説明

無線端末装置及び制御方法

【課題】特別な機器を必要とせずに、受信するコンテンツデータを登録できる無線端末装置を提供する。
【解決手段】通信エリア内で基地局から配信されるコンテンツデータを受信可能な携帯電話機は、基地局から報知されている第1の報知情報に含まれるコンテンツデータの配信の有無に関する情報を取得して、コンテンツデータの配信の有無を判断するコンテンツデータ判断部42と、コンテンツデータ判断部42によりコンテンツデータの配信が有ると判断された場合、基地局から報知されている第2の報知情報に含まれるコンテンツデータを識別可能な識別情報を取得する取得部43と、識別情報により識別されるコンテンツデータを受信する受信部45と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局から配信される情報を受信する無線端末装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の無線端末装置は、例えば、音声通話が可能なCDMA2000_1x方式や、データ通信専用のCDMA2000_1x_EVDO(Evolution Data Only、あるいはEvolution Data Optimized)方式等、複数の通信システムに対応している。
【0003】
また、CDMA2000_1x_EVDO方式においては、BCMCS(Broad−Cast Multi−Cast Service)と呼ばれる同報送信のサービスが提供されている。BCMCSでは、CDMA2000_1x_EVDOの通信エリア内の無線端末装置に向けて、コンテンツデータが一斉配信される。このため、無線端末装置は、受信したいコンテンツデータの識別データや配信時刻の情報を予め登録しておく必要がある。そして、無線端末装置は、登録したコンテンツデータの配信時刻になると、配信エリア内で周期的に送信されている報知情報を受信し、登録したコンテンツデータが配信されていることを確認すると、コンテンツデータの受信を開始する。
【0004】
特許文献1では、受信するコンテンツデータを無線端末装置に登録する操作を省いて、コンテンツデータを受信可能な無線端末装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−206858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、無線端末装置を携帯したユーザがイベント会場に入退場したり、無線端末装置を用いて代金の支払いをしたりすることを契機として、無線端末装置に内臓されたRFID等の機器により、受信するコンテンツデータを登録している。このため、無線端末装置が特定のコンテンツデータを受信するには、無線端末装置の内部に受信機器を、無線端末装置の外部に送信機器を、新たに設けなければならなかった。
【0007】
本発明は、特別な機器を必要とせずに、受信するコンテンツデータを登録できる無線端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る無線端末装置は、通信エリア内で基地局から配信されるコンテンツデータを受信可能な無線端末装置であって、前記基地局から報知されている第1の報知情報に含まれる前記コンテンツデータの配信の有無に関する情報を取得して、前記コンテンツデータの配信の有無を判断するコンテンツデータ判断部と、前記コンテンツデータ判断部により前記コンテンツデータの配信が有ると判断された場合、前記基地局から報知されている第2の報知情報に含まれる前記コンテンツデータを識別可能な識別情報を取得する取得部と、前記識別情報により識別される前記コンテンツデータを受信する受信部と、を備える。
【0009】
また、無線端末装置は、前記基地局への位置登録時に取得する基地局情報から、前記基地局が特定の基地局であるか否かを判定する判定部を備え、前記コンテンツデータ判断部は、前記基地局が特定の基地局であると判定された場合に、前記コンテンツデータの配信の有無を判断することが好ましい。
【0010】
前記特定の基地局は、広域セルよりも狭い狭域セルを形成する基地局であることが好ましい。
【0011】
前記第2の報知情報は、前記コンテンツデータの配信時刻を含み、前記取得部は、前記配信時刻をさらに取得し、前記受信部は、前記配信時刻に前記コンテンツデータを受信することが好ましい。
【0012】
第1の通信モードと、前記第2の報知情報を受信可能な第2の通信モードとを切り替える通信モード切替部を備え、前記通信モード切替部は、前記取得部が前記配信時刻を取得した時刻から前記配信時刻までに所定の時間がある場合に、前記第1の通信モードに切り替えた後、前記配信時刻の到来を検出したことに応じて通信モードを前記第2の通信モードに切り替えることが好ましい。
【0013】
前記識別情報は、前記コンテンツデータの種別を示す種別データを含み、前記種別データに基づいて前記コンテンツデータの受信の要否を決定する受信要否判断部を備えることが好ましい。
【0014】
前記コンテンツデータの配信は、CDMA2000_1x_EVDOにおけるBCMCSにより提供され、前記コンテンツデータの配信の有無に関する情報は、前記第1の報知情報であるQuickConfig Messageに設定されるフラグであり、前記識別情報は、前記第2の報知情報であるBroadcast Overhead Messageに含まれるフローIDであることが好ましい。
【0015】
