説明

無線基地局、および無線基地局システムにおけるアシスト方法

【課題】トラフィックを必要最小限に抑えつつ、他局とアシストデータをやりとりすることができる無線基地局および無線基地局システムにおけるアシスト方法を提供する。
【解決手段】GPSモジュール150は、GPS衛星から航法メッセージを受信し、自局で受信した所定個数のエフェメリスに基づいて、基準時刻信号を生成する。未取得衛星特定部26は、現在時刻において、エフェメリスが受信可能なGPS衛星のうち、エフェメリスを受信していないGPS衛星を未取得衛星として特定する。問合せ可能基地局特定部28は、アルマナックと、他の無線基地局の位置情報に基づいて、未取得衛星からのエフェメリスが受信可能な他の無線基地局を特定する。GPSモジュール150は、特定した無線基地局から送信されてくるエフェメリスをアシストデータとして用いて、未取得衛星からのエフェメリスを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局、および無線基地局システムにおけるアシスト方法に関し、特に、GPS衛星からの軌道情報を受信する無線基地局、および、無線基地局システムにおける各無線基地局のGPS衛星からの軌道情報の受信をアシストする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線基地局は、送受信のタイミングをそろえるために、タイミング取得器としてGPSモジュールを備えている。GPSモジュールは、GPSアンテナを介して天空にある複数のGPS衛星からの情報を取得し、その情報からGPSモジュールの正しい位置および時刻を算出して、それによりタイミング信号を出力している。正しいタイミング信号を作成するためには4個以上のGPS衛星からの情報が必要であり、またその情報も正確なものが求められる。そのため、GPSアンテナは一般的に屋外の天空の見通しの良い場所に設置される。
【0003】
しかしながら、図4に示すように、設置する全ての場所で天空の見通しが良いとは限らない。図4の例では、無線基地局601は、GPS衛星#4からの情報を取得できない。
【0004】
また、屋内用無線基地局では、屋内にGPSアンテナを設置するため、全天空を見ることは不可能であり、ある角度内しか見ることができない。そのため、GPSモジュールにあらかじめGPS衛星の軌道情報を知らせてやり、その情報を用いて、GPS衛星からの情報を取得する、アシスト方式と呼ばれる方式に対応したGPSモジュールを使用することがある。
【0005】
アシスト方式に対応したGPSモジュールに衛星軌道情報を与えるために、アシストサーバと呼ばれるものを設置する必要がある。
【0006】
アシストサーバでは、GPSモジュールが衛星軌道情報を受信し、受信した衛星軌道情報を無線基地局に提供する。十分な衛星軌道情報を得るためにGPSアンテナは屋外の天空の見通しの良い場所に設置される。アシストサーバと無線基地局とはインターネットなどのネットワークを介して接続される。無線基地局はアシストサーバから衛星軌道情報を取得することでGPS衛星信号の受信感度を向上させ、受信した情報からGPSモジュールの正しい位置および時刻を算出して、タイミング信号を出力する。
【0007】
しかし、アシストサーバがGPSモジュールを使用してGPS衛星情報を取得している限り、すべての衛星の情報を得ることはできない。たとえば、図5に示すように、アシストサーバ701から見てGPS衛星#1およびGPS衛星#2は地平線の上にあるため受信することができるが、GPS衛星#3は地平線の下にあるため、受信することができない。このとき、GPS衛星#3からの情報を必要とする無線基地局があったとしても、アシストサーバからは情報を提供できないため、この無線基地局は正しいタイミング信号を出力できない。また、アシストサーバに障害が発生した場合、無線基地局のGPSモジュールはアシスト情報を得ることができないため、上記と同様に正しいタイミング信号を出力できない。
【0008】
このような状態を解決する手段として特許文献1(特開2005−49296号公報)のようにネットワークに接続されたGPSモジュール間でアシストデータをやり取りする方式が示されている。この方式では、BLUE TOOTHなどの無線ネットワークのエリアにおいてGPSモジュール間での通信を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−49296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された方式を一定間隔以上離れた位置に固定されて配置される無線基地局に当てはめてみた場合、無線基地局はバックホールに接続されており、アシストデータの送信要求、および送信要求に対するアシストデータのリプライ送信はバックホールを通じて通信される。そのため、アシストデータの送信要求がすべての無線基地局に送られ、アシストデータのリプライ送信もすべての無線基地局に送られる。その結果、バックホールでの無線基地局に接続されている端末に準備されたトラフィック量を圧迫してしまうという問題がある。また、アシストデータを保持していない無線基地局においても、自局がアシストデータを保持しているかどうかを調べなければならず、無駄な処理が発生する。
