説明

無線通信装置、無線通信方法および無線通信システム

【課題】電力伝送とデータ通信とを独立して行い得るようにする。
【解決手段】リーダ・ライタ装置110には、嵌合部110aを構成する3つの面に対応して、電磁結合用コイル111a,111b,111cが埋設されている。各コイルは、互いに直交する偏波面、従って互いに相関を持たない偏波面を有している。メモリ装置120には、リーダ・ライタ装置110の嵌合部110aに嵌合された状態で、この嵌合部110aの3つの面に対向する3つの面に対応して、電磁結合用コイル121a,121b,121cが埋設されている。各コイルは、互いに直交する偏波面、従って互いに相関を持たない偏波面を有している。コイル111a,121aの電磁結合系により、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120に電力伝送を行う。コイル111b,121bの電磁結合系およびコイル111c,121cの電磁結合系により、データ通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信装置、無線通信方法および無線通信システムに関する。詳しくは、この発明は、第2の無線通信装置から第1の無線通信装置に第1の電磁結合系を用いて電力伝送を行うと共に、第2の無線通信装置と第1の無線通信装置との間で第1の電磁結合系とは互いに相関を持たない偏波面を有する第2の電磁結合系を用いてデータ通信を行うことにより、電力伝送とデータ通信とを独立して行い得る無線通信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静止画、動画、音楽等のコンテンツが大容量化している。ユーザは、携帯機器内の内蔵メモリやメモリカード等にこれらのコンテンツを保存し、必要に応じてPC(Personal Computer)、テレビ、あるいはプリンタ等の据置き型の機器(読み取り機器)にこれらのコンテンツを移すというスタイルが定着している。
【0003】
これらのコンテンツを読み取り機器に移す際には、メモリカードスロット、USB(UniversalSerial Bus)等の有線ケーブルで接続するのが一般的である。しかし、有線ケーブルによる接続は、設置場所が限定される上、接点の磨耗や、形状の制限といった問題がある。
【0004】
そのため、現在では、IEEE802.11に代表される無線LANシステムや、近距離無線通信方式であるBluetooth(登録商標)等の無線通信方式が、携帯電話や携帯情報端末、デジタルカメラ、携帯型オーディオ再生機器などに実装されつつある。これらの無線通信方式を実装することによって、上述したような使い勝手は改善される。
【0005】
しかし、メモリカード単体に無線LAN等の外部接続用のインタフェースを持つものはあまり普及していない。これは、メモリカードのようにストレージ機能以外のアプリケーションを持たない装置にバッテリを搭載してワイヤレス化することが、コスト面や大きさ等、かえってデメリットの方が大きくなるからである。
【0006】
例えば、特許文献1等には、RFID(Radio Frequency IDentifier)などに使用される非接触通信方式を利用したデータ通信システムについての記載がある。非接触通信方式には、静電結合方式、電磁誘導方式、電波通信方式などが挙げられる。例えば、電波通信方式のRFIDシステムは、受信した無変調キャリアに対し変調処理を施した反射波によりデータを送信する反射器と、反射器からの変調反射波信号からデータを読み取る反射波読み取り器で構成され、「バックスキャッタ」とも呼ばれる反射波伝送を行なう。
【特許文献1】特開2005−191705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の非接触通信方式においては、RFIDタグが読み取り機器からのキャリア信号を用いて電力を生成するのが一般的である。識別情報程度の比較的短いデータ系列からなる情報を送信するのであれば、キャリア信号から得られる電力で十分動作させることができる。しかし、画像や音楽データのような大容量コンテンツの伝送を行なうのに必要な電力まで賄うことはできない。
【0008】
また、上述の電波通信方式のRFIDシステムでは、リーダ・ライタから無線タグに無変調キャリアを送信し、無線タグではこの無変調キャリアに対して変調処理を施して得られた変調反射波信号をリーダ・ライタに送信する。そのため、無線タグは、自発的、あるいは積極的にデータを送信できない。
【0009】
この発明の目的は、電力伝送とデータ通信とを独立して行い得るようにする、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の概念は、
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置とを備える無線通信システムであって、
上記第1の無線通信装置は、
互いに相関を持たない偏波面を有する複数の電磁結合用コイルと、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに発生された誘導起電力を用いて電源電力を得る受電部と、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、上記第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により上記第2の無線通信装置との間でデータ通信を行うデータ通信部と、
上記データ通信部で取り扱うデータを記憶するメモリ部を有し、
上記第2の無線通信装置は、
