熱交換器及び熱交換器を用いた情報処理システム
【課題】熱交換器及び熱交換器を用いた情報処理システムにおいて、熱交換効率を向上させること。
【解決手段】表面が気流Bに曝される複数のフィン42と、フィン42に接続されたバイメタル部43とを有し、気流Bの温度の上昇により、隣り合うフィン42に接続されたバイメタル部43同士の間隔Dが狭まる熱交換器による。
【解決手段】表面が気流Bに曝される複数のフィン42と、フィン42に接続されたバイメタル部43とを有し、気流Bの温度の上昇により、隣り合うフィン42に接続されたバイメタル部43同士の間隔Dが狭まる熱交換器による。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器及び熱交換器を用いた情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術の発達により、データセンタ内で扱われるデータ量が増大し、これに伴いデータセンタ内のサーバラックにより多くの計算機が搭載されるようになりつつある。その結果、データセンタ内に設置された空調機では、全ての計算機で消費する電力の総和に匹敵するほど大きな電力を消費しているといわれる。
【0003】
その空調機においては、データセンタ内で温められた空気を冷却水との熱交換で冷却するための熱交換器が設けられる。空調機の消費電力を削減するには、その熱交換器における熱交換効率を向上させるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−044755号公報
【特許文献2】特表2002−502135号公報
【特許文献3】特開2010−27649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱交換器及び熱交換器を用いた情報処理システムにおいて、熱交換効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の開示の一観点によれば、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まる熱交換器が提供される。
【0007】
また、その開示の他の観点によれば、機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、熱交換器を有し、前記機器設置エリアの空調を行う空調機とを備え、前記熱交換器が、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まる情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以下の開示によれば、気流の温度上昇によってバイメタル部同士の間隔が狭まるため、バイメタル部によって気流が乱れ、フィンと気流との間の熱伝達率が高められ、ひいては熱交換器の熱交換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、データセンタで使用される空調機の断面図である。
【図2】図2は、データセンタで使用される空調機の熱交換器の要部拡大断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態において、フィンとバイメタル部とを冷水配管の延在方向から見た図である。
【図6】図6は、バイメタル部が反ったときの第1実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図8】図8は、バイメタル部が反ったときの第2実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図9】図9は、第2実施形態において、圧力損失とファンの消費電力との関係を調査して得られたグラフである。
【図10】図10(a)、(b)は、第2実施形態において、熱交換器の熱伝達率の計算結果を示す図である。
【図11】図11(a)、(b)は、第2実施形態において、熱交換器の圧力損失の計算結果を示す図である。
【図12】図12は、第3実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図13】図13は、バイメタル部が反ったときの第3実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図14】図14は、第4実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【図15】図15は、第4実施形態に係る制御部の処理内容について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態の説明に先立ち、本実施形態の基礎となる予備的事項について説明する。
【0011】
サーバラックに高密度に搭載された計算機はデータセンタ内に設置された空調機で冷却され、それにより各計算機の情報処理能力が熱で低下するのが防止される。
【0012】
図1は、そのデータセンタで使用される空調機1の断面図である。
【0013】
この空調機1は、熱交換器2と、筐体3と、ファンユニット4とを有する。熱交換器2とファンユニット4は、いずれも筐体3内に収められており、データセンタ内の空気を冷却するのに使用される。
