説明

照射装置

【課題】光源の特徴に対応して、光源の機能を好適に維持することができるように、光源の温度を調整することができる照射装置を提供する。
【解決手段】照射装置は、光源管の内面の一部分に配置されたアマルガム合金体を備える光源と、光源が内部に配置されているチャンバーと、を備え、チャンバーは、チャンバー本体と、チャンバー本体に形成された第1気体流入口及び第1気体流出口と、記第1気体流入口からチャンバー本体内に流入する気体を、前記光源管における前記アマルガム合金体が配設された部分の外面に当たる方向に導く第1導流体と、を備える。また、光源は、放電電極を備えており、チャンバーは、チャンバー本体に形成された第2気体流入口及び第2気体流出口と、第2気体流入口からチャンバー本体内に流入する気体を、前記光源管における前記放電電極が配設された部分の外面に当たる方向に導く第2導流体と、をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線などを射出する光源を備える照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、機能液を液滴として吐出して、被描画媒体上に着弾させることによって、被描画媒体上に機能液を配置し、当該機能液を硬化させることによって画像などを描画する描画装置が知られている。機能液の硬化時期や硬化時間を制御する方法のひとつとして、光硬化型の機能液を用い、配置した機能液に硬化光を照射することによって機能液を硬化させることが行われている。また、被描画媒体に着弾した機能液の広がり方を制御したり、機能液の被描画媒体への親和性を制御したりするために、改質光を被描画媒体の被描画面に照射することが、行われている。これらの硬化光や改質光の照射を安定して実施するためには、これらの光を射出する光源が、安定して性能を発揮することが必要である。
【0003】
特許文献1には、紫外線光の照射により硬化する光硬化型インクを記録媒体上に吐出する記録ヘッドと、吐出されたインクに紫外線光を照射する光源を備える光照射装置と、光照射装置を冷却する冷却装置と、光照射装置の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出温度に応じて冷却装置の温度制御を行う制御手段とを備え、低出力紫外線光源の発光効率を安定させて画像形成を行うインクジェット記録装置が開示されている。
特許文献2には、UV硬化型のプリンタ装置において、プリンタヘッドを挟んで左右に取り付けられる光源ユニットについて、光源ユニットは、出射面が印刷媒体と対向して設けられ印刷媒体に紫外光を出射する光源と、上方から導入した外気を光源に送風して冷却するファンと、冷却風を誘導する誘導構造とを備え、誘導構造は、ファンにより送風され光源を冷却した空気が、光源の出射面に沿ってプリンタヘッドに近接する側から遠ざかる方向に流れるように誘導することで、印刷媒体上を漂うインクミストによる光源ユニットの汚れを抑制して照射効率を安定的に維持し得る手段を提供することができる紫外線硬化型インクジェットプリンタ及び紫外線硬化型インクジェットプリンタ用の光源ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−125752号公報
【特許文献2】特開2010−735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたインクジェット記録装置では、温度検出手段などを設けることが必要であり、インクジェット記録装置が複雑になり、大型になるという課題があった。また、光源における光源の特性と関連付けられる部分の温度を、射出された光の進路を遮ることなく、適切に測定できるとは限らないため、必ずしも適切な制御ができないという課題もあった。
特許文献2に開示された紫外線硬化型インクジェットプリンタ及び紫外線硬化型インクジェットプリンタ用の光源ユニットでは、誘導構造などは、光源の特徴に対応したものではないため、光源の機能を好適に維持するための冷却として適切な冷却が、必ずしも実施できないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる照射装置は、光源管の内面の一部分に配置されたアマルガム合金体を備える光源と、前記光源が内部に配置されているチャンバーと、を備え、前記チャンバーは、チャンバー本体と、前記チャンバー本体に形成された第1気体流入口及び第1気体流出口と、前記第1気体流入口から前記チャンバー本体内に流入する気体を、前記光源管における前記アマルガム合金体が配設された部分の外面に当たる方向に導く第1導流体と、を備えことを特徴とする。
【0008】
本適用例にかかる照射装置によれば、チャンバー本体内の気体が、第1気体流出口から排出される。チャンバー本体内には、第1気体流入口から気体が補充される。第1気体流入口からチャンバー本体内に流入する気体は、第1導流体によって、光源管におけるアマルガム合金体が配設された部分の外面に当たる方向に導かれる。これにより、光源管におけるアマルガム合金体が配設された部分の外面を、第1気体流入口から流入して第1気体流出口から流出する気体の流路の中に位置させることができる。アマルガム合金体は、アマルガム合金が、例えば島状に、光源管の内壁に配設されたものである。アマルガム合金体を備える光源(以降、「アマルガム光源」と表記する。)は、発光特性がアマルガム合金体の温度に依存する。アマルガム合金体が配設された部分の外面が、第1気体流入口から流入して第1気体流出口から流出する気体の流路の中に位置することで、第1気体流入口から流入して第1気体流出口から流出する気体によって、アマルガム合金体の温度を調整することができる。アマルガム合金体の温度を、好適な発光ができる適切な温度に調整することで、アマルガム光源を適切に発光させることができる。アマルガム合金体の温度を調整することで、アマルガム光源全体の温度を調整する場合にくらべて、効率よく温度を調整することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかる照射装置において、前記第1導流体は、一端が前記第1気体流入口に臨んで開口する第1開口と、他の一端が前記光源管における前記アマルガム合金体が配設された部分の外面に臨んで開口する第2開口とを有する第1導流路を備えることが好ましい。
【0010】
この照射装置によれば、気体流入口からチャンバー本体内に流入する気体は、第1気体流入口から第1導流路を通り、光源管におけるアマルガム合金体が配設された部分の外面に臨んで開口する第1導流路の第2開口から流出して、当該第2開口が臨んでいる光源管に当たる。これにより、光源管におけるアマルガム合金体が配設された部分の外面を、第1気体流入口から流入して第1気体流出口から流出する気体の流路の中に位置させることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかる照射装置において、前記第1導流体と前記第1気体流出口とは、前記光源管の延在方向に交差する方向において、前記第2開口と前記第1気体流出口との間に前記アマルガム合金体を挟む位置に配設されていることが好ましい。
【0012】
この照射装置によれば、第1導流体と第1気体流出口とは、光源管の延在方向に交差する方向において、第1導流路の第2開口と第1気体流出口との間にアマルガム合金体を挟む位置に配設されている。これにより、第1気体流入口から流入して、第1導流路の第2開口からチャンバー本体内に流入し、第1気体流出口から流出する気体を、アマルガム光源における光源管の側方からアマルガム合金体が配設された部分に当てることができる。気体を、光源管の側方からアマルガム合金体が配設された部分に当てることで、効率よくアマルガム合金体の温度を調整することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例にかかる照射装置において、前記第1導流路と前記光源管との間に、前記第1導流路を流れた気体が前記光源管に当たることを制限する第1整流体を設けたことが好ましい。
