無線通信システム及び漏洩伝送路並びにアンテナアレイケーブル
【課題】屋内における不感エリアの発生を解消し、しかも、符号間干渉のない高速な同報伝送を低コストで実現する。
【解決手段】無線LANを稼動させる屋内11の天井部分に漏洩導波管21〜23を配設する。漏洩導波管21〜23は、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器24に接続し、この電力分配合成器24を無線基地局装置13に接続する。無線基地局装置13は無線端末装置17と漏洩導波管21〜23を経由してOFDM方式の変復調を利用して無線通信する。
【解決手段】無線LANを稼動させる屋内11の天井部分に漏洩導波管21〜23を配設する。漏洩導波管21〜23は、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器24に接続し、この電力分配合成器24を無線基地局装置13に接続する。無線基地局装置13は無線端末装置17と漏洩導波管21〜23を経由してOFDM方式の変復調を利用して無線通信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内において無線基地局装置と無線端末装置との間で無線通信を行う無線通信システム及びこのシステムで用いられる漏洩伝送路並びにアンテナアレイケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
屋内において無線基地局装置と無線端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムとしては、図14に示すものが知られている。これは、無線LANを稼動させる屋内1の天井部分に複数の無線基地局装置2を配置し、これらの無線基地局装置2に外部からLANケーブル3及び電源ケーブル4を接続している。
【0003】
前記各無線基地局装置2は、無線通信範囲となるセル5内にある無線端末装置6と無線通信を行うことになるが、セル5が屋内1の床面全体を網羅するように配置する必要がある。すなわち、安全を見て各セルがある程度重なるように無線基地局装置2を配置している。例えば、無線基地局装置2による床面上のセル5の半径が20m程度に設定され、床面が50m四方とすると、最低でも4台の無線基地局装置2を配置する必要がある。
【0004】
また、基地局が、サービスエリア内の端末局との間で無線通信を行うためのアンテナ経由送受信手段と、基地局から放射される電波が有効に届かない不感エリアがある端末局との間で無線通信を行うための比較的大出力の給電線経由送受信手段とを備え、不感エリア内に、不感エリアの形状に応じてアンテナまたは漏洩給電線を配備し、かつ、このアンテナまたは漏洩給電線と基地局の給電線経由送受信手段とを所定の減衰定数と所定の長さを有する給電線で接続することにより、アンテナまたは漏洩給電線から放射される電波の出力レベルが基地局のアンテナ経由送受信手段から放射される電波のレベルを超えないように設定したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平06−188821号公報(段落「0006」等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前者のようなセル分割方式の場合、電波伝播の障害となる什器などが多い屋内環境では、什器による不感エリアを解消するため、もっと多くの無線基地局装置を配置する必要があり、全体として使用する無線基地局装置の台数が増加し、また、それに伴う無線基地局装置の設置工事も増加し、全体の設備コストが高くなるという問題があった。
【0006】
また、配置する無線基地局装置の台数を増やした場合、各無線基地局装置からの到来波が受信側アンテナ端において搬送波同士で打ち消し合う干渉を引き起こすため、直交周波数分割多重変調(以下、OFDMと称する。)方式のようなマルチパス干渉に強い変復調方式を用いたとしても効果が無く、このため、各無線基地局装置から同時に電波を出して全ての無線端末装置に対して同報伝送することができないという問題があった。また、時分割で各無線基地局装置一台ずつ順に送信を行うこともできるが、しかし、このようにすると全体として情報伝送を完了するのに多くの時間がかかるという問題がある。
【0007】
また、後者においては、通常の基地局を設置した無線LANシステムに加えて、さらに不感エリアに漏洩給電線を配置し、これに専用の送信手段である従無線設備を設ける構成であるため、設備的に大掛かりとなり、全体の設備コストが高くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、屋内における不感エリアの発生を解消でき、しかも、符号間干渉のない高速な同報伝送を低コストで実現できる無線通信システム及びこのシステムで用いられる漏洩伝送路並びにアンテナアレイケーブルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、アンテナとして機能する漏洩伝送路と、この漏洩伝送路の一端に接続し、この漏洩伝送路を介して無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、漏洩伝送路は、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、無線端末装置と無線基地局装置との間の無線通信は直交周波数分割多重変復調方式を使用し、漏洩伝送路の複数のスロットからの到来波が無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように漏洩伝送路を配設したことにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、屋内における不感エリアの発生を解消でき、しかも、符号間干渉のない高速な同報伝送を低コストで実現できる無線通信システム及びこのシステムで用いられる漏洩伝送路並びにアンテナアレイケーブルを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