本発明に係る制御方法は、通信エリア内で基地局から配信されるコンテンツデータを受信する無線端末装置の制御方法であって、前記基地局から報知されている第1の報知情報に含まれる前記コンテンツデータの配信の有無に関する情報を取得して、前記コンテンツデータの配信の有無を判断するコンテンツデータ判断ステップと、前記コンテンツデータ判断ステップにおいて前記コンテンツデータの配信が有ると判断された場合、前記基地局から報知されている第2の報知情報に含まれる前記コンテンツデータを識別可能な識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記識別情報により識別される前記コンテンツデータを受信する受信ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、無線端末装置は、特別な機器を必要とせずに、受信するコンテンツデータを登録できる無線端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯電話機における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】図3に示すシーケンス図に続く処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態では、無線端末装置の一例として、携帯電話機1を説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、操作部側表面部10に、操作部11と、携帯電話機1の使用者が通話時や音声認識アプリケーションを利用時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0020】
また、表示部側筐体3は、表示部側表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。
【0021】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(閉状態)にしたりできる。
【0022】
携帯電話機1は、広域セル(マクロセル)及び狭域セル(フェムトセル)を構成する基地局と通信可能な携帯電話機1である。携帯電話機1は、所定以上の電界強度が得られる基地局に対して時間的、符号的な同期を行った上で、自端末の位置登録を行い、基地局は、位置登録が行われた携帯電話機1を通信対象とする。携帯電話機1は、基地局が通信エリア内で配信するコンテンツデータを受信する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を示すブロック図である。携帯電話機1は、操作部11と、表示部21と、制御部30と、通信部60と、メインアンテナ61と、サブアンテナ62と、記憶部70と、音声制御部80と、を備える。
【0024】
制御部30は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、表示部21、通信部60、音声制御部80等に対して所定の制御を行う。また、制御部30は、操作部11等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、制御部30は、処理実行の際には、記憶部70を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。なお、本実施形態に係る制御部30の詳細機能は後述する。
【0025】
通信部60は、所定の使用周波数帯(例えば、2GHz帯や800MHz帯等)で基地局と通信を行う。通信部60は、メインアンテナ61より受信した信号を復調処理し、又はサブアンテナ62より受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部30に供給する。また、通信部60は、制御部30から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61を介して基地局に送信する。
【0026】
ここで、通信部60は、データ通信専用の通信プロトコルであるCDMA2000_1x_EVDOと、音声通話を提供する音声通信プロトコルであるCDMA2000_1xと、の双方に対応している。通信部60は、制御部30からの指令に基づいて、一方又は双方の通信プロトコルにより通信を行う。本実施形態では、コンテンツデータの配信は、CDMA2000_1x_EVDOにおけるBCMCSにより提供される。通信部60は、CDMA2000_1x_EVDOにより、BCMCSの配信データ(コンテンツデータ)を受信する。
【0027】
通信部60は、CC(コントロールチャネル)間欠受信モード(第1の通信モード)では、メインアンテナ61及びサブアンテナ62の通信プロトコルを所定周期でCDMA2000_1x_EVDOからCDMA2000_1xに切り替えてCDMA2000_1xの着信を監視する。なお、CDMA2000_1x_EVDOに切り替えられた状態では、通信部60は、間欠的に、基地局から報知される基地局情報の受信も行う。また、通信部60は、Dual Slotted Mode(第2の通信モード)では、メインアンテナ61でQuickConfig Message等の基地局から報知される基地局情報の受信タイミングと、Broadcast Overhead Message(第2の報知情報)の受信タイミングとの2つのタイミング(スロット)で、コントロールチャネルを監視する。Dual Slotted Modeでは、通信部60は、Broadcast Overhead Messageを受信することが可能である。また、通信部60は、CC連続受信モード(第3の通信モード)では、コントロールチャネルのすべてを受信する。通信部60は、コントロールチャネルで配信されるBCMCSのコンテンツデータをCC連続受信モードで受信する。なお、コンテンツデータ受信中は、CDMA2000_1xによる着信監視は、サブアンテナ62にて行う。