【0014】
また、ファンユニット4は、気流Aを生成するための複数のファン5を有する。
【0015】
図2は、熱交換器2の要部拡大断面図である。
【0016】
図2に示すように、熱交換器2は、ハウジング8とその中に収められた冷水配管9及びフィン10を有する。
【0017】
このうち、冷水配管9には、不図示のチラー等によって冷却された冷却水が供給される。フィン10は、上記のファン5によって生成された気流Aを冷却すべく設けられ、冷水配管9と熱的に接続される。フィン10の材料は特に限定されない。本例では、熱伝導率が高く、気流Aとの間で熱交換を行い易いアルミニウムをフィン10の材料として使用する。
【0018】
ここで、気流Aとフィン10との間の熱交換効率を更に高めるには、フィン10の表面に複数の凸部10aを設けて気流Aを乱すことが考えられる。
【0019】
しかし、これでは凸部10aによって熱交換器2を通る気流Aの流速が落ちてしまうので、その流速を維持するためにファン5(図1参照)の回転数を増加させなければならず、ファン5の消費電力の分だけ空調機1の消費電力が高くなってしまう。
【0020】
以下、実施形態について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図3は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【0022】
この情報処理システム60は、インターネットデータセンタ(IDC)等のデータセンタ27において使用されるものであって、空調機20とサーバラック30とを有する。
【0023】
空調機20は、熱交換器22と、筐体23と、ファンユニット24とを有する。熱交換器22とファンユニット24は、いずれも筐体23に収められており、データセンタ27内の空気を冷却するのに使用される。
【0024】
熱交換器22には往水ライン33と還水ライン34が接続される。往水ライン33と還水ライン33はチラー32に接続されており、チラー32で生成された冷却水が往水ライン33を介して熱交換器22に供給される。そして、熱交換器22で温められた冷却水は、還水ライン34を通ってチラー32に戻り、当該チラー32において冷却される。
【0025】
また、ファンユニット24は、気流Bを生成するための複数のファン25を有する。
【0026】
その気流Bは、データセンタ27内に区画されたコールドアイル29を通ってサーバラック30に供給される。
【0027】
サーバラック30は、データセンタ27内に区画された機器設置エリア28に設けられており、情報処理を行うためのサーバ等の複数の計算機31を備える。なお、計算機31は、情報処理機器の一例である。
【0028】
各計算機31にはCPU等の発熱部品(不図示)が設けられるが、その発熱部品は、各計算機31の吸気面31a側から取り込まれた気流Bによって冷却される。そして、発熱部品によって温められた気流Bは、各計算機31の排気面31b側からデータセンタ27内に排気された後、空調機20において再び冷却される。
【0029】
図4は、熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0030】
図4に示すように、熱交換器22は、ハウジング40とその中に収められた冷水配管41及びフィン42を有する。
【0031】
このうち、冷水配管41には往水ライン33(図3参照)から冷却水が供給される。フィン42は、その表面が気流Bに曝されており、冷水配管41と熱的に接続される。フィン42の材料は特に限定されない。本例では、熱伝導率が高く、気流Bとの間で熱交換を行い易いアルミニウムをフィン42の材料として使用する。
【0032】
また、フィン42は、開口42aによってその一部が除去される。更に、フィン42には、バイメタル部43の端部43aが接続される。
【0033】
図4の点線円内に示すように、バイメタル部43は、低膨張側金属膜43xと、これよりも熱膨張率が高い高膨張側金属膜43yとを張り合わせてなる。
【0034】
低膨張側金属膜43xと高膨張側金属膜43yの材料は特に限定されないが、低膨張側金属膜43xの材料としてはFeとNiを材料とするインバー合金を使用し得る。そして、高膨張側金属膜43yとしては、Fe、Cr、及びNiを材料とするステンレス、又はCu、Mn、及びNiを材料とする銅合金を使用し得る。
【0035】
なお、低膨張側金属膜43xに代えてアルミナ膜等のセラミックの薄膜を形成してもよい。また、高膨張側金属膜43yに代えて、アルミニウム膜を形成してもよい。
【0036】
更に、低膨張側金属膜43xと高膨張側金属膜43yの各々の厚さも特に限定されないが、本実施形態では低膨張側金属膜43xと高膨張側金属膜43yの各々の厚さをいずれも約0.04mmとする。
【0037】
また、バイメタル部43は、熱伝導率がなるべく小さい接着剤によってその端部43aをフィン42に接続するのが好ましい。そのような接着剤としては、例えば、株式会社サンエイテック製のEMCAST501(熱伝導率0.005W/mk)がある。
【0038】
このように熱伝導率が小さい接着剤を使用することで、冷水配管41によってバイメタル部43が冷却されるのを防止し、気流Bの温度変化に対してバイメタル部43の形状が速やかに変化するようになる。
