説明

無線装置

【課題】バッテリをさらに効率的に使用するための技術を提供する。
【解決手段】端末装置12は、バッテリ40によって駆動される。通信部36は、可変の通信速度にて通信を実行する。第1取得部46は、通信部36における通信の状況を取得する。第2取得部48は、バッテリ40の残量を取得する。決定部44は、第2取得部48において取得したバッテリの残量と、第1取得部46において取得した通信の状況をもとに、通信部36に通信を実行させるか否かを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、特にバッテリによって動作される無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線装置がバッテリ駆動である場合、電源エネルギーが有限であるので使用時間が制約される。そのため、バッテリには、長期間の駆動が望まれる。バッテリの長期間を実現するために、バッテリの大容量化がひとつの解決手段である。しかしながら、無線装置の可搬性を向上させるためには、無線装置の軽量化、つまりバッテリの小容量化が望まれる。長期間の駆動と可搬性の向上という相反する要求を満たすためには、バッテリの効率的な利用が必要とされる。これに対応するために、例えば、通信に要する期間が、バッテリ残量に応じた期間よりも短い場合にのみ、通信が実行される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−79889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリを効率的に使用するためには、バッテリの残量を考慮した制御が有効である。また、無線通信では、一般的に、フェージングや距離減衰の影響を受けるので、無線伝搬環境に応じて、通信の状況が大きく異なる。例えば、無線伝搬環境が悪化すると、誤り率が増加して、通信速度が低くなり、無線伝搬環境が良好になると、誤り率が低下して、通信速度が高くなる。さらに、無線伝搬環境に応じて変調方式や符号化率を制御する場合、つまりリンクアダプテーションが実行される場合、無線伝搬環境が良好なときと悪化したときとの間において、通信速度の差異が大きくなる。送信すべきデータの量が同一である場合、通信速度が高いときにデータを送信した方が、通信速度が低いときにデータを送信するよりも、短期間に送信を完了する。その結果、前者の方が、消費電力が低下する傾向になり、バッテリが効率的に使用される。そのため、バッテリを効率的に使用するためには、通信の状況も考慮すべきである。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリをさらに効率的に使用するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、バッテリ駆動の無線装置であって、可変の通信速度にて通信を実行する通信部と、通信部における通信の状況を取得する第1取得部と、バッテリの残量を取得する第2取得部と、第2取得部において取得したバッテリの残量と、第1取得部において取得した通信の状況をもとに、通信部に通信を実行させるか否かを決定する決定部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バッテリをさらに効率的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1の端末装置の構成を示す図である。
【図3】図2の決定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。
【図4】図2の端末装置における通信手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の変形例に係る決定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、撮像装置に接続された端末装置と、サーバ装置に接続された基地局装置とによって構成される通信システムに関する。撮像装置および端末装置は、共通のバッテリにて駆動し、端末装置および基地局装置は、リンクアダプテーションを実行する。端末装置は、撮像装置によって新たに撮像された画像データの存在を自動的に検出し、基地局装置を介して、画像データをサーバ装置へ送信する。サーバ装置は、画像データを記憶する。このような処理によって、サーバ装置は、撮像装置のバックアップ装置として機能する。
【0011】
撮像装置および端末装置は、バッテリ駆動であるので、動作時間が制限される。バッテリ残量がある程度少なくなった場合に、端末装置が低い通信速度にて画像データを送信すれば、バッテリが無駄に消費されてしまうので、バッテリの有効利用の点から望ましくない。一方、バッテリ残量がある程度少なくなった場合であっても、端末装置が高い通信速度にて画像データを送信すれば、バッテリの消費が抑制されるので、バッテリの有効利用の点および画像データの保護の点から望ましい。これらに対して、実施例に係る通信システムは、次の処理を実行する。
