説明

無線通信ネットワークにおけるGPS衛星信号捕捉支援システムおよび方法

【課題】GPS衛星の配置からGPS衛星信号を捕捉する際に、統合形のGPS/無線端末ユニットを位置固定するのに必要な時間を低減するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】GPSのコードの位相サーチを狭めるための方法が含まれ、地理的位置の変数およびGPS時間に対する時間遅延を明らかにすることによって、狭いコード位相範囲を生成し、端末ユニットが必要なGPS衛星をより迅速に捕捉し、追跡し、それによって正確な位置情報を、要求しているエンティティへより迅速に供給できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2000年10月12日に出願された米国特許仮出願第60/239,774号に対して優先権を主張している。
【0002】
発明の分野
本発明は、通信システムに関する。とくに、本発明は、GPSポジショニングシステムおよび無線ネットワークに関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信産業では、無線端末に関する正確な位置情報を生成するサービスを提供し、かつ要求しているエンティティへこの情報を供給する傾向がある。この傾向は、公共の安全サービスプロバイダが自分で緊急呼に迅速に応答する必要があるために広まった。多くの場合に、発呼当事者は正確な位置情報を提供したがらなかったり、またはできなかったりする。配線式電話のサービスの場合のように、このような情報が自動的に供給されるときは、公共安全の当局者(public safety official)がサービスに迅速に応答して提供することができる。通常、公共安全のエンティティが‘911’の呼を受取る場所は、公共安全応答ポイント(Public Safety Answering Point, PASP)として知られている。
【0004】
無線電話ネットワーク、例えばセルラまたはPCSネットワークは、無線電話の本質的な移動性のために、配線式電話のネットワークよりも、自動的に発呼当事者の位置情報を提供することが、より困難である。若干の無線システムでは、何れの無線基地局か、または、おそらくは無線基地局内の何れの無線セクターが緊急呼を処理しているかを分析する位置情報をPSAPに与えている。この程度の分析における位置情報は、発呼当事者の位置を、せいぜい、比較的に広い地理的領域の程度において識別することのみであり、PSAPの急派員は、緊急サービスの要求に応答する前に、発呼当事者によって口頭で与えられた位置情報に頼らなければならない。
【0005】
米国連邦通信委員会(Federal Communication Commission, FCC)は、1996年6月に、拡張されたE911無線サービスに関する報告書および命令を採用したときに、位置情報を提供する問題に対処するように市場に要求した。FCCは、1997年12月23日に、改訂版の報告書および命令を発行した。重要部分を次に示す。
【0006】
FCCは、規則の発効日から12ヶ月以内に、セルラ、広帯域PCS、および地理的領域の専用移動無線(Specialized Mobile Radio, SMR)のシステムが、クレジットチェック(credit check)または他の確認手続きのための搬送波によって妨害されることなく、移動局からの全E911の緊急呼をPSAPへ送り、移動体識別番号(mobile identification number, MIN)、またはこれに機能的に相当するものを送ることを要求した。
【0007】
FCCは、規則の発効日から最初の12ヶ月において(なお、18ヶ月以内に完了する)、セルラ、広帯域PCS、および地理的SMRの使用許可を受けている者に、一定のE911の拡張を提示することを要求して。これらのE911の拡張には、発呼者の電話番号に応答する(呼が切断されたときは、E911の発呼者にコールバックする)能力が含まれる。さらに加えて、搬送波は、E911の呼を適切なPSAPへルート設定できなければならない。
【0008】
規則の発効日から5年以内は、移動局が緊急呼を行う場所(位置)は、認可を受けたPSAPへ二次元で供給され、その精度は二乗平均の平方根(root mean square, RMS)方法を使用して測定される半径125メートル内である。FCCによると、要求が認可を受けるのは、(1)PSAPが、無線搬送波によって伝えられた番号および位置を受信して、利用する能力をもつことを示すとき、および(2)コスト回復機構が適所にあるときである。
【0009】
FCCの位置精度要件は最低であり、したがって、無線ネットワーク装置の供給者および製造者は、最低要件よりも、より精度の高い位置データを供給するように努めている。例えば、Vanucciへの米国特許第6,021,330号(“MOBILE LOCATION IN A WIRELESS SYSTEM USING DESIGNATED TIME INTERVALS OF SUSPENDED COMMUNICATIONS”)(Lucent Technologiesへ譲渡された)は、幾つかの基地局によって同期して送られるビーコン信号の異なる経路遅延時間の測定値によって、移動局の場所を推定するシステムが教示されている。位置を判断するために、三辺測量の計算が行われる。
【0010】
