説明

無線子機及び携帯端末装置

【課題】端末機器と情報の授受を行う携帯端末装置との間で無線通信を行う無線子機の電源としての電池の残量を、効率的かつ簡便に管理することのできる無線子機と携帯端末装置とを提供すること。
【解決手段】ハンディーターミナル7からの照会信号を受信するとこれに呼応して無線子機2,3,5から内蔵の電池Vの電圧レベルを示す残量信号が送信され、この残量信号をハンディーターミナル7の無線ユニット9が受信すると、その内容がハンディーターミナル7のディスプレイ73に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末機器に接続されて電池により駆動される無線子機と、この無線子機を介して端末機器との間で無線通信により情報の授受を行う携帯端末装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物理量を測定するメータによるガスや水道、電気等の使用量の検針作業については、従来から、検針員が携帯する端末の操作によって、現在の表示値をメータから無線で出力させて端末に取り込み、これを後にデータベースに取り込む方式が提案されており(例えば特許文献1,2)、この方式によれば、メータの表示値を検針員が書き取る旧来の方式に比べて、人的ミスの介在する余地がない分だけ、検針値の正確度が増すというメリットがある。
【特許文献1】特開平4−61432号公報
【特許文献2】特開2004−348377公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したような検針作業を可能とするためにメータに接続される無線子機は、一般に内部の電池を電源としていることから、その残量を監視することは、携帯端末との通信を常に可能な状態とし検針作業の確実な遂行を確保する上で、非常に重要である。
【0004】
装置内部の電池の残量を監視する思想は、例えばマイコン式のガスメータによる検針値を電話回線経由で遠隔地の監視センターに伝送して検針作業を遠隔操作化する場合に、電池残量も監視センターに伝送して遠隔監視するという方式で、既に実現されたものもある。
【0005】
しかし、無線子機の場合は遠隔地の監視センターに接続されている訳ではないので、上述したマイコン式のガスメータの場合のように遠隔監視することができない。
【0006】
そして、上記した無線子機の電池残量管理の問題は、物理量を測定するメータの検針値を無線通信で携帯端末に収集するためにメータに接続して使用する無線子機に限らず、端末機器に接続されて電池により駆動され、端末機器と情報の授受を行う携帯端末装置との間で無線通信を行う電池駆動式の無線子機においても、同様に生じる問題である。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、端末機器と情報の授受を行う携帯端末装置との間で無線通信を行う無線子機の電源としての電池の残量を、効率的かつ簡便に管理することのできる無線子機と携帯端末装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する請求項1乃至請求項3記載の本発明は無線子機に関するものであり、請求項4及び請求項5記載の本発明は携帯端末装置に関するものである。
【0009】
そして、請求項1に記載した本発明の無線子機は、図1の基本構成図に記載したように、端末機器1,4,6,8,10に接続されて電池Vにより駆動され、前記端末機器1,4,6,8,10と情報の授受を行う携帯端末装置7との間で無線通信を行う無線子機であって、前記電池Vの残量乃至該残量に対応する物理量を検出する残量検出手段Aと、前記携帯端末装置7からの照会信号を無線通信により受信した際に、前記残量検出手段Aにより検出される前記電池Vの残量を示す残量信号を、前記携帯端末装置7に無線通信により送信する残量報知手段Bとを備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載した本発明の無線子機は、請求項1に記載した本発明の無線子機において、前記携帯端末装置7との無線通信が、自己に割り当てられた識別情報を用いて行われ、残量報知手段Bが、前記照会信号中に前記自己に割り当てられた識別情報が含まれている場合に前記残量信号を前記携帯端末装置7に無線通信により送信する構成とした。
【0011】
さらに、請求項3に記載した本発明の無線子機は、請求項1又は2に記載した本発明の無線子機において、前記端末機器が物理量の測定メータ1であり、前記携帯端末装置が、前記物理量の測定メータ1による検針値を前記情報として該物理量の測定メータ1から受け取る携帯型検針ユニット7である構成とした。
【0012】
