説明

無線通信システム、移動局、及び基地局

【課題】緊急連絡の無線接続を確実に確立させ、かつ移動局の連続通信時間及び待ち受け時間を長くする無線通信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】複数の移動局と、移動局と無線通信可能であって、ネットワークに接続される基地局と、を備える無線通信システムにおいて、移動局は、通信先を特定するための情報が入力された場合、緊急通信先特定情報を参照し、通信先が緊急通信先であるか否かを判定し、判定結果を含む無線接続要求を基地局に送信し、基地局は、無線接続要求を受信した場合、通信先が緊急通信先である場合に割り当てるキャリア数を、入力された通信先が緊急通信先でない場合に割り当てるキャリア数よりも少なくすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局と無線通信可能な移動局がネットワークに接続された通信先とデータを通信する無線通信システムにおいて、特に、移動局が基地局から割り当てられたキャリアを用いて通信先とデータを通信する無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動局が基地局及びPDSN(Packet Data Serving Node)を経由して一般公衆網と接続する無線通信システムにおいては、各移動局に単一キャリアが割り当てられるシングルキャリア通信方式が採用されていた。しかし、現在の無線通信システムでは、移動局と基地局との間の通信速度向上のため、標準規格化されたマルチキャリア通信方式が採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
移動局は、通信先と無線通信する場合、基地局に無線接続要求を送信して、基地局からキャリアを割り当てられる必要がある。マルチキャリア通信方式では、移動局から無線接続要求を受信した基地局は、基地局の割り当て可能なキャリアの中から移動局が接続可能な最大キャリア数を、無線接続要求を送信した移動局に常に割り当てる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−532406号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP2 C.S0024−B_v3.0 2006年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示されているキャリア割当方法は、移動局が接続可能な最大キャリア数、QoS通信(帯域幅及び遅延)、無線リソース数、並びに、基地局が提供できる最大キャリア数に基づいて、割り当て可能な最大キャリア数が移動局に常に割り当てられる。
【0007】
この方法では、一台の移動局に割り当てられるキャリア数は、従来のシングルキャリア通信方式に比べて増加する。この増加分のキャリアは、シングルキャリア通信方式では複数の移動局に割り当てられていたキャリアである。このため、マルチキャリア通信方式を採用する移動局が増加すると、基地局内の割り当て可能なキャリアが不足し、一基地局当たりの無線接続可能な移動局数が減少する。
【0008】
多数の移動局が無線接続要求を送信する状況下では(例えば、災害遭遇時等)、一基地局当たりの無線接続可能な移動局数が減少すると、通信先の利用者と連絡できない移動局の利用者が発生する原因となる。特に、緊急連絡を要求する移動局に対しては無線接続を確実に確立させなければならない。
【0009】
また、移動局の連続通信時間及び待ち受け時間を長く確保するために、移動局の消費電力を低減することが望まれる。特に、災害遭遇時等の場合、停電等の原因で移動局の充電が保証されないので、移動局の消費電力を低減することが望まれる。
【0010】
マルチキャリア通信方式では、移動局は、割り当てられた複数のキャリアの無線信号に対して復調処理及び変調処理を実行する。復調処理及び変調処理を実行するキャリアの増加に比例して、移動局の消費電力は増加するので、移動局に割り当てられたキャリアの数が多いほど、移動局の連続通信時間及び待ち受け時間は短くなる。
【0011】
以上より、本発明は、緊急連絡の無線接続を確実に確立させ、かつ移動局の連続通信時間及び待ち受け時間を長くする無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の代表的な一例を示せば、複数の移動局と、前記移動局と無線通信可能であって、ネットワークに接続された基地局と、を備え、前記移動局が前記ネットワークに接続された通信先とデータを通信する無線通信システムにおいて、前記基地局は、前記複数の移動局にキャリアを割り当てるキャリア割当部を備え、前記移動局は、緊急通信先を特定するための情報が登録された緊急通信先特定情報を予め記憶し、前記基地局によって割り当てられたキャリアを用いて前記ネットワークに接続された通信先とデータを通信する通信部と、前記通信先を特定するための情報が入力された場合、前記緊急通信先特定情報を参照し、前記通信先が前記緊急通信先であるか否かを判定する緊急通信先判定部と、前記緊急通信先判定部による判定の結果を含む無線接続要求を前記基地局に送信する判定結果送信部と、を備え、前記キャリア割当部は、前記無線接続要求を受信した場合、前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が前記緊急通信先であるか否かを判定し、前記通信先が前記緊急通信先である場合に割り当てるキャリア数を、前記通信先が前記緊急通信先でない場合に割り当てるキャリア数よりも少なくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、緊急連絡の無線接続を確実に確立させ、かつ移動局の連続通信時間及び待ち受け時間を長くする無線通信システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の無線通信システムのネットワーク構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態の移動局のブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態の基地局のブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態の無線接続要求の一部の説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態の登録番号情報テーブルの説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態の通信先が緊急通信先でない場合に移動局がネットワークに接続されるまでのシーケンス図である。
