説明

照光用薄型ELシート

【課題】
この種の照光用薄型EL(エレクトロルミネッセンス・ライト)シートは既に開発されているが、現在では基材の厚みが125μm程度と厚いもので、これ以上の極薄化を図るのが困難であり、折り曲げ等の加工はできないものである。
【解決手段】
本発明は、シート基材2とEL発光素子3と保護層4と外部接続電極5から成り、EL発光素子はシート基材に積層印刷させた前面電極層3aと蛍光体層3bと誘電耐圧層3cと背面電極層3dとを備えたものであり、更に、EL発光素子の側近に保護層の無積層部位4aを形成し、更には、押しボタン用のキーパッド8を積層すると共に、保護層に粘着層9をメタルドーム10を介装して実装基板Aに貼着させ、更には、EL発光素子の中央部に無積層部位3eを形成すると共に、キーパッドを光拡散発光均一性の合成樹脂部材で形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照光用薄型EL(エレクトロルミネッセンス・ライト)シートに関するものであり、更に詳細には、押しボタンスイッチが取着されたリモートコントロールユニットや携帯電話の操作パネル等を照光する極薄型のEL(エレクトロルミネッセンス・ライト)シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の照光用薄型EL(エレクトロルミネッセンス・ライト)シートは既に開発されているが、現在では基材の厚みが125μm程度と厚いもので、これ以上の極薄化を図るのが困難であり、折り曲げ等の加工はできないもので課題を有しているものである。
【0003】
例えば、操作パネルは、複数のキー操作部33を有する透明なキー操作シート31と、このキー操作シート31の裏面側に配置されたELパネル11と、このELパネル11の裏面側に配置されているとともに複数のキー操作部33にそれぞれ対応する位置にスイッチ部3を有するスイッチパネル1とからなっている。この場合、ELパネル11の所定の表面側には液晶表示パネルが配置されている。そして、ELパネル11は面発光であるので、キー操作シート31の各キー操作部33を暗所で一様に明るくすることができるもの(特許文献1参照)や、ほぼ同一の平面に配置された液晶表示パネル21及び操作パネル31の裏面側には一体のELパネル2が配置されている。この場合、ELパネル2は面発光であるので、操作パネル31の各キー部35を暗所で一様に明るくすることができるもの(特許文献2参照)や、フィルムクリック板24の中空凸部25を残して、ELを構成する透明電極層13、発光体層14、誘電体層15、裏面電極層16、絶縁層17を順次積層形成し、フィルムクリック板24とプリント基板21とにそれぞれ対向させて上接点20と下接点23を設けている。キーボタンは操作されることにより、中空凸部25を押下し、上接点20と下接点23とを導通させるが、EL層は中空凸部25領域に設けられておらずキーボタン操作時のクリック感が向上する。フィルムクリック板24は、ELの一部の構成であり、厚さ寸法を薄くできる(特許文献3参照)や、樹脂からなるキートップ本体の上面側に、同形状に湾曲させた光透過性の樹脂フィルムが一体形成され、前記樹脂フィルムの下面に、有機高分子層である透明電極層、補償電極層、発光体層、誘電体層、背面電極層、絶縁層から構成されるELを形成したもの(特許文献4参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開平10−144172号公報
【特許文献2】特開平10−145476号公報
【特許文献3】特開平10−222271号公報
【特許文献4】特開2000−285760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然し乍ら、先に開示された、特許文献1の記載では、ELパネル11の面発光は段落番号0006並びに図1及び図2(A)、(B)に記載されているように、ELパネル11は、フィルム基板11aと、透明電極11bと、EL層11cと、背面電極11dと、絶縁保護膜11eが設けられた構造で有るためため極薄化は耐圧性の問題から図れないものであり、更に、特許文献2の記載では、ELパネル2は段落番号0006並びに図3に記載されているように、ELパネル2は、フィルム基板4と、透明電極5と、EL層6と、背面電極7と、保護膜8が設けられた構造となっており、特許文献1と同様に、極薄化は耐圧性の問題から図れないものであり、更には、特許文献3の記載では、段落番号0031及び0034に記載されているように、フィルムクリック板24をベースフィルムとして順次、透明電極層13、発光体層14、誘電体層15、裏面電極層16、及び絶縁層17が積層されており、これら各層とフィルムクリック板24とでEL11を構成している記載されており、更には、EL11上に別体のフィルムクリック板9及びスペーサ22が無いので高さ寸法Hを0.2〜0.3mm程度に薄くすることができとされているが、この厚みでは折り曲げることは不可能なものであり、更には、特許文献4では、キートップ本体の上面側に、透明電極層、補償電極層、発光体層、誘電体層、背面電極層、絶縁層から構成されるELを形成して、同形状に湾曲させた光透過性の樹脂フィルムが一体形成されているもので、キートップ本体にELを形成しているものでミクロン単位の極薄化は必要を要しないものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照光用薄型ELシートは、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、PET等の軟質合成樹脂シートの透明又は半透明のシート基材と、シート基材に積層された発光領域を形成するEL発光素子と、EL発光素子を覆うように積層させた保護層と、EL発光素子と電気的に接続させたシート基材に印刷した外部接続電極から成り、EL発光素子はシート基材に積層印刷させた前面電極層と、前面電極層に積層印刷させた蛍光体層と、蛍光体層に積層印刷させた誘電耐圧層と、誘電耐圧層に積層印刷させた背面電極層とを備えたものであり、更に、蛍光体層の無機EL蛍光体を誘電体バインダに色調変換蛍光体を分散させたものであり、更には、前面電極層の上面と下面とに色調フィルター層を介装し、上面の色調フィルター層とシート基材との間に水蒸気バリア層を介装したものであり、加えて、発光領域を形成するEL発光素子の側近に保護層の無積層部位を形成するものであり、更には、隣り合う発光領域を形成するEL発光素子の間の少なくとも一部に保護層の無積層部位を形成するものであり、更には、発光領域を形成するEL発光素子の直上に下面にアクチュエータを膨出させた押しボタン用のキーパッドを積層すると共に、保護層の下面に粘着層を積層し、粘着層をEL発光素子の直下にメタルドームを介装して実装基板に貼着させたものであり、更には、発光領域を形成するEL発光素子の中央部に該EL発光素子と保護層との無積層部位を形成すると共に、キーパッドを光拡散発光均一性の透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したものであり、更には、発光領域を形成するEL発光素子の中央部に無積層部位を形成し、無積層部位にUV硬化型発光素子層を形成すると共に、キーパッドを透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の照光用薄型ELシートの発光領域を形成するEL発光素子は、シート基材に前面電極層と蛍光体層と誘電耐圧層と背面電極層とを積層したことにより、耐圧性を向上させたもので、シート基材の極薄化を図り、従来、シート基材の層厚が125μm〜300μmであったものを8μm〜36μmにできることからEL発光素子の層厚を100μm程度に極薄化ができるもので、端面部の発光領域の形成や、同一部材による90度方向や180度方向の発光領域の形成が可能となり、更には、高クリック、高打鍵耐久シートの形成が可能となり、画期的で実用性の高い発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の照光用薄型ELシートの実施例の図面を用いて詳細に説明すると、図1は本発明の照光用薄型ELシートの実施例の説明のための概要断面図であり、図2は本発明の照光用薄型ELシートの端面部の発光領域形成の実施例の説明のための概要断面図であり、図3は本発明の照光用薄型ELシートの同一部材による90度方向や180度方向の発光領域の形成の実施例の説明のための概要断面図であり、図4は本発明の照光用薄型ELシートの基本的な実装時の実施例の説明のための概要断面図であり、図5は本発明の照光用薄型ELシートの次実施例の説明のための概要断面図であり、図6本発明の照光用薄型ELシートの他の実施例の説明のための概要断面図である。
【0008】
本発明は照光用薄型EL(エレクトロルミネッセンス・ライト)シートに関するものであり、更に詳細には、押しボタンスイッチが取着されたリモートコントロールユニットや携帯電話の操作パネル等を照光する極薄型のEL(エレクトロルミネッセンス・ライト)シートに関するものであり、請求項1に記載の照光用薄型ELシート1は、PET等の軟質合成樹脂シートの透明又は半透明の極薄のシート基材2と、該シート基材2に積層された発光領域を形成するEL発光素子3と、該EL発光素子3を覆うように積層させた保護層4と、前記EL発光素子3と電気的に接続させたシート基材2に印刷した外部接続電極5から成り、前記EL発光素子3はシート基材2に積層印刷させた前面電極層3aと、該前面電極層3aに積層印刷させた蛍光体層3bと、該蛍光体層3bに積層印刷させた誘電耐圧層3cと、該誘電耐圧層3cに積層印刷させた
背面電極層3dとを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
更に、請求項2に記載の照光用薄型ELシート1は、請求項1に記載の照光用薄型ELシート1において、前記蛍光体層3bの誘電体バインダに無機EL蛍光体と色調変換蛍光体とを分散させたことを特徴とするものである。
【0010】
