説明

無線端末、デジタルコードレスシステム、基地局検索方法、及び基地局検索プログラム

【課題】
複数の基地局の何れかと通信をすることが可能な無線端末が、或る基地局との通信を、その或る基地局以外の基地局からの電波による影響をなるべく受けずに、開始することを可能とする。
【解決手段】
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末であって、何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線端末、その無線端末を含むデジタルコードレスシステム、基地局検索方法及び基地局検索プログラムに関し、特に、複数の基地局と通信をすることが可能な無線端末、その無線端末を含むデジタルコードレスシステム、その無線端末が行なう基地局検索方法及びその無線端末用の基地局検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコードレスシステムは、オフィス等にて普及が広まっている。デジタルコードレスシステムでは、基地局(以下、「CS」と称する。)1台につき、同時通話が可能な無線端末(以下、「PS」と称する。)の台数に制限があることから、使用トラフィックに合わせてCSを増設することが必要となる。
【0003】
オフィス等のデジタルコードレスシステムの実装先の面積が狭く、トラフィックが多い(PSの数量が多い)環境下では、CS1台につき、制限台数と同一台数のPSが同時に通話状態となることが頻繁に発生する場合がある。
【0004】
デジタルコードレスシステムの仕組み上、通話状態に無関係に待受けすることが可能であることから、制限台数と同一台数のPSが同時に通話状態となっているCSに、更に別のPSが待ち受ける状態が発生する。この別のPSから発呼する際、当該CSより拒否メッセージを受けた後、次候補のCSに移動して発呼する動作が必要となる。
【0005】
本発明に関連する技術を開示するものとして、特許文献1には、システム起動時にトラフィックの高いCSを指定して、CS間で電界強度を測定し合い、トラフィックに適する待受けエリア及び送信電力の調整を自動的に設定することにより、周波数利用効率を向上させることにより、安定した着信動作を実現する技術に関する開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−239407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
PSの受信部は、その初段に低雑音増幅器(LNA)を有するアナログ増幅器を含むことから、
1.デジタルコードレスシステムの実装先の面積が狭い=各CSの電界強度が強い
2.高トラフィック
3.制御チャネル周波数周辺の通話チャネルを使用している
4.受信部のダイナミックレンジが狭い
等の条件がある場合には、発呼の際、あるCSより拒否メッセージを受けてから次候補のCSを検索する時、受信部における相互変調歪の影響により、次候補CSの電波を受信できない場合がある。
【0008】
この状況に陥ると、発信動作を実施しても発呼できない状態になり、システム運用上障害となる。
【0009】
本発明は、複数の基地局の何れかと通信をすることが可能な無線端末が、或る基地局との通信を、その或る基地局以外の基地局からの電波による影響をなるべく受けずに、開始することを可能とするような無線端末、その無線端末を含むデジタルコードレスシステム、基地局検索方法、及び基地局検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点によれば、
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末であって、
何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手段を備えることを特徴とする無線端末が提供される。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末で用いる基地局検索方法であって、
無線端末が、何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手段が、前記通話チャネルの信号のレベルを調整するステップを有することを特徴とする基地局検索方法が提供される。
【0012】
本発明の第3の観点によれば、
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末で用いる基地局検索プログラムであって、
無線端末が、何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする基地局検索プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の基地局の何れかと通信をすることが可能な無線端末が、或る基地局との通信を、その或る基地局以外の基地局からの電波による影響をなるべく受けずに、開始することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】複数の基地局と複数の無線端末を備えるデジタルコードレスシステムの概略図である。
【図2】基地局からの電界強度が強い状況下にある無線端末の受信部における、各チャネルと干渉成分の電界強度を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態によるアッテネータを備えた無線端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態によるアッテネータを備えた無線端末の構成を示す概略図である。