無線ネットワーク内の移動局の場所の測定についての別のアプローチは、Soliman、他への米国特許第6,081,299号(“SYSTEM AND MEHTOD FOR DETERMINING THE POSITION OF A WIRELESS CDMA TRANSCEIVER”)(Qualcomm Inc.へ譲渡された)によって教示されている。Soliman、他は、グローバルポジショニングシステムの衛星および地上基地局の信号の両者を使用して、移動局の位置判断に対するより高度なアプローチを教示している。Soliman、他は、概して、第1のGPS衛星から送られる第1の信号と、第2のGPS衛星から送られる第2の信号とを基地局において同様に受信するプロセスを教示している。さらに加えて、移動局は、これらのGPS信号を受信して、それに応答して、第3の信号を基地局へ送るようにされている。基地局は第3の信号を受信して、それを使用して、移動局の位置を計算する。特定の構成では、基地局は移動局へ支援情報を送る。移動局は支援情報を使用して、第1および第2の衛星によって送られた信号を、このような支援情報がなかったときに可能であった速度よりも、より迅速に捕捉する。
【0011】
GPS衛星の位置および速度の測定を使用することは、FCCの報告書および命令の正確な要件内で位置を判断できるので、無線端末の場所を判断するための良好なアプローチである。これには、GPS技術を無線電話ユニットに加えると、新しいGPSの特徴を無線電話に取入れることができるといった他の効果もある。これらの特別な価値の特徴を使用すると、製品のエンドユーザへ付加的なサービスを提供することにより、このような製品の市場価格を上げ、かつ収益を増大することができる。
【0012】
GPSナビゲーションシステムは、地球の周りの軌道に乗った衛星を使用する。GPSのユーザは、地球上のどこにいても、正確なナビゲーション情報、例えば、三次元の位置、速度、および時刻を求めることができる。GPSシステムには、24機の衛星で構成されていて、衛星は半径26,600キロメートルの円軌道上に配置されていて、円軌道の3つの面は赤道に対して55°傾斜し、かつ120°の間隔を空けて配置されている。3本の軌道路の各々の中には、8機の衛星が等間隔に位置している。GPSを使用する位置測定は、軌道衛星からGPS受信機へ同報通信されるGPS信号の伝搬遅延時間の測定に基づいて行われる。通常は、4つの次元(緯度、経度、高度、および時間)で精密な位置判断をするには、4機の衛星から信号を受信することが必要である。受信機が各信号の伝搬遅延を測定すると、各衛星の範囲を、各遅延を光速によって乗算することによって計算する。次に、衛星の測定された範囲と既知の位置とを取入れて、4つの未知数が含まれている4つの式から成る組を解くことによって、位置と時間とを求める。GPSシステムの精密性は、各衛星の搭載された原子時計と、衛星時計および軌道パラメータを監視し、補正し続ける地上追跡局とによって維持される。
【0013】
各GPS衛星は、Lバンドの中の2つの直列コード化スペクトラム拡散信号(direct-sequence-coded spread spectrum signal)を送る。2つの信号は、1.57542ギガヘルツの搬送波周波数のL1信号と、1.2276ギガヘルツのL2信号とである。L1信号は、直交位相で変調された2つの位相シフトキーイング(phase-shift keyed, PSK)のスペクトラム拡散信号から成る。2つの信号は、Pコード信号(Pは、精密(precise)であることを表わす)およびC/Aコード信号(C/Aは、粗の捕捉(coarse/acquisition)であることを表わす)である。L2信号は、Pコード信号のみから成る。PコードおよびC/Aコードは、ビットの反復的な疑似乱数列(スペクトラム拡散の技術者は、これを“チップ”と呼ぶ)であり、これを搬送波上へ変調する。受信機は、これらのコードのクロックのような性質を利用して、時間遅延を測定する。各衛星のコードはユニークであり、全コードが同じ搬送波周波数であっても、受信機は、何れの衛星が所与のコードを送ったかを区別することができる。各搬送波に変調されるものには、システムの状態に関する情報と衛星の軌道パラメータとが含まれている50ビット/秒のデータ流があり、ナビゲーションの計算に必要である。Pコードの信号は暗号化され、通常は、商用および私用のユーザは使用できない。C/A信号は、全てのユーザに使用できる。
【0014】
GPS受信機において行われる処理は、ほとんどが、直列スペクトラム拡散の受信機において行われる処理によく見られるものである。疑似ランダムコード変調の拡散結果は、逆拡散として知られている処理において、そのコードを時間的に整合させて局所的に生成したコピーによって、それを乗算することによって、各信号から除去されなければならない。適切な時間整合、またはコード遅延が、受信機の始動時に分かっていることは、まずないので、GPS受信機の動作の最初の“捕捉”期間の間にサーチすることによって、判断しなければならない。適切なコードの時間整合は、GPS受信機の動作の“追跡”期間の間、維持される。
【0015】
受信信号が逆拡散されると、各信号は、中間搬送波周波数の50ビット/秒のPSK信号から成る。この信号の正確な周波数は、衛星と端末ユニットとの間の相対運動によって発生するドップラー効果と、局所受信機のGPSクロック基準の誤差とのために不確定である。ドップラーシフトは、通常は捕捉前には分かっていないので、最初の信号捕捉の間に、このドップラーシフトもサーチしなければならない。ドップラーシフトがほぼ判断されると、搬送波の復調が行われる。
