無線通信装置、無線通信方法、プログラム、および無線通信システム
【課題】無線通信装置が他の無線通信装置に関する機器情報を効率的に表示することが可能な無線通信装置、無線通信方法、プログラム、および無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信部120Aと、無線通信部120Aによる周囲の無線機器10Bの検出処理、検出処理において検出された無線機器10Bとの接続処理、および、接続処理において接続が確立された無線機器10Bとの通信を制御する通信制御部140Aと、検出処理において無線機器10Bから受信された機器情報を表示する表示部170と、を備える、無線機器10Aが提供される。
【解決手段】無線通信部120Aと、無線通信部120Aによる周囲の無線機器10Bの検出処理、検出処理において検出された無線機器10Bとの接続処理、および、接続処理において接続が確立された無線機器10Bとの通信を制御する通信制御部140Aと、検出処理において無線機器10Bから受信された機器情報を表示する表示部170と、を備える、無線機器10Aが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信方法、プログラム、および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近日、ユーザによるコンテンツデータの利用の自由度を向上するために、複数のユーザ機器でコンテンツデータを共有することが行われている。例えば、家庭用レコーダなどの据え置き式のユーザ機器に録画されたコンテンツデータを、携帯電話や携帯型ゲーム機などのモバイル式のユーザ機器に送信することにより、ユーザは自宅外でも録画されたコンテンツデータを楽しむことが可能となる。
【0003】
一方、Wi−Fi Allianceで策定されたWi−Fiダイレクトでは、複数の無線機器が親機(Group Owner)または子機(Client)のいずれとしての役割を担うかを決定して通信グループを形成することが提案されている。ここで、親機は簡易的なアクセスポイントとして動作し、1または2以上の子機を接続する機能を有する。なお、このようなWi−Fiダイレクトに従う無線通信システムについては例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−245975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような無線通信システムにおいては、無線通信装置が他の無線通信装置に関する機器情報を取得して表示するための処理や消費電力を軽減することが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線通信装置が他の無線通信装置に関する機器情報を効率的に表示することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、プログラム、および無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、無線通信部と、前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、を備える、無線通信装置が提供される。
【0008】
前記表示部は、前記周囲の無線通信装置が複数存在する場合、前記機器情報ごとに送信元の前記周囲の無線通信装置を表示することとしてもよい。
【0009】
前記機器情報は、Wi−Fiダイレクトで規定されるService_Discovery手順におけるService_Discovery_Responseの拡張フィールドを用いて受信されることとしてもよい。
【0010】
前記機器情報は、DLNAデバイスの性能、および対応可能なコンテンツデータの種類のうちの少なくともいずれか1つであることとしてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、周囲の無線通信装置の検出処理を制御するステップと、前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示するステップと、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理を制御するステップと、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御するステップと、を含む、無線通信方法が提供される。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、無線通信部と、前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、を備える、無線通信装置として機能させるための、プログラムが提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の無線通信装置を備えるとともに、無線通信部と、前記無線通信部による前記第1の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記第1の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記第1の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、前記検出処理において前記第1の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、を有する、第2の無線通信装置、を備える、無線通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、無線通信装置が他の無線通信装置に関する機器情報を効率的に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態による無線通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】第1の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。
【図3】第2の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。
【図4】無線機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態による無線機器の構成を示した機能ブロック図である。
【図6】Service_Discovery_Queryフレームの構成例を示した説明図である。
【図7】Service_Discovery_Responseフレームの構成例を示した説明図である。
【図8】本発明の実施形態による無線機器の全体動作を示したシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態による無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図10】複数の無線機器の各々に関する機器情報の例を示した説明図である。
【図11】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図12】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図13】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図14】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図15】機器情報の表示例を示す図である。
【図16】機器情報の表示例を示す図である。
【図17】機器情報の表示例を示す図である。
【図18】機器情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0018】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.無線通信システムの構成
2.無線機器のハードウェア構成
3.実施形態の説明
(無線機器の構成)
(動作例)
(無線機器検出の段階における処理)
(機器情報の表示例)
4.むすび
【0019】
<1.無線通信システムの構成>
本実施形態による無線通信装置(10A)は、
A.無線通信部(120)と、
B.無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、検出処理において検出された周囲の無線通信装置との接続処理、および、接続処理において接続が確立された周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部(140)と、
C.検出処理において周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部(170)と、
を備える。
【0020】
図1は、本発明の実施形態による無線通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による無線通信システム1は、無線機器10Aおよび10Bを備える。
【0021】
無線機器10Bは、図1に示したように例えば据え置き式の家庭用レコーダであり、取得したコンテンツデータを記憶する。無線機器10Bは、例えば、BS(Broadcast Satellite)放送、CS(communications satellite)放送、地上波デジタル放送、地上波アナログ放送、ケーブル放送などのテレビジョン方法を受信することにより、コンテンツデータとしてテレビジョン番組を取得してもよい。
【0022】
なお、コンテンツデータはテレビジョン番組に限定されない。例えば、コンテンツデータは、音楽、講演およびラジオ番組などの音声データや、映画、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェアなどであってもよい。
【0023】
また、無線機器10Bは、無線機器10Aと無線通信することができる。具体的には、無線機器10Bは、Wi−Fi Allianceで策定されたWi−Fiダイレクトに従って無線機器10Aと通信グループを形成し、通信グループを形成した無線機器10Aとアクセスポイントを介さずに無線通信することができる。なお、無線機器10Aおよび無線機器10Bは、同じアクセスポイント(AP)に接続されている場合であっても、例えばIEEE802.11z(TDLS)等を使用する直接通信を行ってもよい。
【0024】