【図5】本発明の実施形態によるアッテネータを備えた無線端末の発信動作等を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の実施形態によるアッテネータを備えた無線端末の、アンテナと受信回路との間にアッテネータを挿入した後の、受信部における、各チャネルと干渉成分の電界強度を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態によるゲイン可変アンプを備えた無線端末の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(構成の説明)
図1は、デジタルコードレスシステムの構成を示す概要図である。ここに図示するデジタルコードレスシステムは、外線が接続されている主装置(ME)と、主装置の内線として収容されている基地局(CS1、CS2)と、基地局と交信し、基地局へ無線アクセスして発信・着信動作をすることが可能な無線端末(PS1、PS2、PS3、PS4)とを含む。また、各基地局からの電界強度が65dBuVとなっているエリアを実線で示す。なお、今回の説明では説明の便宜上、2つの基地局と、4つの無線端末が存在することとしているが、これはあくまで一例である。基地局及び無線端末の数に特に制限は無く、任意の数とすることが可能である。
【0016】
ここで、
1.デジタルコードレスシステムの実装先である敷地の面積が狭い(各CSの電界強度が強い)。
2.トラフィックが高い。
3.PS1〜PS3が、制御チャネル周波数周辺の通話チャネルを使用している。
4.PSの受信部のダイナミックレンジが狭い。
以上4点が、この環境の特徴であるとする。また、今回の説明では各基地局の同時通話可能な無線端末の台数を3とするが、実際には同時通話可能な無線端末の台数を3未満としてもよく4以上としてもよい。
【0017】
PS1〜PS4は全て候補CSとして、CS1、CS2を認識しており、CS1に全てのPSが待ち受けしているとする。各CSは、自システムのシステムID(CSID)を各PSに送出し、各PSは、待ち受け選択レベル以上の受信電界強度を有し、制御チャネルを受信できるCSのCSIDと受信電界強度のテーブルデータである候補CSテーブルデータを把持している。
【0018】
ここで、PS1〜PS3がCS1を介して通話状態になっている状態で、PS4が発呼する際、図2で示されるような課題が生じる。すなわち、PS4が、CS1にリンクチャネルの確立を要求する際、CS1台につき3通話しかできないため、PS4は、候補CSテーブルのデータのうち電界強度(ここでは60dBuとする。)を条件に、CS1から拒否の通知(3CHビジー)を受ける。そして、CS2に移動して発呼する動作が必要となるが、PS4の受信部において、3CHビジーとなっているCS1から受信する電波の影響により、PS4の受信アンプに過大入力が入り、受信アンプが線形領域のみならず非線形領域においても動作するようになる。そうすると、CS1から受信した通話チャネルの電波を受信アンプで増幅すると、受信アンプの出力信号は、非線形歪みを含むことになり、そうすると、受信アンプの出力信号の周波数成分は、通話チャネル内だけでなく、制御チャネル内にも入り込むことになる。制御チャネルに入り込んだ受信アンプの出力信号の周波数成分は、制御チャネルにおけるノイズとなる。これにより、最も条件の良い近接のCS2の制御チャネルの電界強度と、PS1〜PS3の通話チャネルからの干渉成分の電界強度との差が、一定値(ここでは20dBとする。)に達しないために、CS2の制御チャネルの信号が検索できず、発信に失敗することがある。特にコストパフォーマンスを重視するため、比較的受信回路部のダイナミックレンジが狭いハードウェアを有したPSの場合は顕著に失敗する傾向がある。
【0019】
そこで、本実施形態では、各PSを、図3で示されるような構成とする。すなわち、各PS101は、制御部201と、検出部301と、判断部401と、送受信部501と、アンテナ601を含む。送受信部501は、送信回路511、送受信切替スイッチ512、受信回路514を含む。送受信切替スイッチ512は、受信回路514への信号を適切な信号レベルに減衰させるための減衰器(ATT:Attenuator、以下適宜「アッテネータ」と呼ぶ)513を含む。受信回路514は、受信アンプ515を含む。
【0020】
送受信切替スイッチ512は、時分割でアンテナ601の接続先を送信回路511と受信回路514の間で切り替える。また、送受信切替スイッチ512は、OFF状態を有し、そのOFF状態では、アンテナ601は、送信回路511にも受信回路514にも接続されない。しかし、送受信切替スイッチ512がOFF状態である時には、アンテナ601から送受信切替スイッチ512に入力される信号は、送受信切替スイッチ512内のアイソレータ機能により、所定のアイソレーションの値だけ(例えば、20dB)減衰された後に、受信回路514に供給される。
【0021】
アンテナ601が各CSからの電波を受信し、判断部401が、検出部301で検出した所定条件に基づいて、制御部201に、送受信切替スイッチ512を制御するための指示信号を送る。制御部201は指示信号に基づき、送受信切替スイッチ512を制御する。
【0022】
