説明

無線通信ネットワーク上で実時間のパケット化された音声およびデータサービスを供給するための方法および装置

【課題】回路交換ネットワークおよびパケット交換ネットワーク上で音声トラヒックおよびデータトラヒックを送るための新規の方法および装置を提供する。
【解決手段】回路交換ネットワーク320は、インターネットプロトコルパケットから、そこにマルチメディアのペイロードが保持されていても、または保持されていなくても、IP/UDP/RTPのヘッダ情報を取り除く。回路交換ネットワーク320は、データトラヒックに関係する遅延を低減して、音声トラヒックのより厳格な遅延要件を満足させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、音声およびデータ通信に関する。とくに、本発明は、無線通信ネットワーク上でパケット化された音声トラヒックおよびデータトラックを送るための新規で向上した方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
現在の通信システムには、種々のアプリケーションをサポートすることが要求されている。1つのこのような通信システムは、符号分割多重アクセス(code division multiple access, CDMA)システムであり、CDMAシステムは、“TIA/EIA/IS-95 Mobile Station - Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System”(以下では、IS−95の標準規格と呼ぶ)か、または“TIA/EIA/IS-2000-2 Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems”(以下では、IS−2000の標準規格と呼ぶ)にしたがっている。別のCDMAの標準規格にはW−CDMAの標準規格があり、これは3rd Generation Partnership Project "3GPP"において具体化されており、Document Nos.第3G TS 25.211号、第3G TG 25.212号、第3G TG 25. 213号、および第3G TS 25.214号に記載されている。CDMAシステムは地上回線によってユーザ間の音声およびデータ通信を可能にしている。CDMA技術を多重アクセス通信システムに使用することについては、米国特許第4,901,307号(“SPREAD SPECTRUM MULTIPLE ACCESS COMMUNICATION SYSTEM USING SATELLITE OR TERRESTRIAL REPEATERS”)および米国特許第5,103,459号(“SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING WAVEFORMS IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM”)に開示されており、両文献は本発明の譲受け人に譲渡され、ここでは参考文献として取り上げている。他の通信システムには、例えば時分割多重アクセス(time division multiple access, TDMA)システム、および周波数分割多重アクセス(frequency division multiple access, FDMA)システムがある。
【0003】
本明細書では、基地局(base station)は、遠隔局と通信するハードウエアを示す。セル(cell)は、使用されている文脈に依存して、ハードウエアまたは地理的受信可能領域を示す。セクター(sector)は、セルの一部分である。CDMAシステムのセクターはセルの属性をもつので、セルに関して記載した教示は、セクターに容易に拡張することができる。
【0004】
CDMAシステムでは、ユーザ間の通信は、基地局を介して行われる。第1の遠隔局上の第1のユーザは、基地局への逆方向リンク上でデータを送ることによって、第2の遠隔局上の第2のユーザと通信する。基地局はデータを受信すると、別の基地局へデータをルート設定することができる。データは、同じ基地局、すなわち第2の基地局の順方向リンク上で第2の遠隔局へ送られる。順方向リンク(forward link)は基地局から遠隔局への伝送を示し、逆方向リンク(reverse link)は遠隔局から基地局への伝送を示す。IS−95およびIS−2000のFDDモードシステムでは、順方向リンクおよび逆方向リンクには別々の周波数が割り当てられている。
【0005】
無線データアプリケーションの需要が増大しているので、非常に効率的な無線データ通信システムに対する必要は、益々大きくなってきている。IS−95およびIS−2000の標準規格では、順方向リンクおよび逆方向リンク上でデータトラヒックおよび音声トラヒックを送ることができる。固定サイズのコードチャンネルフレームにおいてデータトラヒックを送るための方法は、米国特許第5, 504,773号(“METHOD AND APPARATUS FOR THE FORMATTING OF DATA TRANSMISSION”)に記載されており、これは本発明の譲受け人に譲渡され、ここでは参考文献として取り上げている。
【0006】
音声トラヒックサービスとデータトラヒックサービスとの間の重要な相違点は、音声トラヒックサービスには、厳密な最大遅延要件が課されていることである。通常は、音声トラヒックフレームの一方向の全遅延は、100ミリ秒未満である。対照的に、データトラヒックフレームの遅延は、データ通信システムの効率を最適化するために可変であってもよい。とくに、より効率的な誤り訂正コード化技術には、音声トラヒックサービスによって許容できる遅延よりも相当により大きい遅延を許容できることが必要であるが、データトラヒックフレームでは、このような誤り訂正コード化技術を利用することができる。効率的な符号化方式の例は、1996年11月6日に出願された米国特許出願第08/743,688号(“SOFT DECISION OUTPUT DECODER FOR DECODING CONVOLUTIONALLY ENCODED CODEWORDS”)に開示されており、これは本発明の譲受け人に譲渡され、ここでは参考文献として取り上げている。