初めに、本発明の他の観点に基づく例について説明する。
図1に示すように、店舗等の屋内、例えば、無線LANを稼動させる屋内11の天井部分に、アンテナとして機能する伝送路として、漏洩伝送路の一種である漏洩導波管12を蛇行して配設している。
【0012】
前記漏洩導波管12は、例えば、天井パネルの表側や天井パネルの裏側や天井パネル内に配設される。また、天井パネルがない場合は、前記漏洩導波管12は、屋根の内側に吊るすようにして屋内11の上部空間部分に配設される。
なお、漏洩伝送路としては漏洩導波管以外に漏洩同軸ケーブルを用いることもできるが、伝送損失の小さい漏洩導波管の方が無線LANのような低送信電力システムに適している。
【0013】
前記漏洩導波管12は、図2に示すように、管状導体12aに所定の長さのスロット12bを一定の間隔で全体に亙って設け、これを被覆材12cで覆ったもので、導波管内と外部空間との間でスロット12bを介して電波の送受信を行うようになっている。
【0014】
前記漏洩導波管12の電波輻射特性は、ホイップアンテナやダイポールアンテナのような一般の単一型アンテナとは異なり、図3に示すような輻射パターンとなるものである。すなわち、輻射パターンは、漏洩導波管12の軸方向から見て扇状となり、これが導波管全体に亙っている。そして、漏洩導波管12の近傍で電界強度が大きく、離れるに従って徐々に弱まる電界強度分布が得られるようになっている。
【0015】
蛇行配置される前記漏洩導波管12の間隔は、送信電力が数十から数百mWの2.4GHz帯、または5GHz帯の無線LANシステムの場合、6m〜10m程度に設定するのが通信性能と経済性の両立という点で合理的である。
【0016】
前記漏洩導波管12は、一端を無線基地局装置13に接続し、他端を導波管の特性インピーダンスに等しい負荷抵抗値をもつ終端負荷としての終端器14に接続している。前記無線基地局装置13は保守作業が容易な壁面に設置している。なお、天井パネル等に設置してもよい。
【0017】
前記無線基地局装置13は、LANケーブル15及び電源ケーブル16に接続している。前記屋内11の床面には前記無線基地局装置13と無線通信する複数の無線端末装置17が配置されている。
【0018】
このような構成の無線LANシステムにおいては、LANケーブル15により無線基地局装置13に伝送された情報は、OFDM方式により変調され、2.4GHz帯または5GHz帯の高周波信号として漏洩導波管12に送出される。この高周波信号は漏洩導波管12内を伝播しながら、その一部が多数のスロット12bから床面方向の空間約180度の角度範囲に電波として輻射される。
【0019】
無線端末装置17においては、漏洩導波管12の各スロット12bのうち、比較的近くにあるスロット群18a,18bから輻射される複数の送信波が到来波として特に強く受信される。そして、送信波相互には受信点に到達するまでの時間差があるが、漏洩導波管12の間隔が10m、漏洩導波管12の床面からの高さが3m、漏洩導波管12上におけるスロット群18aとスロット群18bとの距離を20mとすると、無線端末装置17が受信する到来波の時間差の最大値は90nsec程度となる。
【0020】
無線LANに用いられるOFDM方式の規格では遅延波の影響を排除できるガード区間は800nsecに設定されている。すなわち、OFDMはマルチキャリア伝送方式の一種であり、送信データは互いに直交する多数のサブキャリアによって伝送される。そして、各サブキャリアは、図4に示すような有効シンボル区間と、その一部をコピーしたガード区間の2つで構成された変調シンボル(多進符号)を伝送する。
【0021】
送受信間においては、直接経路だけでなく複数の反射経路が存在するので、受信側では図5に示すように、直接波、反射波R1、R2、R3というような時間差のある複数のシンボルが受信される。受信側において、Tsの区間の合成波には並びの順は異なっても有効シンボルjの構成要素だけが含まれている。これは送信側においてガード区間を付加したことによって、ガード区間の時間差以内の遅延波であれば前後のシンボルi,kの成分が区間Tsに含まれなくなることを示している。受信側ではこの区間Tsで切り出した部分をフーリエ変換することによって隣接するシンボル区間との干渉を受けることなくOFDM復調を行うことができる。
【0022】
このようにOFDM方式により無線基地局装置13と無線端末装置17とで情報の送受信を行うことで、スロット群18a及びスロット群18bからの到来波を無線端末装置17が受信してOFDM復調し、情報を確実に取得することができる。また、スロット群18aからの送信波が人や什器の障害物で完全に遮られても、残るスロット群18bからの送信波が受信アンテナに到達する。
【0023】
すなわち、無線端末装置17からの送信波は何らかの障害があっても、漏洩導波管12上のいずれかのスロット12bとの間で障害物の影響を受けない伝播経路が存在し確実に漏洩導波管12へ到達する。
【0024】
また、無線端末装置17の受信アンテナは多数の到来波を受信するが、これらは多数のスロット12bからそれぞれ輻射されたものであり、各到来波の位相差は非常に小さいステップで異なっているため、ほぼ連続的と見なせる。そのため、受信アンテナにおいて180度の位相差となって完全に打ち消し合う到来波の組み合わせが一部にあったとしても、残る大多数の到来波による有効な受信電力が存在する。
【0025】
一方、OFDM方式は、受信側の復調過程においてガード区間に到来する遅延波に対しては耐性を有するので、送信波源が複数ある場合や反射波によるマルチパスがある場合に受信側で複数の時間差のある電波を受信しても、復調段階において符号間干渉による伝送品質の劣化は少ない。従って、位相が連続的に異なる多数の到来波を受信した場合に、主電力を占める複数の到来波の最大時間差がガード区間内であれば正常な復調を行う。
【0026】