【0028】
記憶部70は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部30による演算処理に利用される。また、記憶部70は、BCMCSで受信するコンテンツデータに関する情報を記憶する。具体的には、記憶部70は、後述する識別情報及び配信時刻を記憶する。また、記憶部70は、予めユーザの好むコンテンツデータの種類に応じたコンテンツデータの種別データを記憶してもよい。
【0029】
音声制御部80は、制御部30の制御に従って、通信部60から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22に出力する。レシーバ22は、音声制御部80から供給された信号を外部に出力する。なお、この信号は、レシーバ22に代えて、又はレシーバ22とともに、スピーカ(図示せず)から出力されるとしてもよい。
【0030】
また、音声制御部80は、制御部30の制御に従って、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号を通信部60に出力する。通信部60は、音声制御部80から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号を出力する。
【0031】
次に制御部30の機能を詳述する。制御部30は、プロトコル部40及びアプリケーション部50を備える。プロトコル部40は、判定部41と、コンテンツデータ判断部42と、取得部43と、通信モード切替部44と、受信部45と、を備え、通信部60を介して基地局と通信する。アプリケーション部50は、受信要否判断部51を備える。アプリケーション部50は、プロトコル部40から得たBCMCSのコンテンツデータに関する情報を記憶部70に記憶させることによりコンテンツデータを登録し、必要に応じてコンテンツデータの受信の開始をプロトコル部40に指示する。
【0032】
判定部41は、いずれかの基地局に対して位置登録する際に取得される基地局情報により、この基地局が特定の基地局であるか否かを判定する。本実施形態では、特定の基地局とは、マクロセルよりも狭いフェムトセルを形成する基地局である。基地局情報は、Sync Channel Messageに含まれるSID(System ID)及びNID(Network ID)である。判定部41は、これらのIDにより、位置登録先がフェムトセルであるか否かを判定する。
【0033】
コンテンツデータ判断部42は、携帯電話機1が位置登録した基地局がフェムトセルであると判定された場合に、フェムトセルの通信エリアのみを対象とした独自のBCMCSのコンテンツデータの配信があるか否かを判断する。具体的には、コンテンツデータ判断部42は、フェムトセルから報知されている基地局情報から、QuickConfig Message(第1の報知情報)を取得する。QuickConfig Messageは、フェムトセルの通信エリアに関する情報を常に報知している報知情報である。QuickConfig Messageには、フェムトセルの通信エリアのみを対象とした独自のBCMCSのコンテンツデータの配信があるか否かを示すフラグが設定されている。コンテンツデータ判断部42は、このフラグに基づいて、携帯電話機1が待ち受けている通信エリアで独自のBCMCSのコンテンツデータの配信があるか否かを判断する。なお、このフラグは、QuickConfig Message内のフィールドのうち、3GPP2で特定の用途が規定されていないフィールドに設定される。
【0034】
取得部43は、フェムトセルから報知されているBroadcast Overhead Messageに含まれる識別情報を取得する。識別情報は、フロー(Flow)IDと呼ばれるコンテンツデータを識別する情報である。フローIDは、飲食、ファッション、娯楽等のコンテンツデータの種別を示す種別データを含んでいてもよい。ここで、Broadcast Overhead Messageとは、BCMCSで配信される可能性のあるコンテンツデータの情報を報知する報知情報である。Broadcast Overhead Messageは、フローID及びコンテンツデータの配信時刻を含んでいる。取得部43は、フローID及びコンテンツデータの配信時刻を取得する。
【0035】
通信モード切替部44は、通信部60を制御して、通信プロトコルをCC間欠受信モード、Dual Slotted Mode又はCC連続受信モードに切り替える。通信モード切替部44は、取得部43がコンテンツデータの配信時刻を取得した時刻から、コンテンツデータの配信時刻までに所定の時間がある場合に、CC間欠受信モードに切り替える。そして、通信モード切替部44は、配信時刻の到来を検出したことに応じて、通信モードをDual Slotted Modeに切り替え、Broadcast Overhead Messageを受信した後、CC連続受信モードに切り替える。また、通信モード切替部44は、携帯電話機1が通常の着信待ち受けを行う場合、通信プロトコルをCC間欠受信モードに切り替える。