無線機器10Aは、図1に示したようにモバイル式のゲーム機であり、記憶しているコンテンツデータを再生する。例えば、無線機器10Aは、無線機器10Bと無線通信することにより、無線機器10Bに記憶されたコンテンツデータを共有することができる。これにより、ユーザは無線機器10Bにより取得されたコンテンツデータを自宅外でも楽しむことが可能となる。
【0025】
なお、図1においては無線機器10Aの一例としてゲーム機を示し、無線機器10Bの一例として家庭用レコーダを示しているが、無線機器10はこれらの例に限定されない。例えば、無線機器10は、PC(Personal Computer)、家庭用ゲーム機器、家電機器、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、などの情報処理装置であってもよい。
【0026】
また、無線機器10Aは、無線機器10Bから機器情報を取得し、無線機器10Bから取得した機器情報を表示する機能も有している。しかし、機器情報の表示に関してはいくつかの問題がある。以下、図2および図3を参照し、これらの問題について簡単に説明する。
【0027】
まず、無線機器10Aのようなモバイル機器では電源が限られているので、無線機器10Aが無線機器10Bから機器情報を取得するために無線機器10Aおよび10Bを常時接続しておくことは現実的でない。このため、第1の比較例では、ユーザ操作に応じて図2に示す手順に従い機器情報を通信する。
【0028】
図2は、第1の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。図2に示したように、第1の比較例による無線機器#1および#2は、まず互いの存在を検出し(S11)、無線ネットワークを設定し(S12)、IPネットワークを設定する(S13)。その後、無線機器#1は、無線機器♯2と通信することにより無線機器♯2から機器情報を取得し(S14)、取得した機器情報を表示する(S15)。
【0029】
このように、第1の比較例では、機器情報を表示するためにIPネットワークの設定および無線ネットワークの設定が必要である。しかし、機器情報を表示するためであれば、無線機器#1が実際に無線機器#2にアクセスする必要がない場合もあり得る。この第1の比較例では、そのような場合であってもIPネットワークの設定および無線ネットワークの設定を行うため、ユーザにとって快適な利用環境を提供することが困難であった。
【0030】
図3は、第2の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。この第2の比較例による判断手順はWi−Fiダイレクトに準拠しており、第2の比較例による無線機器#1および#2は、無線機器検出の段階でService Discoveryと呼ばれる手順により無線ネットワーク構築のための情報以外の情報を通信できる(S21)。
【0031】
しかし、無線ネットワーク構築のための情報以外の情報として仕様上で規定されているのは、各無線機器10が提供できるサービス(UPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類、DLNAデバイスの種類など)である。このため、Wi−Fiダイレクトに準拠する第2の比較例であっても、機器情報のうちの、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)デバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類などは、無線ネットワーク設定(S22)、およびIPネットワーク設定(S23)の後に取得され(S24)、表示される(S25)。したがって、第2の比較例でも、第1の比較例と同様に、本来不要である無線ネットワークやIPネットワークの設定が行われてしまうという問題がある。
【0032】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、無線ネットワークやIPネットワークの設定前に機器情報を表示できるので、無線機器10が他の無線機器10に関する機器情報を効率的に表示することが可能となる。以下、このような無線機器10のハードウェア構成例を説明した後に、本発明による実施形態を詳細に説明する。
【0033】
<2.無線機器のハードウェア構成>
図4は、無線機器10のハードウェア構成を示したブロック図である。無線機器10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ホストバス104と、を備える。また、無線機器10は、ブリッジ105と、外部バス106と、インタフェース107と、入力装置108と、出力装置110と、ストレージ装置(HDD)111と、ドライブ112と、通信装置113とを備える。
【0034】
CPU101は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って無線機器10内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM102は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM103は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス104により相互に接続されている。
【0035】
ホストバス104は、ブリッジ105を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス106に接続されている。なお、必ずしもホストバス104、ブリッジ105および外部バス106を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0036】
入力装置108は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。無線機器10のユーザは、該入力装置108を操作することにより、無線機器10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0037】
出力装置110は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置110は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。出力装置110は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。
【0038】
ストレージ装置111は、本実施形態にかかる無線機器10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置111は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置111は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置111は、ハードディスクを駆動し、CPU101が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0039】
ドライブ112は、記憶媒体用リーダライタであり、無線機器10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ112は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体200に記録されている情報を読み出して、RAM103に出力する。また、ドライブ112は、リムーバブル記憶媒体200に情報を書き込むこともできる。
【0040】
通信装置113は、例えば、周囲の無線機器10に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置113は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0041】
<3.実施形態の説明>
以上、本発明の実施形態による無線機器10のハードウェア構成を説明した。続いて、図5〜図18を参照し、本発明による実施形態を詳細に説明する。
【0042】
(無線機器の構成)
図5は、本発明の実施形態による無線機器10Aおよび10Bの構成を示した機能ブロック図である。図5に示したように、実施形態による無線機器10Aは、無線通信部120A、記憶部130A、通信制御部140A、操作部160、および表示部170を有する。同様に、無線機器10Bは、無線通信部120B、記憶部130B、および通信制御部140Bを有する。
【0043】
無線機器10Aの無線通信部120Aは、通信制御部140Aによる制御に従い、周囲の無線機器10Bを検出するための通信、検出した無線機器10Bとの無線接続を確立するための通信、および無線機器10Bとの機器情報の通信などを行う。
【0044】
具体的には、無線通信部120Aは、周囲の無線機器10Bを検出するための無線機器検出処理において、例えばプローブリクエストと呼ばれる応答要求信号、およびプローブレスポンスと呼ばれる応答信号を送受信する。
【0045】
例えば、無線通信部120Aがプローブリクエストの送信側である場合、無線通信部120Aは、当該プローブリクエストに応答するプローブレスポンスを周囲の無線機器10Bから受信することにより、無線機器10Bの存在を検出できる。一方、無線通信部120Aは、周囲の無線機器10Bからプローブリクエストを受信した場合、この受信により無線機器10Bの存在を検出すると共に、当該プローブリクエストに応答するプローブレスポンスを送信することにより、無線機器10Bも無線機器10Aの存在を検出することが可能となる。
【0046】
また、無線通信部120Aは、無線機器検出処理において、機器情報を例えばWi−Fiダイレクトで規定されるService_Discovery手順を用いて無線機器10Bと通信する。
【0047】
Service_Discovery手順においては、一方の無線機器がService_Discovery_Queryと呼ばれるサービス問い合わせ信号を送信し、他方の無線機器がService_Discovery_Responseと呼ばれるサービス応答信号で応答する。ここで、図6および図7を参照し、Service_Discovery_Queryフレーム、およびService_Discovery_Responseフレームの構成例を説明する。
【0048】