互いに相関を持たない偏波面を有する複数の電磁結合用コイルと、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに電力伝送用の電流を流す給電部と、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、上記第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により上記第1の無線通信装置との間でデータ通信を行うデータ通信部を有する
無線通信システムにある。
【0011】
第1の無線通信装置においては、複数の電磁結合用コイルを有している。この複数の電磁結合用コイルは、互いに相関を持たない偏波面を有している。例えば、ある2つの電磁結合用コイルの偏波面は、90度〜270度だけ異なるようにされる。また、第1の無線通信装置においては、受電部を有している。この受電部では、複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに発生された誘導起電力を用いて、電源電力が得られる。なお、この第1の無線通信装置は、上述の受電部の他に、電源電力を得る電源部をさらに備えていてもよい。この場合、電源部が例えば二次電池を用いて構成されているとき、上述の受電部の存在により二次電池からの電力消費を抑制できる。
【0012】
また、第1の無線通信装置においては、データ通信部を有している。このデータ通信部では、複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により、第2の無線通信装置との間でデータ通信が行われる。この場合、例えば、DCフリー、かつクロック再生可能な符号による符号化データを用いてデータ通信が行われる。DCフリーとされることで、電磁結合によるデータ通信が良好に行われる。また、クロック再生可能とされることで、別途クロック信号を相手側に送ることなく、データ送信が可能となる。
【0013】
また、第1の無線通信装置においては、メモリ部を有している。このメモリ部には、データ通信部で取り扱うデータが保持される。例えば、このメモリ部から読み出されたデータが、データ通信部により、第2の無線通信装置に送信される。また、例えば、無線通信部により第2の無線通信装置から受信されたデータが、このメモリ部に記憶される。なお、このメモリ部には、メモリカード等の記憶媒体が着脱自在に装着される構成であってもよい。
【0014】
また、第2の無線通信装置においては、複数の電磁結合用コイルを有している。この複数の電磁結合用コイルは、上述の第1の無線通信装置の複数の電磁結合用コイルと同様に、互いに相関を持たない偏波面を有している。また、第2の無線通信装置においては、給電部を有している。この給電部では、複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに電力伝送用の電流が流される。
【0015】
また、第2の無線通信装置においては、上述した第1の無線通信装置と同様に、データ通信部を有している。このデータ通信部では、複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により、第1の無線通信装置との間でデータ通信が行われる。
【0016】
このように、第2の無線通信装置から第1の無線通信装置に、第1の電磁結合系を用いて、電力伝送が行われる。また、第2の無線通信装置と第1の無線通信装置との間で第1の電磁結合系とは互いに相関を持たない偏波面を有する第2の電磁結合系を用いてデータ通信が行われる。従って、電力伝送とデータ通信とを独立して行うことができ、第2の無線通信装置から第1の無線通信装置に充分な電力供給が可能となる。また、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置の間で電磁結合系によるデータ通信が行われるものであり、電力が供給される第2の無線通信装置から第1の無線通信装置への自発的なデータ送信も可能となる。また、第1の電磁結合用コイルおよび第2の電磁結合用コイルが互いに相関を持たない偏波面を有するようにされているので、データ通信に対する電力伝送の干渉が抑制され、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間のデータ通信を良好に行うことができる。
【0017】
例えば、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置において、第2の電磁結合用コイルは、送信コイルおよび受信コイルを含み、データ通信部は、送信コイルを用いた電磁結合系により外部機器にデータを送信し、受信コイルを用いた電磁結合系により外部機器からデータを受信する、ようにされてもよい。この場合、第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へのデータ送信と、第2の無線通信装置から第1の無線通信装置へのデータ送信とを同時に並行して行うことができる。
【0018】
この場合、例えば、送信コイルおよび受信コイルとして共通の電磁結合用コイルを使用し、データ通信部の送信系回路および受信系回路は、バランを介して共通の電磁結合用コイルに接続される、ようにされてもよい。この場合、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置において、電磁結合用コイルを配設するための領域を節約でき、装置の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、第2の無線通信装置から第1の無線通信装置に第1の電磁結合系を用いて電力伝送を行うと共に、第2の無線通信装置と第1の無線通信装置との間で第1の電磁結合系とは互いに相関を持たない偏波面を有する第2の電磁結合系を用いてデータ通信を行うものであり、電力伝送とデータ通信とを独立して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0021】
