説明

焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法及び処理装置

【課題】焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストを処理する際に運転管理や保守を容易とし、装置の設置面積も小さく抑える。
【解決手段】焼却飛灰又は/及びセメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された燃焼ガスに含まれるダストを水洗した際に発生した排水(ろ液)L1をイオン交換樹脂31に導入し、イオン交換樹脂によって排水からカルシウムを除去し、カルシウム除去後の排水に、さらに排水処理を行う。焼却飛灰又は/及び前記ダストが溶解したスラリーにSO2ガス又は/及びCO2ガスを接触させた後、固液分離し、得られたろ液をイオン交換樹脂に導入することもでき、この際、セメントキルンの排ガス又は/及び塩素バイパスシステムの排ガスを利用することができる。カルシウムの除去後の排水を膜処理することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ごみなどを焼却した際に発生する焼却飛灰や、塩素バイパスダストなどを水洗処理した際に発生する排水を処理する方法及び装置に関する。
【0002】
都市ごみなどを焼却した際に発生する焼却灰は、最終処分場の枯渇の虞に鑑み、近年、セメント原料としてリサイクルしている。都市ごみ焼却灰のうち、気体とともに運ばれ、集塵装置で回収される飛灰は、10〜20%の塩素分を含むため、セメント原料としてリサイクルするにあたって事前に塩素分を除去する必要がある。そこで、ベルトフィルタなどの水洗脱塩設備を用い、焼却飛灰(以下「飛灰」という)に含まれる水溶性塩素化合物を水洗除去した後、セメント原料として利用している。
【0003】
一方、従来、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素を除去する塩素バイパスシステムが用いられている。近年、廃棄物のセメント原料化又は燃料化によるリサイクルが推進され、廃棄物の処理量が増加するに従い、セメントキルンに持ち込まれる塩素等の揮発成分の量も増加し、塩素バイパスダストの発生量も増加している。そのため、塩素バイパスダストの有効利用方法の開発が求められていた。
【0004】
かかる見地から、特許文献1に記載のセメント原料化処理方法では、塩素を含む廃棄物に水を添加して廃棄物中の塩素を溶出させてろ過し、得られた脱塩ケークをセメント原料として利用するとともに、排水を浄化処理し、そのまま放流したり、塩分を回収することで、環境汚染を引き起こすことなく、塩素バイパスダストの有効利用を図っている。
【0005】
上記セメント原料化処理方法では、図2に示すように、処理対象物(飛灰や塩素バイパスダスト)と水とを撹拌槽で撹拌・混合し、塩素を溶解させ、ろ過設備で固液分離後、脱塩ケークをセメント原料として利用する。一方、分離されたろ液は、重金属を含むため有害性分除去設備でpH調整や薬剤添加により無害化処理を行った後、排水として放流する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−100243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、飛灰及び塩素バイパスダストはカルシウムを多く含むため、カルシウムが飛灰や塩素バイパスダストと水との撹拌・混合の処理工程で溶解し、設備や配管にカルシウムスケールが析出し、さらにろ過設備で目詰まりを発生させるなど種々の不具合が生じている。そのため、定期的な部品の交換や洗浄が必要となり、運転率の低下により運転コストの上昇に繋がる。また、固液分離後の排水工程においても配管や反応槽、貯槽等にスケールとして析出するため、定期的な部品の交換、洗浄が必要になるとともに、それを防止するために多種多様な薬剤が必要となる。一方、pH調整や薬剤添加により重金属を処理、回収する工程において、カルシウムスケールの影響が小さいシックナーや広大なスペースを要する沈降槽等を設置する必要があるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、運転管理や保守が容易で、装置の設置面積も小さく抑えることができる飛灰等の処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法であって、焼却飛灰又は/及びセメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された燃焼ガスに含まれるダストを水洗した際に発生した排水をイオン交換樹脂に導入し、該イオン交換樹脂によって前記排水からカルシウムを除去し、カルシウム除去後の排水に、さらに排水処理を行うことを特徴とする。
【0010】
そして、本発明によれば、排水処理を行う前に、イオン交換樹脂によって、前記焼却飛灰又は/及びダストを水洗した際に発生した排水に含まれるカルシウムを除去することができるため、水洗設備や配管にカルシウムスケールが析出することを防止することができる。これにより、ベルトフィルタの目詰まりなど、種々の不具合が生じるのを回避することができ、保守・運転コストを低減することができるとともに、広大なスペースを要する沈降槽等も不要となり、装置の設置面積も小さく抑えることができる。
