照明装置、画像表示装置および電子機器
【課題】照明装置において、装置サイズを大きくすることなく、照らす対象物へ入射する光量を正確に検出する。
【解決手段】透明な封止基板214と、封止基板214に対向する透明な照明基板210と、封止基板214と照明基板210との間に設けられ、照明基板210へ向けて発光する発光素子211と、封止基板214と照明基板210との間に設けられ、照明基板210に直交する方向において発光素子211と重なり、照明基板210から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力するフォトダイオード212と、発光素子211とフォトダイオード212との間に設けられ、発光素子211を覆い、発光素子211からフォトダイオード212に向けて入射する光を遮光する遮光層213とを備えた照明装置を提供する。
【解決手段】透明な封止基板214と、封止基板214に対向する透明な照明基板210と、封止基板214と照明基板210との間に設けられ、照明基板210へ向けて発光する発光素子211と、封止基板214と照明基板210との間に設けられ、照明基板210に直交する方向において発光素子211と重なり、照明基板210から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力するフォトダイオード212と、発光素子211とフォトダイオード212との間に設けられ、発光素子211を覆い、発光素子211からフォトダイオード212に向けて入射する光を遮光する遮光層213とを備えた照明装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、画像表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、外光を反射して画像を表示する反射型の液晶表示装置と、この装置を前面(表示面)から照らすフロントライトとを備えた画像表示装置が記載されている。この画像表示装置には、十分な量の外光が液晶表示装置に入射しない場合でも表示品質が低下しないという利点がある。この画像表示装置のフロントライトは、光源として有機EL(Electro Luminescent)素子を備える。有機EL素子は、液晶表示装置の表示面を漏れなく照らすように、例えば格子状に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3797007号公報(図5)
【特許文献2】特開2006−154402号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2には記載されていないが、フロントライト付きの反射型表示装置では、表示面に入射する光量に基づいてフロントライトの明るさ(発光量)を調整するのが望ましい。例えば、省電力の観点では、表示面に入射する外光の光量が十分に多ければフロントライトをオフにするのが望ましい。また例えば、表示面に入射する光量が減ればフロントライトの発光量が増え、表示面に入射する光量が増えればフロントライトの発光量が減るようにすれば、表示品質を低下させることなく消費電力を低減することができる。
【0005】
上記の調整を可能とする方法としては、反射型表示装置の外部に、表示面へ向かう外光の光量を検出する光センサーを設け、この光センサーの検出結果に基づいてフロントライトの発光量を調整する方法が考えられる。しかし、この方法では、光センサーが反射型表示装置の外部に位置するから、画像表示装置のサイズが大きくなってしまうとともに、光センサーに入射する光に占める表示面へ向かう光の割合が小さくなってしまう。後者は、表示面に入射する光量の正確な検出を困難とする一因となる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、装置サイズを大きくすることなく、入射光量の正確な検出を可能とする照明装置、画像表示装置および電子機器を提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、透明な第1基板と、前記第1基板に対向する透明な第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第2基板へ向けて発光する発光素子と、前記第1基板と前記発光素子との間に設けられ、前記第2基板に直交する方向において前記発光素子と重なり、前記第1基板から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する光検出素子と、前記発光素子と前記光検出素子との間に設けられ、前記方向において前記発光素子を覆い、前記発光素子から前記光検出素子に向けて入射する光を遮光する遮光層と、を備えた照明装置を提供する。
この照明装置で対象物を照らす場合、第2基板側に照らす物(対象物)を配置することになる。光検出素子には、第1基板を透過して対象物へ向かう外光の一部が入射する。発光素子の発光のうち対象物により反射されて光検出素子へ向かう光は、第2基板を透過するが、遮光層で遮られる。
この照明装置によれば、光検出素子が発光素子とともに第1基板と第2基板との間に設けられるから、装置サイズを大きくせずに済むとともに、光検出素子と発光素子とを互いに近接して配置することができる。通常、対象物は発光素子の近くに配置されるから、光検出素子を発光素子に近接して設けることにより、対象物に入射する外光と同様の光量の外光が光検出素子に入射することになる。また、この照明装置によれば、遮光層が第2基板から光検出素子に向けて入射する光を遮光する。よって、この照明装置によれば、入射光量の正確な検出が可能となる。また、この照明装置によれば、第2基板に直交する方向において発光素子と光検出素子とが重なるから、光透過率の高い領域を広く確保することができる。
【0008】
この照明装置において、前記発光素子、前記光検出素子および前記遮光層は、前記第2基板の上に形成され、前記遮光層は、前記発光素子と前記光検出素子とを電気的に絶縁する、ようにしてもよい。この照明装置によれば、発光素子や光検出素子を形成する技術で遮光層をも形成可能であるから、薄型化と製造工程の簡素化とを達成可能である。
【0009】
この照明装置において、前記発光素子は陽極と陰極とを備え、前記光検出素子は陽極と陰極とを備え、前記第2基板の上に形成され、前記発光素子の陽極、前記発光素子の陰極、前記光検出素子の陽極および前記光検出素子の陰極のうちの少なくとも二つにそれぞれ接する複数の配線を備え、前記複数の配線は同一の材料で形成される、ようにしてもよい。この照明装置によれば、製造工程をさらに簡素化することができる。さらに配線を透明とし、光透過率の高い領域をより広く確保するようにしてもよい。また、上記の各照明装置において、前記遮光層の前記発光素子と対向する面に前記発光素子からの光を反射する反射材を用いるようにしてもよい。この照明装置によれば、発光素子の発光の多くを第2基板へ向かわせることができる。
【0010】
上記の各照明装置において、前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、前記複数のフォトダイオードは直列に接続され、前記検出信号は電圧として与えられ、直列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電圧の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力するようにしてもよいし、前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、前記複数のフォトダイオードは並列に接続され、前記検出信号は電流として与えられ、並列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電流の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力するようにしてもよいし、複数の第1検出線と、複数の第2検出線とを備え、前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、前記複数のフォトダイオードは、前記複数の第1検出線と前記複数の第2検出線の交差に対応して各々配置される、ようにしてもよい。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、上記の各照明装置と、当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを備えたことを特徴とする画像表示装置を提供する。この画像表示装置において、前記表示装置を反射型液晶装置としてもよいし、前記照明装置の前記光検出素子によって検出された前記検出信号に基づいて、前記発光素子の発光量を調整する調整手段を備えるようにしてもよいし、両者を組み合わせてもよい。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、上記の第1検出線と第2検出線とを備える照明装置と、前記複数の第1検出線を順次選択する第1選択回路と、前記複数の第2検出線を順次選択する第2選択回路と、前記第1選択回路によって選択された第1検出線と、前記第2選択回路によって選択された第2検出線との交差に対応した前記フォトダイオードから出力される前記検出信号に基づいて、前記照明装置の前記第1基板に物体が触れた位置を特定する特定手段と、当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを、備えた画像表示装置を提供する。
【0013】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、上記の第1検出線と第2検出線とを備える照明装置を有する各画像表示装置を備えた電子機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置1の構成を示す図である。
【図2】図1のA−A´断面図である。
【図3】画像表示装置1のフロントライト106の一部の構造を示す断面図である。
【図4】画像表示装置1における配線パターンを示す平面図である。
【図5】発光素子211およびフォトダイオード212の電気的な接続関係を示す回路図である。
【図6】第1実施形態の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。
【図7】第1実施形態の別の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る画像表示装置7の構成を示す図である。
【図9】画像表示装置7の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】本発明に係る電子機器の具体例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る電子機器の別の具体例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る電子機器のさらに別の具体例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。ただし、各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に相違している。また、本発明は、以下に述べる各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を変形して得られる各種の変形例や、各実施形態またはその変形例を応用して得られる形態をも技術的範囲に含みうる。なお、各図において共通する部分には同一の符号が付されている。