【0014】
この照射装置によれば、第1導流路を流れた気体が光源管に当たることを制限する第1整流体が設けられている。
照射装置が複数の光源を備える場合、被照射物を複数の光源に対向させることで効率よく光を照射することができる。複数の光源に対向させるためには、被照射物は、複数の光源が並べられた並び方向に交差する方向に位置させることが好ましい。被照射物に遮蔽されることなく光源管に気流を当てるためには、第1導流体は、光源管の並び方向の延長上に位置することが好ましい。第1導流体が光源管の並び方向の延長上に位置する場合、第1導流体に最も近い位置の1番目の光源管には気流が直接当たるが、2番目以降の光源管には、気流が1番目の光源管に遮られるため、気流が当たり難い。第1整流体を設けることで、1番目の光源管に当たる気体の量を制限することができる。第1整流体を設けることで1番目の光源管に当たらなかった気体は、第1気体流出口の方に流れるため、1番目の光源管を迂回する状態で、2番目以降の光源管に当たる。これにより、2番目以降の光源管に配設されたアマルガム合金体の温度を調整し易くすることができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例にかかる照射装置において、前記第1整流体の、前記第1導流体から前記光源管に流れる気流の方向に略直交する方向であるとともに、前記光源管の延在方向に略直交する方向である方向における幅が、前記光源管の外径より小さいことが好ましい。
【0016】
この照射装置によれば、第1整流体の、第1導流体から光源管に流れる気流の方向に略直交する方向であるとともに、光源管の延在方向に略直交する方向である方向における幅が、光源管の外径より小さい。すなわち、気流の断面に投影される第1整流体の幅が、気流の断面に投影される光源管の外径より小さい。
第1整流体は、第1導流路と光源管との間に配設されているため、第1整流体と光源管は、気流の方向に並んでいる。第1整流体の幅が光源管の外径より大きい場合、第1整流体がない場合に第1整流体に最も近い1番目の光源管に当たる気体の大部分が第1整流体に遮られるため、1番目の光源管の温度調整がし難くなる。第1整流体の幅を光源管の外径より小さくすることで、第1整流体に最も近い1番目の光源管に当たる気体の一部に、当該光源管を迂回させて、1番目の光源管及び2番目以降の光源管の双方の温度調整をし易くすることができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかる照射装置において、前記光源は、放電電極を備えており、前記チャンバーは、前記チャンバー本体に形成された第2気体流入口及び第2気体流出口と、前記第2気体流入口から前記チャンバー本体内に流入する気体を、前記光源管における前記放電電極が配設された部分の外面に当たる方向に導く第2導流体と、をさらに備えることが好ましい。
【0018】
この照射装置によれば、チャンバー本体内の気体が、第2気体流出口から排出される。チャンバー本体内には、第2気体流入口から気体が補充される。第2気体流入口からチャンバー本体内に流入する気体は、第2導流体によって、光源管における放電電極が配設された部分の外面に当たる方向に導かれる。これにより、光源管における放電電極が配設された部分の外面を、第2気体流入口から流入して第2気体流出口から流出する気体の流路の中に位置させることができる。放電電極を備える光源は、放電電極の寿命によって光源の寿命が定まる場合が多い。放電電極の寿命は、放電電極の温度に依存する。放電電極が配設された部分の外面が、第2気体流入口から流入して第2気体流出口から流出する気体の流路の中に位置することで、第2気体流入口から流入して第2気体流出口から流出する気体によって、放電電極の温度を調整することができる。放電電極の温度を、放電電極の寿命が損なわれ難い温度に調整することで、放電電極の温度が不適切な温度であることに起因して光源の寿命が損なわれることを、抑制することができる。放電電極の温度を調整することで、アマルガム光源全体の温度を調整する場合にくらべて、効率よく温度を調整することができる。
【0019】
[適用例7]上記適用例にかかる照射装置において、前記第2導流体は、一端が前記第2気体流入口に臨んで開口する第3開口と、他の一端が前記光源管における前記放電電極が配設された部分の外面に臨んで開口する第4開口とを有する第2導流路を備えることが好ましい。
【0020】
この照射装置によれば、第2気体流入口からチャンバー本体内に流入する気体は、第2気体流入口から第2導流路を通り、光源管における放電電極が配設された部分の外面に臨んで開口する第2導流路の第4開口から流出して、当該第4開口が臨んでいる光源管に当たる。これにより、光源管における放電電極が配設された部分の外面を、第2気体流入口から流入して第2気体流出口から流出する気体の流路の中に位置させることができる。
【0021】
[適用例8]上記適用例にかかる照射装置において、前記第2導流体と前記第2気体流出口とは、前記光源管の延在方向に交差する方向において、前記第4開口と前記第2気体流出口との間に前記放電電極を挟む位置に配設されていることが好ましい。
【0022】
この照射装置によれば、第2導流体と第2気体流出口とは、光源管の延在方向に交差する方向において、第2導流路の第4開口と第2気体流出口との間に放電電極を挟む位置に配設されている。これにより、第2気体流入口から流入して、第2導流路の第4開口からチャンバー本体内に流入し、第2気体流出口から流出する気体を、アマルガム光源における光源管の側方から放電電極が配設された部分に当てることができる。気体を、光源管の側方から放電電極が配設された部分に当てることで、効率よく放電電極の温度を調整することができる。
【0023】
[適用例9]上記適用例にかかる照射装置において、前記第2導流体と前記光源管との間に、前記第2導流路を流れた気体が前記光源管に当たることを制限する第2整流体を設けたことが好ましい。
【0024】
この照射装置によれば、第2導流路を流れた気体が光源管に当たることを制限する第2整流体が設けられている。
照射装置が複数の光源を備える場合、被照射物を複数の光源に対向させることで効率よく光を照射することができる。複数の光源に対向させるためには、被照射物は、複数の光源が並べられた並び方向に交差する方向に位置させることが好ましい。被照射物に遮蔽されることなく光源管に気流を当てるためには、第2導流体は、光源管の並び方向の延長上に位置することが好ましい。第2導流体が光源管の並び方向の延長上に位置する場合、第2導流体に最も近い位置の1番目の光源管には気流が直接当たるが、2番目以降の光源管には、気流が1番目の光源管に遮られるため、気流が当たり難い。第2整流体を設けることで、1番目の光源管に当たる気体の量を制限することができる。第2整流体を設けることで1番目の光源管に当たらなかった気体は、第2気体流出口の方に流れるため、1番目の光源管を迂回する状態で、2番目以降の光源管に当たる。これにより、2番目以降の光源管に配設された放電電極の温度を調整し易くすることができる。
【0025】
[適用例10]上記適用例にかかる照射装置において、前記第2整流体の、前記第2導流体から前記光源管に流れる気流の方向に略直交する方向であるとともに、前記光源管の延在方向に略直交する方向である方向における幅が、前記光源管の外径より小さいことが好ましい。