図6は、Service_Discovery_Queryフレームの構成例を示した説明図である。図6に示したように、Service_Discovery_Queryフレームは、処理の信号パターンを有するプリアンブル、送信元や宛先などのアドレス情報を含むMACヘッダ、他の無線機器10に対する要求フレームとして定義されるGAS(Generic Advertisement Services)_Initial_Request_Frame、および、フレーム内の誤りを検出するためのFCS(Frame Check Sequence)を含む。また、GAS_Initial_Request_Frameは、GASヘッダおよびANQP(Access_Network_Query_Protocol)_Query_Requestを含む。
【0049】
ここで、本発明の実施形態によるANQP_Query_Requestは、詳細については後述するが、検索対象とする無線機器10Bの機器情報を含んでもよい。例えば、ANQP_Query_Requestに含まれるサービスタイプまたはペイロードには、Service_Discovery_Queryフレームの検索対象とする無線機器10の機器情報が記載されてもよい。ANQP_Query_Requestは、拡張フィールドに相当する。特に、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類については、Bonjour、UPnP、WS−Discoveryなどにおいて現在定義されていない。そこで、例えば、ペイロードに設定される値として、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類を示す値を独自に定義する手法が想定される。その場合には、例えば、ペイロードに設定される値を独自に定義するための所定の値をサービスタイプに設定すればよい。また、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類などを示すサービス自体を独自に定義してもよい。その場合には、サービスタイプに設定される値を独自に定義すればよい。
【0050】
図7は、Service_Discovery_Responseフレームの構成例を示した説明図である。図7に示したように、Service_Discovery_Responseフレームは、処理の信号パターンを有するプリアンブル、送信元や宛先などのアドレス情報を含むMACヘッダ、他の無線機器10からの要求に対する返信フレームとして定義されるGAS_Initial_Response_Frame、および、フレーム内の誤りを検出するためのFCSを含む。また、GAS_Initial_Response_Frameは、GASヘッダおよびANQP(Access_Network_Query_Protocol)_Query_Responseを含む。
【0051】
ここで、本発明の実施形態によるANQP_Query_Responseは、無線機器10Aまたは無線機器10Bの一方の有する機器情報を含んでもよい。例えば、ANQP_Query_Responseに含まれるサービスタイプまたはペイロードには、Service_Discovery_Responseフレームの送信元の無線機器10に関する機器情報が記載される。ANQP_Query_Responseは、拡張フィールドに相当する。Service_Discovery_Responseフレームを使用する場合においても、ANQP_Query_Requestフレームと同様な手法により、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類を示す値を独自に定義することが可能である。
【0052】
ここで図5を参照して無線機器10Aの構成の説明に戻ると、無線機器10Aの記憶部130Aは、無線機器10Bに関する機器情報を、当該無線機器10Bの識別情報である機器識別情報と対応付けて記憶する。無線機器10Bに関する機器情報としては、例えば、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類などが挙げられ、無線機器10Bに関する機器情報は、これらのうちの少なくともいずれか1つであってもよい。
【0053】
なお、このような当該機器識別情報および機器情報を記憶する記憶部130Aは、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0054】
通信制御部140Aは、無線通信部120Aによる無線機器検出処理、無線接続を確立するための接続処理、および機器情報の通信などを制御する。通信制御部140Aは、無線機器検出処理において、機器情報の通信を制御(開始)する。機器情報の通信方法などについては、図面を参照しながら詳細に後述する。
【0055】
機器情報の通信により、通信制御部140Aは、無線機器10Bに関する機器情報を無線機器10Bから直接取得してもよいし、無線機器10Bからは無線機器10Bに関する機器情報を識別するための情報を取得し、取得した情報に基づいて、無線機器10B以外の機器から無線機器10Bに関する機器情報を取得してもよい。無線機器10Bに関する機器情報を識別するための情報は、無線機器10Bに関する機器情報の所在を示すURLであってもよい。
【0056】
表示部170は、無線通信部120Aによる機器情報の通信により取得された機器情報を表示することができる。上記したように、表示部170は、例えば、無線機器10Bの識別情報である機器識別情報と対応付けられて記憶されている機器情報を、無線機器10Bの無線通信部120Bから取得された機器情報として表示することができる。機器情報の表示方法などについても、図面を参照しながら詳細に後述する。
【0057】
操作部160は、無線機器10Aのユーザからの操作を受け付ける機能を有しており、主に、表示部170により表示される画面を生成するための操作を受け付けることができる。例えば、通信制御部140Aは、操作部160により受け付けられた操作に基づいて画面を生成し、生成した画面を表示部170に表示させることも可能である。操作部160は、表示部170により表示される画面を更新するための操作を受け付けることもできる。この場合には、例えば、通信制御部140Aは、操作部160により受け付けられた操作に基づいて画面を更新し、更新した画面を表示部170に表示させることも可能である。
【0058】
無線機器10Bの無線通信部120Bは、無線機器10Aの無線通信部120Aと同様に、通信制御部140Bによる制御に従い、周囲の無線機器10Aを検出するための通信、検出した無線機器10Aとの無線接続を確立するための通信、および無線機器10Aとの機器情報の通信などを行う。また、無線通信部120Bは、無線機器検出処理において、機器情報を例えばWi−Fiダイレクトで規定される上述したService_Discovery手順を用いて通信する。このService_Discovery手順により、無線機器10Bの通信制御部140Bが、無線機器10Aとの接続確立前に機器情報を通信することが可能となる。
【0059】
無線機器10Bの記憶部130Bは、無線機器10Bに関する機器情報を記憶している。なお、無線機器10Bも無線機器10Aが有する操作部160、表示部170などと同様の機能を有する構成を備えることとしてもよい。
【0060】
通信制御部140Bは、無線通信部120Bによる無線機器検出処理、無線接続を確立するための接続処理、および機器情報の通信などを制御する。通信制御部140Bは、無線機器検出処理において、上記の機器情報の通信を制御(開始)する。かかる構成により、機器情報を通信する際に、無線機器10Aおよび10Bが不要に接続されてしまうことを防止できる。
【0061】
上記したように、通信制御部140Bは、例えば、無線機器検出処理において、Service_Discovery_Responseフレームにより機器情報を無線機器10Aに送信するように制御(開始)することができる。そのとき、通信制御部140Bは、所定の条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には、Service_Discovery_Responseフレームにより機器情報を無線機器10Aに送信するように制御(開始)し、満たさない場合には、Service_Discovery_Responseフレームにより機器情報を無線機器10Aに送信しないように制御してもよい。
【0062】
例えば、通信制御部140Bは、無線機器10Aから送信されたService_Discovery_Queryフレームに、検索対象とする無線機器10Bの機器情報が設定されている場合には、設定されている機器情報と無線機器10Bに関する機器情報とが合致するか否かを判断し、合致する場合には、Service_Discovery_Responseフレームを無線機器10Aに送信するように制御(開始)し、合致しない場合には、Service_Discovery_Responseフレームを無線機器10Aに送信しないように制御してもよい。
【0063】
(動作例)
以上、本発明の実施形態による無線機器10の構成を説明した。続いて、図8を参照し、本発明の実施形態による無線機器10の動作例を説明する。
【0064】
図8は、本発明の実施形態による無線機器10の全体動作を示したシーケンス図である。図8に示したように、実施形態による無線機器10Aおよび10Bは、無線機器検出を行い(S110)、無線ネットワークの設定前、およびIPネットワークの設定前に、無線機器10Aは、無線機器10Bに関する機器情報を取得し、取得した機器情報を表示する(S120)。
【0065】
ここで特筆すべき点は、無線機器10Aが、無線機器検出の段階で無線機器10Bに関する機器情報を取得し、取得した機器情報を表示することである。以下、このような無線機器検出の段階における処理をより具体的に説明する。
【0066】
(無線機器検出の段階における処理)
以上、本発明の実施形態による無線機器10の動作例を説明した。続いて、図9〜14を参照し、無線機器検出の段階における処理の詳細について説明する。
【0067】
図9は、本発明の実施形態による無線通信システム1の構成例を示した説明図である。図9に示したように、本発明の実施形態による無線通信システム1の一例としての無線通信システム1Aは、無線機器10Aを備えると共に、無線機器10Bの例としての無線機器10B1〜10B5を備える。なお、図9には、説明の都合上、無線機器10Bの例が無線機器10B1〜10B5の5台示されているが、無線機器10Bの数は特に限定されるものではない。
【0068】
