説明

無線加入者システム、無線加入者システムの回線接続制御装置及び記録媒体

【課題】 無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てること。
【解決手段】 加入者無線装置(SU−A,SU−B,…)と、公衆交換電話網の交換機12に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置(22、24)とを有する無線加入者システムであって、無線チャネルが輻輳状態である場合に、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合、現在通話中の呼を含めて前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆交換電話網(PSTN(Public Switched Telephone Network))のうち、交換機から加入者宅内までの間の加入者回線を、無線化した、所謂ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL(Wireless Local Loop))と称する、無線加入者システムに係り、特に無線加入者システム、無線加入者システムの回線接続制御装置及び無線加入者システムの回線接続制御装置の機能を実現するためのコンピュータにより実行可能なプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
公衆交換電話網のうち交換機から加入者宅までの間に位置する集線システムは一般的にアクセスネットワーク(Access Network)と呼ばれており、アクセスネットワークに無線システムを導入したものがワイヤレス・ローカル・ループシステムと呼ばれている。
【0003】
この無線加入者システムは、加入者回線のオンフック/オフフック状態、音声、着信呼出等を透過的に伝えるシステムであり、交換機からの着信呼出を検出して加入者無線端末に伝えて電話の呼出を行ったり、加入者(ユーザ)が電話機の受話器を上げる(オフフック)ことにより、無線チャネル及び交換機までの通話チャネルを確立させ、通話が可能になるように構成されている。この無線加入者システムには、従来の移動電話システムを応用している場合が多い。
【0004】
このような無線加入者システムでは、加入者回線の無線部分に使用するチャネルが輻輳している状態において、新たに別の加入者端末が発呼しようとしても無線基地局から発呼を拒否されてしまい、通話ができない。また上記加入者回線の無線部分に使用するチャネルが輻輳している状態において、新たに別の着呼が発生しても無線基地局から着呼を拒否されてしまい、通話ができない。これは一般的に、収容する加入者回線数よりも無線加入者システムの無線チャネル数が少ないことに影響されているが、このことは、無線チャネルが輻輳状態にある場合において、ある加入者が緊急を要する相手先(例えば、警察や消防署)に電話をかけようとしても通話ができないことを意味している。また加入者への着呼があった場合にその加入者が重要な加入者、例えば、警察や重要人物であるような場合には社会的な問題が生じる可能性がある。
【0005】
従来の無線加入者システムの構成を図10に示す。同図において、公衆交換電話網10 に設けられた交換機12は加入者回線A,B等の加入者線、アクセスネットワークとしての無線加入者システム200を介して加入者宅内の電話機210A,210B,…,に接続されている。無線加入者システム200は、加入者回線を介して交換機12と接続されている回線接続制御装置202と、回線接続制御装置202と無線チャネルを介して接続される加入者端末としての加入者無線装置SU−A,SU−B,…とを有している。回線接続制御装置202は、無線基地局の機能を含んでいる。
【0006】
加入者無線装置SU−A,SU−B,…は、それぞれ各加入者宅内に設置され、各加入者無線装置SU−A,SU−B,…には、対応する電話機210A,210B,…が、それぞれ接続されている。ここで、ユーザBは優先接続する旨、登録された加入者、または緊急を要する相手先に電話をかけようとする加入者であり、ユーザAは優先接続する旨、登録されていない加入者、または緊急を要しない呼である非緊急呼として通話中の加入者であるとする。また、加入者Aの宅内に設置される加入者無線装置SU−Aは加入者回線Aに接続され、加入者Bの宅内に設置される加入者無線装置SU−Bは加入者回線Bに接続されるように加入者回線と加入者無線装置は1対1に対応している。
【0007】
無線加入者システム200における無線チャネルが輻輳状態である場合の制御動作の一例について図11を参照して説明する。図11は交換機12と回線接続制御装置202との間のインタフェースを2線アナログ回線とし、回線接続制御装置202と各加入者無線装置SU−A,SU−B,…との間をPHS準拠のインタフェースとすると共に、各加入者無線装置SU−A,SU−B,…と対応する各加入者電話機210A,210B,…との間のインタフェースを2線アナログ回線とし、加入者回線B及びユーザBに対して輻輳状態において着呼が発生した場合の制御シーケンスを示している。
【0008】
上記構成において、いま加入者回線AとユーザAとが通話中であり、ユーザBへの着呼があると、交換機12より加入者回線Bを介して回線接続制御装置202に呼出信号(Ring)が出力され、回線接続制御装置202は着呼メッセージ(Paging)が加入者無線装置SU−Bに出力される。次いで加入者無線装置SU−Bより回線接続制御装置202に着呼端末の識別情報(PSID)を含むリンクチャネル確立要求メッセージが出力される。
【0009】
回線接続制御装置202は、無線チャネルの全てが使用中、または使用できない場合には着呼先のユーザBへの着呼に対するリンクチャネルの割当を拒否する旨のメッセージを加入者無線装置SU−Bに送出する。この結果、ユーザBへの着呼は拒否される。
【0010】
次に無線加入者システム200における無線チャネルが輻輳状態である場合の制御動作の他の例について図12を参照して説明する。図12は交換機12と回線接続制御装置202との間のインタフェースを2線アナログ回線とし、回線接続制御装置202と各加入者無線装置SU−A,SU−B,…との間をPHS準拠のインタフェースとすると共に、各加入者無線装置SU−A,SU−B,…と対応する各加入者電話機210A,210B,…との間のインタフェースを2線アナログ回線とし、加入者回線B及びユーザBが、無線チャネルが輻輳状態において緊急を要する相手先に発呼しようとする場合の制御シーケンスを示している。
【0011】
上記構成において、いま加入者回線AとユーザAとが通話中であり、ユーザBの電話機210Bがオフフックされ、発呼通知が加入者無線装置SU−Bに出力されると、加入者無線装置SU−Bより回線接続制御装置202に発呼端末の識別情報を含むリンクチャネル確立要求メッセージが出力される。
【0012】
