無線通信機
【課題】ユーザの顔の前面方向の指向性を有する無線通信機を実現する。
【解決手段】ユーザの頭部に装着する眼鏡型無線通信機1であって、左右の接眼部11と、無線通信を行うためのアンテナ110とを備えており、アンテナ110は、アンテナ素子100と、アンテナ素子100に電力を供給する給電部101とを備えたダイポールアンテナであり、給電部101は、左右の接眼部11の間に設けられていることを特徴とする。
【解決手段】ユーザの頭部に装着する眼鏡型無線通信機1であって、左右の接眼部11と、無線通信を行うためのアンテナ110とを備えており、アンテナ110は、アンテナ素子100と、アンテナ素子100に電力を供給する給電部101とを備えたダイポールアンテナであり、給電部101は、左右の接眼部11の間に設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの顔の前面方向の指向性を有する無線通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3Dテレビを視聴するための3D眼鏡、3Dゲームを楽しむための3D眼鏡及び眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ等、眼鏡の体裁を有する電子機器が開発されている。これらの電子機器は、アンテナを備え、無線通信を行う場合がある。
【0003】
従来、アンテナを備えた眼鏡型の無線通信機としては、例えば、特許文献1または2に記載のような、眼鏡のフレームにアンテナを配置したものが知られている。例えば、特許文献1には、レンズフレーム若しくはテンプル部をアンテナとして利用することが記載されている。また、特許文献2には、フレームにアンテナを配置した可変焦点眼鏡が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−353444号公報(1999年12月24日公開)
【特許文献2】特開2002−214545号公報(2002年7月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
映像機器は大画面化が進んでおり、画面が大きいほど、ユーザは当該映像機器から離れた距離で当該映像機器を視聴することが好ましい。しかし、距離が離れるにつれ、眼鏡型の無線通信機と映像機器と間の通信の品質が悪くなる場合がある。
【0006】
また、3Dテレビ等の映像機器を眼鏡型の無線通信機を用いて利用する場合、ユーザは、眼鏡型の無線通信機を装着し、利用する映像機器の方向に顔を向けるため、当該無線通信機に配置されたアンテナの指向性は、ユーザの顔の前面方向であることが好ましい。
【0007】
眼鏡型の無線通信機において、眼鏡のリムまたはテンプルにモノポールアンテナを配置した場合、アンテナの指向性を、当該眼鏡を装着しているユーザの顔の前面方向にするには、給電部の位置や、GND(グランド)の位置や形状を最適化する必要がある。しかし、眼鏡の形状を有する場合、アンテナや回路の配置には制限があり、モノポールアンテナではGNDの位置や形状を最適にすることが難しい。そのため、このようなアンテナは、指向性を一意にすることができないという問題がある。また、特許文献1および2にはアンテナの方式、給電部の位置、GNDの位置や形状等については開示されておらず、眼鏡型の無線通信機がどのような指向性を有するのか不明である。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ユーザの顔の前面方向の指向性を有する無線通信機を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る無線通信機は、ユーザの頭部に装着する無線通信機であって、左右の接眼部と、無線通信を行うためのアンテナとを備えており、前記アンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子に電力を供給する給電部とを備えたダイポールアンテナであり、前記給電部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、アンテナの給電部を左右の接眼部の間に形成したダイポールアンテナを用いた無線通信機をユーザが頭部に装着したとき、アンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0011】
また、ユーザが無線通信機を利用するとき、当該無線通信機と通信を行う機器はユーザの前面方向にある場合が多い。そのため、当該無線通信機のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることにより、通信品質が向上するという効果を奏する。
【0012】
また、本発明にかかる無線通信機では、前記アンテナ素子は、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とからなり、前記第1のアンテナ素子は、前記給電部から一方の前記接眼部側に配置され、前記第2のアンテナ素子は、前記給電部から他方の前記接眼部側に配置されていることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、当該無線通信機の重量バランスを損なうことなく、アンテナを形成することができる。
【0014】
また、本発明にかかる無線通信機は、前記左右の接眼部を支持する金属フレームを備えており、前記金属フレームによって、前記アンテナ素子が構成されていることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、アンテナ素子を構成する部材を別途備える必要がないため、コストを削減することができる。
【0016】
また、本発明にかかる無線通信機において、前記アンテナ素子における前記給電部とは反対側の端部には、前記アンテナの使用周波数の信号を減衰させるフィルタが設けられていてもよい。
【0017】
上記構成によれば、アンテナの長さを使用周波数にあわせて変更することができる。よって、無線通信機は、任意の周波数で通信を行うことができる。
【0018】
前記アンテナを介した通信を制御する回路部を更に備え、前記回路部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、アンテナの指向性を気にすることなく、左右の接眼部の間に回路部を設けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る無線通信機は、ユーザの頭部に装着する無線通信機であって、左右の接眼部と、無線通信を行うためのアンテナとを備えており、前記アンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子に電力を供給する給電部とを備えたダイポールアンテナであり、前記給電部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、アンテナの給電部を左右の接眼部の間に形成したダイポールアンテナを用いた無線通信機をユーザが利用するとき、アンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、通信品質が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態1に係る眼鏡型無線通信機の内部構成を示す図である。
【図2】無線通信システムのシステム構成を示す図である。
【図3】眼鏡型無線通信機の概観図である。
【図4】図1の眼鏡型無線通信機の内部構成を示すブロック図である。
【図5】(a)から(d)は、図1の眼鏡型無線通信機のアンテナの指向性を示すグラフである。
【図6】(a)および(b)は、眼鏡型無線通信機の内部構成の他の例を示す図である。
【図7】(a)から(c)は、眼鏡型無線通信機の内部構成の他の例を示す図である。
【図8】実施形態2に係る眼鏡型無線通信機の内部構成を示す図である。
【図9】図8の眼鏡型無線通信機の内部構成を示すブロック図である。
【図10】眼鏡型無線通信機の内部構成の他の例を示す図である。
【図11】実施形態3に係る眼鏡型無線通信機の内部構成を示す図である。
【図12】図11の眼鏡型無線通信機の内部構成を示すブロック図である。
【図13】(a)および(b)は、フィルタを配置したときの眼鏡型無線通信機の一例を示す図である。
【図14】実施形態4に係る無線通信機の一例を示す図である。
【図15】(a)から(c)は、モノポールアンテナが配置された無線通信機の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明に係る眼鏡型無線通信機は、眼鏡の体裁を有し、無線通信を行うものであれば、特に限定されず、3D眼鏡、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドセット、ラジオ受信機、個人識別装置等様々な用途に適用し得る。
【0024】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態(実施形態1)について、図1から図7を参照して説明すれば、以下のとおりである。
【0025】
まず、図2を参照して、本実施形態に係る無線通信システムの概略を説明する。図2は、本実施形態の無線通信システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、無線通信システムは、ユーザが装着している眼鏡型無線通信機(無線通信機)1と、テレビジョン受像機(以下、テレビと称す)9とによって構成される。
【0026】
眼鏡型無線通信機1は、テレビ9と通信を行うためのアンテナ110を備えている。また、テレビ9は、眼鏡型無線通信機1と通信を行うためのアンテナ90を備えている。眼鏡型無線通信機1とテレビ9とは、アンテナ110およびアンテナ90を介して、無線通信を行っている。
【0027】
(眼鏡型無線通信機1の概略)
次に、本実施形態における眼鏡型無線通信機1の概略について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態における眼鏡型無線通信機1の概観図である。図3に示すように、眼鏡型無線通信機1は、眼鏡型の形状を有しており、接眼部11、リム12、ブリッジ13、テンプル14、モダン15、智16、蝶番17、パッド18およびクリングス19などを有する。