【0016】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る画像表示装置1の構成を示す図であり、そのA−A´断面図が図2である。これらの図に示すように、画像表示装置1は、マトリクス状に配置された複数の液晶素子LCを有する反射型液晶パネル101を備える。各液晶素子LCは、液晶と当該液晶に電圧を印加する二つの電極とを有し、液晶の光透過率を制御して階調を表示するものであり、反射型液晶パネル101は、その前面(表示面FS)内に、これらの階調で表される画像を表示する表示領域102を有する。また反射型液晶パネル101は、図示を略すが、行方向に延在する複数の走査線と、列方向に延在する複数のデータ線とを備える。液晶素子LCは、走査線とデータ線との各交差に対応する位置に一つずつ設けられている。
【0017】
また画像表示装置1は、総ての走査線を駆動する走査線駆動回路103と、総てのデータ線を駆動するデータ線駆動回路104と、両回路を制御する制御回路105とを備える。制御回路105による両回路の制御は、クロック信号を含む制御信号C1を走査線駆動回路103へ供給し、表示すべき画像に応じたデータ信号を含む制御信号C2をデータ線駆動回路104へ供給することにより行われる。走査線駆動回路103は、制御信号C1に基づいて走査線を一つずつ巡回的に選択し、データ線駆動回路104は、制御信号C2に基づいて、選択中の走査線に対応する1行分の液晶素子LCの各々に、液晶の光透過率を設定するための信号を、対応するデータ線経由で供給する。この走査により、表示すべき画像が表示領域102に表示される。
【0018】
以上の説明から明らかなように、反射型液晶パネル101、走査線駆動回路103、データ線駆動回路104および制御回路105は、光反射率を制御して画像を表示する反射型表示装置を構成している。なお、走査線駆動回路103、データ線駆動回路104および制御回路105の少なくとも一つを、反射型液晶パネル101と一体化させてもよい。
【0019】
また画像表示装置1は、反射型液晶パネル101の表示面FSに接着されたフロントライト106を有する。フロントライト106は、供給される電源信号C4に応じた光量(輝度)で発光する複数の発光素子211を有し、表示領域102の全域を照らす。また、フロントライト106は、入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する複数のフォトダイオード212を有し、総てのフォトダイオード212の検出信号を合成した光量信号DAを制御回路105へ供給する。
【0020】
また画像表示装置1は調光回路107を備える。制御回路105は、フロントライト106の光検出素子からの光量信号DAに基づいて、総ての発光素子211の発光量を制御するための制御信号C3を生成し、調光回路107へ供給し、調光回路107は、制御信号C3に基づいて、総ての発光素子211の発光量を一律に調整する。調光回路107には電源が供給されており、調光回路107は、この電源を用いて、制御信号C3に応じた電位の電源信号C4を生成し、各発光素子211へ供給する。この調光により、発光素子211の発光量はフォトダイオード212に入射する光量に応じた量となる。
【0021】
以上の説明から明らかなように、制御回路105および調光回路107は、発光素子211の発光量を調整する調整手段を構成している。また、フロントライト106、制御回路105および調光回路107は、表示領域102の全域を照らす照明装置を構成している。なお、制御回路105および調光回路107の一方または両方を、フロントライト106と一体化させてもよい。
【0022】
図2は、図1のA−A´断面図である。この図に示すように、表示領域102に重なる領域では、反射型液晶パネル101上にフロントライト106が重なっている。反射型液晶パネル101は、表示基板201と、表示基板201上に形成された複数のTFT(薄膜トランジスタ)202と、TFT202を覆って表示基板201上に形成された絶縁層203と、その上に形成された光反射性の複数の画素電極204とを有する。画素電極204は、絶縁層203に形成されたコンタクトホールを介して、対応するTFT202と電気的に接続されている。
【0023】
また反射型液晶パネル101は、画素電極204を覆うように絶縁層203上に形成された液晶205と、液晶205上に形成された共通電極206と、共通電極206上に設けられた対向基板207と、対向基板207上に形成された偏光板208と、偏光板208上に形成された接着層209とを有する。一つの画素電極204と、この画素電極204に重なる共通電極206と、両電極間に挟持された液晶205とは、一つの液晶素子LCを構成しており、液晶205の光透過率は、両電極間の電位差に応じて変化する。
【0024】
フロントライト106は、接着層209上に設けられた透明な照明基板(第2基板)210と、照明基板210上に形成された複数の発光素子211と、照明基板210上に複数の発光素子211を覆うように各々形成された複数の遮光層213と、複数の遮光層213上に各々形成された複数のフォトダイオード212と、外気や水分等から発光素子211およびフォトダイオード212を保護するために照明基板210と対向して設けられた透明な封止基板(第1基板)214とを有する。照明基板210および封止基板214は、例えばガラスで形成されている。
【0025】
換言すると、各発光素子211は、対応する遮光層213と照明基板210との間に設けられ、各フォトダイオード212は、対応する遮光層213と封止基板214との間に設けられている。同一の遮光層213に対応する発光素子211およびフォトダイオード212は、照明基板210に直交する方向(図2の上下方向)において互いに重なっている。また、遮光層213は、この方向において、対応する発光素子211の全部と、対応するフォトダイオード212の全部とに重なっている。つまり、遮光層213は、この方向において、対応する発光素子211およびフォトダイオード212を覆っている。
【0026】
遮光層213は、対応する発光素子211から対応するフォトダイオード212へ向かう光の遮断と、照明基板210から対応するフォトダイオード212へ向かう光(反射光)の遮断と、対応する発光素子211と対応するフォトダイオード212との絶縁を目的として設けられ、対応する発光素子211と対応するフォトダイオード212との間に介在する。したがって、発光素子211は照明基板210へ向けて発光することになり、フォトダイオード212に入射する光の大部分は封止基板214を透過した外光となる。つまり、フォトダイオード212に入射する外光の光量は、フォトダイオード212の近傍の液晶素子LCへ入射する外光の光量と同様となり、フォトダイオード212の検出信号は、近傍の液晶素子LCへ入射する外光の光量に応じた信号となる。よって、フォトダイオード212は、封止基板214から入射する光の光量に応じた大きさの検出信号を出力することになる。
【0027】
遮光層213としては、封止基板214から入射した外光を反射しないものが好ましい。遮光層213は、この事情と上記の目的とに応じた材料で形成される。例えば、光反射率の低い金属(例えばクロムや酸化クロム)で形成された金属膜と、窒化シリコン膜やシリコン酸窒化膜などの窒化膜との積層膜を遮光層213としてもよいし、光透過率の低い特定の樹脂材料で遮光層213を形成してもよい。
【0028】
なお、発光素子211の発光には、各液晶素子LCへ向かう光が含まれており、これらの光は、照明基板210を透過し、各液晶素子LCへ入射する。また、液晶素子LCには、封止基板214から当該液晶素子LCへ向かう外光が入射する。液晶素子LC(画素電極204)の反射光には、この外光の反射光と、各発光素子211から発して当該液晶素子LCへ入射した光の反射光とが含まれる。
【0029】
図3は、フロントライト106の一部の構造を示す断面図である。この図には、一対の発光素子211および光検出素子212を含む部分の構造が示されている。発光素子211は、有機EL素子であり、照明基板210上に形成された透明な陽極301と、その上に形成された発光機能層501と、その上に形成された陰極307とを有する。陽極301はITOで形成されており、陽極配線401に含まれている。一方、陰極307は例えばアルミニウムで形成されている。照明基板210上には、発光素子211の陰極307に接する透明な陰極配線402が形成されている。陰極配線402はITOで形成されている。なお、陽極301には、調光回路107から陽極配線(図示略)を通じて電源信号C4が供給される。
【0030】
発光機能層501は、陽極301上に形成された正孔注入層302と、その上に形成された正孔輸送層303と、その上に形成された発光層304と、その上に形成された電子輸送層305と、その上に形成された電子注入層306とを含む。正孔注入層302は例えば銅フタロシアニンで、正孔輸送層303は例えばNPDで、発光層304は例えば低分子白色発光材料で、電子輸送層305は例えばアルミキノリノール錯体(tris(8-hydroxyquinoline)aluminum)で、電子注入層306は例えばフッ化リチウムで形成されている。なお、本実施形態を変形し、発光機能層501から、正孔注入層302、正孔輸送層303、電子輸送層305および電子注入層306のうち、少なくとも一つの層を削除してもよい。
【0031】
フォトダイオード212は、有機フォトダイオードであり、照明基板210上に形成された遮光層213の上に形成された陰極312と、その上に形成された半導体層506と、その上に透明な陽極308とを有する。陰極312は例えばアルミニウムまたは金で、陽極308はITOで形成されている。陰極312には照明基板210上に形成された透明な陰極配線404が接しており、陽極308には照明基板210上に形成された透明な陽極配線403が接している。陰極配線404および陽極配線403はITOで形成されており、陽極301および配線402〜404の膜厚は共通である。半導体層506は、陰極312上に形成されたN型半導体層310と、その上に形成されたP型半導体層309とを含む。N型半導体層310はPTCDI(3,4,9,10-perylene-tetracarboxylic-diimide)で、P型半導体層309は銅フタロシアニンまたはルブレンで形成されている。
【0032】
ここで、照明基板210上に、発光素子211と絶縁遮光層213とフォトダイオード212との積層物を形成する工程の一例について説明する。この例では、まず、蒸着により、照明基板210上に陽極301および配線402〜404を一斉に形成する。次に、照明基板210上に、陽極301の上面の中央部分を底とした凹部を画定するバンク507を形成する。次に、凹部内に発光機能層501を形成する。次に、照明基板210上に、発光機能層501を覆い、バンク507の第1壁部B1を乗り越え、陰極配線402に接するまで延在する陰極307を形成する。
【0033】
次に、照明基板210上に、発光機能層501、バンク507および陰極307を覆う絶縁遮光層213を形成する。これにより、絶縁遮光層213の上面の一部のみが凹部の底となる。次に、照明基板210上に、凹部の底を覆い、バンク507の第2壁部B2を乗り越え、陰極配線404に接するまで延在する陰極312を形成する。これにより、陰極312の上面の一部のみが凹部の底となる。なお、第1壁部B1と第2壁部B2は別々の部分であり、両部に共通する部分は存在しない。
【0034】
次に、照明基板210上に、凹部の底を覆い、バンク507の第2部分B2を乗り越え、照明基板210に接するまで延在する半導体層506を形成する。これにより、半導体層506の上面の一部のみが凹部の底となる。次に、照明基板210上に、凹部の底を覆い、第1壁部B1を乗り越え、陽極配線403に接するまで延在する陽極308を形成する。この形成は、陽極308が第2壁部B2を乗り越えるように行われる。
【0035】
つまり、この例では、照明基板210およびバンク507で画定される領域において、まず発光素子211の層を形成し、その上に絶縁遮光層213を形成し、その上にフォトダイオード212を形成することにより、発光素子211と絶縁遮光層213とフォトダイオード212との積層物が形成される。
【0036】