回線接続制御装置202では無線チャネルの全てが使用中、または使用できない場合には発呼要求元のユーザBによる呼に対するリンクチャネルの割当を拒否する旨のメッセージを加入者無線装置SU−Bに送出し、加入者無線装置SU−BからユーザBの電話機210Bに無線チャネルが使用中であることを示すビジートーンが送出される。この結果、ユーザBは電話機210Bの受話器を置き(オンフック)、電話機210Bより終了信号が加入者無線装置SU−Bに出力される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した無線加入者システムでは、無線チャネルが輻輳状態にある場合には緊急呼としての発呼要求が発生してもリンクチャネルの割当が拒否されるために、緊急呼が発生した場合に、該緊急呼に確実に無線チャネルを割り当てることができないという問題が有った。 また、電話事業者にとって、ある特定加入者への着呼が有った場合に、その加入者回線を優先して接続することが要求されることが多いが、上述した無線加入者システムでは、無線チャネルが輻輳状態にある場合にはその後に発生した加入者への着呼についてはリンクチャネルの割当が拒否されるために、上記要求を満足することができないという問題が有った。また、この状態において加入者が警察等の緊急を要する相手先に電話をかけたくても通話できない、という、問題も有った。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる無線加入者システム、無線加入者システムの回線接続制御装置及び無線加入者システムの回線接続制御装置の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【0017】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、通常の運用状態では加入者の発呼に対し割り当てず、緊急を要する呼である緊急呼のために使用する複数の予約無線チャネルを設けておき、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、該発呼要求の有った呼が、緊急呼である場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼である場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放する、ように構成することができる。
【0018】
また、無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否する、ように構成することができる。
【0019】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記加入者無線装置は、加入者が発呼する際に前記回線接続制御装置に対して加入者識別情報を含む発呼要求メッセージを送出し、前記回線接続制御装置は、前記加入者無線装置から受信した発呼要求メッセージから、または加入者への着呼が発生した際に交換機から加入者回線に出力される呼出信号から加入者識別情報を抽出する加入者識別情報抽出手段と、緊急を要する特定の相手先の電話番号及び緊急を要する呼である緊急呼のために使用する予約無線チャネル数、及び無線加入者システムにより設定可能な全無線チャネル数が予め登録されると共に、現在使用中の無線チャネル数を記憶する第1の記憶手段と、加入者を特定する加入者識別情報と、無線チャネルの接続における優先順位を示す優先接続クラスデータとが対応づけて予め登録されている第2の記憶手段と、加入者識別情報と、該加入者識別情報に対応づけて通話中の呼の通話時間、優先接続クラスを示す識別情報及び緊急呼であるか非緊急呼であるかを示す識別情報を記憶する第3の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記予約チャネル数、全無線チャネル数及び現在使用中の無線チャネル数の各データに基づいて前記無線チャネルが輻輳状態であるか否かを判定し、前記無線チャネルが輻輳状態である場合において、発呼要求が有った場合に前記発呼要求に基づいてダイヤルされた電話番号が、前記第1の記憶手段に登録された緊急を要する特定の相手先の電話番号と一致するか否かにより前記発呼が緊急呼であるか否かを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第1の判定手段と、前記加入者識別情報抽出手段により抽出された前記発呼要求した加入者の加入者識別情報に基づいて該加入者の優先接続クラスを示す識別情報を前記第2の記憶手段から検索し、前記発呼要求した加入者の優先接続クラスを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第2の判定手段と、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、前記第3の記憶手段の記憶内容を検索し、該検索結果に基づいて、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、前記第1の判定手段により前記発呼要求の有った呼が、緊急呼であると判定された場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記第1の判定手段により前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼であると判定された場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放するように制御する無線チャネル接続制御手段とを有する、ように構成することができる。
【0020】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記加入者無線装置は、加入者が発呼する際に前記回線接続制御装置に対して加入者識別情報を含む発呼要求メッセージを送出し、前記回線接続制御装置は、前記加入者無線装置から受信した発呼要求メッセージから、または加入者への着呼が発生した際に交換機から加入者回線に出力される呼出信号から加入者識別情報を抽出する加入者識別情報抽出手段と、緊急を要する特定の相手先の電話番号及び緊急呼のために使用する予約無線チャネル数、及び無線加入者システムにより設定可能な全無線チャネル数が予め登録されると共に、現在使用中の無線チャネル数を記憶する第1の記憶手段と、加入者を特定する加入者識別情報と、無線チャネルの接続における優先順位を示す優先接続クラスデータとが対応づけて予め登録されている第2の記憶手段と、前記加入者識別情報と、該加入者識別情報に対応づけて通話中の呼の通話時間、優先接続クラスを示す識別情報及び緊急呼であるか非緊急呼であるかを示す識別情報を記憶する第3の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記予約チャネル数、全無線チャネル数及び現在使用中の無線チャネル数の各データに基づいて前記無線チャネルが輻輳状態であるか否かを判定し、前記無線チャネルが輻輳状態である場合において、発呼要求が有った場合に前記発呼要求に基づいてダイヤルされた電話番号が、前記第1の記憶手段に登録された緊急を要する特定の相手先の電話番号と一致するか否かにより前記発呼が緊急呼であるか否かを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第1の判定手段と、前記加入者識別情報抽出手段により抽出された着呼または発呼要求があった加入者の加入者識別情報に基づいて該加入者の優先接続クラスデータを前記第2の記憶手段から検索し、前記発呼要求した加入者の優先接続クラスを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第2の判定手段と、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、前記第3の記憶手段の記憶内容を検索し、該検索結果に基づいて、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否するように制御する無線チャネル接続制御手段と、を有する、ように構成することができる。
【0021】
