説明

無線警報システム

【課題】既設の連動装置を利用して、駅構内で簡便に使える無線警報システムを実現。
【解決手段】連動装置から列車接近に係る信号を取り込んで列車接近判別情報を無線で送信する親機10と、その列車接近判別情報を無線で受信して列車接近時に警報を発する子機20とを備え、電線を開状態で出し入れでき閉状態で囲繞する開閉式囲繞形の電流クランプ11が親機10に付設され、連動装置において進路開通条件ARを生成または送出するところの電線に電流クランプ11を囲繞させた状態で親機10が進路開通条件ARを列車接近に係る信号として取り込むようにする。さらに、親機10が進路開通条件AR1〜ARnを複数取り込むようにするとともに、その各々について感応するか否かの選択を設定しうる手動操作可能な選択設定部材25を子機20に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、列車運行時間帯に線路保守作業を行う際に、線路保守作業者に列車接近を知らせて待避させるための無線警報システムに関し、詳しくは、駅の構内やその近くでの使用に好適な無線警報システムに関する。
なお、本願明細書および本願発明では、進路が開通した条件を進路開通条件と呼ぶ。
【背景技術】
【0002】
列車接近の警報を迅速かつ確実に出すために、人間による列車接近の確認を補完するものとして、列車接近警報システムが開発されており、軌道回路からの信号により信号機の表示を変化させるとともに警報送信機から携帯式の警報受信機に警報信号を送出する定置式や、仮設した車輪センサの検知信号によりスピーカから警報音を発する仮設式、各区間の軌道回路の列車検知信号に基づいて送信局が警報信号を無線で無線受信機へ送信するとともに制御局が複数の送信局の間で送信局情報を循環させるようになった言わば多区間移動許容式などが挙げられる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、駅の機器室に設置されている連動装置は(例えば非特許文献1参照)、駅の構内に設けられた信号機の信号現示や転てつ器の転換指令などの制御を行うために、信号制御リレーHRを含む信号制御リレー回路を具備していて、列車在線時にはオフになり不在線時にはオンになる列車検知信号やその他の鎖錠条件を含む幾つかの連動条件から進路開通条件(ARと称す)を生成するようになっている。進路開通条件は、進路が開通したか否かを示す条件であり、列車進入許可時にはオンになり列車進入禁止時にはオフになる信号現示制御信号などの元になる条件とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−104346号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】鉄道電気技術者のための信号概論 信号シリーズ5 「連動装置」 社団法人 日本鉄道電気技術協会 平成16年7月1日 改訂2版発行、 p.76
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、発報器に受信機を付けて可搬性を高めた無線警報システムとして、一区間に対応した定置式の無線警報システムや,多区間に対応した移動許容式の無線警報システムなどが開発されているが、従来の無線警報システムは、駅と駅の間に敷設されている中間軌道で使用するのに適したものであり、多区間移動許容式のシステムで監視範囲が広域化したといっても、軌道の分岐や並走への対応は念頭になかったことから、軌道において近接している複数の区間についてそれらを列車進行先になっているか否かで切り分けて警報を発したり発しなかったりするようにはなっていなかった。
【0007】
このため、短区間の軌道が分岐や並走して密集している駅の構内で列車運行時間帯に線路保守作業を行う場合、警報システムを使用したときは列車が駅に接近すると列車の進入して来ない軌道であっても警報が発せられるので安全重視のため何処でも作業を中断するしかなく、作業中断を列車進入時および列車進入先だけにとどめるには、警報システムの使用を諦めて、どの開通ルートで列車が駅に進入するかをダイヤで作業者が確認して作業者が列車接近を線路保守作業者に知らせるしかなかった。
【0008】
もっとも、そのような構内での確認作業は、列車接近の目視確認に加えてダイヤとの突き合わせ確認も行うことから、列車接近の目視確認だけで足りる中間軌道での確認作業より困難なので、駅の構内で作業するときほど警報システムの使用が望まれる。