【0028】
接眼部11は、左右の目の前に配置される光学部材であり、例えば、眼鏡型のレンズである。
【0029】
リム12は、接眼部11の周りを囲んで接眼部11を保持する保持部材である。ブリッジ13は、左右の接眼部11を連結するための連結部材である。
【0030】
ブリッジ13は、リム12を介して、左右の接眼部11を所定の位置関係にて連結する。
【0031】
テンプル14は、耳掛けを含んだ部材であり、ツルとも称される。また、テンプル14において、ユーザの耳に接する部分を、モダン15と称される被覆部材が被覆している場合もある。
【0032】
智16は、接眼部11とテンプル14とを接続するための接続部材である。智16は、接眼部11の外周に沿った領域に設けられており、リム12と一体化されていてもよいし、独立して接眼部に結合していてもよい。
【0033】
蝶番17は、接眼部11等に対してテンプル14を折りたたみ可能にするための開閉部材であり、智16とテンプル14との間に設けられている。
【0034】
パッド18は、ユーザの鼻に接する部材である。
【0035】
クリングス19は、パッド18と接眼部11とを連結する連結部材である。クリングス19は、リム12を介して、パッド18と接眼部11とを所定の位置関係にて連結する。また、眼鏡型無線通信機1は、クリングス19を備えていなくともよく、その場合、パッド18と接眼部11またはリム12とは直接結合され得る。
【0036】
なお、各部は、例えば、一般の眼鏡と同じ材料で構成してもよいが、これに限定されない。例えば、リム12およびテンプル14の材料としては、例えば、プラスチック(例えば、エポキシ樹脂、セルロイド、アセテートおよびポリアミドなど)等の絶縁体を用いることができるが、これに限定されない。また、ブリッジ13の材料としては、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体を用いることができるが、これに限定されない。
【0037】
なお、本実施形態においては、リム12、ブリッジ13およびテンプル14など、接眼部を支持する部分を、フレームと称する。
【0038】
(眼鏡型無線通信機1の内部構成)
次に、眼鏡型無線通信機1の内部構成について、図1および図4を参照して説明を行う。図1は、眼鏡型無線通信機1の内部構成を示す図である。また、図4は、図1の眼鏡型無線通信機1の内部構成を示すブロック図である。
【0039】
図1および図4に示すように、眼鏡型無線通信機1は、アンテナ110と、回路部120と、回路部120からの電力をアンテナ110に供給する給電線路130とを備えている。また、眼鏡型無線通信機1は、ブリッジ13をGND106としている。なお、給電線路130は、例えば、同軸線路やマイクロストリップ線路等で構成されるが、これに限定されるものではない。
【0040】
回路部120は、眼鏡型無線通信機1を統括的に制御するものである。具体的には、回路部120は、アンテナ110を介して通信を制御する。回路部120は、眼鏡型無線通信機1に電力を供給する電源部102、電気信号を制御する制御部103、および、アンテナ110を介してデータの送受信を行う無線部104を備え、GND106に形成されている。
【0041】
制御部103は、例えば、ユーザが3Dテレビの映像を立体映像として認識できるように、3Dテレビと、眼鏡型無線通信機1との同期を取り、接眼部11内のシャッター(図示しない)の開閉を制御する。なお、制御部103の動作はこれに限定されるものではない。
【0042】
なお、回路部120が形成される箇所はブリッジ13に限定されず、テンプル14であってもよい。このように、アンテナ110の指向性を気にすることなく、回路部120を設けることができる。また、回路部120を設置するGNDの領域を最小にすることができる。
【0043】
(アンテナ110)
アンテナ110は、図1に示すように、アンテナ素子100と、アンテナ素子100に電力を供給する給電部101とを備えた半波長ダイポールアンテナである。
【0044】
アンテナ素子100は、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体である。
【0045】
給電部101は、ブリッジ13に配置されている。言い換えれば、給電部101は、左右の接眼部11の間に配置されている。アンテナ素子100は、給電部101を中心に、接眼部11の外周に沿って配置されている。アンテナ素子100は、給電部101から右の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第1のアンテナ素子100aと、給電部101から左の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第2のアンテナ素子100bとから構成される。つまり、第1のアンテナ素子100aと第2のアンテナ素子100bとは、対になってブリッジ13をはさむように配置されている。
【0046】
給電部101は、給電線路130とアンテナ素子100を電気的に接続するものである。給電部101は、バネ等であってもよいし、例えば同軸線路の信号線を半田付けして接続したものであってもよい。また、同軸線路のような不平衡線路からダイポールアンテナのような平衡アンテナに給電する場合には、平衡―不平衡変換を行うバランが必要となる。このような場合、給電部101は、バラン等の整合素子を備えていてもよい。
【0047】
図5にアンテナ110の指向性の一例を示す。図5(a)は、眼鏡型無線通信機1のアンテナ110のzx面における指向性を示すグラフであり、図5(b)は、アンテナ110のyz面における指向性を示すグラフである。また、図5(c)は、アンテナ110のxy面における指向性を示すグラフであり、図5(d)は、アンテナ110の指向性を立体的に示したグラフである。
【0048】
図5(a)に示すようにアンテナ110は、図中左右方向(x軸方向)に延びた8の字の指向性を示す。また、図5(b)に示すように、アンテナ110は、図中左右方向(y軸方向)に延びた8の字の指向性を示す。また、図5(c)に示すように、xy平面において、アンテナ110は、全方向へ均一な指向性を示す。これらを立体的に示すと、図5(d)に示すように、アンテナ110の軸に対して回転対称なドーナツ型の指向性を示す。
【0049】
ここで、図1の眼鏡型無線通信機1のように、フレームがプラスチック等の非導体(絶縁体)で形成されている眼鏡型無線通信機にモノポールアンテナ131を配置した場合の一例を図15(a)に示す。このとき、モノポールアンテナ131がアンテナとして動作するためには、モノポールアンテナ131が配置されたフレームとは反対側のフレーム(図15(a)では、左側のフレーム)に、モノポールアンテナ131での通信周波数における波長の4分の1以上の長さのGNDを形成する必要がある。したがって、ブリッジ13付近に回路の部品を配置するだけで済むような回路規模の場合でも、GND形状を無駄に大きくしなければならない場合がある。
【0050】
対照的に、本実施形態における眼鏡型無線通信機1は、ユーザの頭部に装着するものであり、左右の接眼部11と、無線通信を行うためのアンテナ110とを備えている。アンテナ110は、アンテナ素子100と、アンテナ素子100に電力を供給する給電部101とを備えたダイポールアンテナであり、給電部101は、左右の接眼部11の間に設けられている。
【0051】
なお、左右の接眼部11の間とは、左右の接眼部11に挟まれた領域を指し、当然に、左右の接眼部11を連結する領域を包含する。例えば、いわゆるゴーグルのように、左右の接眼部11が一体的に形成されている場合には、給電部101は、左目の前に配置される部分と、右目の前に配置される部分とを連結する領域(鼻の前に配置される領域)に設けられ得る。
【0052】
上記構成によれば、アンテナ110の給電部101を左右の接眼部11の間に形成したダイポールアンテナを用いた眼鏡型無線通信機1をユーザが頭部に装着したとき、アンテナ110の指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0053】
ユーザが眼鏡型無線通信機1を利用するとき、ユーザは眼鏡型無線通信機1と通信を行うテレビ9の方向を見ることが多い。つまり、テレビ9はユーザの前面方向にある。そのため、眼鏡型無線通信機1のアンテナ110の指向性をユーザの顔の前面方向にすることにより、通信品質が向上するという効果を奏する。
【0054】
また、通信品質が向上すれば、テレビ9と眼鏡型無線通信機1との同期が容易になり、テレビ9との通信のために使用する電力を削減することができる。
【0055】
また、図1のように、第1のアンテナ素子100aを、一方(例えば右側)の接眼部11側に配置し、第2のアンテナ素子100bを、他方(例えば左側)の接眼部11側に配置することにより、眼鏡型無線通信機1の重量バランスを損なうことなく、アンテナを形成することができる。
【0056】
また、GND106はブリッジ部のみに形成できるため、無駄に大きくする必要が無く、デザインの自由度が上がるという利点がある。
【0057】
(変形例)
図1では、アンテナ素子100が上側のリム12に配置されていることを例に説明を行ったが、アンテナ素子100の配置はこれに限定されない。
【0058】
図6および図7に眼鏡型無線通信機1の内部構成の他の例を示す。図6(a)に示すように、眼鏡型無線通信機1は、アンテナ素子100が下側のリム12に配置されてもよい。また、図6(b)に示すように、眼鏡型無線通信機1は、第1のアンテナ素子100aが右上側のリム12に配置され、第2のアンテナ素子100bが左下側のリム12に配置されるという、左右非対称な配置であってもよい。この場合、アンテナ110の偏波は、図1のアンテナ110に比べて傾く。なお、図6(b)において、給電線路130は、給電部101のユーザ側(図6(b)の奥側)に配置されているため図示していない。また、図示しないが回路部120は、給電線路130に接続され、GND106内に配置されている。
【0059】
