説明

無線移動通信ネットワークにおいて複数の移動局を用いて基地局の所在位置を決定する方法及び装置

【課題】基地局と通信中の移動局を含む無線通信ネットワークにおいて基地局の位置を決定する方法及び装置を提供する。
【解決手段】BTS校正サーバーが、基地局とネットワーク接続される。BTS校正プログラムが、位置特定能力を有する移動局群内にプログラミングされる。前記BTS校正プログラムを用いて、校正情報を前記BTS校正サーバーによって要求することができ、又は前記移動局によってセッションを開始させることができる。前記BTS校正プログラムは、前記移動局のユーザーが基地局の所在位置を特定するために用いられるのを防止することを可能にするプライバシー機能も提供する。前記BTS校正プログラムは、権限が付与されている場合は、前記移動局の位置を決定し(54)、位置測定値及び基地局位相測定値等の校正情報を前記サーバーに提供する(56)。前記校正情報は、基地局アルマナックを校正するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、米国仮特許出願No.60/580,929(出願日:2004年6月18日)に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般的には、基地局が位置特定能力を有する複数の移動局と通信する無線通信システムに関するものである。本発明は、より具体的には、移動通信ネットワークにおける基地局の位置を決定することに関するものである。
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークにおいては、1つ以上の基地局が複数の移動局(例えば、携帯電話等の無線装置)と無線通信する。移動局は、通常は、標準的な音声及び/又はデータ通信を提供する。1つの追加機能として、一部の移動局は、該移動局のユーザーが自己の位置を決定することを可能にする測位能力を有する。このような位置決定能力がますます有用かつ重要になってきている。例えば、ある1カ所の管轄区域における規制では、移動局が米国における911等の緊急サービスに電話をしたときにネットワークオペレータが前記移動局の所在位置を報告するように要求することができる。他方、ユーザーが単に近くのレストランや映画館の場所を探し出すために自分の位置を知りたいだけの場合もある。
【0004】
1つの良く知られている型の位置特定システムは、地球軌道上の衛星を利用して移動局の位置を三辺測量する。前記システムの一例は、現在稼働中の全地球測位衛星(GPS)システムである。他の型の位置特定システムは、所在位置が既知である基地局から送信される無線信号を利用する。例えば、一通信ネットワークである符号分割多重接続(CDMA)方式のデジタルセルラーネットワークにおいては、位置特定能力は、移動局(MS)が測定したセルラー基地局からの無線信号到着時間を用いて移動局の所在位置を計算する技術である高度順方向リンク三辺測量(AFLT:Advanced Forward Link Trilateration)によって提供することができる。AFLTイネーブルド無線移動局は、通信相手である基地局からの無線信号のパイロット位相測定(PPM)を行い、これらの測定値を用いて移動局の位置を決定する。これよりも高度な技術は、移動局がGPS受信機も採用し、AFLTとGPSによる両測定値に基づいて位置を計算するハイブリッド型位置特定技術である。
【0005】
MSに基づく場合とMSが補助する場合の両方に対して適用可能であって、AFLT、GPS、及びハイブリッド型受信機を採用したCDMA位置測定に関するメッセージプロトコル及びフォーマットが、TIA/EIA基準IS−801−1 2001「デュアルモード拡散スペクトルシステムに関する位置決定サービス基準−補遺」において公表されており、この基準の4−41乃至4−44ページでは、各基地局はCDMAパイロット疑似ランダム(PN)シーケンスを送信する基地局アンテナの所在位置を含む基地局アルマナックメッセージを特に送信するものとすることを規定している。
【0006】
以上のように、AFLT能力を有する無線通信システムにおいては、無線基地局は、移動局の所在位置を特定するのに役立つ基準地点として使用することができる。しかしながら、基地局を基準として使用する上での一必須条件は、前記基地局のアンテナの位置を正確に知っていることである。基地局に関するタイミング情報も重要である。基地局のアンテナの位置及びタイミング情報は、判明した時点で、位置決定エンティティ(PDE)用として基地局アルマナック(BSA)データベースに格納することができる。しかしながら、基地局のアンテナの正確な位置とタイミング情報を取得することは、面倒でさらには高いコストがかかる可能性がある。
【0007】
位置決定システムをさらに精巧にするために、典型的には、基地局時間オフセットの校正又は再校正に関するデータ、基地局アンテナ位置及びその他のパラメータがいわゆる「基地局アルマナック」内に格納される。基地局アルマナックデータベースは、GPS疑似距離探索のシードになる最初の移動局位置推定値を決定するための情報を提供する。PNの再利用に起因して、基地局アルマナックデータベースは、いずれの観測された疑似ランダム雑音シーケンス(PN)がCDMAネットワーク基地局のいずれの物理的セクターに対応するかに関する不明瞭点を解決するための情報を提供する。基地局アルマナックデータベースは、信号が現れるセルラー基地局セクターアンテナ位置を提供する。これらのアンテナ位置に関するAFLT範囲測定が行われる。
【0008】
基地局アンテナ位置は、わずかに又は大きな距離で変化する場合があり、この場合には、対応するアルマナック情報を更新しなければならない。例えば、基地局アンテナが再配置されること、基地局トランシーバが修理又は交換されること、アンテナとトランシーバの間に新たなケーブルが取り付けられて基地局のアンテナ位置又はタイミング情報を変化させることがある。他の例においては、例えば2つの物理的な基地局がそれぞれの識別情報を交換時に基地局を(物理的ではなく)論理的に移動させることが可能であり、このような場合には、これらの2つのいずれの基地局も物理的には移動していないにもかかわらず所在位置を交換しているようにみえることになる。
【0009】
上記のような状況においては、データベース内の対応情報は、更新しないと誤った情報になってしまう可能性があり、従って、基地局からのサービスを再開する前にアルマナックデータベースを更新しなければならない。しかしながら、従来の技術を用いてアルマナックデータベースを更新することは多大な時間とコストがかかる可能性がある。例えば、従来の方法においては、アンテナ位置は、測量によって又は地図から読み取られた座標を基準にして決定することができ、アンテナ座標が手作業でデータベースに入力される場合は、人的な誤りが発生する可能性がある。さらに、特注ハードウェアを用いてタイミング情報が測定され、タイミング情報が手作業でデータベースに入力される場合には、基地局タイミング情報にも人的誤りが生じる可能性がある。
【0010】
ローカルエリアネットワークにおいては、非常に数多くの(数百万の)基地局が存在すること、基地局の展開方法、及びポータブル基地局は物理的な所在位置を移動するのが容易であることが、従来の測量技術を用いて基地局アルマナックの位置を特定して維持するのを困難にしている。
【0011】
要約すると、AFLT又はハイブリッド型AFLT等の基地局到着時間差測距解決方法を採用することは、基地局アルマナック(BSA)情報の主構成要素である基地局アンテナ所在位置、及び時間補正等の順方向リンク校正パラメータを含む正確なBSA情報を要求する。今日においては、BSAパラメータの決定は各基地局ごとに個々に行われており、このプロセスは手作業で多大な労力とコストを要するプロセスであり、従ってLBSサービスの採用と普及を妨げている。
【0012】
従って、該当するエリア内に所在するモバイルデバイスからのデータを用いて基地局所在位置及び順方向リンク校正パラメータを計算することによってBSAパラメータをリアルタイムで更新できる実用的なシステムを提供するのが有利になる。
【発明の概要】
【0013】
1つ以上の基地局と通信中の複数の移動局を含む無線通信ネットワークにおいて基地局の位置を決定する方法及び装置が開示される。前記方法は、BTS校正プログラムを用いて1つの移動局群をプログラミングしそれによって複数の校正イネーブルド(enabled)移動局を提供し、基地局とネットワーク接続されたBTS校正サーバーを提供する。校正情報は、基地局と通信中である校正イネーブルド移動局のうちの少なくとも1つの移動局に対して要求され、校正イネーブル移動局の位置が決定される。基地局からの信号が前記移動局において受信され、この信号は、基地局から移動局までの前記信号の移動時間を測定するために使用することができ、例えば、基地局と移動局との間で送信される信号の経路遅延を測定して基地局と移動局との間の距離を決定することができ、さらにTDOAシステム内における相対的到着時間又はRTDシステムにおける往復遅延の測定を含むことができる。権限が付与されている場合は、位置を示す校正情報が移動局からBTS校正サーバーに送信される。BTS校正サーバーにおいては、校正情報が基地局と関連する基地局アルマナック情報と比較され、それに応答して基地局の位置とタイミングを校正することができる。