なお、図3はあくまで本発明に関連した部分に着目した概略図であって、PS101は、通常のPSが含む構成要素(図示せず。)も含む。
【0023】
そして、各PSに、図4で示されるような機能を導入する。すなわち、
1.他の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルにおいて他の基地局から受信する信号の受信電界強度が、受信アンプが飽和する強度以上であることが、検出部で検出されたこと。(ここでは、60dBu以上であるとする。)
2.リンクチャネル確立要求に対してCS1から拒否通知信号を受け、その理由がCS1の制限台数のPSが同時に通話状態になっていること。(ここでは、3CHビジーであるとする。)
以上2つの条件が備わった際、PSが拒否通知信号(3CHビジー)を受けた時点で、送受信切替スイッチ512の制御をOFF状態とし、アッテネータ513を機能させ、アンテナ601と受信回路514の間に挿入する。
【0024】
このアッテネータ機能(ATT機能)を動作させる機能を、各PSに導入する。この機能によって、PSの受信回路514に入力される受信電界強度を一時的に減衰させ、PS1〜PS3の通話チャネルの信号レベルを受信回路514の飽和レベル未満にすることにより、相互変調特性の劣化が緩和され、制御チャネルのC/N比が改善されることにより、目的のCSの電波を検索しやすくなる。
【0025】
そして、次候補CSの検索よりリトライが開始され、リトライ後、PSとCS2の間にリンクチャネルが割り当てられる。通話開始時に至るまで、ATT機能は保持される。通話開始後、ATT機能は解除される。
【0026】
その結果、先に示した環境下でも次候補CSの検索精度が向上し、エリア内の候補CSが検索できないことによる発信失敗が軽減される。
【0027】
(動作の説明)
次に、図5及び図6を参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0028】
図5において、PS1〜PS3がCS1と通話状態になっているものとする(ステップS1)。また、PS4は、CS1及びCS2の双方に対して待受け中であるものとする(ステップS2)。
【0029】
ここで、PS4が発呼するため、呼設定を要求したとする(ステップS3)。すなわち、CS1に対して、リンクチャネルの確立を要求したとする(ステップS3−1)。しかし、3CHビジーを拒否理由として、PS4は、CS1からリンクチャネルの割当を拒否される(ステップS3−2)。
【0030】
そこで、PS4は、候補CSの再検索のステップに移る(ステップS4)。
【0031】
具体的には、上記のように、
1.各候補CSの受信電界強度が60dBu以上である。
2.リンクチャネル確立要求に対してCS1から拒否通知信号を受け、その理由が3CHビジーである。
【0032】
以上2つの条件を満たしたと判断部401が判断した場合に、制御部201により送受信切替スイッチ512の制御がOFFとされ、アンテナ601と受信回路514の間でアッテネータ513を機能させる。
【0033】
今回の説明では、ステップS3−2においてPS4が、3CHビジーの通知信号を受けた時点で、送受信部501の送受信切替スイッチ512の制御をOFFとし(ステップS4−1)、アンテナ601と受信回路514の間でアッテネータ513を機能させる(ステップS4−2)。
【0034】
これにより、図6に示すように、PS4の受信回路に入力される各チャネル及び干渉成分の受信電界強度が一時的に減衰される。とりわけ、PS1〜PS3の通話チャネルの信号レベルが受信回路の飽和レベル未満となる。そして、制御チャネルの電界強度とPS1〜PS3の通信チャネルからの干渉成分の電界強度との差が20dB以上となり、C/N比が改善される。その結果、CS2の電波が検索されやすくなる。
【0035】
この状況下で、図5において、PS4は、各基地局の制御チャネル(CCH)を再検索した後(ステップS4−3)、改めてCS1とCS2に対して待受け状態になる。この時、制御チャネル(CCH)の周波数を使用したバースト通信によって、PS4−CS1間、及びPS4−CS2間の無線通信を行い、PSがどのCS配下で受信状態にあるかを主装置に通知する位置登録の動作を行う。この位置登録の動作をここでは、「CCHバースト」と称する(ステップS4−4、S4−5)。その後、PS4は、CS2にリンクチャネルの確立を要求し(ステップS4−6)、CS2は、PS4にリンクチャネルを割り当てる(ステップS4−7)。CS2がPS4に応答信号を送出した後(ステップS4−8)、PS4とCS2は、通話中となる(ステップS5)。通話開始後、アッテネータ機能は解除される(ステップS5−1)。
【0036】
また、上記の実施形態では、アンテナと受信回路との間でアッテネータを機能させることについて述べたが、アッテネータは、受信回路が飽和したことによる非線形歪みにより、通話チャネルから制御チャネルへ干渉成分が混入することを避けるための一手段である。送受信切替スイッチに含まれるアッテネータ機能を用いることにより、受信アンプを含む受信回路等に変更を加えることなく、通話チャネルから制御チャネルへの干渉成分の混入を避けることができる。
【0037】
このほかに、受信アンプをゲイン可変アンプとして、ゲイン可変アンプのゲインを下げることにより、受信回路が飽和することを避け、通話チャネルから制御チャネルへの干渉成分の混入を避けるようにしても良い。この場合、PSの構成は図7のようになる。送受信切替スイッチ512は、必ずしもアッテネータを含む必要はなく、また、制御部201は、受信回路514に含まれる、ゲイン可変アンプとなっている受信アンプ515を制御する。