この例から明らかなように、フロントライト106には、配線401〜404を一斉に形成可能という利点がある。なお、配線401〜404をITO以外の透明材料で形成するようにしてもよい。こうしても、配線401〜404の形成材料が共通であれば、上記の利点は損われない。また、配線401〜404の膜厚が共通でないようにしてもよい。こうしても、配線401〜404の形成材料が共通であれば、各々を個別に形成するよりは簡素な工程で配線401〜404を形成することができる。
【0037】
また、上述したように、発光素子211およびフォトダイオード212を同一のバンク507の内側に形成されるから、フロントライト106には、格別の位置合わせをせずとも、照明基板210に直交する方向において両者が互いに重なるという利点がある。また、陰極307が第2壁部B2を乗り越えず、陰極312が第1壁部B1を乗り越えないから、フロントライト106には、その厚さが薄いという利点がある。
【0038】
図4は、画像表示装置1における配線パターンを示す平面図である。この図には、照明基板210と封止基板214との間に設けられた配線401〜404を封止基板214側から眺めて示してある。
【0039】
陽極配線401は、総ての発光素子211の陽極301を含む櫛状の配線であり、各陽極301と制御回路105とを接続している。陰極配線402は、総ての発光素子211の陰極307に接する櫛状の配線であり、接地電位(低電位)を各陰極307へ供給する。陽極配線401と陰極配線402は、互いに交差せず、櫛の歯が交互に咬み合うように配置されており、互いに近接する一対の歯(陽極配線401の一本の歯と陰極配線402の一本の歯)には複数の発光素子211が対応している。
【0040】
陽極配線403は、総てのフォトダイオード212の陽極308に接する櫛状の配線であり、各陽極308と制御回路105とを接続している。陰極配線404は、総てのフォトダイオード212の陰極312に接する櫛状の配線であり、接地電位(低電位)を各陰極312へ供給する。陽極配線403と陰極配線404は、互いに交差せず、櫛の歯が交互に咬み合うように配置されており、互いに近接する一対の歯(陽極配線403の一本の歯と陰極配線404の一本の歯)には複数のフォトダイオード212が対応している。
【0041】
陽極配線401と陰極配線402との一対の歯は、陽極配線403と陰極配線404との一対の歯の間に挟まれている。このため、表示領域102内では、配線401〜404は互いに交差しない。ただし、表示領域102外では、陽極配線401と陰極配線404とが交差し、陰極配線402と陽極配線403とが交差する。これらの交差では、交差する2本の配線は、両配線間の絶縁層によって電気的に分離されている。
【0042】
図5は、発光素子211およびフォトダイオード212の電気的な接続関係を示す回路図である。この図に示すように、総ての陽極301は陽極配線401と、総ての陰極307は陰極配線402と、総ての陽極308は陽極配線403と、総ての陰極312は陰極配線404と電気的に接続されている。つまり、総ての発光素子211は陽極配線401と陰極配線402との間で並列接続されて一つの発光素子として機能し、総てのフォトダイオード212は陽極配線403と陰極配線404との間で並列接続されて一つの光検出素子として機能する。なお、陽極配線401は、調光回路107から発光素子211へ電源信号C4を供給するための配線である。
【0043】
この光検出素子の出力電流が光量信号DAとして制御回路105へ供給される。制御回路105は、光量信号DAに基づいて制御信号C3を生成する。この生成方法は任意である。例えば、光量信号DAが示す値とフロントライト106の照明光の光量に応じた値との差分に基づいて制御信号C3を生成するようにしてもよいし、光量信号DAのみに基づいて制御信号C3を生成するようにしてもよい。
【0044】
図6は、本実施形態の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。この図に係る画像表示装置は、陽極配線403に代えて陽極配線551を、陰極配線404に代えて陰極配線552を備える。陽極配線551と陰極配線552は、櫛の歯の各々が相互に重なるように配置されており、各歯には複数のフォトダイオード212が対応している。つまり、この図に係る画像表示装置では、陽極配線551の一部がフォトダイオード212の陽極となり、陰極配線552の一部がフォトダイオード212の陰極となる。なお、発光素子の配置についても、これと同様の変形が可能である。
【0045】
図7は、本実施形態の別の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。この図に係る画像表示装置は、図6に係る画像表示装置を変形して得られるものであり、陽極配線551に代えて陽極配線601を備える。陽極配線601は、歯の部分のみならず、歯の根元の部分まで、陰極配線552と重なっている。図7に係る画像表示装置が備えるフォトダイオード、すなわち光検出素子を構成するフォトダイオードは、一つのフォトダイオード602のみである。フォトダイオード602は、陽極配線601と陰極配線552とが重なる櫛状の領域に形成されている。この画像表示装置では、フォトダイオード602を流れる電流が光量信号DAとして制御回路105へ供給される。なお、発光素子の配置についても、これと同様の変形が可能である。
【0046】
また、本実施形態を変形して、発光素子およびフォトダイオードの一方または両方をマトリクス駆動するようにしてもよい。フォトダイオードをマトリクス駆動する場合には、光量信号DAとして、総てのフォトダイオードの検出信号を順に並べた信号を採用するのが好ましい。ただし、このように光量信号DAの内容を変更するのであれば、制御回路105の動作をも適宜変更する必要がある。
【0047】
以上説明したように、画像表示装置1は、透明な照明基板210と、照明基板210に対向する透明な封止基板214と、照明基板210と封止基板214との間(照明基板210上)に形成され、照明基板210へ向けて発光する発光素子211と、封止基板214と発光素子211との間(照明基板210上)に形成され、照明基板210に直交する方向において発光素子211と重なり、封止基板214から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する光検出素子と、発光素子211と光検出素子との間(照明基板210上)に設けられ、照明基板210に直交する方向において発光素子211を覆い、発光素子211から光検出素子に向けて入射する光を遮光し、発光素子211と光検出素子とを電気的に絶縁する遮光層213とを備える。
【0048】
こうした構成を採ることにより、装置サイズを大きくせずに済んでおり、反射型液晶パネル101に入射する外光と同様の光量の外光が光検出素子に入射するという利点も得られる。また、フロントライト106において光透過率の高い領域が広いという、表示品質の向上に繋がる利点も得られる。また、発光素子211側からフォトダイオード212に向かう光が遮光層213で遮断されるから、対象物へ入射する光量を正確に検出可能という利点も得られる。
【0049】
また、画像表示装置1は、発光素子211と遮光層213と光検出素子とを積層した構造を有するから、発光素子211や光検出素子を形成する技術(成膜技術)で遮光層21をも形成可能である。これは、製造工程の簡素化とフロントライト106の薄型化とに繋がる利点である。なお、上記の構造を採用可能なのは、遮光層213が絶縁層としても機能するからである。
【0050】
また、本実施形態では、陽極301、陰極配線402、陽極配線403および陰極配線404を同一の材料で形成したが、この通りでなくても製造工程の簡素化は可能である。要は、陽極301、陽極配線401、陰極配線402、陽極配線403および陰極配線404のうちの少なくとも二つが同一の材料で形成される構成であれば、程度の差こそあれ、製造工程の簡素化を達成可能である。
【0051】
また、遮光層213の発光素子211に重なる部分の、照明基板210と対向する面に、発光素子211からの光を反射する反射材を用いることが好ましい。こうすることにより、発光素子211からの光は、反射材で反射し、照明基板210へ向かうから、発光素子211の発光の多くを照明基板210へ向かわせることができる。
【0052】
また、上述した実施形態では、光検出素子を構成する複数のフォトダイオード212が並列に接続されており、検出信号が電流として与えられ、これらのフォトダイオード212から出力される電流の総和が光量信号DAとしてフロントライト106の外部に出力されるが、これを変形し、光検出素子を構成する複数のフォトダイオード212が直列に接続されており、検出信号が電圧として与えられ、これらのフォトダイオード212から出力される電圧の総和が光量信号DAとしてフロントライト106の外部に出力されるようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態を変形し、フロントライト106が、複数の第1検出線と、複数の第2検出線とを備え、光検出素子を構成する複数のフォトダイオード212が、複数の第1検出線と複数の第2検出線の交差に対応して各々配置されるようにしてもよい。この場合、制御回路105は、光量信号DAが示すm×n個のフォトダイオード212の検出値に基づいて制御信号C3を生成することになる。この生成の好ましい方法としては、これらの検出値の平均値や中央値を算出し、この算出結果に基づいて制御信号C3を生成する方法が挙げられる。
【0054】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態に係る画像表示装置7の構成を示す図であり、図9はその動作を説明するためのタイミングチャートである。画像表示装置7は、指やペン等の物体Zが触れた位置を特定可能な装置であり、制御回路105に代えて制御回路701を、フロントライト106に代えてフロントライト702を備える。
【0055】
制御回路701が制御回路105と大きく異なる点は、光量信号DAに代えて信号DBが供給される点と、各フォトダイオードに検出信号を出力させるための制御信号C5およびC6を生成して出力する点である。フロントライト702は、m×n個のフォトダイオード212を有する。これらのフォトダイオード212は、m本の第1検出線703とn本の第2検出線704の交差に対応して、各々配置されている。各フォトダイオード212の陽極308は対応する第2検出線704と電気的に接続されており、陰極312は対応する第1検出線703と電気的に接続されている。
【0056】
また画像表示装置7は、行方向に延在するm本の第1検出線703と、列方向に延在するn本の第2検出線704と、制御信号C5に基づいてm本の第1検出線703を順次選択するYドライバ(第1選択回路)705と、制御信号C6に基づいてn本の第2検出線704を順次選択するXドライバ(第2選択回路)706とを備える。制御信号C5は、周期が1Yのクロック信号と、m本の第1検出線703を順次選択するための行選択パルスとを含む。このクロック信号のm周期が行選択パルスの一周期となり、このm周期のうちの一周期において行選択パルスがアクティブレベルとなる。制御信号C6は、周期が1Xのクロック信号と、n本の第2検出線704を順次選択するための列選択パルスとを含む。1X=1Y/nである。このクロック信号のn周期が行選択パルスの一周期となり、このn周期のうちの一周期において列選択パルスがアクティブレベルとなる。
【0057】
Yドライバ705は、制御信号C5が供給されるm段のシフトレジスタ707と、m本の第1検出線703にそれぞれ対応して設けられ、各々が対応する第1検出線703と接地電位(陰極配線402)とを繋ぐm個のスイッチ708とを有する。シフトレジスタ707は、クロック信号に基づいて行選択期間(1Y)毎にシフトを行うものであり、その初段には行選択パルスが入力される。シフトレジスタ707の各段は、各第1検出線703と1対1で対応しており、各スイッチ708は、対応する段からの行選択信号Y1〜Ymに基づいてオン/オフする。
【0058】