一方、列車運行量の多い駅ほど、頻繁に線路保守作業を行うことが必要であり、列車運行時間帯に線路保守作業を行わざるを得ないので、中断時間を少なくして能率良く作業を済ませたい、という要望も強い。
【0009】
そして、それらの要請に応えるには、無線警報システムを改造して、多数の区間から軌道回路での列車検知信号を取り込むとともに、ダイヤのデータも取り込んで、列車在線情報とダイヤ情報との突き合わせ作業を自動化することが、考えられる。
しかしながら、多数の列車検知信号を取り込むのは配線接続作業の負担が大きい。また、ダイヤのデータを取り込むのは、手作業では誤入力防止の確認の負担が大きく、自動ダウンロードは既存システムの改造の負担が大きい。さらに、列車在線情報とダイヤ情報と突き合わせ作業の自動化は、プログラム化したとしても、汎用化が難しく、作業の度にプログラムの手直しが必要になるため、その負担が大きい。
【0010】
ところで、列車運行量の多い駅には、大抵、駅の機器室に連動装置が設置されていて、その信号制御リレー回路により、上述したように列車検知信号などが取り込まれて進路開通条件ARが生成されている。そして、この進路開通条件は、進路が開通した時にオンになる信号なので、駅の軌道の各区間が列車進行先か否かを示すものとなっている。
そこで、既設の連動装置を利用することにより、駅の構内で使える無線警報システムを実現することが、技術的な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の無線警報システムは(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、連動装置から列車接近に係る信号を取り込んで列車接近判別情報を無線で送信する親機と、その列車接近判別情報を無線で受信して列車接近時に警報を発する子機とを備えた無線警報システムにおいて、連動装置により進路開通条件を生成または送出するところから前記親機が前記進路開通条件を列車接近に係る信号として取り込むようになっていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の無線警報システムは(解決手段2)、上記課題をより高位に解決するために創案されたものであり、連動装置から列車接近に係る信号を取り込んで列車接近判別情報を無線で送信する親機と、その列車接近判別情報を無線で受信して列車接近時に警報を発する子機とを備えた無線警報システムにおいて、電線を開状態で出し入れでき閉状態で囲繞する開閉式囲繞形の電流感応部材が前記親機に付設され、連動装置において進路開通条件を生成または送出するところの電線に前記電流感応部材を囲繞させた状態で前記親機が前記進路開通条件を列車接近に係る信号として取り込むようになっていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の無線警報システムは(解決手段3)、上記解決手段1,2の無線警報システムであって、前記親機が前記進路開通条件を複数取り込んで前記列車接近判別情報に含めるようになっており、前記進路開通条件に感応して列車接近時発報を行うか行わないかの選択を前記進路開通条件の各々について設定しうる手動操作可能な選択設定部材が前記子機に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明の無線警報システムにあっては(解決手段1)、連動装置の進路開通条件が参照されるようにしたことにより、ダイヤのデータを取り込まなくても、さらには煩雑な列車在線情報とダイヤ情報との突き合わせを行わなくても、直ちに且つ自動で列車の進入先を判別することができるので、軌道の分岐等している駅で使っても無駄な作業中断がない。なお、進路開通条件の取り込みは、例えば連動装置内の該当リレーの接点に空きがあればそれを使用する等のことで、比較的容易に行うことができる。
したがって、この発明によれば、既設の連動装置を利用することによって駅の構内で使える無線警報システムを実現することができる。
【0015】
また、本発明の無線警報システムにあっては(解決手段2)、上述した解決手段1の作用効果を奏することに加え、進路開通条件の取り込み手段として開閉式囲繞形の電流感応部材が使えるようにしたことにより、既存の電気配線は何ら変更することなく既存電線に電流感応部材を開閉装着すれば、それで簡単かつ迅速に、信号取込み準備作業が済んでしまう。
したがって、この発明によれば、既設の連動装置を利用することによって駅の構内で簡便に使える無線警報システムを実現することができる。
【0016】
