無線端末装置およびカラオケシステム
【課題】利用者がどこに移動しても、利用者の手元でカラオケ曲の演奏に同期した歌詞を表示することのできる無線端末装置を提供する。
【解決手段】カラオケ曲のリクエスト等を行う無線端末装置をLCDディスプレイを備え、カラオケ装置と無線LAN経由で通信する装置として構成する。カラオケ曲の演奏時に、カラオケ装置から、楽曲データ中の歌詞トラックのデータを抽出した歌詞データ、および、ポジションデータ、テンポ制御データを受信して、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞表示のシーケンスを独自に実行し、LCDディスプレイに表示する。
【解決手段】カラオケ曲のリクエスト等を行う無線端末装置をLCDディスプレイを備え、カラオケ装置と無線LAN経由で通信する装置として構成する。カラオケ曲の演奏時に、カラオケ装置から、楽曲データ中の歌詞トラックのデータを抽出した歌詞データ、および、ポジションデータ、テンポ制御データを受信して、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞表示のシーケンスを独自に実行し、LCDディスプレイに表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カラオケ演奏時にモニタに表示される歌詞テロップを利用者の手元でも表示できるようにした無線端末装置およびカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりカラオケ装置では、カラオケ演奏と同期してモニタに歌詞テロップが表示されるようになっている(特許文献1を参照)。
【0003】
また、メインモニタ以外にもサブモニタなどを用いて利用者の近くで歌詞テロップを表示できるようにしたものが実用化されている。
【特許文献1】特開2000−293183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サブモニタであっても、固定的に設置されているものであるため、サブモニタから離れた場所にいる利用者の手元で歌詞を表示させることはできなかった。また、利用者がカラオケボックスの室内で移動する場合に、歌詞の表示器を持って移動することができなかった。
【0005】
この発明は、利用者がどこにいても、また、利用者が移動しても、利用者の手元で、カラオケ曲の演奏に同期した歌詞を表示することのできる無線端末装置およびカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の無線端末装置は、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と無線LANを介して通信する無線通信手段と、映像を表示する表示手段と、前記カラオケ曲の歌詞データを記憶する記憶手段と、前記無線通信手段を介して、スタートポジションデータ、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信し、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明は、さらに、前記制御手段が、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の歌詞データを受信することを特徴とする。
この発明は、さらに、前記制御手段が、前記カラオケ装置から、新たなテンポ制御データを受信したとき、前記歌詞データを読み出すテンポをこの新たなテンポ制御データが指示するテンポに変更することを特徴とする。
この発明は、さらに、前記制御手段が、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正することを特徴とする。
この発明は、さらに、前記制御手段が、前記カラオケ装置から、映像データを受信して前記歌詞テロップの背景映像として前記表示手段に出力することを特徴とする。
【0008】
この発明のカラオケシステムは、互いに無線で通信するカラオケ装置と無線端末装置とを有するカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、楽音を発生するための楽音データおよび歌詞を表示するための歌詞データを含む楽曲データを記憶する記憶手段と、指定されたテンポで楽音データを読み出してカラオケ曲の楽音を発生するとともに、前記指定されたテンポで歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示する演奏手段と、楽曲データから歌詞データを抽出し、この歌詞データを無線端末装置に送信するとともに、演奏スタート時にスタートポジションおよびテンポ制御データを含むスタートメッセージを送信し、テンポが変更になるごとにテンポ制御データを送信する送信制御手段と、を備え、
前記無線端末装置は、映像を表示する表示手段と、前記カラオケ曲の歌詞データ、スタートポジション、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信する受信制御手段と、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明は、さらに、前記無線端末装置の制御手段が、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期して、無線端末装置が独自に歌詞データをシーケンスして歌詞を表示するため、カラオケ装置から無線端末装置に歌詞テロップの映像データを転送する必要がなく、映像ケーブルを接続したり大容量のデータ転送をする必要がなくなるため、無線端末装置を無線化することが可能になり、装置を可搬にすることができる。
【0011】
この場合でも、無線端末装置は、カラオケ装置から、ポジションデータやテンポ制御データを受信して、歌詞表示のシーケンスを制御するため、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と正確に同期した歌詞テロップの表示が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1はカラオケ店舗の機器配置を説明する図である。このカラオケ店舗には、この発明の実施形態であるカラオケ装置および無線端末装置が複数台設置されている。カラオケ店舗3には、店舗内の(有線)LAN5を介してルータ4、管理装置6、複数台のカラオケ装置7、複数台の無線アクセスポイント8が接続されており、無線アクセスポイント8を介した無線通信によって無線端末9がLAN5に接続されている。
【0013】
ルータ4および管理装置6は、カラオケ店舗の管理室内に設置される。複数台のカラオケ装置7は、それぞれ個室(カラオケボックス)に1台ずつ設置される。また、無線端末装置9は、各個室に1台ないし複数台が設置される。
【0014】
無線端末装置9は、ユーザがカラオケ曲をリクエストするためのリクエスト機能、ユーザがカラオケ曲の一部を簡易に試聴するための試聴機能、カラオケ装置7によるカラオケ曲の演奏中にそのカラオケ曲の歌詞を表示する歌詞表示機能、ユーザのIDカードを読み取ってそのユーザをサーバにログインさせるログイン機能等の機能を有している。
【0015】
各個室に設置された無線端末装置9は、後述するペアリング操作により、その個室に設置されているカラオケ装置7と対応づけられる。無線端末装置9とカラオケ装置7とが対応づけられると、ユーザがその無線端末装置9を操作して行ったリクエストは、LAN経由で対応づけられたカラオケ装置7に送信される。対応づけられたカラオケ装置は、受信したリクエストのカラオケ曲を演奏する。また、無線端末装置9が歌詞表示をオンに設定していると、カラオケ装置7は、カラオケ曲を演奏するとき、そのカラオケ曲を演奏するための楽曲データから歌詞を表示するための歌詞データを抽出して無線端末装置9に送信する。無線端末装置9は、この歌詞データをカラオケ装置7によるカラオケ曲演奏と同期してディスプレイに表示する。
【0016】
一方、ルータ4は、インターネット2を介してセンタ1と接続されている。センタ1は、楽曲データ,顧客データ等を蓄積記憶している。各カラオケ装置7および無線端末9は、LAN5,ルータ4およびインターネット2を介してセンタ1にアクセスし、楽曲データのダウンロードや顧客データのダウンロード(顧客のログイン)等の通信を行う。
【0017】
管理装置6は、このカラオケ店舗3の係員が操作する端末装置であり、各カラオケ装置7(個室)の利用時間の管理や、無線端末装置9等を利用した飲食物やチケット等の注文を受け付ける。
【0018】
図2は各個室に設置されるカラオケ装置7のブロック図である。カラオケ装置7は、装置全体の動作を制御するCPU10と、このCPU10に接続された各種機器で構成されている。CPU10には、ハードディスク11、RAM12、音源13、ミキサ(エフェクタ)14、MPEGデコーダ20、合成回路21、操作部23、LANインタフェース24、赤外線通信部25等が接続されている。
【0019】
ハードディスク11は、カラオケ曲を演奏するための楽曲データやモニタ22に背景映像として表示するための映像データなどを記憶している。映像データは動画、静止画の両方を記憶している。RAM12には、プログラムを実行するために読み出すエリアやカラオケ曲を演奏するために楽曲データを読み出すエリアなどが設定される。
【0020】
CPU10は、ハードディスク11に記憶されているプログラムに基づいて、シーケンサ30、背景映像再生処理33、無線端末制御処理34および操作入力処理等の処理を実行する。シーケンサ30は、曲シーケンサ31、歌詞シーケンサ32からなっている。
【0021】
曲シーケンサ31は、HDD11に記憶されている楽曲データに基づいてカラオケ曲の演奏を実行するプログラムである。楽曲データは図3に示すような構成をしている。曲シーケンサ31は、このうちの楽音トラックやガイドメロディトラック等のデータに基づいて音源13を制御し、カラオケ曲の楽音を発生する。また、歌詞シーケンサ32は、カラオケ曲の楽曲データに基づいてモニタ22に歌詞テロップを表示するためのプログラムである。歌詞シーケンサ32は、図3に示す楽曲データのうち、図4に示す歌詞トラックに基づいて曲の進行に同期して歌詞の文字パターンを合成し、この文字パターンを映像信号に変換して合成回路21に入力する。
【0022】
音源13は、曲シーケンサ31の処理によってCPU10から入力されたデータ(楽音トラックやガイドメロディトラックのノートイベントデータ)に応じて楽音信号を形成する。形成した楽音信号はミキサ14に入力される。ミキサ14は、音源13が発生した複数の楽音信号、および、マイク17−A/Dコンバータ18を介して入力された歌唱者の歌唱音声信号に対してエコーなどの効果を付与するとともに、これらの信号を適当なバランスでミキシングする。ミキシングされたデジタルの音声信号はサウンドシステム15に入力される。サウンドシステム15はD/Aコンバータおよびパワーアンプを備えており、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して増幅し、スピーカ16から放音する。ミキサ14が各音声信号に付与する効果およびミキシングのバランスはCPU10によって制御される。