更には、請求項3に記載の照光用薄型ELシート1は、請求項1に記載の照光用薄型ELシート1において、前記前面電極層3aの上面と下面とに色調フィルター層6を夫々介装し、前記上面の色調フィルター層6とシート基材2との間に水蒸気バリア層7を介装したことを特徴とするものである。
【0011】
更には、請求項4に記載の照光用薄型ELシート1は、請求項1乃至請求項3に記載の照光用薄型ELシート1において、前記発光領域を形成するEL発光素子3の側近に保護層4の無積層部位4aを形成することを特徴とするものである。
【0012】
加えて、請求項5に記載の照光用薄型ELシート1は、請求項1乃至請求項3に記載の照光用薄型ELシート1において、前記隣り合う発光領域を形成するEL発光素子3の間の少なくとも一部に保護層4の無積層部位4aを形成することを特徴とするものである。
【0013】
更には、請求項6に記載の照光用薄型ELシート1は、請求項1乃至請求項3に記載の照光用薄型ELシート1において、前記発光領域を形成するEL発光素子3の直上に下面にアクチュエータ8aを膨出させた押しボタン用のキーパッド8を積層すると共に、前記保護層4の下面に粘着層9を積層し、該粘着層9を前記EL発光素子3の直下にクリック感を付与するメタルドーム10を介装して実装基板Aに貼着させたことを特徴とするものである。
【0014】
更には、請求項7に記載の照光用薄型ELシート1は、請求項6に記載の照光用薄型ELシート1において、前記発光領域を形成するEL発光素子3の中央部に該EL発光素子3と保護層4との無積層部位3e.4aを形成すると共に、前記キーパッド8を光拡散発光均一性の透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したことを特徴とするものである。
【0015】
更には、請求項8に記載の照光用薄型ELシート1は、請求項6に記載の照光用薄型ELシート1において、前記発光領域を形成するEL発光素子3の中央部に無積層部位3eを形成し、該EL発光素子3の無積層部位3eにUV硬化型発光素子層11を形成すると共に、前記キーパッド8を透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したことを特徴とするものである。
【実施例】
【0016】
即ち、本発明の照光用薄型ELシート1は、シート基材2と、EL発光素子3と、保護層4と、外部接続電極5とから構成されているものである。
【0017】
そして、シート基材2は、透明又は半透明の層厚が8μm〜36μmの極薄フイルムのPET(ポリエチレンテレフタート)等の軟質合成樹脂シートに後述する発光領域を形成するEL発光素子3を積層印刷すると共に、シート基材2の端辺には後述する外部接続電極5を積層印刷しているものである。
【0018】
次に、EL発光素子3は、発光領域を形成するもので、後述する前面電極層3aと、蛍光体層3bと、誘電耐圧層3cと、背面電極層3dとを順次前記シート基材2に積層印刷しているものであり、シート基材2の層厚が8μm〜36μmの極薄フイルムで有ることから、照光用薄型ELシート1の層厚を100μm程度に極薄化ができるものである。
【0019】
次いで、保護層4は、EL発光素子3を覆うようにシート基材2に積層印刷させているもので、EL発光素子3を外部の応力や湿度から保護する目的のものである。
【0020】
更に、外部接続電極5は、EL駆動用交流電圧を印加させて電気的に接続させたEL発光素子3を発光させるために、シート基材2の端辺に積層印刷しているものである。
【0021】
そして、前面電極層3aは、有機導電ポリマーやITOの微粉末をインキ化したものでシート基材2に積層印刷されているものである。
【0022】
更には、蛍光体層3bは、無機EL蛍光体を誘電体バインダに分散しインキ化したもので、前面電極層3aの裏面に積層印刷されているものである。
【0023】
更に、誘電耐圧層3cは、蛍光体層3bの背後に位置させており、チタン酸バリュームを誘電体バインダに分散しインキ化したもので積層印刷されているものである。
【0024】
次いで、背面電極層3dは、導電性カーボンインキや導電性銀インキで積層印刷されているいるもので、誘電耐圧層3cの背後に位置させているものである。
【0025】
加えて、色調変換蛍光体は、蛍光体層3bの無機EL蛍光体の誘電体バインダに分散させるもので、発光領域を形成するEL発光素子3の色調は基本的には白色であり、白色から色調を変えるときに任意の色の色調変換蛍光体を分散させるものである。
【0026】
更には、色調フィルター層6は、発光領域を形成するEL発光素子3の色調を任意の色に変えるときに介装するもので、前面電極層3aの上面と下面とに色調フィルター層6を夫々介装しており、この場合、上面の色調フィルター層6とシート基材2との間に水蒸気バリア層7を介装させるものである。
【0027】
次いで、水蒸気バリア層7は、例えば、アルミナなどの無機物を薄膜成膜して、EL発光素子3の環境寿命特性の耐久性を向上させたり、各インキ層の密着性を向上させるものであり、特に、後述するUV硬化型発光素子層11を形成するUV硬化型インキを密着さえるには必要不可欠といえるものである。