行選択信号Y1〜Ymは、m本の第1検出線703を順次選択するための信号であり、図9に示すように、1番目の行選択期間(1Y)では行選択信号Y1のみがアクティブレベルとなり、2番目の行選択期間では行選択信号Y2のみがアクティブレベルとなり、…、m番目の行選択期間では行選択信号Ymのみがアクティブレベルとなり、m+1番目の行選択期間では行選択信号Y1のみがアクティブレベルとなる。したがって、図8のm本の第1検出線703は、m個のスイッチ708のオン/オフによって択一的かつ巡回的に選択されることになる。
【0059】
Xドライバ706は、制御信号C6が供給されるn段のシフトレジスタ709と、入力信号を増幅して出力する増幅器711と、n本の第2検出線704にそれぞれ対応して設けられ、各々が対応する第2検出線704と増幅器711の入力端とを繋ぐn個のスイッチ710と、クロック信号に基づいて動作するサンプルホールド回路712とを有する。シフトレジスタ709は、クロック信号に基づいて列選択期間(1X)毎にシフトを行うものであり、その初段には列選択パルスが入力される。シフトレジスタ709の各段は、各第2検出線704と1対1で対応しており、各スイッチ710は、対応する段からの列選択信号X1〜Xmに基づいてオン/オフする。
【0060】
列選択信号X1〜Xnは、n本の第2検出線704を順次選択するための信号であり、図9に示すように、1番目の列選択期間(1X)では列選択信号X1のみがアクティブレベルとなり、2番目の列選択期間では列選択信号X2のみがアクティブレベルとなり、…、n番目の列選択期間では列選択信号Xnのみがアクティブレベルとなり、n+1番目の列選択期間では列選択信号X1のみがアクティブレベルとなる。したがって、図8のn本の第2検出線704は、n個のスイッチ710のオン/オフによって択一的かつ巡回的に選択されることになる。また、前述したように、1X=1Y/nである。よって、n本の第2検出線704は、各行選択期間(1Y)において、n個のスイッチ710のオン/オフによって順次選択されることになる。
【0061】
こうして、m×n個のフォトダイオード212が順次選択される。選択中のフォトダイオード212は、その陰極312には接地電位が供給され、その陽極308は増幅器711の入力端と電気的に接続されるから、入射する光量に応じた大きさの電流を増幅器711へ供給する。m本の各第2検出線704を流れる電流をそれぞれ検出信号d1〜dnとしたとき、増幅器711の入力端と電気的に接続される第2検出線704は列選択期間毎に切り換わるから、図9に示すように、増幅器711には、検出信号d1〜dnを列選択期間毎に並べた信号dが供給される。
【0062】
信号dは増幅器711で増幅されてサンプルホールド回路712へ供給される。サンプルホールド回路712は、容量素子を有し、この容量素子に、信号dに応じた電荷を蓄積し、この容量素子に保持されている電圧をサンプリング期間(T)毎にサンプリングし、最後にサンプリングした電圧を示す信号DBを出力し続ける。T=1Xであるが、容量素子の保持電圧が安定してからサンプリングが行われるようにするために、サンプリングが行われる時点t1,t2,…は、いずれも、列選択期間の終了直前となるように定められている。なお、Xドライバ706にA/D変換器を持たせ、サンプルホールド回路712の出力信号をA/D変換したものを信号DBとしてもよい。
【0063】
制御回路701は、封止基板214に物体Zが触れた位置を信号DBに基づいて特定する特定手段として機能する。この特定の方法は任意である。例えば、予め定められた閾値と比較して信号DBを二値化(ビット化)し、m行n列のマトリクスにわたるビットパターンに基づいて、一または複数の位置を物体の接触位置として特定するようにしてもよい。なお、本実施の形態を変形し、制御回路701が、物体の接触位置ではなく、物体との接触の有無を検出するようにしてもよい。
【0064】
なお、制御回路701は、制御回路105と同様に、総ての発光素子211の発光量を制御するための制御信号C3を生成する。ただし、本実施形態では、信号DBが示すm×n個のフォトダイオード212の検出値の平均値を算出し、この算出結果に基づいて制御信号C3が生成される。もちろん、これを変形し、信号DBが示すm×n個のフォトダイオード212の検出値の中央値を算出し、この算出結果に基づいて制御信号C3を生成するようにしてもよい。また、各発光素子211の発光量を制御しないようにしてもよい。この場合には、制御信号C3の生成が不要となり、調光回路107に代えて固定電源を用いることができる。
【0065】
<他の変形例>
上述した各実施形態では、遮光層213が絶縁層としても機能するが、これを変形し、絶縁層として機能しない遮光層と発光素子211との間、または当該遮光層とフォトダイオード212との間に絶縁層を介在させてもよい。また、陽極配線401、陰極配線402、陽極配線403および陰極配線404を互いに異なる材料で形成してもよいし、これらの配線のうちの少なくとも一つを不透明としてもよい。
【0066】
また、上述した各実施形態では、照明装置が照らす対象が反射型液晶装置に限定されているが、これを変形し、照明装置が他の対象物を照らすようにしてもよい。他の対象物としては、反射型液晶表示装置以外の反射型の表示装置や、数値を針で指し示すアナログメーター等の計器、紙のポスター等の掲示物を例示可能である。また、液晶素子として、液晶の厚み方向に電圧が印加される液晶素子以外の液晶素子(当該方向とは異なる方向に電圧が印加される液晶素子)を採用してもよい。また、発光素子として、有機EL素子以外の発光素子(例えばLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode))を採用してもよい。また、陰極308を封止基板214側に配置せずに済むのであれば、陰極308を光透過率の低い不透明材料で形成してもよい。
【0067】
<応用例>
次に、本発明に係る表示装置を利用した電子機器について説明する。この説明では、本発明の実施形態またはその変形例に係る画像表示装置を「画像表示装置8」と記す。図10は、画像表示装置8を表示部として採用したモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、表示部としての画像表示装置8と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。
図11に、画像表示装置8を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示部としての画像表示装置8を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、画像表示装置8に表示される画面がスクロールされる。
図12に、画像表示装置8を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。携帯情報端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示部としての画像表示装置8を備える。
なお、本発明に係る画像表示装置が適用される電子機器としては、図10から図12に示したもののほか、テレビ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、複写機、ビデオプレーヤーなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0068】
1,7,8……画像表示装置、101……反射型液晶パネル、105,701……制御回路、106,702……フロントライト、107……調光回路、210……照明基板(第2基板)、211……発光素子、212,602……フォトダイオード、213……遮光層、214……封止基板(第1基板)、301,308……陽極、302……正孔注入層、307,312……陰極、309……P型半導体層、401,403,551,601……陽極配線(配線)、402,404,552……陰極配線(配線)、703……第1検出線、704……第2検出線、705……Yドライバ、706……Xドライバ、2000……パーソナルコンピューター(電子機器)、3000……携帯電話機(電子機器)、4000……携帯情報端末(電子機器)、d1〜dn……検出信号、DA……光量信号、FS……表示面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、画像表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、外光を反射して画像を表示する反射型の液晶表示装置と、この装置を前面(表示面)から照らすフロントライトとを備えた画像表示装置が記載されている。この画像表示装置には、十分な量の外光が液晶表示装置に入射しない場合でも表示品質が低下しないという利点がある。この画像表示装置のフロントライトは、光源として有機EL(Electro Luminescent)素子を備える。有機EL素子は、液晶表示装置の表示面を漏れなく照らすように、例えば格子状に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3797007号公報(図5)
【特許文献2】特開2006−154402号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2には記載されていないが、フロントライト付きの反射型表示装置では、表示面に入射する光量に基づいてフロントライトの明るさ(発光量)を調整するのが望ましい。例えば、省電力の観点では、表示面に入射する外光の光量が十分に多ければフロントライトをオフにするのが望ましい。また例えば、表示面に入射する光量が減ればフロントライトの発光量が増え、表示面に入射する光量が増えればフロントライトの発光量が減るようにすれば、表示品質を低下させることなく消費電力を低減することができる。
【0005】
上記の調整を可能とする方法としては、反射型表示装置の外部に、表示面へ向かう外光の光量を検出する光センサーを設け、この光センサーの検出結果に基づいてフロントライトの発光量を調整する方法が考えられる。しかし、この方法では、光センサーが反射型表示装置の外部に位置するから、画像表示装置のサイズが大きくなってしまうとともに、光センサーに入射する光に占める表示面へ向かう光の割合が小さくなってしまう。後者は、表示面に入射する光量の正確な検出を困難とする一因となる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、装置サイズを大きくすることなく、入射光量の正確な検出を可能とする照明装置、画像表示装置および電子機器を提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、透明な第1基板と、前記第1基板に対向する透明な第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第2基板へ向けて発光する発光素子と、前記第1基板と前記発光素子との間に設けられ、前記第2基板に直交する方向において前記発光素子と重なり、前記第1基板から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する光検出素子と、前記発光素子と前記光検出素子との間に設けられ、前記方向において前記発光素子を覆い、前記発光素子から前記光検出素子に向けて入射する光を遮光する遮光層と、を備えた照明装置を提供する。
この照明装置で対象物を照らす場合、第2基板側に照らす物(対象物)を配置することになる。光検出素子には、第1基板を透過して対象物へ向かう外光の一部が入射する。発光素子の発光のうち対象物により反射されて光検出素子へ向かう光は、第2基板を透過するが、遮光層で遮られる。