【0014】
移動局が基地局の所在位置を特定するために用いられるのを防止する方法を移動局のユーザーに提供するために、移動局校正ソフトウェアは、校正情報を伝達する権限を付与されているかどうかを決定することができる。権限が付与されていない場合は、校正情報を送信する前の何時においても動作が中止され、権限が付与されている場合は動作が完了される。例えば、校正イネーブルド携帯電話のユーザーは、校正情報を提供する権限の付与を示すプライバシー設定を設けるためにBTS校正プログラムを利用することができ、移動局が校正情報を伝達する権限を付与されているかどうかを決定するステップは、移動局が校正情報を提供する権限を付与されていることを検証するためのプライバシー設定の検査をさらに具備する。
【0015】
校正情報は、BTS校正サーバーによって又は移動局によって要求することができ、特定のイベントに基づいてトリガーされる。例えば、校正要求は、ターゲット基地局と通信中にBTS校正ソフトウェアによって開始させることができる。他の一例として、BTSCSはターゲット基地局を選択することができ、BTS校正サーバーは、前記ターゲット基地局と通信中であるソフトウェアイネーブルド移動局のうちの少なくとも1つの移動局に校正情報を要求する。さらに他の一例においては、BTSCSは、BTS校正ソフトウェア処理のためにターゲット基地局のアイデンティティを移動局に提供することができる。
【0016】
移動局の位置は、いずれかの適切な方法によって決定される。例えば移動局がグローバル衛星受信機を有する場合は、移動局の位置は、移動局によってグローバル衛星から受信された信号から決定することができる。代替として、又はGPSに加えて、移動局の位置は、正確に知られている位置を有する基地局に基づいて各移動局の高度順方向リンク三辺測量(AFLT)によって決定することができる。移動局は、グローバル衛星受信機を含むハイブリッド型電話機ハンドセットを具備することができ、移動局の位置は、移動局によってグローバル衛星から受信された信号から決定することができ、基地局の位置は、到着時間差、到着時間又は往復遅延方式を用いて移動局の位置から決定することができる。
【0017】
様々な実施形態が開示される。移動局は、グローバル衛星受信機を含むハイブリッド型電話機ハンドセットを具備することができる。移動局の位置は、移動局によってグローバル衛星から受信された信号から決定することができ、及び/又は、基地局は少なくとも1つの無線LAN基地局を具備し、及び/又は、無線LAN基地局(WiFiアクセスポイント、等)の位置は、無線LAN信号を用いて無線LAN基地局と通信中の移動局の位置から決定することができる。
【0018】
より完全に理解するために、以下では、発明を実施するための最良の形態が添付図面を参照しつつ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】複数のセルラー基地局、GPS衛星、及び携帯電話等の無線モバイルデバイスを保有するユーザーの俯瞰図である。
【図2】図1に示されるセルラーネットワークに常在する静止構成要素の一例のブロック図である。
【図3】通信システム及び位置特定システムを組み入れたモバイルデバイスの一実施形態のブロック図である。
【図4】一実施形態の特長を例示した、BST校正プログラムの概略図である。
【図5】基地局所在位置を校正する動作の流れ図である。
【図6】モバイル発校正プロセスの一例の流れ図である。
【図7】要求がBTSCSを起点とする点が図6と異なる、モバイルを終点とする校正プロセス例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面においては、類似の要素には類似の番号が付されている。
【0021】
用語及び頭字語の説明
発明を実施するための最良の形態に関する本説明では以下の用語及び頭字語が用いられる。
【0022】
AFLT(高度順方向リンク三辺測量):移動局(MS)が測定した基地局からの無線信号到着時間差から前記移動局の所在位置を計算する技術であり、CDMAシステムに実装される。
【0023】
BSA(基地局アルマナック):1つ以上の基地局に関する所在位置情報及び時間補正情報を特に含むアルマナック。
【0024】
BSAメッセージ:BSAメッセージ(例えば、IS−801−1プロトコルの基地局アルマナック提供メッセージ)は、BTSについて記述し特に所在位置値及び時間補正値を含むフィールドを含む。BSAメッセージは、典型的には、典型的にはMSの要求に応じてMSに送信される。
【0025】
BTS(基地局トランシーバサブシステム):(別名基地局又はセルサイト):移動局との通信のための送信機と受信機(トランシーバ)を含む固定局。無線通信信号を移動局に送信する及び移動局から受信するためのアンテナを含む。
【0026】
BTSCS(BTS校正サーバー):基地局(BTS)のネットワークに接続されたサーバー。BTSCSは、基地局と通信中の1つ以上の携帯電話を用いて前記基地局の所在位置とタイミングの校正に関連するサービスを提供する。
【0027】
CDMA(符号分割多重接続):QUALCOMM(登録商標)Incorporatedが先駆者として商業開発した高容量デジタル無線技術。
【0028】
校正イネーブルド移動局:インストールされたオペレーティングBTS校正プログラムを有する移動局。
【0029】
セルラー:セルラーネットワークにおいて、相対的に狭い地域を網羅した異なる無線ワイドエリアネットワーク「セル」又は無線ローカルエリアネットワーク「セル」内に各々が所在する1つ以上の基地局とMSが通信する1つの通信サービスの型。MSが1つのセルから他のセルに移動時には、セルからセルへの「ハンドオフ」が存在する。「セルラー」は、本明細書においては、少なくともデジタルシステム及び/又はアナログシステムを含む最も広義の意味で用いられている。
【0030】
GPSフィックス:MS(GSPユーザー)の所在位置を決定するための衛星測定と後続する計算から成るプロセスの最終結果。
【0031】
GPS(全地球測位システム):GPSという用語は米国の全地球測位システムを指すためにしばしば用いられるが、この用語の意味は、ロシアのグロナスシステム及び計画中の欧州のガリレオシステム等の、衛星に基づくその他の全地球測位システムを含む。
【0032】
GSM(モバイル用グローバルシステム):幅広く用いられている無線通信技術。
【0033】
MS(移動局):1つ以上の基地局と通信するための手段を有するセルフォン、PDA、ラップトップ等の携帯式電子デバイス。モバイルハンドヘルドユニット、ポータブル、モバイル、ハンドヘルド、パーソナルステーション、無線デバイス、加入者装置、モバイル端末、ユーザー端末、等と呼ばれることもある。本開示において参照されるMSは、位置決定能力を有する。
【0034】
MTSO(携帯電話交換局):制御及びコマンドを移動局に提供する。さらに、PSTNへの接続も提供する。
【0035】
PDE(位置決定エンティティ):典型的にはCDMAネットワーク内に存在し、1つ以上のGPS基準受信機とともに動作し、所在位置情報をMSと交換することができるシステム資源(サーバー、等)。例えば、MS補助A−GPSセッションにおいては、PDEは、衛星及び基地局の疑似距離信号取得プロセスを向上させるためにGPS及び/又はセルラー援助データをMSに送信することができる。MSは、疑似距離測定値をPDEに戻し、これでPDEはMSの位置を計算することができる。代替として、MSに基づくA−GPSセッションにおいては、MSは、計算された位置結果をPDEに送り戻す。PDEは、その他のネットワークエンティティに関する援助データ、例えば、MSの付近に所在する無線基地局(アクセスポイント)の識別情報、位置情報及び型、等を提供することも可能である。
【0036】
PSTN(公衆交換電話網):例えば家庭及び企業の有線電話への接続を提供する。
【0037】
RSSI(受信信号強度指標):基地局と移動局との間における無線信号の強度を示すパラメータ。
【0038】
RTD(往復遅延):基地局と移動局の間の双方向走行時間(距離)を測定することによって距離を測定する方法であり、例えば、基地局が移動局に信号を送信し、前記信号が前記基地局に戻され、前記基地局が前記信号の送信と前記帰還信号の受信との間の時間を測定し、前記時間を2で割ることによって前記基地局と前記移動局の間の距離を示すことができる。代替として、RTDは、移動局によって測定することができる。
【0039】
QoS(サービスの質):位置特定情報の精度等の希望されるサービスパラメータの尺度。
【0040】