【0026】
この照射装置によれば、第2整流体の、第2導流体から光源管に流れる気流の方向に略直交する方向であるとともに、光源管の延在方向に略直交する方向である方向における幅が、光源管の外径より小さい。すなわち、気流が流れる方向に略直交する面に投影される第2整流体の幅が、当該面に投影される光源管の外径より小さい。
第2整流体は、第2導流路と光源管との間に配設されているため、第2整流体と光源管は、気流の方向に並んでいる。第2整流体の幅が光源管の外径より大きい場合、第2整流体がない場合に第2整流体に最も近い1番目の光源管に当たる気体の大部分が第2整流体に遮られるため、1番目の光源管の温度調整がし難くなる。第2整流体の幅を光源管の外径より小さくすることで、第2整流体に最も近い1番目の光源管に当たる気体の一部に、当該光源管を迂回させて、1番目の光源管及び2番目以降の光源管の双方の温度調整をし易くすることができる。
【0027】
[適用例11]上記適用例にかかる照射装置において、前記第1気体流入口及び前記第2気体流入口の少なくとも一方から前記チャンバー本体に供給される気体の温度を調整可能な気体温度調整部をさらに備えることが好ましい。
【0028】
この照射装置によれば、気体温度調整部によってチャンバー本体に供給される気体の温度を調整することができる。気体の温度を、アマルガム合金体や放電電極の温度を適切な温度にするために好適な温度に調整することで、アマルガム合金体や放電電極の温度を適切な温度に調整することができる。
【0029】
[適用例12]上記適用例にかかる照射装置において、前記第1気体流出口及び前記第2気体流出口の少なくとも一方を介して前記チャンバー本体内の気体を吸引可能な吸引手段をさらに備えることが好ましい。
【0030】
この照射装置によれば、吸引手段によって、第1気体流出口又は第2気体流出口を介してチャンバー本体内の気体を吸引し、チャンバー本体内を負圧にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は、描画工程のフローチャート。(b)は、前処理工程を示す説明図。(c)は、印刷工程を示す説明図。(d)は、硬化工程を示す説明図。
【図2】アマルガムランプの主要な構成を示す説明図。
【図3】(a)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略平行な断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図。(b)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略直交する断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図。
【図4】(a)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略平行な断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図。(b)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略直交する断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図。
【図5】アマルガムランプの主要な構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る照射装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、機能液を液滴として吐出する液滴吐出装置を備え、該液滴吐出装置を用いて、被描画媒体の任意の位置に機能液を配置することで画像などを描画する描画装置ユニットが備える、前処理装置を例に説明する。前処理装置は、紫外線照射装置であって、被描画媒体における被描画面に紫外線を照射することによって、被描画面を改質したり、被描画面上の異物を除去したりするものである。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
【0033】
<描画工程>
最初に、被描画媒体に描画する描画工程の一例を、図1を参照して説明する。図1は、描画工程の各工程を示す説明図である。図1(a)は、描画工程のフローチャートであり、図1(b)は、前処理工程を示す説明図であり、図1(c)は、印刷工程を示す説明図であり、図1(d)は、硬化工程を示す説明図である。
【0034】
被描画媒体としてのパッケージ体90は、半導体パッケージ91が整列されて、搬送基板93の上に固定されている。半導体パッケージ91は、印刷面92の反対側の面が搬送基板93に固定されている。本描画工程において、印刷面92に、製品型番などを印刷する。
図1(a)のステップS1では、前処理としての表面改質処理を実施する。表面改質処理を実施する際は、図1(b)に示すように、パッケージ体90を、前処理装置40(図3参照)の媒体保持装置75に保持させる。媒体保持装置75に保持されたパッケージ体90をアマルガムランプ51に対向させて、アマルガムランプ51から射出される改質光を印刷面92に照射することによって、印刷面92を改質する。アマルガムランプ51は紫外線ランプであり、改質光は紫外線である。印刷面92に紫外線を照射することで、例えば、印刷面92を、画像を印刷するために用いる機能液9に対して親液性側に改質する。
【0035】
次に、図1(a)のステップS2では、印刷面92に、機能液9を配置して、製品型番などを印刷する。図1(c)に示すように、パッケージ体90を、液滴吐出装置1の媒体載置台33に載置して保持させる。ヘッドユニット21が備える液滴吐出ヘッド20を印刷面92に臨ませた状態で、液滴吐出ヘッド20から機能液9を液滴9aとして吐出して、印刷面92に着弾させる。
媒体載置台33を媒体走査機構によって媒体走査方向に移動させることによって、媒体載置台33に載置されたパッケージ体90を媒体走査方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。ヘッドユニット21をヘッド走査機構によってヘッド走査方向に移動させることによって、ヘッドユニット21が備える液滴吐出ヘッド20を、ヘッド走査方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。
印刷に際して、媒体載置台33又はヘッドユニット21を移動させて、液滴吐出ヘッド20とパッケージ体90とを、吐出開始位置に位置させる。次に、液滴吐出ヘッド20と媒体載置台33(パッケージ体90)とを、吐出走査方向に相対移動させるとともに、所定の相対位置関係になる時点で、液滴吐出ヘッド20から機能液9を液滴9aとして吐出して、印刷面92に着弾させる。媒体走査機構による移動と、ヘッド走査機構による移動とを、相対的に制御することにより、パッケージ体90上の任意の位置、すなわち半導体パッケージ91の印刷面92の任意の位置に液滴9aを着弾させることで、所望する描画などを行うことが可能である。
【0036】
ヘッドユニット21は、紫外線照射部25も備えている。ヘッドユニット21は2個の紫外線照射部25を備えており、2個の紫外線照射部25は、吐出走査方向において液滴吐出ヘッド20を挟む位置に、それぞれ1個ずつ配設されている。紫外線照射部25は、媒体載置台33に臨む位置で、パッケージ体90に紫外線を照射することができる。
