【請求項6】
ICチップとタグアンテナとを有するインレットを備えた複数の無線タグが一方向に配列された連続媒体を前記無線タグの配列方向に搬送する搬送手段と、
前記インレットのタグアンテナと無線通信を行うことにより前記ICチップからの情報の読み取りおよび前記ICチップへの情報の書き込みを行うアンテナと、
このアンテナを、前記搬送手段により前記連続媒体とともに順次搬送される無線タグのうち、無線通信の対象となる1つの無線タグと対向する側に開口部を残して電波吸収体で包囲する電波指向性手段と、
を具備してなることを特徴とする無線タグ発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−199454(P2009−199454A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41925(P2008−41925)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】