図10は、図9に示した無線機器10B1〜10B5の各々に関する機器情報の例を示した説明図である。図10において、「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」は、例えば、上記したUPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類に相当するものである。「DLNA Device Class」は、例えば、上記したDLNAデバイスの種類に相当するものである。「DLNA Device Capability」は、例えば、上記したDLNAデバイスの性能に相当するものである。「DLNA Media Class」は、上記した対応可能なコンテンツデータの種類に相当するものである。
【0069】
なお、図10に示した「DLNA Device Capability」に「+UP+」が設定されている無線機器10Bは、当該無線機器10Bに対してコンテンツデータをアップロードすることが可能である旨を示しており、「DLNA Device Capability」に「+DN+」が設定されている無線機器10Bは、当該無線機器10Bからコンテンツデータをダウンロードすることが可能である旨を示している。
【0070】
図11〜図14は、図10に示した機器情報を有する無線機器10B1〜10B5を無線機器検出する場合に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。図11に示すように、まず、無線機器10Aは、「Search all service」を無線機器10B1〜10B5の各々に対して行う。この「Search all service」は、上記した例では、Service_Discovery_Queryフレームの送信により行われる。
【0071】
無線機器10Aにより「Search all service」が行われると、無線機器10B1〜10B5の各々は、機器情報を無線機器10Aに返信する。図11には、無線機器10B1〜10B5の各々が、機器情報としてUPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類を無線機器10Aに返信する例が示されている。例えば、無線機器10B1〜10B5の各々は、図10に示すように設定されている「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」を無線機器10Aに返信する。機器情報の返信は、上記した例では、Service_Discovery_Responseフレームの送信により行われる。
【0072】
図12には、無線機器10B1〜10B5の各々が、UPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類、DLNAデバイスの種類、DLNAデバイスの性能、および対応可能なコンテンツデータの種類を無線機器10Aに返信する例が示されている。例えば、無線機器10B1〜10B5の各々は、図10に示すように設定されている「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」、「DLNA Device Class」、「DLNA Device Capability」および「DLNA Media Class」を無線機器10Aに返信する。
【0073】
図13には、無線機器10Aが、機器情報を特定し、特定した機器情報に合致する機器情報を有する無線機器10Bを検索する例について示されている。まず、無線機器10Aは、「Search Media Server」を無線機器10B1〜10B5の各々に対して行う。この「Search Media Server」は、上記した例では、「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」として「Media Server」が設定されたService_Discovery_Queryフレームの送信により行われる。
【0074】
無線機器10Aにより「Search Media Server」が行われると、「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」が「Media Server」である無線機器10B1〜10B4は、機器情報を無線機器10Aに返信する。「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」が「Media Server」ではない無線機器10B5は、機器情報を無線機器10Aに返信しない。
【0075】
図14に示した例では、まず、無線機器10Aは、「Search +UP+」を無線機器10B1〜10B5の各々に対して行う。この「Search +UP+」は、上記した例では、「DLNA Device Capability」として「+UP+」が設定されたService_Discovery_Queryフレームの送信により行われる。
【0076】
無線機器10Aにより「Search +UP+」が行われると、「DLNA Device Capability」が「+UP+」である無線機器10B1および10B3は、機器情報を無線機器10Aに返信する。「DLNA Device Capability」が「+UP+」ではない無線機器10B2、10B4および10B5は、機器情報を無線機器10Aに返信しない。
【0077】
(機器情報の表示例)
以上、本発明の実施形態による無線機器検出の段階における処理の詳細を説明した。続いて、図15〜18を参照し、機器情報の表示例について説明する。
【0078】
図15〜図18は、無線機器10B1〜10B5の各々が図10に示した機器情報を有している場合における機器情報の表示例を示す図である。無線機器10Aは、無線機器10Bの機器情報を表示することができるが、例えば、機器情報ごとにその機器情報を有している無線機器10Bを表示するようにしてもよい。例えば、無線機器10Aは、コンテンツデータの種類ごとにそのコンテンツデータの種類に対応可能な無線機器10Bが設定された画面を生成し、生成した画面を表示することができる。
【0079】
図15には、「Image」に対応可能な無線機器10B1、10B3および10B4が設定された画面171の表示例が示されている。また、図16には、「Audio」に対応可能な無線機器10B2および10B4が設定された画面172の表示例が示されている。図15に示した画面171と図16に示した画面172との間における切り替えは、例えば、ユーザによる切り替え操作により行うことが可能である。
【0080】
図17には、無線機器10B1および10B3に対してコンテンツデータをアップロードすることが可能である場合における無線機器10B1および10B3が設定された画面173の表示例が示されている。図18には、無線機器10B2および10B3からコンテンツデータをダウンロードすることが可能である場合における無線機器10B2および10B3が設定された画面174の表示例が示されている。図17に示した画面173と図18に示した画面174との間における切り替えは、例えば、ユーザによる切り替え操作により行うことが可能である。
【0081】
<4.むすび>
以上説明したように、本発明の実施形態による無線機器10Aは、周囲の無線機器10Bの検出処理において周囲の無線機器10Bから受信された機器情報を表示することができる。かかる構成により、無線機器10Aと無線機器10Bとが不要に接続されてしまうことを防止できるので、消費電力を削減することが可能である。また、無線機器10Aと無線機器10Bとが接続されるのを待たずして機器情報を表示することができるので、迅速に機器情報を表示することが可能になる。
【0082】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0083】
例えば、本明細書の無線機器10の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、無線機器10の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0084】
また、無線機器10に内蔵されるCPU101、ROM102およびRAM103などのハードウェアを、上述した無線機器10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0085】
1、1A 無線通信システム
10、10A、10B 無線機器
120A、120B 無線通信部
130A、130B 記憶部
140A、140B 通信制御部
160 操作部
170 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信方法、プログラム、および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近日、ユーザによるコンテンツデータの利用の自由度を向上するために、複数のユーザ機器でコンテンツデータを共有することが行われている。例えば、家庭用レコーダなどの据え置き式のユーザ機器に録画されたコンテンツデータを、携帯電話や携帯型ゲーム機などのモバイル式のユーザ機器に送信することにより、ユーザは自宅外でも録画されたコンテンツデータを楽しむことが可能となる。
【0003】
一方、Wi−Fi Allianceで策定されたWi−Fiダイレクトでは、複数の無線機器が親機(Group Owner)または子機(Client)のいずれとしての役割を担うかを決定して通信グループを形成することが提案されている。ここで、親機は簡易的なアクセスポイントとして動作し、1または2以上の子機を接続する機能を有する。なお、このようなWi−Fiダイレクトに従う無線通信システムについては例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−245975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような無線通信システムにおいては、無線通信装置が他の無線通信装置に関する機器情報を取得して表示するための処理や消費電力を軽減することが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線通信装置が他の無線通信装置に関する機器情報を効率的に表示することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、プログラム、および無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、無線通信部と、前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、を備える、無線通信装置が提供される。
【0008】
前記表示部は、前記周囲の無線通信装置が複数存在する場合、前記機器情報ごとに送信元の前記周囲の無線通信装置を表示することとしてもよい。
【0009】