また、請求項4に記載した本発明の携帯端末装置は、端末機器1,4,6,8,10に接続されて電池Vにより駆動される無線子機2,3,5,11,12を介して無線通信による情報の授受を前記端末機器1,4,6,8,10との間で行う携帯端末装置であって、前記電池Vの残量を照会する照会信号を、前記無線子機2,3,5,11,12に無線通信により送信する残量照会手段Cと、前記照会信号に呼応した前記無線子機2,3,5,11,12からの前記電池Vの残量を示す残量信号を受信した場合に、該残量信号の示す前記電池Vの残量に関する表示又は音声出力を行う残量出力手段Dとを備えることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項5に記載した本発明の無線子機は、請求項4に記載した本発明の携帯端末装置において、前記端末機器が物理量の測定メータ1であり、該物理量の測定メータ1から前記無線子機2,3,5,11,12を介して前記物理量の測定メータ1による検針値を、前記情報として無線通信により受信する構成とした。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載した本発明の無線子機によれば、端末機器1,4,6,8,10に接続されて電池Vにより駆動される無線子機が、端末機器1,4,6,8,10と情報の授受を行う携帯端末装置7との間で無線通信を行う場合、携帯端末装置7からの照会信号を無線通信により受信すると、残量報知手段Bが、残量検出手段Aにより検出される電池Vの残量を示す残量信号を、携帯端末装置7に無線通信により送信することになる。
【0015】
このため、例えばマイコン式のガスメータによる検針値を電話回線経由で遠隔地の監視センターに伝送して検針作業を遠隔操作化する場合のように、電池残量を監視センターに伝送して遠隔監視する方式が採用できなくても、無線子機の電源としての電池Vの残量を、効率的かつ簡便に管理することができる。
【0016】
また、請求項2に記載した本発明の無線子機によれば、請求項1に記載した本発明の無線子機において、携帯端末装置7との無線通信に用いるために自己に割り当てられた識別情報が、携帯端末装置7からの照会信号中に含まれている場合に限って、残量報知手段Bが残量信号を携帯端末装置7に送信することから、携帯端末装置7が残量信号を受信したときに、その残量信号によって示される電池Vの電圧レベルがどの無線子機の電池Vに関するものであるかを、容易に区別することができる。
【0017】
さらに、請求項3に記載した本発明の無線子機によれば、請求項1又は2に記載した本発明の無線子機において、物理量の測定メータ1から検針値を収集する携帯型検針ユニット7を用いて、物理量の測定メータ1に接続された無線子機2の電池Vの電圧レベルを収集することから、検針値の収集のために携帯型検針ユニット7を使用する毎に無線子機2の電池Vの電圧レベルの確認を行うようにして、電池残量確認の機会を増やすことができる。
【0018】
また、請求項4に記載した本発明の携帯端末装置によれば、端末機器1,4,6,8,10に接続されて電池Vにより駆動される無線子機2,3,5,11,12を介して無線通信による情報の授受を端末機器1,4,6,8,10との間で行う場合、残量照会手段Cが送信した照会信号に呼応して無線子機2,3,5,11,12が送信する電池Vの残量を示す残量信号を受信すると、残量出力手段Dが、受信した残量信号の示す電池Vの残量に関する表示又は音声出力を行うことになる。
【0019】
このため、例えばマイコン式のガスメータによる検針値を電話回線経由で遠隔地の監視センターに伝送して検針作業を遠隔操作化する場合のように、電池残量を監視センターに伝送して遠隔監視する方式が採用できなくても、無線子機2,3,5,11,12と無線通信を行う携帯端末装置によって、無線子機2,3,5,11,12の電源としての電池Vの残量を把握し、効率的かつ簡便に管理することができる。
【0020】
さらに、請求項5に記載した本発明の携帯端末装置によれば、請求項4に記載した本発明の携帯端末装置において、物理量の測定メータ1から検針値を収集する際に、残量照会手段Cによって、物理量の測定メータ1に接続された無線子機2の電池Vの電圧レベルを収集し、これを残量出力手段Dによって表示又は音声出力することができることから、検針値を収集する毎に無線子機2の電池Vの電圧レベルの確認を行うようにして、電池残量確認の機会を増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図2は本発明の無線子機と携帯端末装置を適用したガスメータの検針システムを示すブロック図、図3は図2の検針システムにおける無線子機の構成例を示すブロック図、図4は図2の検針システムにおけるハンディーターミナル(携帯端末装置)の構成例を示すブロック図である。