液滴吐出ヘッド20からの液滴9aの吐出に略並行して、紫外線照射部25からパッケージ体90に向けて紫外線を照射することで、印刷面92に着弾した機能液9bを硬化させて、仮硬化した機能液9cにする。機能液9cは、パッケージ体90の姿勢が変わっても流動しない程度以上に硬化された、機能液9である。
【0037】
次に、図1(a)のステップS3では、機能液9cを本硬化させる。図1(d)に示すように、上述した表面改質処理と同様に、パッケージ体90を、本硬化装置の媒体保持装置に保持させる。媒体保持装置に保持されたパッケージ体90を、硬化光(紫外線)を射出する光源(紫外線ランプ)に対向させて、紫外線ランプから射出される紫外線を印刷面92上の機能液9cに照射することで、機能液9cを硬化させて、本硬化した機能液9dにする。機能液9dは、例えば硬化率90%以上に硬化された、機能液9である。
【0038】
<アマルガムランプ>
次に、アマルガムランプ51の構成について、図2を参照して説明する。図2は、アマルガムランプの主要な構成を示す説明図である。アマルガムランプ51は、低圧水銀ランプである。
図2に示すように、アマルガムランプ51は、ガラス管52の両端から電極ピン57が突出した略棒形状を有している。ガラス管52は、石英ガラスで形成された管であり、管の両端が封止されている。ガラス管52の内部には、アルゴンガスが封入されている。ガラス管52の内部の一方の端には、放電電極55aが配設されており、もう一方の端には放電電極55bが配設されている。放電電極55a及び放電電極55bは、両端がそれぞれ、電極ピン57と電気的に接続されている。ガラス管52の内壁には、水銀アマルガムが島状に配設されたアマルガムスポット53が形成されている。アマルガムスポット53は、ガラス管52におけるガラス管52の中央より放電電極55aが形成された端の側に寄った位置に形成されている。
【0039】
電極ピン57を介して電源に接続して、放電電極55a又は放電電極55bに電流を流すことによって、放電電極55a又は放電電極55bから電子が放出される。放出された電子は、反対側の放電電極55a又は放電電極55bに移動し、放電が始まる。放電によって流れる電子は、水銀電子に衝突する。水銀電子は電子に衝突されることで、紫外線を発生させる。なお、電源として交流電源を用いるため、放電電極55aと放電電極55bとは略同じ形状に形成されている。
アマルガムランプ51が、光源に相当する。ガラス管52が、光源管に相当する。アマルガムスポット53が、アマルガム合金体に相当する。ガラス管52の延在方向が、光源管の延在方向に相当する。
ガラス管52における放電電極55aが形成された側の端が、第2の端に相当する。ガラス管52における放電電極55bが形成された側の端が、第1の端に相当する。
【0040】
<前処理装置>
次に、前処理装置40について、図3を参照して説明する。図3は、前処理装置の構成を示す説明図である。図3(a)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略平行な断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図であり、図3(b)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略直交する断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図である。なお、図面を簡単にするために、図3(b)におけるアマルガムランプ51は、ガラス管52の外形のみを示してある。
図3に示すように、前処理装置40は、チャンバー61と、アマルガムランプ51と、ランプ保持装置77と、媒体保持装置75と、吸引ポンプ71と、温度調整装置73と、を備えている。
【0041】
チャンバー61は略直方体の箱形状のチャンバー本体60を備えている。チャンバー本体60は、床面を構成する床壁611と、床面に対向する天面を構成する天壁612と、床壁611と天壁612とを接続する4枚の側壁614と、を備えている。
チャンバー本体60の中に、ランプ保持装置77が配設されている。ランプ保持装置77を構成する保持枠77a及び保持枠77bが、チャンバー本体60の中で、床壁611に立設されている。保持枠77a及び保持枠77bは、電極ピン57が嵌合可能なソケットを備え、それぞれが備えるソケットが、互いに対向している。アマルガムランプ51は、電極ピン57が、保持枠77a及び保持枠77bに形成されたソケットに嵌合しており、保持枠77aと保持枠77bとの間に差し渡された状態で支持されている。前処理装置40は、7本のアマルガムランプ51を備えている。7本のアマルガムランプ51は、略鉛直方向に並んで、壁のようになっている。
【0042】
媒体保持装置75は、パッケージ体90を、略鉛直に立てた状態で保持する。パッケージ体90を立てた状態で保持することで、パッケージ体90を、鉛直方向に並んだ7本のアマルガムランプ51に臨ませることができる。前処理装置40は、媒体保持装置75を2個備えている。2個の媒体保持装置75を用いて、7本のアマルガムランプ51の壁の両側から、それぞれパッケージ体90をアマルガムランプ51に臨ませることができる。アマルガムランプ51から紫外線を射出することで、アマルガムランプ51に臨んだパッケージ体90(印刷面92)に紫外線を照射することによって、例えば、印刷面92を、画像を印刷するために用いる機能液9に対して親液性側に改質する。媒体保持装置75は、パッケージ体90を保持した状態で、側壁614に形成された媒体入出口(図示省略)から、チャンバー本体60の中に、入出可能である。
【0043】
チャンバー本体60は、流入口62a、流入口62b、流出口63a、流出口63b、導流体66a、導流体66b、導流路67a及び導流路67bを備えている。
流入口62a及び流入口62bは、床壁611に形成された開口である。流出口63a及び流出口63bは、天壁612に形成された開口である。
導流体66a及び導流体66bは、床壁611に立設された管である。導流路67a及び導流路67bは、管形状を有する導流体66a又は導流体66bの中空部分である。
導流路67aは流入口62aと連通しており、流入口62aと導流路67aとで、チャンバー本体60の外面から内面まで貫通している。同様に、導流路67bは流入口62bと連通しており、流入口62bと導流路67bとで、チャンバー本体60の外面から内面まで貫通している。導流路67a及び導流路67bは床壁611と一体形成されていてもよいし、別々に形成したものを接続したものでもよい。
【0044】
前処理装置40において、7本のアマルガムランプ51は、略鉛直方向に並んでいる。それぞれのアマルガムランプ51に形成されたアマルガムスポット53も、略鉛直方向に並んでいる。7個のアマルガムスポット53の並びを、アマルガムスポット列53Aと表記する。アマルガムスポット列53Aは、略鉛直に延在している。
それぞれのアマルガムランプ51に形成された放電電極55aや放電電極55bも、それぞれ略鉛直方向に並んでいる。7本のアマルガムランプ51のそれぞれに形成された放電電極55aや放電電極55bの並びを、放電電極列55Aと表記する。放電電極55aや放電電極55bの放電電極列55Aも、略鉛直に延在している。
【0045】
流入口62aは、鉛直方向に並んでいる7個のアマルガムスポット53の下方に開口しており、流出口63aは、鉛直方向に並んでいる7個のアマルガムスポット53の上方に開口している。言いかえると、流入口62a及び流出口63aは、アマルガムスポット列53Aの延長線が床壁611又は天壁612と交差する位置に開口している。