前記機器情報は、Wi−Fiダイレクトで規定されるService_Discovery手順におけるService_Discovery_Responseの拡張フィールドを用いて受信されることとしてもよい。
【0010】
前記機器情報は、DLNAデバイスの性能、および対応可能なコンテンツデータの種類のうちの少なくともいずれか1つであることとしてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、周囲の無線通信装置の検出処理を制御するステップと、前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示するステップと、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理を制御するステップと、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御するステップと、を含む、無線通信方法が提供される。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、無線通信部と、前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、を備える、無線通信装置として機能させるための、プログラムが提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の無線通信装置を備えるとともに、無線通信部と、前記無線通信部による前記第1の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記第1の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記第1の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、前記検出処理において前記第1の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、を有する、第2の無線通信装置、を備える、無線通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、無線通信装置が他の無線通信装置に関する機器情報を効率的に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態による無線通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】第1の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。
【図3】第2の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。
【図4】無線機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態による無線機器の構成を示した機能ブロック図である。
【図6】Service_Discovery_Queryフレームの構成例を示した説明図である。
【図7】Service_Discovery_Responseフレームの構成例を示した説明図である。
【図8】本発明の実施形態による無線機器の全体動作を示したシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態による無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図10】複数の無線機器の各々に関する機器情報の例を示した説明図である。
【図11】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図12】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図13】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図14】無線機器検出時に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図15】機器情報の表示例を示す図である。
【図16】機器情報の表示例を示す図である。
【図17】機器情報の表示例を示す図である。
【図18】機器情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0018】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.無線通信システムの構成
2.無線機器のハードウェア構成
3.実施形態の説明
(無線機器の構成)
(動作例)
(無線機器検出の段階における処理)
(機器情報の表示例)
4.むすび
【0019】
<1.無線通信システムの構成>
本実施形態による無線通信装置(10A)は、
A.無線通信部(120)と、
B.無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、検出処理において検出された周囲の無線通信装置との接続処理、および、接続処理において接続が確立された周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部(140)と、
C.検出処理において周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部(170)と、
を備える。
【0020】
図1は、本発明の実施形態による無線通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による無線通信システム1は、無線機器10Aおよび10Bを備える。
【0021】
無線機器10Bは、図1に示したように例えば据え置き式の家庭用レコーダであり、取得したコンテンツデータを記憶する。無線機器10Bは、例えば、BS(Broadcast Satellite)放送、CS(communications satellite)放送、地上波デジタル放送、地上波アナログ放送、ケーブル放送などのテレビジョン方法を受信することにより、コンテンツデータとしてテレビジョン番組を取得してもよい。
【0022】
なお、コンテンツデータはテレビジョン番組に限定されない。例えば、コンテンツデータは、音楽、講演およびラジオ番組などの音声データや、映画、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェアなどであってもよい。
【0023】
また、無線機器10Bは、無線機器10Aと無線通信することができる。具体的には、無線機器10Bは、Wi−Fi Allianceで策定されたWi−Fiダイレクトに従って無線機器10Aと通信グループを形成し、通信グループを形成した無線機器10Aとアクセスポイントを介さずに無線通信することができる。なお、無線機器10Aおよび無線機器10Bは、同じアクセスポイント(AP)に接続されている場合であっても、例えばIEEE802.11z(TDLS)等を使用する直接通信を行ってもよい。
【0024】
無線機器10Aは、図1に示したようにモバイル式のゲーム機であり、記憶しているコンテンツデータを再生する。例えば、無線機器10Aは、無線機器10Bと無線通信することにより、無線機器10Bに記憶されたコンテンツデータを共有することができる。これにより、ユーザは無線機器10Bにより取得されたコンテンツデータを自宅外でも楽しむことが可能となる。
【0025】
なお、図1においては無線機器10Aの一例としてゲーム機を示し、無線機器10Bの一例として家庭用レコーダを示しているが、無線機器10はこれらの例に限定されない。例えば、無線機器10は、PC(Personal Computer)、家庭用ゲーム機器、家電機器、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、などの情報処理装置であってもよい。
【0026】
また、無線機器10Aは、無線機器10Bから機器情報を取得し、無線機器10Bから取得した機器情報を表示する機能も有している。しかし、機器情報の表示に関してはいくつかの問題がある。以下、図2および図3を参照し、これらの問題について簡単に説明する。
【0027】
まず、無線機器10Aのようなモバイル機器では電源が限られているので、無線機器10Aが無線機器10Bから機器情報を取得するために無線機器10Aおよび10Bを常時接続しておくことは現実的でない。このため、第1の比較例では、ユーザ操作に応じて図2に示す手順に従い機器情報を通信する。
【0028】
図2は、第1の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。図2に示したように、第1の比較例による無線機器#1および#2は、まず互いの存在を検出し(S11)、無線ネットワークを設定し(S12)、IPネットワークを設定する(S13)。その後、無線機器#1は、無線機器♯2と通信することにより無線機器♯2から機器情報を取得し(S14)、取得した機器情報を表示する(S15)。
【0029】
このように、第1の比較例では、機器情報を表示するためにIPネットワークの設定および無線ネットワークの設定が必要である。しかし、機器情報を表示するためであれば、無線機器#1が実際に無線機器#2にアクセスする必要がない場合もあり得る。この第1の比較例では、そのような場合であってもIPネットワークの設定および無線ネットワークの設定を行うため、ユーザにとって快適な利用環境を提供することが困難であった。
【0030】
図3は、第2の比較例による機器情報の表示手順を示した説明図である。この第2の比較例による判断手順はWi−Fiダイレクトに準拠しており、第2の比較例による無線機器#1および#2は、無線機器検出の段階でService Discoveryと呼ばれる手順により無線ネットワーク構築のための情報以外の情報を通信できる(S21)。
【0031】
しかし、無線ネットワーク構築のための情報以外の情報として仕様上で規定されているのは、各無線機器10が提供できるサービス(UPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類、DLNAデバイスの種類など)である。このため、Wi−Fiダイレクトに準拠する第2の比較例であっても、機器情報のうちの、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)デバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類などは、無線ネットワーク設定(S22)、およびIPネットワーク設定(S23)の後に取得され(S24)、表示される(S25)。したがって、第2の比較例でも、第1の比較例と同様に、本来不要である無線ネットワークやIPネットワークの設定が行われてしまうという問題がある。