【図7】本発明の第1実施形態の通信先が緊急通信先である場合に移動局がネットワークに接続されるまでのシーケンス図である。
【図8】本発明の第1実施形態の移動局番号判定部による通信先が緊急通信先であるか否かの判定処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態の基地局制御部による接続キャリア数の決定処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態の基地局制御部による異常モード判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図1〜図9を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態の無線通信システムのネットワーク構成図である。
【0017】
無線通信システムは、移動局100、基地局101、IP−SW102(IP-Switch)、PCF−SC103(Packet Control Function-Session Control)、PDSN104(Packet Date Serving Node)、AAA106(Authentication, Authorization and Accounting)、AN−AAA105(Access Network-AAA)、及び、通信先108を備える。なお、移動局100及び基地局101は一つしか図示していないが、複数あってもよい。
【0018】
基地局101、IP−SW102、PCF−SC103、及びAN−AAA105は無線アクセス網を構成し、無線アクセス網はPDSN104を介して一般公衆網107に接続される。なお、無線アクセス網及び一般公衆網107を総称してネットワークという。
【0019】
移動局100は、無線接続要求を基地局101に送信することによってネットワークに接続し、一般公衆網107に接続された通信先108とパケットデータを通信する。移動局100は、例えば、携帯電話及びデータ通信機器等である。
【0020】
基地局101は、一つ以上のキャリアを運用しており、移動局100から無線通信要求を受信した場合、受信した無線通信要求に基づいてキャリアを移動局100に割り当てる。また、基地局101は、移動局100からの上りパケットデータをIP−SW102に転送し、PCF−SC103からの下りパケットデータを各移動局100に転送する。
【0021】
マルチキャリア通信方式では、基地局101は移動局100に複数のキャリアを割り当て、基地局101と移動局100との間では複数のキャリアを介してデータが通信される。
【0022】
IP−SW102は、無線アクセス網を一般公衆網107に接続するスイッチである。IP−SW102は、PCF−SC103及びAN−AAA105に接続され、基地局101と通信可能である。
【0023】
PCF―SC103は、自身と移動局100との間に接続(論理パス)を確立するか否かを判定する。具体的には、PCF−SC103は、AN−AAA105によって移動局100が正規な移動局であると認証された場合、自身と移動局100との間に接続を確立し、AN−AAA105によって移動局100が正規な移動局でないと認証された場合、自身と移動局100との間に接続を確立しない。
【0024】
AN−AAA105は、移動局100が正規な移動局であるか否かを認証する。
【0025】
PDSN104は、PCF−SC103と移動局100との間に確立された接続を一般公衆網107に接続するか否かを判定する。具体的には、PDSN104は、AAA106によって移動局100の利用者が正規な利用者であると認証された場合、当該接続を一般公衆網107に接続し、AAA106によって移動局100の利用者が正規な利用者でないとされた場合、当該接続を一般公衆網107に接続しない。
【0026】
AAA106は、移動局100の利用者が正規な利用者であるか否かを認証する。
【0027】
以上のように、PCF―SC103、AN−AAA105、PDSN104、及びAAA106は、移動局100が正規なものと認証された場合に、移動局100をネットワークに接続するので、無許可の移動局100のネットワークへの接続を防止するセキュリティ機能を実現する。
【0028】
図2は、本発明の第1実施形態の移動局100のブロック図である。
【0029】
移動局100は、移動局無線通信部200、移動局共有メモリ部201、移動局制御部203、及び移動局番号判定部204を備える。
【0030】
移動局無線通信部200は、基地局101と通信される無線信号に対して復調処理及び変調処理を実行する。移動局制御部203は、各種処理を実行するプロセッサであり、基地局101との無線通信を制御する。移動局共有メモリ部201は、移動局制御部203の制御に必要な各種データを記憶する記憶領域であって、移動局登録番号情報保持部202を含む。
【0031】
移動局登録番号情報保持部202は、緊急通信先となる通信先の番号と、緊急通信先と通信する場合に移動局に割り当てられるキャリア数と対応付ける登録番号情報テーブル500(図5参照)を格納する記憶領域である。なお、登録番号情報テーブル500は、図5で詳細を説明する。
【0032】
移動局番号判定部204は、登録番号情報テーブル500を参照し、通信先が緊急通信先であるか否かを判定する。具体的には、移動局番号判定部204は、利用者によって移動局100に入力された発信番号が登録番号情報テーブル500に登録された番号と一致するか否かを判定し、発信番号と登録番号情報テーブル500に登録された番号と一致する場合、通信先が緊急通信先であると判定する。