【0012】
端末装置は、バッテリ残量を監視するとともに通信の状況を監視する。通信の状況とは、例えば、リンクアダプテーションによって制御される通信速度であり、変調方式と符号化率の組合せである。端末装置は、撮像装置によって新たに撮像された画像データの存在を検出すると、第1段階として、バッテリ残量を取得する。バッテリ残量がある程度多ければ、バッテリの有効利用よりも画像データの保護が重要になってくるので、端末装置は、通信速度に関係なく、画像データを送信する。一方、バッテリ残量が少なくなってくれば、バッテリの有効利用も重要になってくるので、端末装置は、第2段階として、通信速度を取得する。通信速度が高ければ、バッテリの有効利用と画像データの保護とを両立可能であるので、端末装置は、画像データを送信する。通信速度が低ければ、バッテリの有効利用のために、画像データを送信しない。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、撮像装置10、端末装置12、基地局装置14、ネットワーク16、サーバ装置18を含む。
【0014】
撮像装置10は、デジタルカメラのように、静止画像や動画像(以下、「画像」という)を撮像する装置である。以下では、撮像した画像そのもの、あるいは画像のデジタルデータを区別せずに「画像データ」という。撮像装置10は、撮像した画像データを内部の記憶媒体に記憶するとともに、画像データを端末装置12へ出力する。端末装置12は、一端において撮像装置10に接続され、撮像装置10によって撮像された画像データを取得する。また、端末装置12は、他端において基地局装置14に接続される。基地局装置14との接続には、無線通信が実行され、以下では、無線通信として、無線LAN(Local Area Network)を説明の対象にする。撮像装置10は、取得した画像データを基地局装置14へ送信する。なお、画像データの宛先は、後述のサーバ装置18に設定される。ここで、撮像装置10と端末装置12とは、共通のバッテリにて駆動される。また、撮像装置10とは端末装置12とは、一体的に構成されてもよく、別々に構成されてもよいが、ここでは、撮像機能ではなく、通信機能を中心に説明するために、両者が別々に構成されているとして説明する。
【0015】
基地局装置14は、一端に無線通信にて端末装置12を接続し、他端に有線通信にてネットワーク16を接続する。基地局装置14は、例えば、無線LANのAP(Access Point)に対応する。基地局装置14と端末装置12とは、リンクアダプテーションを実行する。リンクアダプテーションとして公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。また、基地局装置14は、端末装置12とネットワーク16との間の通信を中継する。ネットワーク16は、例えばIP(Internet Protocol)に対応する。ネットワーク16は、基地局装置14を接続するとともに、サーバ装置18を接続する。
【0016】
サーバ装置18は、ネットワーク16に接続され、ネットワーク16を介して基地局装置14や端末装置12と通信する。サーバ装置18は、このような通信機能を有するとともに、画像データを記憶するための記憶機能を有する。そのため、サーバ装置18は、ネットワーク16、基地局装置14を介して、端末装置12からの画像データを受信し、画像データを記憶する。つまり、前述のごとく、サーバ装置18は、撮像装置10のバックアップ装置として動作する。なお、端末装置12を認証するための認証機能、画像データを暗号化するための暗号化機能、記憶した画像データを図示しない他の通信装置へ公開する公開機能等がサーバ装置18に備えられていてもよいが、説明を明瞭にするために、ここではこれらの説明を省略する。
【0017】
撮像装置10および端末装置12は、バッテリ駆動であるので、画像データを基地局装置14へ常時送信しない。画像データの送信は、バッテリの有効利用と、画像データの保護の点を考慮して、端末装置12において決定される。決定の手順については、後述する。
【0018】
図2は、端末装置12の構成を示す。端末装置12は、入力部30、記憶部32、生成部34、通信部36、制御部38、バッテリ40、アンテナ50を含む。また、制御部38は、管理部42、決定部44、第1取得部46、第2取得部48を含む。
【0019】
入力部30は、図示しない撮像装置10に接続され、撮像装置10からの画像データを入力する。画像データは、撮像がなされたタイミングで入力されてもよく、定期的に入力されてもよい。あるいは、ある程度のデータ量の画像データが撮像されたときに、それらの画像データがまとめて入力されてもよい。入力部30は、入力した画像データを記憶部32へ出力する。記憶部32は、入力部30からの画像データを受けつける。記憶部32は、画像データを記憶するための記憶媒体である。