【0023】
図2に示す検針システムは、請求項中の端末機器に相当するガスメータ1、火災警報器4、ガス漏れ警報器6、窓センサ8、及び、防犯切替中継器10と、ガスメータ1に接続された無線子機2、火災警報器4に接続された無線子機3、ガス漏れ警報器6に接続された無線子機5、窓センサ8に接続された無線子機11、及び、防犯切替中継器10に接続された無線子機12と、無線子機2,3,5,11,12との間で特定小電力無線通信方式による無線通信を行うハンディーターミナル(請求項中の携帯端末装置及び携帯型検針ユニットに相当。)7とを含んでいる。
【0024】
ガスメータ1は、自動漏洩遮断機能付きのガスメータである。自動漏洩遮断機能は、ガスメータにより計測されるガスの流量(使用量)に基づいてガスメータ内部のマイクロコンピュータ(図示せず)により実行されるもので、合計流量遮断機能、増加流量遮断機能、微少流量漏洩遮断機能、ガス漏れ警報器連動遮断機能、火災警報器連動遮断機能等がある。
【0025】
このうち、合計流量遮断機能は、屋内のガス消費機器によるガスの合計使用量が予め設定された遮断値を超えた場合に、元栓の誤開放やゴムホースの抜け等による大量のガス漏れと判断してガスの供給を遮断するものであり、増加流量遮断機能は、予め登録されている屋内のガス消費機器のうちガス消費量が最も大きい機器の消費量を上回るガス使用量の増加が発生した場合に、元栓の誤開放やゴムホースの抜け等による大量のガス漏れと判断してガスの供給を遮断するものである。
【0026】
また、微少流量漏洩遮断機能は、予め定められた期間を超える長期間に亘って連続して微少なガス流量が測定された場合に、ゴムホース等の屋内配管に不具合が生じている可能性があると判断してガスの供給を遮断するものであり、ガス漏れ警報器連動遮断機能は、ガス漏れ警報器6においてガス漏れが検知された場合に、ガス漏れ警報器6からの警報信号の入力に連動してガスの供給を遮断するものであり、火災警報器連動遮断機能は、火災警報器4において火災の発生が検知された場合に、火災警報器4からの警報信号の入力に連動してガスの供給を遮断するものである。
【0027】
このような自動漏洩遮断機能を有するガスメータ1は、その機能を実現するために、自動漏洩遮断機能によりガスの供給を遮断させるための遮断弁(図示せず)を内蔵しており、また、火災を検知した際に火災警報器4が出力する前記警報信号やガス漏れを検知した際にガス漏れ警報器6が出力する前記警報信号を、火災警報器4やガス漏れ警報器6に接続された無線子機3,5およびガスメータ1が接続された無線子機2を介して取り込み認識する機能や、遮断弁によりガスの供給を遮断した際に、その旨を示す遮断信号を無線子機2を介して無線で外部に出力させる機能を有している。警報信号の取り込み、認識や、遮断信号の外部への出力は、不図示のマイクロコンピュータの制御により実行される。
【0028】
火災警報器4は、熱センサや煙センサにより火災の発生を検知し前記警報信号を生成、出力する従来公知のものであり、また、ガス漏れ警報器6は、都市ガスやプロパンガスの成分を検出するセンサによりガスを検知し前記警報信号を生成、出力する従来公知のものであって、いずれも、検知時に音声(警報音、警報メッセージ)により報知する機能を内蔵している。
【0029】
なお、火災警報器4やガス漏れ警報器6の音声報知機能は、自身が火災の発生やガスを検知した場合だけでなく、無線子機3,5を介して外部から入力される信号(例えばガスメータ1から出力される後述の遮断信号や、他の無線子機3,5に接続された火災警報器4やガス漏れ警報器6から出力される警報信号)によっても作動させることができる。
【0030】
無線子機2,3,5は、図3に示すように、通信用高周波回路部RFと変復調処理用デジタル処理回路部DPと制御用マイクロコンピュータ部(以下、「マイコン部」と略記する。)μCOMとをワンチップ化した集積回路LSIと、ガスメータ1や火災警報器4、ガス漏れ警報器6がそれぞれ接続されるポートPioと、不揮発性メモリNVMと、通信用高周波回路部RFに接続されたアンテナATと、電源としての電池Vと、電池Vの電圧をA/D変換するA/D変換器CONVとを有しており、A/D変換器CONVと不揮発性メモリNVMはマイコン部μCOMに接続されている。
【0031】
なお、不揮発性メモリNVMには、ハンディーターミナル7や無線子機2,3,5との無線通信において使用する自己の識別信号と通信チャネルが、予め登録されている。
【0032】
そして、マイコン部μCOMでは、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図5のフローチャートで示す処理が実行される。