【0033】
本実施形態の移動局無線通信部200及び移動局番号判定部204はモジュールによって実現されるが、これに限定されず、例えば、移動局制御部203によって実行されるプログラムによって実現されてもよい。
【0034】
図3は、本発明の第1実施形態の基地局101のブロック図である。
【0035】
基地局101は、基地局無線通信部300、基地局制御部301、基地局共有メモリ部302、及び基地局有線通信部303を備える。
【0036】
基地局無線通信部300は、移動局100と無線通信するデータに対して復調処理及び変調処理を実行する。
【0037】
基地局制御部301は、各種処理を実行するプロセッサであり、移動局100との無線通信を制御し、他の装置(他の基地局101及び上位装置であるPCF−SC103)との通信を制御する。
【0038】
基地局共有メモリ部302は、基地局制御部301の制御に必要な各種データを記憶する記憶領域である。
【0039】
基地局有線通信部303は、他の基地局や上位装置のPCF−SC103とパケットを送受信する。
【0040】
図4は、本発明の第1実施形態の無線接続要求の一部の説明図である。
【0041】
無線接続要求は、移動局100に通信先の番号が入力された場合に移動局100から基地局101に送信され、移動局100をネットワークに接続する要求である。
【0042】
無線接続要求は、メッセージID400、通信種別情報401、及び要求キャリア数情報402を含む。
【0043】
メッセージID400には、無線接続要求を示す一意な識別子が登録される。通信種別情報401には、移動局番号判定部204によって通信先が緊急通信先であるか否かの判定結果を示す情報が登録される。要求キャリア数情報402には、通信先が緊急通信先である場合に移動局が割り当てを要求するキャリア数が登録される。なお、要求キャリア数情報402は、移動局番号判定部204によって通信先が緊急通信先であると判定された場合のみ使用される。
【0044】
図5は、本発明の第1実施形態の登録番号情報テーブル500の説明図である。
【0045】
登録番号情報テーブル500は、項番501、登録番号情報502、及び要求キャリア数503を含む。
【0046】
項番501には、登録番号情報テーブル500に登録される各レコードの一意な識別子が登録される。登録番号情報502には、緊急通信先となる通信先の番号が登録される。要求キャリア数503には、通信先が緊急通信先である場合に移動局が割り当てを要求するキャリア数が登録される。
【0047】
なお、移動局100の利用者は、登録番号情報テーブル500の各レコードを編集、追加、及び削除が可能であり、登録番号情報502に登録される緊急通信先の番号、及び要求キャリア数503に登録されるキャリア数は、移動局100の利用者によって登録される。
【0048】
図6は、本発明の第1実施形態の通信先が緊急通信先でない場合に移動局100がネットワークに接続されるまでのシーケンス図である。
【0049】
移動局番号判定部204は、通信先への発信を検出すると、無線接続確立のための処理を開始する(600)。
【0050】
まず、移動局番号判定部204は、移動局登録番号情報保持部202にアクセスし、発信番号が登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録されているか否かを判定する。図6では、移動局番号判定部204は、発信番号が登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録されていないと判定し、通信先が緊急通信先でない通常呼であると判定する(601)。なお、通信先が緊急通信先であるか否かの判定処理は、図8で詳細を説明する。
【0051】
次に、移動局番号判定部204は、通常呼であることを示す無線接続要求を基地局101に送信する要求を移動局制御部203に通知する(602)。移動局制御部203は、移動局番号判定部204から無線接続要求の送信要求を通知されると、通常呼を示す無線接続要求を基地局101の基地局制御部301に送信する(603)。通常呼を示す無線接続要求の通信種別情報401には通常呼を示す情報が登録される。
【0052】
基地局制御部301は、無線接続要求を受信した場合、受信した無線接続要求の通信種別情報401を参照し、通信先が緊急通信先であるか否かを判定する。ここでは、通信種別情報401には通常呼を示す情報が登録されているので、基地局制御部301は、無線接続要求は通常呼を示すと判定する。
【0053】
そして、基地局制御部301は、受信した無線接続要求は通常呼を示すと判定すると、無線接続要求を送信した移動局100とPCF−SC103との間に論理パスを確立するためのPPP接続要求をPCF−SC103に送信する(604)。PPP接続要求は、無線接続要求を送信した移動局100の端末ID、及び無線接続要求が通常呼であることを示す情報を含む。
【0054】
PCF−SC103は、PPP接続要求を受信した場合、受信したPPP接続要求に無線接続要求が通常呼であることを示す情報が含まれるか否かを判定する。PCF−SC103は、PPP接続要求に無線接続要求が通常呼であることを示す情報が含まれると判定した場合、論理パスを確立するために、移動局100が正規な移動局100であるか否かを認証する。
【0055】
具体的には、PCF−SC103は、PPP接続要求に含まれる移動局100の端末IDが認証済の端末IDに登録されているか否かを判定することによって、移動局100が正規な移動局100であるか否かを認証する。ここでは、PCF−SC103は、PPP接続要求に含まれる移動局100の端末IDが認証済の端末IDに登録されていないと判定され、当該移動局100とPCF−SC103との間で論理パスが確立できない旨を含むPPP接続解放通知を基地局101に送信する(605)。
【0056】