加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、通常の運用状態では加入者の発呼に対し割り当てず、緊急を要する呼である緊急呼のために使用する複数の予約無線チャネルを設けておき、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、該発呼要求の有った呼が、緊急呼である場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼である場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求が有った場合、あるいは現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い非緊急呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0022】
加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い加入者への着呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0023】
また請求項2に記載の発明は、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【0025】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、通常の運用状態では加入者の発呼に対し割り当てず、緊急を要する呼である緊急呼のために使用する複数の予約無線チャネルを設けておき、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、該発呼要求の有った呼が、緊急呼である場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼である場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放する、ように構成することができる。
【0026】
また、無線加入者システムの回線接続制御装置において、前記回線接続制御装置は、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否する、ように構成することができる。
【0027】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、前記加入者無線装置は、加入者が発呼する際に前記回線接続制御装置に対して加入者識別情報を含む発呼要求メッセージを送出し、前記回線接続制御装置は、前記加入者無線装置から受信した発呼要求メッセージから、または加入者への着呼が発生した際に交換機から加入者回線に出力される呼出信号から加入者識別情報を抽出する加入者識別情報抽出手段と、緊急を要する特定の相手先の電話番号及び緊急を要する呼である緊急呼のために使用する予約無線チャネル数、及び無線加入者システムにより設定可能な全無線チャネル数が予め登録されると共に、現在使用中の無線チャネル数を記憶する第1の記憶手段と、加入者を特定する加入者識別情報と、無線チャネルの接続における優先順位を示す優先接続クラスデータとが対応づけて予め登録されている第2の記憶手段と、加入者識別情報と、該加入者識別情報に対応づけて通話中の呼の通話時間、優先接続クラスを示す識別情報及び緊急呼であるか非緊急呼であるかを示す識別情報を記憶する第3の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記予約チャネル数、全無線チャネル数及び現在使用中の無線チャネル数の各データに基づいて前記無線チャネルが輻輳状態であるか否かを判定し、前記無線チャネルが輻輳状態である場合において、発呼要求が有った場合に前記発呼要求に基づいてダイヤルされた電話番号が、前記第1の記憶手段に登録された緊急を要する特定の相手先の電話番号と一致するか否かにより前記発呼が緊急呼であるか否かを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第1の判定手段と、前記加入者識別情報抽出手段により抽出された前記発呼要求した加入者の加入者識別情報に基づいて該加入者の優先接続クラスを示す識別情報を前記第2の記憶手段から検索し、前記発呼要求した加入者の優先接続クラスを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第2の判定手段と、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、前記第3の記憶手段の記憶内容を検索し、該検索結果に基づいて、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、前記第1の判定手段により前記発呼要求の有った呼が、緊急呼であると判定された場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記第1の判定手段により前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼であると判定された場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放するように制御する無線チャネル接続制御手段とを有する、ように構成することができる。
【0028】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、前記加入者無線装置は、加入者が発呼する際に前記回線接続制御装置に対して加入者識別情報を含む発呼要求メッセージを送出し、前記回線接続制御装置は、前記加入者無線装置から受信した発呼要求メッセージから、または加入者への着呼が発生した際に交換機から加入者回線に出力される呼出信号から加入者識別情報を抽出する加入者識別情報抽出手段と、緊急を要する特定の相手先の電話番号及び緊急呼のために使用する予約無線チャネル数、及び無線加入者システムにより設定可能な全無線チャネル数が予め登録されると共に、現在使用中の無線チャネル数を記憶する第1の記憶手段と、加入者を特定する加入者識別情報と、無線チャネルの接続における優先順位を示す優先接続クラスデータとが対応づけて予め登録されている第2の記憶手段と、前記加入者識別情報と、該加入者識別情報に対応づけて通話中の呼の通話時間、優先接続クラスを示す識別情報及び緊急呼であるか非緊急呼であるかを示す識別情報を記憶する第3の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記予約チャネル数、全無線チャネル数及び現在使用中の無線チャネル数の各データに基づいて前記無線チャネルが輻輳状態であるか否かを判定し、前記無線チャネルが輻輳状態である場合において、発呼要求が有った場合に前記発呼要求に基づいてダイヤルされた電話番号が、前記第1の記憶手段に登録された緊急を要する特定の相手先の電話番号と一致するか否かにより前記発呼が緊急呼であるか否かを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第1の判定手段と、前記加入者識別情報抽出手段により抽出された着呼または発呼要求があった加入者の加入者識別情報に基づいて該加入者の優先接続クラスデータを前記第2の記憶手段から検索し、前記発呼要求した加入者の優先接続クラスを判定し、該判定結果を前記第3の記憶手段に登録する第2の判定手段と、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、前記第3の記憶手段の記憶内容を検索し、該検索結果に基づいて、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否するように制御する無線チャネル接続制御手段とを有する、ように構成することができる。