このように、無線基地局装置13のアンテナとして漏洩導波管12を使用しているので、たとえ屋内11に多数の什器が存在しても屋内11に点在している無線端末装置17との間の電波伝播路を確実に確保できる。また、無線基地局装置13と各無線端末装置17との変復調にOFDM方式を用いているので、多数の電波伝播路から到来する到来波の時間差による符号間干渉の影響を解消することができる。しかも、屋内11に多数の無線基地局装置を配置する必要はなく、設備コストはかからない。従って、屋内11における不感エリアの発生を解消でき、しかも、符号間干渉のない高速な同報伝送を低コストで実現できる。
【0027】
また、屋内11の天井部分に漏洩導波管12を蛇行配設しているので、無線端末装置17の直ぐ上に漏洩導波管12が存在しない場合でも、この無線端末装置17に対しては比較的近い距離を2本の漏洩導波管12が通過することになる。従って、この無線端末装置17に対して比較的近い距離に多数のスロット12bが存在することになり、無線端末装置17は、漏洩導波管12との間で良好な無線伝播経路を確保できる。
【0028】
なお、ここでは、屋内11の天井部分に漏洩導波管を蛇行配設したが、必ずしもこれに限定するものではない。例えば、図6に示すように、屋内11の天井部分に漏洩導波管12を渦状に配設しても、あるいは、図7に示すように、屋内11の天井部分に漏洩導波管12をジグザグに配設しても良い。また、漏洩導波管12を屋内11の床下に配設しても良い。
【0029】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に関わる実施の形態について説明する。
なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0030】
図8に示すように、無線LANを稼動させる屋内11の天井部分に、漏洩伝送路として、例えば3本の漏洩導波管21,22,23を所定の間隔を開けて並列に配設している。
【0031】
前記各漏洩導波管21,22,23は、前記漏洩導波管12と同様、図2に示す構成になっている。前記各漏洩導波管21,22,23の間隔は、送信電力が数十から数百mWの2.4GHz帯、または5GHz帯の無線LANシステムの場合、6m〜10m程度に設定するのが通信性能と経済性の両立という点で合理的である。
【0032】
前記各漏洩導波管21,22,23は、一端を電力合成分配器24に接続し、他端をそれぞれ導波管の特性インピーダンスに等しい負荷抵抗値をもつ終端負荷としての終端器25,26,27に接続している。そして、前記電力合成分配器24の共通端子と無線基地局装置13とを同軸ケーブル28により接続している。
【0033】
このような構成においても無線基地局装置13のアンテナとして漏洩導波管21,22,23が機能するので、たとえ屋内11に多数の什器が存在しても屋内11に点在している無線端末装置17との間の電波伝播路を確実に確保できる。また、無線基地局装置13と各無線端末装置17との変復調にOFDM方式を用いているので、多数の電波伝播路から到来する到来波の時間差による符号間干渉の影響を解消することができる。しかも、屋内11に多数の無線基地局装置を配置する必要はなく、設備コストはかからない。従って、この実施の形態においても前述した実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【0034】
(第3の実施の形態)
なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
これは、例えば店舗の屋内などであって、室内の床上に長尺な多数の商品陳列棚31が並べてある状態を例として述べる。
【0035】
前述した第1の実施の形態のように、漏洩導波管12を屋内の天井部分に蛇行配設する場合は、図9に示すように、多数の商品陳列棚31に対して、漏洩導波管12をこの各商品陳列棚31を前後に横切るように蛇行配設する。
【0036】
また、前述した第2の実施の形態のように、複数の漏洩導波管21,22,23を屋内の天井部分に所定の間隔を開けて配設する場合は、図10に示すように、多数の商品陳列棚31に対して、漏洩導波管21,22,23をこの各商品陳列棚31を前後に横切るように配設する。
【0037】
このように、漏洩導波管を、商品陳列棚31を前後に横切るように配設することで、商品陳列棚31間に挟まれた通路に無線端末装置17が設置された場合であっても、無線端末装置17から漏洩導波管を常に見通せるので、無線端末装置17は商品陳列棚31に邪魔されずに漏洩導波管を経由して無線基地局装置13と確実に送受信することができる。また、無線端末装置17から見通せる漏洩導波管が複数本存在するので、たとえ一本が人などによって一時的に遮られても漏洩導波管との伝播経路は確保されるので、正常な通信ができる。
【0038】
従って、図9や図10に示す無線LANシステムは、多数の商品陳列棚が並べられ、多数の客が出入りする流通小売り店舗のような環境においても、漏洩導波管の均一な電波輻射及び受信特性によって商品陳列棚や混雑する人の影に隠れた不感エリアの解消と通信品質の安定性確保が可能になる。
【0039】
(第4の実施の形態)
この実施の形態は、アンテナとして機能する伝送路として、図11に示すようなアンテナアレイケーブル31を使用したものである。前記アンテナアレイケーブル31は、高周波ケーブル32の途中に、例えば、50cmから1mの間隔で第1のアンテナ部33を配置すると共に高周波ケーブル31の端にも終端器ではなく第2のアンテナ部34を配置したものである。
【0040】
前記第1のアンテナ部33は、図12の(a)に示すように、高周波結合器331とアンテナ素子332をプリント基板上にパターン形成したもので、アンテナ素子332は平面パッチアンテナになっている。この第1のアンテナ部33と高周波ケーブル32との接続は、例えば、コネクタを介して行われるようになっている。
【0041】
前記第2のアンテナ部34は、図12の(b)に示すように、高周波結合器は無く、アンテナ素子341のみをプリント基板上にパターン形成したもので、このアンテナ素子341も平面パッチアンテナになっている。この第2のアンテナ部34と高周波ケーブル32との接続もコネクタを介して行われるようになっている。