【0023】
背景映像再生処理33は、上記シーケンサ30による楽音の発生、歌詞テロップの生成と同期して、HDD11に記憶されている映像データ41を読み出して背景映像を再生する。動画の映像データは、MPEG2形式にエンコードされている。背景映像再生処理33は、読み出した動画の映像データをMPEGデコーダ20に入力する。MPEGデコーダ20は、入力されたMPEGデータをNTSCの映像信号に変換して合成回路21に入力する。合成回路21には、背景映像の映像信号以外に上記歌詞テロップの文字パターン等が入力される。合成回路21は、背景映像の映像信号の上に歌詞テロップなどのOSDを合成してモニタディスプレイ22に出力する。モニタディスプレイ22は、合成回路21から入力された映像信号を表示する。
【0024】
操作部23は、操作パネル面に設けられた各種のキースイッチおよびこのキースイッチの操作を検出するパネルスイッチインタフェースを有している。
また、LANインタフェース24は、LAN5を介した通信を制御するためのインタフェースである。カラオケ装置は、LAN5を介してセンタ1、管理装置6およびペアリングされた無線端末装置9と通信する。
また、赤外線通信部25は、ペアリング処理において、無線端末装置9から赤外線信号を受信する回路である。ペアリング処理については後述する。
【0025】
カラオケ装置7の操作パネル面には、曲番号を入力するためのテンキー、曲のテンポを変更するためのテンポコントロールスイッチ、曲を早送り,巻き戻しするための早送りスイッチ,巻き戻しスイッチ、および、曲を移調するためのキーコントロールスイッチ等が設けられている。
【0026】
また、無線端末装置9は、タッチパネル機能を有するLCDディスプレイ50(図5,図6参照)を有しており、このLCDディスプレイ50に曲番号を入力するためのテンキーや曲名から曲番号を検索するための検索画面(50音キーを含む)等が表示される。また、曲の演奏前および演奏中には、曲の曲のテンポを変更するためのテンポコントロールスイッチ、曲を早送り,巻き戻しするための早送りスイッチ,巻き戻しスイッチ、および、曲を移調するためのキーコントロールスイッチ等が表示される。
【0027】
操作部23は、パネルスイッチが操作されたことを検出して対応する操作信号をCPU10に出力する。
また、無線端末装置9は、LCDディスプレイ50に表示しているキースイッチの操作をタッチパネルで検出し、この操作に対応する操作信号をLAN5経由で対応する(ペアリングされた)カラオケ装置7に送信する。LANインタフェース24は、無線端末装置9から受信した操作信号をCPU10に入力する。
【0028】
CPU10は、操作部23またはLANインタフェース24から入力された操作信号に基づいて対応する処理を実行する。
【0029】
たとえば、パネルスイッチや無線端末装置9からリクエストの曲番号が入力されると、この曲番号がシーケンサ30に入力され、各プログラムは以下の処理を実行する。
【0030】
シーケンサ30は、これに応じて、この曲番号で識別されるカラオケ曲の曲データをハードディスク11の曲データ記憶エリア40から読み出す。曲シーケンサ31は曲データ中の演奏データトラック、ガイドメロディトラックなどのトラックのデータを読み出し、このデータで音源13を制御することによってカラオケ曲の演奏音を発生させる。また、歌詞シーケンサ32は、曲データ中の歌詞トラックのデータを読み出し、このデータに基づいて歌詞テロップの画像パターンを作成して合成回路21に出力する。また、背景映像再生処理33は、シーケンサ30からの指示に応じて所定の映像データを読み出してMPEGデコーダ20に入力する。
【0031】
また、パネルスイッチや無線端末装置9からテンポコントロール信号や早送り,巻き戻しの信号が入力されると、この曲番号がシーケンサ30に入力され、演奏のテンポや歌詞表示の進行がこの信号の内容に応じて設定変更される。
【0032】
図3,図4は、ハードディスク11に記憶されている楽曲データの構成を示す図である。
図3において、楽曲データは、同図(A)に示すように、ヘッダ、カラオケ曲を演奏するための楽音トラック、ガイドメロディを発生するためのガイドメロディトラック、歌詞テロップを表示するための歌詞トラックなどからなっている。
【0033】
各トラックは、MIDIフォーマットに従って記述されている。たとえば、楽音トラックやガイドメロディトラックは、同図(B)に示すように、ノートオンイベントデータ、ノートオフイベントデータなどのイベントデータと各イベントデータの読み出しタイミングを示すタイミングデータからなっている。ノートオンイベントデータは音高データを含み、このノートオンによって発生する楽音の音高や音量を指定する。この楽音は、対応するノートオフイベントデータが読み出されるまで継続する。
【0034】
タイミングデータは、各イベントデータ間の時間的間隔を示すデュレーションデータや曲のスタート時刻からの絶対時間を示す絶対時間データなどで構成することができる。
【0035】
楽音トラック、ガイドメロディトラックのイベントデータは、上記のように楽音の音高、音量、オン/オフなどを示すノートイベントデータなどで構成され、このノートイベントデータを音源13に入力することにより、音源13はこのイベントデータに対応する楽音を発音したり消音したりする。楽音トラックは、多数の楽器の楽音を発生するために複数トラック(パート)で構成されており、ガイドメロディトラックは、歌唱旋律をガイドするための単旋律のMIDIデータで構成されている。
【0036】
歌詞トラックは、カラオケ曲の曲名や歌詞を表示するための各種データをインプリメントしたシーケンスデータであり、図4に示すように、タイミングデータに基づいて読み出されるページ区切りデータおよび歌詞表示データから構成されている。
ページ区切りデータは、行単位でモニタ22に表示される歌詞を同時に表示されるもの(2〜4行)毎に区切るデータであり、カラオケ曲の音楽的なフレーズに対応している。歌詞表示データは1行分の歌詞表示に関する全てのデータを内包しており、表示オンタイミング、表示オフタイミング、文字列データ(表示ポイント数、表示座標、文字間データなどを含む)、色1データ、色2データ、スクロールデータなどからなっている。
【0037】
歌詞の表示態様は以下のようである。まず、1行分の歌詞を色1で表示し、暫くの間(曲がこの歌詞の箇所まで進行してくるまでの間)そのままの色で停止している(ton)こののち、曲の進行に合わせて表示色がスクロールしてゆき左から順に色1から色2に色変えをしてゆく。最後に暫くの間色2で表示し(te)たのち消去する。
【0038】
スクロールデータは同図(B)に示すようにスクロールの(時間−x座標)曲線の主要な点を示す複数のプロッティングデータで構成されている。シーケンサ30はこのプロッティングデータを2次曲線で補間して色変え(スクロール)をパターン展開部16に指示する。
【0039】
図5は、前記無線端末装置9の外観図である。この無線端末装置9は、カラオケ曲の予約や曲のテンポ・キーをコントロールする機能を備えた所謂リモコン装置として機能するほか、カラオケ曲の試聴機能、顧客のログイン機能、各種課金清算機能、カメラによる撮影機能、歌詞表示機能等種々の機能を備えている。
【0040】
無線端末装置9は、カラオケ店舗においては、無線LAN端末として機能するが、後述するペアリング処理をすることにより、ペアリングで対応づけられたカラオケ装置と専ら通信する。
【0041】
無線端末装置9は、同図に示すように、略五角形(ホームベース状)の形状をしており、中央部にLCDディスプレイ50を備えている。このLCDディスプレイ50の下方中央にカードリーダ部52、その左右にステレオスピーカ51が設けられている。また、LCDディスプレイ50の上端部には、カメラ53,ストロボフラッシュ54が設けられている。
【0042】
LCDディスプレイ50は、タッチパネル機能を有している。動作モードに応じてLCDディスプレイ50には、各種のタッチキーが表示され、利用者によるタッチキーの操作をタッチパネルスイッチ69(図6参照)が検出する。表示されるタッチキーには、曲番号を入力するためのテンキースイッチ,曲名を入力するための50音キーボード,パソコン配列のキーボード等があり、動作モードに対応したものが表示される。
【0043】
また、カラオケ曲の演奏中には、LCDディスプレイ50にカラオケ曲の歌詞テロップが、カラオケ装置7によるカラオケ曲の演奏と同期して表示される。
【0044】
カードリーダ52には、顧客のIDカードがセットされる。IDカードは無線通信機能を備えたICカードである。カードリーダ部52の内部には、非接触カートインタフェース65(図6参照)のアンテナが埋め込まれている。顧客のIDカードがカードリーダ部52にセットされると、非接触カードインタフェース65が無線通信でIDカードと通信し、このIDカードに記憶されている顧客IDを読み取る。無線端末装置9は、読み取ったIDをLAN5−(ペアリングされているカラオケ装置7)−ルータ4−インターネット2を介してセンタ1に送信する。センタ1は、無線端末装置9またはカラオケ装置7から顧客IDを受信することにより、当該顧客の利用履歴を更新するとともに、当該無線端末装置9またはカラオケ装置7に対してこの顧客の顧客情報を送信する。無線端末装置9またはカラオケ装置7は、センタ1から顧客情報を受信して、たとえば、カラオケ曲のスタート時に顧客の名前を表示する等の顧客個別対応を行う。
【0045】
また、この無線端末装置9は簡略な音源を内蔵しており、楽曲データの一部を再生してカラオケ曲の試聴演奏をする機能を有している。この試聴演奏された楽音がステレオスピーカ51から出力される。
【0046】
図6は、同無線端末装置9のブロック図である。無線端末装置9を制御するCPU60には、内部バスを介してROM61,RAM62,音源63,非接触カードインタフェース65,無線LANインタフェース66,周辺機器コントローラ68が接続されている。
【0047】
ROM61には、この無線端末装置9の動作を制御する各種プログラムが記憶されている。ROM61は、フラッシュメモリで構成されており、USBインタフェースを介して接続される外部装置によってプログラムの書き換えが行われる。RAM62には、顧客情報等の各種データが記憶される。また、後述する歌詞表示モードの場合には、カラオケ装置7からLAN5を介して送られてくるカラオケ曲の歌詞データを記憶する。
【0048】