【0020】
管理部42は、記憶部32に新たな画像データが記憶されたか否かを監視する。管理部42は、新たな画像データの記憶を検出した場合に、当該画像データを抽出して、生成部34へ出力する。また、管理部42は、以上の処理を実行したタイミングを決定部44へ通知する。このような動作は、例えば、アプリケーションプログラムによって実現される。そのため、図示しない撮像装置10が画像データを生成すると、端末装置12は、以下の処理を自動的に実行する。また、管理部42は、新たな画像データの記憶を検出すると、直ちにこれを生成部34へ出力してもよいし、新たな画像データの容量がしきい値以上になった場合に、これらを生成部34へ出力してもよい。
【0021】
生成部34は、管理部42からの指示をもとに、記憶部32からの画像データを受けつける。生成部34は、画像データをパケット信号に格納する。なお、パケット信号に格納可能なデータ量よりも、画像データの容量が多い場合、生成部34は、画像データを複数に分割し、これらを複数のパケット信号に格納する。パケット信号のフォーマットは、無線LANの規格に準拠すればよいので、ここでは説明を省略する。なお、パケット信号の宛先は、前述のごとく、図示しないサーバ装置18に設定される。生成部34は、生成したパケット信号を通信部36へ出力する。
【0022】
通信部36は、生成部34からのパケット信号を受けつける。通信部36は、アンテナ50から、パケット信号を送信する。前述のごとく、リンクアダプテーションが実行されるので、通信部36は、無線伝搬環境に応じて、変調方式および符号化率を設定することによって、可変の通信速度にて通信を実行する。リンクアダプテーションとして公知の技術が使用されればよいので、変調方式および符号化率の設定方法についての説明は省略するが、無線伝搬環境が良好になるほど、高い通信速度を実現可能な変調方式および符号化率が設定される。さらに、通信部36は、送信機能だけではなく、受信機能も有するが、ここでは説明を省略する。
【0023】
第1取得部46は、通信部36における通信の状況を逐次取得する。ここでは、通信の状況として、通信部36において設定された変調方式および符号化率を取得する。変調方式として、例えば、64QAM、16QAM、QPSK、BPSK等が取得され、符号化率として、例えば、畳み込み符号化の1/2、2/3、3/4等が取得される。第1取得部46は、取得した変調方式と符号化率との組合せを決定部44へ出力する。
【0024】
バッテリ40は、端末装置12や図示しない撮像装置10を駆動させるための電源である。バッテリ40として、例えば、リチウムイオンバッテリが使用される。第2取得部48は、バッテリ40に接続され、バッテリ40の残量を逐次取得する。バッテリ40の残量は、任意の単位で示されればよいが、ここでは「%」として示されるものとする。例えば、バッテリ40が満タンに充電されている状態が「100%」として示され、バッテリ40が空の状態が「0%」として示される。第2取得部48は、残量を決定部44へ出力する。
【0025】
決定部44は、第1取得部46から、変調方式と符号化率との組合せを受けつけるとともに、第2取得部48から、残量を受けつける。決定部44は、管理部42からの通知を受けつけると、残量と組合せとをもとに、通信部36に通信を実行させるか否かを決定する。このような決定は、2段階の処理によってなされる。1段階目は残量としきい値との比較であり、2段階目は、組合せによって実現される通信速度としきい値との比較である。ここでは、このような処理をさらに詳細に説明する。
【0026】
図3は、決定部44において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。テーブルは、残量欄200、通信速度欄202を含む。残量欄200は、バッテリ40の残量に対するしきい値を示す。図示のごとく、しきい値は、「75%」、「50%」、「25%」、「10%」、「その他」と示され、それぞれは、「75%より多い場合」、「50%より多い場合」、「25%より多い場合」、「10%より多い場合」、「その他の場合」に対応する。決定部44は、テーブルを参照しながら、しきい値と残量とを比較することによって、該当するケースを特定する。例えば、残量が「60%」である場合、決定部44は、「50%より多い」ケースを特定する。
【0027】