【0042】
このような構成のアンテナアレイケーブル31の電波輻射特性は、天井に敷設した場合には前述した漏洩導波管と同様に、ホイップアンテナやダイポールアンテナのような一般の単一型アンテナとは異なり、図13に示すような帯状の輻射パターンとなるものである。
【0043】
そして、このアンテナアレイケーブル31を漏洩導波管と同様に、例えば、天井パネルの表側や裏側、あるいは天井パネル内などの天井部分に配設する。また、天井パネルがない場合は屋根の内側に吊るすようにして屋内の上部空間部分に配設する。
【0044】
そして、配設パターンとしては、図1に示すように蛇行して配設、図6に示すように、天井部分に渦状に配設、あるいは、図7に示すように、天井部分にジグザグに配設する。また、図8に示すように電力合成分配器を使用して複数本のアンテナアレイケーブル31を所定の間隔を開けて並列に配設する。
【0045】
さらには、図9及び図10に示すように、複数の商品陳列棚が並べてある場合には各商品陳列棚を前後に横切るようにして配設する。
このように漏洩導波管に代えてアンテナアレイケーブル31を使用しても、前述した各実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【0046】
なお、前述した各実施の形態は本発明を無線LANシステムに適用したものについて述べたが必ずしもこれに限定するものではない。LANを使用しない無線通信システムにも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の、第1の実施の形態を示す各部の配置関係を示す斜視図。
【図2】同実施の形態における漏洩導波管の構成を示す図。
【図3】同実施の形態における漏洩導波管の電波輻射パターンを示す図。
【図4】同実施の形態の通信で使用するOFDM方式の変調シンボルの構成を示す図。
【図5】同実施の形態の通信で使用するOFDM方式のガード区間の効果を説明するための図。
【図6】同実施の形態における漏洩導波管の他の配設例を示す図。
【図7】同実施の形態における漏洩導波管の他の配設例を示す図。
【図8】本発明の、第2の実施の形態を示す各部の配置関係を示す斜視図。
【図9】本発明の、第3の実施の形態における商品陳列棚の配置と漏洩導波管の蛇行配置との関係の一例を示す図。
【図10】同実施の形態における商品陳列棚の配置と漏洩導波管の配置との関係の他の例を示す図。
【図11】本発明の、第4の実施の形態におけるアンテナアレイケーブルの構成を示す図。
【図12】同実施の形態におけるアンテナアレイケーブルのアンテナ部の構成を示す図。
【図13】同実施の形態におけるアンテナアレイケーブルの電波輻射パターンを示す図。
【図14】従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0048】
11…屋内、12…漏洩導波管、13…無線基地局装置、17…無線端末装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内において無線基地局装置と無線端末装置との間で無線通信を行う無線通信システム及びこのシステムで用いられる漏洩伝送路並びにアンテナアレイケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
屋内において無線基地局装置と無線端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムとしては、図14に示すものが知られている。これは、無線LANを稼動させる屋内1の天井部分に複数の無線基地局装置2を配置し、これらの無線基地局装置2に外部からLANケーブル3及び電源ケーブル4を接続している。
【0003】
前記各無線基地局装置2は、無線通信範囲となるセル5内にある無線端末装置6と無線通信を行うことになるが、セル5が屋内1の床面全体を網羅するように配置する必要がある。すなわち、安全を見て各セルがある程度重なるように無線基地局装置2を配置している。例えば、無線基地局装置2による床面上のセル5の半径が20m程度に設定され、床面が50m四方とすると、最低でも4台の無線基地局装置2を配置する必要がある。
【0004】
また、基地局が、サービスエリア内の端末局との間で無線通信を行うためのアンテナ経由送受信手段と、基地局から放射される電波が有効に届かない不感エリアがある端末局との間で無線通信を行うための比較的大出力の給電線経由送受信手段とを備え、不感エリア内に、不感エリアの形状に応じてアンテナまたは漏洩給電線を配備し、かつ、このアンテナまたは漏洩給電線と基地局の給電線経由送受信手段とを所定の減衰定数と所定の長さを有する給電線で接続することにより、アンテナまたは漏洩給電線から放射される電波の出力レベルが基地局のアンテナ経由送受信手段から放射される電波のレベルを超えないように設定したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平06−188821号公報(段落「0006」等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前者のようなセル分割方式の場合、電波伝播の障害となる什器などが多い屋内環境では、什器による不感エリアを解消するため、もっと多くの無線基地局装置を配置する必要があり、全体として使用する無線基地局装置の台数が増加し、また、それに伴う無線基地局装置の設置工事も増加し、全体の設備コストが高くなるという問題があった。
【0006】
また、配置する無線基地局装置の台数を増やした場合、各無線基地局装置からの到来波が受信側アンテナ端において搬送波同士で打ち消し合う干渉を引き起こすため、直交周波数分割多重変調(以下、OFDMと称する。)方式のようなマルチパス干渉に強い変復調方式を用いたとしても効果が無く、このため、各無線基地局装置から同時に電波を出して全ての無線端末装置に対して同報伝送することができないという問題があった。また、時分割で各無線基地局装置一台ずつ順に送信を行うこともできるが、しかし、このようにすると全体として情報伝送を完了するのに多くの時間がかかるという問題がある。