【0032】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、無線ネットワークやIPネットワークの設定前に機器情報を表示できるので、無線機器10が他の無線機器10に関する機器情報を効率的に表示することが可能となる。以下、このような無線機器10のハードウェア構成例を説明した後に、本発明による実施形態を詳細に説明する。
【0033】
<2.無線機器のハードウェア構成>
図4は、無線機器10のハードウェア構成を示したブロック図である。無線機器10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ホストバス104と、を備える。また、無線機器10は、ブリッジ105と、外部バス106と、インタフェース107と、入力装置108と、出力装置110と、ストレージ装置(HDD)111と、ドライブ112と、通信装置113とを備える。
【0034】
CPU101は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って無線機器10内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM102は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM103は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス104により相互に接続されている。
【0035】
ホストバス104は、ブリッジ105を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス106に接続されている。なお、必ずしもホストバス104、ブリッジ105および外部バス106を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0036】
入力装置108は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。無線機器10のユーザは、該入力装置108を操作することにより、無線機器10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0037】
出力装置110は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置110は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。出力装置110は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。
【0038】
ストレージ装置111は、本実施形態にかかる無線機器10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置111は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置111は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置111は、ハードディスクを駆動し、CPU101が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0039】
ドライブ112は、記憶媒体用リーダライタであり、無線機器10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ112は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体200に記録されている情報を読み出して、RAM103に出力する。また、ドライブ112は、リムーバブル記憶媒体200に情報を書き込むこともできる。
【0040】
通信装置113は、例えば、周囲の無線機器10に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置113は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0041】
<3.実施形態の説明>
以上、本発明の実施形態による無線機器10のハードウェア構成を説明した。続いて、図5〜図18を参照し、本発明による実施形態を詳細に説明する。
【0042】
(無線機器の構成)
図5は、本発明の実施形態による無線機器10Aおよび10Bの構成を示した機能ブロック図である。図5に示したように、実施形態による無線機器10Aは、無線通信部120A、記憶部130A、通信制御部140A、操作部160、および表示部170を有する。同様に、無線機器10Bは、無線通信部120B、記憶部130B、および通信制御部140Bを有する。
【0043】
無線機器10Aの無線通信部120Aは、通信制御部140Aによる制御に従い、周囲の無線機器10Bを検出するための通信、検出した無線機器10Bとの無線接続を確立するための通信、および無線機器10Bとの機器情報の通信などを行う。
【0044】
具体的には、無線通信部120Aは、周囲の無線機器10Bを検出するための無線機器検出処理において、例えばプローブリクエストと呼ばれる応答要求信号、およびプローブレスポンスと呼ばれる応答信号を送受信する。
【0045】
例えば、無線通信部120Aがプローブリクエストの送信側である場合、無線通信部120Aは、当該プローブリクエストに応答するプローブレスポンスを周囲の無線機器10Bから受信することにより、無線機器10Bの存在を検出できる。一方、無線通信部120Aは、周囲の無線機器10Bからプローブリクエストを受信した場合、この受信により無線機器10Bの存在を検出すると共に、当該プローブリクエストに応答するプローブレスポンスを送信することにより、無線機器10Bも無線機器10Aの存在を検出することが可能となる。
【0046】
また、無線通信部120Aは、無線機器検出処理において、機器情報を例えばWi−Fiダイレクトで規定されるService_Discovery手順を用いて無線機器10Bと通信する。
【0047】
Service_Discovery手順においては、一方の無線機器がService_Discovery_Queryと呼ばれるサービス問い合わせ信号を送信し、他方の無線機器がService_Discovery_Responseと呼ばれるサービス応答信号で応答する。ここで、図6および図7を参照し、Service_Discovery_Queryフレーム、およびService_Discovery_Responseフレームの構成例を説明する。
【0048】
図6は、Service_Discovery_Queryフレームの構成例を示した説明図である。図6に示したように、Service_Discovery_Queryフレームは、処理の信号パターンを有するプリアンブル、送信元や宛先などのアドレス情報を含むMACヘッダ、他の無線機器10に対する要求フレームとして定義されるGAS(Generic Advertisement Services)_Initial_Request_Frame、および、フレーム内の誤りを検出するためのFCS(Frame Check Sequence)を含む。また、GAS_Initial_Request_Frameは、GASヘッダおよびANQP(Access_Network_Query_Protocol)_Query_Requestを含む。
【0049】
ここで、本発明の実施形態によるANQP_Query_Requestは、詳細については後述するが、検索対象とする無線機器10Bの機器情報を含んでもよい。例えば、ANQP_Query_Requestに含まれるサービスタイプまたはペイロードには、Service_Discovery_Queryフレームの検索対象とする無線機器10の機器情報が記載されてもよい。ANQP_Query_Requestは、拡張フィールドに相当する。特に、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類については、Bonjour、UPnP、WS−Discoveryなどにおいて現在定義されていない。そこで、例えば、ペイロードに設定される値として、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類を示す値を独自に定義する手法が想定される。その場合には、例えば、ペイロードに設定される値を独自に定義するための所定の値をサービスタイプに設定すればよい。また、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類などを示すサービス自体を独自に定義してもよい。その場合には、サービスタイプに設定される値を独自に定義すればよい。
【0050】
図7は、Service_Discovery_Responseフレームの構成例を示した説明図である。図7に示したように、Service_Discovery_Responseフレームは、処理の信号パターンを有するプリアンブル、送信元や宛先などのアドレス情報を含むMACヘッダ、他の無線機器10からの要求に対する返信フレームとして定義されるGAS_Initial_Response_Frame、および、フレーム内の誤りを検出するためのFCSを含む。また、GAS_Initial_Response_Frameは、GASヘッダおよびANQP(Access_Network_Query_Protocol)_Query_Responseを含む。
【0051】
ここで、本発明の実施形態によるANQP_Query_Responseは、無線機器10Aまたは無線機器10Bの一方の有する機器情報を含んでもよい。例えば、ANQP_Query_Responseに含まれるサービスタイプまたはペイロードには、Service_Discovery_Responseフレームの送信元の無線機器10に関する機器情報が記載される。ANQP_Query_Responseは、拡張フィールドに相当する。Service_Discovery_Responseフレームを使用する場合においても、ANQP_Query_Requestフレームと同様な手法により、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類を示す値を独自に定義することが可能である。
【0052】