【0007】
音声トラヒックとデータトラヒックとの間の別の重要な相違点は、音声トラヒックには、全ユーザに一定で共通のサービス程度(grade of service, GOS)が必要なことである。したがって、通常は、音声トラヒックサービスを与えるディジタルシステムでは、全てのユーザのために一定で等しい伝送レートに変換され、言語トラヒックフレームのために最大許容誤りレートに変換される。対照的に、データトラヒックサービスでは再伝送プロトコルが利用可能であるために、GOSはユーザごとに異なり、かつデータ通信システムの全効率を高めるために可変である。データトラヒック通信システムのGOSは、通常は、所定量のデータを転送する際に生じる全遅延として定義される。
【0008】
音声トラヒックサービスとデータトラヒックサービスとの間のさらに別の重要な相違点は、音声トラヒックサービスには信頼できる通信リンクが必要なことであり、例示的なCDMAシステムでは、信頼できる通信リンクはソフトなハンドオフによって与えられる。ソフトなハンドオフでは、2以上の基地局からの伝送が重複して、信頼性を向上する。しかしながら、このようにして信頼性を高めると、誤って受信したデータパケットを再伝送してしまうので、データトラヒック伝送には不要である。データトラヒックサービスでは、ソフトなハンドオフをサポートするのに使用する伝送電力を、追加データを送るために、より効率的に使用することができる。
【0009】
パケット交換ネットワーク上でパケット化されたトラヒックを送って、情報を意図された宛先に到達させるために、種々のプロトコルがある。1つのこのようなプロトコルは、“The Internet Protocol”、RFC 791(1981年9月)である。インターネットプロトコル(internet protocol, IP)では、メッセージをパケットに分解し、パケットを送信者から宛先にルート設定し、宛先においてパケットを元のメッセージに逆アセンブルする。IPプロトコルでは、各データパケットがIPヘッダで始まり、IPヘッダにはソースおよび宛先のアドレスフィールドが含まれていて、これらのアドレスフィールドにより、ホストおよび宛先のコンピュータを独特に識別することが必要である。RFC 793において公布されている伝送制御プロトコル(transmission control protocol, TCP)は、一方のアプリケーションから他方のアプリケーションへデータを確実に順番に送ることに責務を負っている。ユーザデータグラムプロトコル(User Datagram Protocol, UDP)はより簡単なプロトコルであり、TCPの信頼性の機構が必要ないときに有益である。音声パケットでは遅延が制約されているために再伝送するのは非効率的であるといった理由で、IPによる音声トラヒックサービスでは、TCPの信頼性の機構は必要ない。したがって、音声トラヒックを送るには、通常は、UDPが使用される。
【0010】
さらに加えて、音声トラヒックは時間に影響され易いので、時間に影響され易いトラヒックを送るための別のプロトコルが必要である。RFC 1889において公布(または、発行)されている実時間転送プロトコル(Real-time Transport Protocol, RTP)は、順序情報を使用して、パケットが到達する順番を判断し、かつタイムスタンピング情報を使用して、中間のパケットの到達時間のミスアラインメントを補正するものであり、これはジッタと呼ばれる。ジッタは、パケットの予測到達時間と、パケットが実際に到達した時間との間の差であると考えられる。RTPのヘッダは、UDPおよびIPのヘッダと共に、パケット交換ネットワーク上で音声トラヒックサービスを行うのに使用される。IP/UDP/RTPの組合わせのヘッダは40バイト長であり、これは実際のIPパケットにおいて相当な割合である。緩慢な通信リンクでは、IP/UDP/RTPのヘッダを送るのに必要なオーバーヘッドは、エンドユーザに受入れられない。
【発明の概要】
【0011】
概要
IP/UDP/RTPのヘッダを圧縮することによって、実時間のパケット化された音声およびデータのサービスを行うための新規で向上した方法および装置を提供し、この方法には、パケット交換ネットワークからのインターネットプロトコル(IP)パケットを、回路交換ネットワーク内の指定点において受信するステップと、ペイロードデータパケットを生成するステップと、ペイロードデータパケットを回路交換フレームへアラインさせるステップと、回路交換フレームを無線通信デバイスへ空中で転送するステップと、無線通信デバイスにおいて回路交換フレームからペイロードデータパケットを抽出するステップと、ペイロードデータパケットから新しいIPパケットを生成するステップとが含まれている。
【0012】
実施形態の1つの態様では、ナルフレームを生成して、破損したIPパケットと置換して、一連のフローにおける同期性を維持する。
【0013】
別の態様では、全てのヘッダ情報を取除くことによって、ペイロードデータパケットを生成する。
【0014】
本発明の特徴、目的、および長所は、符合する参照符号によって全体的に対応して同定している図面と組合せて後述の詳細な説明を参照するとき、そこからより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】例示的な無線通信システムの図。
【図2】無線通信ネットワーク上でパケットデータを送るためのプロトコルスタックの図。
【図3】無線通信ネットワーク上で実時間のパケットデータサービスを送るためのプロトコルスタックの図。
【図4】移動局がPDSNの範囲に入る初期設定プロセスのフローチャート。
【図5】実時間パケットデータサービスの順方向リンクの伝送のフローチャート。