【0007】
また、後者においては、通常の基地局を設置した無線LANシステムに加えて、さらに不感エリアに漏洩給電線を配置し、これに専用の送信手段である従無線設備を設ける構成であるため、設備的に大掛かりとなり、全体の設備コストが高くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、屋内における不感エリアの発生を解消でき、しかも、符号間干渉のない高速な同報伝送を低コストで実現できる無線通信システム及びこのシステムで用いられる漏洩伝送路並びにアンテナアレイケーブルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、アンテナとして機能する漏洩伝送路と、この漏洩伝送路の一端に接続し、この漏洩伝送路を介して無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、漏洩伝送路は、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、無線端末装置と無線基地局装置との間の無線通信は直交周波数分割多重変復調方式を使用し、漏洩伝送路の複数のスロットからの到来波が無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように漏洩伝送路を配設したことにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、屋内における不感エリアの発生を解消でき、しかも、符号間干渉のない高速な同報伝送を低コストで実現できる無線通信システム及びこのシステムで用いられる漏洩伝送路並びにアンテナアレイケーブルを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
初めに、本発明の他の観点に基づく例について説明する。
図1に示すように、店舗等の屋内、例えば、無線LANを稼動させる屋内11の天井部分に、アンテナとして機能する伝送路として、漏洩伝送路の一種である漏洩導波管12を蛇行して配設している。
【0012】
前記漏洩導波管12は、例えば、天井パネルの表側や天井パネルの裏側や天井パネル内に配設される。また、天井パネルがない場合は、前記漏洩導波管12は、屋根の内側に吊るすようにして屋内11の上部空間部分に配設される。
なお、漏洩伝送路としては漏洩導波管以外に漏洩同軸ケーブルを用いることもできるが、伝送損失の小さい漏洩導波管の方が無線LANのような低送信電力システムに適している。
【0013】
前記漏洩導波管12は、図2に示すように、管状導体12aに所定の長さのスロット12bを一定の間隔で全体に亙って設け、これを被覆材12cで覆ったもので、導波管内と外部空間との間でスロット12bを介して電波の送受信を行うようになっている。
【0014】
前記漏洩導波管12の電波輻射特性は、ホイップアンテナやダイポールアンテナのような一般の単一型アンテナとは異なり、図3に示すような輻射パターンとなるものである。すなわち、輻射パターンは、漏洩導波管12の軸方向から見て扇状となり、これが導波管全体に亙っている。そして、漏洩導波管12の近傍で電界強度が大きく、離れるに従って徐々に弱まる電界強度分布が得られるようになっている。
【0015】
蛇行配置される前記漏洩導波管12の間隔は、送信電力が数十から数百mWの2.4GHz帯、または5GHz帯の無線LANシステムの場合、6m〜10m程度に設定するのが通信性能と経済性の両立という点で合理的である。
【0016】
前記漏洩導波管12は、一端を無線基地局装置13に接続し、他端を導波管の特性インピーダンスに等しい負荷抵抗値をもつ終端負荷としての終端器14に接続している。前記無線基地局装置13は保守作業が容易な壁面に設置している。なお、天井パネル等に設置してもよい。
【0017】
前記無線基地局装置13は、LANケーブル15及び電源ケーブル16に接続している。前記屋内11の床面には前記無線基地局装置13と無線通信する複数の無線端末装置17が配置されている。
【0018】
このような構成の無線LANシステムにおいては、LANケーブル15により無線基地局装置13に伝送された情報は、OFDM方式により変調され、2.4GHz帯または5GHz帯の高周波信号として漏洩導波管12に送出される。この高周波信号は漏洩導波管12内を伝播しながら、その一部が多数のスロット12bから床面方向の空間約180度の角度範囲に電波として輻射される。
【0019】
無線端末装置17においては、漏洩導波管12の各スロット12bのうち、比較的近くにあるスロット群18a,18bから輻射される複数の送信波が到来波として特に強く受信される。そして、送信波相互には受信点に到達するまでの時間差があるが、漏洩導波管12の間隔が10m、漏洩導波管12の床面からの高さが3m、漏洩導波管12上におけるスロット群18aとスロット群18bとの距離を20mとすると、無線端末装置17が受信する到来波の時間差の最大値は90nsec程度となる。
【0020】
無線LANに用いられるOFDM方式の規格では遅延波の影響を排除できるガード区間は800nsecに設定されている。すなわち、OFDMはマルチキャリア伝送方式の一種であり、送信データは互いに直交する多数のサブキャリアによって伝送される。そして、各サブキャリアは、図4に示すような有効シンボル区間と、その一部をコピーしたガード区間の2つで構成された変調シンボル(多進符号)を伝送する。
【0021】
送受信間においては、直接経路だけでなく複数の反射経路が存在するので、受信側では図5に示すように、直接波、反射波R1、R2、R3というような時間差のある複数のシンボルが受信される。受信側において、Tsの区間の合成波には並びの順は異なっても有効シンボルjの構成要素だけが含まれている。これは送信側においてガード区間を付加したことによって、ガード区間の時間差以内の遅延波であれば前後のシンボルi,kの成分が区間Tsに含まれなくなることを示している。受信側ではこの区間Tsで切り出した部分をフーリエ変換することによって隣接するシンボル区間との干渉を受けることなくOFDM復調を行うことができる。