【0029】
加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、通常の運用状態では加入者の発呼に対し割り当てず、緊急を要する呼である緊急呼のために使用する複数の予約無線チャネルを設けておき、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、該発呼要求の有った呼が、緊急呼である場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼である場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求が有った場合、あるいは現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い非緊急呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0030】
加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い加入者への着呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0031】
また請求項3に記載の発明は、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システムの回線接続制御装置の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体を要旨とする。
【0032】
請求項3に記載の発明によれば、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システムの回線接続制御装置の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしたので、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【発明の効果】
【0033】
無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを割り当てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る無線加入者システムの概略構成を図1に示す。同図において、公衆交換電話網10に設けられた交換機12は加入者回線A,B等の加入者線、アクセスネットワークとしての無線加入者システム20を介して加入者宅内の電話機30A,30B,…,に接続されている。
【0035】
無線加入者システム20は、加入者回線を介して交換機12と接続されているアクセスコントローラ(AC)22と、アクセスコントローラ(AC)22と接続され、加入者無線装置との間に設定される無線チャネルの接続制御を行う無線基地局(BS)24と、加入者端末としての加入者無線装置SU−A(ユーザA),SU−B(ユーザB),…とを有している。
【0036】
加入者無線装置SU−A,SU−B,…は、それぞれ各加入者宅内に設置され、各加入者無線装置SU−A,SU−B,…には、対応する電話機30A,30B,…が、それぞれ接続されている。ここで、ユーザBは緊急を要する相手先に電話をする加入者、または優先接続の順位、すなわち優先接続クラスが高い加入者であり、ユーザAは加入者Bより優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼として通話中の加入者であるとする。また、加入者Aの宅内に設置される加入者無線装置SU−Aは加入者回線Aに接続され、加入者Bの宅内に設置される加入者無線装置SU−Bは加入者回線Bに接続されるように加入者回線と加入者無線装置は1対1に対応している。
【0037】
次にアクセスコントローラ(AC)22と無線基地局24の具体的構成を図2に示す。同図において、アクセスコントローラ(AC)22は、交換機12からの呼出信号(Ring)を検出し、この呼出信号に含まれる加入者情報を抽出する呼出信号検出部40と、発呼または着呼が発生した際に、その呼の接続を受け入れるか拒否するかを判定し、無線チャネル資源を管理する優先順位判定処理部42と、加入者毎の無線チャネルの接続における優先接続クラスを、加入者を特定する加入者識別情報に対応づけて予め登録される加入者優先接続クラスデータベース44と、緊急を要する相手先の電話番号である緊急電話番号及び無線チャネル数(緊急呼のために使用する予約無線チャネル数、無線加入者システムにより設定可能な全無線チャネル数、使用中の無線チャネル数の各データをいうものとする。)を記憶する緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置46と、発呼要求が有った場合に、この発呼要求に基づいてダイヤルされた電話番号をモニタし、該電話番号が、登録された緊急を要する特定の相手先の電話番号と一致するか否かにより緊急呼であるか否かを判定するダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48とを有している。
【0038】
呼出信号検出部40は本発明の加入者識別情報抽出手段に、優先順位判定処理部42は本発明の第2の判定手段に、加入者優先接続クラスデータベース44は本発明の第2の記憶手段に、緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置44は本発明の第1の記憶手段に、緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置46は本発明の第1の記憶手段に、ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48は本発明の第1の判定手段に、それぞれ相当する。
【0039】
また無線基地局24は、無線チャネルの接続、切断に関する制御メッセージや音声情報を加入者無線装置との間で送受信する無線送受信回路50と、加入者無線装置と送受信する制御メッセージを処理するメッセージプロトコル処理部52と、通話中の呼に関連する情報、具体的には、すべての通話中の呼(話中呼)について、通話中の呼の加入者を特定する加入者識別情報と、その加入者の通話時間、優先接続クラスデータ、緊急呼か非緊急呼かを識別する識別情報とを管理、記憶する通話中呼情報管理データベース54と、通話中の呼の通話時間を計測し、通話中呼情報管理データベース54に出力するタイマ(または時計)等の計時装置56とを有している。
【0040】
尚、緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置46を本実施の形態ではアクセスコントローラ(AC)22内に設けているが、無線基地局24内に設けるようにしてもよい。アクセスコントローラ(AC)22と無線基地局24は本発明の回線接続制御装置に、通話中呼情報管理データベース54は本発明の第3の記憶手段に、それぞれ相当する。またメッセージプロトコル処理部52には発呼時に発呼メッセージから加入者識別情報を抽出する本発明の加入者識別情報抽出手段が含まれる。また優先順位判定処理部42及びメッセージプロトコル処理部52は本発明の無線チャネル接続制御手段に相当する。
【0041】