音源63は、カラオケ装置7に内蔵されているものよりは簡略なものであるが、カラオケ曲の楽曲データ(楽音トラック,ガイドメロディトラック)に基づいて楽音を発生させることができるものである。この音源63は、試聴モード時に利用される。試聴モードでは、ユーザによって選択されたカラオケ曲の楽曲データの一部(楽音トラック,ガイドメロディトラックの一部)をカラオケ装置7からダウンロードし、この楽曲データの一部を音源63で再生する。音源63にはアンプ64が接続されている。アンプ64は、音源63が生成した試聴用の楽音を増幅してステレオスピーカ51に出力する。
【0049】
非接触カードインタフェース65は、カードリーダ部52にセットされた非接触媒体であるIDカードと通信するためのインタフェースである。この非接触カードインタフェース65は、電磁波で非接触カードに電源を供給する機能および無線で非接触カードと通信する機能を備えている。
【0050】
無線LANインタフェース66は、アンテナ70を内蔵し、無線アクセスポイント8を介してこの無線端末装置9をLAN5に接続するためのインタフェースである。
【0051】
周辺機器コントローラ68には、前記LCDディスプレイ50、タッチパネル69、カメラ53、ストロボフラッシュ54のほか、赤外線リモコン信号をカラオケ装置7に対して送信する赤外線リモコン送信部70、他の装置と赤外線通信をするためのIrDA71、USBインタフェース72等が接続されている。
【0052】
赤外線リモコン送信部70は、後述のペアリング処理時に用いられる。USBインタフェース72は、この装置にパーソナルコンピュータ等のメンテナンス装置を接続してROM(フラッシュメモリ)61に記憶されているプログラム(ファームウェア)を書き換えるときに使用される。
【0053】
図7は〜図12は、カラオケ装置本体および無線端末装置の動作を示すフローチャートである。
図7(A)は、ペアリング処理動作を示すフローチャートである。ペアリングとは、互いにLAN5に接続される複数台のカラオケ装置7と複数台の無線端末装置9を、それぞれ個別に対応づける動作である。ただし、1台のカラオケ装置7に対して、複数台の無線端末装置9がペアリング処理を行う場合があり、この場合には、1台のカラオケ装置に対して複数台の無線端末装置9が対応づけられる。
【0054】
以下の説明では、1台のカラオケ装置7と1台の無線端末装置9との相互動作について説明するが、1台のカラオケ装置7に複数台の無線端末装置9が対応づけられる場合には、以下の動作が各無線端末装置9ごとに実行される。
【0055】
ペアリング処理は、無線端末装置9を個室に持ち込み、その個室に設置されているカラオケ装置7の子機として使用しようとする場合に、係員によって行われる。
係員が無線端末装置を個室に持ち込み、無線端末装置9の赤外線リモコン信号送信機能を用いて、自己の端末IDをカラオケ装置本体に送信する(s1)。端末IDは、無線端末装置9のROM(フラッシュメモリ)62に記憶されている。カラオケ装置7は、赤外線通信部25でこの端末IDを含むメッセージを受信すると(s10)、この端末IDを有する無線端末装置を検索するために、この端末IDの装置を検索する旨の端末検索メッセージを作成し(s11)、この端末検索メッセージをLAN経由でブロードキャスト送信する(s12)。したがって、この端末検索メッセージは、LAN5上に接続されている(無線アクセスポイント8を介して接続されているものを含む)全ての装置によって読み取られる。
なお、端末検索メッセージには、検索対象である無線端末装置の端末IDとともに、送信元であるカラオケ装置の装置IDも含まれている。
【0056】
ステップS2で端末検索メッセージを受信した各端末装置は、このメッセージが自装置宛のものであるかを判断し(s3)、自装置宛のものでなければ、このメッセージを破棄する。自装置宛のメッセージであれば、すなわち、端末検索メッセージに含まれている端末IDと自己のIDとが一致した場合には、このメッセージは、s1において、赤外線信号を送信した送信先のカラオケ装置からのメッセージであるとして、このメッセージに含まれている装置IDをペアの(親機として対応する)カラオケ装置のIDとして記憶する(s4)。この装置IDは、RAM61に設定されている装置ID記憶エリアに記憶される。
【0057】
そして、この装置IDのカラオケ装置に対して確認メッセージを作成して(s5)、LAN経由で送信する(s6)。対応するカラオケ装置7が、この確認メッセージを受信すると(s13)、この無線端末装置9の端末IDをペアの(子機として対応する)無線端末装置9として記憶するとともに、この無線端末装置9に対する端末管理テーブル(同図(C)参照)を作成する(s14)。
【0058】
以上のペアリング処理によって、カラオケ装置7および無線端末装置9の双方が相手装置を認識してそのIDを記憶することができ、以後LANを介して相互に1対1の通信をすることができる。
【0059】
なお、同図(C)の端末管理テーブルは、ハードディスク11に設定され、端末IDおよびこの無線端末装置9の歌詞表示モードのオン/オフを記憶するテーブルである。
【0060】
歌詞表示表示モードとは、カラオケ装置7でカラオケ曲を演奏しているとき、その歌詞を無線端末装置9のLCDディスプレイ50で表示するモードである。このモードでカラオケ曲を演奏する場合、カラオケ装置7は、楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して無線端末装置9に送信し、無線端末装置9は、カラオケ装置7から曲スタートのトリガやテンポ設定データを受信して、独自のシーケンス動作によって、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期して歌詞を表示する。
【0061】
同図(B)は、無線端末装置から歌詞表示モードのオン/オフ動作を示すフローチャートである。
ユーザは、LCDディスプレイ50の表示に従い、タッチパネル69を操作することで、歌詞表示モードをオン/オフすることができる。歌詞表示モードのオン/オフ操作があると(s20)、そのとき歌詞表示モードがオフの状態であれば歌詞表示モードのオンメッセージを作成する(s21)。また、そのとき歌詞表示モードがオンの状態であれば歌詞表示モードのオフメッセージを作成する(s21)。そして、この歌詞表示モードのオン/オフメッセージを、対応する(ペアの)カラオケ装置7に対して送信する(s22)。この歌詞表示モードのオン/オフメッセージは、LAN経由で送信される。
【0062】
カラオケ装置7は、無線端末装置9から歌詞表示モードのオン/オフメッセージを受信すると(s23)、この無線端末装置9に対して設定されている端末管理テーブル(同図(C)参照)の歌詞表示モードフラグを反転する(s24)。そして、そのときカラオケ曲が演奏中であるか否かを判断する(s25)。カラオケ曲の演奏中であれば、曲の途中から歌詞表示モードのスタートまたは途中停止の対応する動作を実行する。
【0063】
図8は、無線端末装置9による選曲動作を示すフローチャートである。
無線端末装置9の選曲操作は、LCDパネル50に表示されたモード選択画面で選曲モードを選択するとともに、選曲方法を選択して行う。すなわち、曲番号を直接入力して選曲する方法、50音タッチパネルから曲名または歌手名を入力して選曲する方法等がある。
【0064】
なお、無線端末装置9は、この選曲に用いるために、カラオケ装置7または管理装置6から、「曲番号−曲名−歌手名−歌詞の一部」を対応づけて記憶した選曲テーブルをダウンロードして所持している。
【0065】
上記の操作でカラオケ曲が選曲されると(s30)、そのカラオケ曲の曲番号を含む選曲メッセージを作成して(s31)、対応する(ペアの)カラオケ装置7に対して送信する(s32)。この選曲メッセージの送信は、LAN経由で行われる。
【0066】
カラオケ装置7が、選曲メッセージを受信すると(s33)、この選曲メッセージに含まれている曲番号を読み出して、予約リストに登録する(s34)。
ここで、予約リストとは、無線端末装置9または装置本体のパネルスイッチから入力された曲番号を入力順に記憶しておくリストである。シーケンサ30は、先に入力された曲番号のカラオケ曲から順次演奏する。
【0067】
図9は、カラオケ装置7の曲演奏動作を示すフローチャートである。予約リストの先頭からカラオケ曲の曲番号を読み出し(s40)、この曲番号で識別される楽曲データをハードディスク11から読み出す(s41)。そして、ペアになっている無線端末装置9を管理する端末管理テーブルを参照し、歌詞表示モードがオンになっている無線端末装置9があるか否かを判断する(s42)。歌詞表示オンの無線端末がない場合には通常の演奏処理(不図示)に進む。複数の無線端末装置9がペアになっている場合には、全ての無線端末装置9の端末管理テーブルについて上記判断および以下の処理を行う。
【0068】
歌詞表示モードがオンになっている無線端末装置9がある場合には、これからカラオケ曲の演奏を行う旨を伝える演奏確定メッセージを作成して、その無線端末装置9に対して送信する(s43)。ハードディスク11から読み出した楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して歌詞データとして編集し(s44)、この歌詞データを歌詞表示モードがオンになっている無線端末装置9に対して送信する(s45)。
【0069】
このときの通信手順は、図12の中段に示すようなものである。すなわち、演奏確定メッセージを受信した無線端末装置9は、カラオケ装置7に対して歌詞データ(Telop data)の作成を要求する。こののち、無線端末装置9は、定期的にカラオケ装置7にアクセス(polling)する。カラオケ装置7は、歌詞データの編集を完了するまでこのアクセスを無視するが、歌詞データの編集し終えたのちにアクセスがあると、編集した歌詞データを無線端末装置9に転送する。
【0070】
図9において、カラオケ装置7は、演奏開始の準備が整ったとき、演奏スタートのメッセージを無線端末装置9に送信し(s46)、演奏をスタートする(s47)。
この演奏スタートメッセージが図12のスタートポジションデータ(pos#)に相当する。このスタートポジションデータには、そのスタートポジションにおけるカラオケ曲の演奏テンポ(歌詞テロップの進行テンポ)を制御するためのテンポ制御データが含まれており、無線端末装置9は、このテンポ制御データに基づいて歌詞テロップの表示の進行テンポを制御する。
【0071】
なお、カラオケ装置7がカラオケ曲を演奏している途中に、無線端末装置9の歌詞表示モードがオンされた場合には、カラオケ装置7は、カラオケ曲の演奏を実行しつつ、その無線端末装置9に対してs44,s45の処理を実行する。そして、カラオケ装置7から無線端末装置9に送信されるスタートポジションデータは、そのときの演奏位置を示すデータとなる。
【0072】