【0036】
受信部45は、コンテンツデータの配信時刻になると、アプリケーション部50の指示に従って、フローIDにより識別されたコンテンツデータを受信する。
【0037】
受信要否判断部51は、記憶部70にユーザの好むコンテンツデータの種別データが記憶されていた場合、この種別データに基づいてコンテンツデータを受信するか否かを決定する。具体的には、受信要否判断部51は、記憶部70に記憶されていた種別データと、プロトコル部40から通知されたフローIDに含まれる種別データとを照合する。記憶部70に記憶されていた種別データとフローIDに含まれる種別データとが一致する場合、受信要否判断部51は、コンテンツデータを受信すると決定する。
【0038】
図3及び4は、本実施形態に係る携帯電話機1におけるコンテンツデータの受信処理の流れを示すシーケンス図である。
【0039】
ステップS1では、プロトコル部40は、位置登録した基地局から基地局情報を取得する。
【0040】
ステップS2では、判定部41は、ステップS1で取得した基地局情報に基づいて、携帯電話機1の位置登録先がフェムトセルであるか否かを判定する。判定部41は、フェムトセルであると判定した場合(YES)に、処理をステップS3に移し、フェムトセルでない(NO)と判定した場合、通常の着信待ち受けに移行する。
【0041】
ステップS3では、プロトコル部40は、フェムトセルが配信しているQuickConfig Messageを受信し、QuickConfig Messageに含まれるコンテンツデータの配信の有無を示すフラグを取得する。
【0042】
ステップS4では、コンテンツデータ判断部42は、ステップS3で取得したフラグを参照し、フェムトセル独自のコンテンツデータの配信があるか否かを判断する。コンテンツデータ判断部42は、フェムトセル独自のコンテンツデータの配信がある(YES)と判断した場合、処理をステップS5に移し、フェムトセル独自のコンテンツデータの配信がない(NO)と判断した場合、通常の着信待ち受けに移行する。
【0043】
ステップS5では、通信モード切替部44は、BCMCSのBroadcast Overhead Messageを受信するために、通信部60を制御して、通信プロトコルをCC間欠受信モードからDual Slotted Modeへ切り替える。
【0044】
ステップS6では、取得部43は、フェムトセルから、Broadcast Overhead Messageを受信し、Broadcast Overhead Messageに含まれるフローID及び対応するコンテンツデータの配信時刻を取得する。
【0045】
ステップS7では、プロトコル部40は、ステップS6で取得したフローID及び配信時刻をアプリケーション部50に通知する。
【0046】
ステップS8では、受信要否判断部51は、記憶部70にユーザの好むコンテンツデータの種別データが記憶されていた場合、記憶されていた種別データとフローIDに含まれる種別データとを照合し、一致するか否かを判定する。記憶部70に記憶されていた種別データとフローIDに含まれる種別データとが一致する(YES)場合、受信要否判断部51は、コンテンツデータを受信することを決定し、処理をステップS9に移行させる。一方、記憶部70に記憶されていた種別データとフローIDに含まれる種別データとが一致しない(NO)場合、受信要否判断部51は、コンテンツデータを受信しないことを決定し、通常の着信待ち受けに移行する。
【0047】
ステップS9では、アプリケーション部50は、ステップS8で受信すると決定されたコンテンツデータを登録する。具体的には、アプリケーション部50は、受信すると決定されたコンテンツデータのフローID及び配信時刻を記憶部70に記憶させる。
【0048】
ステップS10では、通信モード切替部44は、ステップS6で取得部43がコンテンツデータの配信時刻を取得した時刻から所定の時間が経過すると、通信モードをCC間欠受信モードに切り替える。
【0049】
ステップS11では、アプリケーション部50は、ステップS9で記憶部70に記憶された配信時刻が近づくと、受信するコンテンツデータのフローIDをプロトコル部40に送信し、コンテンツデータの受信を開始するよう指示する。
【0050】
ステップS12では、通信モード切替部44は、通信モードをDual Slotted Modeに切り替える。ここで、通信モード切替部44は、ステップS10により前にステップS11の指示を受けた場合、CC間欠受信モードを経ることなくDual Slotted Modeを継続することとなる。つまり、配信時刻を取得してから配信時刻までに所定以上の時間がある場合、一旦CC間欠受信モードに切り替わった後、配信時刻になるとDual Slotted Modeに切り替わる。
【0051】
ステップS13では、プロトコル部40は、フェムトセルから配信されているBroad Cast Overhead Messageを受信する。
【0052】
