説明

無電解めっき装置及び無電解めっき方法

【課題】被めっき材の被めっき面により均一な膜厚のめっき膜を容易に形成できるようにした無電解めっき装置及び無電解めっき方法を提供する。
【解決手段】被めっき材Wを保持する保持部10と、めっき液22を保持するめっき槽24とを有し、被めっき材Wをめっき槽24内のめっき液22に接液させてめっきを行うめっき装置において、保持部10は加熱部14を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無電解めっき装置及び無電解めっき方法に関し、特に半導体基板の表面に形成した配線用の溝に銅等の金属を充填して埋込み配線を形成したり、このようにして形成した埋込み配線の表面を保護する保護膜を形成したりする等の用途の無電解めっき装置及び無電解めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無電解めっきは、外部から電気を流すことなく、めっき液中の金属イオンを化学的に還元して被めっき材の被めっき面にめっき膜を形成するようにした方法であり、耐食、耐摩耗性のニッケル−りん,ニッケル−ほう素めっき、プリント配線基板用銅めっきなどに広く用いられている。
【0003】
この無電解めっき装置としては、無電解めっき液をオーバーフローさせつつ保持するめっき槽と、このめっき槽の上部に配置され、基板等の被めっき材を横向きに保持する上下動自在な保持部とを有し、この保持部で保持した被めっき材をめっき槽内のめっき液に浸漬(いわゆるどぶ付け)させるようにしたもの、基板等の被めっき材を上向き(フェイスアップ)に保持する保持部と、この保持部で保持した被めっき材の上面(被めっき面)にめっき液を供給するめっき液供給部とを有し、この保持部で保持した被めっき材の上面に沿ってめっき液を流すようにしたもの等が一般に知られている。
【0004】
近年、半導体チップの高速化、高集積化に伴い、半導体基板上に配線回路を形成するための金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細凹みの内部に銅を埋込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、めっきが一般的である。いずれにしても、基板の表面に銅膜を成膜した後、その表面を化学的機械的研磨(CMP)により平坦に研磨するようにしている。そして、このようにして銅配線を形成した基板の表面に無電解めっきを施し、銅配線の表面に保護膜(蓋めっき膜)を選択的に形成して配線を保護することが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無電解めっきの適用箇所は、銅配線の主たる埋め込み材(Cu)、バリヤメタル上のシード層の形成、またはシードの補強(Cu)、さらにはバリヤメタルそのものの形成、銅配線材の蓋材形成(いずれもNi−P,Ni−B,Co−P,Ni−W−P,Ni−Co−P,Co−W−P)などがあるが、いずれの無電解めっきプロセスでも基板全面にわたって膜厚の均一性が要求される。
【0006】
ここで、無電解めっきにあっては、被めっき材がめっき液と接触すると同時に被めっき面にめっき金属が析出し、めっき液の温度によってめっき金属の析出速度が異なる。このため、被めっき材の被めっき面に均一な膜厚のめっき膜を形成するためには、めっき液が被めっき材と接触した当初から被めっき面の面内全域におけるめっき液の温度が均一で、接触中の全めっき処理中に亘ってこの温度を一定に保持し、かつめっき処理中におけるめっき液の被めっき面に対する垂直方向の速度分布(被めっき面に沿って形成される拡散層または境界層厚さ)が被めっき面の面内の全域に亘って均一であることが要求される。
【0007】
しかしながら、従来のDIP型治具固定式のめっきでは、基板上の流れを均一にすることは難しく、また、コータ式のフェイスアップ型のめっきでは、流れのコントロールと同時に液温の均一化についても問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、被めっき材の被めっき面により均一な膜厚のめっき膜を容易に形成できるようにした無電解めっき装置及び無電解めっき方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、被めっき材を保持する保持部と、めっき液を保持するめっき槽とを有し、被めっき材を前記めっき槽内のめっき液に接液させてめっきを行うめっき装置において、前記保持部は加熱部を有することを特徴とする無電解めっき装置である。
【0010】
ここで、加熱部は、保持部に取付けてもよいし一体として内蔵してもよいが、内蔵した方が熱が効率的且つ均一に伝わりやすく好適である。これにより、被めっき材を保持部で保持し該保持部に内蔵した加熱部でめっき液と同じ温度となるように加熱しつつ、所定の温度のめっき液に浸漬させてめっき処理を行うことで、めっき処理中に被めっき材の被めっき面内に温度むらが生じたり、めっき温度がめっき処理中に変化したりしてしまうことを防止し、しかもめっき室内に上方に向かって流れて外方に拡がるめっき液の一定の安定した流れを作ることで、めっき処理中におけるめっき液の被めっき材の被めっき面に対する垂直方向の速度分布(拡散層または境界層厚さ)が被めっき面の全域に亘ってより均一になる。
【0011】
このめっき槽に導入するめっき液の温度は、例えば25〜90℃、好ましくは55〜80℃程度であり、またこのめっき液の流量は、例えば1〜30L/min、好ましくは1〜20L/min、更に好ましくは1〜10L/min程度である。ただし、これらの最適流量はプロセス温度、還元反応形態により異なる。
【0012】
前記保持部は、回転自在に構成されていることが好ましい。これにより、被めっき材を保持部で保持して回転させることで、めっき処理中におけるめっき液の被めっき材の被めっき面に対する垂直方向の速度分布を更に均一にすることができる。この回転速度は、例えば0〜100rpm、好ましくは0〜50rpm程度である。ただし、これらの最適回転速度は、還元反応形態、要求される面内膜厚均一性により異なる。
【0013】
前記めっき室底面の少なくとも前記保持部で保持した被めっき材と対面する領域は、上方に向け外方に拡がる2次曲面を有していることが好ましい。これにより、めっき室底面の2次曲線を有している領域では、めっき液がめっき室の底面に沿って層流としてスムーズに流れて、この流れの途中で局部的な渦が発生することが防止される。
【0014】
前記めっき槽内部には該めっき槽で保持しためっき液を加熱する加熱部または外部と断熱する断熱材が設けられていることが好ましい。これにより、例えば高温のめっき液がめっき室の内部を流れる間に徐々に冷めてしまうことを防止することができる。
【0015】
前記保持部は、真空チャックまたは静電チャックで基板を保持するように構成されていることが好ましい。
【0016】
基板上の均一な流れを形成させたいと考えた時、基板外周のシールの存在は流れを乱す要因となる。面内均一性の精度がさらにアップした時、基板めっき面にシールがない形が望ましい。そのためには、チャックは裏面を使って真空チャックか静電チャックとし、裏面外周でシールを取る形になる。
【0017】
被めっき面を下向きにして被めっき材の上面を吸着保持する保持部と、前記保持部の下方に配置され、所定の温度の無電解めっき液を上向きにしてめっき室の内部に導入し溢流堰をオーバーフローさせつつ保持するめっき槽と、被めっき材を下方で支える支持部とを有し、前記支持部を被めっき材から離し、前記保持部のみで保持した被めっき材を前記めっき槽内のめっき液に接液させてめっきを行うようにすることが好ましい。
【0018】
このように、被めっき材を下方で支える支持部を被めっき材から離した状態でめっきを行うことで、例えば、支持部をリング状に構成した場合には、被めっき材の被めっき面の下方に突出するリング状の支持部の存在によって、無電解めっき反応で生じるHガス等が被めっき材の被めっき面から逃げ難くなることを防止し、また支持部を複数の爪で構成した場合には、この爪の回転に伴ってめっき液の流れが乱れ、被めっき面に接触するめっき液の流れの状態が変化してしまうことを防止することができる。
【0019】
前記保持部は、下面に凹部を有する弾性体からなるリング状の真空シール材を備え、この真空シール材の下面を被めっき材の上面外周部に当接させ該真空シール材の凹部と被めっき材の上面で囲まれた空間を真空吸引して被めっき材を保持するように構成されていることが好ましい。
これにより、被めっき材の上面外周部を真空シール材でシールした状態で、被めっき材を吸着保持して、めっき液が被めっき材の上面に浸入してしまうことを防止することができる。
【0020】
前記保持部は、被めっき材を保持した時に前記真空シール材で囲まれた領域に不活性ガスを導入する不活性ガス導入路を有することが好ましい。
これにより、真空シール材と被めっき材の間の隙間から被めっき材の上面に浸入しようとするめっき液を、真空シール材で囲まれた領域に導入するNガス等の不活性ガスで強制的に外方に押し戻して、このめっき液の浸入をより確実に確実に防止することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、前記めっき槽は、めっき液をめっき室の内部に導入し溢流堰をオーバーフローさせつつ保持することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき装置である。
請求項3に記載の発明は、前記加熱部は、温度調節機能を有していることを特徴とする請求項1または2記載の無電解めっき装置である。
【0022】
請求項4に記載の発明は、被めっき材を保持部で保持し、前記保持部が有する加熱部で前記被めっき材を加熱し、しかる後、前記被めっき材をめっき液に接液させることを特徴とする無電解めっき方法である。
請求項5に記載の発明は、被めっき材をめっき液の温度と同じ温度に加熱することを特徴とする請求項4に記載の無電解めっき方法である。
【0023】
請求項6に記載の発明は、前記めっき液をめっき槽で保持しつつめっき室に導入し、前記めっき槽の溢流堰から前記めっき液をオーバーフローさせることを特徴とする請求項4または5記載の無電解めっき方法である。