上記構成からなる無線加入者システム20における無線チャネルが、輻輳状態である場合の制御動作の一例について図3乃至図5を参照して説明する。図3及び図4は加入者端末としての加入者無線装置に対して着呼が有った場合における優先接続処理について示し、図5はそのときの制御シーケンスを示している。上記構成において、いま加入者回線AとユーザA(電話機30A)とが通話中であり、この状態でユーザBへの着呼が発生すると、加入者回線Bを介して交換機12より呼出信号(Ring)が出力される。この呼出信号は呼出信号検出部40により検出され、呼出信号検出部40は呼出信号より加入者に固有の加入者識別情報(本実施の形態ではPSID(Personal Station ID)が相当する。)を抽出し、加入者識別情報を優先順位判定処理部42に出力する(ステップ100)。
【0042】
次いで優先順位判定処理部42では、加入者識別情報に基づいて加入者優先接続クラスデータベース44を検索し、着呼した加入者無線装置(本実施の形態では加入者無線装置SU−B)の優先接続順位、すなわち優先接続クラスを求め、その判定結果を通話中呼情報管理データベース54に登録する(ステップ102)。
【0043】
また、通話中呼情報管理データベース54では、メッセージプロトコル処理部52より通話中の呼の加入者識別情報を、また計時装置56より通話中の各呼(加入者無線装置)の通話時間を示すデータをそれぞれ、受け取り、加入者識別情報と、該加入者識別情報により特定される呼の通話時間とを対応づけて記憶する。また、通話中呼情報管理データベース54は、通話中の各呼の優先接続クラスデータ及び緊急呼であるか非緊急呼であるかを示す識別情報を優先順位判定処理部を介して加入者優先接続クラスデータベース44、ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48より受け取り、加入者識別情報と対応づけて記憶する。
【0044】
ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48では、無線チャネル資源に空きが有るか否か、換言すれば、無線チャネルは輻輳状態であるか否かを判定する(ステップ104)。 ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48は、緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置46の記憶内容、すなわち、緊急呼のために使用する予約無線チャネルチャネル数、無線加入者システムにより設定可能な全無線チャネル数、現在、使用中の無線チャネル数の各データを参照し、使用中の無線チャネル数が全無線チャネル数から予約無線チャネル数を減算した値以上である場合には無線チャネルは輻輳状態であると判定し、そうでない場合は輻輳状態ではない、と判定する。無線チャネル資源に空きが有る場合には、空きチャネルのうちの1つを加入者回線Bを介して発生した着呼(本実施の形態では、例えば、ユーザBの加入者無線装置SU−Bへの着呼)に割り当て(ステップ120)、処理はステップ118に移行する。
【0045】
一方、ステップ104で無線チャネル資源に空きがない、すなわち無線チャネルが輻輳状態であると判定された場合には、優先順位判定処理部42は、通話中呼情報管理データベース54を検索し、通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である呼を抽出する(ステップ106)。 次いで優先順位判定処理部42は、着呼先であるユーザB(加入者無線装置SU−B)の優先接続クラスより低い優先接続クラスに属し、かつ非緊急呼である加入者の通話中の呼が有るか否かを判定し(ステップ108)、着呼先であるユーザB(加入者無線装置SU−B)の優先接続クラスより低い優先接続クラスに属し、かつ非緊急呼である加入者の通話中の呼がないと判定した場合には、着呼に対し応答せず、この処理の実行を終了する(ステップ122)。
【0046】
また優先順位判定処理部42は、着呼先であるユーザB(加入者無線装置SU−B)の優先接続クラスより低い優先接続クラスに属し、かつ非緊急呼である加入者の通話中の呼が有ると判定した場合には、着呼先であるユーザB(加入者無線装置SU−B)の優先接続クラスより低い優先接続クラスに属し、かつ非緊急呼である加入者の通話中の複数の呼のうち最も通話時間の長い呼を切断対象呼として選択し、選択した切断対象呼(本実施の形態では、加入者無線装置SU−Aによる呼)に優先接続される呼の発生より切断されることを報知する特殊トーンを一定時間、送出する(ステップ110、112)。次いで選択した通話中の呼を切断して無線チャネル資源を予約する(ステップ114)。
【0047】
この加入者回線Aに終了信号(オンフック)が出力され、メッセージプロトコル処理部52より無線送受信回路50を介して加入者無線装置SU−Aに無線チャネル切断メッセージが出力される。無線チャネル切断メッセージを受信した加入者無線装置SU−Aは、ビジートーンを生成しユーザAの電話機30Aに送出し、ユーザAに無線チャネルが切断されたことを知らせる。ユーザAは、電話機30Aの受話器を置き(オンフック)、通話が終了する。次いで加入者無線装置SU−Aは無線チャネル切断完了メッセージを無線送受信回路50に送出し、無線基地局24では、メッセージプロトコル処理部52が、無線送受信回路50より無線チャネル切断完了メッセージを受け取り無線チャネル切断処理を行う。
【0048】
更に無線基地局24側からは、メッセージプロトコル処理部52より無線送受信回路50を介して着呼(Paging)メッセージが加入者無線装置SU−Bに送出され、また加入者無線装置SU−Bは、着呼を受け付けるために無線基地局24側に加入者識別情報(例えばPSID)を含むリンクチャネル確立要求メッセージを送出する。このPSID(Personal Station ID)は加入者毎に固定的に割り当てられる端末識別値である。
【0049】
更に優先順位判定処理部42は、予約した無線チャネル資源をユーザB(加入者無線装置SU−B)への着呼に割り当て、着呼端末である加入者無線装置SU−Bにリンクチャネル割当メッセージを送出する(ステップ116)。次いで無線基地局24と着呼加入者端末である加入者無線装置SU−Bとの間で通常の着呼処理、すなわち呼設定、呼出メッセージの送出が行われ、加入者無線装置SU−BよりユーザBの電話機30Bに呼出信号(Ring)が出力される(ステップ118)。その後、ユーザBの電話機30Bより加入者無線装置SU−Bに応答通知(オフフック)がなされ、加入者無線装置SU−Bから無線基地局24側に接続メッセージが送出されると共に、アクセスコントローラ22より加入者回線Bに応答通知(オフフック)が送出され、加入者回線BとユーザBの電話機30Bとが通話状態に移行する。
【0050】
次に、無線加入者システム20における無線チャネルが輻輳状態である場合の制御動作の他の例について図6乃至図9を参照して説明する。図6乃至図8は無線チャネルが輻輳状態である状態下において、加入者端末としての加入者無線装置から通常の呼、すなわち、非緊急呼、または緊急呼が発生した場合における無線チャネルの接続、切断制御について示し、図9はそのときの制御シーケンスを示している。
【0051】
上記構成において、いま加入者回線AとユーザA(電話機30A)とが通話中であり、ユーザBが電話機30Bの受話器を上げることにより2線アナログ回線がオフフックされ、発呼通知が加入者無線装置SU−Bに出力される。加入者無線装置SU−Bは、発呼通知(オフフック)を検出すると、無線基地局24の無線送受信回路50に発呼端末としての加入者無線装置SU−Bの加入者識別情報(本実施の形態ではPSID)を含むリンクチャネル確立要求メッセージを出力する。このPSID(Personal Station ID)は加入者毎に固定的に割り当てられる端末識別値である。