【0016】
搬送波の復調後に、ビット同期化ループによってデータビットのタイミングを求め、最終的にデータ流を検出する。4つの衛星からの信号を捕捉して、自動追跡し、必要な時間遅延およびドップラー測定を行い、かつ(GPSの時間基準および軌道パラメータを判断するのに必要なだけの)十分な数のデータビットを受信すると、ナビゲーションの計算を行うことができる。
【0017】
位置判断におけるGPSシステムの1つの欠点は、最初の信号捕捉期間に長い時間が必要なことである。既に記載したように、4つの衛星の信号を追跡する前に、二次元のサーチ“空間”、すなわちコード位相遅延およびドップラーシフトについて、信号をサーチしなければならない。通常は、このサーチ空間内の信号の位置についての事前の知識がないときは、よくあるように、受信機の“コールドスタート”の後で、捕捉または追跡されることになる各衛星ごとに、多数のコード遅延(約2000)およびドップラーシフト(約15)をサーチしなければならない。したがって、各信号ごとに、サーチ空間内の30,000までの位置を検査しなければならない。通常は、これらの位置は1回につき1つずつ連続して検査され、各プロセスには5ないし10分かかる。受信アンテナの視野内の4つの衛星の識別(すなわち、PNコード)が分かっていないときは、捕捉時間はさらに長くなる。
【0018】
GPS受信機が衛星信号を既に捕捉していて、追跡モードになっている場合は、位置判断プロセスは、事実上、瞬時である。しかしながら、無線端末の通常の使用では、ユーザは電力をオンにして、迅速に動作を開始する。緊急の通信が意図されている場合もある。このような情況では、GPS衛星信号を捕捉し、GPS/無線端末ユニットを位置固定ができる前にコールドスタートすることに関係して、5ないし10分の時間遅延が生じるために、システムの応答時間が制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、GPS衛星信号を捕捉して、GPS/無線端末ユニットを位置固定するのに必要な時間を低減するためのシステムおよび方法が、この技術において求められ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のシステムおよび方法では、この技術における必要に対処している。第1の実施形態では、GPS受信機のコード位相のサーチ範囲を、無線ネットワークにおいて動作する統合形GPS/無線端末ユニットへ送るためのシステムを開示する。システムには基地局が構成されていて、基地局には、GPSの時間基準を生成するGPS受信機がさらに構成されている。さらに加えて、制御装置は、基地局の地理的位置および無線受信可能領域と、GPSの時間基準および受信可能領域内の推定の無線信号の伝搬遅延とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算する。さらに加えて、送信機は、制御装置に接続され、かつ計算されたGPSのコードのサーチ範囲を端末ユニットへ送るように動作する。上述のシステムの改良形では、GPSのコード位相のサーチ範囲は、中心値および大きさの値によって定められる。
【0021】
システムの別の実施形態では、基地局には、GPSの時間基準に対するGPS/無線端末ユニットの時間ずれを求めるための手段が構成されていて、制御装置は、基地局の地理的位置および無線受信可能領域と、時間基準とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算する。この実施形態の改良形では、時間ずれを求めるための手段は、基地局と端末ユニットとの間の往復無線信号伝搬時間を使用して、その時間ずれを設定する。
【0022】
システムの別の実施形態では、基地局には、GPS/無線端末ユニットの位置基準を求めるための手段が構成されていて、制御装置は、時間基準を参照することに加えて、位置基準を参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するように動作する。この実施形態の改良形では、位置基準を求めるための手段は、地上ベースの測定法と共分散行列とを使用して、前記位置基準を設定する。
【0023】
上述のシステムに加えて、本発明では、本発明の幾つかの実行方法を開示している。基地局が構成されている無線ネットワーク内で動作する統合形のGPS/無線端末ユニットにおけるGPS受信機のコード位相のサーチ範囲を定める第1の方法には、基地局の地理的位置および無線受信可能領域と、基地局のGPSの時間基準および無線受信可能領域における推定の無線信号の伝搬遅延とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するステップが含まれる。次に、基地局が計算されたGPSのコード位相のサーチ範囲を送って、端末ユニットがこれを受信するステップが含まれる。この方法の改良形では、GPSのコード位相のサーチ範囲は、中心値および大きさの値によって定められる。
【0024】