【0038】
なお、上記の無線端末の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記の無線端末により行なわれる基地局検索方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0039】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0040】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0041】
(付記1)
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末であって、
何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手段を備えることを特徴とする無線端末。
【0042】
(付記2)
付記1に記載の無線端末であって、
前記レベル調整手段は、アンテナと受信回路との間で機能するアッテネータを備えることを特徴とする無線端末。
【0043】
(付記3)
付記2に記載の無線端末であって、
前記アッテネータは、アンテナの接続先を受信回路か送信回路かを切り替える送受信切替スイッチを、前記アンテナが前記受信回路にも前記送信回路にも接続されないようにしたときのアッテネータ機能により実現されることを特徴とする無線端末。
【0044】
(付記4)
付記1に記載の無線端末であって、
前記レベル調整手段は、受信アンプとしてのゲイン可変アンプであることを特徴とする無線端末。
【0045】
(付記5)
付記1乃至4の何れか1に記載の無線端末であって、
前記レベル調整手段を所定の場合に有効化させる有効化手段を更に備えることを特徴とする無線端末。
【0046】
(付記6)
付記5に記載の無線端末であって、
前記所定の場合とは、
1.前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルにおいて前記何れかの基地局以外の基地局から受信する信号の受信電界強度が、受信アンプが飽和する強度以上であること、
2.リンクチャネル確立要求に対して前記何れかの基地局以外の基地局から拒否通知信号を受け、その理由が前記何れかの基地局以外の基地局の制限台数の無線端末が同時に通話状態になっていること、
の条件が満たされる場合であることを特徴とする無線端末。
【0047】
(付記7)
付記1乃至6の何れか1に記載の無線端末と基地局を含むことを特徴とするデジタルコードレスシステム。
【0048】
(付記8)
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末で用いる基地局検索方法であって、
無線端末が、何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手段が、前記通話チャネルの信号のレベルを調整するステップを有することを特徴とする基地局検索方法。
【0049】
(付記9)
付記8に記載の基地局検索方法であって、
前記レベル調整手段は、アンテナと受信回路との間でアッテネータを機能させることであることを特徴とする基地局検索方法。
【0050】
(付記10)
付記9に記載の基地局検索方法であって、
前記アッテネータは、アンテナの接続先を受信回路か送信回路かを切り替える送受信切替スイッチを、前記アンテナが前記受信回路にも前記送信回路にも接続されないようにしたときのアッテネータ機能により実現されることを特徴とする基地局検索方法。
【0051】
(付記11)
付記8に記載の基地局検索方法であって、
前記レベル調整手段は、受信アンプとしてのゲイン可変アンプのゲインを下げることであることを特徴とする基地局検索方法。
【0052】
(付記12)
付記8乃至11の何れか1に記載の基地局検索方法であって、
前記レベル調整手段を所定の場合に有効化させる有効化ステップを更に有することを特徴とする基地局検索方法。
【0053】
(付記13)
付記12に記載の基地局検索方法であって、
前記所定の場合とは、
1.前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルにおいて前記何れかの基地局以外の基地局から受信する信号の受信電界強度が、受信アンプが飽和する強度以上であること、
2.リンクチャネル確立要求に対して前記何れかの基地局以外の基地局から拒否通知信号を受け、その理由が前記何れかの基地局以外の基地局の制限台数の無線端末が同時に通話状態になっていること、
の条件が満たされる場合であることを特徴とする基地局検索方法。
【0054】
(付記14)
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末で用いる基地局検索プログラムであって、
無線端末が、何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする基地局検索プログラム。
【0055】
(付記15)
付記14に記載の基地局検索プログラムであって、
前記レベル調整手順は、アンテナと受信回路との間でアッテネータを機能させることであることを特徴とする基地局検索プログラム。
【0056】
(付記16)
付記15に記載の基地局検索プログラムであって、