請求項7に記載の発明は、前記めっき液を前記めっき槽にて所定温度に加熱することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の無電解めっき方法である。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、めっき処理中に被めっき材の被めっき面内に温度むらが生じたり、めっき温度がめっき処理中に変化してしまうことを防止し、しかもめっき処理中におけるめっき液の被めっき材の被めっき面に対する垂直方向の速度分布(拡散層または境界層厚さ)が被めっき面の全域に亘ってより均一になるようにして、被めっき材の被めっき面により均一な膜厚のめっき膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の例では、コンタクトホールや配線用の溝を形成した半導体ウエハ等の基板の表面に無電解銅めっきを行って該コンタクトホールや配線用の溝の内部に銅を埋め込み、しかる後、CMPプロセスを施し基板の表面を研磨することで、基板の表面に銅配線を形成する場合について説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施の形態の無電解めっき装置を示す。この無電解めっき装置は、表面(被めっき面)Sにコンタクトホールや配線用の溝を形成した半導体ウエハ等の基板(被めっき材)Wを下向き(フェイスダウン)にして保持する基板保持部10を有している。この基板保持部10は、下方に開口したハウジング12内に上下動自在で該ハウジング12と一体に回転するように収納されている。
【0027】
また、基板保持部10には、基板Wの表面Sの全域よりもやや広い領域に亘って基板Wを加熱する加熱部(ヒータ)14がその下面を露出した状態で内蔵され、この加熱部14の下面に基板Wをシール爪(支持部)18で抱え込む形で保持されている。これにより、基板Wは、加熱部14の下面に保持され、加熱部14によって基板Wに局所的な温度むらが生じないように加熱される。なお、加熱部14は、温度調節機能を有し、これによって、基板Wを任意の温度に加熱できるようになっている。
【0028】
ハウジング12は、上下動及び回転自在な主軸16の下端に連結され、下端には、内方に突出して基板Wの周縁部をシールした状態で支える支持部としてのリング状のシール爪18が設けられ、更に周壁には、基板Wの出し入れを行う開口20が設けられている。
【0029】
ハウジング12の下方に位置して、無電解めっき液22を保持するめっき槽24が配置されている。このめっき槽24は、めっき液22との摩擦を低減するため、例えばテフロン(登録商標)製で、内部には、底部中央から上方に延びるめっき液供給路26に連通してめっき液22を保持するめっき室28が形成されている。このめっき室28は、周囲を溢流堰30で囲われ、この溢流堰30の外側に、めっき液排出路32が形成されている。これにより、めっき液22は、めっき液供給路26から上向きでめっき室28内に導入され、溢流堰30をオーバーフローしてめっき液排出路32から外部に排出される。
【0030】
ここで、めっき室28の底面28aの少なくとも基板保持部10で保持した基板Wと対面する領域は、例えば朝顔型の流線形をした、上方に向けて外方に拡がる2次曲面を有している。これにより、めっき室28の底面28aの2次曲線を有している領域では、めっき液22がめっき室28の底面28aに沿って層流としてスムーズに流れて、この流れの途中で局部的な渦が発生することがないようになっている。
【0031】
更に、めっき槽24内部のめっき室28の底面28aに近接した位置には、この底面28aの2次曲面に沿った形状の加熱部34が埋設されている。これによって、加熱されてめっき液供給路26からめっき室28に導入されるめっき液22がその搬送の過程で冷却されても、この加熱部34を介して一定の温度となるように加熱される。なお、この加熱部34の代わりに、断熱材を設けても良く、また、例えばめっき液の温度があまり高くない場合には、加熱部や断熱材を省略してもよい。
【0032】
この実施の形態の無電解めっき装置にあっては、先ず基板Wを開口20からハウジング12の内部に入れ、シール爪(支持部)18の上に載置保持した状態で基板保持部10を下降させて基板Wを基板保持部10で圧着保持する。この状態で、基板保持部10に内蔵した加熱部14で基板Wをその全域に亘ってめっき室28内に導入されるめっき液22の温度と同じ一定の温度に加熱する。
【0033】
一方、めっき液供給路26から一定の温度に加熱しためっき液22をめっき室28内に導入し、溢流堰30からオーバーフローさせておく。このめっき槽24に導入するめっき液22の温度は、例えば25〜90℃、好ましくは55〜80℃程度であり、またこのめっき液22の流量は、例えば1〜30L/min、好ましくは1〜20L/min、更に好ましくは1〜10L/min程度である。
【0034】
この状態で、基板Wを、例えば0〜100rpm、好ましくは0〜50rpm、更に好ましくは0〜20rpm程度の回転速度で回転させつつ下降させ、基板Wをめっき室28内のめっき液22内に浸漬させて、基板Wの表面に銅めっき処理を行う。温度、流量、回転速度の最適値は、各プロセスによって異なる。
【0035】
これにより、基板Wを基板保持部10で保持し該保持部10に内蔵した加熱部14でめっき液22と同じ温度となるように加熱しつつ、所定の温度のめっき液に浸漬させてめっき処理を行うことで、めっき処理中に基板Wの表面Sの面内に温度むらが生じたり、めっき温度がめっき処理中に変化してしまうことを防止することができる。しかもめっき室28内に上方に向かって流れて外方に拡がるめっき液22の安定した一定の流れを作ることで、めっき処理中におけるめっき液22の基板Wの表面Sに対する垂直方向の速度分布(拡散層または境界層厚さ)が該表面Sの全域に亘ってより均一になる。これによって、基板Wの表面Sに、例えば続くCMPプロセス、リソグラフィプロセスに問題とならない均一な膜厚の銅めっき膜を成膜することができ、シード層の形成が目的ならば、配線材としての均一性、後に続く穴埋め性を安定にすることが可能である。
【0036】
そして、所定の時間に亘るめっき処置が終了後、基板Wを上昇させ、必要に応じて液切りを行った後、前述の逆の動作でめっき後の基板Wをハウジング12の外に搬送する。基板上のシール爪が流れを乱し、均一な膜厚を維持できない場合は、図4に示すように、基板保持部10の下面に真空チャック又は静電チャック38を取付け、この真空チャック又は静電チャック38で基板Wを吸着保持し、且つシールを基板Wの裏面側に位置するように取付けてここをシールすることで、シール爪を省略することができる。
【0037】
図2は、本発明の第2の実施の形態の無電解めっき装置を示す。これは、めっき槽24を心材40と該心材40の表面を覆う被覆材42の積層構造とし、この心材40と被覆材42との間に配管44を通し、この配管44の内部に加熱媒体46を導入することで、ジャケット構造の加熱部48を構成したものである。そして、この例では、めっき槽24の外側から配管44の内部に加熱媒体46の導入し、加熱媒体46は、配管44の内部をめっき槽24の内方に向けて順次流れるようになっている。その他の構成は、図1に示すものとほぼ同様である。
【0038】
この例によれば、めっき液22がめっき室28内を外方に向けて流れることで、徐々に冷却されるが、このもっとも冷却されためっき液22を加熱媒体46で効率的に加熱して、めっき液22の温度がより一定となるようにすることができる。
【0039】
図3は、図1及び図2に示す無電解めっき装置を備えた基板処理装置の全体構成を示す。この基板処理装置は、矩形状の設置床50上に配置され、ロード・アンロードユニット52a,52b、前処理を行う洗浄装置54,56、めっきの際の活性化剤となるSnCl液等により活性化処理を行う活性化処理装置58、無電解めっきの際の触媒となるPdCl液等により触媒付与処理を行う触媒付与装置60、無電解めっき装置62、めっき処理後の後処理を行う洗浄・乾燥装置64,66、これらの間に基板Wの搬送を行う2基の搬送装置(搬送ロボット)68,70、及び仮置きステージ72を有している。
【0040】
ここで、一方の洗浄・乾燥装置64は、この例では、ロール・クリーニングユニットで構成され、他方の洗浄・乾燥装置66は、ペンシル・スポンジを備えたスピンドライユニットで構成されている。また、ロード・アンロードユニット52a,52b側に位置する搬送装置68は、ドライロボットで、仮置きステージ72を挟んで反対側に位置する搬送装置70は、反転機構を備えたウェットロボットである。
【0041】
次に、上記のように構成した基板処理装置による一連のめっき処理の工程について説明する。まず、ロード・アンロードユニット52a,52bに保持された基板Wを一方の搬送装置68により取り出し、仮置きステージ72に置く。他方の搬送装置70は、これを洗浄装置54に搬送し、ここで前洗浄を行った後、活性化処理装置58に搬送し、ここで、SnCl等の活性化剤を含む処理液によって活性化処理を行なう。次に、基板Wを隣接する触媒付与装置60に搬送し、ここでPdCl液等の触媒によって触媒付与処理を行い、しかる後リンスする。
【0042】
この過程では、活性化処理装置58において、活性化剤からのイオンSn2+が基板Wの表面に吸着され、このイオンは、触媒付与装置60において酸化されてSn4+になり、逆にPd2+は還元されて金属Pdとなって基板Wの表面に析出して、次の無電解めっき工程の触媒層となる。この過程は、Pd/Snコロイドの1液キャタリストを用いて行うこともできる。なお、以上のような触媒付与工程は、この例のように、活性化処理装置58と触媒付与装置60で行うこともできるが、別の装置で行ってから基板Wを移送してもよい。また、半導体基板に存在する窪み内表面の材質、状態によっては、前述の活性化処理及び/又は触媒付与処理を省略できる場合がある。
【0043】
搬送装置70は、基板Wをさらに洗浄装置56に運び、ここで前洗浄を行った後、無電解めっき装置62に運び、ここで所定の還元剤と所定のめっき液を用いて無電解めっき処理を行う。この場合、固液界面で還元剤の分解によって生じた電子が、基板表面の触媒を経由してCu2+に与えられ、金属Cuとして触媒上に析出して銅めっき膜を形成する。なお、この触媒としては、Pd以外にも、遷移金属である、Fe,Co,Ni,Cu,Ag等を用いることができる。
【0044】