上述の方法の別の実施形態には、GPS/無線端末ユニットの時間基準を求めて、基地局のGPS時間に対する時間ずれを設定するステップが加えられている。次に、基地局の地理的位置および無線受信可能領域と、時間基準とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するステップが加えられている。別の実施形態では、時間基準を求めるステップでは、基地局と端末ユニットとの間の往復の無線信号の伝搬時間を使用して、時間ずれを設定している。
【0025】
上述の実施形態の改良形では、GPS/無線端末ユニットの位置基準を求めるステップが加えられている。次に、位置基準と時間基準とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するステップが加えられている。この改良形では、位置基準を求めるステップでは、地上ベースの測定法および共分散行列を使用して、前記位置基準を設定している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
ここで、例示的な実施形態および応用例を添付の図面に関連して記載し、本発明の特長的な教示を開示する。本発明は、個々の応用の例示的な実施形態に関連して本明細書に記載されているが、これらの実施形態に制限されないことを理解すべきである。本明細書に記載されている教示を理解できる当業者には、本発明の技術的範囲内における追加の変更、応用、および実施形態、並びに本発明が相当に利用される追加の分野が分かるであろう。
【0027】
図1を参照すると、本発明が実行される例示的な空間環境の図が示されている。無線ネットワークは、地球4の表面上に位置付けられており、多数の無線基地局(base station, BS)が構成されていて、無線基地局は、図1では参照符号6、8、10、12、および14で識別される。各基地局には、通常は、受信可能区域、すなわち、しばしば受信可能範囲の‘セル’と呼ばれる区域が画定されている。(1つまたは任意の数の)移動端末ユニット2は、無線ネットワークの受信可能領域内で動作する。端末ユニット2は、通常は、地球4の表面上で、またはその近くで動作する。好ましい実施形態では、無線端末ユニットにはGPS受信機が構成されていて、GPS受信機は、GPS衛星(図1には、参照符号16、18、20、および22として示されている)からGPS信号を受信する。好ましい実施形態では、無線端末ユニットには、EAI−IS−95にしたがって動作するCDMAトランシーバも構成されていて、それにより無線ネットワークの基地局(図1では、基地局8として示されている)と通信する。
【0028】
図2を参照すると、好ましい実施形態における一般的な無線基地局24の‘セルラ’の受信可能範囲が示されている。好ましい実施形態では、基地局24にはCDMAトランシーバシステムが構成されている。図2には、3つのトランシーバシステムが示されていて、3つのトランシーバシステムは、3本のアンテナ(図2には、参照符号26、28、および30で示されている)に接続されている。アンテナ26、28、および30は、通常は、互いに120°の方向に向き、指向性アンテナを採用して、120°の楔(wedge)のような形状の放射線パターンで信号を送受信する。したがって、アンテナ26、28、30のセルラ受信可能領域は、放射線パターン34、32、および36で表わされる。これらのパターンの組合わせにより、無線システムの基地局24の受信可能範囲38の‘セル’がほぼ定められる。本発明に関連して、好ましい実施形態の無線ネットワークは、無線端末ユニットの呼追跡情報を維持し、この情報により、個々の無線端末ユニットが、発呼または被呼のためにアクセスするセクターおよび基地局を分析することに注意すべきである。さらに加えて、無線ネットワークには、各基地局の‘セル’またはセクターがカバーする地理的領域を表わすデータが含まれている。したがって、呼中の無線端末ユニットの動作位置は、少なくとも、基地局の受信可能領域の範囲、および恐らくは、セクターの受信可能領域の範囲において分かっている。
【0029】
図3を参照すると、本発明の好ましい実施形態の無線端末ユニット2の機能ブロック図が示されている。CDMAトランシーバ部42とGPS受信機部44とは共用無線周波数(radio frequency, RF)回路46を介して接続されており、共用無線周波数回路46は送信/受信アンテナ48に接続されている。制御装置40は、通常はマイクロプロセッサを使用していて、関係する回路、例えばメモリ、入力/出力、および他の周辺機器が含まれている回路が構成されていて、CDMAトランシーバ42およびGPS受信機44に接続されていて、かつ、この両者を制御するように動作する。代わりの実施形態では、2つの別個の制御装置が構成されていて、制御装置は、CDMAトランシーバおよびGPS受信機をそれぞれ制御する。本発明の無線端末ユニットのCDMA部およびGPS部の要件および機能は、当業者にはよく理解されている。さらに加えて、無線端末ユニット2には、ユーザの入力/出力(input/output, I/O)部50が構成されていて、ユーザI/O部50には、マイクロフォン、スピーカ、ディスプレイ、キースイッチ入力、並びに無線トランシーバおよびGPS受信機に普通に用いられている他のデバイスが構成されている。
【0030】