【0011】
上記焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法において、前記焼却飛灰又は/及び前記ダストが溶解したスラリーにSO2ガス又は/及びCO2ガスを接触させた後、固液分離し、得られたろ液を前記イオン交換樹脂に導入することができる。SO2ガス又は/及びCO2ガスにより、スラリー中のカルシウム分を石膏又は/及び炭酸カルシウムに変化させ、溶存カルシウムの量を低減することで、より効率よくカルシウムを除去することができるとともに、イオン交換樹脂に導入する前の設備でのカルシウムスケールの析出を低減することができる。
【0012】
さらに、前記SO2ガス又は/及びCO2ガスを接触させた後の前記焼却飛灰又は/及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストを含むスラリーのpHを調整した後、固形分を得ることができ、この際、スラリーのpHを7.0以上10.5以下に調整することができる。これにより、pH調整により溶解した重金属を固形分側に偏在させることができ、排水処理に要する薬剤の処理費用を低減することができる。
【0013】
上記焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法において、前記スラリーにSO2ガス又は/及びCO2ガスを接触させるため、該スラリーに前記セメントキルンの排ガス又は/及び前記セメントキルンに付設された塩素バイパスシステムの排ガスを接触させることができ、運転コスト及び設備コストをより低く抑えることができる。
【0014】
上記焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法において、前記カルシウムの除去後の排水を膜処理することができ、薬剤費を低く抑えて運転コストをさらに低減することができる。
【0015】
また、本発明は、焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理装置であって、焼却飛灰又は/及びセメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された燃焼ガスに含まれるダストを水洗した際に発生した排水からカルシウムを除去するイオン交換樹脂と、該イオン交換樹脂によってカルシウムを除去した後の排水の排水処理を行う排水処理装置とを備えることを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、カルシウムスケールによって種々の不具合が生じるのを回避することができ、保守・運転コストを低減し、装置の設置面積も小さく抑えることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、運転管理や保守が容易で、装置の設置面積も小さく抑えることができる飛灰等の処理方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理装置の一実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】従来の飛灰及び塩素バイパスダストの水洗処理システムの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明にかかる飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理装置の一実施の形態を示し、この処理装置1では、飛灰や、塩素バイパスダストなどのセメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された燃焼ガスに含まれるダスト(セメントキルン燃焼ガス抽気ダスト)を各々別々に処理したり、これらを同時に処理することもできるが、以下の説明では、飛灰のみを処理する場合を例示する。
【0020】
この処理装置1は、飛灰Fを水洗する水洗工程2と、飛灰Fの水洗ろ液に溶存するカルシウムを除去する溶存カルシウム除去工程3と、カルシウム除去後のろ液中の重金属を除去する重金属除去工程4と、重金属除去後、放流前に有機成分を除去する有機成分除去工程5とで構成される。
【0021】
水洗工程2は、貯留タンク21に貯留した飛灰Fを水に溶解させて脱塩を行い、さらにSO2ガス又は/及びCO2ガスを導入する溶解反応槽22と、溶解反応槽22から排出されたスラリーを貯留する貯留ピット23と、貯留ピット23から排出されたスラリーS1をケークCとろ液L1とに水洗しながら固液分離するフィルタープレス24と、フィルタープレス24から排出されたろ液L1を貯留する貯槽25とで構成される。
【0022】
溶解反応槽22へは、SO2ガス又は/及びCO2ガスが導入され、これらによってスラリー中のカルシウム分を石膏(CaSO4)又は/及び炭酸カルシウム(CaCO3)に変化させ、溶存カルシウムの量を低減する。溶解反応槽22に導入されるガスは、例えばCO2を含むセメントキルンの排ガスや、SO2ガスを含むセメントキルンに付設された塩素バイパスシステムの排ガスを用いる。
【0023】
貯留ピット23は、溶解反応槽22からのスラリーを貯留するために備えられ、貯留ピット23でpH調整剤によりpHを調整してもよい。
【0024】