<1.実施の形態>
[無線通信システムの外観構成例]
図1は、実施の形態としての無線通信システム100の外観を概略的に示している。無線通信システム100は、リーダ・ライタ装置110およびメモリ装置120により構成されている。リーダ・ライタ装置110およびメモリ装置120は、それぞれ、無線通信装置を構成している。
【0022】
メモリ装置120は直方体状とされている。リーダ・ライタ装置110には、メモリ装置120を嵌合するための、直方体状の切り欠きからなる嵌合部110aが設けられている。リーダ・ライタ装置110とメモリ装置120との間でデータ通信を行う際には、破線図示するように、リーダ・ライタ装置110の嵌合部110aにメモリ装置120が嵌合された状態とされる。
【0023】
リーダ・ライタ装置110には、嵌合部110aを構成する3つの面に対応して、電磁結合用コイル111a,111b,111cが埋設されている。すなわち、嵌合部110aの底面には電磁結合用コイル111aが埋設され、嵌合部110aの第1の側面には電磁結合用コイル111bが埋設され、嵌合部110aの第2の側面には電磁結合用コイル111cが埋設されている。この場合、これら電磁結合用コイル111a,111b,111cは、互いに直交する偏波面、従って互いに相関を持たない偏波面を有している。
【0024】
また、メモリ装置120には、上述のリーダ・ライタ装置110の嵌合部110aに嵌合された状態で、この嵌合部110aの3つの面に対向する3つの面に対応して、電磁結合用コイル121a,121b,121cが埋設されている。すなわち、メモリ装置120の底面には電磁結合用コイル121aが埋設され、メモリ装置120の第1の側面には電磁結合用コイル121bが埋設され、メモリ装置120の第2の側面には電磁結合用コイル121cが埋設されている。この場合、これら電磁結合用コイル121a,121b,121cは、互いに直交する偏波面、従って互いに相関を持たない偏波面を有している。
【0025】
リーダ・ライタ装置110の嵌合部110aにメモリ装置120が嵌合された状態では、3系統の電磁結合系が構成された状態となる。すなわち、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111aおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121aは、偏波面が互いに対向した状態となり、第1の電磁結合系を構成する。また、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111bおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121bは、偏波面が互いに対向した状態となり、第2の電磁結合系を構成する。さらに、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111cおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121cは、偏波面が互いに対向した状態となり、第3の電磁結合系を構成する。
【0026】
[リーダ・ライタ装置、メモリ装置の構成例]
図2は、リーダ・ライタ装置110の構成例を示している。このリーダ・ライタ装置110は、電磁結合用コイル111a〜111cと、制御部112と、通信制御部113と、送信部114と、受信部115と、外部インタフェース116と、給電部117を有している。制御部112、通信制御部113および外部インタフェース116は、通常、一つのCPU(Central Processing Unit)、FPGA(FieldProgrammable Gate Array)、またはASIC(Application SpecificIntegrated Circuit)等のLSIで構成できる。
【0027】
制御部112は、外部インタフェース制御、送受信制御、給電制御等の、リーダ・ライタ装置110における全体的制御を行う。送信部114は、送信データを符号化して符号化データを生成し、この符号化データに対応した送信信号(電流)を電磁結合用コイル111cに供給する。受信部115は、電磁結合用コイル111bから供給される受信信号(電流)から符号化データを取得し、この符号化データを復号化して受信データを得る。通信制御部113は、制御部112の制御のもと、送信部114および受信部115の動作を制御する。
【0028】
外部インタフェース116は、リーダ・ライタ装置110を、外部機器あるいはホスト機器130に接続するためのインタフェースである。この外部インタフェース116は、例えば、Ethernet(登録商標)、RS232C、USB、IrDA、Bluetooth、IEEE802.11bなどの標準的なインタフェースで構成できる。給電部117は、電磁結合用コイル111aに、電力伝送用の電流を流す。
【0029】
図3は、メモリ装置120の構成例を示している。このメモリ装置120は、電磁結合用コイル121a〜121cと、制御部122と、通信制御部123と、受信部124と、送信部125と、メモリ部126と、受電部127を有している。制御部122および通信制御部123は、通常、一つのCPU、FPGA、またはASIC等のLSIで構成できる。
【0030】
制御部122は、メモリアクセス、送受信制御、受電制御等の、メモリ装置120における全体的制御を行う。受信部124は、電磁結合用コイル121cから供給される受信信号(電流)から符号化データを取得し、この符号化データを復号化して受信データを得る。送信部125は、送信データを符号化して符号化データを生成し、この符号化データに対応した送信信号(電流)を電磁結合用コイル121bに供給する。通信制御部123は、制御部122の制御のもと、受信部124および送信部125の動作を制御する。