【図6】実時間パケットデータサービスの逆方向リンクの伝送のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1に示されているように、無線通信ネットワーク10には、複数の移動局(加入者ユニットまたはユーザ装置とも呼ばれる)12aないし12d、複数の基地局(基地局トランシーバ(base station transceiver, BTS)またはノードBとも呼ばれる)14aないし14c、基地局制御装置(base station controller, BSC)(無線ネットワーク制御装置またはパケット制御機能とも呼ばれる)16、移動局制御装置(mobile station controller, MSC)またはスイッチ18、パケットデータ供給ノード(packet data serving node, PDSN)またはインターネットワーキング機能(internetworking function, IWF)20、公衆交換電話ネットワーク(public switched telephone network, PSTN)(一般的には、電話会社)22、およびインターネットプロトコル(internet protocol, IP)ネットワーク(一般的には、インターネット)24が含まれている。簡潔にするために、4つの移動局12aないし12d、3つの基地局14aないし14c、1つのBSC16、1つのMSC18、および1つのPDSN20が示されている。当業者には、移動局12、基地局14、BSC16、MSC18、およびPDSN20の数は任意であることが分かるであろう。
【0017】
1つの実施形態では、無線通信ネットワーク10は、パケットデータサービスネットワークである。移動局12aないし12dは、多数の種々のタイプの無線通信デバイス、例えば携帯電話;IPベースのウエブブラウザアプリケーションを実行するラップトップコンピュータに接続されたセルラ電話;ハンドフリーの車両用キットと関係付けられたセルラ電話;IPベースのウエブブラウザアプリケーションを実行するパーソナルディジタルアシスタント(personal digital assistant, PDA)、ポータブルコンピュータに搭載された無線通信モジュール;または無線ローカルループまたはメータ読み出しシステムに見られるような固定配置形通信モジュールである。最も一般的な実施形態では、移動局は何れかのタイプの無線通信ユニットである。
【0018】
移動局12aないし12dは、例えばEIA/TIA/IS−707の標準規格に記載されているような無線パケットデータプロトコルを実行するように構成されていることが好都合である。IS−707の標準規格についての特定の実施形態では、移動局12aないし12dは、IPネットワーク24へ送られるIPパケットを生成し、ポイント−ツウ−ポイントプロトコル(point-to-point protocol, PPP)を使用して、IPパケットをフレームへカプセル化する。
【0019】
1つの実施形態では、IPネットワーク24はPDSN20へ接続され、PDSN20はMSC18へ接続され、MSC18はBSC16およびPSTN22へ接続され、BSC16はワイヤーラインを介して基地局14aないし14cに接続され、幾つかの既知のプロトコル、例えばE1、T1、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode, ATM)、IP、PPP,フレーム中継、HDSL、ADSL、またはxDSLといったプロトコルにしたがって、音声パケットまたはデータパケット、あるいはこの両者を送るように構成されている。代わりの実施形態では、BSC16はPDSN20に直接に接続され、MSC18はPDSN20には接続されていない。別の実施形態では、移動局12aないし12dと基地局14aないし14cとのRFインターフェイスを通しての通信は、文献(3rd Generation Partnership Project 2 "3GPP2", "Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum System", 3GPP2 Document No. C.P0002-A, TIA PN-4694))に定義されていて、TIA/EIA/IS-2000-A(Draft, edit version 30)(1999年11月19日)として発行され、ここでは参考文献として全体的に取り上げている)にしたがって行われる。別の実施形態では、移動局12aないし12dと基地局14aないし14dとのRFインターフェイスを通しての通信は、TDMA、WCDMA、FDMAの技術にしたがって行われる。
【0020】
無線通信ネットワーク10の通常の動作中は、基地局14aないし14cは、電話呼中、ウエブブラウジング中、または他のデータ通信中の種々の移動局12aないし12dから逆方向リンク信号の組を受信して復調する。所与の基地局14aないし14cによって受信された各逆方向リンク信号は、基地局14aないし14c内で処理される。各基地局14aないし14cは、順方向リンク信号の組を変調して、複数の移動局12aないし12dへ送ることによって、移動局12aないし12dと通信する。例えば、図1に示されているように、基地局14aは、第1および第2の移動局12a、12bと同時に通信し、基地局14cは第3および第4の移動局12c、12dと同時に通信する。生成されたパケットはBSC16へ送られ、BSC16は呼資源割当ておよび移動管理機能を行い、例えば、特定の移動局12aないし12dへの呼を一方の基地局14aないし14cから別の基地局14aないし14cへソフトなハンドオフをするのを調整する。例えば、移動局12cは2つの基地局14b、14cと同時に通信している。移動局12cが送信元の基地局14cから十分に離れると、結果的に呼は宛先の基地局14bへハンドオフされる。
【0021】
従来の電話呼の伝送では、BSC16は受信データをMSC18へルート設定し、MSC18はPSTN22とのインターフェイスに追加のルート設定サービスを与える。データ呼のようにパケットベースでIPネットワーク24へ送るときは、MSC18がIPパケットをPDSN20へルート設定し、PDSN20がIPパケットをIPネットワーク24へ送る。その代わりに、BSC16がパケットを直接にPDSN20へルート設定し、PDSN20がIPネットワーク24へパケットを送ってもよい。
【0022】