また、本発明の無線警報システムにあっては(解決手段3)、複数の進路開通条件が親機から無線送信されるとともに、子機では、選択設定部材の手動操作にて、複数の進路開通条件の各々について列車接近時発報のために感応するか否かの選択が設定されるようにしたことにより、駅のところで軌道が短く区画されていても、各区間についてきめ細かく且つ容易に、列車進行に応じた的確な警報を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1について、無線警報システムの構成を示し、(a)が親機のブロック図、(b)が無線で送信される伝文のフォーマット、(c)が子機のブロック図である。
【図2】(a)が無線警報システムの設置例を示す平面配置図、(b)が連動装置への接続例を示す回路図である。
【図3】(a),(b)いずれも無線警報システムの動作状態を示す平面配置図である。
【図4】(a)〜(d)いずれも無線警報システムの動作状態を示す平面配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
このような本発明の無線警報システムについて、これを実施するための具体的な形態を、図1〜4に示した以下の実施例1により説明する。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、筐体パネルや,詳細な電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【実施例1】
【0019】
本発明の無線警報システムの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が親機10のブロック図、(b)が親機10から子機20へ無線で送信される伝文のフォーマット、(c)が子機20のブロック図である。
この無線警報システムは、親機10と子機20との組み合わせからなり、通常、親機10は一台であるが、子機20は一台でも良く複数台でも良い。
【0020】
親機10は(図1(a)参照)、連動装置から列車接近に係る進路開通条件を取り込むための電流クランプ11及び電流検出回路12を複数組と、列車接近判別情報を無線で送信するための制御回路13及び無線送信器14とを具えている。電流クランプ11と電流検出回路12の組は2組だけ図示したがn組まで増設可能になっている。
電流クランプ11は、電線を開状態で出し入れでき閉状態で囲繞する開閉式囲繞形の電流感応部材であり、クランプ電流計のうちの交流電流計に多用されている変流器(Current Transformer)が典型例として挙げられる。
【0021】
この電流クランプ11は、開閉させるだけで、駅の機器室に設置済みの連動装置の進路開通条件ARを生成するところの電線や進路開通条件ARを出力するところの電線に対して、電線を切断したり接続し直したりするまでもなく簡単に、電流測定可能な囲繞状態で装着しうるようになっている。
電流検出回路12は、進路開通条件ARを電流クランプ11にて検出した電流から、適宜なレベル調整や波形整形を行って、進路開通条件ARのオンオフに対応した二値の入力信号APRを生成し、それを制御回路13に入力させるようになっている。なお、連動装置の進路開通条件ARの空き接点から、直接制御回路13に入力してもよい。
【0022】
制御回路13は、最多でn個の電流検出回路12から複数の信号APR1〜APRnを入力し、それらを所定の順序で連ねて列車接近判別情報とし、この列車接近判別情報を含んだ伝文を作成して(図1(b)参照)、その伝文を無線送信器14に引き渡すようになっている。
無線送信器14は、制御回路13から受け取った伝文を無線で外部へ送信するようになっている。無線送信器14による無線送信は、制御回路13による伝文作成と共に、随時、所定周期で、繰り返えされるようになっている。
【0023】
子機20は(図1(c)参照)、無線方式が無線送信器14に対応していて無線送信器14の送信した伝文を無線で受信する無線受信器21と、その受信伝文から列車接近判別情報を抽出して列車接近時には警報を発するための発報制御信号を生成する制御回路22と、その発報制御信号に従って発報器24の駆動を行う駆動回路23と、線路保守作業者に向けて待避を促す警報を発する発報器24と、進路開通条件AR1〜ARnに感応して列車接近時発報を行うか行わないかの選択を進路開通条件AR1〜ARnの各々について設定しうる手動操作可能な選択設定部材25とを具えている。
【0024】
また、子機20は、バッテリを搭載していて、バッテリを電源として動作し、商用電力を受給してバッテリを充電しながら動作することも可能である。