SV(衛星ビークル):全地球測位システムの1つの主要素は、地球軌道上を周回して一意で識別可能な信号を同報通信するSVの組である。
【0041】
TDOA(到着時間差):基地局からの無線信号の相対的到着時間を測定することによって距離を測定するシステム。例えば、CDMAネットワークにおいては、AFLTシステムは、PPM測定値を提供するためにTDOAを使用し、到着時間差は、移動局のタイムベースを設定するために用いられる基準パイロットに関するパイロット位相測定値によって示される。TDOAシステムの他の例は、移動局信号の送信と基地局による受信の間の時間差を使用するアップリンクTDOAシステムである。
【0042】
TOA(到着時間):単方向信号の到着時間を測定するシステム。例えば、衛星信号の到着時間を測定するGPSシステム。
【0043】
WLAN(無線ローカルエリアネットワーク):範囲が限定された無線通信ネットワークであり、WiFi、WiMAX、Bluetooth(登録商標)、等を含む。
【0044】
移動局を用いた基地局所在位置の決定
"Use of Mobile Stations for Determination of Base Station Location Parameters in a Wireless Mobile Communication System"(無線移動通信システムにおいて基地局所在位置パラメータを決定するための移動局の使用)という題名を有する米国特許公報 US2003/0125046 A1(発行日:2003年7月3日)は、ネットワークが基地局の位置を検証、更新、及び/又は決定するために1つ以上の移動局の既知の位置を使用するシステムを開示しており、前記特許は、本出願と同じ譲受人に譲渡されている。例えば、前記公報は、AFLTイネーブルド無線ハンドセットが基地局所在位置及び関連する順方向リンク校正パラメータを決定するために使用できるパイロット位相測定値(PPM)をネットワークに提供するための方法を開示している。一例として、基地局所在位置を求めるためには、一アルゴリズムは、各々が地理的に分離されている既知の位置に所在する少なくとも3つの個別のモバイルによって測定された前記基地局に関するPPMを要求する。前記移動局の所在位置の知識は、GPSを介して確認することができる。一代替方法は、手作業で基地局アンテナを測量しさらにGPSフィックスを用いて、基地局の近接地において専用基地局校正ハンドセットを用いて測定値を収集することによってPPM測定値の誤差を計算することである。
【0045】
特に、公報US2003/0125046 A1において開示されるシステムは、基地局と通信中の移動局を用いて前記基地局の所在位置パラメータを決定する方法を説明している。例えば、移動局の位置が決定され、次に、移動局の位置及び基地局と移動局との間で送信された信号から基地局の位置が決定される。これらの基地局のうちの少なくとも1つの基地局に関する基地局所在位置パラメータは誤っているにもかかわらず、移動局がグローバル衛星受信機を装備していれば、その他の基地局の基地局所在位置パラメータから又は移動局によって受信されたグローバル衛星信号から移動局の位置を正確に決定することがしばしば可能である。
【0046】
さらに、移動局と通信中の基地局の所在位置とは無関係に移動局の位置が決定されるごとに、通常の位置特定セッション中にデータベース内の基地局所在位置情報を照合することが可能である。この照合は、基地局と移動局の間の距離を基地局と移動局との間で送信される信号から決定することによって行われる。この距離がデータベース内の基地局所在位置情報と一致しないときは、データベースを修正して補正された基地局所在位置情報を含めることができる。この方法により、誤った基地局情報を見つけ出し、基地局の正確な所在位置が判明するまで誤った基地局情報を位置特定サービスのために使用するのを中止することが可能である。
【0047】
誤った基地局所在位置情報は、既知の位置を有する基地局と移動局の間で十分な数の独立した距離が決定された時点で自動的に補正することができる。十分な数の独立した距離測定値を有することで、単一の移動局の位置に匹敵する確実性を持って基地局所在位置を決定することが可能である。この方法により、データベース内の基地局所在位置情報を自動的に維持及び向上させることが可能である。この維持及び向上は、基地局と移動局との間における通信プロトコルをまったく変更せずに正規の位置特定サービスを提供中に行うことができる。
【0048】
必要なことは、これらの基地局位置特定概念が幅広く利用されるようにし、同時に前記解決方法を経済的に実行可能にする実用的なシステム及び装置である。
【0049】
概要
本明細書において説明される位置特定システムは、校正イネーブルド移動局からの情報を利用して基地局の位置を決定しさらに基地局アルマナックを継続的に更新する。このシステムは、次の幾つかの理由で有用である。例えば、ハンドセットに基づく情報は、新たな基地局の商業サービスに至るまでの時間を短縮するため及び位置特定性能を継続的に向上させるために利用することができる。有利なことに、前記システムは、ハードウェアを修正せずに及び基本的な加入者サービス要素をほとんどまったく修正せずに実装することができる。従って、このネットワーク準備・改良能力を提供するのにコストがほとんどかからない。
【0050】
システムの一部である各ハンドセットは、校正プログラムを利用して校正サーバーと通信し及び校正サーバーに応答する。前記校正プログラムは、例えば、BREW、Java(登録商標)、又は同様の技術に基づくことができ、さらにはダウンロードするか又はハンドセット内に埋め込むことが可能である。
【0051】
一例として、CDMAシステムにおいて、基地局を校正または再校正するために、例えば移動局ユーザーが通常どおりに電話をかけたときの正規の位置特定セッション中に、又は、現場サービス要員が正規の位置特定セッションでは得られない位置測定データを入手する目的で選択された位置に移動して電話をかけたときに移動局から得られ、BTSCSに送られる。この方法により、BTSCSは、この情報を用いて校正データを内部で計算して前記校正データを基地局アルマナックデータベースに継続的に保存することができる。さらに、プライバシーに関する懸念を軽減するために、正規の位置特定セッションは、所在位置イネーブルド移動局のユーザーが無線電話をかけたとき又は無線電話に出たときにだけ発生することができる。この場合は、CDMAシステムは、ユーザーに知らせて同意を得ることなしにユーザーの位置を決定することはしない。他の例においては、移動局(セル電話)のユーザーは、移動局を校正デバイスとして使用する権限を付与し、BTSCSが前記デバイスに校正情報を要求するのを許容する。
【0052】
説明
図1は、第1の基地局11a、第2の基地局10b、及び第3の10cを含む複数のワイドエリアネットワーク基地局10と、第1の基地局20a及び第2の基地局20bを含む複数のローカルエリアネットワーク基地局(アクセスポイント)20と、11においてまとめて示されているGPS衛星と、第1の移動局14a、第2の移動局14b、第3の移動局14c、及び第4の移動局14dを含む複数の移動局14と、を含む無線通信ネットワーク10の俯瞰図である。図1は、例示することを目的として示されており、実際の実装においては例示よりも多い(又は少ない)基地局及びMSが一度に動作可能になることが明確なはずである。
【0053】
一実施形態においては、衛星(SV)11は、衛星受信機を測位するために利用されるあらゆる衛星群を含む。GPSシステムにおいては、これらの衛星は、GPS時間に合わせて同期化され、予め決められた周波数で及び予め決められたフォーマットで生成された無線GPS信号12を送出する。GPS基準受信機は、衛星を用いて位置を決定する際にGPS衛星航行データ、微分補正及びGPSシステム時間等の役立つ情報を提供するためにPDE18と通信することができるいずれかの基地局10内に物理的に配置することが可能である。
【0054】
MSは、ユーザーによって保有される電子デバイスの形態であることができる(図示されていない)。例えば、前記ユーザーは、図示されるように徒歩であることができ、又は車又は公共輸送手段で走行中であることができる。(図3を参照しつつさらに詳細に説明される)各MS14は、位置特定システム27を含む。前記位置特定システムは、GPS信号を利用してMSの位置を決定するGPSシステムを含むことができ及び/又はAFLTシステムを含むことができる。MSは、セルラー基地局10と通信するために双方向通信信号13を利用する携帯電話受信機等の双方向通信システム32も含む。前記セルラー通信システムの代替として又は追加として、MS内の通信システムは、802.11ネットワーク等の無線ローカルエリアネットワークのアクセスポイント20と通信するために通信信号を利用する他の無線通信システム、例えばWiFi、WiMAX、又はBluetoothを含むことができる。
【0055】