基地局制御部301は、PPP接続解放通知をPCF−SC103から受信した場合、無線接続要求を送信した移動局100に割り当てるキャリア数(接続キャリア数)を決定する(606)。ここでは、無線接続要求は通常呼を示すので、基地局制御部301は、移動局100に割当可能な最大のキャリア数を接続キャリア数(例えば、3)に決定する。なお、接続キャリア数の決定処理の詳細は、図9で詳細を説明する。
【0057】
次に、基地局制御部301は、ステップ606の処理で決定した接続キャリア数を含む無線接続キャリア情報を移動局100に送信する(607)。
【0058】
移動局制御部203は、無線接続キャリア情報を受信した場合、受信した無線接続キャリア情報に含まれる接続キャリア数のキャリアを用いて無線同期信号の基地局101への送信を開始する(608)。
【0059】
基地局制御部301は、無線同期信号を受信した場合、移動局100と基地局101との間で無線接続が確立した旨を移動局100に通知する(609)。
【0060】
移動局制御部203は、無線接続が確立した旨を基地局101から通知された場合、無線接続が完了した旨を基地局101に通知する(610)。これによって、移動局100へのキャリアの割り当てが完了する。
【0061】
基地局制御部301は、無線接続が完了した旨を移動局100から通知された場合、不正な移動局100でないことを確認するために、移動局100の認証を要求する移動局認証要求をPCF−SC103に送信する(611)。
【0062】
PCF−SC103は、移動局認証要求を受信した場合、移動局認証開始を移動局100に通知し(612)、移動局制御部203との間で移動局100を認証するためのネゴシエーションを開始する。
【0063】
移動局制御部203は、移動局認証開始をPCF−SC103から通知された場合、移動局100の認証に用いられる移動局識別情報を含む認証要求をPCF−SC103に送信する(613)。移動局識別情報は、例えば端末IDである。
【0064】
PCF−SC103は、認証要求を受信した場合、AN−AAA105に移動局100を認証させるため、受信した認証要求に含まれる移動局識別情報を含む移動局認証要求をAN−AAA105に送信する(614)。
【0065】
AN−AAA105は、正規な移動局識別情報を保持しており、移動局認証要求を受信した場合、受信した移動局識別情報が正規な移動局識別情報と一致するか否かを判定する。ここでは、AN−AAA105は、受信した移動局識別情が正規な移動局識別情報と一致すると判定し、移動局100の認証が完了したことをPCF−SC103に通知する(615)。
【0066】
PCF−SC103は、移動局100の認証が完了したことが通知された場合、認証が完了したことを移動局100及び基地局101に通知する(616、617)。
【0067】
基地局制御部301は、認証が完了したことをPCF−SC103から通知された場合、基地局101とPDSN104との間で論理パスを確立するために、PPP接続要求をPCF−SC103に送信する(618)。PPP接続要求は、無線接続要求を送信した移動局100の端末ID、及び無線接続要求が通常呼であることを示す情報を含む。
【0068】
PCF−SC103は、PPP接続要求を受信した場合、AN−AAA105によって移動局100が認証されているので、基地局101とPDSN104との間で論理パスを確立するために、PPP接続要求をPDSN104に送信する(619)。
【0069】
PDSN104は、PPP接続要求を受信した場合、論理パスが確立したこと示すPPP接続完了をPCF−SC103に通知する(620)。
【0070】
PCF−SC103は、PPP接続完了が通知された場合、PPP接続完了を基地局101に通知する(621)。
【0071】
PDSN104は、移動局100の利用者が正規な利用者であるかを認証するために、利用者認証開始を移動局100に通知し(622)、移動局制御部203との間で利用者を認証するためのネゴシエーションを開始する。
【0072】
移動局制御部203は、利用者認証開始をPDSN104から通知された場合、利用者の認証に用いられる利用者識別情報を含む利用者認証要求をPDSN104に送信する(623)。利用者識別情報は、例えば端末IDである。
【0073】
PDSN104は、利用者認証要求を受信した場合、AAA106に移動局100の利用者を認証させるため、受信した利用者認証要求に含まれる利用者識別情報を含む利用者認証要求をAAA106に送信する(624)。
【0074】
AAA106は、利用者に関する利用者情報を利用者識別情報(例えば端末ID)と紐付けて保持しており、利用者認証要求を受信した場合、受信した利用者識別情に紐付けられる利用者情報が正規な利用者情報であるか否かを判定する。ここでは、AAA106は、受信した利用者認証要求に含まれる利用者識別情報に紐付けられる利用者情報が正規な利用者情報であると判定し、利用者の認証が完了したことをPDSN104に通知する(625)。
【0075】
PDSN104は、利用者の認証が完了したことを通知された場合、利用者の認証が完了したことを移動局100に通知する(626)。
【0076】
移動局100に利用者の認証が完了したことが通知されることによって、移動局100と通信先108との間でネットワークを介したIP通信が可能となる。
【0077】
図7は、本発明の第1実施形態の通信先が緊急通信先である場合に移動局100がネットワークに接続されるまでのシーケンス図である。
【0078】
通信先が緊急通信先である場合、つまり緊急呼の場合、移動局100の認証、又は移動局100の利用者の認証に失敗すると、移動局100は、緊急通信ができなくなり、災害時等に連絡できなくなる。本実施形態では、これを防止するために、基地局101が緊急呼を示す無線接続要求を受信した場合、移動局100の認証、及び移動局100の利用者の認証をせずに、無線接続要求を送信した移動局100をネットワークに接続する。
【0079】
移動局番号判定部204は、通信先への発信を検出すると、無線接続確立のための処理を開始する(700)。
【0080】