また、通信速度欄202は、通信速度に対するしきい値を示す。図示のごとく、しきい値は、「制限なし」、「9Mbps」、「18Mbps」、「36Mbps」、「通信中止」と示され、それぞれは、「制限なし」、「9Mbpsより速い場合」、「18Mbpsより速い場合」、「36Mbpsより速い場合」、「通信中止」に対応する。ここで、制限なしとは、通信速度による制限を実行しないこと、つまりいかなる通信速度であっても、通信を実行することに相当する。また、「通信中止」とは、いかなる通信速度であっても、通信を実行しないことに相当する。図2に戻る。決定部44は、組合せによって実現される通信速度を導出する。例えば、変調方式が「QPSK」であり、符号化率が「1/2」である場合、決定部44は、通信速度として12Mbpsを導出する。
【0028】
さらに、決定部44は、残量をもとに特定したケースに対応した通信速度欄202中のしきい値と、導出した通信速度とを比較し、通信速度がしきい値よりも高速である場合に、通信を許可する。図3に示したように、残量が多いほど、通信速度に対する制限は緩くなる。つまり、残量が多いほど、通信速度が低くても通信が許可される。一方、残量が少なくなるほど、通信速度が高くなければ通信が許可されない。このように、決定部44は、第1取得部46において取得した通信の状況に対応した通信速度がしきい値よりも高い場合に、通信部36による通信の実行を決定しており、第2取得部48において取得したバッテリ40の残量が少なくなるほど、しきい値を高速にしている。
【0029】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0030】
以上の構成による通信システム100の動作概要を説明する。図4は、端末装置12における通信手順を示すフローチャートである。第2取得部48は、バッテリ40の残量を取得する(S10)。決定部44は、残量をもとに、通信速度に対するしきい値を設定する(S12)。第1取得部46は、変調方式と符号化率との組合せを取得することによって、通信速度を取得する(S14)。通信速度がしきい値よりも高ければ(S16のY)、決定部44は、通信の実行を決定する(S18)。一方、通信速度がしきい値よりも高くなければ(S16のN)、決定部44は、通信の中止を決定する(S20)。
【0031】
次に、変形例を説明する。変形例は、実施例と同様に、画像データを送信する端末装置に関する。実施例に係る端末装置は、バッテリの残量と通信速度とをもとに、通信を実行するか否かを決定する。一方、変形例に係る端末装置では、実施例と比較して、通信の実行を決定するための条件して、別の条件も追加される。つまり、変形例に係る端末装置は、バッテリの残量と通信速度とに加えて、データの種類をもとに、通信を実行するか否かを決定する。別の条件が追加されることによって、さらに詳細な制御が実現される。
【0032】
変形例に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、端末装置12は、図2と同様のタイプである。管理部42は、記憶部32に新たな画像データが記憶されたことを検出するとともに、当該画像データの形式を取得する。ここでは、例えば、画像データの種類として、動画像と静止画像とが規定される。また、画像データには、データタイプに関する情報が付加されており、管理部42は、当該情報をもとに、画像データの形式を取得する。管理部42は、画像データの形式も決定部44へ取得する。
【0033】
決定部44は、前述のごとく、バッテリ40の残量、通信速度に加えて、画像データの形式をもとに、通信部36に通信を実行させるか否かを決定する。図5は、本発明の変形例に係る決定部44において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。図示のごとく、残量欄200、通信速度欄202、データ種類欄204が含まれる。残量欄200、通信速度欄202の内容、それらに対する決定部44の処理は、実施例と同様であるので、ここでは説明を省略する。データ種類欄204には、「すべて」、「静止画像」が示される。「すべて」は、動画像および静止画像を送信の対象にすることに相当し、「静止画像」は、静止画像を送信の対象にし、動画像を送信の対象にしないことに相当する。
【0034】
実施例の場合と比較して、残量が10%より大きく、かつ通信速度が36Mbpsより速い場合、あるいは残量が25%より大きく、かつ通信速度が18Mbpsより速い場合に、画像データが静止画像であれば、通信部36は通信を実行する。静止画像のみが送信されるので、消費電力が低減される。図2に戻る。つまり、決定部44は、第2取得部48において取得したバッテリ40の残量が少なくなるほど、通信部36から送信可能なデータの種類を限定する。
【0035】