【0052】
無線基地局24の無線送受信回路50はリンクチャネル確立要求メッセージを受信し、メッセージプロトコル処理部52に送出する(ステップ200)。メッセージプロトコル処理部52では、リンクチャネル確立要求メッセージから加入者無線装置SU−Bの加入者識別情報(PSID)を抽出し、該加入者識別情報を通話中呼情報管理データベース54及び優先順位判定処理部42に出力する。
【0053】
優先順位判定処理部42では加入者識別情報に基づいて加入者優先接続クラスデータベース44を検索し、発呼した加入者無線装置(本実施の形態では加入者無線装置SU−B)の優先順位、すなわち優先接続クラスを求める(ステップ202)。一方、通話中呼情報管理データベース54では、メッセージプロトコル処理部52より通話中の呼の加入者識別情報を、また計時装置56より通話中の各呼(加入者無線装置)の通話時間を示すデータをそれぞれ、受け取り、加入者識別情報と、該加入者識別情報により特定される呼の通話時間とを対応づけて記憶する。また、通話中呼情報管理データベース54は、通話中の各呼の優先接続クラスデータ及び緊急呼であるか非緊急呼であるかを示す識別情報を優先順位判定処理部を介して加入者優先接続クラスデータベース44、ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48より受け取り、加入者識別情報と対応づけて記憶する。
【0054】
次に、ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48ではチャネル資源に空きが有るか否か、すなわち無線チャネルは輻輳状態であるか否かを判定する(ステップ204)。すなわち、ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48は、緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置46の記憶内容、すなわち、緊急呼のために使用する予約無線チャネルチャネル数、無線加入者システムにより設定可能な全無線チャネル数、現在、使用中の無線チャネル数の各データを参照し、使用中の無線チャネル数が全無線チャネル数から予約無線チャネル数を減算した値以上である場合には無線チャネルは輻輳状態であると判定し、そうでない場合は輻輳状態ではないと判定する。
【0055】
ここでステップ204の判定が肯定された場合、すなわち無線チャネルが輻輳状態でない場合には、ステップ230で空きチャネル(全無線チャネル数から予約無線チャネル数を減算したチャネル数の範囲内における空きチャネル)のうちの1つを発呼要求している呼に割り当て、次いで発呼要求した加入者端末にリンクチャネル割当メッセージを送出し(ステップ236)、この処理を終了する。
【0056】
他方、ステップ204の判定が否定された場合、すなわち無線チャネルが輻輳状態である場合には、次のステップ206で優先順位判定処理部42は、通話中呼情報管理データベース54を検索し、この検索結果から通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼が有るか否かを判定する。この判定が肯定された場合は、処理はステップ238に移行する。
【0057】
一方、ステップ206の判定が否定された場合、すなわち優先順位判定処理部42が通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がないと判定した場合には、優先順位判定処理部42は、ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48を介して緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置46の記憶内容を参照し、予約無線チャネルに空きが有るか否かを判定する(ステップ208)。ステップ208の判定が否定された場合には、リンクチャネル割当拒否メッセージを発呼要求している加入者無線装置SU−Bに送出し、この処理の実行を終了する(ステップ232)。
【0058】
一方、ステップ208の判定が肯定された場合には、ステップ210で予約無線チャネルのうちの1つを発呼要求している呼に割り当て、この発呼要求している加入者無線装置SU−Bにリンクチャネル割当メッセージ送出する(ステップ212)。このリンクチャネルの割当後に基地局24と加入者無線装置SU−Bとの間で同期バースト信号の送受信を行い、次いで加入者無線装置SU−Bより基地局24側に基地局側が非同期平衡モードで動作させるためのSABM(Set Asynchronous Balanced Mode)コマンドが送出される。その後、基地局24からSABMコマンドを受け入れる旨、報告するUA(Unnumbered Acknowledge)レスポンスを加入者無線装置SU−Bに送出する。この結果、基地局24側と加入者無線装置SU−Bとの間でデータリンクが確立される。
【0059】
次いでステップ214で呼設定処理を行う。すなわち、まず加入者無線装置SU−Bより呼設定メッセージが基地局24側に送出され、発信要求がなされる。これに対して基地局24側では、発信者の加入者データをチェックし、発信状態であれば、呼設定受付メッセージを加入者無線装置SU−Bに返送する。次いで呼出メッセージ、応答メッセージが基地局24から加入者無線装置SU−Bに送出され、この後に発呼通知(オフフック)が基地局24、アクセスコントローラ22により加入者回線Bに送出される。この結果、加入者回線B側からユーザBの電話機30Bに発信音が出力される。
【0060】
ユーザBはダイアルすることによりDTMFトーン(またはパルス)がダイヤル情報として電話機30Bより加入者回線Bに送出される。このときアクセスコントローラ22内のダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部48ではDTMFトーンによる電話番号の各桁毎に最後の桁までモニタし(ステップ216)、緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置46の記憶内容を参照して緊急電話番号として登録されている電話番号に該当するか否かチェックし、ユーザBによる発呼が緊急呼であるか否かを判定する(ステップ218)。
【0061】
ステップ218の判定が否定された場合、すなわちユーザBによる発呼が緊急呼でないと判定された場合には、ステップ234でこの無線チャネルの切断処理がなされ、この処理を終了する。またステップ218の判定が肯定された場合、すなわちユーザBによる発呼が緊急呼であると判定された場合には、今回の発呼を緊急呼として通話中呼情報管理データベース54に登録し、この呼を継続させるべく最後のダイヤル操作が終了した時点で加入者線B側からユーザBの電話機30Bに呼出音が送出され、通話状態に移行する(ステップ105)。
【0062】
次いで優先順位判定処理部42は、通話中呼情報管理データベース54を検索して、通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低く、かつ最も通話時間の長い呼を切断対象呼として選択し、選択した切断対象呼をメッセージプロトコル処理部52に報告する(ステップ222)。本実施の形態では、加入者回線Aと接続されたユーザAによる呼が切断対象呼として選択される。次いで切断対象呼の通話者の両者、すなわちユーザA側と加入者回線A側に緊急呼の発生により無線チャネルが切断されることを示す特殊トーンが基地局24側より、具体的にはメッセージプロトコル処理部52より出力される(ステップ224)。