【0011】
それゆえに、本発明の目的は、トラフィックを必要最小限に抑えつつ、他局とアシストデータをやりとりすることができる無線基地局、および無線基地局システムにおけるアシスト方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の無線基地局は、GPS衛星からアルマナックおよびエフェメリスを含む航法メッセージを受信し、自局で受信した所定個数のエフェメリスに基づいて、基準時刻信号を生成するGPS受信部と、現在時刻において、受信可能なGPS衛星のうち、エフェメリスを受信していないGPS衛星を未取得衛星として特定する未取得衛星特定部と、アルマナックと、他の無線基地局の位置情報に基づいて、未取得衛星からのエフェメリスが受信可能な他の無線基地局を特定する基地局特定部と、特定した他の無線基地局に対して、未取得衛星のエフェメリスを送信するように要求するエフェメリス要求部とを備え、GPS受信部は、特定した無線基地局から送信されてくるエフェメリスをアシストデータとして用いて、未取得衛星からのエフェメリスを受信する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の無線基地局によれば、トラフィックを必要最小限に抑えつつ、他局とアシストデータをやりとりすることができる無線基地局を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の無線基地局システムの構成を表わす図である。
【図2】本発明の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【図3】本発明の実施形態の無線基地局の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】従来のシステムの例を説明するための図である。
【図5】従来のシステムの例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態の無線基地局システムの構成を表わす図である。
【0016】
図1を参照して、この無線基地局システムは、フレーム同期をGPSで取得する複数の無線基地局から構成される基地局システムである。
【0017】
この無線基地局システムは、複数の無線基地局15a〜15hとからなる。複数の無線基地局15a〜15hとの間は、有線のネットワーク52で接続されている。複数の無線基地局15a〜15hは、それぞれGPSモジュール150a〜150hを備える。GPSモジュール150a〜150hは、GPSアンテナ52a〜52hによって、GPS衛星群(32個のGPS衛星)に属する複数のGPS衛星からの航法メッセージ(軌道情報)を受信する。
【0018】
(無線基地局)
図2は、本発明の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【0019】
この無線基地局15は、GPSアンテナ12と、GPSモジュール150と、無線アンテナ14と、無線通信部16と、データ取得部18と、衛星データ記憶部20と、座標情報記憶部24と、未取得衛星特定部26と、アドレス記憶部30と、問合せ可能基地局特定部28と、エフェメリス要求部34と、エフェメリス提供部32と、ネットワークインタフェース36とを備える。
【0020】
GPSモジュール150は、GPSアンテナ12を備え、GPSアンテナ12を通じて航法メッセージを受信する。航法メッセージは、これを送信したGPS衛星の軌道情報(エフェメリス)と、全GPS衛星の軌道情報(アルマナック)とを含む。アルマナックは、全ての衛星からの航法メッセージに重畳されており、全GPS衛星のおおまかな位置情報を含む。エフェメリスは、これを送信したGPS衛星の正確な位置情報を含む。
【0021】