【0033】
まず、後に詳説するハンディーターミナル7からの照会信号がアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認し(ステップS1)、入力されていない場合は(ステップS1でN)、ステップS1をリピートする。
【0034】
一方、ハンディーターミナル7からの照会信号が入力されたならば(ステップS1でY)、A/D変換器CONVを介して入力される電池Vの電圧のデジタル値から、電池Vの電圧レベルを検出し(ステップS3)、検出した電圧レベルを示す残量信号を生成し、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから無線送信させた後(ステップS5)、ステップS1にリターンする。
【0035】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態の無線子機3,5では、図5のフローチャートにおけるステップS3が、請求項中の残量検出手段Aに対応する処理となっており、また、図5中のステップS5が、請求項中の残量報知手段Bに対応する処理となっている。
【0036】
尚、図5のフローチャートでは説明を省略しているが、ガスメータ1に接続される無線子機2のマイコン部μCOMは、ハンディーターミナル7の後述する無線ユニット9から送信される検針値要求信号が、自己の識別情報を含んだ内容でアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されると、その検針値要求信号をポートPioからガスメータ1に出力し、かつ、検針値要求信号に呼応してガスメータ1が出力する、現在の検針値を示す検針値信号がポートPioに入力されると、これを、不揮発性メモリNVMに登録された自己の識別情報と共に変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから、ハンディーターミナル7の無線ユニット9に向けて無線送信させる処理を行う機能を有している。
【0037】
前記ハンディーターミナル7は、図4に示すように、ガスメータ1に検針値の出力を要求するメニューや無線子機2,3,5に電池Vの電圧レベルを照会するメニュー等の選択や、詳細な内容の入力に使用するテンキー71と、テンキー71により選択させるメニューの表示やテンキー71により入力される設定内容の確認表示等を行うディスプレイ73と、前記無線子機2,3,5と特定小電力無線通信方式で通信する無線ユニット9とを有している。
【0038】
前記無線ユニット9は、図3に示す無線子機2,3,5からA/D変換器CONVとポートPioを省略して構成されており(電池は図示を省略。)、通信用高周波回路部RFと変復調処理用デジタル処理回路部DPとマイコン部μCOMとをワンチップ化した集積回路LSIと、不揮発性メモリNVMと、通信用高周波回路部RFに接続されたアンテナATとを有しており、テンキー71、ディスプレイ73、及び、不揮発性メモリNVMはマイコン部μCOMに接続されていて、テンキー71の操作に応じたディスプレイ73の表示は、このマイコン部μCOMによって制御される。
【0039】
なお、不揮発性メモリNVMには、不図示の顧客管理データベースから取り込んだ、各契約者の住戸に設置、登録されたガスメータ1や火災警報器4、ガス漏れ警報器6に接続されている前記無線子機2,3,5の識別情報等が、契約者番号等に対応付けて格納されている。
【0040】
そして、マイコン部μCOMでは、前記無線子機2,3,5との特定小電力無線通信方式による無線通信に関して、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図6のフローチャートで示す処理が実行される。
【0041】
まず、テンキー71の操作により、ガスメータ1の検針値を収集するメニューが選択されたか否かを確認し(ステップS31)、選択されていない場合は(ステップS31でN)、後述するステップS45に進む。
【0042】
一方、ガスメータ1の検針値を収集するメニューが選択された場合は(ステップS31でY)、ディスプレイ73の表示にしたがって検針作業を行う契約者の契約者番号がテンキー71の操作により入力されるのを待機し(ステップS33)、入力されたならば(ステップS33でY)、入力された契約者番号に対応付けて不揮発性メモリNVMに格納されている、ガスメータ1に接続されている無線子機2の識別情報を含む検針値要求信号を生成し、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから無線送信させた後(ステップS35)、無線子機2がガスメータ1から受け取った現在の検針値を含む検針値信号がアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認する(ステップS37)。