【0028】
そして、図2図示するものは照光用薄型ELシート1の端面部の発光領域形成の実施例であり、保護層4の無積層部位4aを発光領域を形成するEL発光素子3の側近に形成したものであり、発光領域は必要部分の薄膜フイルムにEL発光素子3を積層印刷し、該EL発光素子3を覆うように保護層4を積層印刷したもので、EL発光素子3の側近に形成した保護層4の無積層部位4aはシート基材2のみであり、シート基材2は8μm〜36μmであり、シート基材2のみ領域を180度折り曲げ保護層4の背面側に貼り付けることが可能となり、EL発光素子3の側近でシート基材2を折り曲げて貼り合わすことより、ケースAの端面に発光領域を位置させることが可能となるもので、基材となるシート基材2は折り曲げによる復帰応力が小さく加工が容易であることから従来の技術では基材が厚く(125μm程度)折り曲げることが不可能であったが、本発明は、例えば、リモートコントロールユニットや携帯電話において機能的あるいは意匠的にシート基材2を折り曲げることにより端面領域が発光が可能となるものである。
【0029】
更に、図3に図示するものは、本発明の照光用薄型ELシート1の同一シートによる90度方向や180度方向に発光領域を形成するものであり、保護層4の無積層部位4aを隣り合う発光領域を形成するEL発光素子3の間の少なくとも一部に形成したものであり、保護層4の無積層部位4aはシート基材2のみであり、シート基材2は8μm〜36μmであることから、図示の如く折り曲げ、90度方向および180度方向の照光の可能な照光用薄型ELシート1を形成することが可能なものである。
【0030】
次に、図4は本発明の照光用薄型ELシート1を用いた押しボタンスイッチの基本的な実装時の実施例であり、図示するように、キーパッド8は上方に押しボタン用の操作部8bを膨出させ、該操作部8bの下方には接点部材を押圧するためのアクチュエータ8aを膨出させているもので、EL発光素子3の直上に位置させるものである。
【0031】
次いで、メタルドーム10は、金属製のバネ体であり、照光用薄型ELシート1の保護層4の下面に粘着層9を積層し、EL発光素子3の直下に位置させて介装し粘着層9で実装基板Aに貼着させてクリック感を付与しているものである。
【0032】
更に、図5は本発明の照光用薄型ELシート1の次実施例であり、発光領域を形成するEL発光素子3の中央部に、該EL発光素子3と保護層4との無積層部位3e.4aを形成したもので、つまり、キーパッド8のアクチュエータ8aの直下にシート基材2のみのEL発光素子3と保護層4との無積層部位3e.4aを形成したものである。
【0033】
更には、キーパッド8は光拡散発光均一性の透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したものであり、光拡散発光均一性のキーパッド8を採用したことにより、アクチュエータ8aの直下のEL発光素子3には無積層部位3e.4aが形成さた非発光部位は、光拡散にて均一発光するキーパッド8により、非発光部を周囲の発光領域のEL発光素子3からの光を拡散させ均一化させてキー全体を均一に発光することで輝度格差を感じさせないものである。
【0034】
更に、キーパッド8のアクチュエータ8aでの打鍵耐久において、従来技術からのEL発光素子3のインキはフッ素樹脂などを主成分とした合成樹脂を溶剤で溶解してバインダとして蛍光体を分散して積層印刷し形成されており、塗料としての強度がキーの耐打鍵強度として決定されるもので、アクチュエータ8aによる打鍵部分にEL発光素子3が存しないため、高打鍵耐久を可能とすると共に、押しボタンスイッチのクリック感触が飛躍的に向上させることが可能となるものである。
【0035】
そして、図6は本発明の照光用薄型ELシート1の他の実施例であり、発光領域を形成するEL発光素子3の中央部に無積層部位3eを形成し、そのEL発光素子3の無積層部位3eにUV硬化型発光素子層11を形成すると共に、キーパッド8を透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したものであり、つまり、キーパッド8のアクチュエータ8aの直下にUV硬化型発光素子層11が積層印刷されているものである。
【0036】
つまり、アクチュエータ8aの下のEL発光素子3の無積層部位3eにUV硬化型発光素子層11を積層印刷して、周囲の発光領域と合体発光させるもので、発光領域は従来技術からのEL発光素子3のインキでフッ素樹脂などを主成分とした合成樹脂を溶剤で溶解してバインダとして蛍光体を分散して印刷し形成しているものである。
【0037】