一般的には、セルラー基地局10は、無線信号13を用いてMSと通信する無線通信ネットワークの一部として利用されるあらゆるセルラー基地局群を具備する。図1の例においては、これらのセルラー基地局は、セルラーインフラストラクチャネットワーク15aにネットワーク接続され、セルラーインフラストラクチャ15aは、オプションとして示されるインターネット上のTCP/IP又は例えば直接接続された状態で示されているSS7、等の適切なネットワークプロトコルによってその他の通信ネットワーク及びネットワークエンティティにネットワーク接続されている。従って、セルラーインフラストラクチャネットワーク15aは、基地局と複数のその他の通信ネットワーク、例えば、公衆電話システム16、コンピュータネットワーク17、及びその他の様々なエンティティ及び通信システムとの間における通信サービスを提供する。これらのネットワーク及びネットワークエンティティは、ハードワイヤ接続によって又はデータ転送のためのその他の適切な接続によって接続することができる。
【0056】
地上方式のセルラーインフラストラクチャネットワーク15は、典型的には、携帯電話のユーザーが電話システム16を用いて他の電話に接続するのを可能にする通信サービスを提供する。しかしながら、セルラー基地局は、その他のデバイスと通信するために及び/又はその他の通信目的で、例えばハンドヘルドパーソナルデジタルアシスタント(PDA)又はラップトップコンピュータとのインターネット接続のために利用することも可能である。一実施形態においては、セルラー基地局10は、CDMA通信ネットワークの一部である。しかしながら、その他の実施形態においては、セルラー基地局は、その他の型のアクセス技術(GSM、WCDMA、TDMA、OFDM、等)を利用することができる。
【0057】
セルラー基地局10a、10b、及び10cに加えて、無線アクセスポイント等のその他の型の基地局も、あらゆる適切なプログラム、例えばWiFi、WiMAX、及びBluetooth、を用いて実装可能である。図1に示されるように、アクセスポイント20a及び20b(総称して20と呼ばれる)は、無線アクセスポイントの特定の実装に適したネットワーク15bとネットワーク接続される。セルラーインフラストラクチャネットワーク15aと類似する無線アクセスポイントネットワーク15bは、オプションとして示されるインターネット上のTCP/IP又は例えば直接接続された状態で示されているSS7、等の適切なネットワークプロトコルによってその他の通信ネットワーク及びエンティティにネットワーク接続される。従って、無線アクセスポイントネットワーク15bは、無線アクセスポイントと、複数のその他の通信ネットワーク、例えば公衆電話システム16、コンピュータネットワーク17、その他の様々なエンティティ及び通信システムとの間における通信サービスを提供する。これらのネットワーク及びネットワークエンティティは、ハードワイヤ接続によって又はデータ転送のためのその他の適切な接続によって接続することができる。
【0058】
ネットワークは、セルラーインフラストラクチャネットワーク15に接続された状態で示されている位置決定エンティティ(PDE)18も含む。例えば、A−GPS法の場合は、PDEは、地上の1つ以上のGPS基準受信機と共同で機能してGPS関連情報をMSと交換することができるシステム資源(サーバー、等)を、典型的にはネットワーク内において具備する。MSによって補助されるA−GPSセッションにおいては、PDEは、衛星信号取得プロセスを向上させるためのGPS援助データをMSに送信することができる。MSは、疑似距離測定値をPDEに戻し、これでPDEはMSの位置を計算することができる。代替として、MSに基づくA−GPSセッションにおいては、MSは、計算された位置結果をPDEに送り戻す。さらに他の例では、自律モードにおいて、MSは、サーバーからの援助なしに位置を決定することができる。他の例においては、MSは、無線アクセスポイントネットワーク20に接続可能である。
【0059】
BTS校正サーバー19(BTSCS)もセルラーネットワークの一部である。BTSCSは、セルラーインフラストラクチャネットワークに接続されたシステム資源であり、本明細書において説明されるようにPDEと共同で機能することができ、又は一部の実施形態においては一部又は全体をPDE内に実装することもできる。BTSCSは、本明細書において説明されるように、1つ以上の基地局と通信中の1つ以上の移動局を用いて基地局の校正に関連するサービスを提供する。一実施形態においては、BTSCSは、BTS校正目的のために用いられる専用サーバーであり、E−911サービスとは関連づけられていない。同様に、BTSCSは、無線アクセスポイントネットワークの一部であること又は無線アクセスポイントネットワークに接続することができる。この場合は、BTSCSは、ローカルエリアネットワークの基地局(アクセスポイント)の校正をサポートする。他の例においては、一BTSCSは、セルラーネットワーク及び無線アクセスポイントネットワークの両方に対応することができる。
【0060】
図2は、図1に示されるセルラーネットワーク内に常在する静止構成要素の一例のブロック図である。モバイル交換センター(MSC)21は、カバレッジエリア内の移動局に関する交換機能(すなわち、回線交換音声とデータのルーティング)を実行する。モバイル交換センター(MSC)21は、基地局10と幾つかの電話線22、例えば銅線又は光ファイバとの間において音声信号及び電気通信データをインタフェースする。モバイル交換センター(MSC)21にはモバイル測位センター(MPC)23が接続されている。MSC21に接続されたパケットデータ提供ノード(PDSN)24及び/又はインターワークキング機能(IWF)は、セルラーネットワーク内の移動局に関するパケット交換データセッションの確立、維持、及び終了を担当する。MPC23は、位置特定アプリケーションを管理し、データネットワークリンク25を通じて外部の位置特定サービスクライアント又は外部のデータネットワークに所在位置データをインタフェースする。最も単純な形態においては、位置決定エンティティ(PDE)18は、衛星基準データを収集してフォーマット化する。PDE18は、無線援助を移動局に提供し、MS補助モードで位置計算を行う。BTSCS19は、本明細書においてさらに詳細に説明されるように、1つ以上の基地局と通信中の1つ以上の携帯電話を用いた基地局所在位置の校正に関連するサービスを提供する。PDE18及びBTSCS19は、MPC23とMSC21、及びIWF/PDSN24に接続される。パケット交換モード例においては、PDE18及びBTSCS19は、IPネットワーク28を通じてIWF/PDSN24に接続される。PDE18及びBTSCS19は、基地局アルマナックデータベースサーバー26によって管理される基地局アルマナックデータベース27にアクセスする。PDE18、BTSCS19、及び基地局アルマナックデータベースサーバー26は、例えば従来のデジタルコンピュータ又はワークステーションを用いて実装される。基地局アルマナック27は、基地局アルマナックデータベースサーバー26に関するコンピュータのハードディスク等の適切な記憶場所に格納される。
【0061】
移動局
図3は、通信システムと位置特定システムを組み込んだ移動局14の一実施形態のブロック図である。この実施形態における主装置は、1つ以上の双方向通信システム32と、位置特定システム34と、MS制御システム35と、ユーザーインタフェース36と、を含む。説明を簡単にするため、通信システム32は、一例としてセルラー環境における単一のシステムとして説明することができ、基本構造は、移動局内に実装できるその他のあらゆる無線通信システム(WiFi、WiMAX、Bluetooth、等)に関して適宜繰り返されることが明確に理解されるはずである。示されている例は、マイクロプロセッサ、ベースバンドプロセッサ及びRFフロントエンドを共有すること又は単一チップ上に集積することが可能な様々なインテグレーション度を有する複数の無線通信プロセッサの実装を妨げない。
【0062】
セルラー通信システム32は、双方向無線信号13を用いて基地局と通信するセルラーアンテナ31に接続されている。無線信号13は測位をサポートする上で双方向である必要がないことに注目するのが重要である。セルラー通信システム32は、基地局と通信するための及び/又は基地局からの信号13を検出するためのあらゆる適切なデバイス、例えばモデム33、その他のハードウェア及びソフトウェアを具備する。セルラー通信システム32は、送信及び受信された情報を処理するための適切なハードウェアとソフトウェアも含む。
【0063】