【0043】
無線子機2からの検針値信号が入力されていない場合は(ステップS37でN)、予め定められた待機時間が経過したか否かを確認し(ステップS39)、経過していない場合は(ステップS39でN)、ステップS37にリターンし、経過した場合は(ステップS39でY)、通信異常又は無線子機2の電池Vの電池切れのメッセージをディスプレイ73に表示した後(ステップS41)、ステップS31にリターンする。
【0044】
これに対して、無線子機2からの検針値信号が待機時間以内に(ステップS39でN)入力された場合は(ステップS37でY)、その検針値信号中に含まれる現在のガスメータ1の検針値を、ステップS33で入力された契約者番号と対応付けて不揮発性メモリNVMに登録した後(ステップS43)、ステップS31にリターンする。
【0045】
また、ステップS31において、テンキー71の操作によりガスメータ1の検針値を収集するメニューが選択されていない場合(N)に進むステップS45では、テンキー71の操作により、無線子機2,3,5の電池Vの電圧レベルを照会するメニューが選択されたか否かを確認し、選択されていない場合は(ステップS45でN)、ステップS31にリターンする。
【0046】
一方、無線子機2,3,5の電池Vの電圧レベルを照会するメニューが選択された場合は(ステップS45でY)、ディスプレイ73の表示にしたがって電圧レベルを照会する無線子機2,3,5が設置されている契約者の契約者番号がテンキー71の操作により入力されるのを待機し(ステップS47)、入力されたならば(ステップS47でY)、入力された契約者番号に対応付けて不揮発性メモリNVMに識別情報が格納されている無線子機2,3,5のいずれを選択するかが、ディスプレイ73の表示にしたがってテンキー71の操作により入力されるのを待機する(ステップS49)。
【0047】
そして、無線子機2,3,5のいずれを選択するかがテンキー71の操作により入力されたならば(ステップS49でY)、入力された識別情報を含む照会信号を生成し、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから無線送信させた後(ステップS51)、無線子機2,3,5からの残量信号がアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認する(ステップS53)。
【0048】
無線子機2,3,5からの残量信号が入力されていない場合は(ステップS53でN)、予め定められた待機時間が経過したか否かを確認し(ステップS55)、経過していない場合は(ステップS55でN)、ステップS53にリターンし、経過した場合は(ステップS55でY)、通信異常又は無線子機2の電池Vの電池切れのメッセージをディスプレイ73に表示した後(ステップS57)、ステップS31にリターンする。
【0049】
これに対して、無線子機2,3,5からの残量信号が待機時間以内に(ステップS55でN)入力された場合は(ステップS53でY)、その残量信号中に含まれる電池Vの電圧レベルをディスプレイ73に表示させた後(ステップS59)、ステップS31にリターンする。
【0050】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のハンディーターミナル7では、図6のフローチャートにおけるステップS45乃至ステップS51が、請求項中の残量照会手段Cに対応する処理となっており、また、図6中のステップS57およびステップS59が、請求項中の残量出力手段Dに対応する処理となっている。
【0051】
ちなみに、窓センサ8は、窓の開放時に開放信号を出力するものであり、防犯切替中継器10は、窓センサ8からの開放信号を無線子機11,12を介して受信し、自らに接続された外出設定スイッチ(図示せず)により外出中の設定が行われている間に限り、窓センサ8からの開放信号を無線子機12から、火災警報器4やガス漏れ警報器6に接続された無線子機3,5に向けて出力すると共に、不図示の外出設定スイッチの設定が外出中でない場合は、窓センサ8からの開放信号を無線子機12から、火災警報器4やガス漏れ警報器6に接続された無線子機3,5に向けて出力しないように構成されている。
【0052】
また、窓センサ8に接続された無線子機11や防犯切替中継器10に接続された無線子機12は、無線子機2,3,5と同様に図3に示すような構成となっており、そのポートPioに窓センサ8や防犯切替中継器10が接続される。
【0053】
次に、上述のように構成された本実施形態の検針システムの動作(作用)について説明する。