【0031】
メモリ部126は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、あるいは、DRAM(DynamicRandom Access Memory)等の揮発性メモリにより構成される。なお、このメモリ部126は、メモリカード等の記憶媒体が着脱自在に装着される構成であってもよい。メモリ部126は、例えば、静止画、動画、音楽等のコンテンツデータを保持する。受電部127は、電磁結合用コイル121aに発生された誘導起電力を用いて電源電力を得て、メモリ装置120の各部に電源を供給する。
【0032】
[符号例と、送受信回路例]
この実施の形態において、リーダ・ライタ装置110とメモリ装置120との間では、DCフリー、かつクロック再生可能な符号による符号化データを用いてデータ通信が行われる。DCフリーとすることで、電磁結合によるデータ通信が可能となる。また、クロック再生可能とすることで、別途クロック信号を相手側に送ることなく、データ送信が可能となる。
【0033】
図4、図5は、好適な符号の一例を示している。図4(a)は、マンチェスタ符号の例を示している。このマンチェスタ符号は、バイフェース符号とも呼ばれている。図4(b)は、多値マンチェスタ符号の例を示している。図5(a)は、AMI(AlternateMark Inversion)符号の例を示している。図5(b)は、クロック(CLK)重畳AMI符号の例を示している。なお、これらの符号は従来周知の符号であり、詳細説明は省略する。
【0034】
図6は、図4、図5に示す各符号のスペクトルを示している。図6(a)は、マンチェスタ符号およびAMI符号のスペクトルを示している。また、図6(b)は、クロック重畳AMI符号のスペクトルを示している。これらのスペクトルの図から、図4、図5に示す各符号は、DC成分が存在せず(DCフリー)、fclkというクロック成分を持っていてクロック再生が可能であることが分かる。
【0035】
図7は、上述の図4、図5に示す符号を生成するための回路例を示している。この回路例では、デジタル信号(クロック信号、DATA0、DATA1)の振幅をアッテネータ(ATT)で調整した上で合成し、さらにフィルタを通すことにより、図4、図5に示すいずれかの符号を、送信信号として生成できる。
【0036】
例えば、マンチェスタ符号の場合は、DATA0/DATA1のいずれかのみのデジタル信号から直接マンチェスタ符号を送信するのみでよく、未使用ピンについてはハイインピーダンス状態としておけばよい。多値化する際は、例えばDATA0の振幅をDATA1の2倍とするのみでよい。さらに、クロック成分を重畳する際には、CLK信号を送信し、合成するのみでよい。従って、図4、図5に示すいずれかの符号を用いることで、非常に簡単な回路で送信系を組むことができる。
【0037】
図8は、受信回路の一例を示している。この例は、クロック再生回路(CDR:Clock Data Recovery)を用いてクロック再生を行う例である。この例では、受信信号からフィルタでノイズ成分を除去する。その後、受信信号をアンプで増幅し、必要数(多値化分+クロック分)だけ分岐を行う。そして、分岐受信信号の一つからクロック再生回路でクロック再生を行い、また、その他の分岐受信信号の振幅をコンパレータで判定し、デジタル信号(クロック信号、DATA0〜DATAN)を取得する。
【0038】
図9は、受信回路の他の例を示している。この例は、バンドパスフィルタ(BPF)を用いてクロック抽出を行う例である。クロックを直接重畳した符号を使用した際に用いることができる。例えば、図5(b)に示すクロック重畳AMI符号を使用する場合、重畳したクロック信号に該当する周波数のバンドパスフィルタを通すのみでクロック信号を抽出できる。なお、この図9の受信回路のその他は、図8の受信回路と同様に構成される。
【0039】
[無線通信システムの動作例]
図1、図2、図3に示す無線通信システム100の動作例を説明する。リーダ・ライタ装置110とメモリ装置120との間でデータ通信を行う際には、リーダ・ライタ装置110の嵌合部110aにメモリ装置120が嵌合された状態とされる(図1参照)。この状態では、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111a,111b,111cは、メモリ装置120の電磁結合用コイル121a,121b,121cに対向した状態となって、3つの電磁結合系が構成される。
【0040】
まず、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120への電力伝送動作について説明する。リーダ・ライタ装置110において、制御部112の制御のもと、給電部117から電磁結合用コイル(一次コイル)111aに電力伝送用の電流が流される。このとき、この電磁結合用コイル111aと一つの電磁結合系を構成するメモリ装置120の電磁結合用コイル(二次コイル)121aには誘導起電力が発生される。この誘導起電力は受電部127に供給される。受電部127では、この誘導起電力に対して整流・平滑化等の処理が行われて電源電力が得られる。そして、この受電部127から、メモリ装置120の各部に電源が供給される。なお、このような電磁結合作用を利用した非接触式電力伝送に関しては、特開2005−151609号公報の段落「0004」等に記載されている。
【0041】
次に、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120に、外部機器あるいはホスト機器130からの静止画、動画、音楽等のコンテンツデータを送信して保持する場合の動作について説明する。
【0042】