位置特定システム34(図3)は、あらゆる適切な位置特定システムを含み、例えば、AFLT等のWAN TDOAシステム、GPS受信機等の衛星位置システム、又はGPS/AFLTハイブリッドシステムを含むことができる。図3に示されるハイブリッド型システムの実施形態においては、位置特定システム34は、セルラー信号13とGPS信号12をそれぞれ受信するためのアンテナ31及び38と、GPS受信機39と、LAN測位システム40aと、WAN TDOAシステム40bと、GPS信号、セルラー信号及び無線LAN信号を受信して処理するための適切なハードウェア及びソフトウェアと、いずれかの適切な位置特定アルゴリズムを用いて位置を決定するために必要な又は有用な計算を行うための適切なハードウェア及びソフトウェアと、を具備する。
【0064】
GPS測位: 移動局は、PDE18等のシステム資源の援助を受けることで、良く知られるGPS技術を用いて移動局の位置を特定することも可能である。例えば、CDMAシステムにおいては、各基地局10は、GPSシステム時間を基準にしたシステムタイムベースを提供する少なくとも1つのGPS衛星の搬送波と疑似ランダムコードシーケンスを受信するGPS受信機を有することができる。移動局がCDMAネットワークとの位置特定セッションに参加時には、対応する基地局は、正確なGPS時間基準を提供し、GPS取得データをハイブリッド型移動局に送信することができる。移動局は、GPS時間とGPS取得データを使用して、各GPS衛星と移動局との間の疑似距離測定値を得ることができる。MSによって補助される解決方法の場合は、移動局は、疑似距離測定値を対応中の基地局に送信する。PDEは、MSがこれらの疑似距離測定値のうちの3つ以上の測定値から移動局の地理上の所在位置を計算するのを援助するために使用することができる。代替として、MSに基づく解決方法の場合は、移動局の地理上の所在位置は、移動局自体によって計算することができる。
【0065】
AFLT測位: CDMAネットワークは、基地局からのいわゆるパイロット無線信号の相対的到着時間を移動局が測定する良く知られたTDOA(AFLT)技術を用いて移動局14の位置を特定することができる。到着時間差は、移動局の時間基準を設定するために用いられる基準パイロットに対するパイロット位相測定値によって示される。ほとんどの場合は、各時間差は、特定の双曲線上において移動局の位置を特定する。双曲線の交点は、移動局の所在位置の推定値を提供する。
【0066】
特に、AFLTシステムの一実施形態においては、位置フィックス中に、ハンドセットによって聞こえるすべての基地局に関するパイロット位相測定値が計算される。環境に依存して、これらの基地局は、通常は少なくとも3つ以上の基地局であり、人口密集地においては20以上になることもしばしばある。従って、各測位イベントは、数多くの相対距離推定値が得られる可能性があり、少なくともこれらの推定値の一部を本明細書で説明される校正プロジェクトにおいて使用可能である。
【0067】
測位動作:PDEの助けを借りて移動局の位置を決定する場合は、PDEは、いくつかの方法のうちのいずれかを順次で又は並行して使用して最終位置を計算することができ、最小の位置誤差を達成する可能性が最も高い手法が選択される。一実施形態においては、GPSフィックスの精度がその他のあらゆる方法よりも高いことが予想されるためGPSフィックスが最初に試みられる。GPSのみのフィックスが失敗であった(一例においては、GPSフィックスが選択されたQoSを満たしていない)場合は、PDEは、その他の幾つかの手法の中からいずれかの手法を選択し、関連する誤差推定値が最も小さい結果が使用される。これらのその他の手法は、例えば、AFLT専用手法と、RTD測定値(入手可能な場合)を用いてセクターの方位、受信信号の強度及び概算距離を知ることによって位置が決定される拡張型セルIDと、移動局によって見られたセクター、及び各セクターの位置と方位に関する知識を用いて決定された「混合セルセクター」フィックスと、現在の対応セクターのカバレッジエリアの質量中心位置決定値(現在の対応セクターを決定できない場合は原対応セクター)と、現在のネットワークID/システムIDカバレッジ領域の質量中心位置と、PDEのコンフィギュレーションファイルに格納されたデフォルト位置と、を含む。無線ローカルエリアネットワーク例においては、同様の技術を利用可能であり、相対位置測定値、絶対位置測定値、信号走行時間、信号強度測定値、アクセスポイントの識別及び/又はアドレス、及びアクセスポイントのカバレッジ情報のすべてを、移動局位置推定値を決定するために用いることができる。
【0068】
基地局校正: TDOAシステム及びTOAシステムにおいては、基地局を設置時又は改修時に、又は定期的に基地局タイムベースを校正すべきである。CDMAシステムにおいては、各基地局は、GPSアンテナからGPS受信機への、GPS受信機からCDMAトランシーバへの、及びCDMAトランシーバからCDMAアンテナへの伝播遅延又は位相シフトの変動に起因して、GPSシステム時間とCDMA信号を用いて送信されたCDMAシステム時間との間における各々の時間オフセットを有する。従って、無線測距誤差を低減させるため、例えば基地局に関する時間オフセットを基地局アルマナックデータベース27に格納してPDE18が使用できるようにすることによって、基地局の設置が完了後にすべての基地局を校正すべきである。その後にハードウェアの変更が行われるごとに基地局を再校正してデータベースを更新することが望ましい。さらに、基地局は物理的に移動させること又は異なる識別子を割り当てることが可能であるため、各基地局と関連する所在位置情報を定期的に又は連続的に再校正するのが重要になる可能性がある。
【0069】
モバイルデバイス制御システム:モバイルデバイス制御システム35は、双方向通信システム32および位置特定システム34の両方に接続される。モバイルデバイス制御システム35は、接続先であるシステムに関する適切な制御機能を提供するために、マイクロプロセッサ、メモリ、その他のハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェア、等のあらゆる適切な構造物を含む。本明細書において説明される処理ステップは、マイクロプロセッサによって制御される形で、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアのうちの1つ以上を用いてあらゆる適切な方法で実装されることが明確に理解されるはずである。
【0070】
制御システム35は、ユーザーインタフェース36にも接続され、ユーザーインタフェース36は、ユーザーとインタフェースするためのあらゆる適切な構成要素、例えば、キーパッド、音声通信サービス用のマイク/スピーカー、及びバックライト型LCDディスプレイ等のディスプレイを含む。位置特定システム34及び双方向通信システム32に接続されたモバイルデバイス制御システム35及びユーザーインタフェース36は、ユーザーによる入力/出力の制御及び結果の表示、等の動作機能を提供する。
【0071】
MS14は、その他のデバイスとの接続用の1つ以上の外部インタフェース41を含むことができる。例えば、その他の電子デバイスとのインタフェース及び通信用に、USB又はIEEE 1394ポートを提供すること、又は無線ポート(Bluetooth、USB、赤外線、等)を含めることができる。
【0072】
ソフトウェアアプリケーション:幾つかのソフトウェアアプリケーションをMS14内に格納してMS制御システム35に接続し、マイクロプロセッサ及び含まれているコードを用いて実行することができる。これらのソフトウェアアプリケーションは、BREW、Java又はその他の技術、等のあらゆる適切なプラットフォームが基礎になっている。これらのソフトウェアアプリケーションは、あらゆる適切なメモリ、例えば、ディスクドライブ、SIMカード、フラッシュメモリ、RAM、ファームフェア、又は読取専用メモリ(ROM)、等に格納することができる。
【0073】
BTS校正プログラム37:BTS校正プログラム37は、ソフトウェアアプリケーション内に含められる。前記BTS校正プログラムは、1つの移動局群を制御された形で校正目的のために使用できるようにするため、本明細書において(例えば図4及び5を参照して)説明される動作を実行するのに適したコードを含む。例えば、校正プログラム37は、ユーザーが能動的に参加せずに及びユーザーを識別せずにバックグラウンドにおいて実行させることができる。BTS校正プログラムは、マイクロプロセッサによってアクセス可能なあらゆる記憶場所に常駐することができ、例えば、前記プログラムは、メモリに格納されたファームウェア又はソフトウェア内に埋め込むことができ、又は例えば基地局に接続された遠隔アプリケーションサーバーからダウンロード可能である。前記プログラムは、コンピュータチップ、等のハードウェア内に少なくとも一部分を実装することも可能である。
【0074】
図4は、BTS校正プログラムの概念図であり、前記BTS校正プログラム内に実装することができる機能が例示されている。一般的には、本明細書において説明されるBTS校正プログラムの1つの目的は、校正ツールとして用いられる移動局において行われる位置測定を利用して1つ以上の基地局の位置及び時間基準を決定及び校正する機構を提供することである。BTS校正プログラムは、移動局内にインストールされ、本明細書において説明される動作を実行する。