溶存カルシウム除去工程3は、貯槽25から供給されたろ液L1に溶存するカルシウムを除去するイオン交換樹脂31と、イオン交換樹脂31によってカルシウムが除去された脱カルシウム排水L2を一時的に貯留する貯留タンク32と、イオン交換樹脂31から排出される脱塩カルシウム含有水L3を一時的に貯留する貯留タンク33とで構成される。
【0025】
イオン交換樹脂31は、貯槽25から供給されたろ液L1に溶存するカルシウムを除去するために備えられ、両性イオン交換樹脂等を用いることができる。両性イオン交換樹脂とは、母体を架橋ポリスチレンなどとし、同一官能基鎖中に四級アンモニウム基とカルボン酸基等を持たせて、陽イオン陰イオンの両方とイオン交換をさせる機能を有する樹脂である。例えば、三菱化学株式会社製の両性イオン交換樹脂、ダイヤイオン(登録商標)、AMP03を用いることができる。このイオン交換樹脂31は、水溶液中の電解質と非電解質の分離を行うことができ、電解質の相互分離を行うこともできる。
【0026】
重金属除去工程4は、貯留タンク32から供給された脱カルシウム排水L2に含まれる重金属を除去するために設けられ、キレート剤や硫化剤等を貯留するための薬剤タンク45及び脱カルシウム排水L2と薬剤とを反応させる重金属反応槽40、重金属が吸着された固形分や重金属の硫化物等を捕集するためのフィルタ41と、フィルタ41から排出されたろ液L5を貯留する貯槽42とを備える。
【0027】
重金属反応槽40は、貯留タンク32からの脱カルシウム排水L2に含まれる残留重金属を、薬剤タンク45から供給されるキレート剤や硫化剤等の薬剤を用いて、排水中から除去するために設けられる。
【0028】
フィルタ41は、精密ろ過膜を有し、重金属反応槽40からの処理水L4をろ過し、残留重金属、縣濁物質を除去するために備えられる。フィルタ41から排出されたろ液L5は貯槽42に貯留されるが、このろ液L5をフィルタ41と貯槽42との間で循環、及び逆洗に供することにより効率よく重金属等を除去することができる。一方、脱カルシウム排水L2を重金属反応槽40を介してその処理水L4としてフィルタ41に供給しているが、脱カルシウム排水L2を直接フィルタ41に供給してもよい。
【0029】
有機成分除去工程5は、フィルタ41で残留重金属等を除去し、貯槽42に貯留したろ液L6に含まれる有機成分を除去するために設けられる。
【0030】
フィルタ43は、フィルタ41よりもさらに細かい目開きのろ過膜を有し、限外ろ過膜や逆浸透膜等を有し、貯槽42からのろ液L6に含まれる有機成分を除去したり、CODを低下させるために設けられ、フィルタ43から排出されたろ液L7は、貯槽44に貯留されるが、上記フィルタ41の場合と同様に、フィルタ43と貯槽44との間で循環、及び洗浄に供することにより効率よく有機成分等を除去することができる。一方、ろ液L6をフィルタ43に供給しているが、貯留タンク32からの脱カルシウム排水L2を砂ろ過器、キレート塔での処理後、フィルタ43に供給してもよい。
【0031】
次に、上記構成を有する処理システム1の動作について、図1を参照しながら説明する。
【0032】
まず、水洗工程2において、貯留タンク21に貯留された飛灰Fを溶解反応槽22へ供給し、飛灰Fに水を添加してスラリー化する。また、溶解反応槽22にCO2ガス又は/及びSO2ガスを導入し、スラリー中のカルシウム分をCaCO3又は/及びCaSO4に変化させると同時に、前記CO2ガス、SO2ガスによりスラリーをpH7.0〜10.5に調整し、スラリー中の重金属を沈殿させる。溶解反応槽22からの飛灰スラリーは、貯留ピット23に一時貯留されるが、ここでpHが範囲を外れる場合は、貯留ピット23において、酸(H2SO4、H2SO3、HClなど)、アルカリ(NaOH、Ca(OH)2など)のpH調整剤によってpH7.0〜10.5に調整し、スラリー中の重金属を沈殿させる。
【0033】
フィルタープレス24によって、貯留ピット23からのスラリーS1を新規水により洗浄しながら、ろ液L1とケークCとに固液分離する。洗浄後のケークCをセメント原料としてセメントキルンで利用し、ケーク洗浄水は、溶解反応槽22へ戻す。ここで、ケークC側に、上記pH調整により沈殿した重金属が偏在するため、飛灰Fに含まれる重金属の一部が除去される。また、フィルタープレス24から排出されるろ液L1を貯槽25に一時的に貯留する。
【0034】
次に、溶存カルシウム除去工程3において、貯槽25からのろ液L1をイオン交換樹脂31に供給し、ろ液L1に溶存するカルシウムを除去する。イオン交換樹脂31にろ液L1を導入すると、時間経過とともに、カルシウム分が除去された脱カルシウム排水L2と、塩が除去されてカルシウム分を含有する脱塩カルシウム含有水L3が排出される。イオン交換樹脂31から排出された脱カルシウム排水L2は、貯留タンク32に一時的に貯留され、脱塩カルシウム含有水L3は、貯留タンク33に貯留した後放流する。
【0035】
脱カルシウム排水L2を重金属反応槽40へ供給し、薬剤タンク45から供給されるキレート剤又は硫化剤、pH調整剤等、重金属を吸着、固形化する薬剤と接触させることにより、脱カルシウム排水L2に含まれる重金属を回収することができる。この処理水L4をフィルタ41に供給し、重金属を含む固形分濃縮水とろ液L5に分離する。また、フィルタ41を通過したろ液L5を貯槽42とフィルタ41との間で循環させるとともに、ろ液L5をフィルタ41の逆洗に供することにより、重金属が濃縮した濃縮水を効率よく回収し、回収した濃縮水は、例えば、セメントキルンなどで処理することができ、フィルタ41から排出されたろ液L5は貯槽42に貯留される。