【0054】
ハンディーターミナル7のテンキー71の操作によりガスメータ1の検針値を収集するメニューが選択され、さらに、契約者番号がテンキー71の操作により特定されると、無線通信により検針値要求信号がハンディーターミナル7の無線ユニット9から、特定された契約者番号のガスメータ1に接続された無線子機2に向けて出力される。
【0055】
すると、検針値要求信号を受信した無線子機2がガスメータ1から受け取った現在の検針値を含む検針値信号が無線通信により無線子機2から送信されて、ハンディーターミナル7の無線ユニット9で受信され、その検針値信号にて示されている検針値が、契約者番号と対応付けて不揮発性メモリNVMに登録される。
【0056】
登録された検針値は、例えば、後に不図示の顧客管理データベースに供給されたり、あるいは、ハンディーターミナル7がプリンタ(図示せず)を内蔵しているか、外付けしている場合は、そのプリンタから検針値をプリントアウトして契約者に配布される等することになる。
【0057】
なお、ハンディーターミナル7からの検針値要求信号を受信すべき相手方の無線子機2が、ハンディーターミナル7との無線通信を行うのに悪い状態にあるか、あるいは、無線子機2の電池Vが必要な電圧レベルを割っていると、最終的に、ハンディーターミナル7が無線子機2からの検針値信号を所定の待機時間中に受信できないので、その場合には、通信異常又は無線子機2の電池Vの電池切れのメッセージがディスプレイ73に表示されることになる。
【0058】
また、ハンディーターミナル7のテンキー71の操作により無線子機2,3,5の電池Vの電圧レベルを照会するメニューが選択され、さらに、契約者番号とどの無線子機2,3,5が照会対象であるかとがテンキー71の操作により特定されると、無線通信により照会信号がハンディーターミナル7の無線ユニット9から、特定された無線子機2,3,5に向けて出力される。
【0059】
すると、照会信号を受信した無線子機2,3,5から、検出した電池Vの電圧レベルを示す残量信号が無線通信により送信されて、ハンディーターミナル7の無線ユニット9で受信され、その残量信号にて示されている電池Vの電圧レベルがディスプレイ73に表示される。
【0060】
なお、ガスメータ1の検針値を収集するメニューが選択された場合と同様に、ハンディーターミナル7からの照会信号を受信すべき相手方の無線子機2,3,5が、ハンディーターミナル7との無線通信を行うのに悪い状態にあるか、あるいは、無線子機2,3,5の電池Vが必要な電圧レベルを割っていると、最終的に、ハンディーターミナル7が無線子機2,3,5からの残量信号を所定の待機時間中に受信できないので、その場合には、通信異常又は無線子機2,3,5の電池Vの電池切れのメッセージがディスプレイ73に表示されることになる。
【0061】
このように本実施形態の検針システムによれば、ハンディーターミナル7からの照会信号を受信するとこれに呼応して無線子機2,3,5から内蔵の電池Vの電圧レベルを示す残量信号が送信され、この残量信号をハンディーターミナル7の無線ユニット9が受信すると、その内容がハンディーターミナル7のディスプレイ73に表示されるので、例えばマイコン式のガスメータによる検針値を電話回線経由で遠隔地の監視センターに伝送して検針作業を遠隔操作化する場合のように、電池残量を監視センターに伝送して遠隔監視する方式が採用できなくても、無線子機2,3,5の電源としての電池Vの残量を、効率的かつ簡便に管理することができる。
【0062】
なお、ハンディーターミナル7からの照会信号に呼応して残量信号をハンディーターミナル7に送信するのを、残量信号を受信した全ての無線子機2,3,5とするように構成してもよいが、本実施形態のように、照会信号中の識別情報に該当する無線子機2,3,5に限って送信するように構成すれば、照会信号の受信可能なエリアに複数の無線子機2,3,5が存在する場合に、ハンディーターミナル7が受信した残量信号がどの無線子機2,3,5からのものであるかを区別して、各無線子機2,3,5の電池Vの残量を個別に管理することができるので、有利である。
【0063】
また、本実施形態では、ガスメータ1の検針値を収集するメニューの実行時にも、検針値信号の受信不能時に、通信異常又は電池切れのメッセージをディスプレイ73に表示させることができ、無線子機2の通信異常や電池切れの状況をより多くの機会に把握できるようになるので、有利である。
【0064】
ちなみに、ハンディーターミナル7のディスプレイ73による電池Vの電圧レベルや通信異常、電池切れの表示に代えて、スピーカを用いた音声出力によってそれらの状況を判別できるように出力するように構成してもよい。
【0065】