CDMAシステムでは、順方向リンクには、少なくとも1つのパイロットチャンネルと複数のトラヒックチャンネルとが含まれていて、各チャンネルは適切なウオルシュまたは直交関数によって拡散される。次に、各チャンネルは、1対の直交する疑似雑音(pseudonoise, PN)系列によって1.2288マイクロチップ秒の固定チップレートで拡散される。ウオルシュコードとPN系列とを使用すると、基地局は多数の順方向リンクのCDMAチャンネルを生成することができる。IS−2000の標準規格によって開示されている多数のチャンネルのCDMAシステムでは、順方向リンクチャンネルは多数のチャンネルから構成されていて、このようなチャンネルには、パイロットチャンネル、同期チャンネル、ページングチャンネル、同報通信チャンネル、割り当てチャンネル、共通電力制御チャンネル、共通制御チャンネル、専用制御チャンネル、基本チャンネル、補助チャンネル、および補助コードチャンネルが含まれているが、これらのチャンネルに制限されるわけではない。
【0023】
逆方向のトラヒックチャンネルも多数のチャンネルから構成されていて、このようなチャンネルには、アクセスチャンネル、共通制御チャンネル、基本チャンネル、補助チャンネル、補助コードチャンネルが含まれるが、これらのチャンネルに制限されるわけではなく、IS−2000を実行している各個々の加入者ネットワークの無線構成によって特定される。
【0024】
各チャンネルは、機能的に異なる目的を達成するように物理的に構成されている。例えば、パイロットチャンネルはウオルシュコード“W”を使用して拡散されるだけであるが、同期チャンネルはコード化されて、インターリーブされて、拡散されて、変調されたスペクトラム拡散信号である。他の順方向および逆方向のリンクチャンネルも、コード化され、インターリーブされ、拡散され、変調されたスペクトラム拡散信号であるが、適切な遠隔通信の標準規格によって課される種々の要件を満足させるために、種々の値で操作される。
【0025】
IPネットワークからのデータパケットを無線通信ネットワーク上で伝送するには、図2に示されているプロトコルスタックのような1組のプロトコルにしたがうことによって実現できる。図2のプロトコルスタックにしたがうデータパケットの伝送は、以下では、パケットデータサービスオプション(Packet Data Service Option, PDSO)と呼ぶ。図2では、無線通信デバイス200は、基地局(base station, BS)/パケットデータ供給ノード(packet data serving node, PDSN)220とインターフェイスUmを介して通信する。既に記載したように、無線通信デバイス200は、IPパケットの送信元または宛先、あるいはその代わりに、電子デバイス210への透過性リンクである。何れの場合でも、ペイロード情報はパケットに分解され、各パケットにはヘッダ情報が加えられる。IPヘッダ212はPPP層214の上に位置し、PPP層214はRLP層216の上に位置し、RLP層216は物理層218の上に位置している。RLP層216は無線リンクプロトコル層(Radio Link Protocol layer)であり、伝送の誤りが生じたときに、パケットを再伝送する責務を負う。パケットは空中でBS/PDSN220へ送られ、BS/PDSN220内ではパケットはIPネットワーク230上で送られる。
【0026】
無線通信システムでは、しばしばヘッダ圧縮を使用して、情報のペイロードに使用されるリンクの割合を増加することによって、リンクのバンド幅および電力効率を向上する。都合の悪いことには、無線通信システムの性質のために、情報パケットの伝送が一時的に中断することは珍しいことではない。このような中断が発生したときは、再同期パケットを再び送って、目標のデバイスにおいてヘッダ逆圧縮器と再び同期をとることと、ヘッダ圧縮器側とヘッダ逆圧縮器側との間でトラヒックパラメータを再びネゴシエートすることとが必要となるために、相当な遅延が生じる。ヘッダ情報を送ることによって生じる遅延量を低減し、それにしたがってシステムのデータスループットレートを上昇することが、現在必要とされている。種々のアプリケーションをサポートする現代の通信システムでは、データスループットレートを上昇することが常に必要とされている。
【0027】
例示的な実施形態では、RLP層内において信頼性の測定を選択的に省略する(bypass)ことによって、パケット化されたデータトラヒックおよびパケット化された音声トラヒックを無線通信ネットワーク上で送る。パケット化されたデータトラヒックおよびパケット化された音声トラヒックは、通常の回路交換音声サービス用に設計されたデータフレームと同じ大きさをもつペイロードデータパケット内にカプセル化される。以下では、パケット化されたデータトラヒックおよびパケット化された音声トラヒックをIPパケットと呼ぶことにする。例えば、IS−95のCDMAシステムでは、音声トラヒックは、ボコーダで生成された20ミリ秒のデータフレームで送られる。IS−2000システムでは、音声トラヒックは、5ミリ秒、20ミリ秒、40ミリ秒、または80ミリ秒の継続期間をもつデータフレームで送られる。したがって、例示的な実施形態においてIPパケットはペイロードデータパケット内に保持され、ペイロードデータパケットは無線通信システムのデータフレームにアラインする。無線通信システムは、既に、言語を容量効率よくフレーム化するように設計されているので、IPパケットが無線通信システムのデータフレームとアラインするのは好都合である。
【0028】
ペイロードデータパケットと無線通信システムのボコーダフレームとをアラインさせるために、IPパケットフレームのIP/UDP/RTPヘッダを圧縮する。1つの例示的な実施形態では、IP/UDP/RTPのヘッダをIPパケットから取り除き、ボコーダのフレームにペイロードデータパケットを保持させ、ペイロードデータパケットをボコーダフレームにアラインさせるやり方で、圧縮を行う。無線通信デバイスは、受信すると、新しいヘッダを生成して、ペイロードに加える。
【0029】