次に、搬送装置68でめっき後の基板を無電解めっき装置62から取り出して洗浄・乾燥装置64に運ぶ。この洗浄・乾燥装置64では、基板をロールによって水洗浄して乾燥させる。そして、搬送装置68は、この基板を洗浄・乾燥装置66に運び、この洗浄・乾燥装置66でペンシル・スポンジによる仕上げの洗浄とスピンドライによる乾燥を行って、ロード・アンロードユニット52a,52bへ戻す。基板は後にめっき装置や酸化膜形成装置に搬送される。
処理工程の他の例として、洗浄装置54を触媒付与の前処理洗浄、活性化処理装置58を触媒付与プロセス、触媒付与装置60を触媒付与の後処理、洗浄装置56をめっき前処理洗浄、無電解めっき装置62をめっき処理プロセスとして無電解めっき装置62の中でめっき後洗浄を素早く行って、めっきの成長を止めている。
【0045】
なお、この例では、無電解めっきで銅めっき膜を成膜した例を示しているが、無電解めっきで成膜するめっき膜としては、銅の他に、Ni−B,Ni−P,Co−P,Ni−W−P,Ni−Co−P,Co−W−P等が挙げられる。
【0046】
ここで、図5は、半導体装置における銅配線形成例を工程順に示す。先ず、図5(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材1上の導電層1aの上にSiOからなる絶縁膜2を堆積し、この絶縁膜2の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール3と配線用の溝4を形成し、その上にTaN等からなるバリア層5、更にその上に電解めっきの給電層としての銅シード層6をスパッタリング等により形成する。バリア層5としては、Ta/TaN混合層、TiN,WN,SiTiN,CoWP,CoWB膜等が挙げられる。
【0047】
そして、図5(b)に示すように、半導体基板Wの表面に銅めっきを施すことで、半導体基板Wのコンタクトホール3及び溝4内に銅を充填させるとともに、絶縁膜2上に銅層7を堆積させる。その後、化学的機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅層7を除去して、コンタクトホール3及び配線用の溝4に充填させた銅層7の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図5(c)に示すように、絶縁膜2の内部に銅シード層6と銅層7からなる配線8を形成する。次に、基板Wの表面に、例えば無電解Ni−Bめっきを施して、図5(d)に示すように、配線8の露出表面にNi−B合金膜からなる保護膜(めっき膜)9を選択的に形成して配線8を保護する。
【0048】
図6乃至図8は、例えば、図5におけるバリア層5の形成、銅シード層6の補強、銅層7の堆積、更には、保護膜(めっき膜)9の形成に使用される本発明の第3の実施の形態の無電解めっき装置を示す。
【0049】
このめっき装置は、表面(被めっき面)Sにコンタクトホールや配線用の溝を形成した半導体ウエハ等の基板(被めっき材)Wを下向き(フェイスダウン)にして吸着保持する基板保持部110を有している。この基板保持部110は、円板状の保持体112と、この保持体112の下面の外周部に取付けたリング状の真空シール材114とを備えている。この真空シール材114は、例えばゴム等の弾性体から構成され、図8に詳細に示すように、下方に突出する内側リップ部114aと外側リップ部114bとを有し、この両リップ部114a,114bに挟まれた領域にU字状の凹部114cを有する形状に形成されている。更に、保持体112は、回転モータ116から延びる回転軸118の下端に連結されている。真空シール材114の凹部114cは、保持体112、回転軸118及び回転モータ116の内部を延びる真空経路120に連通し、この真空経路120は、図示しない真空源に接続されている。
【0050】
これによって、基板Wの表面に真空シール材114のリップ部114a,114bの下端を圧接させ、この凹部114cと基板Wの表面で区画させた空間を真空引きすることで、基板Wをその外周部を真空シール材114でシールした状態で吸着保持し、更に、このように基板Wを保持した状態で、回転モータ116を駆動することで、基板Wを保持体112と一体に回転させることができるようになっている。
【0051】
更に、保持体112、回転軸118及び回転モータ116の内部を延び、保持体112の真空シール材114で囲まれた下面で開口する不活性ガス導入路122が備えられている。これにより、前述のようにして、基板Wをその外周部を真空シール材114でシールした状態で吸着保持した時に、この真空シール材114で囲まれた領域に、Nガス等の不活性ガスを導入することで、この真空シール材114で囲まれた領域に浸入しようとするめっき液をこの不活性ガスで強制的に外方に押し戻し、これによって、めっき液の真空シール材114で囲まれた領域内への浸入をより確実に確実に防止できるようになっている。
【0052】
なお、この例では、図8に示すように、保持体112の内部に、温度調節機能を有し基板Wを加熱する加熱部(ヒータ)124が内蔵されている。この加熱部124の役割は、前述の例と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0053】
基板保持部110の周囲を包囲するように、ハウジング130が配置され、このハウジング130の下端に、内方に突出して基板Wの周縁部を下から支えるリング状の支持部132が設けられている。更に、ハウジング130の周壁には、基板Wの出し入れを行う開口134が設けられている。このハウジング130は、回転モータ116のケーシングに下向きで取付けたシリンダ136のシリンダロッドに連結した上下動板138の外周部に、軸受140を介して回転自在に連結されている。
【0054】
これによって、ハウジング130は、シリンダ136の作動に伴って基板保持部110と相対的に上下動し、また支持部132と真空シール材114で基板の周縁部を挟持して保持した状態で、基板保持部110と一体に回転するようになっている。
【0055】
ハウジング130の下方に位置して、無電解めっき液142を保持するめっき槽144が配置されている。このめっき槽144は、めっき液142との摩擦を低減するため、例えばテフロン(登録商標)製で、内部には、底部中央から上方に延びるめっき液供給路146に連通してめっき液142を保持するめっき室148が形成されている。このめっき室148は、周囲を溢流堰150で囲われ、この溢流堰150の外側に、めっき液排出路152が形成されている。これにより、めっき液142は、めっき液供給路146から上向きでめっき室148内に導入され、溢流堰150をオーバーフローしてめっき液排出路152から外部に排出される。
【0056】
ここで、めっき室148の底面148aの少なくとも基板保持部110で保持した基板Wと対面する領域は、例えば朝顔型の流線形をした、上方に向けて外方に拡がる2次曲面を有している。このことは、前述の例と同様であるので、ここではその説明を省略する。また、図示しないが、めっき槽144の内部のめっき室148の底面148aに近接した位置に、この底面148aの2次曲面に沿った形状の加熱部を埋設してもよい。
【0057】
この例の無電解めっき装置にあっては、ハウジング130を基板保持部110に対して相対的に下降させた状態で、基板Wを開口134からハウジング130の内部に入れ、支持部132の上に載置保持する。この状態で、ハウジング130を上昇させ、基板保持部110の真空シール材114の下端に基板Wを圧接させる。そして、真空シール材114の凹部114cと基板Wの表面で区画された空間を真空引きすることで、基板Wをその外周部を真空シール材114でシールした状態で吸着保持し、更に、この真空シール材114で囲まれた領域に、Nガス等の不活性ガスを導入する。この状態で、基板保持部110に内蔵した加熱部124で基板Wをその全域に亘ってめっき室148内に導入されるめっき液142の温度と同じ一定の温度に加熱する。
【0058】
一方、めっき液供給路146から一定の温度に加熱しためっき液142をめっき室148内に導入し、溢流堰150からオーバーフローさせておく。この時にめっき槽144に導入するめっき液142の温度や流量等は、前述の例と同様である。
この状態で、基板Wを、例えば0〜100rpm、好ましくは0〜50rpm、更に好ましくは0〜20rpm程度の回転速度で回転させつつ下降させ、基板Wをめっき室148内のめっき液142内に浸漬させ、更に、図7に示すように、ハウジング130のみを下降させて、支持部132を基板Wの裏面から離して、基板Wを基板保持部110のみで吸着保持し、この状態で、前述の例と同様にして、基板Wの表面に銅めっき処理を行う。
【0059】
この時、基板Wを下方で支える支持部132を基板Wから離した状態でめっきを行うことで、基板Wの表面(被めっき面)Sから下方に突出するリング状の支持部132の存在によって、無電解めっき反応で生じるHガス等が基板Wの表面(被めっき面)Sから逃げ難くなることを防止して、Hガス等の基板Wの表面(被めっき面)Sからの離脱をよくすることができる。
【0060】
しかも、基板の上面外周部を真空シール材114でシールした状態で、基板Wを吸着保持することで、めっき液が基板Wの上面に浸入してしまうことを防止し、更に、基板を保持した時に真空シール材114で囲まれた領域にNガス等の不活性ガスを導入して、真空シール材114と基板Wとの間の隙間から基板Wの上面に浸入しようとするめっき液をこの不活性ガスで強制的に外方に押し戻すことで、めっき液の基板Wの上面への浸入をより確実に確実に防止することができる。
【0061】
なお、基板Wを下方で支える支持部132を基板Wから離した状態における基板Wと支持部132との距離は、基板Wが落下した時に支持部132の上に乗る程度であることが好ましい。
そして、所定の時間に亘るめっき処置が終了後、ハウジング130を上昇させて支持部132で基板を下方から支持し、必要に応じて液切りを行った後、前述の逆の動作でめっき後の基板Wをハウジング130の外に搬送する。
【0062】
なお、この例では、支持部132として、リング状のものを使用した例を示しているが、図9に示すように、基板Wの外方に円周方向に沿って複数の爪160を配置し、この爪160下端の内方に向けて鈎状に延びる延出部の上面に段部160aを設け、この段部160aで基板Wを下方から支えるようにして支持部162を構成した場合にあっても、めっき中にこの支持部162を基板Wから離すことで、この爪160の回転に伴ってめっき液の流れが乱れ、基板Wの表面(被めっき面)Sに接触するめっき液の流れの状態が変化してしまうことを防止することができる。