本発明の実施例によれば、バッテリ残量に加えて通信速度も考慮して、通信を実行させるか否かを決定するので、バッテリを効率的に使用できる。また、バッテリの残量が少ない場合に、通信速度が高速であれば、通信が実行されるので、バッテリの消費を抑制しながら、画像データを保護できる。また、バッテリの残量が少ない場合に、通信速度が高速でなければ、通信が実行されないので、バッテリの消費を抑制できる。また、バッテリの消費が抑制されるので、撮像装置の長時間駆動を実現できる。また、バッテリの残量が多ければ、通信速度に関係なく通信が実行されるので、画像データを保護できる。また、1段階目でバッテリ残量としきい値とを比較し、2段階目で通信速度としきい値とを比較するので、段階的な処理によって、通信を実行するか否かを決定できる。また、段階的な処理によって、通信を実行するか否かを決定するので、処理を簡易にできる。
【0036】
また、バッテリ残量が少なくなるほど、通信速度に対するしきい値を高くするので、高速の通信速度による通信のみを実行させることができる。また、高速の通信速度による通信のみが実行されるので、通信の期間を短縮できる。また、通信の期間が短縮されるので、消費電力を低減できる。また、バッテリ残量と通信速度に加えて、データの種類を考慮して、通信を実行させるか否かを決定するので、バッテリをさらに効率的に使用できる。また、バッテリ残量が少ない場合に、動画像の通信を禁止し、静止画像の通信のみを許可するので、通信の期間を短縮できる。また、画像データを送信するか否かが自動的に決定されるので、ユーザの処理の複雑化を回避できる。
【0037】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0038】
本発明の実施例において、端末装置12は、撮像装置10に接続されている。しかしながらこれに限らず例えば、端末装置12は、撮像装置10以外の装置に接続されてもよい。撮像装置10以外の装置としては、PDA(Personal Digital Assistants)が例示される。その際、記憶部32には、さまざまなアプリケーションソフトウエアプログラムのデータや、テキストデータ等が記憶される。また、実施例と同様に、端末装置12とPDAとが一体的に形成されていてもよい。本変形例によれば、さまざまな装置と端末装置12との組合せに本発明を適用できる。ようは、端末装置12とともに同一のバッテリ40にて駆動される装置であればよい。
【0039】
本発明の実施例において、通信部36は、リンクアダプテーションとして、変調方式および符号化率が可変に設定される。しかしながらこれに限らず例えば、通信部36がMIMO(Multiple Input Multiple Output)に対応する場合、系列数も可変に設定されてもよい。本変形例によれば、MIMOに対しても本発明を適用可能である。
【0040】
本発明の実施例において、第1取得部46は、通信の状況として、通信部36に設定されている変調方式および符号化率を取得している。しかしながらこれに限らず例えば、第1取得部46は、基地局装置14からの信号の受信電力等を通信の状況として取得してもよい。その際、決定部44は、実施例での通信速度が速い場合に、受信電力が大きい場合を対応づけるようにして、実施例と同様の処理を実行する。本変形例によれば、通信の状況として、さまざまなパラメータを使用できる。
【符号の説明】
【0041】
10 撮像装置、 12 端末装置、 14 基地局装置、 16 ネットワーク、 18 サーバ装置、 30 入力部、 32 記憶部、 34 生成部、 36 通信部、 38 制御部、 40 バッテリ、 42 管理部、 44 決定部、 46 第1取得部、 48 第2取得部、 50 アンテナ、 100 通信システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ駆動の無線装置であって、
可変の通信速度にて通信を実行する通信部と、
前記通信部における通信の状況を取得する第1取得部と、
バッテリの残量を取得する第2取得部と、
前記第2取得部において取得したバッテリの残量と、前記第1取得部において取得した通信の状況をもとに、前記通信部に通信を実行させるか否かを決定する決定部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記第1取得部において取得した通信の状況に対応した通信速度がしきい値よりも高い場合に、前記通信部による通信の実行を決定しており、前記第2取得部において取得したバッテリの残量が少なくなるほど、しきい値を高くすることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記第2取得部において取得したバッテリの残量が少なくなるほど、前記通信部から送信可能なデータの種類を限定することを特徴とする請求項2に記載の無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−49776(P2011−49776A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195889(P2009−195889)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】