IP/UDP/RTPのプロトコルの目的は、送信元の地点と宛先との間でパケットを確実に送るのを保証することである。しかしながら、パケット交換ネットワークおよび回路交換ネットワーク上で音声またはビデオサービスを送る通信セッション中に、例示的な実施形態では、これらのプロトコルから得られる信頼性の保護を意図的に省いて、無線通信システムにおいて誤り回復技術を実行している。実施形態の1つの態様では、IPパケットはボコーダデータフレーム内でアラインされ、空中で受信側へ送られる。IPネットワークからパケットが失われると、ナルフレームを生成して、失われたパケットと交換する。ナルフレームは特別にコード化されたフレームであって、IPネットワークから元のフレームが失われたことを、無線通信デバイスに対して明らかにするものである。ナルフレームが受信されると、誤り回復技術を開始し、例えば、前の非ナルフレームを繰返すか、または隣り合うフレームからデータを補間する。誤り回復技術を使用すると、失われたフレームの再伝送要求の送信と、失われたフレームの実際の再伝送とによる時間遅延が低減する。さらに加えて、ナルフレームは、破損したIPパケットと関係付けられているRTPの順序番号で送られるので、受信側のデコーダは、ナルフレームを使用すると、送信側のエンコーダと同期性を維持することができる。
【0030】
図3は、上述の例示的な実施形態のプロトコルスタックを示しており、以下では、これを実時間パケットデータサービスオプション(Real-Time Packet Data Service Option, RTPDSO)と呼ぶ。図3では、電子デバイス310は無線通信デバイス300にリンクされ、さらに無線通信デバイス300はBS/PDSN320を介してIPネットワーク330へリンクされていることを示している。図3に示されているプロトコル、例えばIP’312、UDP’314、およびRTP’316は、IP/UDP/RTPのヘッダを取り除いて、再挿入する機能、すなわちヘッダ圧縮を表わしている。宛先およびソースのIPアドレスおよびポート番号は変わらないので、正常動作中の動的な情報のみに、RTPの順序番号が付けられている。
【0031】
例示的な実施形態の構成は、無線通信デバイスの性質に選択的に依存することに注意すべきである。例えば、無線通信デバイスが、IPデータパケットの目標の宛先の役割を果たすときは、IPパケットをエンコードおよびデコードするボコーダは、無線通信デバイス上に位置付けられ、無線通信デバイスはIP/UDP/RTPのヘッダを局部的に再構成する必要はない。しかしながら、無線通信デバイスは、IPパケットを別の電子デバイス、例えばラップトップまたはPDAへ送るための透過性媒体の役割を果たすこともできる。したがって、電子デバイスから無線通信デバイスによって受信されるIPパケットは、無線ネットワーク上を送られる前にIP/UDP/RTPのヘッダを取除かれなければならず、無線ネットワークから受信されるペイロードパケットは、電子デバイスへ送られる前に新しいIP/UDP/RTPのヘッダを付けて再構成されなければならない。
【0032】
代わりの実施形態では、RTPDSOおよびPDSOは一緒に構成され、したがって初期設定、ネゴシエーション、および圧縮更新情報は、RLP層を使用して、より確実に送られる。しかしながら、ペイロードデータは、RLP層を使用して送られない。
【0033】
図4は、無線通信デバイスが、PDSOおよびRTPDSOの両方のサービスオプションを提供するPDSNの範囲に入る際の、初期設定および登録プロセスのフローチャートである。ステップ400では、無線通信デバイスは、PDSNに接続されている基地局の範囲に入る。ステップ410では、無線通信デバイスは、PDSN上でパケット伝送するためのRTPDSOおよびPDSOのサポートを基地局に要求する。ステップ420では、基地局は、これらの2つのサービスオプションのために、PDSNと2つのエアーインターフェイスリンクをセットアップする。この実施形態において構成されるエアーインターフェイスリンクの数はシステムの状態に依存することに注意すべきである。ステップ430では、無線通信デバイスは、PDSOで呼を発信し、移動IP登録を行う。種々の移動IP登録およびセッション開始プロトコル(session initiation protocol, SIP)があり、別途記載する実施形態で使用されるが、ここでは開示しない。ステップ440では、エアーインターフェイスリンクをドロップし、PDSOを休止する。
【0034】
順方向リンクまたは逆方向リンクの何れかでIPパケットを送るときは、先ずセットアッププロセスを行ない、プロトコルを設定し、圧縮パラメータを交換する。圧縮パラメータには、RTPの順序番号、IPアドレス、UDPのポート番号が含まれるが、これらに制限されない。1つの実施形態では、PDSOを使用して、セットアッププロセスを行って、エアーインターフェイスリンクの信頼性を保証している。
【0035】
1つの実施形態では、無線通信デバイスがIPパケットの目標の宛先であるときは、無線通信デバイスはPDSOによって全てのプロトコルのネゴシエーションを行なう。
【0036】
1つの実施形態では、無線通信デバイスが、接続されている電子デバイスへIPパケットを送るための透過性媒体であるときは、電子デバイスはPDSOによってプロトコルのネゴシエーションを行う。しかしながら、無線通信デバイスは、PDSN上で送られることが定められているIPパケットからヘッダ情報を取り除き、電子デバイスへ送られるペイロードデータパケットのヘッダ情報を再構成する。圧縮のネゴシエーションに関する情報(ヘッダの抽出および再構成)は無線通信デバイスにおいて生成され、PDSOによって送られる。
【0037】
図5は、実時間パケットサービスを順方向リンクで送ることについてのフローチャートである。ステップ500では、PDSNはPDSOを再び作動して、移動局で終端される実時間のパケットデータ呼の初期設定を開始する。処理素子には、プロセッサ、マイクロ制御装置、特定用途向け集積回路、あるいは別途記載するような他の同等の形態のハードウエアまたはソフトウエアが含まれる。ステップ510では、PDSNはRTPDSOを作動して、音声サービス、ビデオサービス、または他のマルチメディアのパケットを無線通信デバイスへ送る。その代わりに、無線通信デバイスがRTPDSOを作動して、音声サービスまたはビデオサービスのパケットを送ってもよい。