まず、移動局番号判定部204は、移動局登録番号情報保持部202にアクセスし、発信番号が登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録されているか否かを判定する。図7では、移動局番号判定部204は、発信番号が登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録されていると判定し、通信先が緊急通信先である緊急呼であると判定する(701)。なお、通信先が緊急通信先であるか否かの判定処理は、図8で詳細を説明する。
【0081】
移動局番号判定部204は、登録番号情報テーブル500を参照し、発信番号と一致する緊急通信先に対応する要求キャリア数503に登録されたキャリア数を特定する。そして、移動局番号判定部204は、緊急呼であることを示す無線接続要求を基地局101に送信する要求を移動局制御部203に通知する(702)。
【0082】
移動局制御部203は、移動局番号判定部204から無線接続要求の送信要求を通知されると、緊急呼を示す無線接続要求を基地局101の基地局制御部301に送信する(703)。緊急呼であることを示す無線接続要求の通信種別情報401には緊急呼を示す情報が登録され、要求キャリア数情報402には緊急通信先に対応するキャリア数が登録される。
【0083】
基地局制御部301は、無線接続要求を受信した場合、受信した無線接続要求に含まれる通信種別情報401を参照し、受信した無線接続要求が緊急呼を示すと判定すると、PPP接続要求をPCF−SC103に送信する(704)。PPP接続要求は、無線接続要求を送信した移動局100の端末ID、及び無線接続要求が緊急呼であることを示す情報を含む。
【0084】
PCF−SC103は、PPP接続要求を受信した場合、受信したPPP接続要求に無線接続要求が通常呼であることを示す情報が含まれるか否かを判定する。PCF−SC103は、PPP接続要求に無線接続要求が緊急呼であることを示す情報が含まれると判定し、論理パスを確立するために、移動局100が正規な移動局100であるか否かを認証が不要であると判断する。
【0085】
したがって、PCF−SC103は、移動局100の認証を実行せずに、移動局100とPCF−SC103との間の論理パスを確立させる。そして、PCF−SC103は、PCF−SC103とPDSN104との間の論理パスを確立させるためにPPP接続要求をPDSN104に送信する(705)。PPP接続要求は、無線接続要求が緊急呼であることを示す情報を含む。
【0086】
PDSN104は、PPP接続要求を受信した場合、無線接続要求を送信した移動局100の利用者が正規な利用者として認証されていないが、受信したPPP接続要求は無線接続要求が緊急呼であることを示す情報を含むので、移動局100の利用者の認証を実行せずに、論理パスが確立したこと示すPPP接続完了をPCF−SC103に通知する(706)。PCF−SC103は、PDSN104からPPP接続完了を通知されると、PPP接続完了を基地局101に通知する(707)。
【0087】
基地局制御部301は、PCF−SC103からPPP接続完了を通知されると、無線接続要求に含まれる要求キャリア数情報402に登録されたキャリア数を接続キャリア数に決定する(708)。
【0088】
次に、基地局制御部301は、ステップ708の処理で決定した接続キャリア数を含む無線接続キャリア情報を移動局100に送信する(709)。
【0089】
なお、ステップ709〜712の処理は、図6に示す607〜610の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0090】
要求キャリア数情報402には、通信先が緊急通信先でない場合に移動局100に割り当てられるキャリア数よりも少ない数が登録されるので、通信先が緊急通信先である場合に移動局100に割り当てられるキャリア数は、通信先が緊急通信先でない場合に移動局100に割り当てられるキャリア数よりも少なくなる。
【0091】
これによって、基地局101は、より多くの移動局100と無線通信可能となるので、緊急連絡の無線接続を確実に確立できる。また、移動局100に割り当てられるキャリア数が通常時よりも少なくなるので、移動局100の連続通信時間及び待ち受け時間を長くすることができる。
【0092】
図8は、本発明の第1実施形態の移動局番号判定部204による通信先が緊急通信先であるか否かの判定処理のフローチャートである。
【0093】
移動局番号判定部204は、通信先への発信を検出した場合に当該判定処理を実行する。
【0094】
まず、移動局番号判定部204は、通信先の番号である発信番号と、登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録された緊急通信先の番号とを、登録番号情報テーブル500の項番501順に比較する(801)。
【0095】
次に、移動局番号判定部204は、発信番号と登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録された緊急通信先の番号とが一致するか否かを判定する(802)。
【0096】
ステップ802の処理で、発信番号と登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録された緊急通信先の番号とが一致すると判定された場合、移動局番号判定部204は、通信先が緊急通信先であると判定し、無線接続要求の通信種別情報401に緊急呼であることを示す情報を登録する(803)。
【0097】
そして、移動局番号判定部204は、登録番号情報テーブル500のエントリのうち、登録番号情報502が発信番号と一致するエントリの要求キャリア数503に登録されたキャリア数を特定し、特定したキャリア数を無線接続要求の要求キャリア数情報402に登録する(804)。
【0098】
次に、移動局番号判定部204は、ステップ802の処理の判定結果、つまり、通信先が緊急通信先であるか否かを示す無線接続要求を基地局101に送信する要求を移動局制御部203に通知し(805)、処理を終了する。
【0099】
一方、ステップ802の処理で、発信番号と登録番号情報テーブル500の登録番号情報502に登録された緊急通信先の番号とが一致しないと判定された場合、移動局番号判定部204は、発信番号を登録番号情報テーブル500の項番501の最後尾の登録番号情報502まで比較したか否かを判定する(806)。