【0075】
MS内へのインストール(42):特に、42において示されるように、BTS校正プログラムは、典型的にはソフトウェアとして移動局にインストールされる。BTS校正プログラムは、ダウンロード可能なソフトウェアプログラムにすることができ、及び/又はハンドセット内又は命令を格納するためのその他の適切なシステム内に埋め込まれるか又はプログラミングされたファームウェアを含むことができる。BTS校正プログラムは、典型的にはハンドセット内の既存のシステム、例えば位置特定システムを使用するが、一部の実施形態においては、有効な動作のために追加のハードウェア機能が有用又は必要になることがある。
【0076】
進行中の動作はバックグラウンドにおいて動作可能(43):43に示されるように、インストールされたBTS校正プログラムは、後述されるようにユーザーによって制御される形で継続的に動作することができる。さらに、後述されるプライバシー上の考慮事項の適用対象となることを条件として、前記校正プログラムは、移動局の電源が入っているときにはバックグラウンドにおいて動作可能であり、従って、これらの実施形態においては、ユーザーは、前記校正プログラムの動作を認識していない。例えば、ユーザーは、校正が実施されている間に電話をかけること及びその他の情報をダウンロードすることができる。
【0077】
インセンティブプラン(44): 一実施形態においては、ユーザーは、44において示されるインセンティブプランに登録することができる。例えば、BTSCS又はモバイルサービスマネージャ、例えばMPCが基地局校正に関して移動局を利用する権限を付与するユーザーは、BTSCSが移動局によって提供される所在位置関連情報を使用することを許容するのと引き換えに金銭上の信用、その他の金銭上の補償、将来のサービスに関する信用、又は追加サービスを受ける権利を有することができる。補償に関するあらゆる適切な基準を設定することができる。例えば、1回使用するごとに、1回のセッションごとに、又は均一額に基づいてユーザーに補償することができる。
【0078】
プライバシー上の懸念事項(45、46、47):BTS校正プログラムは、BTSCSによる無制限のアクセスを防止することが意図されている(ただし、要求されてはいない)。特に、45において示されるようにアクセスを制限することができる。46において示されるような制御されてセキュリティが確保された方法のみで、さらに47において示されるようにユーザーの同意が得られた場合のみに、校正目的でハンドセットを使用することを可能にする機能を実装することができる。この同意は、あらゆる適切な方法で得ることが可能である。例えば予め権限を付与することができ、権限がいったん付与された場合は、ハンドセットユーザーが能動的に参加する必要なしにバックグラウンドにおいて位置決定を行うことができる。予めの権限付与は、特定の長さの期間にわたって(例えば10日又は30日)、又は特定のセッションのみに関して、若しくはユーザーがサービスを申込み時に得ることができる。
【0079】
権限付与は、様々な方法のうちのいずれかの方法で実装することができる。すなわち、一般的には、サービスプロバイダのネットワークが移動局を校正手段として使用するのをユーザーが自ら進んで許容することを示す何らかのプライバシー情報(設定)が移動局内に及び/又は前記ネットワークに常駐するプライバシープロキシサーバー内に格納される。この情報は、ユーザーのアイデンティティおよび所在位置情報の開示に対して適用される規則を示すこともできる。例えば、ユーザーは、所在位置関連情報がBTSCS又はその他のエンティティによって要求されるごとに通知を受けるのを希望することができる。例えば、プライバシーフラグをソフトウェア又はハードウェア内に設定することができ、ユーザーは、権限が提供されているかどうかに依存していずれかの適切なインタフェース(例えばプルダウンメニューでの選択)を通じて前記フラグを変更する。他の例においては、プライバシー情報は、モバイルデバイスを校正ツールとして使用可能な許容回数、継続期間、及び/又は時刻を示すことができる。
【0080】
プライバシー上の懸念を解消するため、校正プログラムは、バックグラウンドにおいてセキュリティが確保された形で実行することによって権限のないインターセプトを防止することができる。46に示されるセキュリティが確保された形での動作の1つの目標は、ハンドセットユーザーのアイデンティティの開示を回避すること、特にハンドセットが校正目的で使用されている間にユーザーが所在位置と関連づけられるのを回避することである。前記目的のために、校正プログラムは、移動局の電子アイデンティティであるハンドセットユーザーのアイデンティティをBTSCSに送信するのを禁止すること、及び(位置特定情報以外の)その他の識別情報をBTSCSに送信するのを禁止することができる。代替として、前記情報は、適切な暗号化方式を用いて暗号化することができる。
【0081】
BTSCSとの通信(48):48において示されるように、BTS校正プログラムは、BTSCS19とも通信する。例えば、校正イネーブルド移動局(オペレーティングBTS校正プログラムを有する移動局は「校正イネーブルド」と呼ばれる)は、BTSCSとネットワーク接続された基地局と通信することができる。従って、BTS校正プログラムは、移動局のセルラー通信システムを介してネットワーク接続されたBTSCSと通信する。例えば、前記校正プログラムは、要求された情報をBTS校正のためにBTSCSに報告することを目的として、図6を参照しつつさらに詳細に説明されるようにモバイル発の呼フローを開始することができる。代替として、図7を参照しつつさらに詳細に説明されるように、前記校正プログラムは、ネットワークによって開始された(モバイルを終点とする)BTSCSからの呼フローに応答し、要求された校正情報をネットワークに報告することができる。これで、BTSCSは、後処理のために、所在位置と関連する校正測定値を格納することができる(CDMAネットワークにおいては、これらの校正測定値は、基地局PNコード及びパイロット位相残差(residual)を含む)。
【0082】
位置特定システムとのインタフェース(49):49において示されるBTS校正プログラム19は、モバイルデバイス制御システム35を通じて位置特定システム34とインタフェースすることができる(図3)。例えば、移動局内のBTS校正プログラムは、前記位置特定システムに校正情報(PPM及びその他の位置関連測定値、等)を要求し、前記校正情報を後処理のためにBTSCSに提供することができる。要求された校正情報が入手可能でない又は(不良なサービスの質(QoS)等の理由で)受入不能である場合は、BTS校正プログラムは、移動局の位置を決定するように位置特定システムに要求することができ、さらに少なくとも1つの基地局と関連するパイロット位相測定(PPM)(残差測定)を行うように要求することも可能である。時間節約のため、BTS校正プログラムは、移動局の範囲内の全基地局にPPM測定値を要求するのではなく、BTSCSによって指定された1つ以上のターゲット基地局のみにPPM測定値を要求することが可能である。PPM測定値を選択する際には、前記校正プログラムは、正確な基地局の測位及び校正を行うのにより適した強力な(直接の)PPMのみを選択することができる。優秀な望ましいPPMを選択するために、QoSを希望される精度しきい値(数メートル)に設定すること又は信号強度、電力、SNR、SIR、等のその他のパラメータに関して設定することができる。
【0083】
図5は、基地局所在位置を校正するための動作を示した流れ図である。
【0084】
50において、BTS校正プログラムを用いて1つの移動局群がプログラミングされる。これらの移動局の各々は、「校正イネーブルド」移動局と名付けられる。
【0085】
51において、例えばBTSCSによって選択可能なターゲット基地局と校正イネーブルド移動局のうちの少なくとも1つとの間において通信が確立される。いずれの時点においも、ターゲット基地局のカバレッジエリア内には2つ以上の校正イネーブルド移動局が存在する可能性があり、図5の動作はこれらの校正イネーブルド移動局の各々において繰り返すことができる点を注記することができる。さらに、校正情報が提供される正確な時間は基地局の位置に関連しておらず、従って移動局を複数の異なる所在位置において複数回利用してこれらの複数の所在位置の各々において校正情報を提供することが可能である点にも注目することができる。複数の地理的に様々な所在位置からの情報は、基地局所在位置を決定するのに役立つ。
【0086】