図4を参照すると、本発明の好ましい実施形態の無線基地局8の機能ブロック図が示されている。無線基地局8には、当業者には分かるようなCDMA基地局に通常使用されている構成要素、例えばCDMAトランシーバ54および基地局制御装置52が構成されている。CDMAトランシーバは、アンテナ55に接続されている。好ましい実施形態では、GPS受信機56は、従来の基地局の構成要素と共に配置されている。GPS受信機56は、GPSアンテナ57、CDMA制御装置、および分離した位置判断装置ユニット58(separate position determining equipment unit, PDE)に接続されている。GPS受信機は、視界内の全てのGPS衛星を追跡し、位置推定表情報(ephemeris information)を制御装置52およびPDE58に必要なときに供給する。PDE58は、他の基地局装置と共に配置されていても、配置されていなくてもよい。基地局8は、通常の設置で、通信ネットワークともインターフェイスする。
【0031】
好ましい実施形態では、無線端末ユニットの位置判断に利用するアプローチでは、無線端末ユニットには、GPS受信機が構成されていて、この受信機を採用して、GPS衛星信号を受信し、その位置情報または速度情報、あるいはこの両者の情報を計算し、その情報を無線基地局へ戻して、無線端末ユニットの位置情報を要求しているエンティティに中継できるようにしている。既に記載したように、無線端末ユニットのユーザが‘911’呼を行うと、上述の処理が自動的に行われ、位置情報がPSAPへ自動的に供給されることになる。
【0032】
位置および速度の判断は、本発明の位置判断能力の多数の他の構成においても行われる。次に、そのような応用を記載するが、これらは例示的に記載するものであって、これらに制限されるわけではない。
【0033】
位置に敏感な宣伝:無線では、発呼者の位置に基づいて異なる正確な価格を設定することができる。したがって、発呼者が自宅または勤務先にいるときに、配線式の搬送波と無線の搬送波とを、比較可能なレートを提示することによって競合させることができる。
【0034】
位置に基づく情報サービス:ユーザは、レストラン、ホテル、百貨店、およびガソリンスタンドへの車での行き方を尋ねたり、またはそれらについての助言を得たりするのに、サービスセンターを呼ぶことができる。サービスセンターは、緊急時の要求にも応答することができ、車両故障の場合は、警官/消防士に知らせるか、またはレッカー車を要求することができる。
【0035】
ネットワークプランニング:無線ネットワーク処理からの移動局の位置と統計を使用して、新しい全ネットワークの拡張または配置を計画することができる。
【0036】
動的ネットワーク制御:収集された位置統計を使用し、ネットワークパラメータを動的に調節し、発呼者の動きによるネットワークロードの変化に適応させる。
【0037】
詐欺行為の管理:詐欺行為者は、収益を低減して、顧客の信頼を傷つけることによって、無線搬送波に不利な影響を与えることができる。位置情報の助けにより、オペレータは即時の検出および追跡が保証され、犯罪者の素早い逮捕につながる。
【0038】
全車両の管理および資産の追跡:全車両の所有者は、資産の追跡により、会社の乗り物(vehicle)の位置を常に特定し、ドライバーと即座に、またはボタンを押したときに通信して、エンジン、パワートレイン、ドアロック、などの状態を更新することができる。
【0039】
実時間のトラヒック更新:受信情報をトラヒック管理センターへ送って、交通渋滞および高速走行を緩和するのを助けることができる。
【0040】
無線ネットワーク環境において、GPS受信機を構成するには、一定の制限を受けなければならない。市場の圧力により、GPSを構成するコストは、スタンドアローン形のGPS受信機端末ユニットと比較して、削減される。この問題に対処するために、設計者は、CDMAの回路構成要素とGPSの回路構成要素とを、可能なときは常に共用することを試みた。コストを低減するための別のアプローチでは、処理の一部を無線端末ユニットから無線基地局へ戻さなければならない。無線ネットワーク環境では、基地局と端末ユニットとの通信リンクは比較的に高速であるので、これは可能である。例えば、基地局のGPS受信機は、視界内のGPS衛星を追跡し、関連するデータを収集し、CDMAの通信リンク上で無線端末ユニットへこれを供給できることが知られている。この機能により、無線端末ユニットのGPS受信機が、PNコードによって使用可能な衛星をサーチすることも、無線端末ユニットがそのメモリ内に従来のGPSの暦を維持することも、必要なくなった。
【0041】
GPS信号の捕捉および測定に対する従来のアプローチの別の基本的な制限は、位置測定を計算する前に、使用可能なGPS衛星を捕捉し、追跡するのに、長い時間を必要としたことである。これは、ユーザが非常事態にある場合に、ユーザの無線端末ユニットを同調して、‘911’の呼を行うことによって応答を得るので、問題であった。コールドスタート時間は、5ないし10分かかる。無線端末ユニットがこの遅れに対処するには、コールドスタート時間を低減する必要がある。
【0042】