演奏動作は、設定されたテンポクロックにしたがって、楽音のトラックをシーケンスするとともに(s48)、歌詞トラックをシーケンスする(s49)動作である。
この演奏動作を曲が終了するまで継続するが(s53)、途中でテンポ変更の指示があった場合には、その指示に応じてテンポ変更の制御をするとともに(s51)、このテンポ変更の指示をテンポ変更メッセージとして編集して無線端末装置に送信する(s52)。
テンポ変更の指示は、楽曲データのテンポ制御トラック(図3(A)参照)に書き込まれているテンポ制御データを読み出したとき、および、ユーザによるテンポ変更操作があったとき行われる。ユーザによるテンポ変更操作は、テンポコントロール(演奏テンポを速くまたは遅く変更する操作)、演奏の早送り/巻き戻し等である。
【0073】
図10は、s48,s49で行われるシーケンス処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、イベントデータ読み出しタイミングを示すタイミングデータが、直前のイベントデータからの時間間隔を表すデュレーションデータである場合の例を示している。
まず、デュレーションカウンタtが0以下であるかを判断する。スタート直後のタイマ割込においてはt=0にリセットされているため、s65からs67に進む。s67ではトラック上の読み出し位置を示すポインタが指し示しているデータを読み出す。読み出したデータがイベントデータであるか(s68)、デュレーションデータであるか(s69)、または、終了データであるか(s70)を判断する。
【0074】
イベントデータの場合には、そのイベントに対応する処理を実行し(s71)、ポインタを歩進して(s72)、s67にもどり、次のデータを読み出す。
イベント対応処理(s71)は、通常は、楽音の発生/消去または歌詞表示データの読み出し等であるが、そのイベントデータの種類および通常の再生をしているか後述の早送り,巻き戻しをしているかにより異なる
読み出したデータがデュレーションデータの場合には(s69)、このデュレーションデータの値をtにセットし(s73)、ポインタを歩進して(s74)、s65にもどる。s65では、tが0以下であるかを判断し、t>0の場合にはtからカウントダウンステップ値csを減算して(s66)リターンする。この動作は、所定時間(たとえば10ms)ごとに実行される。
【0075】
一方、読み出したデータが終了データであった場合には(s70)、オールノートオフ、終了表示などの終了処理を実行したのち(s75)このタイマ割込処理を終了する。
【0076】
図11(A)は、無線端末装置9の歌詞表示モードの動作を示すフローチャートである。カラオケ装置7から演奏確定メッセージを受信すると(s80)、カラオケ装置7に対して歌詞データを要求する(s81)。この要求に応じてカラオケ装置7は楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して歌詞データを作成して無線端末装置9に転送する。無線端末装置9は、この歌詞データを受信して(s82)、RAM62に記憶する。つぎに、カラオケ装置7からスタートメッセージ(pos#)が送信されてくると(s83)、このスタートメッセージに含まれるポジションポジションから、このスタートメッセージに含まれるテンポ制御データで指示されるテンポで歌詞シーケンス処理をスタートする(s84)。曲の先頭から歌詞表示をスタートする場合は、スタートポジションは、曲の先頭である。
【0077】
無線端末装置9の歌詞シーケンスの動作は、図10に示すカラオケ装置のシーケンス動作と同様であり、設定されたテンポクロックにしたがって、歌詞トラックをシーケンスする動作である。
この演奏動作を曲が終了するまで継続するが(s85)、途中でテンポ変更メッセージがカラオケ装置7から送られてきた場合(s86)には、その指示に応じてテンポ変更の制御をする(s87)。
【0078】
なお、無線端末装置9からカラオケ装置7に対して、演奏テンポの変更や早送り,巻き戻しの操作をすることができるが、歌詞表示モードの動作では、無線端末装置9において、この操作があった場合でも、カラオケ装置7からテンポ制御データが送られてくるまで、歌詞テロップの表示シーケンスのテンポを変更しない。これにより、この無線端末装置からの操作によるテンポ変更の処理動作、カラオケ装置7のパネルスイッチの操作によるテンポ変更の処理動作、楽曲データに含まれるテンポ制御データに基づくテンポ変更の処理動作を一元化することができる。
【0079】
また、無線端末装置9は、適宜または定期的にカラオケ装置7に対してポーリング(アクセス)して、そのときのカラオケ曲の演奏位置(歌詞テロップの表示進行状況)を示すポジションデータを受信し、受信したポジションデータに基づいて無線端末装置9における歌詞テロップの表示シーケンスの位置を修正するようにしてもよい。
同図(B)は、その場合の動作を示すフローチャートである。無線端末装置9が、適宜または定期的にカラオケ装置7にアクセスし(s90)、そのときのポジションデータを受信する(s91)。そして、このポジションデータに基づいて歌詞テロップの表示シーケンスを修正する(s92)。
【0080】
図12は、歌詞表示モードにおける無線端末装置9とカラオケ装置7の通信手順説明する図である。
カラオケ装置7がカラオケ曲の演奏を行うとき、カラオケ装置7は無線端末装置9に対して演奏確定メッセージを送信する。この演奏確定のメッセージには曲番号が含まれており、無線端末装置9は、この曲番号で曲名を割り出してLCDディスプレイ50に表示する。無線端末装置は、リクエスト受け付けのために曲番号−曲名対応テーブルを有しているため、曲番号でこのテーブルを検索して曲名を割り出すことができる。
【0081】
演奏確定メッセージを受信した無線端末装置9は、カラオケ装置7に対して歌詞データを作成して転送することを要求する。その後、定期的にカラオケ装置をアクセス(polling)し、歌詞データの転送を要求する。カラオケ装置は楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して歌詞データを編集する作業が完了するまでは、このアクセスを無視するが、歌詞データの編集が完了すると、このアクセスに応じて歌詞データを無線端末装置9に対して転送する。この転送処理は、ファイル転送プロトコル(FTP)に類似の手順で行われる。
【0082】
歌詞データの転送が完了すると、カラオケ装置は、表示開始位置(歌詞データ上の読み出し開始位置)を示すスタートポジションデータ(POS#)を無線端末装置9に通知する。カラオケ曲の演奏中、無線端末装置9は、適宜または定期的にカラオケ装置7をアクセスして、そのときのポジションデータを受信する。
【0083】
また、カラオケ装置は、各種のテンポ変更の指示に応じて、カラオケ曲の演奏テンポを変更するとともに、無線端末装置9に対してテンポ制御メッセージを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】カラオケ店舗の機器配置を説明する図
【図2】各個室に設置されるカラオケ装置のブロック図
【図3】楽曲データの構成を示す図
【図4】楽曲データの歌詞トラックの構成を説明する図
【図5】この発明の実施形態である無線端末装置の外観図
【図6】同無線端末装置のブロック図
【図7】ペアリング処理動作を示すフローチャート
【図8】無線端末装置による選曲動作を示すフローチャート
【図9】カラオケ装置7の曲演奏動作を示すフローチャート
【図10】曲演奏および歌詞表示のシーケンス処理を示すフローチャート
【図11】無線端末装置の歌詞表示モードの動作を示すフローチャート
【図12】歌詞表示モードにおける無線端末装置とカラオケ装置の通信手順説明する図
【符号の説明】
【0085】
5…LAN
7…カラオケ装置
8…無線アクセスポイント
9…無線端末装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、カラオケ演奏時にモニタに表示される歌詞テロップを利用者の手元でも表示できるようにした無線端末装置およびカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりカラオケ装置では、カラオケ演奏と同期してモニタに歌詞テロップが表示されるようになっている(特許文献1を参照)。
【0003】
また、メインモニタ以外にもサブモニタなどを用いて利用者の近くで歌詞テロップを表示できるようにしたものが実用化されている。
【特許文献1】特開2000−293183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サブモニタであっても、固定的に設置されているものであるため、サブモニタから離れた場所にいる利用者の手元で歌詞を表示させることはできなかった。また、利用者がカラオケボックスの室内で移動する場合に、歌詞の表示器を持って移動することができなかった。
【0005】
この発明は、利用者がどこにいても、また、利用者が移動しても、利用者の手元で、カラオケ曲の演奏に同期した歌詞を表示することのできる無線端末装置およびカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の無線端末装置は、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と無線LANを介して通信する無線通信手段と、映像を表示する表示手段と、前記カラオケ曲の歌詞データを記憶する記憶手段と、前記無線通信手段を介して、スタートポジションデータ、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信し、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明は、さらに、前記制御手段が、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の歌詞データを受信することを特徴とする。
この発明は、さらに、前記制御手段が、前記カラオケ装置から、新たなテンポ制御データを受信したとき、前記歌詞データを読み出すテンポをこの新たなテンポ制御データが指示するテンポに変更することを特徴とする。
この発明は、さらに、前記制御手段が、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正することを特徴とする。
この発明は、さらに、前記制御手段が、前記カラオケ装置から、映像データを受信して前記歌詞テロップの背景映像として前記表示手段に出力することを特徴とする。
【0008】