【0038】
ステップ530では、PDSNはIPネットワークからIPパケットを受信する。ステップ535では、PDSNは圧縮によってパケットをボコーダデータフレームにアラインさせ、音声またはビデオのパケットを基地局へ送る。ペイロードがエアーインターフェイスフレームとアラインしていないと、ペイロードのフレームを表わす(delineate)ための特別のオーバーヘッドが必要となることに注意すべきである。パケットがフレームにアラインしていないと、エアーインターフェイスフレームを満たすために、より多くのデータを待つので、待ち時間を追加することにもなる。パケットをIPネットワークから受信し、IPパケットを基地局へ送る一方で、PDSNはRTPの順序番号を追跡し続ける。ジッタを低減して、伝送遅延を明らかにするために、PDSNはデジッタを緩衝する。処理素子が失われたフレームを検出すると、処理素子は低速のナルフレームを生成する。例えば、低速とはCDMAの音声アプリケーションでは8分の1レートであり、これは上述の米国特許第5,504,773号に記載されている。ナルフレームはコード化されたフレームであって、IPネットワークから元のフレームが失われたことを、無線通信デバイスに対して明らかにするものである。ナルフレームを使用すると、無線通信デバイス内のデコーダは、IPネットワーク内のエンコーダと同期を維持することができる。
【0039】
この実施形態の代わりのステップでは、ステップ540において、PDSNは、パケットを圧縮せずにIPネットワークから基地局へ直接に中継する。ステップ550では、基地局は、IPパケットからヘッダ情報を取去ることによって圧縮し、ペイロードデータパケットを形成し、ペイロードデータパケットをエアーインターフェイスを通して無線通信デバイスへ送る。この代わりの実施形態では、基地局は、必要なデジッタ(de-jitter)の緩衝を行って、IPネットワークからのパケットが失われているとき、エアーインターフェイスを通してナルフレームを送る。
【0040】
ステップ560では、無線通信デバイスはデータフレームを空中で受信して、全てのデータフレームをデコードする。ステップ570では、無線通信デバイスがペイロードデータパケットの目標の宛先であるときは、無線通信デバイスのデコーダは、ヘッダ情報をペイロードデータパケットに加えずに、IPパケットを処理する。デコーダは、ナルフレームを受信すると、誤り回復技術を実行し、前の非ナルフレームを繰返すか、または隣り合うフレームからデータを補間する。例えば、エアーインターフェイスの性能のために、巡回冗長コード検査ビットが破損した場合に、誤って受信したフレームについて、デコーダは、ナルフレームに使用するのと同じ誤り回復技術を実行することができる。
【0041】
その代わりに、ステップ580では、無線通信デバイスが別の電子デバイスへの透過性媒体であるとき、無線通信デバイスはペイロードデータパケットを基地局から空中で受信して、ナルフレームまたは破損したフレームの誤りを回復する。ステップ590では、無線通信デバイスは、必要なIP/UDP/RTPのヘッダをもつ新しいパケット内にペイロードをカプセル化する。フレームを受信するたびに、RTPの順序番号はインクリメントされ、必要なUDPおよびIPのチェックサムは再び計算され、静止ヘッダ情報は全てヘッダ内に含まれる。ステップ595では、新しいIP/UDP/RTPのパケットは目標の電子デバイスへ送られる。
【0042】
図6は、実時間パケットデータサービスを逆方向リンクで送ることについてのフローチャートである。ステップ600では、無線通信デバイスが実時間パケットデータの送信元であるときは、無線通信デバイスのエンコーダは、回路交換呼と同じフレーミングを使用して、データパケットを生成して、これをRTPDSOによって直ちに送る。その代わりに、ステップ610では、無線通信デバイスが電子デバイスとIPネットワークとの間で透過的に接続されているときは、無線通信デバイスは、ヘッダ情報を保持しているIPパケットを電子デバイスから受信する。ステップ620では、無線通信デバイスはIPパケットを圧縮する。例示的な実施形態に既に記載したように、IPパケットから全てのヘッダ情報を取去ることにより、圧縮を行う。ステップ630では、無線通信デバイスは、回路交換音声サービスのフレームと同じやり方でペイロードデータパケットをフレーム化することによって、圧縮されたIPパケットをペイロードデータパケットへパッケージ化する。アラインしたペイロードデータパケットは空中で基地局へ送られる。
【0043】
ステップ640では、基地局は、アラインしたペイロードデータパケットを保持しているデータフレームをエアーインターフェイスから受信する。ステップ650では、基地局は、ペイロードデータパケットをPPPパケットへ再びパッケージ化して、PDSNへ送る。基地局が無線通信デバイスからナルフレームか、または破損したフレームを受信するとき、基地局に位置するデコーダは、誤り回復技術を実行し、例えば、ナルフレームを最後の非ナルフレームと交換するか、または隣り合うデータフレームを補間することによってデータを再構成する。
【0044】
ステップ660では、PDSNは再びパッケージ化されたフレームを基地局から受信し、必要なIP/UDP/RTPのヘッダを再び挿入することによってペイロードを“逆圧縮”する。フレームを受信するたびに、RTPの順序番号はインクリメントされ、UDPおよびIPのチェックサムは計算され、全ての静止ヘッダ情報は再構成されたヘッダへ再び挿入される。ステップ670では、新しいIP/UDP/RTPのパケットをIPネットワークへ送る。
【0045】
ステップ655の代わりに、ステップ680では、基地局は、フレームをPDSNへ送る前に、必要なIP/UDP/RTPのヘッダを再び挿入する。ステップ690では、PDSNは新しいIP/UDP/RTPのパケットをIPネットワークへ中継する。
【0046】