発報器24は、表示灯だけでもスピーカだけでも両方兼備でも、警報を発している状態と警報を発していない状態とがハッキリ区別できれば良いが、さらに、無線通信が長時間に亘って途絶えている状態や、バッテリ電力が切れた状態も、区別して明示できるようになっているのが好ましい。
【0025】
選択設定部材25は、例えば、個別素子形のスイッチをn個ほど列設したものでも、多数のスイッチをワンチップ形に纏めた市販のDIPスイッチでも、各スイッチを個々に手動操作できるものであって操作後は設定状態を維持するようになっていれば良い。スイッチは、一つずつ、列車接近判別情報の各信号値APR1〜APRnひいては進路開通条件AR1〜ARnに対応していて、感応側に設定されているのか不感側に設定されているのかという設定状態が制御回路22に入力されるようになっている。
【0026】
制御回路22は、無線受信器21から受信伝文を受け取る度に、その伝文から列車接近判別情報を抽出し、その列車接近判別情報の各信号値APR1〜APRnのうち選択設定部材25の対応スイッチが感応側に設定されている信号値だけについて、オンのものが存在しているか或いは総てオフになっているかを調べる。そして、オンのものが存在すれば発報器24に警報を出させるために発報制御信号をオン状態にするが、オンのものが存在しなければ発報器24に警報を出させないために発報制御信号をオフ状態にするようになっている。
【0027】
この実施例1の無線警報システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2は、(a)が一台の親機10と6台の子機20a〜20fを含んだ無線警報システムを駅30に設置した例の平面配置図、(b)が連動装置33への接続例を示す回路図である。また、図3(a),(b),図4(a)〜(d)は、何れも、列車進行に応じた無線警報システムの動作状態を示す平面配置図である。なお、子機20a〜20fは何れも子機20であり、符号20の後に付けたa〜fは個々の区別のためである。
【0028】
駅30の機器室に既に設置されている連動装置33を利用して線路保守作業者に列車接近を知らせるために、駅30の機器室に親機10を設置するとともに(図2(a)参照)、子機20a〜20fを駅30の構内の軌道のうち線路保守作業対象部分に分散させて設置する。ここでは本線31も側線32も保守作業の対象に含まれているものとして、各区間1T〜7Tに子機20を設置する。そして、連動装置33において進路開通条件AR1〜ARnを生成するところの電線に対し、一本の電線に親機10の電流クランプ11を一つずつ、囲繞状態で取り付けておく(図2(b)参照)。これにより、子機20を設置した各区間1T〜7Tをほぼ網羅する進路開通条件AR1〜AR7が連動装置33に取り込まれる。
【0029】
また(図2(a)参照)、区間1T付近に設置した子機20aについてはその選択設定部材25を操作して例えば進路開通条件AR1には感応するが進路開通条件AR2〜AR7には感応しないように設定し、区間2T付近の子機20bの選択設定部材25には例えば進路開通条件AR1,AR2に感応して進路開通条件AR3〜AR7には感応しないよう設定し、区間3T付近の子機20cの選択設定部材25には例えば進路開通条件AR2,AR3に感応して進路開通条件AR1,AR4〜AR7には感応しないように設定しておく。
【0030】
さらに、区間4T付近の子機20dの選択設定部材25には例えば進路開通条件AR3,AR4に感応して進路開通条件AR1〜AR2,AR6〜AR7には感応しないよう設定し、区間6T付近の子機20eの選択設定部材25には例えば進路開通条件AR6に感応して進路開通条件AR1〜AR4,AR7には感応しないよう設定し、区間7T付近の子機20fの選択設定部材25には例えば進路開通条件AR7に感応して進路開通条件AR1〜AR6には感応しないよう設定しておく。この設定では、安全を重視する観点からは可成り手前の区間の進路開通でも感応させるよう設定し、安全を前提としつつも作業能率を上げる観点からは直前区間や該当区間の進路開通で感応させるよう設定する。
【0031】
そして、親機10も子機20a〜20fも稼動させると、列車8が駅30の近くに来ていなければ、進路開通条件AR1〜AR7が総てオフになり、それを反映した列車接近判別情報が親機10から無線で子機20a〜20fへ伝達されるため、子機20a〜20fが何れも警報を発しないので、本線31でも側線32でも安心して線路保守作業を行うことができる。そこに列車8が進行して来て(図3(a)参照)、区間1T付近の信号機に係る進路開通条件AR1がオンになると、それに応じて子機20aと子機20bが警報を発するので、そこでは保守作業が中断されるが、他の子機20c〜20fは未だ警報を発しないので、そこでは保守作業が継続される。