流入口62bは、鉛直方向に並んでいる7個の放電電極55bの下方に開口しており、流出口63bは、鉛直方向に並んでいる7個の放電電極55bの上方に開口している。言いかえると、流入口62b及び流出口63bは、放電電極列55Aの延長線が床壁611又は天壁612と交差する位置に開口している。
導流体66aは、鉛直方向に並んでいる7個のアマルガムスポット53の下方に位置している。導流体66aの上端は、1番下のアマルガムランプ51の直近に位置している。導流体66aの上端面に開口している導流路67aは、1番下のアマルガムランプ51の直近で、ガラス管52におけるアマルガムスポット53が形成された部分の外面に臨んで開口している。導流路67aは、アマルガムスポット列53Aの延長線が導流体66aの上端面と交差する点を含む位置において、導流体66aの上端面に開口している。
導流体66bは、鉛直方向に並んでいる7個の放電電極55bの下方に位置している。導流体66bの上端は、1番下のアマルガムランプ51の直近に位置している。導流体66bの上端に開口している導流路67bは、1番下のアマルガムランプ51の直近で、ガラス管52における放電電極55bが形成された部分の外面に臨んで開口している。導流路67bは、放電電極列55Aの延長線が導流体66bの上端面と交差する点を含む位置において、導流体66bの上端面に開口している。
流出口63aは、鉛直方向に並んでいる7個のアマルガムスポット53の上方に開口している。したがって、流出口63aは、アマルガムスポット列53Aの延長線が天壁612と交差する点を含む位置に開口している。
流出口63bは、鉛直方向に並んでいる7個の放電電極55bの上方に開口している。したがって、流出口63bは、放電電極55bの放電電極列55Aの延長線が天壁612と交差する点を含む位置に開口している。
【0046】
流出口63a及び流出口63bは、吸引ポンプ71に接続されている。吸引ポンプ71を稼働させることで、チャンバー本体60内の空気が、流出口63a又は流出口63bを通って、排出される。チャンバー本体60内には、流入口62a及び流入口62bから空気が流入して、流出口63aや流出口63bから排出された空気が補充される。チャンバー本体60内には、流入口62aから導流路67aを通って流出口63aにいたる空気の流れと、流入口62bから導流路67bを通って流出口63bにいたる空気の流れと、が形成される。
【0047】
導流路67aは、7個のアマルガムスポット53の下方に開口しており、流出口63aは、7個のアマルガムスポット53の上方に開口している。導流路67aの開口と流出口63aとは、アマルガムスポット列53Aの延在方向において、アマルガムスポット列53Aを挟んで配置されている。このため、導流路67aから流出口63aにいたる空気の流れはアマルガムスポット列53Aに沿って流れ、ガラス管52におけるアマルガムスポット53が位置する部分の外面は、導流路67aから流出口63aにいたる空気の流れの中に位置している。
導流路67bは、7個の放電電極55bの下方に開口しており、流出口63bは、7個の放電電極55bの上方に開口している。導流路67bの開口と流出口63bとは、放電電極列55Aの延在方向において、放電電極列55Aを挟んで配置されている。このため、導流路67bから流出口63bにいたる空気の流れは放電電極列55Aに沿って流れ、ガラス管52における放電電極55bが位置する部分の外面は、導流路67bから流出口63bにいたる空気の流れの中に位置している。
流入口62aが、第1気体流入口に相当する。流入口62bが、第2気体流入口に相当する。導流体66aが、第1導流体に相当する。導流体66bが、第2導流体に相当する。導流路67aが、第1導流路に相当する。導流路67bが、第2導流路に相当する。導流路67aの流入口62aに臨む開口が、第1開口に相当する。導流路67aのガラス管52に臨む開口が、第2開口に相当する。導流路67bの流入口62bに臨む開口が、第3開口に相当する。導流路67bのガラス管52に臨む開口が、第4開口に相当する。流出口63aが、第1気体流出口に相当する。流出口63bが、第2気体流出口に相当する。吸引ポンプ71が、吸引手段に相当する。
【0048】
温度調整装置73は、気体の温度を調整する装置であり、チャンバー本体60とは別に設けられている。温度調整装置73における、温度を調整した気体が放出される放出口73aは、流入口62a、及び流入口62bに臨んで開口している。放出口73aから放出される空気の大部分は、流入口62a、又は流入口62bからチャンバー本体60内に流入する。流入口62a及び流入口62bからチャンバー本体60内に流入する空気の大部分は、温度調整装置73によって温度が調整された空気である。
温度調整装置73が、気体温度調整部に相当する。前処理装置40が、照射装置に相当する。
【0049】
<他の前処理装置の例>
次に、上述した前処理装置40と一部の構成が異なる前処理装置140について、図4を参照して説明する。図4において、図3と同じ構成のものは図3と同じ符号を付し説明は省略する。図4は、前処理装置の構成を示す説明図である。図4(a)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略平行な断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図であり、図4(b)は、前処理装置の構成を、アマルガムランプの延在方向に略直交する断面におけるチャンバーの断面形状とともに示す説明図である。なお、図面を簡単にするために、図4(b)におけるアマルガムランプ51は、ガラス管52の外形のみを示してある。
図4の前処理装置140が図3の前処理装置40と異なる点は、チャンバー本体60が、整流体68aと整流体68bとをさらに備えている点である。
整流体68a及び整流体68bは、導流体66a又は導流体66bの上面に配設されている。整流体68a及び整流体68bは、導流路67a又は導流路67bの開口に略平行な断面における形状が略長方形であり、導流路67a又は導流路67bの開口を横断して2つに分ける状態で配設されている。
流出口63a及び流出口63bは、天壁612に形成された開口である。
【0050】
整流体68aは、導流体66aの上面に、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67aの開口を略2等分して、配設されている。整流体68aのアマルガムランプ51の延在方向と略直交する方向における幅は、アマルガムランプ51のガラス管52の直径より小さく設定されている。整流体68aの幅は、例えば、ガラス管52の直径の2/3程度である。
【0051】
整流体68bは、導流体66bの上面に、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67bの開口を略2等分して、配設されている。整流体68bのアマルガムランプ51の延在方向と略直交する方向における幅は、アマルガムランプ51のガラス管52の直径より小さく設定されている。整流体68bの幅は、例えば、ガラス管52の直径の2/3程度である。
【0052】
整流体68aが、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67aの開口を略2等分しているため、導流路67aから流出する空気は2分される。整流体68aに1番近い位置にあるアマルガムランプ51において、ガラス管52における整流体68aに臨む部分の、ガラス管52の径方向における中央付近は、空気の流れが整流体68aによって遮られる位置にある。このため、ガラス管52に当たる空気の量が整流体68aによって制限される。整流体68aによって2分されて流出口63aの方に流れる空気は、壁状に並ぶ7本のアマルガムランプ51によって形成された壁の両面に沿って流れる。当該空気の流れは、整流体68aの幅が、例えば、ガラス管52の直径の2/3程度であるため、7本のアマルガムランプ51によって形成された壁から離れることなく、空気の流れがガラス管52に当たる状態で流動する。