以上では、IPネットワークを通して音声サービスおよびビデオサービスを送るための新規で向上した方法および装置を記載した。当業者には、本明細書に開示されている実施形態に関連して記載した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップが、電子ハードウエア、コンピュータソフトウエア、またはこの両者の組合わせとして構成されることが分かるであろう。種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、その機能の点から概略的に記載した。機能がハードウエアとして構成されるか、またはソフトウエアとして構成されるかは、全システムに加えられた個々のアプリケーションおよび設計上の制約に依存する。熟練した職人には、これらの環境下におけるハードウエアまたはソフトウエアの互換性、および各個々のアプリケーションごとに記載した機能を実行することがどのくらい最良であるかが分かるであろう。例として、処理素子、種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、ディジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP);特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC);フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス;ディスクリートのゲートまたはトランジスタ論理;ディスクリートのハードウエア構成要素、例えばレジスタおよびFIFO;1組のファームウエアの命令を実行するプロセッサ;従来のプログラマブルソフトウエアモジュールおよびプロセッサ;あるいはその組み合わせで構成または実行される。プロセッサは、マイクロプロセッサであることが好都合であるが、その代わりに、プロセッサは従来のプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、または状態機械であってもよい。ソフトウエアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、またはこの技術において知られている他の形態の記憶媒体内にあってもよい。当業者には、上述で全体的に参照したデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、符号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁粒、光のフィールドまたは粒子、あるいはその組み合わせによって都合よく表わされることも分かるであろう。
【0047】
以上では、本発明の好ましい実施形態を示して開示した。しかしながら、当業者には、本発明の意図および技術的範囲から逸脱せずに、本明細書で開示した実施形態に多数の変更を加えてもよいことは明らかである。したがって、本発明は、特許請求項にしたがうことを除いて制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット交換ネットワークおよび回路交換ネットワーク上で実時間データを送るための方法であって、
パケット交換ネットワークからのインターネットプロトコル(internet protocol, IP)パケットを回路交換ネットワーク内の指定点において受信するステップと、
ペイロードデータパケットを生成するステップと、
ペイロードデータパケットを回路交換フレームへアラインさせるステップと、
回路交換フレームを空中で無線通信デバイスへ送るステップと、
回路交換フレームからのペイロードデータパケットを無線通信デバイスにおいて抽出するステップと、
ペイロードデータパケットから新たなインターネットプロトコルパケットを生成するステップと、を具備する方法。
【請求項2】
ペイロードデータパケットを生成するステップは、
インターネットプロトコルパケット内のデータが破損していないときは、指定点でインターネットプロトコルパケットを圧縮して、ペイロードデータパケットを形成するステップと、
インターネットプロトコルパケット内のデータが破損しているときは、ペイロードデータパケットとしてナルフレームを生成するステップと、を具備する請求項1記載の方法。
【請求項3】
インターネットプロトコルパケットを圧縮するステップは、ヘッダ情報を取り除くステップを具備する請求項2記載の方法。
【請求項4】
ナルフレームがペイロードデータパケットであるときは、ペイロードデータパケットを抽出するステップは、少なくとも1つの隣り合うペイロードデータパケットからナルフレームの代わりを補間するステップを具備する請求項2記載の方法。
【請求項5】
ナルフレームがペイロードデータパケットであるときは、ペイロードデータパケットを抽出するステップは、最後の非ナルフレームをペイロードデータパケットとして使用するステップを具備する請求項2記載の方法。
【請求項6】
ペイロードデータパケットから新たなインターネットプロトコルパケットを生成するステップは、新たなヘッダ情報をペイロードデータパケットに加えるステップを具備する請求項3記載の方法。
【請求項7】
ナルフレームを受信した場合には、新たなインターネットプロトコルパケットをペイロードデータパケットから生成するステップは、
ナルフレームを受信した場合に、無線移送プロトコル(radio transport protocol, RTP)の順序番号をインクリメントするステップと、
インクリメントされた無線移送プロトコルの順序番号を新たなヘッダ情報に含めるステップと、をさらに具備する請求項6記載の方法。
【請求項8】
パケットデータ供給ノード(packet data serving node, PDSN)が指定点であり、ペイロードパケットを生成するステップがPDSNによって実行される請求項2記載の方法。
【請求項9】
ペイロードデータパケットを生成するステップが、基地局によって行なわれる請求項2記載の方法。
【請求項10】
回路交換ネットワークおよびパケット交換ネットワーク上で実時間データを送るための方法であって、
電子デバイスからインターネットプロトコル(internet protocol, IP)パケットを無線通信デバイスにおいて受信するステップと、