標準のGPS受信機では、援助なしに、全ての衛星のPNコード系列、全てのPNコードの位相仮説、全てのドップラーシフトのずれをサーチして、必要な衛星信号を受信することが必要である。これは、24個の衛星、10キロヘルツのドップラーシフト、および1023個のコード仮説についてサーチすることを意味する(2046のディスクリートの2分の1チップのコードのずれおよび計算が必要である)。既に記載したように、幾何学的に使用可能な衛星のための衛星PNコードを、比較的に高速のCDMA通信リンク上の無線端末ユニットに供給し、ディスクリートな衛星のPNコード系列の数を24から、実際に見ることのできる衛星の組、すなわち通常は8であるが、4へ低減することができる。基地局は、GPSの配置を監視し続け、この情報を無線端末ユニットへ供給する。したがって、GPS受信機の衛星のサーチプロセスの少なくとも第1次元は、相当に低減する。別の態様では、ドップラーシフトによりサーチ範囲を低減する。少なくとも、静止基地局に対する衛星の動きを明らかにすることができ、ドップラーのサーチにより、疾走している自動車の速度といった、基地局と端末ユニットとの間の相対的な動きの範囲を低減することができる。しかしながら、受信した衛星のPNコード系列と、局所的に生成されたPNコード系列とを位相整合させるには、相当な労力が必要であり、処理には依然として時間がかかる。
【0043】
本発明では、無線端末ユニットの位置と時間基準とに関する情報から求めた計算に基づいて、相当に低減されたサーチウインドウのパラメータの範囲を、基地局から端末ユニットへ供給することによって、PNコード系列を位相整合するのに必要な時間を低減した。これは、受信機の場所と、GPS時間に対する受信機の時間ずれとについてのだいたいの知識に基づいて実現できる。好ましい実施形態では、既に記載したように、CDMA送信機/受信機はGPS受信機に接続されている。CDMAのハードウエアおよびソフトウエアは、ネットワーク、または(GPSのダウンリンクに匹敵する)インターネット上に置かれているデバイス、または他の私設ネットワークと非常に効率的に通信することができる。さらに加えて、これは、無線端末ユニットが通信している基地局を識別し、かつCDMA信号の到達時間を測定する手段によって、だいたいの位置の推定値を求めることもできる。CDMA無線端末ユニットのタイミングが、最初に到達したCDMA信号に整合していて、かつCDMA信号がGPSの時間に正確に整合しているので、無線端末ユニットは、非常に正確な(通常は、数十ミリ秒以内の)GPSの時間源を与えられる。
【0044】
基地局は、受信した無線端末ユニットの位置とGPSのPNコードの位相とのマッピングを生成する。さらに加えて、疑似範囲の測定値はPNコードの相対的な位相遅延であるので、マッピングは疑似範囲の測定値にも直接に関係する。基地局は、無線端末ユニットの位置の不確定領域およびこのマッピングと、GPS時間に関係する端末ユニットにおけるクロック誤差の予測範囲とに基づいて、GPSのPSコードの位相サーチウインドウの中心と大きさとを定める。または、その代わりに、PNコードの位相範囲の最初と最後とを計算して、サーチウインドウを定めてもよい。
【0045】
本発明では3つの基本的なシナリオを検討し、これらの3つのシナリオは、他の可能なシナリオも示唆する。第1のシナリオでは、無線端末ユニットの位置は、せいぜい、無線ネットワークの‘セル’サイトまたはセクターの領域の程度に分析され、時間基準は、基地局のGPS受信機の時間基準に正確に制限されているが、基地局から端末ユニットへの伝搬時間分遅延している。
【0046】
第2のシナリオでは、位置は、せいぜい、‘セル’サイトの程度で分析され、時間基準は、より正確であり、基地局のGPS受信機の時間を、基地局と無線端末との間の伝搬遅延分補正することによって判断される。
【0047】
第3のシナリオでは、第2のシナリオと同様に、より正確な時間基準が分かっており、かつ地上ベースの三角測量システムの場合のように、より正確な位置推定値が得られる。
【0048】
これらの各場合は、より詳しく解析する。全ての解析は、メートル単位で行ない、必要であれば、GPSまたはCDMAのチップに変換できると仮定する。さらに加えて、GPSのコード位相の表記は、早い方から遅い方への方向をとる(コード位相が大きくなると、対応して距離が大きくなる)。
【0049】
第1のシナリオ−ユーザの位置とGPSの疑似範囲とのマッピング
図5を参照すると、基地局8と、無線端末ユニット2と、GPS衛星18の1つとの間の空間的な関係の図が示されている。基地局8のアンテナのCDMA信号の遅延は、光速を遅延(単位:時間)によって除算することによって求め、これをC(単位:メートル)として定める。この値は、基地局8のGPS受信機における較正処理によって得られ、ネットワーク内の各基地局ごとに位置判断装置に記憶される。
【数1】

【0050】
次に、サーチウインドウを、不確定領域内の任意の場所にある端末ユニット2に対するこの関数の極値によって定める。端末ユニットの高度の最大化/最小化の問題は、基地局の付近の地形に基づく合理的に小さい範囲の値内にあることが分かっているので、サーチウインドウの中心および大きさを求めるのは二次元関数である。
【0051】
第1のシナリオ−不確定領域の中心における基地局
図6を参照すると、基地局8が、端末ユニット2の位置の不確定領域の中心にある場合の空間環境が示されている。面Pを、供給している基地局の位置を通る地球の正接面に平行な面であるとする。このシナリオでは、端末ユニット2の不確定区域は、基地局8の位置を中心とし、かつ半径Rの面P上の円盤部60であると仮定する。不確定領域の半径Rを最大で20キロメートルと仮定するとき(これは、一般的なCDMAの‘セル’のサービス領域であるときに、合理的である)、問題を解析的に分析することができる。さらに加えて、端末ユニット2は、基地局8と同じ地球の正接面P上にあると仮定する。通常は、基地局8の位置は端末ユニット2よりも、より高い高度にあるので、この仮定によりもたらされる誤差は少量であることに注意すべきである。