整流体68aが、第1整流体に相当する。
【0053】
整流体68bが、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67bの開口を略2等分しているため、導流路67bから流出する空気は2分される。整流体68bに1番近い位置にあるアマルガムランプ51において、ガラス管52における整流体68bに臨む部分の、ガラス管52の径方向における中央付近は、空気の流れが整流体68bによって遮られる位置にある。このため、ガラス管52に当たる空気の量が整流体68bによって制限される。整流体68bによって2分されて流出口63bの方に流れる空気は、壁状に並ぶ7本のアマルガムランプ51によって形成された壁の両面に沿って流れる。当該空気の流れは、整流体68bの幅が、例えば、ガラス管52の直径の2/3程度であるため、7本のアマルガムランプ51によって形成された壁から離れることなく、空気の流れがガラス管52に当たる状態で流動する。
整流体68bが、第2整流体に相当する。
【0054】
<他のアマルガムランプ例>
次に、上述したアマルガムランプ51とは外観形状が異なるアマルガムランプ151について、図5を参照して説明する。図5は、アマルガムランプの主要な構成を示す説明図である。
図5に示すように、アマルガムランプ151は、中央で曲げられたガラス管152を備えている。ガラス管152は、中央の円弧管部152bと、円弧管部152bの一端にそれぞれ接続された直線管部152a及び直線管部152cと、を備えている。円弧管部152bは、管の中心軸線が、中心角180度の円弧形状を有している。円弧管部152bのそれぞれの端から延在する直線管部152aと、直線管部152cとは、管の中心軸が、互いに略平行である。ガラス管152は、石英ガラスで形成された管であり、管の両端が封止されている。ガラス管152の内部には、アルゴンガスが封入されている。直線管部152aの内部の端には、放電電極155aが配設されており、直線管部152cの内部の端には放電電極155bが配設されている。放電電極155a及び放電電極155bは、両端がそれぞれ、電極ピン157と電気的に接続されている。直線管部152aの内壁には、水銀アマルガムが島状に配設されたアマルガムスポット153が形成されている。
【0055】
電極ピン157を介して電源に接続して、放電電極155a又は放電電極55bに電流を流すことによって、放電電極155a又は放電電極155bから電子が放出される。放出された電子は、反対側の放電電極155a又は放電電極155bに移動し、放電が始まる。放電によって流れる電子は、水銀電子に衝突する。水銀電子は電子に衝突されることで、紫外線を発生させる。なお、電源として交流電源を用いるため、放電電極155aと放電電極155bとは略同じ形状に形成されている。
アマルガムランプ151が、光源に相当する。ガラス管152が、光源管に相当する。アマルガムスポット153が、アマルガム合金体に相当する。直線管部152a及び直線管部152cの延在方向が、光源管の延在方向に相当する。
【0056】
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)前処理装置40は、導流路67aを備える導流体66aを備えている。導流路67aは、一端が、アマルガムランプ51の直近で、ガラス管52におけるアマルガムスポット53が形成された部分の外面に臨んで開口しており、もう一端が、流入口62aと連通しており、流入口62aと導流路67aとで、チャンバー本体60の外面から内面まで貫通している。これにより、流入口62aを介してチャンバー本体60の外部から流入する空気を、ガラス管52におけるアマルガムスポット53が形成された部分の外面近くに導くことができる。
【0057】
(2)前処理装置40において、導流路67aは、7個のアマルガムスポット53の下方に開口しており、流出口63aは、7個のアマルガムスポット53の上方に開口している。導流路67aの開口と流出口63aとは、アマルガムスポット列53Aの延在方向において、アマルガムスポット列53Aを挟んで配置されている。このため、導流路67aから流出口63aにいたる空気の流れはアマルガムスポット列53Aに沿って流れ、ガラス管52におけるアマルガムスポット53が位置する部分の外面は、導流路67aから流出口63aにいたる空気の流れの中に位置している。これにより、導流路67aから流出口63aに流れる空気をガラス管52におけるアマルガムスポット53が位置する部分の外面に当てて、アマルガムスポット53の温度を調節することができる。例えば、アマルガムランプ51が発光することによってアマルガムスポット53の温度が上昇することを、効率よく抑制することができる。アマルガムスポット53の温度が上昇することを抑制することで、アマルガムスポット53の温度が上昇しすぎることに起因してアマルガムランプ51の発光効率が低下することを、抑制することができる。
【0058】
(3)前処理装置40は、導流路67bを備える導流体66bを備えている。導流路67bは、一端が、アマルガムランプ51の直近で、ガラス管52における放電電極55bが形成された部分の外面に臨んで開口しており、もう一端が、流入口62bと連通しており、流入口62bと導流路67bとで、チャンバー本体60の外面から内面まで貫通している。これにより、流入口62bを介してチャンバー本体60の外部から流入する空気を、ガラス管52における放電電極55bが形成された部分の外面近くに導くことができる。
【0059】
(4)前処理装置40において、導流路67bは、7個の放電電極55bの下方に開口しており、流出口63bは、7個の放電電極55bの上方に開口している。導流路67bの開口と流出口63bとは、放電電極列55Aの延在方向において、放電電極列55Aを挟んで配置されている。このため、導流路67bから流出口63bにいたる空気の流れは放電電極列55Aに沿って流れ、ガラス管52における放電電極55bが位置する部分の外面は、導流路67bから流出口63bにいたる空気の流れの中に位置している。流入口62bは、7個の放電電極55bの下方に開口しており、流出口63bは、7個の放電電極55bの上方に開口している。このため、ガラス管52における放電電極55bが位置する部分の外面は、導流路67bから流出口63bにいたる空気の流れの中に位置している。これにより、導流路67bから流出口63bに流れる空気をガラス管52における放電電極55bが位置する部分の外面に当てて、放電電極55bの温度を調節することができる。例えば、アマルガムランプ51が発光することによって放電電極55bの温度が上昇することを、効率よく抑制することができる。放電電極55bの温度が上昇することを抑制することで、放電電極55bの温度が上昇しすぎることに起因してアマルガムランプ51の寿命が低下することを、抑制することができる。
【0060】
(5)前処理装置140は、整流体68aを備えている。整流体68aが、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67aの開口を略2等分しているため、導流路67aから流出する空気は2分される。整流体68aに1番近い位置にあるアマルガムランプ51においては、空気の流れが整流体68aによって遮られ、ガラス管52に当たる空気の量が制限される。整流体68aによって2分されて流出口63aの方に流れる空気は、壁状に並ぶ7本のアマルガムランプ51によって形成された壁の両面に沿って流れる。これにより、7本のアマルガムランプ51のそれぞれにあたる空気の量が、アマルガムランプ51ごとにばらつくことを抑制することができる。