ステップS14では、プロトコル部40は、フローIDで識別されるコンテンツデータの実際の配信があるか否かを確認する。コンテンツデータの配信の有無は、ステップS6で取得部43がフローIDを取得した時刻から、時間の経過とともに変化している場合がある。例えば、コンテンツデータがショッピングセンタに設置されているフェムトセルで配信されるタイムセールの情報であった場合、何らかの事情によりタイムセールの時間が変更される場合が考えられる。このため、プロトコル部40は、ステップS13で受信したBroad Cast Overhead MessageのフローIDを確認し、受信開始の指示を受けたコンテンツデータが実際に配信されることとなっているか否かを判断する。プロトコル部40は、受信開始の指示を受けたコンテンツデータの実際の配信がある(YES)と判断した場合、処理をステップS15に移し、受信開始の指示を受けたコンテンツデータの実際の配信がない(NO)と判断した場合、処理をステップS17に移行させる。
【0053】
ステップS15では、通信モード切替部44は、通信モードをDual Slotted ModeからCC連続受信モードに切り替える。
【0054】
ステップS16では、プロトコル部40は、フェムトセルからコンテンツデータの受信を開始する。また、プロトコル部40は、受信したコンテンツデータをアプリケーション部50に送信する。
【0055】
ステップS17では、プロトコル部40は、コンテンツデータの受信を行わずに終了することをアプリケーション部50に通知する。
【0056】
ステップS18では、アプリケーション部50は、コンテンツデータの受信を終了したか否かを判断する。アプリケーション部50は、コンテンツデータの受信を終了した(YES)と判断した場合、処理をステップS19に移し、コンテンツデータの受信を終了していない(NO)と判断した場合、コンテンツデータの受信を継続する。
【0057】
ステップS19では、アプリケーション部50は、プロトコル部40に対してコンテンツデータの受信を終了するよう指示する。
【0058】
ステップS20では、プロトコル部40は、CC連続受信モードを終了し、通信モード切替部44により、通信モードをCC連続受信モードからCC間欠受信モードに切り替える。
【0059】
ステップS21では、アプリケーション部50は、コンテンツデータの受信を完了する。受信されたコンテンツデータは記憶部70に記憶される。ユーザは、アプリケーション部50を介して記憶部70に記憶されたコンテンツデータを閲覧することが可能となる。
【0060】
本実施形態によれば、携帯電話機1は、基地局から報知されているQuickConfig Messageに含まれている情報により、基地局独自で配信されるコンテンツデータの配信の有無を判断する。そして、携帯電話機1は、Broadcast Overhead Messageに含まれているコンテンツデータの識別情報を取得して、この識別情報により識別されるコンテンツデータを受信する。このため、ユーザが受信するコンテンツデータを携帯電話機1に登録したり、携帯電話機1にコンテンツデータの登録を行う機器を設けることなく、自動的に基地局独自で配信されるコンテンツデータを受信することができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、基地局がフェムトセルであることを判定した場合に、基地局独自のコンテンツデータの配信の有無を判断して受信する。このため、マクロセルよりも狭いフェムトセルの通信エリア内で配信される独自の情報を受信することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、コンテンツデータの配信時刻を取得する。携帯電話機1は、コンテンツデータの配信時刻が到来しない間は、CC間欠受信モードでフェムトセルと通信し、配信時刻の到来を検出したことに応じて通信モードをDual Slotted Modeに切り替える。Dual Slotted Modeの方が、消費電力が高いので、コンテンツデータの配信時刻に応じて通信モードを切り替えることにより、電力の消費を節約することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、予めユーザの好むコンテンツデータの種別データを登録してある場合には、登録した種別データとフェムトセルから取得する識別情報に含まれる種別データとを照合し、一致する場合にコンテンツデータを受信する。このため、携帯電話機1は、ユーザの要求する情報のみを選択的に受信することができる。
【0064】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。また、前述の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、前述のものに限定されない。
【0065】
例えば、取得部43でコンテンツデータの配信時刻を取得した時刻から、配信時刻までの時間が所定時間内であるか否かをプロトコル部40又はアプリケーション部50において判断し、Dual Slotted ModeからCC間欠受信モードへの切り替えの要否を判断してもよい。この場合、プロトコル部40は、ステップS10で所定時間待機することなく、切り替えを要すると判断後、即座に通信モードを切り替えて消費電力を低減できる。
【0066】
また、前述の実施形態では、図4のステップS15において、CC連続受信モードに切り替え、コントロールチャネルで配信されているコンテンツデータを受信したが、これには限られない。例えば、コンテンツデータを受信するチャネルがBroadcast Overhead Messageで指定された場合、携帯電話機1は、指定されたチャネルからコンテンツデータを受信するように設定してもよい。