【0100】
ステップ806の処理で、発信番号を登録番号情報テーブル500の項番501の最後尾の登録番号情報502まで比較していないと判定された場合、ステップ801の処理に戻る。
【0101】
一方、ステップ806の処理で、発信番号を登録番号情報テーブル500の項番501の最後尾の登録番号情報502まで比較したと判定された場合、移動局番号判定部204は、発信番号が登録番号情報テーブル500に登録されていないので、通信先が緊急通信先でないと判定し、無線接続要求の通信種別情報401に通常呼であることを示す情報を登録し(807)、ステップ805の処理に処理を移行する。
【0102】
図9は、本発明の第1実施形態の基地局制御部301による接続キャリア数の決定処理のフローチャートである。
【0103】
接続キャリア数の決定処理は、基地局101がPCF−SC103に送信したPPP接続要求に対する応答であるPPP接続解放通知又はPPP接続完了通知を基地局101が受信した場合に基地局制御部301によって実行される。
【0104】
まず、基地局制御部301は、移動局100から受信した無線接続要求の通信種別情報401を参照し、当該無線接続要求が緊急呼を示すか否かを判定する(901)。
【0105】
ステップ901の処理で、移動局100から受信した無線接続要求が緊急呼を示すと判定された場合、基地局制御部301は、受信した無線接続要求の要求キャリア数情報402を参照し、無線接続要求を送信した移動局に割り当てるキャリア数(接続キャリア数)(例えば、1又は2)を決定する(902)。
【0106】
次に、基地局制御部301は、決定した接続キャリア数を含む無線接続キャリア情報を移動局100に送信し(903)、処理を終了する。
【0107】
一方、ステップ901の処理で、移動局100から受信した無線接続要求が緊急呼を示さないと判定された場合、すなわち、移動局100から受信した無線接続要求が通常呼を示すと判定された場合、基地局制御部301は、無線接続要求を送信した移動局100に割当可能な最大キャリア数(例えば、3)を算出し、算出した最大キャリア数を接続キャリア数に決定し(904)、処理をステップ903に移行する。
【0108】
以上によって、移動局100は、通信先が緊急通信先であるか否かを判定し、判定結果を示す無線接続要求を基地局101に送信し、基地局101は、通信先が緊急通信先である場合の接続キャリア数を、通信先が緊急通信先でない場合の接続キャリア数よりも少なくする。これによって、基地局101は、より多くの移動局100と無線通信可能となるので、緊急連絡の無線接続を確実に確立できる。また、移動局100に割り当てられるキャリア数が通常時よりも少なくなるので、移動局100の連続通信時間及び待ち受け時間を長くすることができる。
【0109】
なお、本実施形態では、通常呼である場合において、移動局100を無線アクセス網へ接続するためには、PCF−SC103が当該移動局100の認証が必要であって、移動局100を一般公衆網107へ接続するためには、PDSN104が当該移動局100の利用者の認証が必要であるが、このような移動局100のネットワークへの接続の許可又は禁止を決定する計算機(PCF−SC103及びPDSN104)を総称して認証計算機という。
【0110】
なお、本実施形態では、移動局100が記憶する登録番号情報テーブル500は、要求キャリア数503を含み、移動局100が、通信先が緊急通信先であると判定した場合、緊急通信先に対応する要求キャリア数を特定し、特定した要求キャリア数を無線接続要求に含めて基地局101に送信するが、移動局100は、要求キャリア数を特定しなくてもよい。
【0111】
この場合、移動局100は、通信先が緊急通信先であるか否かの判定結果を含む無線接続要求を基地局101に送信するだけであり、基地局101には通信先が緊急通信先であることを示す無線接続要求を受信した場合の接続キャリア数が予め設定されており、基地局101は、通信先が緊急通信先であることを示す無線接続要求を受信した場合、当該接続キャリア数のキャリアを移動局100に割り当てる。
【0112】
このため、移動局100に記憶される登録番号情報テーブル500は、要求キャリア数503を含まなくてもよい。
【0113】
なお、当然ながら、通信先が緊急通信先であることを示す無線接続要求を受信した場合の接続キャリア数は、通信先が緊急通信先でないことを示す無線接続要求を受信した場合の接続キャリア数よりも少なく設定されているものとする。
【0114】
通信先が緊急通信先であるか否かを移動局100が判定せず、基地局101が、登録番号情報を保持し、通信先が緊急通信先であるか否かを判定する実施形態も考えられる。しかしながら、移動局100がどの基地局101に無線接続要求を送信するかについては事前に把握できないため、すべての基地局101にすべての移動局100の登録番号情報を保持させることは現実的でない。
【0115】
このため、本実施形態では、移動局100が、登録番号情報を保持し、通信先が緊急通信先であるか否かを判定するようにしている。
【0116】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図10を用いて説明する。
【0117】
本実施形態は、通信先が緊急通信先であることを示す無線接続要求を基地局101が所定時間内に受信した回数が上限回数以上である場合、基地局101は異常モードに遷移する。異常モードとなった基地局101は、異常モード遷移後に無線接続要求を受信しても、無線接続要求が示す通信先が緊急通信先であるか否かの判定結果にかかわらず、緊急通信先用の接続キャリア数を割り当てる。
【0118】
これによって、例えば、災害遭遇時等、緊急通信先への無線接続要求が多数送信される状況下であっても、移動局100の通信の確実性を担保できる。
【0119】
図10は、本発明の第2実施形態の基地局制御部301による異常モード判定処理のフローチャートである。
【0120】
異常モード判定処理は、基地局101に電源が投入されると基地局制御部301によって繰り返し実行される。