52において、校正情報が要求される。前記要求は、幾つかの方法のうちのいずれかによって生成することができる。例えば、校正情報は、BTSCS19によって要求することができ、又はBTS校正プログラムによって要求することができる。例えば、BTS校正プログラムは、特定のイベントが発生した時点で校正情報を送信するようにプログラミングすることができる。例えば、前記1つの特定のイベントは、移動局がターゲット基地局と通信すること、又はターゲット基地局と通信中に関連しない測位イベントに応答することと関連させることができる。校正情報は、BTSCSによって選択すること(移動局に提供すること)ができる特定のターゲット基地局と関連させることができ、1つ以上のターゲット基地局と関連させることができ、又は前記特定の基地局の範囲内の全移動局と関連させることができ、又は予め決められるか又はBTSCSによって設定される特定の基準を満たす移動局と関連させることができる。
【0087】
53において、移動局が校正情報を伝達する権限を付与されているかどうかを決定するためにプライバシー情報が検査される。このステップは、様々な形をとることができる。例えば、BTSCSとの通信を開始する前にプライバシーフラグを校正プログラムによって検査することができる。一例においては、プライバシーフラグをソフトウェア又はハードウェア内に設定することができ、ユーザーは、権限が付与されているかどうかに依存していずれかの適切なインタフェース(例えば、プルダウンメニューによる選択)を通じて前記フラグを変更する。
【0088】
53aにおいて、権限が付与されていない場合は、53bにおいて示されるように、動作から出て、BTSCS又はネットワークによる校正情報の伝達は許容されない。しかしながら、権限が付与されている場合は、動作はステップ54に進む。
【0089】
54において、移動局の位置が決定される。この情報は、位置測定が最近行われている場合は既に入手可能である。位置測定が最近行われていない場合は、BTS校正プログラムは、衛星、セルラーネットワーク、ローカルエリアネットワーク又はその組合せ、等のいずれかの適切な手段によって位置を決定するように移動局に要求する。
【0090】
55において、CDMAネットワークでは、少なくとも1つの基地局から移動局へのPPMが決定される。この位相シフト情報は、PPM測定値を用いた位置測定が最近行われている場合は既に利用可能である。位置測定が最近行われていない場合は、BTS校正プログラムは、この情報を決定するように移動局に要求する。時間節約のため、BTS校正プログラムは、移動局の範囲内にある全基地局にPPM測定値を要求するのではなく、BTSCSによって指定された1つ以上のターゲット基地局のみにPPM測定値を要求することが可能である。PPM測定値を選択する際には、校正プログラムは、正確な基地局の測位及び校正を行うのにより適した強力な(直接の)PPMのみを選択することができる優秀なPPMを選択するために、QoSを希望される精度しきい値(例えば数メートル)に設定すること又は信号強度、電力、SNR、SIR、等のその他のパラメータに関して設定することができる。位置情報がPPM測定値と正確に一致するようにするため、PPM測定は、位置フィックスと同時でない場合は時間的に近い時点において行われるべきである。MS補助モードにおいては、位置情報は、PDEによって決定することができる。
【0091】
56において、移動局からBTSCSに校正情報が送信される。CDMAネットワークにおいては、この校正情報は、少なくとも、ターゲット基地局から移動局までの距離を決定するのに役立つ移動局位置情報、PNコード及び1つ以上の基地局からのPPM測定値を含む。MS補助モードにおいては、校正情報は、PDEからBTSCSに送信することができる。
【0092】
57において、校正情報に応答して、移動局から基地局までの距離が計算される。複数の移動局が校正情報を提供している場合、及び/又複数の位置が単一の移動局によって報告されている場合は、ターゲット基地局の位置も計算することができる。一般的には、基地局の位置及び/又はタイミング情報は、デバイスに関する十分な数の測定値が時間の経過とともに受信されて合計された時点で決定することができる。
【0093】
58において、移動局からの距離及び/又は位置が前ステップ57において計算されている基地局に関する位置情報の有無を確認するために基地局アルマナックが参照される。次に、計算された情報と一致しているかどうかを確認するためにアルマナック情報が検査される。前記一致検査は、特定のターゲット基地局に関して行うことができる。
【0094】
59において、アルマナック情報と計算された情報が一致していることに応答して、基地局アルマナック内における基地局位置を更新することができる。基地局位置が実際に更新されるかどうかは幾つかの要因に依存し、典型的には、アルマナック情報は、一定の時間における複数の一致する測定値によって、及び/又は幾つかの異なる移動局に基づいて、基地局から校正イネーブルド移動局までの計算された距離及び/又は位置の精度が高いレベルで保証されないかぎり更新されない。
【0095】
最後に、BTSによる測位及び校正は、校正測定値を報告するハンドセットが存在しているかぎり進行するプロセスであることができる点に注目すべきである。さらに、ステップ56及び57は校正イネーブルド移動局において実施でき、BTSCSに送信された校正情報は移動局からターゲット基地局までの距離測定値の誤差も含むことができる点も評価すべきである。
【0096】
図6は、モバイル発のMSに基づく(自律的な)校正プロセス例の流れ図である。一例においては、移動局は、ターゲット基地局が基地局近隣局リストにあると校正プログラムが決定した時点でモバイル発の校正プロセスを開始することができる。61において、移動局は通信を開始し、62に示されるように双方向通信が確立される。63において、MSは、校正情報を提供可能であるかどうかをBTSCSに問い合わせ、提供準備が完了していることをBTSCSがシグナリングした場合は、64において、MSの位置が決定されて校正(PPM)測定が行われる。65において、MS位置情報がBTSCSに送信され、66において、校正(PPM)測定値がBTSCSに送信される。68において、MSと基地局10との間の通信が終了される。この終了は、校正情報の送信を目的とする専用基地局校正セッションが確立されて前記目的が達成されている場合に特に有用である。
【0097】
図7は、モバイルを終点とするMSに基づく(すなわち自律的な)校正プロセス例の流れ図であり、校正要求がBTSCSを起点とする点で図6と異なる。71において、双方向通信が確立されている。72において、BTSCS19は、MS14に校正情報を要求する。73において、MSの位置が決定されてPPM測定が行われる。74において、MS位置情報がBTSCSに送信され、75において、PPM測定値がBTSCSに送信される。一例においては、ステップ74及び75を結合させることができる。76において、MSと基地局10との間の通信が終了され、この終了は、例えば校正目的の専用接続が確立された場合に有用である。
【0098】
本発明は、ある一定の特別さを持って説明及び例示されているが、本開示は例を挙げることのみを目的として行われたものであること、及び、特許請求の範囲において請求されるように、本発明の精神及び適用範囲を逸脱せずに各部分の組合せ及び配列の変更を数多く行えることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の基地局と通信中の複数の移動局を含む無線通信ネットワークにおいて、基地局の位置を決定する方法であって、
a.BTS校正プログラムを用いて1つの移動局群をプログラミングし、それによって複数の校正イネーブルド移動局を提供することと、
b.前記基地局とネットワーク接続されたBTS校正サーバーを提供することと、
c.基地局と通信中の前記校正イネーブルド移動局のうちの少なくとも1つに校正情報を要求することと、
d.前記基地局と通信中の前記校正イネーブルド移動局の位置を決定することと、
e.前記基地局から前記基地局と通信中の前記移動局への信号を受信することと、
f.前記位置を示す校正情報及び前記信号を前記移動局から前記BTS校正サーバーに送信することと、
g.前記BTS校正サーバーにおいて、前記校正情報を前記基地局と関連づけられた基地局アルマナック情報と比較し、それに応答して前記基地局の前記位置を校正すること、とを具備する方法。
【請求項2】
前記移動局が校正情報を伝達する権限を付与されているかどうかを決定し、権限が付与されていない場合は校正情報を送信する前に動作からぬけ出て、権限が付与されている場合は動作を完了させるステップをさらに具備する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各移動局はユーザーを有し、前記校正イネーブルド携帯電話の前記ユーザーは、校正情報を提供する権限の付与を示すためのプライバシー設定を設けるために前記BTS校正プログラムを利用し、前記移動局が校正情報を伝達する権限を付与されているかどうかを決定する前記ステップは、前記プライバシー設定を検査して前記移動局が校正情報を提供する権限を付与されていることを検証することをさらに具備する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各移動局はユーザーを有し、校正プログラムを用いて1つの移動局群をプログラミングする前記ステップは、前記携帯電話群のユーザーの同意を得ること及び前記BTS校正プログラムを前記携帯電話群内にダウンロードすることを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザーの同意を得る前記ステップは、校正情報を提供する権限の付与を示すためのプライバシー設定を設けることをさらに具備する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