【0032】
それから列車8が区間2Tまで進行して(図3(b)参照)、区間2Tや区間3Tの付近の信号機に係る進路開通条件AR2,AR3がオンになると、それに応じて子機20bと子機20cと子機20dが警報を発するので、そこでは保守作業が中断されるが、他の子機20a,20e,20fは警報を発っしないので、そこでは保守作業を行うことができる。こうして、列車8の進入する本線31では警報での作業中断によって安全が確保される一方、列車8の進入しない側線32では警報が無くて作業が継続されるので、能率良く作業が進む。
【0033】
列車8が本線31でなく側線32に進入する場合も(図4参照)、簡潔に説明するが、列車8の進行によって進路開通条件AR1がオンになると子機20aと子機20bが警報を発し(図4(a)参照)、それから列車8が進行して進路開通条件AR2,AR6がオンになると子機20bと子機20eが警報を発し(図4(b)参照)、さらに列車8が進行して進路開通条件AR6,AR7がオンになると子機20eと子機20fが警報を発し(図4(c)参照)、さらに列車8が進行して進路開通条件AR6がオフになると子機20eが警報を止めるが(図4(d)参照)、その間、子機20c,20dは警報を発しない。こうして、列車8の進入する側線32では警報によって安全が確保される一方、列車8の進入しない本線31では警報が無くて、能率良く作業が進む。
【0034】
[その他]
上記実施例では、列車接近に係る信号を取り込むために、連動装置33において進路開通条件ARを生成するところの電線に電流クランプ11を囲繞させたが、電流クランプ11の囲繞による取り付け先は、連動装置33において進路開通条件ARを送出するところの電線であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の無線警報システムは、駅の構内での使用を主目的として開発されたものであるが、使用が駅の構内に限られる訳でなく、連動装置の設置されている所の近くであれば、どこでも使用することができる。
【符号の説明】
【0036】
8…列車、10…親機、
11…電流クランプ(開閉式周着形の電流感応部材)、
12…電流検出回路、13…制御回路、14…無線送信器、
20,20a〜20f…子機、
21…無線受信器、22…制御回路、
23…駆動回路、24…発報器、25…選択設定部材、
30…駅、31…本線、32…側線、33…連動装置、1T〜7T…区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連動装置から列車接近に係る信号を取り込んで列車接近判別情報を無線で送信する親機と、その列車接近判別情報を無線で受信して列車接近時に警報を発する子機とを備えた無線警報システムにおいて、連動装置により進路開通条件を生成または送出するところから前記親機が前記進路開通条件を列車接近に係る信号として取り込むようになっていることを特徴とする無線警報システム。
【請求項2】
連動装置から列車接近に係る信号を取り込んで列車接近判別情報を無線で送信する親機と、その列車接近判別情報を無線で受信して列車接近時に警報を発する子機とを備えた無線警報システムにおいて、電線を開状態で出し入れでき閉状態で囲繞する開閉式囲繞形の電流感応部材が前記親機に付設され、連動装置において進路開通条件を生成または送出するところの電線に前記電流感応部材を囲繞させた状態で前記親機が前記進路開通条件を列車接近に係る信号として取り込むようになっていることを特徴とする無線警報システム。
【請求項3】
前記親機が前記進路開通条件を複数取り込んで前記列車接近判別情報に含めるようになっており、前記進路開通条件に感応して列車接近時発報を行うか行わないかの選択を前記進路開通条件の各々について設定しうる手動操作可能な選択設定部材が前記子機に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された無線警報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−225145(P2011−225145A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97947(P2010−97947)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000207470)大同信号株式会社 (83)
【Fターム(参考)】