この照明装置によれば、光検出素子が発光素子とともに第1基板と第2基板との間に設けられるから、装置サイズを大きくせずに済むとともに、光検出素子と発光素子とを互いに近接して配置することができる。通常、対象物は発光素子の近くに配置されるから、光検出素子を発光素子に近接して設けることにより、対象物に入射する外光と同様の光量の外光が光検出素子に入射することになる。また、この照明装置によれば、遮光層が第2基板から光検出素子に向けて入射する光を遮光する。よって、この照明装置によれば、入射光量の正確な検出が可能となる。また、この照明装置によれば、第2基板に直交する方向において発光素子と光検出素子とが重なるから、光透過率の高い領域を広く確保することができる。
【0008】
この照明装置において、前記発光素子、前記光検出素子および前記遮光層は、前記第2基板の上に形成され、前記遮光層は、前記発光素子と前記光検出素子とを電気的に絶縁する、ようにしてもよい。この照明装置によれば、発光素子や光検出素子を形成する技術で遮光層をも形成可能であるから、薄型化と製造工程の簡素化とを達成可能である。
【0009】
この照明装置において、前記発光素子は陽極と陰極とを備え、前記光検出素子は陽極と陰極とを備え、前記第2基板の上に形成され、前記発光素子の陽極、前記発光素子の陰極、前記光検出素子の陽極および前記光検出素子の陰極のうちの少なくとも二つにそれぞれ接する複数の配線を備え、前記複数の配線は同一の材料で形成される、ようにしてもよい。この照明装置によれば、製造工程をさらに簡素化することができる。さらに配線を透明とし、光透過率の高い領域をより広く確保するようにしてもよい。また、上記の各照明装置において、前記遮光層の前記発光素子と対向する面に前記発光素子からの光を反射する反射材を用いるようにしてもよい。この照明装置によれば、発光素子の発光の多くを第2基板へ向かわせることができる。
【0010】
上記の各照明装置において、前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、前記複数のフォトダイオードは直列に接続され、前記検出信号は電圧として与えられ、直列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電圧の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力するようにしてもよいし、前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、前記複数のフォトダイオードは並列に接続され、前記検出信号は電流として与えられ、並列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電流の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力するようにしてもよいし、複数の第1検出線と、複数の第2検出線とを備え、前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、前記複数のフォトダイオードは、前記複数の第1検出線と前記複数の第2検出線の交差に対応して各々配置される、ようにしてもよい。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、上記の各照明装置と、当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを備えたことを特徴とする画像表示装置を提供する。この画像表示装置において、前記表示装置を反射型液晶装置としてもよいし、前記照明装置の前記光検出素子によって検出された前記検出信号に基づいて、前記発光素子の発光量を調整する調整手段を備えるようにしてもよいし、両者を組み合わせてもよい。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、上記の第1検出線と第2検出線とを備える照明装置と、前記複数の第1検出線を順次選択する第1選択回路と、前記複数の第2検出線を順次選択する第2選択回路と、前記第1選択回路によって選択された第1検出線と、前記第2選択回路によって選択された第2検出線との交差に対応した前記フォトダイオードから出力される前記検出信号に基づいて、前記照明装置の前記第1基板に物体が触れた位置を特定する特定手段と、当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを、備えた画像表示装置を提供する。
【0013】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、上記の第1検出線と第2検出線とを備える照明装置を有する各画像表示装置を備えた電子機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置1の構成を示す図である。
【図2】図1のA−A´断面図である。
【図3】画像表示装置1のフロントライト106の一部の構造を示す断面図である。
【図4】画像表示装置1における配線パターンを示す平面図である。
【図5】発光素子211およびフォトダイオード212の電気的な接続関係を示す回路図である。
【図6】第1実施形態の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。
【図7】第1実施形態の別の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る画像表示装置7の構成を示す図である。
【図9】画像表示装置7の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】本発明に係る電子機器の具体例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る電子機器の別の具体例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る電子機器のさらに別の具体例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。ただし、各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に相違している。また、本発明は、以下に述べる各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を変形して得られる各種の変形例や、各実施形態またはその変形例を応用して得られる形態をも技術的範囲に含みうる。なお、各図において共通する部分には同一の符号が付されている。
【0016】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る画像表示装置1の構成を示す図であり、そのA−A´断面図が図2である。これらの図に示すように、画像表示装置1は、マトリクス状に配置された複数の液晶素子LCを有する反射型液晶パネル101を備える。各液晶素子LCは、液晶と当該液晶に電圧を印加する二つの電極とを有し、液晶の光透過率を制御して階調を表示するものであり、反射型液晶パネル101は、その前面(表示面FS)内に、これらの階調で表される画像を表示する表示領域102を有する。また反射型液晶パネル101は、図示を略すが、行方向に延在する複数の走査線と、列方向に延在する複数のデータ線とを備える。液晶素子LCは、走査線とデータ線との各交差に対応する位置に一つずつ設けられている。
【0017】
また画像表示装置1は、総ての走査線を駆動する走査線駆動回路103と、総てのデータ線を駆動するデータ線駆動回路104と、両回路を制御する制御回路105とを備える。制御回路105による両回路の制御は、クロック信号を含む制御信号C1を走査線駆動回路103へ供給し、表示すべき画像に応じたデータ信号を含む制御信号C2をデータ線駆動回路104へ供給することにより行われる。走査線駆動回路103は、制御信号C1に基づいて走査線を一つずつ巡回的に選択し、データ線駆動回路104は、制御信号C2に基づいて、選択中の走査線に対応する1行分の液晶素子LCの各々に、液晶の光透過率を設定するための信号を、対応するデータ線経由で供給する。この走査により、表示すべき画像が表示領域102に表示される。
【0018】
以上の説明から明らかなように、反射型液晶パネル101、走査線駆動回路103、データ線駆動回路104および制御回路105は、光反射率を制御して画像を表示する反射型表示装置を構成している。なお、走査線駆動回路103、データ線駆動回路104および制御回路105の少なくとも一つを、反射型液晶パネル101と一体化させてもよい。
【0019】
また画像表示装置1は、反射型液晶パネル101の表示面FSに接着されたフロントライト106を有する。フロントライト106は、供給される電源信号C4に応じた光量(輝度)で発光する複数の発光素子211を有し、表示領域102の全域を照らす。また、フロントライト106は、入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する複数のフォトダイオード212を有し、総てのフォトダイオード212の検出信号を合成した光量信号DAを制御回路105へ供給する。
【0020】
また画像表示装置1は調光回路107を備える。制御回路105は、フロントライト106の光検出素子からの光量信号DAに基づいて、総ての発光素子211の発光量を制御するための制御信号C3を生成し、調光回路107へ供給し、調光回路107は、制御信号C3に基づいて、総ての発光素子211の発光量を一律に調整する。調光回路107には電源が供給されており、調光回路107は、この電源を用いて、制御信号C3に応じた電位の電源信号C4を生成し、各発光素子211へ供給する。この調光により、発光素子211の発光量はフォトダイオード212に入射する光量に応じた量となる。
【0021】
以上の説明から明らかなように、制御回路105および調光回路107は、発光素子211の発光量を調整する調整手段を構成している。また、フロントライト106、制御回路105および調光回路107は、表示領域102の全域を照らす照明装置を構成している。なお、制御回路105および調光回路107の一方または両方を、フロントライト106と一体化させてもよい。
【0022】
図2は、図1のA−A´断面図である。この図に示すように、表示領域102に重なる領域では、反射型液晶パネル101上にフロントライト106が重なっている。反射型液晶パネル101は、表示基板201と、表示基板201上に形成された複数のTFT(薄膜トランジスタ)202と、TFT202を覆って表示基板201上に形成された絶縁層203と、その上に形成された光反射性の複数の画素電極204とを有する。画素電極204は、絶縁層203に形成されたコンタクトホールを介して、対応するTFT202と電気的に接続されている。
【0023】
また反射型液晶パネル101は、画素電極204を覆うように絶縁層203上に形成された液晶205と、液晶205上に形成された共通電極206と、共通電極206上に設けられた対向基板207と、対向基板207上に形成された偏光板208と、偏光板208上に形成された接着層209とを有する。一つの画素電極204と、この画素電極204に重なる共通電極206と、両電極間に挟持された液晶205とは、一つの液晶素子LCを構成しており、液晶205の光透過率は、両電極間の電位差に応じて変化する。
【0024】
フロントライト106は、接着層209上に設けられた透明な照明基板(第2基板)210と、照明基板210上に形成された複数の発光素子211と、照明基板210上に複数の発光素子211を覆うように各々形成された複数の遮光層213と、複数の遮光層213上に各々形成された複数のフォトダイオード212と、外気や水分等から発光素子211およびフォトダイオード212を保護するために照明基板210と対向して設けられた透明な封止基板(第1基板)214とを有する。照明基板210および封止基板214は、例えばガラスで形成されている。
【0025】