更に、UV硬化型発光素子層11はUV硬化型をバインダとして蛍光体などを分散していることから塗装強度が強く(硬度3H以上)アクチュエータ8aからの高荷重打鍵に耐久性を示すことが可能となるものである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の照光用薄型ELシートの発光領域を形成するEL発光素子は、シート基材に前面電極層と蛍光体層と誘電耐圧層と背面電極層とを積層したことにより、耐圧性を向上させたもので、シート基材の極薄化を図り、従来、シート基材の層厚が125μm〜300μmであったものを8μm〜36μmにできることからEL発光素子の層厚を100μm程度に極薄化ができるもので、端面部の発光領域の形成や、同一部材による90度方向や180度方向の発光領域の形成が可能となり、更には、高クリック、高打鍵耐久シートの形成が可能な照光用薄型ELシートを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は本発明の照光用薄型ELシートの実施例の説明のための概要断面図である。
【図2】図2は本発明の照光用薄型ELシートの端面部の発光領域形成の実施例の説明のための概要断面図である。
【図3】図3は本発明の照光用薄型ELシートの同一部材による90度方向や180度方向の発光領域の形成の実施例の説明のための概要断面図である。
【図4】図4は本発明の照光用薄型ELシートの基本的な実装時の実施例の説明のための概要断面図である。
【図5】図5は本発明の照光用薄型ELシートの次実施例の説明のための概要断面図である。
【図6】図6本発明の照光用薄型ELシートの他の実施例の説明のための概要断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 照光用薄型ELシート
2 シート基材
3 EL発光素子
3a 前面電極層
3b 蛍光体層
3c 誘電耐圧層
3d 背面電極層
3e 無積層部位
4 保護層
4a 無積層部位
5 外部接続電極
6 色調フィルター層
7 水蒸気バリア層
8 キーパッド
8a アクチュエータ
8b 操作部
9 粘着層
10 メタルドーム
11 UV硬化型発光素子層
A ケース又は実装基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PET等の軟質合成樹脂シートの透明又は半透明の極薄のシート基材と、該シート基材に積層された発光領域を形成するEL発光素子と、該EL発光素子を覆うように積層させた保護層と、前記EL発光素子と電気的に接続させたシート基材に印刷した外部接続電極から成り、前記EL発光素子はシート基材に積層印刷させた前面電極層と、該前面電極層に積層印刷させた蛍光体層と、該蛍光体層に積層印刷させた誘電耐圧層と、該誘電耐圧層に積層印刷させた背面電極層とを備えたことを特徴とする照光用薄型ELシート。
【請求項2】
前記蛍光体層の誘電体バインダに無機EL蛍光体と色調変換蛍光体とを分散させたことを特徴とする請求項1に記載の照光用薄型ELシート。
【請求項3】
前記前面電極層の上面と下面とに色調フィルター層を夫々介装し、前記上面の色調フィルター層とシート基材との間に水蒸気バリア層を介装したことを特徴とする請求項1に記載の照光用薄型ELシート。
【請求項4】
前記発光領域を形成するEL発光素子の側近に保護層の無積層部位を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の照光用薄型ELシート。
【請求項5】
前記隣り合う発光領域を形成するEL発光素子の間の少なくとも一部に保護層の無積層部位を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の照光用薄型ELシート。
【請求項6】
前記発光領域を形成するEL発光素子の直上に下面にアクチュエータを膨出させた押しボタン用のキーパッドを積層すると共に、前記保護層の下面に粘着層を積層し、該粘着層を前記EL発光素子の直下にクリック感を付与するメタルドームを介装して実装基板に貼着させたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の照光用薄型ELシート。
【請求項7】
前記発光領域を形成するEL発光素子の中央部に該EL発光素子と保護層との無積層部位を形成すると共に、前記キーパッドを光拡散発光均一性の透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したことを特徴とする請求項6に記載の照光用薄型ELシート。
【請求項8】
前記発光領域を形成するEL発光素子の中央部に無積層部位を形成し、該EL発光素子の無積層部位にUV硬化型発光素子層を形成すると共に、前記キーパッドを透明又は半透明の合成樹脂部材で形成したことを特徴とする請求項6に記載の照光用薄型ELシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−134193(P2007−134193A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326839(P2005−326839)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(390001982)株式会社緑マーク (4)
【Fターム(参考)】