この発明のカラオケシステムは、互いに無線で通信するカラオケ装置と無線端末装置とを有するカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、楽音を発生するための楽音データおよび歌詞を表示するための歌詞データを含む楽曲データを記憶する記憶手段と、指定されたテンポで楽音データを読み出してカラオケ曲の楽音を発生するとともに、前記指定されたテンポで歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示する演奏手段と、楽曲データから歌詞データを抽出し、この歌詞データを無線端末装置に送信するとともに、演奏スタート時にスタートポジションおよびテンポ制御データを含むスタートメッセージを送信し、テンポが変更になるごとにテンポ制御データを送信する送信制御手段と、を備え、
前記無線端末装置は、映像を表示する表示手段と、前記カラオケ曲の歌詞データ、スタートポジション、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信する受信制御手段と、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明は、さらに、前記無線端末装置の制御手段が、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期して、無線端末装置が独自に歌詞データをシーケンスして歌詞を表示するため、カラオケ装置から無線端末装置に歌詞テロップの映像データを転送する必要がなく、映像ケーブルを接続したり大容量のデータ転送をする必要がなくなるため、無線端末装置を無線化することが可能になり、装置を可搬にすることができる。
【0011】
この場合でも、無線端末装置は、カラオケ装置から、ポジションデータやテンポ制御データを受信して、歌詞表示のシーケンスを制御するため、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と正確に同期した歌詞テロップの表示が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1はカラオケ店舗の機器配置を説明する図である。このカラオケ店舗には、この発明の実施形態であるカラオケ装置および無線端末装置が複数台設置されている。カラオケ店舗3には、店舗内の(有線)LAN5を介してルータ4、管理装置6、複数台のカラオケ装置7、複数台の無線アクセスポイント8が接続されており、無線アクセスポイント8を介した無線通信によって無線端末9がLAN5に接続されている。
【0013】
ルータ4および管理装置6は、カラオケ店舗の管理室内に設置される。複数台のカラオケ装置7は、それぞれ個室(カラオケボックス)に1台ずつ設置される。また、無線端末装置9は、各個室に1台ないし複数台が設置される。
【0014】
無線端末装置9は、ユーザがカラオケ曲をリクエストするためのリクエスト機能、ユーザがカラオケ曲の一部を簡易に試聴するための試聴機能、カラオケ装置7によるカラオケ曲の演奏中にそのカラオケ曲の歌詞を表示する歌詞表示機能、ユーザのIDカードを読み取ってそのユーザをサーバにログインさせるログイン機能等の機能を有している。
【0015】
各個室に設置された無線端末装置9は、後述するペアリング操作により、その個室に設置されているカラオケ装置7と対応づけられる。無線端末装置9とカラオケ装置7とが対応づけられると、ユーザがその無線端末装置9を操作して行ったリクエストは、LAN経由で対応づけられたカラオケ装置7に送信される。対応づけられたカラオケ装置は、受信したリクエストのカラオケ曲を演奏する。また、無線端末装置9が歌詞表示をオンに設定していると、カラオケ装置7は、カラオケ曲を演奏するとき、そのカラオケ曲を演奏するための楽曲データから歌詞を表示するための歌詞データを抽出して無線端末装置9に送信する。無線端末装置9は、この歌詞データをカラオケ装置7によるカラオケ曲演奏と同期してディスプレイに表示する。
【0016】
一方、ルータ4は、インターネット2を介してセンタ1と接続されている。センタ1は、楽曲データ,顧客データ等を蓄積記憶している。各カラオケ装置7および無線端末9は、LAN5,ルータ4およびインターネット2を介してセンタ1にアクセスし、楽曲データのダウンロードや顧客データのダウンロード(顧客のログイン)等の通信を行う。
【0017】
管理装置6は、このカラオケ店舗3の係員が操作する端末装置であり、各カラオケ装置7(個室)の利用時間の管理や、無線端末装置9等を利用した飲食物やチケット等の注文を受け付ける。
【0018】
図2は各個室に設置されるカラオケ装置7のブロック図である。カラオケ装置7は、装置全体の動作を制御するCPU10と、このCPU10に接続された各種機器で構成されている。CPU10には、ハードディスク11、RAM12、音源13、ミキサ(エフェクタ)14、MPEGデコーダ20、合成回路21、操作部23、LANインタフェース24、赤外線通信部25等が接続されている。
【0019】
ハードディスク11は、カラオケ曲を演奏するための楽曲データやモニタ22に背景映像として表示するための映像データなどを記憶している。映像データは動画、静止画の両方を記憶している。RAM12には、プログラムを実行するために読み出すエリアやカラオケ曲を演奏するために楽曲データを読み出すエリアなどが設定される。
【0020】
CPU10は、ハードディスク11に記憶されているプログラムに基づいて、シーケンサ30、背景映像再生処理33、無線端末制御処理34および操作入力処理等の処理を実行する。シーケンサ30は、曲シーケンサ31、歌詞シーケンサ32からなっている。
【0021】
曲シーケンサ31は、HDD11に記憶されている楽曲データに基づいてカラオケ曲の演奏を実行するプログラムである。楽曲データは図3に示すような構成をしている。曲シーケンサ31は、このうちの楽音トラックやガイドメロディトラック等のデータに基づいて音源13を制御し、カラオケ曲の楽音を発生する。また、歌詞シーケンサ32は、カラオケ曲の楽曲データに基づいてモニタ22に歌詞テロップを表示するためのプログラムである。歌詞シーケンサ32は、図3に示す楽曲データのうち、図4に示す歌詞トラックに基づいて曲の進行に同期して歌詞の文字パターンを合成し、この文字パターンを映像信号に変換して合成回路21に入力する。
【0022】
音源13は、曲シーケンサ31の処理によってCPU10から入力されたデータ(楽音トラックやガイドメロディトラックのノートイベントデータ)に応じて楽音信号を形成する。形成した楽音信号はミキサ14に入力される。ミキサ14は、音源13が発生した複数の楽音信号、および、マイク17−A/Dコンバータ18を介して入力された歌唱者の歌唱音声信号に対してエコーなどの効果を付与するとともに、これらの信号を適当なバランスでミキシングする。ミキシングされたデジタルの音声信号はサウンドシステム15に入力される。サウンドシステム15はD/Aコンバータおよびパワーアンプを備えており、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して増幅し、スピーカ16から放音する。ミキサ14が各音声信号に付与する効果およびミキシングのバランスはCPU10によって制御される。
【0023】
背景映像再生処理33は、上記シーケンサ30による楽音の発生、歌詞テロップの生成と同期して、HDD11に記憶されている映像データ41を読み出して背景映像を再生する。動画の映像データは、MPEG2形式にエンコードされている。背景映像再生処理33は、読み出した動画の映像データをMPEGデコーダ20に入力する。MPEGデコーダ20は、入力されたMPEGデータをNTSCの映像信号に変換して合成回路21に入力する。合成回路21には、背景映像の映像信号以外に上記歌詞テロップの文字パターン等が入力される。合成回路21は、背景映像の映像信号の上に歌詞テロップなどのOSDを合成してモニタディスプレイ22に出力する。モニタディスプレイ22は、合成回路21から入力された映像信号を表示する。
【0024】
操作部23は、操作パネル面に設けられた各種のキースイッチおよびこのキースイッチの操作を検出するパネルスイッチインタフェースを有している。
また、LANインタフェース24は、LAN5を介した通信を制御するためのインタフェースである。カラオケ装置は、LAN5を介してセンタ1、管理装置6およびペアリングされた無線端末装置9と通信する。
また、赤外線通信部25は、ペアリング処理において、無線端末装置9から赤外線信号を受信する回路である。ペアリング処理については後述する。
【0025】
カラオケ装置7の操作パネル面には、曲番号を入力するためのテンキー、曲のテンポを変更するためのテンポコントロールスイッチ、曲を早送り,巻き戻しするための早送りスイッチ,巻き戻しスイッチ、および、曲を移調するためのキーコントロールスイッチ等が設けられている。
【0026】
また、無線端末装置9は、タッチパネル機能を有するLCDディスプレイ50(図5,図6参照)を有しており、このLCDディスプレイ50に曲番号を入力するためのテンキーや曲名から曲番号を検索するための検索画面(50音キーを含む)等が表示される。また、曲の演奏前および演奏中には、曲の曲のテンポを変更するためのテンポコントロールスイッチ、曲を早送り,巻き戻しするための早送りスイッチ,巻き戻しスイッチ、および、曲を移調するためのキーコントロールスイッチ等が表示される。
【0027】
操作部23は、パネルスイッチが操作されたことを検出して対応する操作信号をCPU10に出力する。
また、無線端末装置9は、LCDディスプレイ50に表示しているキースイッチの操作をタッチパネルで検出し、この操作に対応する操作信号をLAN5経由で対応する(ペアリングされた)カラオケ装置7に送信する。LANインタフェース24は、無線端末装置9から受信した操作信号をCPU10に入力する。
【0028】
CPU10は、操作部23またはLANインタフェース24から入力された操作信号に基づいて対応する処理を実行する。
【0029】
たとえば、パネルスイッチや無線端末装置9からリクエストの曲番号が入力されると、この曲番号がシーケンサ30に入力され、各プログラムは以下の処理を実行する。
【0030】
シーケンサ30は、これに応じて、この曲番号で識別されるカラオケ曲の曲データをハードディスク11の曲データ記憶エリア40から読み出す。曲シーケンサ31は曲データ中の演奏データトラック、ガイドメロディトラックなどのトラックのデータを読み出し、このデータで音源13を制御することによってカラオケ曲の演奏音を発生させる。また、歌詞シーケンサ32は、曲データ中の歌詞トラックのデータを読み出し、このデータに基づいて歌詞テロップの画像パターンを作成して合成回路21に出力する。また、背景映像再生処理33は、シーケンサ30からの指示に応じて所定の映像データを読み出してMPEGデコーダ20に入力する。
【0031】
また、パネルスイッチや無線端末装置9からテンポコントロール信号や早送り,巻き戻しの信号が入力されると、この曲番号がシーケンサ30に入力され、演奏のテンポや歌詞表示の進行がこの信号の内容に応じて設定変更される。