換言すると、各発光素子211は、対応する遮光層213と照明基板210との間に設けられ、各フォトダイオード212は、対応する遮光層213と封止基板214との間に設けられている。同一の遮光層213に対応する発光素子211およびフォトダイオード212は、照明基板210に直交する方向(図2の上下方向)において互いに重なっている。また、遮光層213は、この方向において、対応する発光素子211の全部と、対応するフォトダイオード212の全部とに重なっている。つまり、遮光層213は、この方向において、対応する発光素子211およびフォトダイオード212を覆っている。
【0026】
遮光層213は、対応する発光素子211から対応するフォトダイオード212へ向かう光の遮断と、照明基板210から対応するフォトダイオード212へ向かう光(反射光)の遮断と、対応する発光素子211と対応するフォトダイオード212との絶縁を目的として設けられ、対応する発光素子211と対応するフォトダイオード212との間に介在する。したがって、発光素子211は照明基板210へ向けて発光することになり、フォトダイオード212に入射する光の大部分は封止基板214を透過した外光となる。つまり、フォトダイオード212に入射する外光の光量は、フォトダイオード212の近傍の液晶素子LCへ入射する外光の光量と同様となり、フォトダイオード212の検出信号は、近傍の液晶素子LCへ入射する外光の光量に応じた信号となる。よって、フォトダイオード212は、封止基板214から入射する光の光量に応じた大きさの検出信号を出力することになる。
【0027】
遮光層213としては、封止基板214から入射した外光を反射しないものが好ましい。遮光層213は、この事情と上記の目的とに応じた材料で形成される。例えば、光反射率の低い金属(例えばクロムや酸化クロム)で形成された金属膜と、窒化シリコン膜やシリコン酸窒化膜などの窒化膜との積層膜を遮光層213としてもよいし、光透過率の低い特定の樹脂材料で遮光層213を形成してもよい。
【0028】
なお、発光素子211の発光には、各液晶素子LCへ向かう光が含まれており、これらの光は、照明基板210を透過し、各液晶素子LCへ入射する。また、液晶素子LCには、封止基板214から当該液晶素子LCへ向かう外光が入射する。液晶素子LC(画素電極204)の反射光には、この外光の反射光と、各発光素子211から発して当該液晶素子LCへ入射した光の反射光とが含まれる。
【0029】
図3は、フロントライト106の一部の構造を示す断面図である。この図には、一対の発光素子211および光検出素子212を含む部分の構造が示されている。発光素子211は、有機EL素子であり、照明基板210上に形成された透明な陽極301と、その上に形成された発光機能層501と、その上に形成された陰極307とを有する。陽極301はITOで形成されており、陽極配線401に含まれている。一方、陰極307は例えばアルミニウムで形成されている。照明基板210上には、発光素子211の陰極307に接する透明な陰極配線402が形成されている。陰極配線402はITOで形成されている。なお、陽極301には、調光回路107から陽極配線(図示略)を通じて電源信号C4が供給される。
【0030】
発光機能層501は、陽極301上に形成された正孔注入層302と、その上に形成された正孔輸送層303と、その上に形成された発光層304と、その上に形成された電子輸送層305と、その上に形成された電子注入層306とを含む。正孔注入層302は例えば銅フタロシアニンで、正孔輸送層303は例えばNPDで、発光層304は例えば低分子白色発光材料で、電子輸送層305は例えばアルミキノリノール錯体(tris(8-hydroxyquinoline)aluminum)で、電子注入層306は例えばフッ化リチウムで形成されている。なお、本実施形態を変形し、発光機能層501から、正孔注入層302、正孔輸送層303、電子輸送層305および電子注入層306のうち、少なくとも一つの層を削除してもよい。
【0031】
フォトダイオード212は、有機フォトダイオードであり、照明基板210上に形成された遮光層213の上に形成された陰極312と、その上に形成された半導体層506と、その上に透明な陽極308とを有する。陰極312は例えばアルミニウムまたは金で、陽極308はITOで形成されている。陰極312には照明基板210上に形成された透明な陰極配線404が接しており、陽極308には照明基板210上に形成された透明な陽極配線403が接している。陰極配線404および陽極配線403はITOで形成されており、陽極301および配線402〜404の膜厚は共通である。半導体層506は、陰極312上に形成されたN型半導体層310と、その上に形成されたP型半導体層309とを含む。N型半導体層310はPTCDI(3,4,9,10-perylene-tetracarboxylic-diimide)で、P型半導体層309は銅フタロシアニンまたはルブレンで形成されている。
【0032】
ここで、照明基板210上に、発光素子211と絶縁遮光層213とフォトダイオード212との積層物を形成する工程の一例について説明する。この例では、まず、蒸着により、照明基板210上に陽極301および配線402〜404を一斉に形成する。次に、照明基板210上に、陽極301の上面の中央部分を底とした凹部を画定するバンク507を形成する。次に、凹部内に発光機能層501を形成する。次に、照明基板210上に、発光機能層501を覆い、バンク507の第1壁部B1を乗り越え、陰極配線402に接するまで延在する陰極307を形成する。
【0033】
次に、照明基板210上に、発光機能層501、バンク507および陰極307を覆う絶縁遮光層213を形成する。これにより、絶縁遮光層213の上面の一部のみが凹部の底となる。次に、照明基板210上に、凹部の底を覆い、バンク507の第2壁部B2を乗り越え、陰極配線404に接するまで延在する陰極312を形成する。これにより、陰極312の上面の一部のみが凹部の底となる。なお、第1壁部B1と第2壁部B2は別々の部分であり、両部に共通する部分は存在しない。
【0034】
次に、照明基板210上に、凹部の底を覆い、バンク507の第2部分B2を乗り越え、照明基板210に接するまで延在する半導体層506を形成する。これにより、半導体層506の上面の一部のみが凹部の底となる。次に、照明基板210上に、凹部の底を覆い、第1壁部B1を乗り越え、陽極配線403に接するまで延在する陽極308を形成する。この形成は、陽極308が第2壁部B2を乗り越えるように行われる。
【0035】
つまり、この例では、照明基板210およびバンク507で画定される領域において、まず発光素子211の層を形成し、その上に絶縁遮光層213を形成し、その上にフォトダイオード212を形成することにより、発光素子211と絶縁遮光層213とフォトダイオード212との積層物が形成される。
【0036】
この例から明らかなように、フロントライト106には、配線401〜404を一斉に形成可能という利点がある。なお、配線401〜404をITO以外の透明材料で形成するようにしてもよい。こうしても、配線401〜404の形成材料が共通であれば、上記の利点は損われない。また、配線401〜404の膜厚が共通でないようにしてもよい。こうしても、配線401〜404の形成材料が共通であれば、各々を個別に形成するよりは簡素な工程で配線401〜404を形成することができる。
【0037】
また、上述したように、発光素子211およびフォトダイオード212を同一のバンク507の内側に形成されるから、フロントライト106には、格別の位置合わせをせずとも、照明基板210に直交する方向において両者が互いに重なるという利点がある。また、陰極307が第2壁部B2を乗り越えず、陰極312が第1壁部B1を乗り越えないから、フロントライト106には、その厚さが薄いという利点がある。
【0038】
図4は、画像表示装置1における配線パターンを示す平面図である。この図には、照明基板210と封止基板214との間に設けられた配線401〜404を封止基板214側から眺めて示してある。
【0039】
陽極配線401は、総ての発光素子211の陽極301を含む櫛状の配線であり、各陽極301と制御回路105とを接続している。陰極配線402は、総ての発光素子211の陰極307に接する櫛状の配線であり、接地電位(低電位)を各陰極307へ供給する。陽極配線401と陰極配線402は、互いに交差せず、櫛の歯が交互に咬み合うように配置されており、互いに近接する一対の歯(陽極配線401の一本の歯と陰極配線402の一本の歯)には複数の発光素子211が対応している。
【0040】
陽極配線403は、総てのフォトダイオード212の陽極308に接する櫛状の配線であり、各陽極308と制御回路105とを接続している。陰極配線404は、総てのフォトダイオード212の陰極312に接する櫛状の配線であり、接地電位(低電位)を各陰極312へ供給する。陽極配線403と陰極配線404は、互いに交差せず、櫛の歯が交互に咬み合うように配置されており、互いに近接する一対の歯(陽極配線403の一本の歯と陰極配線404の一本の歯)には複数のフォトダイオード212が対応している。
【0041】
陽極配線401と陰極配線402との一対の歯は、陽極配線403と陰極配線404との一対の歯の間に挟まれている。このため、表示領域102内では、配線401〜404は互いに交差しない。ただし、表示領域102外では、陽極配線401と陰極配線404とが交差し、陰極配線402と陽極配線403とが交差する。これらの交差では、交差する2本の配線は、両配線間の絶縁層によって電気的に分離されている。
【0042】
図5は、発光素子211およびフォトダイオード212の電気的な接続関係を示す回路図である。この図に示すように、総ての陽極301は陽極配線401と、総ての陰極307は陰極配線402と、総ての陽極308は陽極配線403と、総ての陰極312は陰極配線404と電気的に接続されている。つまり、総ての発光素子211は陽極配線401と陰極配線402との間で並列接続されて一つの発光素子として機能し、総てのフォトダイオード212は陽極配線403と陰極配線404との間で並列接続されて一つの光検出素子として機能する。なお、陽極配線401は、調光回路107から発光素子211へ電源信号C4を供給するための配線である。
【0043】
この光検出素子の出力電流が光量信号DAとして制御回路105へ供給される。制御回路105は、光量信号DAに基づいて制御信号C3を生成する。この生成方法は任意である。例えば、光量信号DAが示す値とフロントライト106の照明光の光量に応じた値との差分に基づいて制御信号C3を生成するようにしてもよいし、光量信号DAのみに基づいて制御信号C3を生成するようにしてもよい。
【0044】
図6は、本実施形態の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。この図に係る画像表示装置は、陽極配線403に代えて陽極配線551を、陰極配線404に代えて陰極配線552を備える。陽極配線551と陰極配線552は、櫛の歯の各々が相互に重なるように配置されており、各歯には複数のフォトダイオード212が対応している。つまり、この図に係る画像表示装置では、陽極配線551の一部がフォトダイオード212の陽極となり、陰極配線552の一部がフォトダイオード212の陰極となる。なお、発光素子の配置についても、これと同様の変形が可能である。
【0045】
図7は、本実施形態の別の変形例に係るフォトダイオードの配置を示す平面図である。この図に係る画像表示装置は、図6に係る画像表示装置を変形して得られるものであり、陽極配線551に代えて陽極配線601を備える。陽極配線601は、歯の部分のみならず、歯の根元の部分まで、陰極配線552と重なっている。図7に係る画像表示装置が備えるフォトダイオード、すなわち光検出素子を構成するフォトダイオードは、一つのフォトダイオード602のみである。フォトダイオード602は、陽極配線601と陰極配線552とが重なる櫛状の領域に形成されている。この画像表示装置では、フォトダイオード602を流れる電流が光量信号DAとして制御回路105へ供給される。なお、発光素子の配置についても、これと同様の変形が可能である。
【0046】