また、図7(a)に示すように、アンテナ素子100は、接眼部11におけるユーザの眼に対向する面の反対側の面(外側のレンズ面)上に設けられていてもよい。また、図7(b)に示すように、アンテナ素子100は、接眼部11におけるユーザの目に対向する面(ユーザ側のレンズ面)上に設けられていてもよい。また、図7(c)に示すように、眼鏡型無線通信機1は、第1のアンテナ素子100aが右側の接眼部11における外側のレンズ面上に配置され、第2のアンテナ素子100bが左側の接眼部11におけるユーザ側のレンズ面上に配置されるという左右非対称な配置であってもよい。なお、図7(a)から(c)において、アンテナ素子100は、透明な導体を用いることが好ましい。
【0060】
このように、第1のアンテナ素子100aおよび第2のアンテナ素子100bを、左右の接眼部11の外周に沿って配置してもよいし、左右の接眼部11の表面に配置してもよい。このようにアンテナ素子100を配置した場合であっても、好適に無線通信機のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0061】
なお、本実施形態において、アンテナ素子100は板状のものを使用したが、アンテナ素子100の形状はこれに限定されるものではない。アンテナ素子100は、線状であってもよいし、チップアンテナ型であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0062】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態(実施形態2)について、図8から図10を参照して説明する。
【0063】
実施形態1では、リム12およびテンプル14の材料がプラスチック等の絶縁体であり、ブリッジ13の材料が金属等の導電体である眼鏡型無線通信機1について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、リム12、ブリッジ13およびテンプル14の材料が、例えば、金属等の導電体であってもよい。
【0064】
本実施形態では、リム12、ブリッジ13およびテンプル14が導電体である眼鏡型無線通信機(無線通信機)2について説明を行う。なお、本実施形態において、接眼部11、リム12、ブリッジ13、テンプル14、モダン15、智16、蝶番17、パッド18、及び、クリングス19といった部材は、実施形態1と同様の構成を有する。
【0065】
(眼鏡型無線通信機2の内部構成)
眼鏡型無線通信機2の内部構成について、図8および図9を参照して説明する。図8は、眼鏡型無線通信機2の内部構成を示す図である。また、図9は、図8の眼鏡型無線通信機2の内部構成を示すブロック図である。
【0066】
図8および図9に示すように、眼鏡型無線通信機2は、アンテナ210と、回路部220と、回路部220からの電力をアンテナ210に供給する給電線路230とを備えている。また、網掛け部分(ブリッジ13、リム12の下側およびテンプル14)をGND206としている。なお、GND206は、図8の網掛け部分に限定されず、ブリッジ13、リム12およびテンプル14のうちの何れかの部分であってもよいし、組み合わせた部分であってもよい。また、ブリッジ13、リム12およびテンプル14の一部分(例えば、リム12の下側)であってもよい。
【0067】
回路部220は、眼鏡型無線通信機2を統括的に制御するものである。回路部220は、電源部202、制御部203および無線部204を備え、ブリッジ13に形成されている。なお、回路部220および給電線路230は、それぞれ実施形態1の回路部120および給電線路130と同様の部材であるため、説明を省略する。
【0068】
また、眼鏡型無線通信機2は、制御部203と信号ライン207を介してイヤホン208に接続している。イヤホン208は、信号ライン207から伝送される電気信号を音響信号に変換するものである。イヤホン208は、右のテンプル14に配置されたイヤホン208Rと、左のテンプル14に配置されたイヤホン208Lとを含み、それぞれ、信号ライン207Rおよび信号ライン207Lと接続している。
【0069】
信号ライン207の材料としては、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体を用いることができるが、これに限定されない。
【0070】
なお、本実施形態において、眼鏡型無線通信機2はイヤホン208と信号ライン207とを備えていることを例に説明を行ったが、眼鏡型無線通信機2の構成はこれに限定されず、イヤホン208および信号ライン207を備えていなくてもよいし、その他の部材を備えていても良い。
【0071】
(アンテナ210)
アンテナ210は、図8に示すように、アンテナ素子200と、アンテナ素子200に電力を供給する給電部201とを備えた半波長ダイポールアンテナである。
【0072】
アンテナ素子200は、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体である。アンテナ素子200は、眼鏡側無線通信機2を構成する部材(例えば、リム12、ブリッジ13およびテンプル14)とは別個の部材である。
【0073】
給電部201は、ブリッジ13に配置されている。言い換えれば、給電部201は、左右の接眼部11の間に配置されている。アンテナ素子200は、給電部201を中心に、接眼部11の外周に沿って配置されている。アンテナ素子200は、給電部201から右の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第1のアンテナ素子200aと、給電部201から左の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第2のアンテナ素子200bとから構成される。つまり、第1のアンテナ素子200aと第2のアンテナ素子200bとは、対になってブリッジ13をはさむように配置されている。
【0074】
ここで、図8の眼鏡型無線通信機2のように、フレームが金属等の導体で形成されている眼鏡型無線通信機にモノポールアンテナ132を配置した場合の一例を図15(b)に示す。なお、モノポールアンテナ132が配置されている箇所のフレームは非導体である。このとき、眼鏡型無線通信機13bには、モノポールアンテナ132によって筐体電流が流れる。筐体電流は、図15(b)に矢印で示すように、モノポールアンテナ132の給電部133から左右方向に向かって流れ、逆向きであるため打ち消し合い、その結果、アンテナ特性を劣化させてしまう。また、モノポールアンテナ132での通信周波数における波長λとすると、眼鏡型無線通信機13bには、λ/4以上の長さのGNDを形成する必要があるが、筐体電流の打ち消しあいを避けるためには右側(モノポールアンテナ132側)にGNDを形成しない必要があり、回路の部品の実装面積が減少してしまう。また、GNDの大きさは、眼鏡型無線通信機13bの大きさに依存してしまうため、モノポールアンテナ132の指向性を一意にすることができない。
【0075】
また、眼鏡型無線通信機にモノポールアンテナ134を配置した場合の一例を図15(c)に示す。このとき、眼鏡型無線通信機13cには、モノポールアンテナ134によって筐体電流が流れる。筐体電流は、図15(c)に矢印で示すように、モノポールアンテナ134の給電部135から上側のリムと下側のリムとに流れる。これらの筐体電流は、逆向きであるため打ち消し合い、その結果、アンテナ特性を劣化させてしまう。更に、アンテナの開放端側の端部がユーザの頭部に近接するため、アンテナ特性が劣化してしまう。また、眼鏡型無線通信機13cでは、右側(モノポールアンテナ134側)のテンプルにGNDを形成できなくなるため、回路を実装する面積が減少してしまう。また、眼鏡型無線通信機13bと同様に、GNDの大きさは、眼鏡型無線通信機13cの大きさに依存してしまうため、モノポールアンテナ134の指向性を一意にすることができない。
【0076】
対照的に、本実施形態では、アンテナ素子200および給電部201を配置することにより、アンテナ210の指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0077】
また、フレーム全体が金属であるため、この金属フレーム全体に回路部220を配置することができる。これにより、回路部220の実装面積を広くすることができる。
【0078】
(変形例)
図8では、回路部220がブリッジ13に配置されていることを例に説明を行ったが、回路部220の配置はこれに限定されない。回路部220は、テンプル14に配置されていてもよい。
【0079】
図10は、眼鏡型無線通信機(無線通信機)3の内部構成を示す図である。図10に示すように、眼鏡型無線通信機3は、アンテナ210と、回路部320と、回路部320からの電力をアンテナ210に供給する給電線路330とを備えている。なお、説明の便宜上、眼鏡型無線通信機2と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0080】
回路部320は、電源部302、制御部303および無線部304を備え、左側のテンプル14に配置されている。給電線路330は、回路部320から左側のリム12の下側の部分を介して給電部201に接続している。
【0081】
なお、回路部320の配置はこれに限定されず、右側のテンプル14に配置されてもよい。このとき、給電線路330は、右側のテンプル14に配置された回路部320から右側のリム12の下側の部分を介して給電部201に接続する。
【0082】
また、アンテナ素子200は、図6および図7のように配置することもできる。つまり、第1のアンテナ素子200aおよび第2のアンテナ素子200bを、左右の接眼部11の外周に沿って配置してもよいし、左右の接眼部11の表面に配置してもよい。このようにアンテナ素子200を配置した場合であっても、好適に無線通信機のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0083】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態(実施形態3)について、図11から図13を参照して説明する。
【0084】
実施形態1および実施形態2では、アンテナ素子が眼鏡型無線通信機を構成する部材とは別個に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。アンテナ素子は眼鏡型無線通信機を構成する部材と同じの部材であってもよい。眼鏡は略左右対称な構造であり、ダイポールも略対称な構造であるため構成しやすい。