【0032】
図3,図4は、ハードディスク11に記憶されている楽曲データの構成を示す図である。
図3において、楽曲データは、同図(A)に示すように、ヘッダ、カラオケ曲を演奏するための楽音トラック、ガイドメロディを発生するためのガイドメロディトラック、歌詞テロップを表示するための歌詞トラックなどからなっている。
【0033】
各トラックは、MIDIフォーマットに従って記述されている。たとえば、楽音トラックやガイドメロディトラックは、同図(B)に示すように、ノートオンイベントデータ、ノートオフイベントデータなどのイベントデータと各イベントデータの読み出しタイミングを示すタイミングデータからなっている。ノートオンイベントデータは音高データを含み、このノートオンによって発生する楽音の音高や音量を指定する。この楽音は、対応するノートオフイベントデータが読み出されるまで継続する。
【0034】
タイミングデータは、各イベントデータ間の時間的間隔を示すデュレーションデータや曲のスタート時刻からの絶対時間を示す絶対時間データなどで構成することができる。
【0035】
楽音トラック、ガイドメロディトラックのイベントデータは、上記のように楽音の音高、音量、オン/オフなどを示すノートイベントデータなどで構成され、このノートイベントデータを音源13に入力することにより、音源13はこのイベントデータに対応する楽音を発音したり消音したりする。楽音トラックは、多数の楽器の楽音を発生するために複数トラック(パート)で構成されており、ガイドメロディトラックは、歌唱旋律をガイドするための単旋律のMIDIデータで構成されている。
【0036】
歌詞トラックは、カラオケ曲の曲名や歌詞を表示するための各種データをインプリメントしたシーケンスデータであり、図4に示すように、タイミングデータに基づいて読み出されるページ区切りデータおよび歌詞表示データから構成されている。
ページ区切りデータは、行単位でモニタ22に表示される歌詞を同時に表示されるもの(2〜4行)毎に区切るデータであり、カラオケ曲の音楽的なフレーズに対応している。歌詞表示データは1行分の歌詞表示に関する全てのデータを内包しており、表示オンタイミング、表示オフタイミング、文字列データ(表示ポイント数、表示座標、文字間データなどを含む)、色1データ、色2データ、スクロールデータなどからなっている。
【0037】
歌詞の表示態様は以下のようである。まず、1行分の歌詞を色1で表示し、暫くの間(曲がこの歌詞の箇所まで進行してくるまでの間)そのままの色で停止している(ton)こののち、曲の進行に合わせて表示色がスクロールしてゆき左から順に色1から色2に色変えをしてゆく。最後に暫くの間色2で表示し(te)たのち消去する。
【0038】
スクロールデータは同図(B)に示すようにスクロールの(時間−x座標)曲線の主要な点を示す複数のプロッティングデータで構成されている。シーケンサ30はこのプロッティングデータを2次曲線で補間して色変え(スクロール)をパターン展開部16に指示する。
【0039】
図5は、前記無線端末装置9の外観図である。この無線端末装置9は、カラオケ曲の予約や曲のテンポ・キーをコントロールする機能を備えた所謂リモコン装置として機能するほか、カラオケ曲の試聴機能、顧客のログイン機能、各種課金清算機能、カメラによる撮影機能、歌詞表示機能等種々の機能を備えている。
【0040】
無線端末装置9は、カラオケ店舗においては、無線LAN端末として機能するが、後述するペアリング処理をすることにより、ペアリングで対応づけられたカラオケ装置と専ら通信する。
【0041】
無線端末装置9は、同図に示すように、略五角形(ホームベース状)の形状をしており、中央部にLCDディスプレイ50を備えている。このLCDディスプレイ50の下方中央にカードリーダ部52、その左右にステレオスピーカ51が設けられている。また、LCDディスプレイ50の上端部には、カメラ53,ストロボフラッシュ54が設けられている。
【0042】
LCDディスプレイ50は、タッチパネル機能を有している。動作モードに応じてLCDディスプレイ50には、各種のタッチキーが表示され、利用者によるタッチキーの操作をタッチパネルスイッチ69(図6参照)が検出する。表示されるタッチキーには、曲番号を入力するためのテンキースイッチ,曲名を入力するための50音キーボード,パソコン配列のキーボード等があり、動作モードに対応したものが表示される。
【0043】
また、カラオケ曲の演奏中には、LCDディスプレイ50にカラオケ曲の歌詞テロップが、カラオケ装置7によるカラオケ曲の演奏と同期して表示される。
【0044】
カードリーダ52には、顧客のIDカードがセットされる。IDカードは無線通信機能を備えたICカードである。カードリーダ部52の内部には、非接触カートインタフェース65(図6参照)のアンテナが埋め込まれている。顧客のIDカードがカードリーダ部52にセットされると、非接触カードインタフェース65が無線通信でIDカードと通信し、このIDカードに記憶されている顧客IDを読み取る。無線端末装置9は、読み取ったIDをLAN5−(ペアリングされているカラオケ装置7)−ルータ4−インターネット2を介してセンタ1に送信する。センタ1は、無線端末装置9またはカラオケ装置7から顧客IDを受信することにより、当該顧客の利用履歴を更新するとともに、当該無線端末装置9またはカラオケ装置7に対してこの顧客の顧客情報を送信する。無線端末装置9またはカラオケ装置7は、センタ1から顧客情報を受信して、たとえば、カラオケ曲のスタート時に顧客の名前を表示する等の顧客個別対応を行う。
【0045】
また、この無線端末装置9は簡略な音源を内蔵しており、楽曲データの一部を再生してカラオケ曲の試聴演奏をする機能を有している。この試聴演奏された楽音がステレオスピーカ51から出力される。
【0046】
図6は、同無線端末装置9のブロック図である。無線端末装置9を制御するCPU60には、内部バスを介してROM61,RAM62,音源63,非接触カードインタフェース65,無線LANインタフェース66,周辺機器コントローラ68が接続されている。
【0047】
ROM61には、この無線端末装置9の動作を制御する各種プログラムが記憶されている。ROM61は、フラッシュメモリで構成されており、USBインタフェースを介して接続される外部装置によってプログラムの書き換えが行われる。RAM62には、顧客情報等の各種データが記憶される。また、後述する歌詞表示モードの場合には、カラオケ装置7からLAN5を介して送られてくるカラオケ曲の歌詞データを記憶する。
【0048】
音源63は、カラオケ装置7に内蔵されているものよりは簡略なものであるが、カラオケ曲の楽曲データ(楽音トラック,ガイドメロディトラック)に基づいて楽音を発生させることができるものである。この音源63は、試聴モード時に利用される。試聴モードでは、ユーザによって選択されたカラオケ曲の楽曲データの一部(楽音トラック,ガイドメロディトラックの一部)をカラオケ装置7からダウンロードし、この楽曲データの一部を音源63で再生する。音源63にはアンプ64が接続されている。アンプ64は、音源63が生成した試聴用の楽音を増幅してステレオスピーカ51に出力する。
【0049】
非接触カードインタフェース65は、カードリーダ部52にセットされた非接触媒体であるIDカードと通信するためのインタフェースである。この非接触カードインタフェース65は、電磁波で非接触カードに電源を供給する機能および無線で非接触カードと通信する機能を備えている。
【0050】
無線LANインタフェース66は、アンテナ70を内蔵し、無線アクセスポイント8を介してこの無線端末装置9をLAN5に接続するためのインタフェースである。
【0051】
周辺機器コントローラ68には、前記LCDディスプレイ50、タッチパネル69、カメラ53、ストロボフラッシュ54のほか、赤外線リモコン信号をカラオケ装置7に対して送信する赤外線リモコン送信部70、他の装置と赤外線通信をするためのIrDA71、USBインタフェース72等が接続されている。
【0052】
赤外線リモコン送信部70は、後述のペアリング処理時に用いられる。USBインタフェース72は、この装置にパーソナルコンピュータ等のメンテナンス装置を接続してROM(フラッシュメモリ)61に記憶されているプログラム(ファームウェア)を書き換えるときに使用される。
【0053】
図7は〜図12は、カラオケ装置本体および無線端末装置の動作を示すフローチャートである。
図7(A)は、ペアリング処理動作を示すフローチャートである。ペアリングとは、互いにLAN5に接続される複数台のカラオケ装置7と複数台の無線端末装置9を、それぞれ個別に対応づける動作である。ただし、1台のカラオケ装置7に対して、複数台の無線端末装置9がペアリング処理を行う場合があり、この場合には、1台のカラオケ装置に対して複数台の無線端末装置9が対応づけられる。
【0054】
以下の説明では、1台のカラオケ装置7と1台の無線端末装置9との相互動作について説明するが、1台のカラオケ装置7に複数台の無線端末装置9が対応づけられる場合には、以下の動作が各無線端末装置9ごとに実行される。
【0055】
ペアリング処理は、無線端末装置9を個室に持ち込み、その個室に設置されているカラオケ装置7の子機として使用しようとする場合に、係員によって行われる。
係員が無線端末装置を個室に持ち込み、無線端末装置9の赤外線リモコン信号送信機能を用いて、自己の端末IDをカラオケ装置本体に送信する(s1)。端末IDは、無線端末装置9のROM(フラッシュメモリ)62に記憶されている。カラオケ装置7は、赤外線通信部25でこの端末IDを含むメッセージを受信すると(s10)、この端末IDを有する無線端末装置を検索するために、この端末IDの装置を検索する旨の端末検索メッセージを作成し(s11)、この端末検索メッセージをLAN経由でブロードキャスト送信する(s12)。したがって、この端末検索メッセージは、LAN5上に接続されている(無線アクセスポイント8を介して接続されているものを含む)全ての装置によって読み取られる。
なお、端末検索メッセージには、検索対象である無線端末装置の端末IDとともに、送信元であるカラオケ装置の装置IDも含まれている。
【0056】
ステップS2で端末検索メッセージを受信した各端末装置は、このメッセージが自装置宛のものであるかを判断し(s3)、自装置宛のものでなければ、このメッセージを破棄する。自装置宛のメッセージであれば、すなわち、端末検索メッセージに含まれている端末IDと自己のIDとが一致した場合には、このメッセージは、s1において、赤外線信号を送信した送信先のカラオケ装置からのメッセージであるとして、このメッセージに含まれている装置IDをペアの(親機として対応する)カラオケ装置のIDとして記憶する(s4)。この装置IDは、RAM61に設定されている装置ID記憶エリアに記憶される。