GPSモジュール150は、アルマナックと、自装置の位置および概略の時刻に基づいて、可視位置にあるGPS衛星を特定する。GPSモジュール150は、可視位置にあるGPS衛星からの航法メッセージのうちの、エフェメリスを受信する。GPSモジュール150は、可視位置にあるGPS衛星を受信できない場合には、他の無線基地局で受信したそのGPS衛星のエフェメリスを用いて、そのGPS衛星のエフェメリスの受信感度を増加させることによって、そのGPS衛星のエフェメリスを受信する。
【0022】
GPSモジュール150は、自局で受信した4個の衛星のエフェメリスと、自装置の位置、および保有している概略の時刻を用いて、正確な基準時刻信号tbを生成する。
【0023】
データ取得部18は、GPSモジュール150が受信した航法メッセージから個々の軌道情報、すなわちアルマナックとエフェメリスを抽出して、衛星データ記憶部20に記憶する。データ取得部18は、アルマナックまたはエフェメリスを衛星データ記憶部20に記憶してから所定時間経過した場合に、データの有効性が失われるため消去する。
【0024】
座標情報記憶部24は、このシステムに対応する無線基地局システムのすべての無線基地局の位置情報を記憶する。
【0025】
アドレス記憶部30は、このシステムに対応する無線基地局システムの無線基地局のIPアドレスを記憶する。
【0026】
未取得衛星特定部26は、現在の時刻、座標情報記憶部24に記憶されている自局の位置情報、アルマナックに基づいて、自局で現在見えるはずのGPS衛星、つまり自局で現在エフェメリスが受信可能な1個以上のGPS衛星を可視衛星として特定する。未取得衛星特定部26は、現在時刻において、1個以上の可視衛星のうち、エフェメリスを受信していない1個以上のGPS衛星を未取得衛星として特定する。
【0027】
問合せ可能基地局特定部28は、アルマナックと、座標情報記憶部24に記憶されている他の無線基地局の位置情報に基づいて、現在時刻よりも所定時間(たとえば1時間程度)だけ早い時刻において、未取得衛星からのエフェメリスが受信可能であった1個以上の他の無線基地局を問合せ可能基地局として特定する。ここで、現在時刻よりも所定時間(たとえば1時間程度)だけ早い時刻としたのは、他の無線基地局が既に取得をしている情報をもらうためである。この問合せ可能基地局の特定は、GPSモジュール150および未取得衛星特定部26の可視衛星の特定処理と、基地局の座標が自局から他の無線基地局の位置に代わるだけで、同様の計算によって行なうことができる。
【0028】
可視衛星および問い合わせ基地局の特定に必要な計算方法の原理は、たとえば、「GPS衛星の軌道計算のはなし、独立行政法人 電子航法研究所、福島荘之介、航空無線、第34〜第36号」などに記載されている。
【0029】
エフェメリス要求部34は、問合せ可能基地局のIPアドレスをアドレス記憶部30から読み出して、読出したIPアドレスを宛先のアドレスとして、ネットワークインタフェース36を通じて、未取得衛星のエフェメリスを送信するように要求する。エフェメリス要求部34は、問合せ可能基地局からエフェメリスを受信できた場合には、このエフェメリスをGPSモジュール150に出力する。エフェメリス要求部34は、問合せ可能基地局からエフェメリスを受信できなかった場合は、異なる無線基地局に再度エフェメリスの送信を要求する。エフェメリス要求部34は、これを繰り返して必要なエフェメリスを他の無線基地局から取得して、GPSモジュール150へ出力する。
【0030】
エフェメリス提供部32は、ネットワークインタフェース36を通じて他の無線基地局から未取得衛星のエフェメリスの送信要求を受けた場合に、衛星データ記憶部20に要求された未取得衛星のエフェメリスが記憶されていれば、そのエフェメリスをネットワークインタフェース36を通じて、要求された無線基地局へ送信し、なければ無い旨をネットワークインタフェース36を通じて送信する。
【0031】
ネットワークインタフェース36は、ネットワーク52を通じて、他の無線基地局からエフェメリスデータを受信、またはエフェメリスデータの送信要求を受信し、他の無線基地局へフェメリスデータを送信する。
【0032】
無線通信部16は、GPSモジュール150から出力される基準時刻信号tbに同期して、無線アンテナ14から受信した信号および無線アンテナ14から出力する信号の通信処理を行なう。
【0033】
(動作)
図3は、本発明の実施形態の無線基地局の動作手順を示すフローチャートである。
【0034】
図3を参照して、まず、GPSモジュール150が起動する(ステップS101)。