【0085】
本実施形態では、金属フレーム(リム12、ブリッジ13およびテンプル14等)によって、アンテナ素子が構成されている眼鏡型無線通信機(無線通信機)4について説明を行う。なお、本実施形態において、接眼部11、リム12、ブリッジ13、テンプル14、モダン15、智16、蝶番17、パッド18、及び、クリングス19といった部材は、実施形態1と同様の構成を有する。
【0086】
眼鏡型無線通信機4の材料としては、リム12、ブリッジ13およびテンプル14は、実施形態2と同様に、例えば金属等の導電体を用いることができる。
【0087】
(眼鏡型無線通信機4の内部構成)
眼鏡型無線通信機4の内部構成について、図11および図12を参照して説明する。図11は、眼鏡型無線通信機4の内部構成を示す図である。また、図12は、図11の眼鏡型無線通信機4の内部構成を示すブロック図である。
【0088】
図11および図12に示すように、眼鏡型無線通信機4は、金属フレーム全体がアンテナ素子として動作する。アンテナ素子の給電部401は、左右の接眼部11の間であって、右側のリム12上に配置され、アンテナ素子(金属フレーム)を給電している。給電部401と給電部401を挟んだ左右のフレームとによって、半波長ダイポールアンテナを形成している。なお、給電部401は、左右の接眼部11の間であって、左側のリム12上に配置されてもよい。
【0089】
また、眼鏡型無線通信機4は、テンプル14の左側のテンプル14Lに配置された回路部420と、回路部420と給電部401とを接続する給電線路430とを備えている。なお、回路部420および給電線路430は、それぞれ実施形態1の回路部120および給電線路130と同様の部材であるため、説明を省略する。なお、回路部420はテンプル14の右側のテンプル14Rに配置されてもよい。
【0090】
また、眼鏡型無線通信機4は、制御部403と信号ライン407を介してイヤホン408に接続している。信号ライン407およびイヤホン408は、それぞれ実施形態2の信号ライン207およびイヤホン208と同様の部材であるため、説明を省略する。
【0091】
図11に示すように、眼鏡型無線通信機4は、網掛け部分(ブリッジ13、リム12の下側およびテンプル14)をGND406としている。なお、GND406は、図11の網掛け部分に限定されず、ブリッジ13、リム12およびテンプル14のうちの何れかの部分であってもよいし、組み合わせた部分であってもよい。また、ブリッジ13、リム12およびテンプル14の一部分(例えば、リム12の下側)であってもよい。
【0092】
ブリッジ13は、左右の構造を接続し、補強する手段、且つ、アンテナのインピーダンス整合を取る手段である。また、ブリッジ13は、イヤホン408と制御部403とを接続する信号ライン407を配置するために用いられてもよい。ブリッジ13は、配置場所を移動させたり、長さを調整したりすることで回路とアンテナのインピーダンス整合を取ることができる。
【0093】
本実施形態では、ダイポールアンテナを形成することにより、眼鏡型無線通信機4のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0094】
また、フレームをアンテナ素子とすることにより、アンテナ素子を構成する部材を別途備える必要がないため、コストを削減することができる。
【0095】
また、フレーム全体がGNDであるため、フレーム全体に回路部420を配置することができる。これにより、回路部420の実装面積を広くすることができる。
【0096】
また、眼鏡の対称構造を生かして、眼鏡のフレーム自体でエレメントを構成できるため、重量バランスを損なうことがない。
【0097】
また、眼鏡のほぼ全体が金属フレームの例を示したが、これに限らず、金属フレームが一部分だけであったり、全体が金属フレームであったりしても良い。
【0098】
(変形例)
図11に示す眼鏡型無線通信機4では、眼鏡型無線通信機4全体で半波長ダイポールアンテナを形成している。当該ダイポールアンテナでの通信周波数における波長をλとすると、眼鏡型無線通信機4の全長は、λ/2となる。そのため、使用する周波数が一意に決定してしまう。そこで、フレームにおいて、アンテナとして動作する部分の長さを、使用する周波数に応じた長さに調整する眼鏡型無線通信機について図13を参照して説明する。
【0099】
図13は、眼鏡型無線通信機(無線通信機)5を示す図である。図13(a)に示すように、眼鏡型無線通信機5は、フィルタ501を備えている。フィルタ501は、アンテナの使用周波数の信号を減衰させる周波数フィルタであり、例えば、ノッチフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ等が挙げられる。眼鏡型無線通信機5での通信周波数における波長をλとし、左右の智16の間の距離がλ/2である場合、アンテナ素子における給電部とは反対側の端部にフィルタ501を設ける。つまり、フィルタ501は、図13(a)に示すように左右の智16の部分に設けられる。また、図13(b)に示すように、左側のリム12の中央付近から、右側のリム12の中央付近までの距離が、λ/2である場合、フィルタ501は、左右のリム12の中央部にそれぞれ設けられる。
【0100】
このようにフィルタ501を配置することにより、アンテナ素子の長さは、給電部からフィルタ501までの長さとなり、アンテナの長さを使用周波数にあわせて変更することができる。よって、眼鏡型無線通信機5は、任意の周波数で通信を行うことができる。
【0101】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態(実施形態4)について、図14を参照して説明する。
【0102】
実施形態1から実施形態3では、眼鏡型の体裁を有する眼鏡型無線通信機について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、従来の眼鏡に装着するタイプの無線通信機であってもよい。
【0103】
図14(a)は、ユーザが装着している眼鏡に装着する無線通信機であって、いわゆるクリップオンタイプの無線通信機6を示す図である。図14(a)に示す無線通信機6は、眼鏡に装着するためのクリップ601を有している。なお、図14(a)に示す無線通信機6は、テンプル14の代わりにクリップ601を有していること以外は、実施形態1から3で説明した眼鏡型無線通信機と同様の構成を有している。つまり、実施形態1および2の眼鏡型無線通信機のように給電部が左右の接眼部11の間に配置されており、アンテナ素子をフレームとは別に備えたダイポールアンテナを有していてもよい。また、実施形態3の眼鏡型無線通信機のように、無線通信機6がフレームをアンテナ素子としたダイポールアンテナであってもよい。
【0104】
また、図14(b)は、ユーザが装着している眼鏡に装着する無線通信機7を示す図である。無線通信機7は、眼鏡のテンプルを通すための孔701を無線通信機7のテンプルに設けていること以外は、実施形態1から3で説明した眼鏡型無線通信機と同様の構成を有している。
【0105】
このような形状の無線通信機であっても、好適にアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0106】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、3次元眼鏡、ゲーム用眼鏡、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドセット、ラジオ受信機、個人識別装置等の製造分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1、2、4 眼鏡型無線通信機(無線通信機)
11 接眼部
12 リム
13 ブリッジ
14 テンプル
15 モダン
16 智
17 蝶番
18 パッド
19 クリングス
100、200、 アンテナ素子
(100a、200a 第1のアンテナ素子)
(100b、200b 第2のアンテナ素子)
101、201、401 給電部
102、202、402 電源部
103、203、403 制御部
104、204、404 無線部
106、206、406 GND
110、210 アンテナ
120、220、420 回路部
130、230、430 給電線路
207、407 信号ライン
208、408 イヤホン
3 眼鏡型無線通信機(無線通信機)
302 電源部
303 制御部
304 無線部
320 回路部
330 給電線路
5 眼鏡型無線通信機(無線通信機)
501 フィルタ
6 無線通信機
601 クリップ
7 無線通信機
701 孔
9 テレビ
90 アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの顔の前面方向の指向性を有する無線通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3Dテレビを視聴するための3D眼鏡、3Dゲームを楽しむための3D眼鏡及び眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ等、眼鏡の体裁を有する電子機器が開発されている。これらの電子機器は、アンテナを備え、無線通信を行う場合がある。
【0003】
従来、アンテナを備えた眼鏡型の無線通信機としては、例えば、特許文献1または2に記載のような、眼鏡のフレームにアンテナを配置したものが知られている。例えば、特許文献1には、レンズフレーム若しくはテンプル部をアンテナとして利用することが記載されている。また、特許文献2には、フレームにアンテナを配置した可変焦点眼鏡が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−353444号公報(1999年12月24日公開)
【特許文献2】特開2002−214545号公報(2002年7月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
映像機器は大画面化が進んでおり、画面が大きいほど、ユーザは当該映像機器から離れた距離で当該映像機器を視聴することが好ましい。しかし、距離が離れるにつれ、眼鏡型の無線通信機と映像機器と間の通信の品質が悪くなる場合がある。
【0006】