【0121】
まず、基地局制御部301は、所定時間を計測するためのタイマを起動させる(1001)。
【0122】
次に、基地局制御部301は、移動局100から無線接続要求を受信したか否かを判定する(1002)。
【0123】
ステップ1002の処理で無線接続要求を受信したと判定された場合、基地局制御部301は、受信した無線接続要求の通信種別情報401を参照し、受信した無線接続要求が緊急呼を示すか否かを判定する(1003)。
【0124】
ステップ1003の処理で、受信した無線接続要求が緊急呼を示すと判定された場合、基地局制御部301は、緊急呼を示す無線接続要求の受信回数に1を加算し(1004)、加算した受信回数が所定の上限値以上であるか否かを判定する(1005)。
【0125】
ステップ1005の処理で、受信回数が所定の上限値以上であると判定された場合、基地局制御部301は、基地局101のモードを異常モードに遷移させる(1006)。基地局101のモードが異常モードに遷移すると、基地局101は、新たに無線接続要求を受信した場合、新たな無線接続要求が緊急呼を示す場合であっても、通常呼を示す場合であっても、緊急呼の場合に割り当てる接続キャリア数のキャリアを、当該無線接続要求を送信した移動局100に割り当てる。
【0126】
そして、基地局制御部301は、ステップ1001の処理でタイマを起動してから所定時間が経過したか否かを判定する(1007)。
【0127】
ステップ1007の処理で、タイマを起動してから所定時間が経過したと判定された場合、基地局制御部301は、受信回数を0に設定し(1008)、ステップ1001の処理に戻る。
【0128】
一方、ステップ1007の処理で、タイマを起動してから所定時間が経過していないと判定された場合、ステップ1002の処理に戻る。
【0129】
なお、ステップ1002の処理で無線接続要求を受信していないと判定された場合、ステップ1003の処理で無線接続要求が緊急呼を示さないと判定された場合、ステップ1005の処理で受信回数が所定の上限値よりも少ないと判定された場合、ステップ1007の処理に進み、基地局制御部301は、タイマを起動してから所定時間が経過したか否かを判定する。
【0130】
以上によって、通信先が緊急通信先であることを示す無線接続要求を基地局101が所定時間内に受信した回数が上限回数以上である場合、基地局101は、以降に受信した無線接続要求が緊急呼であっても、通常呼であっても、通常呼よりも少なく設定された緊急呼の場合の接続キャリア数のキャリアを移動局100に割り当てる。これによって、災害遭遇時等に、基地局101に緊急呼を示す無線接続要求が集中した場合であっても、できるだけ多くの移動局100をネットワークに接続することができる。
【0131】
なお、異常モードに遷移してから基地局101が通常呼を示す無線接続要求を受信した場合の移動局100の認証及び移動局100の利用者の認証は、第1実施形態と同じく実行してもよいが、実行しなくてもよい。移動局100の認証及び移動局100の利用者の認証を実行しない場合には、基地局101は、通常呼を示す無線接続要求の通信種別情報401を、緊急呼を示す情報に強制的に変更すればよい。
【0132】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
100 移動局
101 基地局
102 IP−SW
103 PCF−SC
104 PDSN
105 AN−AAA
106 AAA
107 一般公衆網
108 通信先
200 移動局無線通信部
201 移動局共有メモリ部
202 移動局登録番号情報保持部
203 移動局制御部
204 移動局番号判定部
300 基地局無線通信部
301 基地局制御部
302 基地局共有メモリ部
303 基地局有線通信部
400 メッセージID
401 通信種別情報
402 要求キャリア数情報
500 登録番号情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動局と、前記移動局と無線通信可能であって、ネットワークに接続された基地局と、を備え、前記移動局が前記ネットワークに接続された通信先とデータを通信する無線通信システムにおいて、
前記基地局は、前記複数の移動局にキャリアを割り当てるキャリア割当部を備え、
前記移動局は、
緊急通信先を特定するための情報が登録された緊急通信先特定情報を予め記憶し、
前記基地局によって割り当てられたキャリアを用いて前記ネットワークに接続された通信先とデータを通信する通信部と、
前記通信先を特定するための情報が入力された場合、前記緊急通信先特定情報を参照し、前記通信先が前記緊急通信先であるか否かを判定する緊急通信先判定部と、
前記緊急通信先判定部による判定の結果を含む無線接続要求を前記基地局に送信する判定結果送信部と、を備え、
前記キャリア割当部は、
前記無線接続要求を受信した場合、前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が前記緊急通信先であるか否かを判定し、
前記通信先が前記緊急通信先である場合に割り当てるキャリア数を、前記通信先が前記緊急通信先でない場合に割り当てるキャリア数よりも少なくすることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記緊急通信先特定情報には、前記緊急通信先に割り当てられるキャリア数が前記緊急通信先に対応して登録され、
前記緊急通信先に対応して登録されたキャリア数は、前記通信先が前記緊急通信先でない場合に割り当てられるキャリア数よりも少ないものであって、
前記緊急通信先判定部は、前記通信先が前記緊急通信先であると判定した場合、前記緊急通信先特定情報を参照し、当該通信先に対応するキャリア数を特定し、
前記判定結果送信部は、前記緊急通信先判定部によって特定されたキャリア数を含む前記無線接続要求を前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が前記緊急通信先であることを示す場合、前記緊急通信先判定部によって特定されたキャリア数を、前記無線接続要求を送信した前記移動局に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記無線通信システムは、前記移動局が正規な移動局であるか否かを認証する認証計算機を備え、