ここで図5を参照して無線機器10Aの構成の説明に戻ると、無線機器10Aの記憶部130Aは、無線機器10Bに関する機器情報を、当該無線機器10Bの識別情報である機器識別情報と対応付けて記憶する。無線機器10Bに関する機器情報としては、例えば、DLNAデバイスの性能、対応可能なコンテンツデータの種類などが挙げられ、無線機器10Bに関する機器情報は、これらのうちの少なくともいずれか1つであってもよい。
【0053】
なお、このような当該機器識別情報および機器情報を記憶する記憶部130Aは、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0054】
通信制御部140Aは、無線通信部120Aによる無線機器検出処理、無線接続を確立するための接続処理、および機器情報の通信などを制御する。通信制御部140Aは、無線機器検出処理において、機器情報の通信を制御(開始)する。機器情報の通信方法などについては、図面を参照しながら詳細に後述する。
【0055】
機器情報の通信により、通信制御部140Aは、無線機器10Bに関する機器情報を無線機器10Bから直接取得してもよいし、無線機器10Bからは無線機器10Bに関する機器情報を識別するための情報を取得し、取得した情報に基づいて、無線機器10B以外の機器から無線機器10Bに関する機器情報を取得してもよい。無線機器10Bに関する機器情報を識別するための情報は、無線機器10Bに関する機器情報の所在を示すURLであってもよい。
【0056】
表示部170は、無線通信部120Aによる機器情報の通信により取得された機器情報を表示することができる。上記したように、表示部170は、例えば、無線機器10Bの識別情報である機器識別情報と対応付けられて記憶されている機器情報を、無線機器10Bの無線通信部120Bから取得された機器情報として表示することができる。機器情報の表示方法などについても、図面を参照しながら詳細に後述する。
【0057】
操作部160は、無線機器10Aのユーザからの操作を受け付ける機能を有しており、主に、表示部170により表示される画面を生成するための操作を受け付けることができる。例えば、通信制御部140Aは、操作部160により受け付けられた操作に基づいて画面を生成し、生成した画面を表示部170に表示させることも可能である。操作部160は、表示部170により表示される画面を更新するための操作を受け付けることもできる。この場合には、例えば、通信制御部140Aは、操作部160により受け付けられた操作に基づいて画面を更新し、更新した画面を表示部170に表示させることも可能である。
【0058】
無線機器10Bの無線通信部120Bは、無線機器10Aの無線通信部120Aと同様に、通信制御部140Bによる制御に従い、周囲の無線機器10Aを検出するための通信、検出した無線機器10Aとの無線接続を確立するための通信、および無線機器10Aとの機器情報の通信などを行う。また、無線通信部120Bは、無線機器検出処理において、機器情報を例えばWi−Fiダイレクトで規定される上述したService_Discovery手順を用いて通信する。このService_Discovery手順により、無線機器10Bの通信制御部140Bが、無線機器10Aとの接続確立前に機器情報を通信することが可能となる。
【0059】
無線機器10Bの記憶部130Bは、無線機器10Bに関する機器情報を記憶している。なお、無線機器10Bも無線機器10Aが有する操作部160、表示部170などと同様の機能を有する構成を備えることとしてもよい。
【0060】
通信制御部140Bは、無線通信部120Bによる無線機器検出処理、無線接続を確立するための接続処理、および機器情報の通信などを制御する。通信制御部140Bは、無線機器検出処理において、上記の機器情報の通信を制御(開始)する。かかる構成により、機器情報を通信する際に、無線機器10Aおよび10Bが不要に接続されてしまうことを防止できる。
【0061】
上記したように、通信制御部140Bは、例えば、無線機器検出処理において、Service_Discovery_Responseフレームにより機器情報を無線機器10Aに送信するように制御(開始)することができる。そのとき、通信制御部140Bは、所定の条件を満たすか否かを判断し、満たす場合には、Service_Discovery_Responseフレームにより機器情報を無線機器10Aに送信するように制御(開始)し、満たさない場合には、Service_Discovery_Responseフレームにより機器情報を無線機器10Aに送信しないように制御してもよい。
【0062】
例えば、通信制御部140Bは、無線機器10Aから送信されたService_Discovery_Queryフレームに、検索対象とする無線機器10Bの機器情報が設定されている場合には、設定されている機器情報と無線機器10Bに関する機器情報とが合致するか否かを判断し、合致する場合には、Service_Discovery_Responseフレームを無線機器10Aに送信するように制御(開始)し、合致しない場合には、Service_Discovery_Responseフレームを無線機器10Aに送信しないように制御してもよい。
【0063】
(動作例)
以上、本発明の実施形態による無線機器10の構成を説明した。続いて、図8を参照し、本発明の実施形態による無線機器10の動作例を説明する。
【0064】
図8は、本発明の実施形態による無線機器10の全体動作を示したシーケンス図である。図8に示したように、実施形態による無線機器10Aおよび10Bは、無線機器検出を行い(S110)、無線ネットワークの設定前、およびIPネットワークの設定前に、無線機器10Aは、無線機器10Bに関する機器情報を取得し、取得した機器情報を表示する(S120)。
【0065】
ここで特筆すべき点は、無線機器10Aが、無線機器検出の段階で無線機器10Bに関する機器情報を取得し、取得した機器情報を表示することである。以下、このような無線機器検出の段階における処理をより具体的に説明する。
【0066】
(無線機器検出の段階における処理)
以上、本発明の実施形態による無線機器10の動作例を説明した。続いて、図9〜14を参照し、無線機器検出の段階における処理の詳細について説明する。
【0067】
図9は、本発明の実施形態による無線通信システム1の構成例を示した説明図である。図9に示したように、本発明の実施形態による無線通信システム1の一例としての無線通信システム1Aは、無線機器10Aを備えると共に、無線機器10Bの例としての無線機器10B1〜10B5を備える。なお、図9には、説明の都合上、無線機器10Bの例が無線機器10B1〜10B5の5台示されているが、無線機器10Bの数は特に限定されるものではない。
【0068】
図10は、図9に示した無線機器10B1〜10B5の各々に関する機器情報の例を示した説明図である。図10において、「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」は、例えば、上記したUPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類に相当するものである。「DLNA Device Class」は、例えば、上記したDLNAデバイスの種類に相当するものである。「DLNA Device Capability」は、例えば、上記したDLNAデバイスの性能に相当するものである。「DLNA Media Class」は、上記した対応可能なコンテンツデータの種類に相当するものである。
【0069】
なお、図10に示した「DLNA Device Capability」に「+UP+」が設定されている無線機器10Bは、当該無線機器10Bに対してコンテンツデータをアップロードすることが可能である旨を示しており、「DLNA Device Capability」に「+DN+」が設定されている無線機器10Bは、当該無線機器10Bからコンテンツデータをダウンロードすることが可能である旨を示している。
【0070】
図11〜図14は、図10に示した機器情報を有する無線機器10B1〜10B5を無線機器検出する場合に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図である。図11に示すように、まず、無線機器10Aは、「Search all service」を無線機器10B1〜10B5の各々に対して行う。この「Search all service」は、上記した例では、Service_Discovery_Queryフレームの送信により行われる。
【0071】
無線機器10Aにより「Search all service」が行われると、無線機器10B1〜10B5の各々は、機器情報を無線機器10Aに返信する。図11には、無線機器10B1〜10B5の各々が、機器情報としてUPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類を無線機器10Aに返信する例が示されている。例えば、無線機器10B1〜10B5の各々は、図10に示すように設定されている「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」を無線機器10Aに返信する。機器情報の返信は、上記した例では、Service_Discovery_Responseフレームの送信により行われる。
【0072】
図12には、無線機器10B1〜10B5の各々が、UPnPデバイスの種類またはUPnPサービスの種類、DLNAデバイスの種類、DLNAデバイスの性能、および対応可能なコンテンツデータの種類を無線機器10Aに返信する例が示されている。例えば、無線機器10B1〜10B5の各々は、図10に示すように設定されている「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」、「DLNA Device Class」、「DLNA Device Capability」および「DLNA Media Class」を無線機器10Aに返信する。
【0073】
図13には、無線機器10Aが、機器情報を特定し、特定した機器情報に合致する機器情報を有する無線機器10Bを検索する例について示されている。まず、無線機器10Aは、「Search Media Server」を無線機器10B1〜10B5の各々に対して行う。この「Search Media Server」は、上記した例では、「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」として「Media Server」が設定されたService_Discovery_Queryフレームの送信により行われる。
【0074】