また、3Dテレビ等の映像機器を眼鏡型の無線通信機を用いて利用する場合、ユーザは、眼鏡型の無線通信機を装着し、利用する映像機器の方向に顔を向けるため、当該無線通信機に配置されたアンテナの指向性は、ユーザの顔の前面方向であることが好ましい。
【0007】
眼鏡型の無線通信機において、眼鏡のリムまたはテンプルにモノポールアンテナを配置した場合、アンテナの指向性を、当該眼鏡を装着しているユーザの顔の前面方向にするには、給電部の位置や、GND(グランド)の位置や形状を最適化する必要がある。しかし、眼鏡の形状を有する場合、アンテナや回路の配置には制限があり、モノポールアンテナではGNDの位置や形状を最適にすることが難しい。そのため、このようなアンテナは、指向性を一意にすることができないという問題がある。また、特許文献1および2にはアンテナの方式、給電部の位置、GNDの位置や形状等については開示されておらず、眼鏡型の無線通信機がどのような指向性を有するのか不明である。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ユーザの顔の前面方向の指向性を有する無線通信機を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る無線通信機は、ユーザの頭部に装着する無線通信機であって、左右の接眼部と、無線通信を行うためのアンテナとを備えており、前記アンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子に電力を供給する給電部とを備えたダイポールアンテナであり、前記給電部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、アンテナの給電部を左右の接眼部の間に形成したダイポールアンテナを用いた無線通信機をユーザが頭部に装着したとき、アンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0011】
また、ユーザが無線通信機を利用するとき、当該無線通信機と通信を行う機器はユーザの前面方向にある場合が多い。そのため、当該無線通信機のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることにより、通信品質が向上するという効果を奏する。
【0012】
また、本発明にかかる無線通信機では、前記アンテナ素子は、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とからなり、前記第1のアンテナ素子は、前記給電部から一方の前記接眼部側に配置され、前記第2のアンテナ素子は、前記給電部から他方の前記接眼部側に配置されていることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、当該無線通信機の重量バランスを損なうことなく、アンテナを形成することができる。
【0014】
また、本発明にかかる無線通信機は、前記左右の接眼部を支持する金属フレームを備えており、前記金属フレームによって、前記アンテナ素子が構成されていることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、アンテナ素子を構成する部材を別途備える必要がないため、コストを削減することができる。
【0016】
また、本発明にかかる無線通信機において、前記アンテナ素子における前記給電部とは反対側の端部には、前記アンテナの使用周波数の信号を減衰させるフィルタが設けられていてもよい。
【0017】
上記構成によれば、アンテナの長さを使用周波数にあわせて変更することができる。よって、無線通信機は、任意の周波数で通信を行うことができる。
【0018】
前記アンテナを介した通信を制御する回路部を更に備え、前記回路部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、アンテナの指向性を気にすることなく、左右の接眼部の間に回路部を設けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る無線通信機は、ユーザの頭部に装着する無線通信機であって、左右の接眼部と、無線通信を行うためのアンテナとを備えており、前記アンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子に電力を供給する給電部とを備えたダイポールアンテナであり、前記給電部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、アンテナの給電部を左右の接眼部の間に形成したダイポールアンテナを用いた無線通信機をユーザが利用するとき、アンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、通信品質が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態1に係る眼鏡型無線通信機の内部構成を示す図である。
【図2】無線通信システムのシステム構成を示す図である。
【図3】眼鏡型無線通信機の概観図である。
【図4】図1の眼鏡型無線通信機の内部構成を示すブロック図である。
【図5】(a)から(d)は、図1の眼鏡型無線通信機のアンテナの指向性を示すグラフである。
【図6】(a)および(b)は、眼鏡型無線通信機の内部構成の他の例を示す図である。
【図7】(a)から(c)は、眼鏡型無線通信機の内部構成の他の例を示す図である。
【図8】実施形態2に係る眼鏡型無線通信機の内部構成を示す図である。
【図9】図8の眼鏡型無線通信機の内部構成を示すブロック図である。
【図10】眼鏡型無線通信機の内部構成の他の例を示す図である。
【図11】実施形態3に係る眼鏡型無線通信機の内部構成を示す図である。
【図12】図11の眼鏡型無線通信機の内部構成を示すブロック図である。
【図13】(a)および(b)は、フィルタを配置したときの眼鏡型無線通信機の一例を示す図である。
【図14】実施形態4に係る無線通信機の一例を示す図である。
【図15】(a)から(c)は、モノポールアンテナが配置された無線通信機の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明に係る眼鏡型無線通信機は、眼鏡の体裁を有し、無線通信を行うものであれば、特に限定されず、3D眼鏡、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドセット、ラジオ受信機、個人識別装置等様々な用途に適用し得る。
【0024】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態(実施形態1)について、図1から図7を参照して説明すれば、以下のとおりである。
【0025】
まず、図2を参照して、本実施形態に係る無線通信システムの概略を説明する。図2は、本実施形態の無線通信システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、無線通信システムは、ユーザが装着している眼鏡型無線通信機(無線通信機)1と、テレビジョン受像機(以下、テレビと称す)9とによって構成される。
【0026】
眼鏡型無線通信機1は、テレビ9と通信を行うためのアンテナ110を備えている。また、テレビ9は、眼鏡型無線通信機1と通信を行うためのアンテナ90を備えている。眼鏡型無線通信機1とテレビ9とは、アンテナ110およびアンテナ90を介して、無線通信を行っている。
【0027】
(眼鏡型無線通信機1の概略)
次に、本実施形態における眼鏡型無線通信機1の概略について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態における眼鏡型無線通信機1の概観図である。図3に示すように、眼鏡型無線通信機1は、眼鏡型の形状を有しており、接眼部11、リム12、ブリッジ13、テンプル14、モダン15、智16、蝶番17、パッド18およびクリングス19などを有する。
【0028】
接眼部11は、左右の目の前に配置される光学部材であり、例えば、眼鏡型のレンズである。
【0029】
リム12は、接眼部11の周りを囲んで接眼部11を保持する保持部材である。ブリッジ13は、左右の接眼部11を連結するための連結部材である。
【0030】
ブリッジ13は、リム12を介して、左右の接眼部11を所定の位置関係にて連結する。
【0031】
テンプル14は、耳掛けを含んだ部材であり、ツルとも称される。また、テンプル14において、ユーザの耳に接する部分を、モダン15と称される被覆部材が被覆している場合もある。
【0032】
智16は、接眼部11とテンプル14とを接続するための接続部材である。智16は、接眼部11の外周に沿った領域に設けられており、リム12と一体化されていてもよいし、独立して接眼部に結合していてもよい。
【0033】
蝶番17は、接眼部11等に対してテンプル14を折りたたみ可能にするための開閉部材であり、智16とテンプル14との間に設けられている。
【0034】
パッド18は、ユーザの鼻に接する部材である。
【0035】
クリングス19は、パッド18と接眼部11とを連結する連結部材である。クリングス19は、リム12を介して、パッド18と接眼部11とを所定の位置関係にて連結する。また、眼鏡型無線通信機1は、クリングス19を備えていなくともよく、その場合、パッド18と接眼部11またはリム12とは直接結合され得る。
【0036】
なお、各部は、例えば、一般の眼鏡と同じ材料で構成してもよいが、これに限定されない。例えば、リム12およびテンプル14の材料としては、例えば、プラスチック(例えば、エポキシ樹脂、セルロイド、アセテートおよびポリアミドなど)等の絶縁体を用いることができるが、これに限定されない。また、ブリッジ13の材料としては、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体を用いることができるが、これに限定されない。
【0037】
なお、本実施形態においては、リム12、ブリッジ13およびテンプル14など、接眼部を支持する部分を、フレームと称する。
【0038】
(眼鏡型無線通信機1の内部構成)
次に、眼鏡型無線通信機1の内部構成について、図1および図4を参照して説明を行う。図1は、眼鏡型無線通信機1の内部構成を示す図である。また、図4は、図1の眼鏡型無線通信機1の内部構成を示すブロック図である。