【0022】
このようにOFDM方式により無線基地局装置13と無線端末装置17とで情報の送受信を行うことで、スロット群18a及びスロット群18bからの到来波を無線端末装置17が受信してOFDM復調し、情報を確実に取得することができる。また、スロット群18aからの送信波が人や什器の障害物で完全に遮られても、残るスロット群18bからの送信波が受信アンテナに到達する。
【0023】
すなわち、無線端末装置17からの送信波は何らかの障害があっても、漏洩導波管12上のいずれかのスロット12bとの間で障害物の影響を受けない伝播経路が存在し確実に漏洩導波管12へ到達する。
【0024】
また、無線端末装置17の受信アンテナは多数の到来波を受信するが、これらは多数のスロット12bからそれぞれ輻射されたものであり、各到来波の位相差は非常に小さいステップで異なっているため、ほぼ連続的と見なせる。そのため、受信アンテナにおいて180度の位相差となって完全に打ち消し合う到来波の組み合わせが一部にあったとしても、残る大多数の到来波による有効な受信電力が存在する。
【0025】
一方、OFDM方式は、受信側の復調過程においてガード区間に到来する遅延波に対しては耐性を有するので、送信波源が複数ある場合や反射波によるマルチパスがある場合に受信側で複数の時間差のある電波を受信しても、復調段階において符号間干渉による伝送品質の劣化は少ない。従って、位相が連続的に異なる多数の到来波を受信した場合に、主電力を占める複数の到来波の最大時間差がガード区間内であれば正常な復調を行う。
【0026】
このように、無線基地局装置13のアンテナとして漏洩導波管12を使用しているので、たとえ屋内11に多数の什器が存在しても屋内11に点在している無線端末装置17との間の電波伝播路を確実に確保できる。また、無線基地局装置13と各無線端末装置17との変復調にOFDM方式を用いているので、多数の電波伝播路から到来する到来波の時間差による符号間干渉の影響を解消することができる。しかも、屋内11に多数の無線基地局装置を配置する必要はなく、設備コストはかからない。従って、屋内11における不感エリアの発生を解消でき、しかも、符号間干渉のない高速な同報伝送を低コストで実現できる。
【0027】
また、屋内11の天井部分に漏洩導波管12を蛇行配設しているので、無線端末装置17の直ぐ上に漏洩導波管12が存在しない場合でも、この無線端末装置17に対しては比較的近い距離を2本の漏洩導波管12が通過することになる。従って、この無線端末装置17に対して比較的近い距離に多数のスロット12bが存在することになり、無線端末装置17は、漏洩導波管12との間で良好な無線伝播経路を確保できる。
【0028】
なお、ここでは、屋内11の天井部分に漏洩導波管を蛇行配設したが、必ずしもこれに限定するものではない。例えば、図6に示すように、屋内11の天井部分に漏洩導波管12を渦状に配設しても、あるいは、図7に示すように、屋内11の天井部分に漏洩導波管12をジグザグに配設しても良い。また、漏洩導波管12を屋内11の床下に配設しても良い。
【0029】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に関わる実施の形態について説明する。
なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0030】
図8に示すように、無線LANを稼動させる屋内11の天井部分に、漏洩伝送路として、例えば3本の漏洩導波管21,22,23を所定の間隔を開けて並列に配設している。
【0031】
前記各漏洩導波管21,22,23は、前記漏洩導波管12と同様、図2に示す構成になっている。前記各漏洩導波管21,22,23の間隔は、送信電力が数十から数百mWの2.4GHz帯、または5GHz帯の無線LANシステムの場合、6m〜10m程度に設定するのが通信性能と経済性の両立という点で合理的である。
【0032】
前記各漏洩導波管21,22,23は、一端を電力合成分配器24に接続し、他端をそれぞれ導波管の特性インピーダンスに等しい負荷抵抗値をもつ終端負荷としての終端器25,26,27に接続している。そして、前記電力合成分配器24の共通端子と無線基地局装置13とを同軸ケーブル28により接続している。
【0033】
このような構成においても無線基地局装置13のアンテナとして漏洩導波管21,22,23が機能するので、たとえ屋内11に多数の什器が存在しても屋内11に点在している無線端末装置17との間の電波伝播路を確実に確保できる。また、無線基地局装置13と各無線端末装置17との変復調にOFDM方式を用いているので、多数の電波伝播路から到来する到来波の時間差による符号間干渉の影響を解消することができる。しかも、屋内11に多数の無線基地局装置を配置する必要はなく、設備コストはかからない。従って、この実施の形態においても前述した実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【0034】
(第3の実施の形態)
なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
これは、例えば店舗の屋内などであって、室内の床上に長尺な多数の商品陳列棚31が並べてある状態を例として述べる。
【0035】
前述した第1の実施の形態のように、漏洩導波管12を屋内の天井部分に蛇行配設する場合は、図9に示すように、多数の商品陳列棚31に対して、漏洩導波管12をこの各商品陳列棚31を前後に横切るように蛇行配設する。
【0036】
また、前述した第2の実施の形態のように、複数の漏洩導波管21,22,23を屋内の天井部分に所定の間隔を開けて配設する場合は、図10に示すように、多数の商品陳列棚31に対して、漏洩導波管21,22,23をこの各商品陳列棚31を前後に横切るように配設する。