【0039】
なお、上記の図4は、気流Bが室温(20℃)程度の低温である場合を例示している。この場合は、バイメタル部43は変形しないため、バイメタル部43の主面43zが気流Bと平行になると共に、開口42aがバイメタル部43で塞がれた状態となる。
【0040】
また、ハウジング40を設けたことで、ハウジング40の内側に気流Bが閉じ込められ、気流Bとフィン42との間の熱交換が促進される。
【0041】
図5は、上記したフィン42とバイメタル部43とを冷水配管41の延在方向から見た図である。
【0042】
図5に示すように、開口42aの平面形状は円形であり、バイメタル部43はその開口42aを覆う大きさの長方形状の平面形状を有する。なお、開口42aの平面形状はこれに限定されず、矩形状等の多角形状に開口42aを形成してもよい。
【0043】
次に、この熱交換器22の動作について説明する。
【0044】
図6は、データセンタ27内の気温が高くなり、図4におけるよりも気流Bの温度が上昇した場合の熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0045】
図6に示すように、気流Bの温度が高くなると、バイメタル部43が反って開口42aから離れ、気流Bが開口42aを流通するようになる。その結果、ハウジング40内で気流Bが乱され、気流Bからフィン42への熱伝達率が向上し、ひいては熱交換器22の熱交換効率を高めることができる。
【0046】
更に、上記のように反ることで、隣り合うフィン42に接続されたバイメタル部43の先端同士の間隔Dが狭まるので、気流Bの流れを効率的に阻害して、気流Bからフィン42への熱伝達率が一層向上する。
【0047】
特に、バイメタル部43の両端のうち、気流Bの下流側の端部43aを固定して上流側の先端43wを可動にしたことで、温度上昇時に先端43wが気流Bに対して逆らうようになり、気流Bを更に効率的に乱すことができる。
【0048】
本願発明者が流体解析により計算をしたところ、フィン42に開口42aとバイメタル部43とを設けないストレートフィン構造と比較して、本実施形態ではバイメタル部43が反ったときのフィン42の熱伝達率を約1.3倍にできることが明らかとなった。
【0049】
また、上記のストレートフィン構造と比べて、本実施形態ではバイメタル部43が反ったときの圧力損失が約1.1倍になることも明らかとなった。なお、圧力損失とは、熱交換器22内における気流Bの圧力の最大値と最小値との差をいう。
【0050】
その圧力損失は、一つのフィン42に設けるバイメタル部43の個数を増やすことで、さらに増大すると考えられる。
【0051】
更に、本実施形態では、対向する二つのフィン42の中線Lに対してその両脇のバイメタル部43が左右対称に変形する。そのため、気流Bの流れの方向が中線Lに対して左右どちらかに偏るのを防ぐこともできる。
【0052】
以上説明した本実施形態によれば、図4に示したように、気流Bの温度が低く、熱交換器22に高い熱交換率が要求されない場合には、バイメタル部43が気流Bに沿うようになるので、気流Bの流速を落とすことなくファン25の回転数を低減することができる。
【0053】
そのため、図2のように気流Aの温度の如何によらず凸部10aで常に気流を乱す場合と比較して、本実施形態ではファン25の消費電力を低減することができ、ひいては空調機20の省エネルギ化を実現することができる。
【0054】
しかも、図6に示したように、気流Bの温度が高くなるとバイメタル部43が反って気流Bの流れを乱すようになるので、フィン42と気流Bとの間の熱伝達率が高められ、熱交換器22の熱交換効率を向上させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
図7は、本実施形態に係る熱交換器22の要部拡大断面図である。なお、図7において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0056】
図7に示すように、本実施形態におけるバイメタル部43は、フィン42の先端42gに固定された第1のバイメタル47と第2のバイメタル48とを有する。
【0057】
図7の点線円内に示すように、第1のバイメタル47は、第1の低膨張側金属膜47xと、これよりも熱膨張率が高い第1の高膨張側金属膜47yとを張り合わせてなる。
【0058】
一方、第2のバイメタル48は、第2の低膨張側金属膜48xと、これよりも熱膨張率が高い第2の高膨張側金属膜48yとを張り合わせてなる。
【0059】
これら第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の材料は特に限定されない。本実施形態では、第1の低膨張側金属膜47x及び第2の低膨張側金属膜48xの材料として、FeとNiを材料とするインバー合金を使用する。
【0060】
一方、第1の高膨張側金属膜47y及び第2の高膨張側金属膜48yの材料としては、Fe、Cr、及びNiを材料とするステンレス、又はCu、Mn、及びNiを材料とする銅合金を使用し得る。
【0061】
更に、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の厚さは、いずれも約0.08mm程度とされる。