【0061】
(6)前処理装置140は、整流体68bを備えている。整流体68bが、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67bの開口を略2等分しているため、導流路67bから流出する空気は2分される。整流体68bに1番近い位置にあるアマルガムランプ51においては、空気の流れが整流体68bによって遮られ、ガラス管52に当たる空気の量が制限される。整流体68bによって2分されて流出口63bの方に流れる空気は、壁状に並ぶ7本のアマルガムランプ51によって形成された壁の両面に沿って流れる。これにより、7本のアマルガムランプ51のそれぞれにあたる空気の量が、アマルガムランプ51ごとにばらつくことを抑制することができる。
【0062】
(7)前処理装置140は、整流体68aを備えている。整流体68aが、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67aの開口を略2等分しているため、導流路67aから流出する空気は2分される。整流体68aの幅は、ガラス管52の直径の2/3程度である。これにより、整流体68aによって2分された空気を、7本のアマルガムランプ51によって形成された壁から離れることなく、空気の流れがガラス管52に当たる状態で流動させることができる。
【0063】
(8)前処理装置140は、整流体68bを備えている。整流体68bが、アマルガムランプ51の延在方向と略平行に延在して、導流路67bの開口を略2等分しているため、導流路67bから流出する空気は2分される。整流体68bの幅は、ガラス管52の直径の2/3程度である。これにより、整流体68bによって2分された空気を、7本のアマルガムランプ51によって形成された壁から離れることなく、空気の流れがガラス管52に当たる状態で流動させることができる。
【0064】
(9)前処理装置40、及び前処理装置140は、温度調整装置73を備えており、流入口62aや流入口62bなどからチャンバー本体60などに流入する空気の大部分は、温度調整装置73によって温度が調整された空気である。温度調整装置73によってチャンバー本体60などに流入する空気の温度を調整することで、アマルガムスポット53やアマルガムスポット153や放電電極55bや放電電極155aや放電電極155bの温度を、適切な温度に調整し易くすることができる。
【0065】
(10)前処理装置40及び前処理装置140では、アマルガムランプ51のガラス管52におけるアマルガムスポット53が位置する部分の外面が、導流路67aなどから流出口63aなどにいたる空気の流れの中に位置している。アマルガムランプ51において、アマルガムスポット53は、放電電極55aの近くに形成されている。この構成により、導流路67aなどから流出口63aなどにいたる空気の一部は、ガラス管52における放電電極55aが位置する部分の外面に当たる。これにより、導流路67aを備える導流体66aなど及び流出口63aなどを設けることによって、放電電極55aの温度も調整することができる。放電電極55aの温度を調整するための導流路67aを備える導流体66aなど及び流出口63aなどを別途設ける構成にくらべて、チャンバー本体60の構成を簡単にすることができる。
【0066】
(11)前処理装置40及び前処理装置140において、流出口63a及び流出口63bは、天壁612に形成された開口である。導流路67aを備える導流体66aは、床壁611に形成されている。導流路67bを備える導流体66bは、床壁611に形成されている。導流路67aや導流路67bなどから流入し、アマルガムスポット53や放電電極55bを冷却したことによって温度が上昇した空気は、上昇し易いため、上方に開口した流出口63aなどの方に導かれ易くなる。これにより、導流路67aなどから流入した空気を、流出口63aなどから流出し易くすることができる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0068】
(変形例1)前記実施形態においては、照射装置としての前処理装置40は、例えば、印刷面92を、画像を印刷するために用いる機能液9に対して親液性側に改質する装置であった。しかし、前記実施形態に示したような照射装置の用途は、前処理や、対象面の改質に限らない。前記実施形態に示したような照射装置は、対象面の異物を除去する洗浄装置としてや、対象面を殺菌する殺菌装置としてや、光硬化型の機能液を硬化させるための硬化光を照射する硬化装置として用いることもできる。
【0069】
(変形例2)前記実施形態においては、照射装置としての前処理装置40のチャンバー本体60は、放電電極55bの温度を調整するための導流路67bを備える導流体66b、及び流出口63bを備えていた。しかし、第2気体流入口及び第2気体流出口と、第2気体流入口からチャンバー本体内に流入する気体を、光源管における放電電極が配設された部分の外面に当たる方向に導く第2導流体とを、チャンバー本体に設けることは必須ではない。照射装置は、チャンバー本体が第1気体流入口と第1気体流出口と第1導流体とを備え、第2気体流入口、第2気体流出口、及び第2導流体を備えない構成であってもよい。
【0070】
(変形例3)前記実施形態においては、照射装置としての前処理装置40のチャンバー本体60は、放電電極55bの温度を調整するための導流路67bを備える導流体66b、及び流出口63bを、1組備えていた。しかし、チャンバー本体が備える第2気体流入口と第2気体流出口と第2導流体との組が1組であることは必須ではない。放電電極55aの放電電極列55A、及び放電電極55bの放電電極列55Aを備える前処理装置40のように、複数の放電電極が、互いに離れた位置に配設されている照射装置においては、第2気体流入口と第2気体流出口と第2導流体との組を、複数組設ける構成であってもよい。
【0071】
(変形例4)前記実施形態においては、前処理装置40は、光源としてのアマルガムランプ51を7本備えていた。しかし、照射装置が備える光源の数は、7本に限らない。照射装置が備える光源の数は、何個であってもよい。
【0072】
(変形例5)前記実施形態においては、アマルガムスポット列53A、放電電極列55Aの延在方向は、鉛直方向であった。しかし、複数のアマルガム合金体や、放電電極の複数の組を備える照射装置において、アマルガム合金体や放電電極の並び方向が鉛直方向であることは必須ではない。照射装置において、複数のアマルガム合金体や放電電極の並び方向は、水平方向であってもよいし、鉛直方向や水平方向に対して傾いた方向であってもよい。
【0073】
(変形例6)前記実施形態においては、照射装置としての前処理装置40のチャンバー本体60は、第1気体流入口としての流入口62aと、第1導流体としての導流体66aと、第1気体流出口としての流出口63aとの組を1組備えていた。しかし、照射装置のチャンバー本体が備える第1気体流入口や第1気体流出口や第1導流体は、1個に限らない。多数の光源を備え、光源管におけるアマルガム合金体が配設された部分の外面が、互いに離れた位置に配設されているような照射装置においては、チャンバー本体が、複数の第1気体流入口や第1気体流出口や第1導流体を備える構成であってもよい。
【0074】
(変形例7)前記実施形態においては、照射装置としての前処理装置40のチャンバー本体60は、導流体としての導流体66aを1個に対して、気体流出口としての流出口63aを1個備えていた。しかし、導流体と、気体流出口とが、1対1の組になるように構成することは必須ではない。1個の導流体又は気体流出口に対して、複数の気体流出口又は導流体が組になるように構成してもよい。