校正情報を要求する前記ステップは、前記基地局と通信時に前記BTS校正ソフトウェアによって開始される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
校正情報を要求する前記ステップは、前記BTS校正サーバーから前記ソフトウェアイネーブルド移動局のうちの少なくとも1つに通信することを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記BTSCSは、ターゲット基地局を選択し、校正情報を要求する前記ステップは、前記ターゲット基地局と通信中の前記校正イネーブルド移動局のうちの少なくとも1つに前記BTS校正サーバーから通信することを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記移動局は、グローバル衛星受信機を有し、前記移動局の前記位置は、前記移動局によってグローバル衛星から受信された信号から決定される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記移動局の前記位置は、各移動局の高度順方向リンク三辺測量(AFLT)によって既知の位置を有する基地局から決定される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記移動局は、グローバル衛星受信機を含むハイブリッド型電話機ハンドセットを具備し、前記移動局の前記位置は、前記移動局によってグローバル衛星から受信された信号から決定され、前記基地局の前記位置は、到着時間差を用いて前記移動局の位置から決定される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記到着時間差は、高度順方向リンク三辺測量(AFLT)を用いて提供される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記移動局は、グローバル衛星受信機を含むハイブリッド型電話機ハンドセットを具備し、前記移動局の前記位置は、前記移動局によってグローバル衛星から受信された信号から決定され、前記基地局は、少なくとも1つの無線LAN基地局を具備し、前記無線LAN基地局の位置は、無線LAN信号を用いて前記無線LAN基地局と通信中の前記移動局の前記位置から決定される請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記無線LAN基地局は、WiFiアクセスポイントを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記基地局から前記移動局への信号を受信する前記ステップは、前記基地局と前記移動局との間の距離を決定するために前記基地局と前記移動局との間で送信された前記信号の信号路遅延を測定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
信号を受信する前記ステップは、TDOAシステムを用いて前記信号の前記到着時間差を測定することを具備する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記到着時間差を測定する前記ステップは、AFLTシステムを用いて位相シフトを測定することを具備する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
信号を受信する前記ステップは、TOAシステムを用いて前記信号の前記到着時間を測定することを具備する請求項15に記載の方法。
【請求項19】
信号を受信する前記ステップは、前記基地局と前記移動局との間における前記信号の往復遅延を測定することを具備する請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記校正情報を比較する前記ステップは、前記移動局から前記基地局までの距離を計算することを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記校正情報を比較する前記ステップは、前記移動局から前記基地局までの前記距離の誤差を決定することを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記基地局の前記位置を校正する前記ステップは、前記基地局と関連するアルマナック情報を更新することを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記移動局の前記位置から決定された基地局アンテナの位置は、基地局アルマナックに含められている前記基地局に関する位置を検証するために前記基地局アルマナックに含められている前記基地局の前記位置と比較される請求項1に記載の方法。
【請求項24】
a.各々が一意の所在位置を有する複数の基地局と、
b.前記複数の基地局とネットワーク接続されたBTS校正サーバーと、
c.前記基地局のうちの少なくとも1つの基地局と無線で通信する複数の校正イネーブルド移動局であって、BTS校正プログラム及び位置を決定するための位置特定システムと、前記基地局から前記移動局への信号を受信する手段とを各々が有する複数の校正イネーブルド移動局と、
d.基地局と通信中の前記校正イネーブルド移動局のうちの少なくとも1つに校正情報を要求する手段と、
e.前記位置を示す校正情報及び前記信号を前記移動局から前記BTS校正サーバーに送信する手段と、
f.前記複数の基地局及び前記BTS校正サーバーとネットワーク接続された基地局アルマナックと、
g.前記BTS校正サーバーにおいて、前記移動局から前記基地局までの距離を計算し、前記計算された距離を前記基地局と関連する基地局アルマナック情報と比較し、それに応答して前記基地局の前記位置を校正する手段と、を具備する無線通信ネットワーク。
【請求項25】
前記移動局が校正情報を伝達する権限を付与されているかどうかを決定する手段をさらに具備する請求項24に記載のネットワーク。
【請求項26】
前記BTS校正プログラムは、校正情報を提供する権限の付与を示すために前記移動局に格納されたプライバシー設定を提供し、前記移動局が校正情報を伝達する権限を付与されているかどうかを決定する前記手段は、前記プライバシー設定を検査して前記移動局が校正情報を提供する権限を付与されていることを検証することをさらに具備する請求項24に記載のネットワーク。
【請求項27】
前記位置特定システムは、距離を測定するためのTDOAシステムを具備する請求項24に記載のネットワーク。
【請求項28】
前記位置特定システムは、距離を測定するためのRTDシステムを具備する請求項24に記載のネットワーク。
【請求項29】
前記位置特定システムは、距離を測定するためのTOAシステムを具備する請求項24に記載のネットワーク。
【請求項30】
前記移動局内の前記位置特定システムは、前記移動局によってグローバル衛星から受信された信号から前記移動局の前記位置を決定できるようにするためにグローバル衛星受信機を含む請求項24に記載のネットワーク。
【請求項31】
前記移動局内の前記位置特定システムは、既知の位置を有する基地局から前記移動局の前記位置を決定する高度順方向リンク三辺測量(AFLT)システムを含む請求項24に記載のネットワーク。
【請求項32】
前記移動局は、グローバル衛星受信機及びAFLTシステムを含むハイブリッド型電話機ハンドセットを具備する請求項24に記載のネットワーク。
【請求項33】
前記基地局の前記位置を校正する前記手段は、前記基地局と関連するアルマナック情報を更新するための手段を具備する請求項24に記載のネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−19226(P2011−19226A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−157103(P2010−157103)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【分割の表示】特願2007−533456(P2007−533456)の分割
【原出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】