【0063】
図10は、本発明の第4の実施の形態の無電解めっき装置を示す。この無電解めっき装置の、前記図6乃至図8に示す例と異なる点は、無電解めっき液142を保持するめっき槽144として、外方に膨出する第1めっき室164と、朝顔型の流線型をした、上方に向けて外方に拡がる2次曲面を有する第2めっき室166からなるめっき室148を有するものを使用し、この第1めっき室164と第2めっき室166の境に第1整流板170を、第2めっき室166の内部に第2整流板172をそれぞれ配置した点である。この整流板170,172は、めっき室148の内部を流れるめっき液142の流れを整えるためのもので、内部に多数の通孔170a,172aを有する、例えばパンチプレートから構成されている。
【0064】
例えば、めっき室148の容積が大きくなると、このめっき室148内のめっき液142に基板Wの表面(被めっき面)Sを接触させてめっきを行う際、基板Wの表面Sの全面に亘ってめっき液142を均一に流すことが困難となるが、このように、めっき室148の内部に該めっき室148の内部を流れるめっき液142の流れを整える整流板170,172を配置し、この整流板170,172でめっき室148の内部を流れるめっき液142の流れを基板Wの表面に到達する前に整えることで、例えめっき室の容積が大きくなっても、基板Wの表面Sの全面に亘るめっき液の均一な流れを形成することができる。
【0065】
なお、この例では、2枚の整流板170,172を配置し、めっき室148の内部を流れるめっき液142を2回に亘って整流することで、被めっき面の全面に亘るめっき液のより均一な流れを形成するようにしているが、1枚でも、また3枚以上でも良いことは勿論である。
【0066】
前記整流板170,172として、領域により通孔170a,172aの密度及び/または直径が異なるものを使用してもよい。例えば、めっき液142が多量に流れやすい整流板170,172の中央部における通孔170a,172aの密度を周縁部より粗にしたり、通孔170a,172aの直径を小さくしたりすることで、基板Wの表面Sに局所的にめっき液の流速が大きい領域が生じることを防止することができる。
【0067】
図11は、めっき室内に整流板を配置しない場合(整流板なし)と、均一な直径の通孔を全面に亘って均一に設けた2枚の整流板をめっき室の内部に配置した場合(二層均一抵抗整流板)と、領域により密度及び/または直径が異なる通孔を設けた2枚の整流板をめっき室の内部に配置した場合(二層多領域抵抗整流板)における基板(ウエハ)の表面の垂直速度と平行速度のウエハ中心からウエハ外周に向けての分布を調べた結果を示す。
図11から明らかなように、均一な直径の通孔を全面に亘って均一に設けた2枚の整流板をめっき室の内部に配置した場合(二層均一抵抗整流板)にあっては、めっき室内に整流板を配置しない場合(整流板なし)に比べて、基板(ウエハ)の表面の全面に亘るより均一なめっき液の流れを形成することができる。また、領域により密度及び/または直径が異なる通孔を設けた2枚の整流板をめっき室の内部に配置した場合(二層多領域抵抗整流板)には、基板の表面の全面に亘るめっき液の更に均一な流れを形成できることが判る。
【0068】
図12は、前述の無電解めっき装置を備えた基板処理装置の平面配置図を示す。図示するように、この基板処理装置は、半導体基板を収容した基板カセットの受け渡しを行う搬入・搬出エリア520と、プロセス処理を行うプロセスエリア530と、プロセス処理後の半導体基板の洗浄及び乾燥を行う洗浄・乾燥エリア540を具備する。洗浄・乾燥エリア540は、搬入・搬出エリア520とプロセスエリア530の間に配置されている。搬入・搬出エリア520と洗浄・乾燥エリア540には隔壁521を設け、洗浄・乾燥エリア540とプロセスエリア530の間には隔壁523を設けている。
【0069】
隔壁521には、搬入・搬出エリア520と洗浄・乾燥エリア540との間で半導体基板を受け渡すための通路(図示せず)を設け、該通路を開閉するためのシャッター522を設けている。また、隔壁523にも洗浄・乾燥エリア540とプロセスエリア530との間で半導体基板を受け渡すための通路(図示せず)を設け、該通路を開閉するためのシャッター524を設けている。洗浄・乾燥エリア540とプロセスエリア530は独自に給排気できるようになっている。
【0070】
上記構成の半導体基板配線用の基板処理装置はクリーンルーム内に設置され、各エリアの圧力は、
(搬入・搬出エリア520の圧力)>(洗浄・乾燥エリア540の圧力)>(プロセスエリア530の圧力)
に設定され、且つ搬入・搬出エリア520の圧力は、クリーンルーム内圧力より低く設定される。これにより、プロセスエリア530から洗浄・乾燥エリア540に空気が流出しないようにし、洗浄・乾燥エリア540から搬入・搬出エリア520に空気が流出しないようにし、さらに搬入・搬出エリア520からクリーンルーム内に空気が流出しないようにしている。
【0071】
搬入・搬出エリア520には、半導体基板を収容した基板カセットを収納するロードユニット520aとアンロードユニット520bが配置されている。洗浄・乾燥エリア540には、めっき処理後の処理を行う各2基の水洗部541、乾燥部542が配置されると共に、半導体基板の搬送を行う搬送部(搬送ロボット)543が備えられている。ここに水洗部541としては、例えば前端にスポンジがついたペンシル型のものやスポンジ付きローラ形式のものが用いられる。乾燥部542としては、例えば半導体基板を高速でスピンさせて脱水、乾燥させる形式のものが用いられる。
プロセスエリア530内には、半導体基板のめっきの前処理を行う前処理槽531と、銅めっき処理を行うめっき槽(無電解めっき装置)532が配置されると共に、半導体基板の搬送を行う搬送部(搬送ロボット)533が備えられている。
【0072】
図13は、基板処理装置内の気流の流れを示す。洗浄・乾燥エリア540においては、配管546より新鮮な外部空気が取込まれ、高性能フィルタ544を通してファンにより押込まれ、天井540aよりダウンフローのクリーンエアとして水洗部541、乾燥部542の周囲に供給される。供給されたクリーンエアの大部分は、床540bより循環配管545により天井540a側に戻され、再び高性能フィルタ544を通してファンにより押込まれて、洗浄・乾燥エリア540内に循環する。一部の気流は、水洗部541及び乾燥部542内からダクト552を通って排気される。
【0073】
プロセスエリア530は、ウエットゾーンといいながらも、半導体基板表面にパーティクルが付着することは許されない。このためプロセスエリア530内に天井530aより、ファンにより押込まれて高性能フィルタ533を通してダウンフローのクリーンエアを流すことにより、半導体基板にパーティクルが付着することを防止している。
しかしながら、ダウンフローを形成するクリーンエアの全流量を外部からの給排気に依存すると、膨大な給排気量が必要となる。このため、室内を負圧に保つ程度の排気のみをダクト553よりの外部排気とし、ダウンフローの大部分の気流を、配管534,535を通した循環気流でまかなうようにしている。
【0074】
循環気流とした場合に、プロセスエリア530を通過したクリーンエアは、薬液ミストや気体を含むため、これをスクラバ536及びミトセパレータ537,538を通して除去する。これにより天井530a側の循環ダクト534に戻ったエアは、薬液ミストや気体を含まないものとなり、再びファンにより押込まれて高性能フィルタ533を通ってプロセスエリア530内にクリーンエアとして循環する。
床部530bよりプロセスエリア530内を通ったエアの一部は、ダクト553を通って外部に排出され、薬液ミストや気体を含むエアがダクト553を通って外部に排出される。天井530aのダクト539からは、これらの排気量に見合った新鮮な空気がプロセスエリア530内に負圧に保った程度に供給される。
【0075】
上記のように搬入・搬出エリア520、洗浄・乾燥エリア540及びプロセスエリア530のそれぞれの圧力は、
(搬入・搬出エリア520の圧力)>(洗浄・乾燥エリア540の圧力)>(プロセスエリア530の圧力)
に設定されている。従って、シャッター522,524(図12参照)を開放すると、これらのエリア間の空気の流れは、図13に示すように、搬入・搬出エリア520、洗浄・乾燥エリア540及びプロセスエリア530の順に流れる。また、排気はダクト552及び553を通して、図15に示すように、集合排気ダクト554に集められる。
【0076】
図14は、基板処理装置がクリーンルーム内に配置された一例を示す外観図である。搬入・搬出エリア520のカセット受渡し口555と操作パネル556のある側面が仕切壁557で仕切られたクリーンルームのクリーン度の高いワーキングゾーン558に露出しており、その他の側面は、クリーン度の低いユーティリティゾーン559に収納されている。
【0077】
上記のように、洗浄・乾燥エリア540を搬入・搬出エリア520とプロセスエリア530の間に配置し、搬入・搬出エリア520と洗浄・乾燥エリア540の間及び洗浄・乾燥エリア540とプロセスエリア530の間にはそれぞれ隔壁521を設けたので、ワーキングゾーン558から乾燥した状態でカセット受渡し口555を通して半導体基板配線用の基板処理装置内に搬入される半導体基板は、基板処理装置内でめっき処理され、洗浄・乾燥した状態でワーキングゾーン558に搬出されるので、半導体基板面にはパーティクルやミストが付着することなく、且つクリーンルーム内のクリーン度の高いワーキングゾーン558をパーティクルや薬液や洗浄液ミストで汚染することはない。
【0078】
なお、図12及び図13では、基板処理装置が搬入・搬出エリア520、洗浄・乾燥エリア540、プロセスエリア530を具備する例を示したが、プロセスエリア530内又はプロセスエリア530に隣接してCMP装置を配置するエリアを設け、該プロセスエリア530又はCMP装置を配置するエリアと搬入・搬出エリア520の間に洗浄・乾燥エリア540を配置するように構成しても良い。要は半導体基板配線用の基板処理装置に半導体基板が乾燥状態で搬入され、めっき処理の終了した半導体基板が洗浄され、乾燥した状態で排出される構成であればよい。
【0079】