リーダ・ライタ装置110において、外部機器あるいはホスト機器130からの静止画、動画、音楽等のコンテンツデータは、外部インタフェース116、制御部112および通信制御部113を介して送信部114に供給される。この送信部114では、コンテンツデータが、DCフリー、かつクロック再生可能な符号、例えばマンチェスタ符号等(図4、図5参照)により符号化され、符号化データが得られる。そして、この送信部114から電磁結合用コイル(一次コイル)111cに、符号化データに対応した送信信号(電流)が供給される。
【0043】
このとき、この電磁結合用コイル111cと一つの電磁結合系を構成するメモリ装置120の電磁結合用コイル(二次コイル)121cには、符号化データに対応した受信信号(電流)が得られる。メモリ装置120において、このように電磁結合用コイル121cに得られた受信信号は受信部124に供給される。
【0044】
この受信部124では、受信信号から符号化データが取得され、さらに、この符号化データの復号化が行われて、受信データ(静止画、動画、音楽等のコンテンツデータ)が得られる。なお、この受信部124では、受信された符号化データからクロック信号の再生、あるいは抽出が行われ、当該クロック信号は復号化処理等で使用される。そして、受信部124で得られた受信データは、通信制御部123および制御部122を介してメモリ部126に供給されて保持される。
【0045】
次に、メモリ装置120に保持されている静止画、動画、音楽等のコンテンツデータを、リーダ・ライタ装置110を通じて外部機器あるいはホスト機器130に供給する場合の動作について説明する。
【0046】
メモリ装置120において、メモリ部126から読み出された静止画、動画、音楽等のコンテンツデータは、制御部122および通信制御部123を介して送信部125に供給される。この送信部125では、コンテンツデータが、DCフリー、かつクロック再生可能な符号、例えばマンチェスタ符号等(図4、図5参照)により符号化され、符号化データが得られる。そして、この送信部125から電磁結合用コイル(一次コイル)121bに、符号化データに対応した送信信号(電流)が供給される。
【0047】
このとき、この電磁結合用コイル121bと一つの電磁結合系を構成するリーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル(二次コイル)111bには、符号化データに対応した受信信号(電流)が得られる。リーダ・ライタ装置110において、このように電磁結合コイル111bに得られた受信信号は受信部115に供給される。
【0048】
この受信部115では、受信信号から符号化データが取得され、さらに、この符号化データの復号化が行われて、受信データ(静止画、動画、音楽等のコンテンツデータ)が得られる。なお、この受信部115では、受信された符号化データからクロック信号の再生、あるいは抽出が行われ、当該クロック信号は復号化処理等で使用される。そして、受信部115で得られた受信データは、通信制御部113、制御部112および外部インタフェース116を介して、外部機器あるいはホスト機器130に供給される。
【0049】
以上説明したように、図1、図2、図3に示す無線通信システム100においては、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111aおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121aで構成される電磁結合系により電力伝送が行われる。また、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111b,111cおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121b,121cで構成される電磁結合系によりデータ通信が行われる。したがって、電力伝送とデータ通信とを独立して行うことができ、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120に、静止画、動画、音楽等のコンテンツデータの通信に必要充分な電力を供給できる。
【0050】
また、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111cおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121cで構成される電磁結合系により、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120へのデータ送信が行われる。一方、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111bおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121bで構成される電磁結合系により、メモリ装置120からリーダ・ライタ装置110へのデータ送信が行われる。したがって、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120へのデータ送信と、メモリ装置120からリーダ・ライタ装置110へのデータ送信とを、同時に並行して行うことができる。この場合、メモリ装置120からリーダ・ライタ装置110への自発的なデータ送信も可能となる。
【0051】