【数2】

【0052】
第1のシナリオ−一般的な場合
図7を参照すると、不確定区域が基地局8を中心としていない一般的な場合の空間図である。P66を、基地局8のアンテナの位置における地球の正接面に平行な面とするが、P66は、必ずしもそこを通っていなくてもよい(通常は、P66は、基地局のアンテナの下に位置する)。さらに加えて、衛星18は面P66の上に位置し、基地局8のアンテナも面P66の上に位置すると仮定する。端末ユニット2は面P66内に位置し、端末ユニットの不確定領域A、すなわち参照符号68または70は、面P60上の段差のない連続の領域であると仮定する。EIA IS−801では、不確定領域を楕円形と定義して、上述の共面の端末ユニットの位置の仮定をたてているので、Aは、半径Rを最大で50キロメートルとする円に制限されなければならない。これは、上述のCDMAの‘セル’のサービス領域の寸法について20キロメートルとした仮定と一致する。
【数3】

【0053】
この場合に、この関数は、不確定領域A70の境界線上に最大値および最小値の両者とをとる。最大値および最小値の両者が境界線上にあることが分かっているので、A70の境界線は、各位置において関数fの値をサンプリングされる。fは、fminを最小値とし、fmaxを最大値とすると、選ばれた全てのサンプル位置をとることができる。したがって、
サーチウインドウの中心は、ρCenter=ρBTS−c+[(fmin+fmax)/2]、
大きさは、ρSize=fmax−fminによって求められる。
【数4】

【0054】
minは、A68の境界線上にあることが分かっているので、境界線をサンプリングして、選択した各位置において、関数fの値を計算する。ここでも、fminを最小値とすると、fは、選ばれた全てのサンプル位置をとることができる。したがって、サーチウインドウの中心は、ρCenter=ρBTS−c+[(fmin+fmax)/2]、
大きさは、ρSize=fmax−fminによって求められる。
【0055】
表面A上のサンプル点の数は、不確定領域が、どのくらい平滑であるかに依存する。区域が、より平滑であれば、必要な点の数は、より少なくなる。楕円形の場合は、サンプル点は20個で十分である。選択される大きさは、仮のノイズのない場合において、端末ユニットがサーチウインドウ内に位置する最小の許容可能な保証に対応することは明らかである。ノイズが存在するときは、若干の余裕を加えることができる。
【数5】

【数6】

【0056】
第3のシナリオ
図9を参照すると、第3のシナリオの空間図が示されている。このシナリオでは、基地局8は、(第2のシナリオと同じ)時間と端末ユニット2の位置との両者についての、より正確な推定値を有する。
【数7】

【0057】
これらの推定値に加えて、測定値の統計に関して既に求めた情報に基づいて、推定の共分散行列を求めることができる。行列内の行の一方(および同じ列)は、時間バイアスの推定値に対応する。行列は、特定のフレームにおいて表現されるが、それを回転して、x軸を、基地局8から衛星18へ向かう単位ベクトルと平行させるのは自明である。これを行った後には、衛星へのLOS方向に沿う位置決め誤差Gの分散υが分かる。これに加えて、共分散行列からは、時間バイアス推定値の誤差Tの分散υ、およびTとGとの間の相互相関KGTが得られる。
【数8】

【0058】
したがって、本発明は、本明細書において、特定の応用の特定の実施形態を参照して記載されている。本発明を理解できる当業者は、本発明の技術的範囲内における追加の変更、応用、および実施形態が分かるであろう。例えば、本発明は、本明細書ではCDMAに関して記載されているが、当業者には、他の技術を使用できることが分かるであろう。さらに加えて、衛星は、本発明の教示の技術的範囲から逸脱することなく、低い軌道または高い高度で動作する疑似ライト(pseudo-lite)または他の移動プラットフォームであってもよい。
【0059】
したがって、本発明の特許請求項は、本発明の技術的範囲内における、このような応用、変更、および実施形態の一部および全てをカバーすることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の例示的な実施形態における空間環境例の図。
【図2】無線基地局の部分構成の図。
【図3】無線端末ユニットの機能ブロック図。
【図4】基地局の機能ブロック図。
【図5】本発明の例示的な実施形態の図。
【図6】本発明の例示的な実施形態の図。
【図7】本発明の例示的な実施形態の図。
【図8】本発明の例示的な実施形態の図。
【図9】本発明の例示的な実施形態の図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワーク内で動作する統合形のGPS/無線端末ユニットへ、GPS受信機のコード位相のサーチ範囲を送るためのシステムであって、
GPSの時間基準を生成するように動作する受信機と、
基地局の地理的位置、無線受信可能領域、前記GPSの時間基準、および前記受信可能領域内の推定の無線信号の伝搬遅延を参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するように動作する制御装置と、
前記制御装置に接続されていて、かつ前記計算されたGPSのコードのサーチ範囲を送るように動作する送信機とが構成されているシステム。
【請求項2】