上記例では、基板処理装置を半導体基板配線用のめっき装置を例に説明したが、基板は半導体基板に限定されるものではなく、まためっき処理する部分も基板面上に形成された配線部に限定されるものではない。また、上記例では銅めっきを例に説明したが、銅めっきに限定されるものではない。
【0080】
図16は、半導体基板配線用の他の基板処理装置の平面構成を示す図である。図示するように、半導体基板配線用の基板処理装置は、半導体基板を搬入する搬入部601、銅めっきを行う銅めっき槽602、水洗浄を行う水洗槽603,604、化学機械研磨(CMP)を行うCMP部605、水洗槽606,607、乾燥槽608及び配線層形成が終了した半導体基板を搬出する搬出部609を具備し、これら各槽に半導体基板を移送する図示しない基板移送手段が1つの装置として配置され、半導体基板配線用の基板処理装置を構成している。
【0081】
上記配置構成の基板処理装置において、基板移送手段により、搬入部601に載置された基板カセット601−1から、配線層が形成されていない半導体基板を取り出し、銅めっき槽602に移送する。該銅めっき槽602において、配線溝や配線孔(コンタクトホール)からなる配線部を含む半導体基板Wの表面上に銅めっき層を形成する。
【0082】
前記銅めっき槽602で銅めっき層の形成が終了した半導体基板Wを、基板移送手段で水洗槽603及び水洗槽604に移送し、水洗を行う。続いて該水洗浄の終了した半導体基板Wを基板移送手段でCMP部605に移送し、該CMP部605で、銅めっき層から配線溝や配線孔に形成した銅めっき層を残して半導体基板Wの表面上の銅めっき層を除去する。
【0083】
続いて上記のように銅めっき層から配線溝や配線孔からなる配線部に形成した銅めっき層を残して半導体基板Wの表面上の不要の銅めっき層の除去が終了した半導体基板Wを、基板移送手段で水洗槽606及び水洗槽607に送り、水洗浄し、更に水洗浄の終了した半導体基板Wは乾燥槽608で乾燥させ、乾燥の終了した半導体基板Wを配線層の形成の終了した半導体基板として、搬出部609の基板カセット609−1に格納する。
【0084】
図17は、半導体基板配線用の他の基板処理装置の平面構成を示す図である。図17に示す基板処理装置が図16に示す装置と異なる点は、銅めっき槽602、水洗槽610、前処理槽611、銅めっき膜の表面に保護膜を形成する蓋めっき槽612、CMP部615、水洗槽613、614を追加し、これらを含め1つの装置として構成した点である。
【0085】
上記配置構成の基板処理装置において、配線溝や配線孔(コンタクトホール)からなる配線部を含む半導体基板Wの表面上に銅めっき層を形成する。続いて、CMP部605で銅めっき層から配線溝や配線孔に形成した銅めっき層を残して半導体基板Wの表面上の銅めっき層を除去する。
【0086】
続いて、上記のように銅めっき層から配線溝や配線孔からなる配線部に形成した銅めっき層を残して半導体基板Wの表面上の銅めっき層を除去した半導体基板Wを水洗槽610に移送し、ここで水洗浄する。続いて、前処理槽611で、後述する蓋めっきを行うための前処理を行う。該前処理の終了した半導体基板Wを蓋めっき槽(無電解めっき装置)612に移送し、蓋めっき槽612で配線部に形成した銅めっき層の上に保護膜を形成する。この保護膜としては、例えばNi−B無電解めっき槽を用いる。保護膜を形成した後、半導体基板Wを水洗槽606,607で水洗浄し、更に乾燥槽608で乾燥させる。
そして、銅めっき層上に形成した保護膜の上部をCMP部615で研磨し、平坦化して、水洗槽613,614で水洗浄した後、乾燥槽608で乾燥させ、半導体基板Wを搬出部609の基板カセット609−1に格納する。
【0087】
図18は半導体基板配線用の他の基板処理装置の平面構造を示す図である。図示するように、この基板処理装置は、ロボット616を中央に配置し、その周囲のロボットアーム616−1が到達する範囲に銅めっきを行う銅めっき槽602、水洗槽603、水洗槽604、CMP部605、蓋めっき槽612、乾燥槽608及びロード・アンロード部617を配置して1つの装置として構成したものである。なお、ロード・アンロード部617に隣接して半導体基板の搬入部601及び搬出部609が配置されている。
【0088】
上記構成の半導体基板配線用の基板処理装置において、半導体基板の搬入部601から配線めっきの済んでいない半導体基板がロード・アンロード部617に移送され、該半導体基板をロボットアーム616−1が受け取り、銅めっき槽602に移送し、該めっき槽で配線溝や配線孔からなる配線部を含む半導体基板の表面上に銅めっき層を形成する。該銅めっき層の形成された半導体基板をロボットアーム616−1によりCMP部605に移送し、該CMP部605で銅めっき層から配線溝や配線孔からなる配線部に形成した銅めっき層を残して半導体基板Wの表面上の余分な銅めっき層を除去する。
【0089】
表面の余分な銅めっき層が除去された半導体基板はロボットアーム616−1により、水洗槽604に移送され、水洗処理された後、前処理槽611に移送され、該前処理槽611で蓋めっき用の前処理が行われる。該前処理の終了した半導体基板はロボットアーム616−1により、蓋めっき槽(無電解めっき装置)612に移送され、該蓋めっき槽612で、配線溝や配線孔からなる配線部に形成され銅めっき層の上に保護膜を形成する。保護膜が形成された半導体基板はロボットアーム616−1により、水洗槽604に移送されここで水洗処理された後、乾燥槽608に移送され、乾燥した後、ロード・アンロード部617に移送される。該配線めっきの終了した半導体基板は搬出部609に移送される。
【0090】
図19は、他の半導体基板処理装置の平面構成を示す図である。この半導体基板処理装置は、ロード・アンロード部701、銅めっきユニット702、第1ロボット703、第3洗浄機704、反転機705、反転機706、第2洗浄機707、第2ロボット708、第1洗浄機709、第1ポリッシング装置710及び第2ポリッシング装置711を配置した構成である。第1ロボット703の近傍には、めっき前後の膜厚を測定するめっき前後膜厚測定機712、研磨後で乾燥状態の半導体基板Wの膜厚を測定する乾燥状態膜厚測定機713が配置されている。
【0091】
第1ポリッシング装置(研磨ユニット)710は、研磨テーブル710−1、トップリング710−2、トップリングヘッド710−3、膜厚測定機710−4、プッシャー710−5を具備している。第2ポリッシング装置(研磨ユニット)711は、研磨テーブル711−1、トップリング711−2、トップリングヘッド711−3、膜厚測定機711−4、プッシャー711−5を具備している。
【0092】
コンタクトホールと配線用の溝が形成され、その上にシード層が形成された半導体基板Wを収容したカセット701−1をロード・アンロード部701のロードポートに載置する。第1ロボット703は、半導体基板Wをカセット701−1から取り出し、銅めっきユニット702に搬入し、銅めっき膜を形成する。その時、めっき前後膜厚測定機712でシード層の膜厚を測定する。銅めっき膜の成膜は、まず半導体基板Wの表面の親水処理を行い、その後銅めっきを行って形成する。銅めっき膜の形成後、銅めっきユニット702でリンス若しくは洗浄を行う。時間に余裕があれば、乾燥してもよい。
【0093】
第1ロボット703で銅めっきユニット702から半導体基板Wを取り出したとき、めっき前後膜厚測定機712で銅めっき膜の膜厚を測定する。その測定結果は、記録装置(図示せず)に半導体基板の記録データとして記録され、なお且つ、銅めっきユニット702の異常の判定にも使用される。膜厚測定後、第1ロボット703が反転機705に半導体基板Wを渡し、該反転機705で反転させる(銅めっき膜が形成された面が下になる)。第1ポリッシング装置710、第2ポリッシング装置711による研磨には、シリーズモードとパラレルモードがある。以下、シリーズモードの研磨について説明する。
【0094】
シリーズモード研磨は、1次研磨をポリッシング装置710で行い、2次研磨をポリッシング装置711で行う研磨である。第2ロボット708で反転機705上の半導体基板Wを取り上げ、ポリッシング装置710のプッシャー710−5上に半導体基板Wを載せる。トップリング710−2はプッシャー710−5上の該半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル710−1の研磨面に半導体基板Wの銅めっき膜形成面を当接押圧し、1次研磨を行う。該1次研磨では基本的に銅めっき膜が研磨される。研磨テーブル710−1の研磨面は、IC1000のような発泡ポリウレタン、又は砥粒を固定若しくは含浸させたもので構成されている。該研磨面と半導体基板Wの相対運動で銅めっき膜が研磨される。
【0095】
銅めっき膜の研磨終了後、トップリング710−2で半導体基板Wをプッシャー710−5上に戻す。第2ロボット708は、該半導体基板Wを取り上げ、第1洗浄機709に入れる。この時、プッシャー710−5上にある半導体基板Wの表面及び裏面に薬液を噴射しパーティクルを除去したり、つきにくくしたりすることもある。
【0096】
第1洗浄機709において洗浄終了後、第2ロボット708で半導体基板Wを取り上げ、第2ポリッシング装置711のプッシャー711−5上に半導体基板Wを載せる。トップリング711−2でプッシャー711−5上の半導体基板Wを吸着し、該半導体基板Wのバリア層を形成した面を研磨テーブル711−1の研磨面に当接押圧して2次研磨を行う。この2次研磨ではバリア層が研磨される。但し、上記1次研磨で残った銅膜や酸化膜も研磨されるケースもある。
【0097】
研磨テーブル711−1の研磨面は、IC1000のような発泡ポリウレタン、又は砥粒を固定若しくは含浸させたもので構成され、該研磨面と半導体基板Wの相対運動で研磨される。このとき、砥粒若しくはスラリーには、シリカ、アルミナ、セリア等が用いられる。薬液は、研磨したい膜種により調整される。
【0098】
2次研磨の終点の検知は、光学式の膜厚測定機を用いてバリア層の膜厚を測定し、膜厚が0になったこと又はSiOからなる絶縁膜の表面検知で行う。また、研磨テーブル711−1の近傍に設けた膜厚測定機711−4として画像処理機能付きの膜厚測定機を用い、酸化膜の測定を行い、半導体基板Wの加工記録として残したり、2次研磨の終了した半導体基板Wを次の工程に移送できるか否かの判定を行う。また、2次研磨終点に達していない場合は、再研磨を行ったり、なんらかの異常で規定値を超えて研磨された場合は、不良品を増やさないように次の研磨を行わないよう半導体基板処理装置を停止させる。