前記アッテネータは、アンテナの接続先を受信回路か送信回路かを切り替える送受信切替スイッチを、前記アンテナが前記受信回路にも前記送信回路にも接続されないようにしたときのアッテネータ機能により実現されることを特徴とする基地局検索プログラム。
【0057】
(付記17)
付記14に記載の基地局検索プログラムであって、
前記レベル調整手順は、受信アンプとしてのゲイン可変アンプのゲインを下げることであることを特徴とする基地局検索プログラム。
【0058】
(付記18)
付記14乃至17の何れか1に記載の基地局検索プログラムであって、
前記レベル調整手順を所定の場合に有効化させる有効化手順を、コンピュータに更に実行させることを特徴とする基地局検索プログラム。
【0059】
(付記19)
付記18に記載の基地局検索プログラムであって、
前記所定の場合とは、
1.前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルにおいて前記何れかの基地局以外の基地局から受信する信号の受信電界強度が、受信回路が飽和する強度以上であること、
2.リンクチャネル確立要求に対して前記何れかの基地局以外の基地局から拒否通知信号を受け、その理由が前記何れかの基地局以外の基地局の制限台数の無線端末が同時に通話状態になっていること、
の条件が満たされる場合であることを特徴とする基地局検索プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本願発明は、デジタルコードレスシステムにおいて、強電界で狭空間かつ高トラフィックの環境下に複数台のPS・CSが設置されているシステムを有する分野に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
PS1 無線端末
PS2 無線端末
PS3 無線端末
PS4 無線端末
CS1 基地局
CS2 基地局
ME 主装置
101 無線端末(PS)
201 制御部
301 検出部
401 判断部
501 送受信部
511 送信回路
512 送受信切替スイッチ
513 アッテネータ
514 受信回路
515 受信アンプ
601 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末であって、
何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手段を備えることを特徴とする無線端末。
【請求項2】
請求項1に記載の無線端末であって、
前記レベル調整手段は、アンテナと受信回路との間で機能するアッテネータを備えることを特徴とする無線端末。
【請求項3】
請求項2に記載の無線端末であって、
前記アッテネータは、アンテナの接続先を受信回路か送信回路かを切り替える送受信切替スイッチを、前記アンテナが前記受信回路にも前記送信回路にも接続されないようにしたときのアッテネータ機能により実現されることを特徴とする無線端末。
【請求項4】
請求項1に記載の無線端末であって、
前記レベル調整手段は、受信アンプとしてのゲイン可変アンプであることを特徴とする無線端末。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の無線端末であって、
前記レベル調整手段を所定の場合に有効化させる有効化手段を更に備えることを特徴とする無線端末。
【請求項6】
請求項5に記載の無線端末であって、
前記所定の場合とは、
1.前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルにおいて前記何れかの基地局以外の基地局から受信する信号の受信電界強度が、受信アンプが飽和する強度以上であること、
2.リンクチャネル確立要求に対して前記何れかの基地局以外の基地局から拒否通知信号を受け、その理由が前記何れかの基地局以外の基地局の制限台数の無線端末が同時に通話状態になっていること、
の条件が満たされる場合であることを特徴とする無線端末。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の無線端末と基地局を含むことを特徴とするデジタルコードレスシステム。
【請求項8】
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末で用いる基地局検索方法であって、
無線端末が、何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手段が、前記通話チャネルの信号のレベルを調整するステップを有することを特徴とする基地局検索方法。
【請求項9】
複数の基地局と複数の無線端末とを備え、各無線端末が何れかの基地局と通信可能なデジタルコードレスシステムにおける無線端末で用いる基地局検索プログラムであって、
無線端末が、何れかの基地局との間で通信を確立する時に、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号が、前記何れかの基地局との間で通信を確立するために利用する制御チャネルに干渉信号として入らないように、前記何れかの基地局以外の基地局と他の無線端末との間との通話チャネルの信号のレベルを調整するレベル調整手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする基地局検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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