また、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111a,111b,111cは、互いに直交する偏波面、従って互いに相関を持たない偏波面を有している。また、メモリ装置120の電磁結合用コイル121a,121b,121cも、互いに直交する偏波面、従って互いに相関を持たない偏波面を有している。したがって、3つの電磁結合系の間における干渉が抑制される。そのため、電力伝送の影響を受けることなく、データ通信を良好に行うことができる。また、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120へのデータ送信と、メモリ装置120からリーダ・ライタ装置110へのデータ送信とを、互いに他方のデータ送信の影響を受けることなく、良好に行うことができる。
【0052】
また、リーダ・ライタ装置110とメモリ装置120との間のデータ通信では、DCフリー、かつクロック再生可能な符号による符号化データを用いてデータ通信が行われる。DCフリーとされることで、電磁結合によるデータ通信を良好に行うことができる。また、クロック再生可能とされることで、別途クロック信号を相手側に送ることなく、データ送信を行うことができる。
【0053】
<2.変形例>
[電磁結合用コイルの他の配置例]
なお、上述実施の形態においては、図1に示すように、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111a,111b,111cは、偏波面が互いに直交するように、嵌合部110aを構成する3つの面に対応して、埋設されている。これにより、電磁結合用コイル111a,111b,111cの偏波面が互いに相関を持たないようにされている。
【0054】
しかし、第1のコイルと第2のコイルの偏波面が互いに相関を持たない配置は、これら第1のコイルと第2のコイルが互いに直交するように配置される場合に限定されない。
【0055】
例えば、図10(a)は、第1の電磁結合系L1と、第2の電磁結合系L2との為す角度が90度の場合を示している。図10(b)は、第1の電磁結合系L1と、第2の電磁結合系L2との為す角度が180度の場合を示している。図10(c)は、第1の電磁結合系L1と、第2の電磁結合系L2との為す角度が270度の場合を示している。電磁結合系L1,L2の為す角度が90度の場合だけでなく、電磁結合系L1,L2の為す角度が90度〜270度の範囲では、これら電磁結合系L1,L2の偏波面は相関を持たないものとなる。
【0056】
図11は、リーダ・ライタ装置110において、電磁結合用コイル111a,111b,111cの偏波面が互いに平行となるように、嵌合部110aを構成する底面に対応して、埋設されている例を示している。この例において、メモリ装置120には、上述のリーダ・ライタ装置110の嵌合部110aに嵌合された状態で、この嵌合部110aの底面に対向する一つの面に対応して、電磁結合用コイル121a,121b,121cが埋設されている。この場合、これら電磁結合用コイル121a,121b,121cの偏波面は互いに平行となる。この場合も、リーダ・ライタ装置110の嵌合部110aにメモリ装置120が嵌合された状態では、上述実施の形態と同様に、3系統の電磁結合系が構成された状態となる。
【0057】
[送受信共用コイル]
また、上述の形態において、リーダ・ライタ装置110は、送信系の電磁結合用コイル111cおよび受信系の電磁結合用コイル111bの双方を有している。同様に、メモリ装置120は、送信系の電磁結合用コイル121bおよび受信系の電磁結合用コイル121cの双方を有している。
【0058】
これら2個の送信系および受信系の電磁結合用コイルを使用した構成を、1個の共通の電磁結合用コイルを使用した構成に置き換えることもできる。図12は、その場合の接続例を示している。この場合、送信系回路(送信部)および受信系回路(受信部)は、バランを介して、共通の電磁結合用コイルLoに接続される。
【0059】
このように2個の送信系および受信系の電磁結合用コイルを1個の共通の電磁結合用コイルに置き換えた構成によれば、リーダ・ライタ装置110、メモリ装置120において、電磁結合用コイルを配設するための領域を節約でき、装置の小型化を図ることができる。
【0060】
[送信/受信の切り替え]
また、上述実施の形態においては、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111cおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121cで構成される電磁結合系により、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120へのデータ送信が行われる。一方、リーダ・ライタ装置110の電磁結合用コイル111bおよびメモリ装置120の電磁結合用コイル121bで構成される電磁結合系により、メモリ装置120からリーダ・ライタ装置110へのデータ送信が行われる。つまり、2つの電磁結合系におけるデータ通信の方向は互いに異なるものとされている。
【0061】
しかし、これら2つの電磁結合系のデータ通信の方向を、任意に切り替え可能に構成することも可能である。その場合には、2つの電磁結合系を、リーダ・ライタ装置110からメモリ装置120へのデータ送信、あるいはメモリ装置120からリーダ・ライタ装置110へのデータ送信に使用でき、データ転送レートを高めることができる。
【0062】
図13は、2つの電磁結合系のデータ通信の方向を任意に切り替え可能とした、リーダ・ライタ装置110Aの構成例を示している。このリーダ・ライタ装置110Aは、図2に示すリーダ・ライタ装置110における送信部114および受信部115に代わって、送受信部114Aおよび送受信部115Aが配置されたものである。
【0063】
送受信部114A,115Aは、電磁結合用コイル111c,111bの電磁結合系をデータ送信に使用する場合には送信部として機能するように、機能切り替えが行われる。また、送受信部114A,115Aは、電磁結合用コイル111c,111bの電磁結合系をデータ受信に使用する場合には受信部として機能するように、機能切り替えが行われる。