【0075】
(変形例8)前記実施形態においては、前処理装置40は、1個の吸引ポンプ71を備えており、1個の吸引ポンプ71で、流出口63a及び流出口63bなど、複数の流出口から、チャンバー本体60の内部の空気を吸引していた。しかし、照射装置が備える吸引手段は1個に限らない。照射装置は、複数の吸引手段を備えてもよい。第1気体流出口や第2気体流出口ごとに、それぞれ吸引手段を設ける構成であってもよい。第1気体流出口や第2気体流出口ごとに、それぞれ吸引手段を設けることで、対応するアマルガム合金体や放電電極ごとに個別に温度調整を実施し易くすることができる。
【0076】
(変形例9)前記実施形態においては、前処理装置40は、温度調整装置73を備えていたが、照射装置が気体温度調整部を備えることは必須ではない。チャンバー本体に流入する気体の温度は特に調整しない構成であってもよい。
【0077】
(変形例10)前記実施形態においては、前処理装置40は、1個の温度調整装置73を備えており、1個の温度調整装置73で、流入口62a及び流入口62bなど、複数の流入口から、チャンバー本体60の内部に流入する空気の温度を一律に調整していた。しかし、照射装置が備える気体温度調整部は1個に限らない。照射装置は、複数の気体温度調整部を備えてもよい。第1気体流入口や第2気体流入口ごとに、それぞれ気体温度調整部を設ける構成であってもよい。第1気体流入口や第2気体流入口ごとに、それぞれ気体温度調整部を設けることで、対応するアマルガム合金体や放電電極ごとに個別に、流動させる気体の温度を変えてもよい。
【0078】
(変形例11)前記実施形態における前処理装置40及び前処理装置140を90度回転した構成としてもよい。すなわち、前処理装置40及び前処理装置140における床壁611及び天壁612を側壁とし、前処理装置40及び前処理装置140における側壁614のうちいずれか一つを床壁とし、これに対向する側壁614を天壁となるように前処理装置40及び前処理装置140を回転させた構成としてもよい。
【0079】
(変形例12)前記実施形態における前処理装置40及び前処理装置140で用いられたアマルガムランプ51に変えて、<他のアマルガムランプ例>で説明したアマルガムランプ151を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…液滴吐出装置、9…機能液、9a…液滴、9b,9c,9d…機能液、20…液滴吐出ヘッド、25…紫外線照射部、33…媒体載置台、40…前処理装置、51…アマルガムランプ、52…ガラス管、53…アマルガムスポット、53A…アマルガムスポット列、55A…放電電極列、55a…放電電極、55b…放電電極、57…電極ピン、60…チャンバー本体、61…チャンバー、62a,62b…流入口、63a,63b…流出口、66a,66b…導流体、67a,67b…導流路、71…吸引ポンプ、73…温度調整装置、73a…放出口、75…媒体保持装置、77…ランプ保持装置、90…パッケージ体、91…半導体パッケージ、92…印刷面、140…前処理装置、151…アマルガムランプ、152…ガラス管、153…アマルガムスポット、155a…放電電極、155b…放電電極、157…電極ピン、62a,62b…流入口、66a,66b…導流体、67a,67b…導流路、68a,68b…整流体、611…床壁、612…天壁、614…側壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源管の内面の一部分に配置されたアマルガム合金体を備える光源と、
前記光源が内部に配置されているチャンバーと、
を備え、
前記チャンバーは、
チャンバー本体と、
前記チャンバー本体に形成された第1気体流入口及び第1気体流出口と、
前記第1気体流入口から前記チャンバー本体内に流入する気体を、前記光源管における前記アマルガム合金体が配設された部分の外面に当たる方向に導く第1導流体と、
を備えることを特徴とする照射装置。
【請求項2】
前記第1導流体は、一端が前記第1気体流入口に臨んで開口する第1開口と、他の一端が前記光源管における前記アマルガム合金体が配設された部分の外面に臨んで開口する第2開口とを有する第1導流路を備えることを特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記第1導流体と前記第1気体流出口とは、前記光源管の延在方向に交差する方向において、前記第2開口と前記第1気体流出口との間に前記アマルガム合金体を挟む位置に配設されていることを特徴とする、請求項2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記第1導流路と前記光源管との間に、前記第1導流路を流れた気体が前記光源管に当たることを制限する第1整流体を設けたことを特徴とする、請求項2又は3に記載の照射装置。
【請求項5】
前記第1整流体の、前記第1導流体から前記光源管に流れる気流の方向に略直交する方向であるとともに、前記光源管の延在方向に略直交する方向である方向における幅が、前記光源管の外径より小さいことを特徴とする、請求項4に記載の照射装置。
【請求項6】
前記光源は、放電電極を備えており、
前記チャンバーは、
前記チャンバー本体に形成された第2気体流入口及び第2気体流出口と、
前記第2気体流入口から前記チャンバー本体内に流入する気体を、前記光源管における前記放電電極が配設された部分の外面に当たる方向に導く第2導流体と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項7】
前記第2導流体は、一端が前記第2気体流入口に臨んで開口する第3開口と、他の一端が前記光源管における前記放電電極が配設された部分の外面に臨んで開口する第4開口とを有する第2導流路を備えることを特徴とする、請求項6に記載の照射装置。
【請求項8】
前記第2導流体と前記第2気体流出口とは、前記光源管の延在方向に交差する方向において、前記第4開口と前記第2気体流出口との間に前記放電電極を挟む位置に配設されていることを特徴とする、請求項7に記載の照射装置。
【請求項9】
前記第2導流体と前記光源管との間に、前記第2導流路を流れた気体が前記光源管に当たることを制限する第2整流体を設けたことを特徴とする、請求項7又は8に記載の照射装置。
【請求項10】
前記第2整流体の、前記第2導流体から前記光源管に流れる気流の方向に略直交する方向であるとともに、前記光源管の延在方向に略直交する方向である方向における幅が、前記光源管の外径より小さいことを特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【請求項11】
前記第1気体流入口及び前記第2気体流入口の少なくとも一方から前記チャンバー本体に供給される気体の温度を調整可能な気体温度調整部をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
前記第1気体流出口及び前記第2気体流出口の少なくとも一方を介して前記チャンバー本体内の気体を吸引可能な吸引手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−103183(P2013−103183A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249410(P2011−249410)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】