【0039】
図1および図4に示すように、眼鏡型無線通信機1は、アンテナ110と、回路部120と、回路部120からの電力をアンテナ110に供給する給電線路130とを備えている。また、眼鏡型無線通信機1は、ブリッジ13をGND106としている。なお、給電線路130は、例えば、同軸線路やマイクロストリップ線路等で構成されるが、これに限定されるものではない。
【0040】
回路部120は、眼鏡型無線通信機1を統括的に制御するものである。具体的には、回路部120は、アンテナ110を介して通信を制御する。回路部120は、眼鏡型無線通信機1に電力を供給する電源部102、電気信号を制御する制御部103、および、アンテナ110を介してデータの送受信を行う無線部104を備え、GND106に形成されている。
【0041】
制御部103は、例えば、ユーザが3Dテレビの映像を立体映像として認識できるように、3Dテレビと、眼鏡型無線通信機1との同期を取り、接眼部11内のシャッター(図示しない)の開閉を制御する。なお、制御部103の動作はこれに限定されるものではない。
【0042】
なお、回路部120が形成される箇所はブリッジ13に限定されず、テンプル14であってもよい。このように、アンテナ110の指向性を気にすることなく、回路部120を設けることができる。また、回路部120を設置するGNDの領域を最小にすることができる。
【0043】
(アンテナ110)
アンテナ110は、図1に示すように、アンテナ素子100と、アンテナ素子100に電力を供給する給電部101とを備えた半波長ダイポールアンテナである。
【0044】
アンテナ素子100は、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体である。
【0045】
給電部101は、ブリッジ13に配置されている。言い換えれば、給電部101は、左右の接眼部11の間に配置されている。アンテナ素子100は、給電部101を中心に、接眼部11の外周に沿って配置されている。アンテナ素子100は、給電部101から右の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第1のアンテナ素子100aと、給電部101から左の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第2のアンテナ素子100bとから構成される。つまり、第1のアンテナ素子100aと第2のアンテナ素子100bとは、対になってブリッジ13をはさむように配置されている。
【0046】
給電部101は、給電線路130とアンテナ素子100を電気的に接続するものである。給電部101は、バネ等であってもよいし、例えば同軸線路の信号線を半田付けして接続したものであってもよい。また、同軸線路のような不平衡線路からダイポールアンテナのような平衡アンテナに給電する場合には、平衡―不平衡変換を行うバランが必要となる。このような場合、給電部101は、バラン等の整合素子を備えていてもよい。
【0047】
図5にアンテナ110の指向性の一例を示す。図5(a)は、眼鏡型無線通信機1のアンテナ110のzx面における指向性を示すグラフであり、図5(b)は、アンテナ110のyz面における指向性を示すグラフである。また、図5(c)は、アンテナ110のxy面における指向性を示すグラフであり、図5(d)は、アンテナ110の指向性を立体的に示したグラフである。
【0048】
図5(a)に示すようにアンテナ110は、図中左右方向(x軸方向)に延びた8の字の指向性を示す。また、図5(b)に示すように、アンテナ110は、図中左右方向(y軸方向)に延びた8の字の指向性を示す。また、図5(c)に示すように、xy平面において、アンテナ110は、全方向へ均一な指向性を示す。これらを立体的に示すと、図5(d)に示すように、アンテナ110の軸に対して回転対称なドーナツ型の指向性を示す。
【0049】
ここで、図1の眼鏡型無線通信機1のように、フレームがプラスチック等の非導体(絶縁体)で形成されている眼鏡型無線通信機にモノポールアンテナ131を配置した場合の一例を図15(a)に示す。このとき、モノポールアンテナ131がアンテナとして動作するためには、モノポールアンテナ131が配置されたフレームとは反対側のフレーム(図15(a)では、左側のフレーム)に、モノポールアンテナ131での通信周波数における波長の4分の1以上の長さのGNDを形成する必要がある。したがって、ブリッジ13付近に回路の部品を配置するだけで済むような回路規模の場合でも、GND形状を無駄に大きくしなければならない場合がある。
【0050】
対照的に、本実施形態における眼鏡型無線通信機1は、ユーザの頭部に装着するものであり、左右の接眼部11と、無線通信を行うためのアンテナ110とを備えている。アンテナ110は、アンテナ素子100と、アンテナ素子100に電力を供給する給電部101とを備えたダイポールアンテナであり、給電部101は、左右の接眼部11の間に設けられている。
【0051】
なお、左右の接眼部11の間とは、左右の接眼部11に挟まれた領域を指し、当然に、左右の接眼部11を連結する領域を包含する。例えば、いわゆるゴーグルのように、左右の接眼部11が一体的に形成されている場合には、給電部101は、左目の前に配置される部分と、右目の前に配置される部分とを連結する領域(鼻の前に配置される領域)に設けられ得る。
【0052】
上記構成によれば、アンテナ110の給電部101を左右の接眼部11の間に形成したダイポールアンテナを用いた眼鏡型無線通信機1をユーザが頭部に装着したとき、アンテナ110の指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0053】
ユーザが眼鏡型無線通信機1を利用するとき、ユーザは眼鏡型無線通信機1と通信を行うテレビ9の方向を見ることが多い。つまり、テレビ9はユーザの前面方向にある。そのため、眼鏡型無線通信機1のアンテナ110の指向性をユーザの顔の前面方向にすることにより、通信品質が向上するという効果を奏する。
【0054】
また、通信品質が向上すれば、テレビ9と眼鏡型無線通信機1との同期が容易になり、テレビ9との通信のために使用する電力を削減することができる。
【0055】
また、図1のように、第1のアンテナ素子100aを、一方(例えば右側)の接眼部11側に配置し、第2のアンテナ素子100bを、他方(例えば左側)の接眼部11側に配置することにより、眼鏡型無線通信機1の重量バランスを損なうことなく、アンテナを形成することができる。
【0056】
また、GND106はブリッジ部のみに形成できるため、無駄に大きくする必要が無く、デザインの自由度が上がるという利点がある。
【0057】
(変形例)
図1では、アンテナ素子100が上側のリム12に配置されていることを例に説明を行ったが、アンテナ素子100の配置はこれに限定されない。
【0058】
図6および図7に眼鏡型無線通信機1の内部構成の他の例を示す。図6(a)に示すように、眼鏡型無線通信機1は、アンテナ素子100が下側のリム12に配置されてもよい。また、図6(b)に示すように、眼鏡型無線通信機1は、第1のアンテナ素子100aが右上側のリム12に配置され、第2のアンテナ素子100bが左下側のリム12に配置されるという、左右非対称な配置であってもよい。この場合、アンテナ110の偏波は、図1のアンテナ110に比べて傾く。なお、図6(b)において、給電線路130は、給電部101のユーザ側(図6(b)の奥側)に配置されているため図示していない。また、図示しないが回路部120は、給電線路130に接続され、GND106内に配置されている。
【0059】
また、図7(a)に示すように、アンテナ素子100は、接眼部11におけるユーザの眼に対向する面の反対側の面(外側のレンズ面)上に設けられていてもよい。また、図7(b)に示すように、アンテナ素子100は、接眼部11におけるユーザの目に対向する面(ユーザ側のレンズ面)上に設けられていてもよい。また、図7(c)に示すように、眼鏡型無線通信機1は、第1のアンテナ素子100aが右側の接眼部11における外側のレンズ面上に配置され、第2のアンテナ素子100bが左側の接眼部11におけるユーザ側のレンズ面上に配置されるという左右非対称な配置であってもよい。なお、図7(a)から(c)において、アンテナ素子100は、透明な導体を用いることが好ましい。
【0060】
このように、第1のアンテナ素子100aおよび第2のアンテナ素子100bを、左右の接眼部11の外周に沿って配置してもよいし、左右の接眼部11の表面に配置してもよい。このようにアンテナ素子100を配置した場合であっても、好適に無線通信機のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0061】
なお、本実施形態において、アンテナ素子100は板状のものを使用したが、アンテナ素子100の形状はこれに限定されるものではない。アンテナ素子100は、線状であってもよいし、チップアンテナ型であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0062】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態(実施形態2)について、図8から図10を参照して説明する。
【0063】
実施形態1では、リム12およびテンプル14の材料がプラスチック等の絶縁体であり、ブリッジ13の材料が金属等の導電体である眼鏡型無線通信機1について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、リム12、ブリッジ13およびテンプル14の材料が、例えば、金属等の導電体であってもよい。
【0064】
本実施形態では、リム12、ブリッジ13およびテンプル14が導電体である眼鏡型無線通信機(無線通信機)2について説明を行う。なお、本実施形態において、接眼部11、リム12、ブリッジ13、テンプル14、モダン15、智16、蝶番17、パッド18、及び、クリングス19といった部材は、実施形態1と同様の構成を有する。
【0065】
(眼鏡型無線通信機2の内部構成)
眼鏡型無線通信機2の内部構成について、図8および図9を参照して説明する。図8は、眼鏡型無線通信機2の内部構成を示す図である。また、図9は、図8の眼鏡型無線通信機2の内部構成を示すブロック図である。
【0066】