また、本実施形態を変形して、発光素子およびフォトダイオードの一方または両方をマトリクス駆動するようにしてもよい。フォトダイオードをマトリクス駆動する場合には、光量信号DAとして、総てのフォトダイオードの検出信号を順に並べた信号を採用するのが好ましい。ただし、このように光量信号DAの内容を変更するのであれば、制御回路105の動作をも適宜変更する必要がある。
【0047】
以上説明したように、画像表示装置1は、透明な照明基板210と、照明基板210に対向する透明な封止基板214と、照明基板210と封止基板214との間(照明基板210上)に形成され、照明基板210へ向けて発光する発光素子211と、封止基板214と発光素子211との間(照明基板210上)に形成され、照明基板210に直交する方向において発光素子211と重なり、封止基板214から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する光検出素子と、発光素子211と光検出素子との間(照明基板210上)に設けられ、照明基板210に直交する方向において発光素子211を覆い、発光素子211から光検出素子に向けて入射する光を遮光し、発光素子211と光検出素子とを電気的に絶縁する遮光層213とを備える。
【0048】
こうした構成を採ることにより、装置サイズを大きくせずに済んでおり、反射型液晶パネル101に入射する外光と同様の光量の外光が光検出素子に入射するという利点も得られる。また、フロントライト106において光透過率の高い領域が広いという、表示品質の向上に繋がる利点も得られる。また、発光素子211側からフォトダイオード212に向かう光が遮光層213で遮断されるから、対象物へ入射する光量を正確に検出可能という利点も得られる。
【0049】
また、画像表示装置1は、発光素子211と遮光層213と光検出素子とを積層した構造を有するから、発光素子211や光検出素子を形成する技術(成膜技術)で遮光層21をも形成可能である。これは、製造工程の簡素化とフロントライト106の薄型化とに繋がる利点である。なお、上記の構造を採用可能なのは、遮光層213が絶縁層としても機能するからである。
【0050】
また、本実施形態では、陽極301、陰極配線402、陽極配線403および陰極配線404を同一の材料で形成したが、この通りでなくても製造工程の簡素化は可能である。要は、陽極301、陽極配線401、陰極配線402、陽極配線403および陰極配線404のうちの少なくとも二つが同一の材料で形成される構成であれば、程度の差こそあれ、製造工程の簡素化を達成可能である。
【0051】
また、遮光層213の発光素子211に重なる部分の、照明基板210と対向する面に、発光素子211からの光を反射する反射材を用いることが好ましい。こうすることにより、発光素子211からの光は、反射材で反射し、照明基板210へ向かうから、発光素子211の発光の多くを照明基板210へ向かわせることができる。
【0052】
また、上述した実施形態では、光検出素子を構成する複数のフォトダイオード212が並列に接続されており、検出信号が電流として与えられ、これらのフォトダイオード212から出力される電流の総和が光量信号DAとしてフロントライト106の外部に出力されるが、これを変形し、光検出素子を構成する複数のフォトダイオード212が直列に接続されており、検出信号が電圧として与えられ、これらのフォトダイオード212から出力される電圧の総和が光量信号DAとしてフロントライト106の外部に出力されるようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態を変形し、フロントライト106が、複数の第1検出線と、複数の第2検出線とを備え、光検出素子を構成する複数のフォトダイオード212が、複数の第1検出線と複数の第2検出線の交差に対応して各々配置されるようにしてもよい。この場合、制御回路105は、光量信号DAが示すm×n個のフォトダイオード212の検出値に基づいて制御信号C3を生成することになる。この生成の好ましい方法としては、これらの検出値の平均値や中央値を算出し、この算出結果に基づいて制御信号C3を生成する方法が挙げられる。
【0054】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態に係る画像表示装置7の構成を示す図であり、図9はその動作を説明するためのタイミングチャートである。画像表示装置7は、指やペン等の物体Zが触れた位置を特定可能な装置であり、制御回路105に代えて制御回路701を、フロントライト106に代えてフロントライト702を備える。
【0055】
制御回路701が制御回路105と大きく異なる点は、光量信号DAに代えて信号DBが供給される点と、各フォトダイオードに検出信号を出力させるための制御信号C5およびC6を生成して出力する点である。フロントライト702は、m×n個のフォトダイオード212を有する。これらのフォトダイオード212は、m本の第1検出線703とn本の第2検出線704の交差に対応して、各々配置されている。各フォトダイオード212の陽極308は対応する第2検出線704と電気的に接続されており、陰極312は対応する第1検出線703と電気的に接続されている。
【0056】
また画像表示装置7は、行方向に延在するm本の第1検出線703と、列方向に延在するn本の第2検出線704と、制御信号C5に基づいてm本の第1検出線703を順次選択するYドライバ(第1選択回路)705と、制御信号C6に基づいてn本の第2検出線704を順次選択するXドライバ(第2選択回路)706とを備える。制御信号C5は、周期が1Yのクロック信号と、m本の第1検出線703を順次選択するための行選択パルスとを含む。このクロック信号のm周期が行選択パルスの一周期となり、このm周期のうちの一周期において行選択パルスがアクティブレベルとなる。制御信号C6は、周期が1Xのクロック信号と、n本の第2検出線704を順次選択するための列選択パルスとを含む。1X=1Y/nである。このクロック信号のn周期が行選択パルスの一周期となり、このn周期のうちの一周期において列選択パルスがアクティブレベルとなる。
【0057】
Yドライバ705は、制御信号C5が供給されるm段のシフトレジスタ707と、m本の第1検出線703にそれぞれ対応して設けられ、各々が対応する第1検出線703と接地電位(陰極配線402)とを繋ぐm個のスイッチ708とを有する。シフトレジスタ707は、クロック信号に基づいて行選択期間(1Y)毎にシフトを行うものであり、その初段には行選択パルスが入力される。シフトレジスタ707の各段は、各第1検出線703と1対1で対応しており、各スイッチ708は、対応する段からの行選択信号Y1〜Ymに基づいてオン/オフする。
【0058】
行選択信号Y1〜Ymは、m本の第1検出線703を順次選択するための信号であり、図9に示すように、1番目の行選択期間(1Y)では行選択信号Y1のみがアクティブレベルとなり、2番目の行選択期間では行選択信号Y2のみがアクティブレベルとなり、…、m番目の行選択期間では行選択信号Ymのみがアクティブレベルとなり、m+1番目の行選択期間では行選択信号Y1のみがアクティブレベルとなる。したがって、図8のm本の第1検出線703は、m個のスイッチ708のオン/オフによって択一的かつ巡回的に選択されることになる。
【0059】
Xドライバ706は、制御信号C6が供給されるn段のシフトレジスタ709と、入力信号を増幅して出力する増幅器711と、n本の第2検出線704にそれぞれ対応して設けられ、各々が対応する第2検出線704と増幅器711の入力端とを繋ぐn個のスイッチ710と、クロック信号に基づいて動作するサンプルホールド回路712とを有する。シフトレジスタ709は、クロック信号に基づいて列選択期間(1X)毎にシフトを行うものであり、その初段には列選択パルスが入力される。シフトレジスタ709の各段は、各第2検出線704と1対1で対応しており、各スイッチ710は、対応する段からの列選択信号X1〜Xmに基づいてオン/オフする。
【0060】
列選択信号X1〜Xnは、n本の第2検出線704を順次選択するための信号であり、図9に示すように、1番目の列選択期間(1X)では列選択信号X1のみがアクティブレベルとなり、2番目の列選択期間では列選択信号X2のみがアクティブレベルとなり、…、n番目の列選択期間では列選択信号Xnのみがアクティブレベルとなり、n+1番目の列選択期間では列選択信号X1のみがアクティブレベルとなる。したがって、図8のn本の第2検出線704は、n個のスイッチ710のオン/オフによって択一的かつ巡回的に選択されることになる。また、前述したように、1X=1Y/nである。よって、n本の第2検出線704は、各行選択期間(1Y)において、n個のスイッチ710のオン/オフによって順次選択されることになる。
【0061】
こうして、m×n個のフォトダイオード212が順次選択される。選択中のフォトダイオード212は、その陰極312には接地電位が供給され、その陽極308は増幅器711の入力端と電気的に接続されるから、入射する光量に応じた大きさの電流を増幅器711へ供給する。m本の各第2検出線704を流れる電流をそれぞれ検出信号d1〜dnとしたとき、増幅器711の入力端と電気的に接続される第2検出線704は列選択期間毎に切り換わるから、図9に示すように、増幅器711には、検出信号d1〜dnを列選択期間毎に並べた信号dが供給される。
【0062】
信号dは増幅器711で増幅されてサンプルホールド回路712へ供給される。サンプルホールド回路712は、容量素子を有し、この容量素子に、信号dに応じた電荷を蓄積し、この容量素子に保持されている電圧をサンプリング期間(T)毎にサンプリングし、最後にサンプリングした電圧を示す信号DBを出力し続ける。T=1Xであるが、容量素子の保持電圧が安定してからサンプリングが行われるようにするために、サンプリングが行われる時点t1,t2,…は、いずれも、列選択期間の終了直前となるように定められている。なお、Xドライバ706にA/D変換器を持たせ、サンプルホールド回路712の出力信号をA/D変換したものを信号DBとしてもよい。
【0063】
制御回路701は、封止基板214に物体Zが触れた位置を信号DBに基づいて特定する特定手段として機能する。この特定の方法は任意である。例えば、予め定められた閾値と比較して信号DBを二値化(ビット化)し、m行n列のマトリクスにわたるビットパターンに基づいて、一または複数の位置を物体の接触位置として特定するようにしてもよい。なお、本実施の形態を変形し、制御回路701が、物体の接触位置ではなく、物体との接触の有無を検出するようにしてもよい。
【0064】
なお、制御回路701は、制御回路105と同様に、総ての発光素子211の発光量を制御するための制御信号C3を生成する。ただし、本実施形態では、信号DBが示すm×n個のフォトダイオード212の検出値の平均値を算出し、この算出結果に基づいて制御信号C3が生成される。もちろん、これを変形し、信号DBが示すm×n個のフォトダイオード212の検出値の中央値を算出し、この算出結果に基づいて制御信号C3を生成するようにしてもよい。また、各発光素子211の発光量を制御しないようにしてもよい。この場合には、制御信号C3の生成が不要となり、調光回路107に代えて固定電源を用いることができる。
【0065】
<他の変形例>
上述した各実施形態では、遮光層213が絶縁層としても機能するが、これを変形し、絶縁層として機能しない遮光層と発光素子211との間、または当該遮光層とフォトダイオード212との間に絶縁層を介在させてもよい。また、陽極配線401、陰極配線402、陽極配線403および陰極配線404を互いに異なる材料で形成してもよいし、これらの配線のうちの少なくとも一つを不透明としてもよい。
【0066】