そして、本発明は、本実施形態のような検針用のハンディーターミナル7とガスメータ1や火災警報器4、ガス漏れ警報器6との間の情報授受を無線子機2,3,5と無線ユニット9を用いて無線通信により行う場合に限らず、ガス以外の水道や電気等の物理量の使用量を測定するメータを始めとする端末機器との間で、端末機器に接続されて電池により駆動される無線子機を介して携帯端末装置が無線通信により情報の授受を行う場合に、広く適用可能であることは言うまでもない。
【0066】
具体的には、本実施形態では、ガスメータ1や火災警報器4、ガス漏れ警報器6に接続される無線親機2,3,5に対して、内蔵の電池Vの電圧レベルを示す残量信号をハンディーターミナル7の無線ユニット9に送信させて、その内容をハンディーターミナル7のディスプレイ73に表示させる場合について説明したが、本発明は、窓センサ8に接続された無線子機11や防犯切替中継器10に接続された無線子機12に対して、内蔵の電池Vの電圧レベルを示す残量信号をハンディーターミナル7の無線ユニット9に送信させて、その内容をハンディーターミナル7のディスプレイ73に表示させる場合についても、同様に適用可能である。
【0067】
その場合、窓センサ8に接続された無線子機11や防犯切替中継器10に接続された無線子機12のマイコン部μCOMでは、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図5のフローチャートに示す処理が行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る無線子機及び無線親機の基本構成図である。
【図2】本発明の無線子機と携帯端末装置を適用したガスメータの検針システムを示すブロック図である。
【図3】図2の検針システムにおける無線子機の構成例を示すブロック図である。
【図4】図2の検針システムにおけるハンディーターミナルの構成例を示すブロック図である。
【図5】図3の無線子機のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図6】図4のハンディーターミナルの無線ユニットのマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1,4,6,8,10 端末機器
2,3,5,11,12 無線子機
A 残量検出手段
B 残量報知手段
C 残量照会手段
D 残量出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器に接続されて電池により駆動され、前記端末機器と情報の授受を行う携帯端末装置との間で無線通信を行う無線子機であって、
前記電池の残量乃至該残量に対応する物理量を検出する残量検出手段と、
前記携帯端末装置からの照会信号を無線通信により受信した際に、前記残量検出手段により検出される前記電池の残量を示す残量信号を、前記携帯端末装置に無線通信により送信する残量報知手段と、
を備えることを特徴とする無線子機。
【請求項2】
前記携帯端末装置との無線通信は、自己に割り当てられた識別情報を用いて行われ、残量報知手段は、前記照会信号中に前記自己に割り当てられた識別情報が含まれている場合に前記残量信号を前記携帯端末装置に無線通信により送信する請求項1記載の無線子機。
【請求項3】
前記端末機器は物理量の測定メータであり、前記携帯端末装置は、前記物理量の測定メータによる検針値を前記情報として該物理量の測定メータから受け取る携帯型検針ユニットである請求項1又は2記載の無線子機。
【請求項4】
端末機器に接続されて電池により駆動される無線子機を介して無線通信による情報の授受を前記端末機器との間で行う携帯端末装置であって、
前記電池の残量を照会する照会信号を、前記無線子機に無線通信により送信する残量照会手段と、
前記照会信号に呼応した前記無線子機からの前記電池の残量を示す残量信号を受信した場合に、該残量信号の示す前記電池の残量に関する表示又は音声出力を行う残量出力手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
前記端末機器は物理量の測定メータであり、該物理量の測定メータから前記無線子機を介して前記物理量の測定メータによる検針値を、前記情報として無線通信により受信する請求項4記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−57273(P2007−57273A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240437(P2005−240437)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】