【0063】
次いで加入者回線Aと加入者無線装置SU−Aとの間に設定された無線チャネルの切断処理が行われる(ステップ226、228)。すなわち、基地局24側から加入者回線Aには終了信号(オンフック)が出力され、同時に加入者無線装置SU−Aには切断メッセージが送出される(ステップ226)。これに対して加入者無線装置SU−Aは、基地局24側に呼解放のための解放メッセージを送出し、同時にユーザAの電話機30Aにビジートーンを送出する。この後に基地局24側から解放完了メッセージが加入者無線装置SU−Aに送出され、加入者無線装置SU−Aから基地局24側にDISC(DISConnect)コマンドが送出される(ステップ228)。
【0064】
これに対して基地局24側からDISCコマンドを受け入れたことを報告するUA(Unnumbered Acknowledge)レスポンスが加入者無線装置SU−Aに送出される。この結果、上記無線チャネルは解放される。この結果、緊急呼のために用意された予約無線チャネル数が元に戻る。すなわち、予約無線チャネルのすべてが確保された状態に戻る。ビジートーンに応じてユーザAがオンフックすると、電話機Aより加入者無線装置SU−Aに終了信号(オンフック)が出力される。
【0065】
一方、図6のステップ206で通話中のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼が有ると判定された場合には、ステップ238で、優先順位判定処理部42は、通話中呼情報管理データベース54を検索し、通話中のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼のうち最も通話時間の長いを切断対象呼として選択し、メッセージプロトコル処理部52に報告する。
【0066】
次いで切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを、今回の発呼用として予約し、切断対象呼の通話者の両者に優先接続される呼の発生により切断されることを報知する特殊音を一定時間、送出する(ステップ240、242)。一定時間経過後、切断対象呼の交換機側の回線をオンフックし(ステップ244)、無線基地局24から切断対象呼の加入者無線装置に対して設定されている無線チャネルの切断処理が行われる(ステップ246)。そしてこの切断処理により解放された無線チャネルを今回の発呼のために割り当て(ステップ248)、今回の発呼要求している加入者無線装置にリンクチャネル割当メッセージを送出し、この処理の実行を終了する(ステップ250)。
【0067】
図1から図12に示した、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システムの回線接続制御装置の機能を実現するためにコンピュータにより実行させるためのプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、無線加入者システムの回線接続制御装置の機能を実現してもよい。
【0068】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、マイクロプロセッサ等による組み込みシステムとして実現する場合や、OSや周辺機器等のハードウェアとして実現する場合を含むものとする。また「コンピュータにより読み取り可能な記録媒体」とは、フロッピーディスク、光磁気ディスク等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0069】
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、所謂差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0070】
以上に説明したように本発明の実施の形態に係る無線加入者システムによれば、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【0071】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、通常の運用状態では加入者の発呼に対し割り当てず、緊急を要する呼である緊急呼のために使用する複数の予約無線チャネルを設けておき、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、該発呼要求の有った呼が、緊急呼である場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼である場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求が有った場合、あるいは現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い非緊急呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0072】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い加入者への着呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0073】
また、本発明の実施の形態に係る無線加入者システムによれば、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システムの回線接続制御装置の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしたので、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【0074】
以上に説明したように、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【0075】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、通常の運用状態では加入者の発呼に対し割り当てず、緊急を要する呼である緊急呼のために使用する複数の予約無線チャネルを設けておき、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、該発呼要求の有った呼が、緊急呼である場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼である場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求が有った場合、あるいは現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い非緊急呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0076】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、前記回線接続制御装置は、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い加入者への着呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0077】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【0078】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、通常の運用状態では加入者の発呼に対し割り当てず