【0062】
なお、必要に応じてフィン42の全体をバイメタル部43としてもよい。
【0063】
また、上記の図7は、気流Bが室温(20℃)程度の低温の場合を例示している。この場合は、バイメタル部43は変形せず、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々の主面47a、48aは気流Bと平行になる。
【0064】
次に、この熱交換器22の動作について説明する。
【0065】
図8は、データセンタ27内の気温が高くなり、図7におけるよりも気流Bの温度が上昇した場合の熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0066】
図8に示すように、気流Bの温度が高くなると、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48が互いに反対の方向に反り、バイメタル部43の表面積が増大する。
【0067】
例えば、図8の例では、気流Bに曝される部分のフィン42とバイメタル部43の総表面積は、フィン42の長さL1とバイメタル部43の長さL2の長さが等しいとき、バイメタル部43が反る前と比較して1.5倍程度に増える。
【0068】
そして、そのような表面積の増大により気流Bが乱されるため、気流Bからバイメタル部43への熱伝達率が向上し、ひいては熱交換器22の熱交換効率を高めることができる。
【0069】
本願発明者が計算したところ、バイメタル部43に通常の金属膜を使用するストレートフィンと比較して、本実施形態のバイメタル部43の熱伝導率は約1.6倍になり、その圧力損失は約1.4倍となった。
【0070】
また、熱交換器22への熱負荷が100%のときに図8のようにバイメタル部43が反り、熱負荷が30%のときに図7のようにバイメタル部43が平坦に戻ると場合に、気流Bの流速を同一に保つのに要するファン25の電力を以下のように求めた。
【0071】
図9は、圧力損失(静圧)とファン25の消費電力との関係を調査して得られたグラフである。なお、このグラフの作成に際してはファン25のP(静圧)−Q(風量)曲線を利用した。図9に示されるように、圧力損失と消費電力は略線形の関係にある。
【0072】
その結果、気流Bの流速を2200m3/hに保とうとする場合、圧力損失(静圧)が50Paのときの消費電力が204Wであったのに対し、圧力損失が35Paのときには消費電力が189Wに低減した。データセンタ内では複数のファン25が運用されるため、ファン25の台数に比例して電力の削減効果を大きくすることができる。
【0073】
これにより、図7のようにバイメタル部43が平坦な場合では、図8のようにバイメタル部43が反っている場合と比較して、ファン25の消費電力を約10%低減することができる。
【0074】
次に、この熱交換器22の熱伝達率と圧力損失のシミュレーション結果について説明する。
【0075】
図10(a)、(b)は、熱伝達率のシミュレーション結果を示す図である。
【0076】
これらのうち、図10(a)は、バイメタル部43に代えて熱変形しない通常の金属からなるストレートフィンを使用した場合の計算結果を示す図である。そのストレートフィンは、気流の温度が約20℃と低温で反りが発生していないバイメタル部43と同視できる。
【0077】
一方、図10(b)は、本実施形態に係る熱交換器22についての計算結果を示す図である。なお、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々の平面形状は長辺が20mmで短辺が8mmの長方形とし、それらの厚さは0.08mmとした。また、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々の湾曲係数は20.5×10-6/℃とし、気流の温度は40℃とした。
【0078】
図10(a)に示すように、ストレートフィンの熱伝達率は約400〜600W/m2K程度である。
【0079】
一方、図10(b)に示すように、本実施形態では約750〜900W/m2Kの熱伝導率が得られ、ストレートフィン(図10(a))と比較して熱伝導率を約1.5〜1.9倍に高めることができる。この値に基づいて熱交換器22全体の交換熱量を計算すると、ストレートフィンよりも本実施形態では約2.3〜2.9倍の交換熱量が得られることになる。
【0080】
また、本実施形態では第1のバイメタル47と第2のバイメタル48が熱により変形する。その変形により、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々は、変形していない場合と比較してそれらの先端が約2mm程度反る。
【0081】
実使用下においては、低温時と高温時の気流の温度差や約5〜15℃程度であるため、バイメタル部43の反りの量は上記よりも小さくなる。そのため、隣り合うバイメタル部43同士の間隔を2〜3mm程度とすれば、隣り合うバイメタル部43同士が接触することはなく、十分実用に耐え得る。
【0082】
図11(a)、(b)は、圧力損失の計算結果を示す図である。
【0083】