【0099】
2次研磨終了後、トップリング711−2で半導体基板Wをプッシャー711−5まで移動させる。プッシャー711−5上の半導体基板Wは第2ロボット708で取り上げる。この時、プッシャー711−5上で薬液を半導体基板Wの表面及び裏面に噴射してパーティクルを除去したり、つきにくくすることがある。
【0100】
第2ロボット708は、半導体基板Wを第2洗浄機707に搬入し、洗浄を行う。第2洗浄機707の構成も第1洗浄機709と同じ構成である。半導体基板Wの表面は、主にパーティクル除去のために、純水に界面活性剤、キレート剤、またpH調整剤を加えた洗浄液を用いて、PVAスポンジロールによりスクラブ洗浄される。半導体基板Wの裏面には、ノズルからDHF等の強い薬液を噴出し、拡散している銅をエッチングしたり、又は拡散の問題がなければ、表面と同じ薬液を用いてPVAスポンジロールによるスクラブ洗浄をする。
【0101】
上記洗浄の終了後、半導体基板Wを第2ロボット708で取り上げ、反転機706に移し、該反転機706で反転させる。該反転させた半導体基板Wを第1ロボット703で取り上げ第3洗浄機704に入れる。第3洗浄機704では、半導体基板Wの表面に超音波振動により励起されたメガソニック水を噴射して洗浄する。そのとき純水に界面活性剤、キレート剤、またpH調整剤を加えた洗浄液を用いて公知のペンシル型スポンジで半導体基板Wの表面を洗浄してもよい。その後、スピン乾燥により、半導体基板Wを乾燥させる。
上記のように研磨テーブル711−1の近傍に設けた膜厚測定機711−4で膜厚を測定した場合は、そのままロード・アンロード部701のアンロードポートに載置するカセットに収容する。
【0102】
図20は、他の半導体基板処理装置の平面構成を示す図である。この半導体基板処理装置の図19に示す半導体基板処理装置と異なる点は、図19に示す銅めっきユニット702の代わりに蓋めっきユニット(無電解めっき装置)750を設けた点である。
銅膜を形成した半導体基板Wを収容したカセット701−1は、ロード・アンロード部701に載置される。半導体基板Wは、カセット701−1から取り出され、第1ポリッシング装置710または第2ポリッシング装置711に搬送されて、ここで銅膜の表面が研磨される。この研磨終了後、半導体基板Wは、第1洗浄機709に搬送されて洗浄される。
【0103】
第1洗浄機709で洗浄された半導体基板Wは、蓋めっきユニット750に搬送され、ここで銅めっき膜の表面に保護膜が形成され、これによって、銅めっき膜が大気中で酸化することが防止される。蓋めっきを施した半導体基板Wは、第2ロボット708によって蓋めっきユニット750から第2洗浄機707に搬送され、ここで純水または脱イオン水で洗浄される。この洗浄後の半導体基板Wは、ロード・アンロード部701に載置されたカセット701−1に戻される。
【0104】
図21は、更に他の半導体基板処理装置の平面構成を示す図である。この半導体基板処理装置の図20に示す半導体基板処理装置と異なる点は、図20に示す第1洗浄機709の代わりにアニールユニット751を設けた点である。
前述のようにして、第1ポリッシング装置710または第2ポリッシング装置711で研磨され、第2洗浄機707で洗浄された半導体基板Wは、蓋めっきユニット750に搬送され、ここで銅めっき膜の表面に蓋めっきが施される。この蓋めっきが施された半導体基板Wは、第1ロボット703によって、蓋めっきユニット750から第3洗浄機704に搬送され、ここで洗浄される。
【0105】
第1洗浄機709で洗浄された半導体基板Wは、アニールユニット751に搬送され、ここでアニールされる。これによって、銅めっき膜が合金化されて銅めっき膜のエレクトロンマイグレーション耐性が向上する。アニールが施された半導体基板Wは、アニールユニット751から第2洗浄機707に搬送され、ここで純水または脱イオン水で洗浄される。この洗浄後の半導体基板Wは、ロード・アンロード部701に載置されたカセット701−1に戻される。
【0106】
図22は、基板処理装置の他の平面配置構成を示す図である。図22において、図19と同一符号を付した部分は、同一又は相当部分を示す。この基板研磨装置は、第1ポリッシング装置710と第2ポリッシング装置711に接近してプッシャーインデクサー725を配置し、第3洗浄機704と銅めっきユニット702の近傍にそれぞれ基板載置台721、722を配置し、第1洗浄機709と第3洗浄機704の近傍にロボット723を配置し、第2洗浄機707と銅めっきユニット702の近傍にロボット724を配置し、更にロード・アンロード部701と第1ロボット703の近傍に乾燥状態膜厚測定機713を配置している。
【0107】
上記構成の基板処理装置において、第1ロボット703は、ロード・アンロード部701のロードポートに載置されているカセット701−1から半導体基板Wを取り出し、乾燥状態膜厚測定機713でバリア層及びシード層の膜厚を測定した後、該半導体基板Wを基板載置台721に載せる。なお、乾燥状態膜厚測定機713が、第1ロボット703のハンドに設けられている場合は、そこで膜厚を測定し、基板載置台721に載せる。第2ロボット723で基板載置台721上の半導体基板Wを銅めっきユニット702に移送し、銅めっき膜を成膜する。銅めっき膜の成膜後、めっき前後膜厚測定機712で銅めっき膜の膜厚を測定する。その後、第2ロボット723は、半導体基板Wをプッシャーインデクサー725に移送し搭載する。
【0108】
〔シリーズモード〕
シリーズモードでは、トップリングヘッド710−2がプッシャーインデクサー725上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル710−1に移送し、研磨テーブル710−1上の研磨面に該半導体基板Wを押圧して研磨を行う。研磨の終点検知は上記と同様な方法で行い、研磨終了後の半導体基板Wはトップリングヘッド710−2でプッシャーインデクサー725に移送され搭載される。第2ロボット723で半導体基板Wを取り出し、第1洗浄機709に搬入し洗浄し、続いてプッシャーインデクサー725に移送し搭載する。
【0109】
トップリングヘッド711−2がプッシャーインデクサー725上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル711−1に移送し、その研磨面に該半導体基板Wを押圧して研磨を行う。研磨の終点検知は上記と同様な方法で行い、研磨終了後の半導体基板Wは、トップリングヘッド711−2でプッシャーインデクサー725に移送され搭載される。第3ロボット724は、半導体基板Wを取り上げ、膜厚測定機726で膜厚を測定した後、第2洗浄機707に搬入し洗浄する。続いて第3洗浄機704に搬入し、ここで洗浄した後にスピンドライで乾燥を行い、その後、第3ロボット724で半導体基板Wを取り上げ、基板載置台722上に載せる。
【0110】
〔パラレルモード〕
パラレルモードでは、トップリングヘッド710−2又は711−2がプッシャーインデクサー725上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル710−1又は711−1に移送し、研磨テーブル710−1又は711−1上の研磨面に該半導体基板Wを押圧してそれぞれ研磨を行う。膜厚を測定した後、第3ロボット724で半導体基板Wを取り上げ、基板載置台722上に載せる。
第1ロボット703は、基板載置台722上の半導体基板Wを乾燥状態膜厚測定機713に移送し、膜厚を測定した後、ロード・アンロード部701のカセット701−1に戻す。
【0111】
図23は、基板処理装置の他の平面配置構成を示す図である。この基板処理装置では、シード層が形成されていない半導体基板Wに、シード層及び銅めっき膜を形成し、研磨して回路配線を形成する基板処理装置である。
この基板研磨装置は、第1ポリッシング装置710と第2ポリッシング装置711に接近してプッシャーインデクサー725を配置し、第2洗浄機707とシード層成膜ユニット727の近傍にそれぞれ基板載置台721、722を配置し、シード層成膜ユニット727と銅めっきユニット702に接近してロボット723を配置し、第1洗浄機709と第2洗浄機707の近傍にロボット724を配置し、更にロード・アンロード部701と第1ロボット703の近傍に乾燥膜厚測定機713を配置している。
【0112】
第1ロボット703でロード・アンロード部701のロードポートに載置されているカセット701−1から、バリア層が形成されている半導体基板Wを取り出して基板載置台721に載せる。次に第2ロボット723は、半導体基板Wをシード層成膜ユニット727に搬送し、シード層を成膜する。このシード層の成膜は無電解めっきで行う。第2ロボット723は、シード層の形成された半導体基板をめっき前後膜厚測定機712でシード層の膜厚を測定する。膜厚測定後、銅めっきユニット702に搬入し、銅めっき膜を形成する。
【0113】
銅めっき膜を形成後、その膜厚を測定し、プッシャーインデクサー725に移送する。トップリング710−2又は711−2は、プッシャーインデクサー725上の半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル710−1又は711−1に移送し研磨する。研磨後、トップリング710−2又は711−2は、半導体基板Wを膜厚測定機710−4又は711−4に移送し、膜厚を測定し、プッシャーインデクサー725に移送して載せる。
【0114】
次に、第3ロボット724は、プッシャーインデクサー725から半導体基板Wを取り上げ、第1洗浄機709に搬入する。第3ロボット724は、第1洗浄機709から洗浄された半導体基板Wを取り上げ、第2洗浄機707に搬入し、洗浄し乾燥した半導体基板を基板載置台722上に載置する。次に、第1ロボット703は、半導体基板Wを取り上げ乾燥状態膜厚測定機713で膜厚を測定し、ロード・アンロード部701のアンロードポートに載置されているカセット701−1に収納する。
【0115】
図23に示す基板処理装置においても、回路パターンのコンタクトホール又は溝が形成された半導体基板W上にバリア層、シード層及び銅めっき膜を形成して、研磨して回路配線を形成することができる。