無線機器10Aにより「Search Media Server」が行われると、「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」が「Media Server」である無線機器10B1〜10B4は、機器情報を無線機器10Aに返信する。「UPnP Device Type」または「UPnP Service Type」が「Media Server」ではない無線機器10B5は、機器情報を無線機器10Aに返信しない。
【0075】
図14に示した例では、まず、無線機器10Aは、「Search +UP+」を無線機器10B1〜10B5の各々に対して行う。この「Search +UP+」は、上記した例では、「DLNA Device Capability」として「+UP+」が設定されたService_Discovery_Queryフレームの送信により行われる。
【0076】
無線機器10Aにより「Search +UP+」が行われると、「DLNA Device Capability」が「+UP+」である無線機器10B1および10B3は、機器情報を無線機器10Aに返信する。「DLNA Device Capability」が「+UP+」ではない無線機器10B2、10B4および10B5は、機器情報を無線機器10Aに返信しない。
【0077】
(機器情報の表示例)
以上、本発明の実施形態による無線機器検出の段階における処理の詳細を説明した。続いて、図15〜18を参照し、機器情報の表示例について説明する。
【0078】
図15〜図18は、無線機器10B1〜10B5の各々が図10に示した機器情報を有している場合における機器情報の表示例を示す図である。無線機器10Aは、無線機器10Bの機器情報を表示することができるが、例えば、機器情報ごとにその機器情報を有している無線機器10Bを表示するようにしてもよい。例えば、無線機器10Aは、コンテンツデータの種類ごとにそのコンテンツデータの種類に対応可能な無線機器10Bが設定された画面を生成し、生成した画面を表示することができる。
【0079】
図15には、「Image」に対応可能な無線機器10B1、10B3および10B4が設定された画面171の表示例が示されている。また、図16には、「Audio」に対応可能な無線機器10B2および10B4が設定された画面172の表示例が示されている。図15に示した画面171と図16に示した画面172との間における切り替えは、例えば、ユーザによる切り替え操作により行うことが可能である。
【0080】
図17には、無線機器10B1および10B3に対してコンテンツデータをアップロードすることが可能である場合における無線機器10B1および10B3が設定された画面173の表示例が示されている。図18には、無線機器10B2および10B3からコンテンツデータをダウンロードすることが可能である場合における無線機器10B2および10B3が設定された画面174の表示例が示されている。図17に示した画面173と図18に示した画面174との間における切り替えは、例えば、ユーザによる切り替え操作により行うことが可能である。
【0081】
<4.むすび>
以上説明したように、本発明の実施形態による無線機器10Aは、周囲の無線機器10Bの検出処理において周囲の無線機器10Bから受信された機器情報を表示することができる。かかる構成により、無線機器10Aと無線機器10Bとが不要に接続されてしまうことを防止できるので、消費電力を削減することが可能である。また、無線機器10Aと無線機器10Bとが接続されるのを待たずして機器情報を表示することができるので、迅速に機器情報を表示することが可能になる。
【0082】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0083】
例えば、本明細書の無線機器10の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、無線機器10の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0084】
また、無線機器10に内蔵されるCPU101、ROM102およびRAM103などのハードウェアを、上述した無線機器10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0085】
1、1A 無線通信システム
10、10A、10B 無線機器
120A、120B 無線通信部
130A、130B 記憶部
140A、140B 通信制御部
160 操作部
170 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信部と、
前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、
前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記表示部は、
前記周囲の無線通信装置が複数存在する場合、前記機器情報ごとに送信元の前記周囲の無線通信装置を表示する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記機器情報は、Wi−Fiダイレクトで規定されるService_Discovery手順におけるService_Discovery_Responseの拡張フィールドを用いて受信される、
請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記機器情報は、
DLNAデバイスの性能、および対応可能なコンテンツデータの種類のうちの少なくともいずれか1つである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
周囲の無線通信装置の検出処理を制御するステップと、
前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示するステップと、
前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理を制御するステップと、
前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御するステップと、
を含む、無線通信方法。
【請求項6】
コンピュータを、
無線通信部と、
前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、
前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、
を備える、無線通信装置として機能させるための、プログラム。
【請求項7】
第1の無線通信装置を備えるとともに、
無線通信部と、
前記無線通信部による前記第1の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記第1の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記第1の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、
前記検出処理において前記第1の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、
を有する、第2の無線通信装置、
を備える、無線通信システム。
【請求項1】
無線通信部と、
前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、
前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記表示部は、
前記周囲の無線通信装置が複数存在する場合、前記機器情報ごとに送信元の前記周囲の無線通信装置を表示する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記機器情報は、Wi−Fiダイレクトで規定されるService_Discovery手順におけるService_Discovery_Responseの拡張フィールドを用いて受信される、
請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記機器情報は、
DLNAデバイスの性能、および対応可能なコンテンツデータの種類のうちの少なくともいずれか1つである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
周囲の無線通信装置の検出処理を制御するステップと、
前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示するステップと、
前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理を制御するステップと、
前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御するステップと、
を含む、無線通信方法。
【請求項6】
コンピュータを、
無線通信部と、
前記無線通信部による周囲の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記周囲の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記周囲の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、
前記検出処理において前記周囲の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、
を備える、無線通信装置として機能させるための、プログラム。
【請求項7】
第1の無線通信装置を備えるとともに、
無線通信部と、
前記無線通信部による前記第1の無線通信装置の検出処理、前記検出処理において検出された前記第1の無線通信装置との接続処理、および、前記接続処理において接続が確立された前記第1の無線通信装置との通信を制御する通信制御部と、
前記検出処理において前記第1の無線通信装置から受信された機器情報を表示する表示部と、
を有する、第2の無線通信装置、
を備える、無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−175452(P2012−175452A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36220(P2011−36220)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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