前記GPSのコード位相のサーチ範囲が、中心値と大きさの値とによって定められる請求項1記載のシステム。
【請求項3】
無線ネットワーク内で動作する統合形のGPS/無線端末ユニットへ、GPS受信機のコード位相のサーチ範囲を送るためのシステムであって、
GPSの時間基準を生成するように動作するGPS受信機と、
前記GPS時間基準に対するGPS/無線端末ユニットの時間ずれを求めるための手段と、
基地局の地理的位置、無線受信可能領域、および前記時間基準を参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するように動作する制御装置と、
前記制御装置に接続されていて、かつ前記計算されたGPSのコードのサーチ範囲を送るように動作する送信機とが構成されているシステム。
【請求項4】
前記コード位相のサーチ範囲が、中心値と大きさの値とによって定められる請求項3記載のシステム。
【請求項5】
時間ずれを求めるための前記手段が、前記基地局と端末ユニットとの間の往復無線信号伝搬時間を使用して、前記時間ずれを設定する請求項3記載のシステム。
【請求項6】
無線ネットワーク内で動作する統合形のGPS/無線端末ユニットへ、GPS受信機のコード位相のサーチ範囲を送るためのシステムであって、
GPSの時間基準を生成するように動作するGPS受信機と、
前記GPS時間基準に対するGPS/無線端末ユニットの時間ずれを求めるための手段と、
GPS/無線端末ユニットの位置基準を求めるための手段と、
前記位置基準および前記時間基準を参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するように動作する制御装置と、
前記制御装置に接続されていて、かつ前記計算されたGPSのコードサーチ範囲を送るように動作する送信機とが構成されているシステム。
【請求項7】
前記GPSのコード位相のサーチ範囲が、中心値と大きさの値とによって定められる請求項6記載のシステム。
【請求項8】
位置基準を求めるための前記手段が、地上ベースの三角測量を行って、前記位置基準を設定するための手段を使用する請求項6記載のシステム。
【請求項9】
基地局が構成されている無線ネットワーク内で動作する統合形のGPS/無線端末ユニットにおいて、GPS受信機のコード位相のサーチ範囲を定めるための方法であって、
基地局の地理的位置および無線受信可能領域と、基地局のGPS時間基準および前記受信可能領域内の推定の無線信号の伝搬遅延とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するステップと、
前記計算されたGPSのコード位相のサーチ範囲を送るステップとが構成されている方法。
【請求項10】
前記GPSのコード位相のサーチ範囲が、中心値と大きさの値とによって定められる請求項9記載の方法。
【請求項11】
基地局が構成されている無線ネットワーク内で動作する統合形のGPS/無線端末ユニットにおいて、GPS受信機のコード位相のサーチ範囲を定めるための方法であって、
GPS/無線端末ユニットの時間基準を求めて、基地局のGPS時間に対する時間ずれを設定するステップと、
基地局の地理的位置および無線受信可能領域と、前記時間基準とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するステップと、
前記計算されたGPSのコード位相のサーチ範囲を送るステップとが含まれている方法。
【請求項12】
前記GPSのコード位相のサーチ範囲が、中心値と大きさの値とによって定められる請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記時間基準を求めるステップが、前記基地局と端末ユニットとの間の往復無線信号伝搬時間を使用して、時間ずれを設定する請求項11記載の方法。
【請求項14】
基地局が構成されている無線ネットワーク内で動作する統合形のGPS/無線端末ユニットにおいて、GPS受信機のコード位相のサーチ範囲を定めるための方法であって、
GPS/無線端末ユニットの時間基準を求めて、基地局のGPS時間に対する時間ずれを設定するステップと、
GPS/無線端末ユニットの位置基準を求めるステップと、
前記位置基準と前記時間基準とを参照して、GPSのコード位相のサーチ範囲を計算するステップと、
前記計算されたGPSのコード位相のサーチ範囲を基地局によって送るステップとが含まれている方法。
【請求項15】
前記GPSのコード位相のサーチ範囲が、中心値と大きさの値とによって定められる請求項14記載の方法。
【請求項16】
位置基準を求める前記ステップが、地上ベースの三角測量技術を使用して、前記位置基準を設定する請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−306588(P2007−306588A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−150321(P2007−150321)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【分割の表示】特願2002−534860(P2002−534860)の分割
【原出願日】平成13年10月11日(2001.10.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】