バリア層形成前の半導体基板Wを収容したカセット701−1を、ロード・アンロード部701のロードポートに載置する。そして、第1ロボット703でロード・アンロード部701のロードポートに載置されているカセット701−1から、半導体基板Wを取り出して基板載置台721に載せる。次に、第2ロボット723は、半導体基板Wをシード層成膜ユニット727に搬送し、バリア層とシード層を成膜する。このバリア層とシード層の成膜は、無電解めっきで行う。第2ロボット723は、めっき前後膜厚測定機712で半導体基板Wに形成されたバリア層とシード層の膜厚を測定する。膜厚測定後、銅めっきユニット702に搬入し、銅めっき膜を形成する。
【0116】
図24は、基板処理装置の他の平面配置構成を示す図である。この基板処理装置は、バリア層成膜ユニット811、シード層成膜ユニット812、めっきユニット813、アニールユニット814、第1洗浄ユニット815、ベベル・裏面洗浄ユニット816、蓋めっきユニット(無電解めっき装置)817、第2洗浄ユニット818、第1アライナ兼膜厚測定器841、第2アライナ兼膜厚測定器842、第1基板反転機843、第2基板反転機844、基板仮置き台845、第3膜厚測定器846、ロード・アンロード部820、第1ポリッシング装置821、第2ポリッシング装置822、第1ロボット831、第2ロボット832、第3ロボット833、第4ロボット834を配置した構成である。なお、膜厚測定器841,842,846はユニットになっており、他のユニット(めっき、洗浄、アニール等のユニット)の間口寸法と同一サイズにしているため、入れ替え自在である。
この例では、バリア層成膜ユニット811は、無電解Ruめっき装置、シード層成膜ユニット812は、無電解銅めっき装置、めっきユニット813は、電解めっき装置を用いることができる。
【0117】
図25は、この基板処理装置内での各工程の流れを示すフローチャートである。このフローチャートにしたがって、この装置内での各工程について説明する。先ず、第1ロボット831によりロード・アンロードユニット820に載置されたカセット820aから取り出された半導体基板は、第1アライナ兼膜厚測定ユニット841内に被めっき面を上にして配置される。ここで、膜厚計測を行うポジションの基準点を定めるために、膜厚計測用のノッチアライメントを行った後、銅膜形成前の半導体基板の膜厚データを得る。
【0118】
次に、半導体基板は、第1ロボット831により、バリア層成膜ユニット811へ搬送される。このバリア層成膜ユニット811は、無電解Ruめっきにより半導体基板上にバリア層を形成する装置で、半導体装置の層間絶縁膜(例えば、SiO)への銅拡散防止膜としてRuを成膜する。洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第1ロボット831により第1アライナ兼膜厚測定ユニット841に搬送され、半導体基板の膜厚、即ちバリア層の膜厚を測定される。
【0119】
膜厚測定された半導体基板は、第2ロボット832でシード層成膜ユニット812へ搬入され、前記バリア層上に無電解銅めっきによりシード層が成膜される。洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第2ロボット832により含浸めっきユニットであるめっきユニット813に搬送される前に、ノッチ位置を定めるために第2アライナ兼膜厚測定器842に搬送され、銅めっき用のノッチのアライメントを行う。ここで、必要に応じて銅膜形成前の半導体基板の膜厚を再計測してもよい。
【0120】
ノッチアライメントが完了した半導体基板は、第3ロボット833によりめっきユニット813へ搬送され、銅めっきが施される。洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第3ロボット833により半導体基板端部の不要な銅膜(シード層)を除去するためにベベル・裏面洗浄ユニット816へ搬送される。ベベル・裏面洗浄ユニット816では、予め設定された時間でベベルのエッチングを行うとともに、半導体基板裏面に付着した銅をフッ酸等の薬液により洗浄する。この時、ベベル・裏面洗浄ユニット816へ搬送する前に、第2アライナ兼膜厚測定器842にて半導体基板の膜厚測定を実施して、めっきにより形成された銅膜厚の値を得ておき、その結果により、ベベルのエッチング時間を任意に変えてエッチングを行っても良い。なお、ベベルエッチングによりエッチングされる領域は、基板の周縁部であって回路が形成されない領域、または回路が形成されていても最終的にチップとして利用されない領域である。この領域にはベベル部分が含まれる。
【0121】
ベベル・裏面洗浄ユニット816で洗浄、乾燥工程を経て払い出された半導体基板は、第3ロボット833で基板反転機843に搬送され、該基板反転機843にて反転され、被めっき面を下方に向けた後、第4ロボット834により配線部を安定化させるためにアニールユニット814へ投入される。アニール処理前及び/又は処理後、第2アライナ兼膜厚測定ユニット842に搬入し、半導体基板に形成された、銅膜の膜厚を計測する。この後、半導体基板は、第4ロボット834により第1ポリッシング装置821に搬入され、半導体基板の銅層、シード層の研磨を行う。
【0122】
この際、砥粒等は所望のものが用いられるが、ディッシングを防ぎ、表面の平面度を出すために、固定砥粒を用いることもできる。第1ポリッシング終了後、半導体基板は、第4ロボット834により第1洗浄ユニット815に搬送され、洗浄される。この洗浄は、半導体基板直径とほぼ同じ長さを有するロールを半導体基板の表面と裏面に配置し、半導体基板及びロールを回転させつつ、純水又は脱イオン水を流しながら洗浄するスクラブ洗浄である。
【0123】
第1の洗浄終了後、半導体基板は、第4ロボット834により第2ポリッシング装置822に搬入され、半導体基板上のバリア層が研磨される。この際、砥粒等は所望のものが用いられるが、ディッシングを防ぎ、表面の平面度を出すために、固定砥粒を用いることもできる。第2ポリッシング終了後、半導体基板は、第4ロボット834により、再度第1洗浄ユニット815に搬送され、スクラブ洗浄される。洗浄終了後、半導体基板は、第4ロボット834により第2基板反転機844に搬送され反転されて、被めっき面を上方に向けられ、更に第3ロボット833により基板仮置き台845に置かれる。
【0124】
半導体基板は、第2ロボット832により基板仮置き台845から蓋めっきユニット817に搬送され、銅の大気による酸化防止を目的に銅面上にニッケル・ボロンめっきを行う。蓋めっきが施された半導体基板は、第2ロボット832により蓋めっきユニット817から第3膜厚測定器846に搬入され、銅膜厚が測定される。その後、半導体基板は、第1ロボット831により第2洗浄ユニット818に搬入され、純水又は脱イオン水により洗浄される。洗浄が終了した半導体基板は、第1ロボット831によりロード・アンロード部820に載置されたカセット820a内に戻される。
アライナ兼膜厚測定器841及びアライナ兼膜厚測定器842は、基板ノッチ部分の位置決め及び膜厚の測定を行う。
【0125】
ベベル・裏面洗浄ユニット816は、エッジ(ベベル)銅エッチングと裏面洗浄が同時に行え、また基板表面の回路形成部の銅の自然酸化膜の成長を抑えることが可能である。図26に、ベベル・裏面洗浄ユニット816の概略図を示す。図26に示すように、ベベル・裏面洗浄ユニット816は、有底円筒状の防水カバー920の内部に位置して基板Wをフェイスアップでその周縁部の円周方向に沿った複数箇所でスピンチャック921により水平に保持して高速回転させる基板保持部922と、この基板保持部922で保持された基板Wの表面側のほぼ中央部上方に配置されたセンタノズル924と、基板Wの周縁部の上方に配置されたエッジノズル926とを備えている。センタノズル924及びエッジノズル926は、それぞれ下向きで配置されている。また基板Wの裏面側のほぼ中央部の下方に位置して、バックノズル928が上向きで配置されている。前記エッジノズル926は、基板Wの直径方向及び高さ方向を移動自在に構成されている。
【0126】
このエッジノズル926の移動幅Lは、基板の外周端面から中心部方向に任意の位置決めが可能になっていて、基板Wの大きさや使用目的等に合わせて、設定値の入力を行う。通常、2mmから5mmの範囲でエッジカット幅Cを設定し、裏面から表面への液の回り込み量が問題にならない回転数以上であれば、その設定されたカット幅C内の銅膜を除去することができる。
【0127】
次に、この洗浄装置による洗浄方法について説明する。まず、スピンチャック921を介して基板を基板保持部922で水平に保持した状態で、半導体基板Wを基板保持部922と一体に水平回転させる。この状態で、センタノズル924から基板Wの表面側の中央部に酸溶液を供給する。この酸溶液としては非酸化性の酸であればよく、例えばフッ酸、塩酸、硫酸、クエン酸、蓚酸等を用いる。一方、エッジノズル926から基板Wの周縁部に酸化剤溶液を連続的または間欠的に供給する。この酸化剤溶液としては、オゾン水、過酸化水素水、硝酸水、次亜塩素酸ナトリウム水等のいずれかを用いるか、またはそれらの組み合わせを用いる。
【0128】
これにより、半導体基板Wの周縁部のエッジカット幅Cの領域では上面及び端面に成膜された銅膜等は酸化剤溶液で急速に酸化され、同時にセンタノズル924から供給されて基板の表面全面に拡がる酸溶液によってエッチングされ溶解除去される。このように、基板周縁部で酸溶液と酸化剤溶液を混合させることで、予めそれらの混合水をノズルから供給するのに比べて急峻なエッチングプロフィールを得ることができる。このときそれらの濃度により銅のエッチングレートが決定される。また、基板の表面の回路形成部に銅の自然酸化膜が形成されていた場合、この自然酸化物は基板の回転に伴って基板の表面全面に亘って広がる酸溶液で直ちに除去されて成長することはない。なお、センタノズル924からの酸溶液の供給を停止した後、エッジノズル926からの酸化剤溶液の供給を停止することで、表面に露出しているシリコンを酸化して、銅の付着を抑制することができる。
【0129】
一方、バックノズル928から基板の裏面中央部に酸化剤溶液とシリコン酸化膜エッチング剤とを同時または交互に供給する。これにより半導体基板Wの裏面側に金属状で付着している銅等を基板のシリコンごと酸化剤溶液で酸化しシリコン酸化膜エッチング剤でエッチングして除去することができる。なおこの酸化剤溶液としては表面に供給する酸化剤溶液と同じものにする方が薬品の種類を少なくする上で好ましい。またシリコン酸化膜エッチング剤としては、フッ酸を用いることができ、基板の表面側の酸溶液もフッ酸を用いると薬品の種類を少なくすることができる。これにより、酸化剤供給を先に停止すれば疎水面が得られ、エッチング剤溶液を先に停止すれば飽水面(親水面)が得られて、その後のプロセスの要求に応じた裏面に調整することもできる。