【0064】
なお、この機能切り替えは、例えば制御部112の制御のもと行われる。詳細説明は省略するが、制御部112は、この機能切り替えに伴って、通信制御部113、外部インタフェース116等に対する動作変更の制御も適宜行う。
【0065】
図14は、2つの電磁結合系のデータ通信の方向を任意に切り替え可能とした、メモリ装置120Aの構成例を示している。このメモリ装置120Aは、図3に示すメモリ装置120における受信部124および送信部125に代わって、送受信部124Aおよび送受信部125Aが配置されたものである。
【0066】
送受信部124A,125Aは、電磁結合用コイル121c,121bの電磁結合系をデータ送信に使用する場合には送信部として機能するように、機能切り替えが行われる。また、送受信部124A,125Aは、電磁結合用コイル121c,121bの電磁結合系をデータ受信に使用する場合には受信部として機能するように、機能切り替えが行われる。
【0067】
なお、この機能切り替えは、例えば制御部122の制御のもと行われる。詳細説明は省略するが、制御部122は、この機能切り替えに伴って、通信制御部123、メモリ部126等に対する動作変更の制御も適宜行う。
【0068】
[電源部を持つメモリ装置]
また、上述実施の形態において、メモリ装置120(図2参照)は、バッテリ等を用いた電源部を有していない。しかし、メモリ装置として、電源部を備える構成も考えることができる。図15は、バッテリ等を用いた電源部128を備えたメモリ装置120Bの構成例を示している。この図15において、図3と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0069】
このメモリ装置120Bにおいては、受電部127で得られた電源電力は、電源部128を通じて、メモリ装置120Bの各部に供給される。この場合、電源部128が例えばバッテリ(二次電池)を用いて構成されているとき、上述の受電部127の存在によりバッテリからの電力消費を抑制できる。
【0070】
[その他]
また、上述実施の形態においては、3個の電磁結合系を持つ無線通信システム100を示したが、電磁結合系の個数は3個に限定されるものではなく、2個、あるいは4個以上であってもよい。それらの場合であっても、各電磁結合系を構成するコイルは、その偏波面は互いに相関を持たないように配置する必要がある。
【0071】
また、上述実施の形態においては、リーダ・ライタ装置とメモリ装置との間でデータ通信を行う無線通信システム100にこの発明を適用したものである。この発明は、その他の無線通信装置間でデータ通信を行う場合にも、同様に適用することができる。例えば、メモリ装置と同様の無線通信機能を、デジタルカメラ、携帯型オーディオ再生機器、携帯電話、携帯情報端末等に持たせることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
この発明は、互いに独立した電磁結合系を用いて電力伝送とデータ通信とを独立して行い得るものであり、静止画、動画、音楽等のコンテンツデータの通信を行う無線通信システム等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】この発明の実施の形態としての無線通信システムの外観を概略的に示す図である。
【図2】無線通信システムを構成するリーダ・ライタ装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】無線通信システムを構成するメモリ装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】DCフリー、かつクロック再生可能な符号の例(マンチェスタ符号、多値マンチェスタ符号)を示す図である。
【図5】DCフリー、かつクロック再生可能な符号の例(AMI符号、クロック重畳AMI符号)を示す図である。
【図6】マンチェスタ符号、多値マンチェスタ符号、AMI符号、クロック重畳AMI符号のスペクトルを示す図である。
【図7】マンチェスタ符号、多値マンチェスタ符号、AMI符号、クロック重畳AMI符号等の符号を生成するための回路例を示す図である。
【図8】マンチェスタ符号、多値マンチェスタ符号、AMI符号、クロック重畳AMI符号等の受信回路の構成例を示す図である。
【図9】マンチェスタ符号、多値マンチェスタ符号、AMI符号、クロック重畳AMI符号等の受信回路の他の構成例を示す図である。
【図10】2つのコイルの偏波面が互いに相関を持たない配置の一例を示す図である。
【図11】複数個の電磁結合用コイルの偏波面が互いに平行となるように配置された例を示す図である。
【図12】2個の送信系および受信系の電磁結合用コイルを使用した構成を1個の共通の電磁結合用コイルを使用した構成に置き換えた場合の接続例を示す図である。
【図13】2つの電磁結合系のデータ通信の方向を任意に切り替え可能とした、リーダ・ライタ装置の構成例を示す図である。
【図14】2つの電磁結合系のデータ通信の方向を任意に切り替え可能とした、メモリ装置の構成例を示す図である。
【図15】バッテリ等を用いた電源部を備えたメモリ装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