図8および図9に示すように、眼鏡型無線通信機2は、アンテナ210と、回路部220と、回路部220からの電力をアンテナ210に供給する給電線路230とを備えている。また、網掛け部分(ブリッジ13、リム12の下側およびテンプル14)をGND206としている。なお、GND206は、図8の網掛け部分に限定されず、ブリッジ13、リム12およびテンプル14のうちの何れかの部分であってもよいし、組み合わせた部分であってもよい。また、ブリッジ13、リム12およびテンプル14の一部分(例えば、リム12の下側)であってもよい。
【0067】
回路部220は、眼鏡型無線通信機2を統括的に制御するものである。回路部220は、電源部202、制御部203および無線部204を備え、ブリッジ13に形成されている。なお、回路部220および給電線路230は、それぞれ実施形態1の回路部120および給電線路130と同様の部材であるため、説明を省略する。
【0068】
また、眼鏡型無線通信機2は、制御部203と信号ライン207を介してイヤホン208に接続している。イヤホン208は、信号ライン207から伝送される電気信号を音響信号に変換するものである。イヤホン208は、右のテンプル14に配置されたイヤホン208Rと、左のテンプル14に配置されたイヤホン208Lとを含み、それぞれ、信号ライン207Rおよび信号ライン207Lと接続している。
【0069】
信号ライン207の材料としては、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体を用いることができるが、これに限定されない。
【0070】
なお、本実施形態において、眼鏡型無線通信機2はイヤホン208と信号ライン207とを備えていることを例に説明を行ったが、眼鏡型無線通信機2の構成はこれに限定されず、イヤホン208および信号ライン207を備えていなくてもよいし、その他の部材を備えていても良い。
【0071】
(アンテナ210)
アンテナ210は、図8に示すように、アンテナ素子200と、アンテナ素子200に電力を供給する給電部201とを備えた半波長ダイポールアンテナである。
【0072】
アンテナ素子200は、例えば、金属(例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケルクロム合金およびステンレスなど)等の導電体である。アンテナ素子200は、眼鏡側無線通信機2を構成する部材(例えば、リム12、ブリッジ13およびテンプル14)とは別個の部材である。
【0073】
給電部201は、ブリッジ13に配置されている。言い換えれば、給電部201は、左右の接眼部11の間に配置されている。アンテナ素子200は、給電部201を中心に、接眼部11の外周に沿って配置されている。アンテナ素子200は、給電部201から右の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第1のアンテナ素子200aと、給電部201から左の接眼部11の鉛直上部側に伸びる第2のアンテナ素子200bとから構成される。つまり、第1のアンテナ素子200aと第2のアンテナ素子200bとは、対になってブリッジ13をはさむように配置されている。
【0074】
ここで、図8の眼鏡型無線通信機2のように、フレームが金属等の導体で形成されている眼鏡型無線通信機にモノポールアンテナ132を配置した場合の一例を図15(b)に示す。なお、モノポールアンテナ132が配置されている箇所のフレームは非導体である。このとき、眼鏡型無線通信機13bには、モノポールアンテナ132によって筐体電流が流れる。筐体電流は、図15(b)に矢印で示すように、モノポールアンテナ132の給電部133から左右方向に向かって流れ、逆向きであるため打ち消し合い、その結果、アンテナ特性を劣化させてしまう。また、モノポールアンテナ132での通信周波数における波長λとすると、眼鏡型無線通信機13bには、λ/4以上の長さのGNDを形成する必要があるが、筐体電流の打ち消しあいを避けるためには右側(モノポールアンテナ132側)にGNDを形成しない必要があり、回路の部品の実装面積が減少してしまう。また、GNDの大きさは、眼鏡型無線通信機13bの大きさに依存してしまうため、モノポールアンテナ132の指向性を一意にすることができない。
【0075】
また、眼鏡型無線通信機にモノポールアンテナ134を配置した場合の一例を図15(c)に示す。このとき、眼鏡型無線通信機13cには、モノポールアンテナ134によって筐体電流が流れる。筐体電流は、図15(c)に矢印で示すように、モノポールアンテナ134の給電部135から上側のリムと下側のリムとに流れる。これらの筐体電流は、逆向きであるため打ち消し合い、その結果、アンテナ特性を劣化させてしまう。更に、アンテナの開放端側の端部がユーザの頭部に近接するため、アンテナ特性が劣化してしまう。また、眼鏡型無線通信機13cでは、右側(モノポールアンテナ134側)のテンプルにGNDを形成できなくなるため、回路を実装する面積が減少してしまう。また、眼鏡型無線通信機13bと同様に、GNDの大きさは、眼鏡型無線通信機13cの大きさに依存してしまうため、モノポールアンテナ134の指向性を一意にすることができない。
【0076】
対照的に、本実施形態では、アンテナ素子200および給電部201を配置することにより、アンテナ210の指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0077】
また、フレーム全体が金属であるため、この金属フレーム全体に回路部220を配置することができる。これにより、回路部220の実装面積を広くすることができる。
【0078】
(変形例)
図8では、回路部220がブリッジ13に配置されていることを例に説明を行ったが、回路部220の配置はこれに限定されない。回路部220は、テンプル14に配置されていてもよい。
【0079】
図10は、眼鏡型無線通信機(無線通信機)3の内部構成を示す図である。図10に示すように、眼鏡型無線通信機3は、アンテナ210と、回路部320と、回路部320からの電力をアンテナ210に供給する給電線路330とを備えている。なお、説明の便宜上、眼鏡型無線通信機2と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0080】
回路部320は、電源部302、制御部303および無線部304を備え、左側のテンプル14に配置されている。給電線路330は、回路部320から左側のリム12の下側の部分を介して給電部201に接続している。
【0081】
なお、回路部320の配置はこれに限定されず、右側のテンプル14に配置されてもよい。このとき、給電線路330は、右側のテンプル14に配置された回路部320から右側のリム12の下側の部分を介して給電部201に接続する。
【0082】
また、アンテナ素子200は、図6および図7のように配置することもできる。つまり、第1のアンテナ素子200aおよび第2のアンテナ素子200bを、左右の接眼部11の外周に沿って配置してもよいし、左右の接眼部11の表面に配置してもよい。このようにアンテナ素子200を配置した場合であっても、好適に無線通信機のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができる。
【0083】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態(実施形態3)について、図11から図13を参照して説明する。
【0084】
実施形態1および実施形態2では、アンテナ素子が眼鏡型無線通信機を構成する部材とは別個に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。アンテナ素子は眼鏡型無線通信機を構成する部材と同じの部材であってもよい。眼鏡は略左右対称な構造であり、ダイポールも略対称な構造であるため構成しやすい。
【0085】
本実施形態では、金属フレーム(リム12、ブリッジ13およびテンプル14等)によって、アンテナ素子が構成されている眼鏡型無線通信機(無線通信機)4について説明を行う。なお、本実施形態において、接眼部11、リム12、ブリッジ13、テンプル14、モダン15、智16、蝶番17、パッド18、及び、クリングス19といった部材は、実施形態1と同様の構成を有する。
【0086】
眼鏡型無線通信機4の材料としては、リム12、ブリッジ13およびテンプル14は、実施形態2と同様に、例えば金属等の導電体を用いることができる。
【0087】
(眼鏡型無線通信機4の内部構成)
眼鏡型無線通信機4の内部構成について、図11および図12を参照して説明する。図11は、眼鏡型無線通信機4の内部構成を示す図である。また、図12は、図11の眼鏡型無線通信機4の内部構成を示すブロック図である。
【0088】
図11および図12に示すように、眼鏡型無線通信機4は、金属フレーム全体がアンテナ素子として動作する。アンテナ素子の給電部401は、左右の接眼部11の間であって、右側のリム12上に配置され、アンテナ素子(金属フレーム)を給電している。給電部401と給電部401を挟んだ左右のフレームとによって、半波長ダイポールアンテナを形成している。なお、給電部401は、左右の接眼部11の間であって、左側のリム12上に配置されてもよい。
【0089】
また、眼鏡型無線通信機4は、テンプル14の左側のテンプル14Lに配置された回路部420と、回路部420と給電部401とを接続する給電線路430とを備えている。なお、回路部420および給電線路430は、それぞれ実施形態1の回路部120および給電線路130と同様の部材であるため、説明を省略する。なお、回路部420はテンプル14の右側のテンプル14Rに配置されてもよい。
【0090】
また、眼鏡型無線通信機4は、制御部403と信号ライン407を介してイヤホン408に接続している。信号ライン407およびイヤホン408は、それぞれ実施形態2の信号ライン207およびイヤホン208と同様の部材であるため、説明を省略する。
【0091】
図11に示すように、眼鏡型無線通信機4は、網掛け部分(ブリッジ13、リム12の下側およびテンプル14)をGND406としている。なお、GND406は、図11の網掛け部分に限定されず、ブリッジ13、リム12およびテンプル14のうちの何れかの部分であってもよいし、組み合わせた部分であってもよい。また、ブリッジ13、リム12およびテンプル14の一部分(例えば、リム12の下側)であってもよい。