また、上述した各実施形態では、照明装置が照らす対象が反射型液晶装置に限定されているが、これを変形し、照明装置が他の対象物を照らすようにしてもよい。他の対象物としては、反射型液晶表示装置以外の反射型の表示装置や、数値を針で指し示すアナログメーター等の計器、紙のポスター等の掲示物を例示可能である。また、液晶素子として、液晶の厚み方向に電圧が印加される液晶素子以外の液晶素子(当該方向とは異なる方向に電圧が印加される液晶素子)を採用してもよい。また、発光素子として、有機EL素子以外の発光素子(例えばLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode))を採用してもよい。また、陰極308を封止基板214側に配置せずに済むのであれば、陰極308を光透過率の低い不透明材料で形成してもよい。
【0067】
<応用例>
次に、本発明に係る表示装置を利用した電子機器について説明する。この説明では、本発明の実施形態またはその変形例に係る画像表示装置を「画像表示装置8」と記す。図10は、画像表示装置8を表示部として採用したモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、表示部としての画像表示装置8と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。
図11に、画像表示装置8を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示部としての画像表示装置8を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、画像表示装置8に表示される画面がスクロールされる。
図12に、画像表示装置8を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。携帯情報端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示部としての画像表示装置8を備える。
なお、本発明に係る画像表示装置が適用される電子機器としては、図10から図12に示したもののほか、テレビ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、複写機、ビデオプレーヤーなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0068】
1,7,8……画像表示装置、101……反射型液晶パネル、105,701……制御回路、106,702……フロントライト、107……調光回路、210……照明基板(第2基板)、211……発光素子、212,602……フォトダイオード、213……遮光層、214……封止基板(第1基板)、301,308……陽極、302……正孔注入層、307,312……陰極、309……P型半導体層、401,403,551,601……陽極配線(配線)、402,404,552……陰極配線(配線)、703……第1検出線、704……第2検出線、705……Yドライバ、706……Xドライバ、2000……パーソナルコンピューター(電子機器)、3000……携帯電話機(電子機器)、4000……携帯情報端末(電子機器)、d1〜dn……検出信号、DA……光量信号、FS……表示面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な第1基板と、
前記第1基板に対向する透明な第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第2基板へ向けて発光する発光素子と、
前記第1基板と前記発光素子との間に設けられ、前記第2基板に直交する方向において前記発光素子と重なり、前記第1基板から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する光検出素子と、
前記発光素子と前記光検出素子との間に設けられ、前記方向において前記発光素子を覆い、前記発光素子から前記光検出素子に向けて入射する光を遮光する遮光層と、
を備えた照明装置。
【請求項2】
前記発光素子、前記光検出素子および前記遮光層は、前記第2基板の上に形成され、
前記遮光層は、前記発光素子と前記光検出素子とを電気的に絶縁する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光素子は陽極と陰極とを備え、
前記光検出素子は陽極と陰極とを備え、
前記第2基板の上に形成され、前記発光素子の陽極、前記発光素子の陰極、前記光検出素子の陽極および前記光検出素子の陰極のうちの少なくとも二つにそれぞれ接する複数の配線を備え、
前記複数の配線は同一の材料で形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の配線は透明である、
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記遮光層の前記発光素子と対向する面に前記発光素子からの光を反射する反射材を用いる、
ことを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、
前記複数のフォトダイオードは直列に接続され、
前記検出信号は電圧として与えられ、
直列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電圧の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、
前記複数のフォトダイオードは並列に接続され、
前記検出信号は電流として与えられ、
並列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電流の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
複数の第1検出線と、
複数の第2検出線とを備え、
前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、
前記複数のフォトダイオードは、前記複数の第1検出線と前記複数の第2検出線の交差に対応して、各々配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の照明装置と、
当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを、
備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
前記表示装置は反射型液晶装置であることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記照明装置の前記光検出素子によって検出された前記検出信号に基づいて、前記発光素子の発光量を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
請求項8に記載の照明装置と、
前記複数の第1検出線を順次選択する第1選択回路と、
前記複数の第2検出線を順次選択する第2選択回路と、
前記第1選択回路によって選択された第1検出線と、前記第2選択回路によって選択された第2検出線との交差に対応した前記フォトダイオードから出力される前記検出信号に基づいて、前記照明装置の前記第1基板に物体が触れた位置を特定する特定手段と、
当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを、
備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のうちいずれか1項に記載の画像表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
透明な第1基板と、
前記第1基板に対向する透明な第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第2基板へ向けて発光する発光素子と、
前記第1基板と前記発光素子との間に設けられ、前記第2基板に直交する方向において前記発光素子と重なり、前記第1基板から入射する光量に応じた大きさの検出信号を出力する光検出素子と、
前記発光素子と前記光検出素子との間に設けられ、前記方向において前記発光素子を覆い、前記発光素子から前記光検出素子に向けて入射する光を遮光する遮光層と、
を備えた照明装置。
【請求項2】
前記発光素子、前記光検出素子および前記遮光層は、前記第2基板の上に形成され、
前記遮光層は、前記発光素子と前記光検出素子とを電気的に絶縁する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光素子は陽極と陰極とを備え、
前記光検出素子は陽極と陰極とを備え、
前記第2基板の上に形成され、前記発光素子の陽極、前記発光素子の陰極、前記光検出素子の陽極および前記光検出素子の陰極のうちの少なくとも二つにそれぞれ接する複数の配線を備え、
前記複数の配線は同一の材料で形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の配線は透明である、
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記遮光層の前記発光素子と対向する面に前記発光素子からの光を反射する反射材を用いる、
ことを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、
前記複数のフォトダイオードは直列に接続され、
前記検出信号は電圧として与えられ、
直列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電圧の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、
前記複数のフォトダイオードは並列に接続され、
前記検出信号は電流として与えられ、
並列に接続された複数の前記フォトダイオードから出力される電流の総和を、当該照明装置に入射する光量に応じた大きさを示す光量信号として外部に出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
複数の第1検出線と、
複数の第2検出線とを備え、
前記光検出素子は、複数のフォトダイオードで構成され、
前記複数のフォトダイオードは、前記複数の第1検出線と前記複数の第2検出線の交差に対応して、各々配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の照明装置と、
当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを、
備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
前記表示装置は反射型液晶装置であることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記照明装置の前記光検出素子によって検出された前記検出信号に基づいて、前記発光素子の発光量を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
請求項8に記載の照明装置と、
前記複数の第1検出線を順次選択する第1選択回路と、
前記複数の第2検出線を順次選択する第2選択回路と、
前記第1選択回路によって選択された第1検出線と、前記第2選択回路によって選択された第2検出線との交差に対応した前記フォトダイオードから出力される前記検出信号に基づいて、前記照明装置の前記第1基板に物体が触れた位置を特定する特定手段と、
当該照明装置の前記第2基板に表示面が接する表示装置とを、
備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のうちいずれか1項に記載の画像表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−7832(P2011−7832A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148371(P2009−148371)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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