、緊急を要する呼である緊急呼のために使用する複数の予約無線チャネルを設けておき、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記発呼要求のあった呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の発呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記複数の予約無線チャネルのうちの1つを前記発呼要求のあった呼に一旦、割り当て、該発呼要求の有った呼が、緊急呼である場合にはその呼を継続させ、かつ現在通話中の呼のうち非緊急呼で、かつ最も優先接続クラスが低い呼のいずれかに割り当てられた無線チャネルを強制的に切断して解放し、前記発呼要求の有った呼が、非緊急呼である場合には前記一旦、割り当てた予約無線チャネルを強制的に切断し、解放するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求が有った場合、あるいは現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い非緊急呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0079】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者への着呼が有った場合に、既に通話中の呼のうち今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ緊急を要しない呼である非緊急呼がある場合には該非緊急呼のいずれかを切断対象呼として選択して、該切断対象呼に割り当てられている無線チャネルを強制的に切断し、該切断された無線チャネルを前記着呼に割り当て、また既に通話中の呼のうちに今回の着呼加入者より優先接続クラスが低く、かつ非緊急呼である加入者の呼がない場合には、前記着呼を拒否するようにしたので、無線チャネルが輻輳状態であっても、現在通話中の非緊急呼より優先接続の順位が高い加入者への着呼があった場合に、他の通話中の加入者より優先して接続することが可能となる。
【0080】
また、加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、該回線接続制御装置は、優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システムの回線接続制御装置の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしたので、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、無線チャネルが輻輳状態であっても、緊急を要する相手先に電話する加入者からの発呼要求(緊急呼)が有った場合、あるいは優先接続すべき加入者への着呼が有った場合に、緊急呼、優先接続すべき加入者の呼のために無線チャネルを確実に割り当てることでき、通常の呼(非緊急呼)と、緊急呼及び優先接続すべき加入者の呼とを区別することなく収容することができる。このためチャネル資源を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線加入者システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】図1における無線加入者システムにおけるアクセスコントローラ及び無線基地局の具体的構成を示すブロック図。
【図3】図2に示す無線加入者システムにおけるアクセスコントローラ及び無線基地局の制御動作の一例を示すフローチャート。
【図4】図2に示す無線加入者システムにおけるアクセスコントローラ及び無線基地局の制御動作の一例を示すフローチャート。
【図5】図2に示す無線加入者システムの制御動作の一例を示すシーケンス図。
【図6】図2に示す無線加入者システムにおけるアクセスコントローラ及び無線基地局の制御動作の他の例を示すフローチャート。
【図7】図2に示す無線加入者システムにおけるアクセスコントローラ及び無線基地局における制御動作の他の例を示すフローチャート。
【図8】図2に示す無線加入者システムにおけるアクセスコントローラ及び無線基地局の制御動作の他の例を示すフローチャート。
【図9】図2に示す無線加入者システムの制御動作の他の例を示すシーケンス図。
【図10】従来の無線加入者システムの構成を示すブロック図。
【図11】図10に示す従来の無線加入者システムの制御動作の一例を示すフローチャート。
【図12】図10に示す従来の無線加入者システムの制御動作の他の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0082】
10 公衆交換電話網
12 交換機
20 アクセスネットワーク
22 アクセスコントローラ(回線接続制御装置)
24 無線基地局
30A,30B 電話機
SU−A,SU−B 加入者無線装置
40 呼出信号検出部
42 優先順位判定処理部
44 加入者優先接続クラスデータベース
46 緊急電話番号/無線チャネル数記憶装置
48 ダイヤル情報モニタ及び緊急/非緊急呼判定部
50 無線送受信回路
52 メッセージプロトコル処理部
54 通話中呼情報管理データベース
56 計時装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムにおいて、
前記回線接続制御装置は、
優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、
無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システム。
【請求項2】
加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、
該回線接続制御装置は、
優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システムの回線接続制御装置。
【請求項3】
加入者宅内に設置され電話機と接続される加入者無線装置と、公衆交換電話網の交換機に加入者回線を介して接続され加入者無線装置との間に設定される無線チャネル及び前記加入者回線の接続制御を行う回線接続制御装置とを有する無線加入者システムの回線接続制御装置において、
回線接続制御装置は、
優先接続する順位を示す優先接続クラスデータ及び加入者を特定するための加入者識別情報を対応づけて予め登録しておき、かつ緊急を要する特定の相手先の電話番号を予め登録しておくと共に、無線チャネルが輻輳状態である場合において、新たに加入者より発呼要求、または加入者への着呼が有った場合に、現在通話中の呼について前記優先接続クラスの高低及び緊急性を有する呼である緊急呼であるか否かの判定に基づいて前記発呼要求または着呼に対する接続処理を行なうことを特徴とする無線加入者システムの回線接続制御装置の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−153141(P2009−153141A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327243(P2008−327243)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【分割の表示】特願平11−326144の分割
【原出願日】平成11年11月16日(1999.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】