前記基地局は、前記無線接続要求を受信した場合、前記無線接続要求を送信した移動局の認証要求を、前記認証計算機に送信し、
前記認証要求は、前記無線接続要求に含まれる前記緊急通信先判定部による判定の結果を含み、
前記認証計算機は、
前記認証要求を受信した場合、前記認証要求に含まれる判定の結果に基づいて、前記移動局の通信先が前記緊急通信先であるか否かを判定し、
前記移動局の通信先が前記緊急通信先でないと判定された場合、前記移動局が正規な移動局であるかを認証し、
前記移動局が正規な移動局であると認証された場合、前記移動局の前記ネットワークへの接続を許可し、
前記移動局が正規な移動局でないと認証された場合、前記移動局の前記ネットワークへの接続を禁止し、
前記移動局の通信先が前記緊急通信先であると判定された場合、前記移動局の認証をせずに、前記移動局の前記ネットワークへの接続を許可することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記基地局は、
前記通信先が前記緊急通信先であることを示す判定の結果を含む前記無線接続要求の所定の単位時間当たりの受信回数が所定値以上であるか否かを判定し、
前記受信回数が所定値以上であると判定された場合、これ以降に受信する無線接続要求に含まれる判定の結果にかかわらず、前記通信先が前記緊急通信先でない場合よりも少ない数のキャリアを、前記無線接続要求を送信した前記移動局に割り当てることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の無線通信システム。
【請求項5】
ネットワークに接続された基地局と無線通信可能であって、前記ネットワークに接続された通信先とデータを通信する移動局において、
前記移動局は、
緊急通信先を特定するための情報が登録された緊急通信先特定情報を予め記憶し、
前記基地局によって割り当てられたキャリアを用いて前記ネットワークに接続された通信先とデータを通信する通信部と、
前記通信先を特定するための情報が入力された場合、前記緊急通信先特定情報を参照し、前記通信先が前記緊急通信先であるか否かを判定する緊急通信先判定部と、
前記緊急通信先判定部による判定の結果を含む無線接続要求を前記基地局に送信する判定結果送信部と、を備え、
前記通信先が前記緊急通信先である場合、前記通信先が前記緊急通信先でない場合よりも少ない数のキャリアが前記基地局によって割り当てられることを特徴とする移動局。
【請求項6】
前記緊急通信先特定情報には、前記緊急通信先に割り当てられるキャリア数が前記緊急通信先に対応して登録され、
前記緊急通信先に対応して登録されたキャリア数は、前記通信先が前記緊急通信先でない場合に割り当てられるキャリア数よりも少ないものであって、
前記緊急通信先判定部は、前記通信先が前記緊急通信先であると判定した場合、前記緊急通信先特定情報を参照し、当該通信先に対応するキャリア数を特定し、
前記判定結果送信部は、前記緊急通信先判定部によって特定されたキャリア数を含む前記無線接続要求を前記基地局に送信し、
前記通信先が前記緊急通信先である場合、前記緊急通信先判定部によって特定されたキャリア数が前記基地局によって割り当てられることを特徴とする請求項5に記載の移動局。
【請求項7】
ネットワークに接続された通信先とデータを通信する移動局と無線通信可能であって、前記ネットワークに接続された基地局において、
前記移動局が通信先とデータの通信に用いるキャリアを前記移動局に割り当てるキャリア割当部を備え、
前記キャリア割当部は、
前記通信先が前記移動局に入力された場合に送信され、前記移動局による前記通信先が緊急通信先であるか否かの判定の結果を含む無線接続要求を受信した場合、前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が緊急通信先であることを示すか否かを判定し、
前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が緊急通信先であることを示すと判定された場合、前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が緊急通信先でないことを示すと判定された場合よりも少ない数のキャリアを、前記無線接続要求を送信した前記移動局に割り当てることを特徴とする基地局。
【請求項8】
前記無線接続要求には、前記緊急通信先に対応して、かつ、前記緊急通信先でない場合に割り当てられるキャリア数よりも少ないキャリア数が含まれ、
前記キャリア割当部は、前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が緊急通信先であることを示すと判定された場合、前記無線接続要求に含まれる前記緊急通信先に対応するキャリア数を、前記無線接続要求を送信した前記移動局に割り当てることを特徴とする請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記キャリア割当部は、
前記通信先が緊急通信先であることを示すと判定された前記移動局による判定の結果を含む前記無線接続要求の所定の単位時間当たりの受信回数が所定値以上であるか否かを判定し、
前記受信回数が所定値以上であると判定された場合、これ以降に受信する無線接続要求に含まれる判定の結果にかかわらず、前記受信した無線接続要求に含まれる判定の結果が、前記通信先が緊急通信先でないことを示すと判定された場合よりも少ない数のキャリアを、前記無線接続要求を送信した前記移動局に割り当てることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−5315(P2013−5315A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136148(P2011−136148)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】