【0036】
重金属を除去したろ液L6を有機成分除去工程5のフィルタ43に供給し、上記フィルタ41と同様に、フィルタ43を通過したろ液L7を貯槽44とフィルタ43との間で循環させるとともに、ろ液L7をフィルタ43の逆洗に供することにより、有機成分が濃縮した濃縮水を効率よく回収し、回収した有機成分濃縮水をセメントキルンなどで処理する。一方、有機成分濃縮水回収後のろ液L8は、そのまま放流するか、塩回収した後放流する。
【0037】
尚、上記実施の形態においては、脱カルシウム排水L2を重金属反応槽40へ供給して処理しているが、直接脱カルシウム排水L2をフィルタ41に供給してもよいし、例えば貯槽40を設けずに配管中に前記薬剤を添加し、その液をフィルタ41に供給し、フィルタ41で重金属や懸濁物質を除去した液を有機成分除去工程5に供給することもできる。
【0038】
また、上記実施の形態において、脱カルシウム排水L2を重金属反応槽40へと供給して処理しているが、砂ろ過器、キレート塔等で重金属や懸濁物質を除去した液を有機成分除去工程5に供給することもできる。
【0039】
尚、上記実施の形態においては、重金属除去工程4において、フィルタ41を利用して重金属を濃縮、回収したが、フィルタ41に代えて、フィルタープレスやラメラセパレータなどを利用することもできる。
【0040】
また、上記飛灰の処理においては、フィルタープレス24によって洗浄した後のケークCをセメント原料として利用したが、セメントキルン燃焼ガス抽気ダストを水洗した後のケークは、カルシウム成分がCaCO3又は/及びCaSO4に変化しているため、Ca(OH)2の含有量が低下し、凝結時間等への影響が小さくなり、セメント品質の安定性を保ちながらセメント仕上工程に直接添加することができる。また、これによって、セメント製造工程内の重金属の循環・濃縮を抑制することができ、従来方式の排水処理に比べ、薬剤費を低減できる。
【符号の説明】
【0041】
1 飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理装置
2 水洗工程
3 溶存カルシウム除去工程
4 重金属除去工程
5 有機成分除去工程
21 貯留タンク
22 溶解反応槽
23 貯留ピット
24 フィルタープレス
25 貯槽
31 イオン交換樹脂
32、33 貯留タンク
40 重金属反応槽
41 フィルタ
42 貯槽
43 フィルタ
44 貯槽
45 薬剤タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却飛灰又は/及びセメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された燃焼ガスに含まれるダストを水洗した際に発生した排水をイオン交換樹脂に導入し、
該イオン交換樹脂によって前記排水からカルシウムを除去し、
カルシウム除去後の排水に、さらに排水処理を行うことを特徴とする焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法。
【請求項2】
前記焼却飛灰又は/及び前記ダストが溶解したスラリーにSO2ガス又は/及びCO2ガスを接触させた後、固液分離し、得られたろ液を前記イオン交換樹脂に導入することを特徴とする請求項1に記載の焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法。
【請求項3】
前記SO2ガス又は/及びCO2ガスを接触させた後の前記焼却飛灰又は/及び前記ダストを含むスラリーのpHを7.0以上10.5以下に調整した後、固液分離し、得られたろ液を前記イオン交換樹脂に導入することを特徴とする請求項2に記載の焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法。
【請求項4】
前記スラリーにSO2ガス又は/及びCO2ガスを接触させるため、該スラリーに前記セメントキルンの排ガス又は/及び前記セメントキルンに付設された塩素バイパスシステムの排ガスを接触させることを特徴とする請求項2又は3に記載の焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法。
【請求項5】
前記カルシウムの除去後の排水を膜処理することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理方法。
【請求項6】
焼却飛灰又は/及びセメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気された燃焼ガスに含まれるダストを水洗した際に発生した排水からカルシウムを除去するイオン交換樹脂と、
該イオン交換樹脂によってカルシウムを除去した後の排水の排水処理を行う排水処理装置とを備えることを特徴とする焼却飛灰及びセメントキルン燃焼ガス抽気ダストの処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−35168(P2012−35168A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175971(P2010−175971)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】