【0037】
このように、漏洩導波管を、商品陳列棚31を前後に横切るように配設することで、商品陳列棚31間に挟まれた通路に無線端末装置17が設置された場合であっても、無線端末装置17から漏洩導波管を常に見通せるので、無線端末装置17は商品陳列棚31に邪魔されずに漏洩導波管を経由して無線基地局装置13と確実に送受信することができる。また、無線端末装置17から見通せる漏洩導波管が複数本存在するので、たとえ一本が人などによって一時的に遮られても漏洩導波管との伝播経路は確保されるので、正常な通信ができる。
【0038】
従って、図9や図10に示す無線LANシステムは、多数の商品陳列棚が並べられ、多数の客が出入りする流通小売り店舗のような環境においても、漏洩導波管の均一な電波輻射及び受信特性によって商品陳列棚や混雑する人の影に隠れた不感エリアの解消と通信品質の安定性確保が可能になる。
【0039】
(第4の実施の形態)
この実施の形態は、アンテナとして機能する伝送路として、図11に示すようなアンテナアレイケーブル31を使用したものである。前記アンテナアレイケーブル31は、高周波ケーブル32の途中に、例えば、50cmから1mの間隔で第1のアンテナ部33を配置すると共に高周波ケーブル31の端にも終端器ではなく第2のアンテナ部34を配置したものである。
【0040】
前記第1のアンテナ部33は、図12の(a)に示すように、高周波結合器331とアンテナ素子332をプリント基板上にパターン形成したもので、アンテナ素子332は平面パッチアンテナになっている。この第1のアンテナ部33と高周波ケーブル32との接続は、例えば、コネクタを介して行われるようになっている。
【0041】
前記第2のアンテナ部34は、図12の(b)に示すように、高周波結合器は無く、アンテナ素子341のみをプリント基板上にパターン形成したもので、このアンテナ素子341も平面パッチアンテナになっている。この第2のアンテナ部34と高周波ケーブル32との接続もコネクタを介して行われるようになっている。
【0042】
このような構成のアンテナアレイケーブル31の電波輻射特性は、天井に敷設した場合には前述した漏洩導波管と同様に、ホイップアンテナやダイポールアンテナのような一般の単一型アンテナとは異なり、図13に示すような帯状の輻射パターンとなるものである。
【0043】
そして、このアンテナアレイケーブル31を漏洩導波管と同様に、例えば、天井パネルの表側や裏側、あるいは天井パネル内などの天井部分に配設する。また、天井パネルがない場合は屋根の内側に吊るすようにして屋内の上部空間部分に配設する。
【0044】
そして、配設パターンとしては、図1に示すように蛇行して配設、図6に示すように、天井部分に渦状に配設、あるいは、図7に示すように、天井部分にジグザグに配設する。また、図8に示すように電力合成分配器を使用して複数本のアンテナアレイケーブル31を所定の間隔を開けて並列に配設する。
【0045】
さらには、図9及び図10に示すように、複数の商品陳列棚が並べてある場合には各商品陳列棚を前後に横切るようにして配設する。
このように漏洩導波管に代えてアンテナアレイケーブル31を使用しても、前述した各実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【0046】
なお、前述した各実施の形態は本発明を無線LANシステムに適用したものについて述べたが必ずしもこれに限定するものではない。LANを使用しない無線通信システムにも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の、第1の実施の形態を示す各部の配置関係を示す斜視図。
【図2】同実施の形態における漏洩導波管の構成を示す図。
【図3】同実施の形態における漏洩導波管の電波輻射パターンを示す図。
【図4】同実施の形態の通信で使用するOFDM方式の変調シンボルの構成を示す図。
【図5】同実施の形態の通信で使用するOFDM方式のガード区間の効果を説明するための図。
【図6】同実施の形態における漏洩導波管の他の配設例を示す図。
【図7】同実施の形態における漏洩導波管の他の配設例を示す図。
【図8】本発明の、第2の実施の形態を示す各部の配置関係を示す斜視図。
【図9】本発明の、第3の実施の形態における商品陳列棚の配置と漏洩導波管の蛇行配置との関係の一例を示す図。
【図10】同実施の形態における商品陳列棚の配置と漏洩導波管の配置との関係の他の例を示す図。
【図11】本発明の、第4の実施の形態におけるアンテナアレイケーブルの構成を示す図。
【図12】同実施の形態におけるアンテナアレイケーブルのアンテナ部の構成を示す図。
【図13】同実施の形態におけるアンテナアレイケーブルの電波輻射パターンを示す図。
【図14】従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0048】
11…屋内、12…漏洩導波管、13…無線基地局装置、17…無線端末装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナとして機能する漏洩伝送路と、
この漏洩伝送路の一端に接続し、この漏洩伝送路を介して無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、
前記漏洩伝送路は、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
前記無線端末装置と前記無線基地局装置との間の無線通信は直交周波数分割多重変復調方式を使用し、
前記漏洩伝送路の複数のスロットからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように前記漏洩伝送路を配設したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、この無線通信の変復調方式に直交周波数分割多重変復調方式によって無線通信を行う無線通信システムに用いられる漏洩伝送路であって、