【0057】
そして、この装置IDのカラオケ装置に対して確認メッセージを作成して(s5)、LAN経由で送信する(s6)。対応するカラオケ装置7が、この確認メッセージを受信すると(s13)、この無線端末装置9の端末IDをペアの(子機として対応する)無線端末装置9として記憶するとともに、この無線端末装置9に対する端末管理テーブル(同図(C)参照)を作成する(s14)。
【0058】
以上のペアリング処理によって、カラオケ装置7および無線端末装置9の双方が相手装置を認識してそのIDを記憶することができ、以後LANを介して相互に1対1の通信をすることができる。
【0059】
なお、同図(C)の端末管理テーブルは、ハードディスク11に設定され、端末IDおよびこの無線端末装置9の歌詞表示モードのオン/オフを記憶するテーブルである。
【0060】
歌詞表示表示モードとは、カラオケ装置7でカラオケ曲を演奏しているとき、その歌詞を無線端末装置9のLCDディスプレイ50で表示するモードである。このモードでカラオケ曲を演奏する場合、カラオケ装置7は、楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して無線端末装置9に送信し、無線端末装置9は、カラオケ装置7から曲スタートのトリガやテンポ設定データを受信して、独自のシーケンス動作によって、カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期して歌詞を表示する。
【0061】
同図(B)は、無線端末装置から歌詞表示モードのオン/オフ動作を示すフローチャートである。
ユーザは、LCDディスプレイ50の表示に従い、タッチパネル69を操作することで、歌詞表示モードをオン/オフすることができる。歌詞表示モードのオン/オフ操作があると(s20)、そのとき歌詞表示モードがオフの状態であれば歌詞表示モードのオンメッセージを作成する(s21)。また、そのとき歌詞表示モードがオンの状態であれば歌詞表示モードのオフメッセージを作成する(s21)。そして、この歌詞表示モードのオン/オフメッセージを、対応する(ペアの)カラオケ装置7に対して送信する(s22)。この歌詞表示モードのオン/オフメッセージは、LAN経由で送信される。
【0062】
カラオケ装置7は、無線端末装置9から歌詞表示モードのオン/オフメッセージを受信すると(s23)、この無線端末装置9に対して設定されている端末管理テーブル(同図(C)参照)の歌詞表示モードフラグを反転する(s24)。そして、そのときカラオケ曲が演奏中であるか否かを判断する(s25)。カラオケ曲の演奏中であれば、曲の途中から歌詞表示モードのスタートまたは途中停止の対応する動作を実行する。
【0063】
図8は、無線端末装置9による選曲動作を示すフローチャートである。
無線端末装置9の選曲操作は、LCDパネル50に表示されたモード選択画面で選曲モードを選択するとともに、選曲方法を選択して行う。すなわち、曲番号を直接入力して選曲する方法、50音タッチパネルから曲名または歌手名を入力して選曲する方法等がある。
【0064】
なお、無線端末装置9は、この選曲に用いるために、カラオケ装置7または管理装置6から、「曲番号−曲名−歌手名−歌詞の一部」を対応づけて記憶した選曲テーブルをダウンロードして所持している。
【0065】
上記の操作でカラオケ曲が選曲されると(s30)、そのカラオケ曲の曲番号を含む選曲メッセージを作成して(s31)、対応する(ペアの)カラオケ装置7に対して送信する(s32)。この選曲メッセージの送信は、LAN経由で行われる。
【0066】
カラオケ装置7が、選曲メッセージを受信すると(s33)、この選曲メッセージに含まれている曲番号を読み出して、予約リストに登録する(s34)。
ここで、予約リストとは、無線端末装置9または装置本体のパネルスイッチから入力された曲番号を入力順に記憶しておくリストである。シーケンサ30は、先に入力された曲番号のカラオケ曲から順次演奏する。
【0067】
図9は、カラオケ装置7の曲演奏動作を示すフローチャートである。予約リストの先頭からカラオケ曲の曲番号を読み出し(s40)、この曲番号で識別される楽曲データをハードディスク11から読み出す(s41)。そして、ペアになっている無線端末装置9を管理する端末管理テーブルを参照し、歌詞表示モードがオンになっている無線端末装置9があるか否かを判断する(s42)。歌詞表示オンの無線端末がない場合には通常の演奏処理(不図示)に進む。複数の無線端末装置9がペアになっている場合には、全ての無線端末装置9の端末管理テーブルについて上記判断および以下の処理を行う。
【0068】
歌詞表示モードがオンになっている無線端末装置9がある場合には、これからカラオケ曲の演奏を行う旨を伝える演奏確定メッセージを作成して、その無線端末装置9に対して送信する(s43)。ハードディスク11から読み出した楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して歌詞データとして編集し(s44)、この歌詞データを歌詞表示モードがオンになっている無線端末装置9に対して送信する(s45)。
【0069】
このときの通信手順は、図12の中段に示すようなものである。すなわち、演奏確定メッセージを受信した無線端末装置9は、カラオケ装置7に対して歌詞データ(Telop data)の作成を要求する。こののち、無線端末装置9は、定期的にカラオケ装置7にアクセス(polling)する。カラオケ装置7は、歌詞データの編集を完了するまでこのアクセスを無視するが、歌詞データの編集し終えたのちにアクセスがあると、編集した歌詞データを無線端末装置9に転送する。
【0070】
図9において、カラオケ装置7は、演奏開始の準備が整ったとき、演奏スタートのメッセージを無線端末装置9に送信し(s46)、演奏をスタートする(s47)。
この演奏スタートメッセージが図12のスタートポジションデータ(pos#)に相当する。このスタートポジションデータには、そのスタートポジションにおけるカラオケ曲の演奏テンポ(歌詞テロップの進行テンポ)を制御するためのテンポ制御データが含まれており、無線端末装置9は、このテンポ制御データに基づいて歌詞テロップの表示の進行テンポを制御する。
【0071】
なお、カラオケ装置7がカラオケ曲を演奏している途中に、無線端末装置9の歌詞表示モードがオンされた場合には、カラオケ装置7は、カラオケ曲の演奏を実行しつつ、その無線端末装置9に対してs44,s45の処理を実行する。そして、カラオケ装置7から無線端末装置9に送信されるスタートポジションデータは、そのときの演奏位置を示すデータとなる。
【0072】
演奏動作は、設定されたテンポクロックにしたがって、楽音のトラックをシーケンスするとともに(s48)、歌詞トラックをシーケンスする(s49)動作である。
この演奏動作を曲が終了するまで継続するが(s53)、途中でテンポ変更の指示があった場合には、その指示に応じてテンポ変更の制御をするとともに(s51)、このテンポ変更の指示をテンポ変更メッセージとして編集して無線端末装置に送信する(s52)。
テンポ変更の指示は、楽曲データのテンポ制御トラック(図3(A)参照)に書き込まれているテンポ制御データを読み出したとき、および、ユーザによるテンポ変更操作があったとき行われる。ユーザによるテンポ変更操作は、テンポコントロール(演奏テンポを速くまたは遅く変更する操作)、演奏の早送り/巻き戻し等である。
【0073】
図10は、s48,s49で行われるシーケンス処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、イベントデータ読み出しタイミングを示すタイミングデータが、直前のイベントデータからの時間間隔を表すデュレーションデータである場合の例を示している。
まず、デュレーションカウンタtが0以下であるかを判断する。スタート直後のタイマ割込においてはt=0にリセットされているため、s65からs67に進む。s67ではトラック上の読み出し位置を示すポインタが指し示しているデータを読み出す。読み出したデータがイベントデータであるか(s68)、デュレーションデータであるか(s69)、または、終了データであるか(s70)を判断する。
【0074】
イベントデータの場合には、そのイベントに対応する処理を実行し(s71)、ポインタを歩進して(s72)、s67にもどり、次のデータを読み出す。
イベント対応処理(s71)は、通常は、楽音の発生/消去または歌詞表示データの読み出し等であるが、そのイベントデータの種類および通常の再生をしているか後述の早送り,巻き戻しをしているかにより異なる
読み出したデータがデュレーションデータの場合には(s69)、このデュレーションデータの値をtにセットし(s73)、ポインタを歩進して(s74)、s65にもどる。s65では、tが0以下であるかを判断し、t>0の場合にはtからカウントダウンステップ値csを減算して(s66)リターンする。この動作は、所定時間(たとえば10ms)ごとに実行される。
【0075】
一方、読み出したデータが終了データであった場合には(s70)、オールノートオフ、終了表示などの終了処理を実行したのち(s75)このタイマ割込処理を終了する。
【0076】
図11(A)は、無線端末装置9の歌詞表示モードの動作を示すフローチャートである。カラオケ装置7から演奏確定メッセージを受信すると(s80)、カラオケ装置7に対して歌詞データを要求する(s81)。この要求に応じてカラオケ装置7は楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して歌詞データを作成して無線端末装置9に転送する。無線端末装置9は、この歌詞データを受信して(s82)、RAM62に記憶する。つぎに、カラオケ装置7からスタートメッセージ(pos#)が送信されてくると(s83)、このスタートメッセージに含まれるポジションポジションから、このスタートメッセージに含まれるテンポ制御データで指示されるテンポで歌詞シーケンス処理をスタートする(s84)。曲の先頭から歌詞表示をスタートする場合は、スタートポジションは、曲の先頭である。
【0077】
無線端末装置9の歌詞シーケンスの動作は、図10に示すカラオケ装置のシーケンス動作と同様であり、設定されたテンポクロックにしたがって、歌詞トラックをシーケンスする動作である。
この演奏動作を曲が終了するまで継続するが(s85)、途中でテンポ変更メッセージがカラオケ装置7から送られてきた場合(s86)には、その指示に応じてテンポ変更の制御をする(s87)。
【0078】
なお、無線端末装置9からカラオケ装置7に対して、演奏テンポの変更や早送り,巻き戻しの操作をすることができるが、歌詞表示モードの動作では、無線端末装置9において、この操作があった場合でも、カラオケ装置7からテンポ制御データが送られてくるまで、歌詞テロップの表示シーケンスのテンポを変更しない。これにより、この無線端末装置からの操作によるテンポ変更の処理動作、カラオケ装置7のパネルスイッチの操作によるテンポ変更の処理動作、楽曲データに含まれるテンポ制御データに基づくテンポ変更の処理動作を一元化することができる。