【0130】
このように酸溶液すなわちエッチング液を基板に供給して、基板Wの表面に残留する金属イオンを除去した後、更に純水を供給して、純水置換を行ってエッチング液を除去し、その後、スピン乾燥を行う。このようにして半導体基板表面の周縁部のエッジカット幅C内の銅膜の除去と裏面の銅汚染除去を同時に行って、この処理を、例えば80秒以内に完了させることができる。なお、エッジのエッジカット幅を任意(2mm〜5mm)に設定することが可能であるが、エッチングに要する時間はカット幅に依存しない。
【0131】
めっき後のCMP工程前に、アニール処理を行うことが、この後のCMP処理や配線の電気特性に対して良い効果を示す。アニール無しでCMP処理後に幅の広い配線(数μm単位)の表面を観察するとマイクロボイドのような欠陥が多数見られ、配線全体の電気抵抗を増加させたが、アニールを行うことでこの電気抵抗の増加は改善された。アニール無しの場合に、細い配線にはボイドが見られなかったことより、粒成長の度合いが関わっていることが考えられる。つまり、細い配線では粒成長が起こりにくいが、幅の広い配線では粒成長に伴い、アニール処理に伴うグレン成長の過程で、めっき膜中のSEM(走査型電子顕微鏡)でも見えないほどの超微細ポアが集結しつつ上へ移動することで配線上部にマイクロボイド用の凹みが生じたという推測ができる。アニールユニットのアニール条件としては、ガスの雰囲気は水素を添加(2%以下)、温度は300〜400℃程度で1〜5分間で上記の効果が得られた。
【0132】
図27及び図28は、アニールユニット814を示すものである。このアニールユニット814は、半導体基板Wを出し入れするゲート1000を有するチャンバ1002の内部に位置して、半導体基板Wを、例えば400℃に加熱するホットプレート1004と、例えば冷却水を流して半導体基板Wを冷却するクールプレート1006が上下に配置されている。また、クールプレート1006の内部を貫通して上下方向に延び、上端に半導体基板Wを載置保持する複数の昇降ピン1008が昇降自在に配置されている。更に、アニール時に半導体基板Wとホットプレート1008との間に酸化防止用のガスを導入するガス導入管1010と、該ガス導入管1010から導入され、半導体基板Wとホットプレート1004との間を流れたガスを排気するガス排気管1012がホットプレート1004を挟んで互いに対峙する位置に配置されている。
【0133】
ガス導入管1010は、内部にフィルタ1014aを有するNガス導入路1016内を流れるNガスと、内部にフィルタ1014bを有するHガス導入路1018内を流れるHガスとを混合器1020で混合し、この混合器1020で混合したガスが流れる混合ガス導入路1022に接続されている。
【0134】
これにより、ゲート1000を通じてチャンバ1002の内部に搬入した半導体基板Wを昇降ピン1008で保持し、昇降ピン1008を該昇降ピン1008で保持した半導体基板Wとホットプレート1004との距離が、例えば0.1〜1.0mm程度となるまで上昇させる。この状態で、ホットプレート1004を介して半導体基板Wを、例えば400℃となるように加熱し、同時にガス導入管1010から酸化防止用のガスを導入して半導体基板Wとホットプレート1004との間を流してガス排気管1012から排気する。これによって、酸化を防止しつつ半導体基板Wをアニールし、このアニールを、例えば数十秒〜60秒程度継続してアニールを終了する。基板の加熱温度は100〜600℃が選択される。
【0135】
アニール終了後、昇降ピン1008を該昇降ピン1008で保持した半導体基板Wとクールプレート1006との距離が、例えば0〜0.5mm程度となるまで下降させる。この状態で、クールプレート1006内に冷却水を導入することで、半導体基板Wの温度が100℃以下となるまで、例えば10〜60秒程度、半導体基板を冷却し、この冷却終了後の半導体基板を次工程に搬送する。
なお、この例では、酸化防止用のガスとして、Nガスと数%のHガスを混合した混合ガスを流すようにしているが、Nガスのみを流すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の第1の実施の形態の無電解めっき装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の無電解めっき装置を示す断面図である。
【図3】図1に示す無電解めっき装置を備えた基板処理装置の平面配置図である。
【図4】図1に示す無電解めっき装置の変形例を示す断面図である。
【図5】銅めっきにより銅配線を形成する例を工程順に示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の無電解めっき装置を示す断面図である。
【図7】図6に示す無電解めっき装置でめっきを行っている時のめっき槽、基板保持部及び支持部の関係を示す断面図である。
【図8】図6に示す無電解めっき装置の真空シール部を拡大して示す拡大断面図である。
【図9】支持部の他の例の一部を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態の無電解めっき装置のめっき槽を示す断面図である。
【図11】めっき室内に整流板を配置した場合と配置しない場合における基板(ウエハ)の表面の垂直速度と平行速度のウエハ中心からウエハ外周に向けての分布を調べたグラフである。
【図12】基板処理装置を示す平面配置図である。
【図13】図12に示す基板処理装置内の気流の流れを示す図である。
【図14】図12に示す基板処理装置の各エリア間の空気の流れを示す図である。
【図15】図12に示す基板処理装置をクリーンルーム内に配置した一例を示す外観図である。
【図16】基板処理装置の他の例を示す平面配置図である。
【図17】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図18】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図19】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図20】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図21】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図22】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図23】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図24】基板処理装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図25】図24に示す基板処置装置における各工程の流れを示すフローチャートである。
【図26】ベベル・裏面洗浄ユニットを示す概要図である。
【図27】アニールユニットの一例を示す縦断正面図である。
【図28】図27の平断面図である。
【符号の説明】
【0137】
10,110 基板保持部
12,130 ハウジング
14,34,46、124 加熱部
18(支持部) シール爪
22,142 めっき液
24,144 めっき槽
28,148 めっき室
28a,148a 底面
30,150 溢流堰
52a,52b ロード・アンロードユニット
54,56 洗浄装置
58 活性化処理装置
60 触媒付与装置
62 無電解めっき装置
64,66 洗浄・乾燥装置
112 保持体
114 真空シール材
114a 内側リップ部
114b 外側リップ部
114c 凹部
120 真空経路
122 不活性ガス導入路
132,162 支持部
134 開口
160 爪
170,172 整流板
170a,172a 通孔
W 基板(被めっき材)
S 表面(被めっき面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被めっき材を保持する保持部と、
めっき液を保持するめっき槽とを有し、
被めっき材を前記めっき槽内のめっき液に接液させてめっきを行うめっき装置において、
前記保持部は加熱部を有することを特徴とする無電解めっき装置。
【請求項2】
前記めっき槽は、めっき液をめっき室の内部に導入し溢流堰をオーバーフローさせつつ保持することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき装置。
【請求項3】
前記加熱部は、温度調節機能を有していることを特徴とする請求項1または2記載の無電解めっき装置。
【請求項4】
被めっき材を保持部で保持し、
前記保持部が有する加熱部で前記被めっき材を加熱し、しかる後、
前記被めっき材をめっき液に接液させることを特徴とする無電解めっき方法。
【請求項5】
被めっき材をめっき液の温度と同じ温度に加熱することを特徴とする請求項4に記載の無電解めっき方法。
【請求項6】
前記めっき液をめっき槽で保持しつつめっき室に導入し、
前記めっき槽の溢流堰から前記めっき液をオーバーフローさせることを特徴とする請求項4または5記載の無電解めっき方法。
【請求項7】
前記めっき液を前記めっき槽にて所定温度に加熱することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の無電解めっき方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−104581(P2006−104581A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365630(P2005−365630)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【分割の表示】特願2001−377874(P2001−377874)の分割
【原出願日】平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】