GPSモジュール150は、GPSアンテナを通じて航法メッセージを受信する。GPSモジュール150は、アルマナックと、自装置の位置および概略の時刻に基づいて、可視位置にあるGPS衛星を特定する。GPSモジュール150は、可視位置にあるGPS衛星からの航法メッセージのうちの、エフェメリスを受信する。GPSモジュール150は、可視位置にあるGPS衛星のエフェメリスを受信できない場合には、後述のステップS111で取得した他の無線基地局で受信したそのGPS衛星のエフェメリスを用いて、そのGPS衛星のエフェメリスの受信感度を増加させることによって、そのGPS衛星のエフェメリスを受信する(ステップS102)。
【0035】
次に、GPSモジュール150は、自局でエフェメリスが4個以上取得されて、衛星データ記憶部20に記憶されている場合には(ステップS103でYES)、自局で受信した4個のGPS衛星のエフェメリスと、自装置の位置、および保有している概略の時刻を用いて、正確な基準時刻信号tbを生成する(ステップS104)。
【0036】
未取得衛星特定部26は、エフェメリスが4個以上取得されて、衛星データ記憶部20に記憶されていない場合には(ステップS103でNO)、現在の時刻、座標情報記憶部24に記憶されている自局の位置情報、アルマナックに基づいて、自局で現在見えるはずのGPS衛星、つまり自局で現在エフェメリスが受信可能なGPS衛星を可視衛星k(k=1〜K)として特定する。ここでは、K個の可視衛星が特定されたとする(ステップS105)。
【0037】
未取得衛星特定部26は、データ取得部18から現在エフェメリスを受信しているGPS衛星の番号を受けて、可視衛星k(k=1〜K)のうち、現在エフェメリスを受信していないGPS衛星を未取得衛星i(i=1〜N)として特定する。ここでは、N個の未取得衛星が特定されたとする(ステップS106)。
【0038】
問合せ可能基地局特定部28は、制御変数iを1に設定する(ステップS107)。
次に、問合せ可能基地局特定部28は、アルマナックと、座標情報記憶部24に記憶されている他の無線基地局の位置情報に基づいて、現在時刻よりも所定時間(たとえば1時間程度)だけ早い時刻において、未取得衛星iからのエフェメリスが受信可能であった他の無線基地局を問合せ可能基地局j(j=1〜M)として特定する。
【0039】
エフェメリス要求部34は、制御変数jを1に設定する(ステップS109)。
エフェメリス要求部34は、問合せ可能基地局jのIPアドレスをアドレス記憶部30から読み出して、読出したIPアドレスを宛先のアドレスとして、ネットワークインタフェース36を通じて、未取得衛星iのエフェメリスを送信するように要求する(ステップS110)。
【0040】
問合せ可能基地局jのエフェメリス提供部32は、衛星データ記憶部20に未取得衛星iのエフェメリスが記憶されている場合には、未取得衛星iのエフェメリスを返信し、衛星データ記憶部20に未取得衛星iのエフェメリスが記憶されていない場合には、未取得衛星iのエフェメリスを取得していない旨を返信する。
【0041】
エフェメリス要求部34は、問合せ可能基地局jからエフェメリスを受信した場合には(ステップS111でYES)、このエフェメリスをGPSモジュール150に出力し、ステップS103に戻る。
【0042】
エフェメリス要求部34は、問合せ可能基地局jからエフェメリスを受信できなかった場合で(ステップS111でNO)、j=Mでないなら(ステップS112でNO)、jを1だけインクリメントして(ステップS113)、ステップS110に戻る。
【0043】
一方、エフェメリス要求部34は、問合せ可能基地局jからエフェメリスを受信できなかった場合で(ステップS111でNO)、j=Mであり(ステップS112でYES)、かつi=Nでないなら(ステップS114でNO)、iを1だけインクリメントして(ステップS115)、ステップS108に戻る。
【0044】
一方、エフェメリス要求部34は、、問合せ可能基地局jからエフェメリスを受信できなかった場合で(ステップS111でNO)、j=Mであり(ステップS112でYES)、かつi=Nなら(ステップS114でYES)、一定時間待機し(ステップS116)、ステップS102に戻る。
【0045】
(効果)
以上のように、本発明の実施形態によれば、無線基地局システムがアシストサーバを有さなくても、無線基地局は、アシスト機能を利用したGPSモジュールを使用でき、また軌道情報の取得のためのトラフィックを必要最小限に抑えることができる。
【0046】
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例も含まれる。
【0047】
本発明の実施形態では、エフェメリス要求部は、複数の問合せ可能基地局の中から1個ずつ順番に選択して、選択した問合せ可能基地局にエフェメリスの送信を要求し、その基地局からエフェメリスを受信できた場合には、その後、他の問合せ可能基地局に対してエフェメリスの送信を要求しなかったが、これに限定するものではない。