所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
複数のスロットからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように配設され、アンテナとして機能することを特徴とする漏洩伝送路。
【請求項3】
複数の商品陳列棚を前後に横切るように配設したことを特徴とする請求項2記載の漏洩伝送路。
【請求項4】
アンテナとして機能するアンテナアレイケーブルと、
このアンテナアレイケーブルに接続し、このアンテナアレイケーブルを介して無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、
前記アンテナアレイケーブルは、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
前記無線端末装置と前記無線基地局装置との間の無線通信は直交周波数分割多重変復調方式を使用し、
前記アンテナアレイケーブルの複数のアンテナからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように前記アンテナアレイケーブルを配設したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、この無線通信の変復調方式に直交周波数分割多重変復調方式によって無線通信を行う無線通信システムに用いられるアンテナアレイケーブルであって、
所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
複数のアンテナからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように配設され、アンテナとして機能することを特徴とするアンテナアレイケーブル。
【請求項6】
複数の商品陳列棚を前後に横切るように配設したことを特徴とする請求項5記載のアンテナアレイケーブル。
【請求項1】
アンテナとして機能する漏洩伝送路と、
この漏洩伝送路の一端に接続し、この漏洩伝送路を介して無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、
前記漏洩伝送路は、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
前記無線端末装置と前記無線基地局装置との間の無線通信は直交周波数分割多重変復調方式を使用し、
前記漏洩伝送路の複数のスロットからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように前記漏洩伝送路を配設したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、この無線通信の変復調方式に直交周波数分割多重変復調方式によって無線通信を行う無線通信システムに用いられる漏洩伝送路であって、
所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
複数のスロットからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように配設され、アンテナとして機能することを特徴とする漏洩伝送路。
【請求項3】
複数の商品陳列棚を前後に横切るように配設したことを特徴とする請求項2記載の漏洩伝送路。
【請求項4】
アンテナとして機能するアンテナアレイケーブルと、
このアンテナアレイケーブルに接続し、このアンテナアレイケーブルを介して無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、
前記アンテナアレイケーブルは、所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
前記無線端末装置と前記無線基地局装置との間の無線通信は直交周波数分割多重変復調方式を使用し、
前記アンテナアレイケーブルの複数のアンテナからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように前記アンテナアレイケーブルを配設したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置を備え、この無線通信の変復調方式に直交周波数分割多重変復調方式によって無線通信を行う無線通信システムに用いられるアンテナアレイケーブルであって、
所定の間隔をあけて複数本並列に配設し、それぞれの一端を電力分配合成器に接続し、この電力分配合成器を無線基地局装置に接続し、
複数のアンテナからの到来波が前記無線端末装置で受信されるとき、複数の到来波の中で主電力を占める複数の到来波の時間差が直交周波数分割多重変復調方式のガード区間内に入るように配設され、アンテナとして機能することを特徴とするアンテナアレイケーブル。
【請求項6】
複数の商品陳列棚を前後に横切るように配設したことを特徴とする請求項5記載のアンテナアレイケーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−336577(P2007−336577A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198024(P2007−198024)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【分割の表示】特願2006−218560(P2006−218560)の分割
【原出願日】平成14年10月28日(2002.10.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【分割の表示】特願2006−218560(P2006−218560)の分割
【原出願日】平成14年10月28日(2002.10.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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