【0079】
また、無線端末装置9は、適宜または定期的にカラオケ装置7に対してポーリング(アクセス)して、そのときのカラオケ曲の演奏位置(歌詞テロップの表示進行状況)を示すポジションデータを受信し、受信したポジションデータに基づいて無線端末装置9における歌詞テロップの表示シーケンスの位置を修正するようにしてもよい。
同図(B)は、その場合の動作を示すフローチャートである。無線端末装置9が、適宜または定期的にカラオケ装置7にアクセスし(s90)、そのときのポジションデータを受信する(s91)。そして、このポジションデータに基づいて歌詞テロップの表示シーケンスを修正する(s92)。
【0080】
図12は、歌詞表示モードにおける無線端末装置9とカラオケ装置7の通信手順説明する図である。
カラオケ装置7がカラオケ曲の演奏を行うとき、カラオケ装置7は無線端末装置9に対して演奏確定メッセージを送信する。この演奏確定のメッセージには曲番号が含まれており、無線端末装置9は、この曲番号で曲名を割り出してLCDディスプレイ50に表示する。無線端末装置は、リクエスト受け付けのために曲番号−曲名対応テーブルを有しているため、曲番号でこのテーブルを検索して曲名を割り出すことができる。
【0081】
演奏確定メッセージを受信した無線端末装置9は、カラオケ装置7に対して歌詞データを作成して転送することを要求する。その後、定期的にカラオケ装置をアクセス(polling)し、歌詞データの転送を要求する。カラオケ装置は楽曲データから歌詞トラックのデータを抽出して歌詞データを編集する作業が完了するまでは、このアクセスを無視するが、歌詞データの編集が完了すると、このアクセスに応じて歌詞データを無線端末装置9に対して転送する。この転送処理は、ファイル転送プロトコル(FTP)に類似の手順で行われる。
【0082】
歌詞データの転送が完了すると、カラオケ装置は、表示開始位置(歌詞データ上の読み出し開始位置)を示すスタートポジションデータ(POS#)を無線端末装置9に通知する。カラオケ曲の演奏中、無線端末装置9は、適宜または定期的にカラオケ装置7をアクセスして、そのときのポジションデータを受信する。
【0083】
また、カラオケ装置は、各種のテンポ変更の指示に応じて、カラオケ曲の演奏テンポを変更するとともに、無線端末装置9に対してテンポ制御メッセージを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】カラオケ店舗の機器配置を説明する図
【図2】各個室に設置されるカラオケ装置のブロック図
【図3】楽曲データの構成を示す図
【図4】楽曲データの歌詞トラックの構成を説明する図
【図5】この発明の実施形態である無線端末装置の外観図
【図6】同無線端末装置のブロック図
【図7】ペアリング処理動作を示すフローチャート
【図8】無線端末装置による選曲動作を示すフローチャート
【図9】カラオケ装置7の曲演奏動作を示すフローチャート
【図10】曲演奏および歌詞表示のシーケンス処理を示すフローチャート
【図11】無線端末装置の歌詞表示モードの動作を示すフローチャート
【図12】歌詞表示モードにおける無線端末装置とカラオケ装置の通信手順説明する図
【符号の説明】
【0085】
5…LAN
7…カラオケ装置
8…無線アクセスポイント
9…無線端末装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と無線LANを介して通信する無線通信手段と、
映像を表示する表示手段と、
前記カラオケ曲の歌詞データを記憶する記憶手段と、
前記無線通信手段を介して、スタートポジションデータ、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信し、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えた無線端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、さらに、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の歌詞データを受信する請求項1に記載の無線端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記カラオケ装置から、新たなテンポ制御データを受信したとき、前記歌詞データを読み出すテンポをこの新たなテンポ制御データが指示するテンポに変更する請求項1または請求項2に記載の無線端末装置。
【請求項4】
前記制御手段は、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正する請求項1、請求項2または請求項3に記載の無線端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記カラオケ装置から、映像データを受信して前記歌詞テロップの背景映像として前記表示手段に出力する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無線端末装置。
【請求項6】
互いに無線で通信するカラオケ装置と無線端末装置とを有するカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
楽音を発生するための楽音データおよび歌詞を表示するための歌詞データを含む楽曲データを記憶する記憶手段と、
指定されたテンポで楽音データを読み出してカラオケ曲の楽音を発生するとともに、前記指定されたテンポで歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示する演奏手段と、
楽曲データから歌詞データを抽出し、この歌詞データを無線端末装置に送信するとともに、演奏スタート時にスタートポジションおよびテンポ制御データを含むスタートメッセージを送信し、テンポが変更になるごとにテンポ制御データを送信する通信制御手段と、
を備え、
前記無線端末装置は、
映像を表示する表示手段と、
前記カラオケ曲の歌詞データ、スタートポジション、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信し、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えた
カラオケシステム。
【請求項7】
前記無線端末装置の制御手段は、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正する請求項6に記載のカラオケシステム。
【請求項1】
カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と無線LANを介して通信する無線通信手段と、
映像を表示する表示手段と、
前記カラオケ曲の歌詞データを記憶する記憶手段と、
前記無線通信手段を介して、スタートポジションデータ、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信し、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えた無線端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、さらに、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の歌詞データを受信する請求項1に記載の無線端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記カラオケ装置から、新たなテンポ制御データを受信したとき、前記歌詞データを読み出すテンポをこの新たなテンポ制御データが指示するテンポに変更する請求項1または請求項2に記載の無線端末装置。
【請求項4】
前記制御手段は、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正する請求項1、請求項2または請求項3に記載の無線端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記カラオケ装置から、映像データを受信して前記歌詞テロップの背景映像として前記表示手段に出力する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無線端末装置。
【請求項6】
互いに無線で通信するカラオケ装置と無線端末装置とを有するカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
楽音を発生するための楽音データおよび歌詞を表示するための歌詞データを含む楽曲データを記憶する記憶手段と、
指定されたテンポで楽音データを読み出してカラオケ曲の楽音を発生するとともに、前記指定されたテンポで歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示する演奏手段と、
楽曲データから歌詞データを抽出し、この歌詞データを無線端末装置に送信するとともに、演奏スタート時にスタートポジションおよびテンポ制御データを含むスタートメッセージを送信し、テンポが変更になるごとにテンポ制御データを送信する通信制御手段と、
を備え、
前記無線端末装置は、
映像を表示する表示手段と、
前記カラオケ曲の歌詞データ、スタートポジション、テンポ制御データを前記カラオケ装置から受信し、前記スタートポジションが指示する位置から前記テンポ制御データが指示するテンポで前記歌詞データを読み出すことにより、前記カラオケ装置によるカラオケ曲の演奏と同期した歌詞テロップを発生し、この歌詞テロップを前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えた
カラオケシステム。
【請求項7】
前記無線端末装置の制御手段は、適宜または定期的に前記カラオケ装置にアクセスして、そのときの演奏ポジションを受信し、この受信した演奏ポジションに基づいて、前記歌詞データの読み出しポジションを修正する請求項6に記載のカラオケシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−235268(P2006−235268A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50226(P2005−50226)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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