【0092】
ブリッジ13は、左右の構造を接続し、補強する手段、且つ、アンテナのインピーダンス整合を取る手段である。また、ブリッジ13は、イヤホン408と制御部403とを接続する信号ライン407を配置するために用いられてもよい。ブリッジ13は、配置場所を移動させたり、長さを調整したりすることで回路とアンテナのインピーダンス整合を取ることができる。
【0093】
本実施形態では、ダイポールアンテナを形成することにより、眼鏡型無線通信機4のアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0094】
また、フレームをアンテナ素子とすることにより、アンテナ素子を構成する部材を別途備える必要がないため、コストを削減することができる。
【0095】
また、フレーム全体がGNDであるため、フレーム全体に回路部420を配置することができる。これにより、回路部420の実装面積を広くすることができる。
【0096】
また、眼鏡の対称構造を生かして、眼鏡のフレーム自体でエレメントを構成できるため、重量バランスを損なうことがない。
【0097】
また、眼鏡のほぼ全体が金属フレームの例を示したが、これに限らず、金属フレームが一部分だけであったり、全体が金属フレームであったりしても良い。
【0098】
(変形例)
図11に示す眼鏡型無線通信機4では、眼鏡型無線通信機4全体で半波長ダイポールアンテナを形成している。当該ダイポールアンテナでの通信周波数における波長をλとすると、眼鏡型無線通信機4の全長は、λ/2となる。そのため、使用する周波数が一意に決定してしまう。そこで、フレームにおいて、アンテナとして動作する部分の長さを、使用する周波数に応じた長さに調整する眼鏡型無線通信機について図13を参照して説明する。
【0099】
図13は、眼鏡型無線通信機(無線通信機)5を示す図である。図13(a)に示すように、眼鏡型無線通信機5は、フィルタ501を備えている。フィルタ501は、アンテナの使用周波数の信号を減衰させる周波数フィルタであり、例えば、ノッチフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ等が挙げられる。眼鏡型無線通信機5での通信周波数における波長をλとし、左右の智16の間の距離がλ/2である場合、アンテナ素子における給電部とは反対側の端部にフィルタ501を設ける。つまり、フィルタ501は、図13(a)に示すように左右の智16の部分に設けられる。また、図13(b)に示すように、左側のリム12の中央付近から、右側のリム12の中央付近までの距離が、λ/2である場合、フィルタ501は、左右のリム12の中央部にそれぞれ設けられる。
【0100】
このようにフィルタ501を配置することにより、アンテナ素子の長さは、給電部からフィルタ501までの長さとなり、アンテナの長さを使用周波数にあわせて変更することができる。よって、眼鏡型無線通信機5は、任意の周波数で通信を行うことができる。
【0101】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態(実施形態4)について、図14を参照して説明する。
【0102】
実施形態1から実施形態3では、眼鏡型の体裁を有する眼鏡型無線通信機について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、従来の眼鏡に装着するタイプの無線通信機であってもよい。
【0103】
図14(a)は、ユーザが装着している眼鏡に装着する無線通信機であって、いわゆるクリップオンタイプの無線通信機6を示す図である。図14(a)に示す無線通信機6は、眼鏡に装着するためのクリップ601を有している。なお、図14(a)に示す無線通信機6は、テンプル14の代わりにクリップ601を有していること以外は、実施形態1から3で説明した眼鏡型無線通信機と同様の構成を有している。つまり、実施形態1および2の眼鏡型無線通信機のように給電部が左右の接眼部11の間に配置されており、アンテナ素子をフレームとは別に備えたダイポールアンテナを有していてもよい。また、実施形態3の眼鏡型無線通信機のように、無線通信機6がフレームをアンテナ素子としたダイポールアンテナであってもよい。
【0104】
また、図14(b)は、ユーザが装着している眼鏡に装着する無線通信機7を示す図である。無線通信機7は、眼鏡のテンプルを通すための孔701を無線通信機7のテンプルに設けていること以外は、実施形態1から3で説明した眼鏡型無線通信機と同様の構成を有している。
【0105】
このような形状の無線通信機であっても、好適にアンテナの指向性をユーザの顔の前面方向にすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0106】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、3次元眼鏡、ゲーム用眼鏡、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドセット、ラジオ受信機、個人識別装置等の製造分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1、2、4 眼鏡型無線通信機(無線通信機)
11 接眼部
12 リム
13 ブリッジ
14 テンプル
15 モダン
16 智
17 蝶番
18 パッド
19 クリングス
100、200、 アンテナ素子
(100a、200a 第1のアンテナ素子)
(100b、200b 第2のアンテナ素子)
101、201、401 給電部
102、202、402 電源部
103、203、403 制御部
104、204、404 無線部
106、206、406 GND
110、210 アンテナ
120、220、420 回路部
130、230、430 給電線路
207、407 信号ライン
208、408 イヤホン
3 眼鏡型無線通信機(無線通信機)
302 電源部
303 制御部
304 無線部
320 回路部
330 給電線路
5 眼鏡型無線通信機(無線通信機)
501 フィルタ
6 無線通信機
601 クリップ
7 無線通信機
701 孔
9 テレビ
90 アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部に装着する無線通信機であって、
左右の接眼部と、
無線通信を行うためのアンテナとを備えており、
前記アンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子に電力を供給する給電部とを備えたダイポールアンテナであり、
前記給電部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴とする無線通信機。
【請求項2】
前記アンテナ素子は、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とからなり、
前記第1のアンテナ素子は、前記給電部から一方の前記接眼部側に配置され、
前記第2のアンテナ素子は、前記給電部から他方の前記接眼部側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信機。
【請求項3】
前記左右の接眼部を支持する金属フレームを備えており、
前記金属フレームによって、前記アンテナ素子が構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信機。
【請求項4】
前記アンテナ素子における前記給電部とは反対側の端部には、前記アンテナの使用周波数の信号を減衰させるフィルタが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の無線通信機。
【請求項5】
前記アンテナを介した通信を制御する回路部を更に備え、
前記回路部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の無線通信機。
【請求項1】
ユーザの頭部に装着する無線通信機であって、
左右の接眼部と、
無線通信を行うためのアンテナとを備えており、
前記アンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子に電力を供給する給電部とを備えたダイポールアンテナであり、
前記給電部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴とする無線通信機。
【請求項2】
前記アンテナ素子は、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とからなり、
前記第1のアンテナ素子は、前記給電部から一方の前記接眼部側に配置され、
前記第2のアンテナ素子は、前記給電部から他方の前記接眼部側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信機。
【請求項3】
前記左右の接眼部を支持する金属フレームを備えており、
前記金属フレームによって、前記アンテナ素子が構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信機。
【請求項4】
前記アンテナ素子における前記給電部とは反対側の端部には、前記アンテナの使用周波数の信号を減衰させるフィルタが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の無線通信機。
【請求項5】
前記アンテナを介した通信を制御する回路部を更に備え、
前記回路部は、前記左右の接眼部の間に設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の無線通信機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−90061(P2013−90061A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227258(P2011−227258)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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