【0067】
また、前述の実施形態において、無線端末装置として携帯電話機1について説明しているが、無線端末装置はこれに限定されず、本発明は、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、ナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ等の様々な携帯通信端末に適用可能である。
【0068】
また、前述の実施形態において、携帯電話機1は、ヒンジ機構4により折り畳み可能な型式としたが、これには限られない。携帯電話機1は、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが1つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、携帯電話機1は、開閉及び回転可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0069】
また、前述の実施形態のBCMCSは、CDMA2000_1x方式における例に過ぎず、3GPP準拠の近似するセル内におけるブロードキャストサービスであってもよい。例えば、LTEにおいては、e−MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 携帯電話機(無線端末装置)
41 判定部
42 コンテンツデータ判断部
43 取得部
44 通信モード切替部
45 受信部
51 受信要否判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信エリア内で基地局から配信されるコンテンツデータを受信可能な無線端末装置であって、
前記基地局から報知されている第1の報知情報に含まれる前記コンテンツデータの配信の有無に関する情報を取得して、前記コンテンツデータの配信の有無を判断するコンテンツデータ判断部と、
前記コンテンツデータ判断部により前記コンテンツデータの配信が有ると判断された場合、前記基地局から報知されている第2の報知情報に含まれる前記コンテンツデータを識別可能な識別情報を取得する取得部と、
前記識別情報により識別される前記コンテンツデータを受信する受信部と、を備える無線端末装置。
【請求項2】
前記基地局への位置登録時に取得する基地局情報から、前記基地局が特定の基地局であるか否かを判定する判定部を備え、
前記コンテンツデータ判断部は、前記基地局が特定の基地局であると判定された場合に、前記コンテンツデータの配信の有無を判断する請求項1に記載の無線端末装置。
【請求項3】
前記特定の基地局は、広域セルよりも狭い狭域セルを形成する基地局である請求項2に記載の無線端末装置。
【請求項4】
前記第2の報知情報は、前記コンテンツデータの配信時刻を含み、
前記取得部は、前記配信時刻をさらに取得し、
前記受信部は、前記配信時刻に前記コンテンツデータを受信する請求項1から3のいずれか1項に記載の無線端末装置。
【請求項5】
第1の通信モードと、前記第2の報知情報を受信可能な第2の通信モードとを切り替える通信モード切替部を備え、
前記通信モード切替部は、前記取得部が前記配信時刻を取得した時刻から前記配信時刻までに所定の時間がある場合に、前記第1の通信モードに切り替えた後、前記配信時刻の到来を検出したことに応じて通信モードを前記第2の通信モードに切り替える請求項4に記載の無線端末装置。
【請求項6】
前記識別情報は、前記コンテンツデータの種別を示す種別データを含み、
前記種別データに基づいて前記コンテンツデータの受信の要否を決定する受信要否判断部を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の無線端末装置。
【請求項7】
前記コンテンツデータの配信は、CDMA2000_1x_EVDOにおけるBCMCSにより提供され、
前記コンテンツデータの配信の有無に関する情報は、前記第1の報知情報であるQuickConfig Messageに設定されるフラグであり、
前記識別情報は、前記第2の報知情報であるBroadcast Overhead Messageに含まれるフローIDである請求項1から6のいずれか1項に記載の無線端末装置。
【請求項8】
通信エリア内で基地局から配信されるコンテンツデータを受信する無線端末装置の制御方法であって、
前記基地局から報知されている第1の報知情報に含まれる前記コンテンツデータの配信の有無に関する情報を取得して、前記コンテンツデータの配信の有無を判断するコンテンツデータ判断ステップと、
前記コンテンツデータ判断ステップにおいて前記コンテンツデータの配信が有ると判断された場合、前記基地局から報知されている第2の報知情報に含まれる前記コンテンツデータを識別可能な識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報により識別される前記コンテンツデータを受信する受信ステップと、を有する制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−205127(P2012−205127A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68562(P2011−68562)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】