100・・・無線通信システム、110,110A・・・リーダ・ライタ装置、110a・・・嵌合部、111a〜111c・・・電磁結合用コイル、112・・・制御部、113・・・通信制御部、114・・・送信部、114A,115A・・・送受信部、115・・・受信部、116・・・外部インタフェース、117・・・給電部、120,120A,120B・・・メモリ装置、121a〜121c・・・電磁結合用コイル、122・・・制御部、123・・・通信制御部、124・・・受信部、124A,125A・・・送受信部、125・・・送信部、126・・・メモリ部、127・・・受電部、128・・・電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに相関を持たない偏波面を有する複数の電磁結合用コイルと、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに発生された誘導起電力を用いて電源電力を得る受電部と、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、上記第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により外部機器との間でデータ通信を行うデータ通信部と、
上記データ通信部で取り扱うデータを記憶するメモリ部
を備える無線通信装置。
【請求項2】
上記データ通信部は、上記外部機器との間で、DCフリー、かつクロック再生可能な符号による符号化データを用いてデータ通信を行う
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
電源電力を得る電源部をさらに備える
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
上記第2の電磁結合用コイルは、送信コイルおよび受信コイルを含み、
上記データ通信部は、上記送信コイルを用いた電磁結合系により上記外部機器にデータを送信し、上記受信コイルを用いた電磁結合系により上記外部機器からデータを受信する
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
上記送信コイルおよび上記受信コイルとして共通の電磁結合用コイルを使用し、
上記データ通信部の送信系回路および受信系回路は、バランを介して上記共通の電磁結合用コイルに接続される
請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
互いに相関を持たない偏波面を有する複数の電磁結合用コイルと、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに電力伝送用の電流を流す給電部と、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、上記第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により外部機器との間でデータ通信を行うデータ通信部
を備える無線通信装置。
【請求項7】
上記データ通信部は、上記外部機器との間で、DCフリー、かつクロック再生可能な符号化データを用いてデータ通信を行う
請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
上記第2の電磁結合用コイルは、送信コイルおよび受信コイルを含み、
上記データ通信部は、上記送信コイルを用いた電磁結合系により上記外部機器にデータを送信し、上記受信コイルを用いた電磁結合系により上記外部機器からデータを受信する
請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項9】
上記送信コイルおよび上記受信コイルとして共通の電磁結合用コイルを使用し、
上記データ通信部の送信系回路および受信系回路は、バランを介して上記共通の電磁結合用コイルに接続される
請求項8に記載の無線通信装置。
【請求項10】
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置とを備える無線通信システムにおける無線通信方法であって、
上記第2の無線通信装置から上記第1の無線通信装置に、第1の電磁結合系を用いて、電力伝送を行うと共に、
上記第1の無線通信装置と上記第2の無線通信装置との間で上記第1の電磁結合系とは互いに相関を持たない偏波面を有する第2の電磁結合系を用いてデータ通信を行う
無線通信方法。
【請求項11】
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置とを備える無線通信システムであって、
上記第1の無線通信装置は、
互いに相関を持たない偏波面を有する複数の電磁結合用コイルと、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに発生された誘導起電力を用いて電源電力を得る受電部と、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、上記第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により上記第2の無線通信装置との間でデータ通信を行うデータ通信部と、
上記データ通信部で取り扱うデータを記憶するメモリ部を有し、
上記第2の無線通信装置は、
互いに相関を持たない偏波面を有する複数の電磁結合用コイルと、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、第1の電磁結合用コイルに電力伝送用の電流を流す給電部と、
上記複数の電磁結合用コイルのうち、上記第1の電磁結合用コイルとは別の一つまたは複数の第2の電磁結合用コイルを用いた電磁結合系により上記第1の無線通信装置との間でデータ通信を行うデータ通信部を有する
無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−130045(P2010−130045A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299257(P2008−299257)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】