インターネットプロトコルパケットからのペイロードデータパケットを無線通信デバイスにおいて生成するステップと、
ペイロードデータパケットを回路交換フレームにアラインさせるステップと、
回路交換フレームを空中で基地局へ送るステップと、
回路交換フレームからペイロードデータパケットを抽出するステップと、
ペイロードデータパケットから新たなインターネットプロトコルパケットを生成するステップと、を具備する方法。
【請求項11】
ペイロードデータパケットから新たなインターネットプロトコルパケットを生成するステップが、基地局によって行われる請求項10記載の方法。
【請求項12】
ペイロードデータパケットから新たなインターネットプロトコルパケットを生成するステップが、パケットデータ供給ノード(packet data serving node, PDSN)によって行なわれる請求項10記載の方法。
【請求項13】
回路交換ネットワークおよびパケット交換ネットワーク上でパケット化された音声トラヒックおよびデータトラヒックを送るための無線通信デバイスであって、
プロセッサと
プロセッサに接続されていて、かつプロセッサによって実行可能な命令の組が含まれている記憶素子と、を具備し、該命令の組は、
インターネットプロトコル(internet protocol, IP)パケットからペイロードデータパケットを生成するための命令と、
ペイロードデータパケットを回路交換フレームへアラインさせるための命令と、
回路交換フレームを空中で基地局へ送るための命令と、を具備する、無線通信デバイス。
【請求項14】
無線通信ネットワーク上でパケット化された音声トラヒックおよびパケット化されたデータトラヒックを送るための基地局であって、
プロセッサと、
プロセッサに接続されていて、かつプロセッサによって実行可能な命令の組が含まれている記憶素子と、を具備し、該命令の組は、
インターネットプロトコル(internet protocol, IP)パケットを受信するための命令と、
インターネットプロトコルパケットを圧縮して、ペイロードデータパケットを形成するための命令と、
ペイロードデータパケットを音声フレームにアラインさせるための命令と、
アラインした音声フレームを無線通信デバイスへ送るための命令と、を具備する、基地局。
【請求項15】
受信したインターネットプロトコルパケットが破損している場合には、該命令はさらにナルフレームを生成するためのものであり、ナルフレームは、損われたインターネットプロトコルパケットと同じ無線移送プロトコル(radio transport protocol, RTP)の順序番号を保持し、ペイロードデータパケットになる請求項14記載の基地局。
【請求項16】
無線通信ネットワーク上でパケット化された音声トラヒックおよびパケット化されたデータトラヒックを送るためのパケットデータ供給ノード(packet data serving node, PDSN)であって、
プロセッサと、
プロセッサに接続されていて、かつプロセッサによって実行可能な命令の組が含まれている記憶素子と、を具備し、該命令の組は、
インターネットプロトコル(internet protocol, IP)パケットを受信するための命令と、
インターネットプロトコルパケットを圧縮して、ペイロードデータパケットを形成するための命令と、
ペイロードデータパケットを音声フレームへアラインさせるための命令と、
アラインした音声フレームを基地局へ送るための命令と、を具備する、パケットデータ供給ノード。
【請求項17】
受信したインターネットプロトコルパケットが破損している場合には、該命令はさらにナルフレームを生成するためのものであり、ナルフレームは、損われたインターネットプロトコルパケットと同じ無線移送プロトコル(radio transport protocol, RTP)の順序番号を保持し、ペイロードデータパケットになる請求項16記載のパケットデータ供給ノード。
【請求項18】
パケット交換ネットワークおよび回路交換ネットワーク上で実時間データを送るための装置であって、
パケット交換ネットワークからのインターネットプロトコル(internet protocol, IP)パケットを回路交換ネットワーク内の指定点において受信するための手段と、
ペイロードデータパケットを生成するための手段と、
ペイロードデータパケットを回路交換フレームへアラインさせるための手段と、
回路交換フレームを空中で無線通信デバイスへ送るための手段と、
無線通信デバイスの回路交換フレームからペイロードデータパケットを抽出するための手段と、
新たなインターネットプロトコルパケットをペイロードデータパケットから生成するための手段と、を具備する装置。
【請求項19】
回路交換ネットワークおよびパケット交換ネットワーク上で実時間データを送るための装置であって、
電子デバイスからインターネットプロトコル(internet protocol, IP)パケットを無線通信デバイスにおいて受信するための手段と、
IPパケットからペイロードデータパケットを無線通信デバイスにおいて生成するための手段と、
ペイロードデータパケットを回路交換フレームへアラインさせるための手段と、
回路交換フレームを空中で基地局へ送るための手段と、
回路交換フレームからペイロードデータパケットを抽出するための手段と、
ペイロードデータパケットから新たなIPパケットを生成するための手段と、を具備する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−10349(P2012−10349A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−160979(P2011−160979)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【分割の表示】特願2002−522159(P2002−522159)の分割
【原出願日】平成13年8月14日(2001.8.14)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】