【0048】
エフェメリス要求部は、複数の問合せ可能基地局に対してエフェメリスの送信を要求し、それらの基地局から受信したエフェメリスのうち、軌道を表わす値の最も確からしいものを選択してGPSモジュールへ出力することとしてもよい。
【0049】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
12 GPSアンテナ、14 無線アンテナ、16 無線通信部、18 データ取得部、20 衛星データ記憶部、24 座標情報記憶部、26 未取得衛星特定部、28 問合せ可能基地局特定部、30 アドレス記憶部、32 エフェメリス提供部、34 エフェメリス要求部、36 ネットワークインタフェース、52 ネットワーク、15,15a〜15h 無線基地局、150,150a〜150h GPSモジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS衛星からアルマナックおよびエフェメリスを含む航法メッセージを受信し、自局で受信した所定個数のエフェメリスに基づいて、基準時刻信号を生成するGPS受信部と、
現在時刻において、前記エフェメリスが受信可能なGPS衛星のうち、前記エフェメリスを受信していないGPS衛星を未取得衛星として特定する未取得衛星特定部と、
アルマナックと、他の無線基地局の位置情報に基づいて、前記未取得衛星からのエフェメリスが受信可能な他の無線基地局を特定する基地局特定部と、
前記特定した他の無線基地局に対して、前記未取得衛星のエフェメリスを送信するように要求するエフェメリス要求部とを備え、
前記GPS受信部は、前記特定した無線基地局から送信されてくるエフェメリスをアシストデータとして用いて、前記未取得衛星からのエフェメリスを受信する、無線基地局。
【請求項2】
前記基地局特定部は、アルマナックと、他の無線基地局の位置情報に基づいて、現在時刻よりも所定時間だけ早い時刻において、前記未取得衛星からのエフェメリスが受信可能であった他の無線基地局を特定する、請求項1記載の無線基地局。
【請求項3】
前記無線基地局は、さらに、
複数の無線基地局のIPアドレスを記憶するアドレス記憶部を備え、
前記エフェメリス要求部は、前記特定された無線基地局のIPアドレスを前記アドレス記憶部から読み出して、前記読出したIPアドレスを宛先のアドレスとして、前記未取得衛星のエフェメリスを送信するように要求する、請求項1記載の無線基地局。
【請求項4】
前記未取得衛星特定部は、現在の時刻、自局の位置、アルマナックに基づいて、自局で現在エフェメリスが受信可能なGPS衛星を特定する、請求項1記載の無線基地局。
【請求項5】
前記無線基地局は、さらに、
他の無線基地局から、前記未取得衛星のエフェメリスの送信要求を受けたときに、前記未取得衛星のエフェメリスを記憶していれば、前記記憶しているエフェメリスを、前記他の無線基地局へ送信するエフェメリス提供部を備える、請求項1記載の無線基地局。
【請求項6】
複数の無線基地局がネットワークを通じて接続された無線基地局システムにおけるアシスト方法であって、
第1の無線基地局が、現在時刻において、エフェメリスが受信可能なGPS衛星のうち、前記エフェメリスを受信していないGPS衛星を未取得衛星として特定するステップと、
前記第1の無線基地局が、アルマナックと、他の無線基地局の位置情報に基づいて、前記未取得衛星からのエフェメリスが受信可能な第2の無線基地局を特定するステップと、
前記第1の無線基地局が、前記特定した第2の無線基地局に対して、前記未取得衛星のエフェメリスを送信するように要求するステップと、
前記第2の無線基地局が、前記未取得衛星ののエフェメリスの送信要求を受けたときに、前記未取得衛星のエフェメリスを記憶していれば、前記記憶しているエフェメリスを、前記第1の無線基地局へ送信するステップと、
前記第1の無線基地局が、前記第2の無線基地局から送信されてくるエフェメリスをアシストデータとして用いて、前記未取得衛星からのエフェメリスを受信するステップと、
前記第1の無線基地局が、自局で受信した所定個数のエフェメリスに基づいて、基準時刻信号を生成するステップとを含む無線基地局システムにおけるアシスト方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−95148(P2012−95148A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241475(P2010−241475)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】