これらのうち、図11(a)は、バイメタル部43に代えて熱変形しない通常の金属からなるストレートフィンを使用した場合の計算結果を示す図である。そして、図11(b)は、図10(b)におけるのと同様に、本実施形態に係る熱交換器22についての計算結果を示す図である。
【0084】
圧力損失は、熱交換器22内における気流の圧力の最大値と最小値との差で定義される。
【0085】
図11(a)に示すように、ストレートフィンの場合には、圧力損失は約36.6Pa(36.6Pa−0Pa)となる。
【0086】
一方、図11(b)に示すように、本実施形態では、温度上昇で変形したバイメタル部43により熱交換器22内の気流が乱されるため、圧力損失は約50.3Pa(約50.3Pa−0Pa)となり、ストレートフィンよりも高くなる。
【0087】
このことから、ストレートフィンを使用した場合(図11(a))の圧力損失は、本実施形態における圧力損失よりも27%低減できることになる。
【0088】
ここで、図7を参照して説明したように、気流Bの温度が低いときは、本実施形態でもバイメタル部43に反りが発生しないため、バイメタル部43をストレートフィンとみなすことができる。
【0089】
そのため、本実施形態でも、気流Bの温度が低くバイメタル部43に反りが発生していない場合には、バイメタル部43に反りが発生している場合と比較して圧力損失を約27%抑制することができる。
【0090】
図9に示したように、圧力損失が小さくなると気流Bを同一に保つのに要するファン25の消費電力を抑制できるので、本実施形態でもファン25の消費電力を低減することが可能となる。
【0091】
(第3実施形態)
図12は、本実施形態に係る熱交換器22の要部拡大断面図である。なお、図12において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0092】
本実施形態では、図12に示すように、フィン42の両面にバイメタル43を設ける。各バイメタル43は、その端部43aがフィン42に接続されており、フィン42を基準にして線対称となるようにフィン42の両面に対となって設けられる。
【0093】
次に、この熱交換器22の動作について説明する。
【0094】
図13は、データセンタ27内の気温が高くなり、図12におけるよりも気流Bの温度が上昇した場合の熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0095】
図13に示すように、気流Bの温度が高くなると、端部43aを支点にしてバイメタル部43が反り、気流Bが乱されるようになる。そのため、気流Bからフィン42への熱伝達率が向上し、熱交換器22の熱交換効率を高めることができる。
【0096】
しかも、第1実施形態と同様に、このように反ることで隣り合うフィン42に接続されたバイメタル部43の先端同士の間隔Dが狭まり、気流Bの流れを効率的に阻害することができる。
【0097】
また、気流Bの上流側の先端43xを可動にしたため、温度上昇時に先端43xが気流Bに対して逆らうようになり、気流Bを更に効率的に乱して熱交換器22の熱交換効率を更に向上させることができる。
【0098】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態で説明した空調機20のファンの回転数の制御方法について説明する。
【0099】
図14は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。なお、図14において、図3で説明したのと同じ要素には図3におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0100】
図14に示すように、この情報処理システム70は、第1の温度測定部51、第2の温度測定部52、及び制御部53を有する。
【0101】
このうち、第1の温度測定部51は計算機31の吸気面31a側の温度T1を測定し、第2の温度測定部52は排気面31b側の第2の温度T2を測定する。このように測定された第1の温度T1と第2の温度T2は、それぞれ第1の温度監視信号ST1と第2の温度監視信号ST2として制御部53に出力される。
【0102】
そして、制御部53は、各々のファン25に対してその回転数を制御する制御信号Srを出力する。また、ファン25には不図示のエンコーダが設けられており、そのエンコーダから制御部53にファン25の回転数を示す回転数信号Smが出力される。
【0103】
次に、この制御部53によるファン25の回転数の制御方法について説明する。
【0104】
図15は、制御部53の処理内容について説明するためのフローチャートである。
【0105】
最初のステップP1では、回転数信号Smに基づいて、制御部53がファン25の回転数をモニタする。
【0106】
続いて、ステップP2に移り、第1の温度監視信号ST1と第2の温度監視信号ST2に基づいて、制御部53が、吸気面31a側の気流Bの第1の温度T1と、排気面31b側の気流Bの第2の温度T2をモニタする。
【0107】
次に、ステップP3に移る。本ステップでは、制御部53が、第1の温度T1が基準温度T0よりも高いか否かを判断する。
【0108】
また、これと共に、制御部53が、第2の温度T2と第1の温度T1との温度差(T2−T1)が所定温度差ΔTよりも低いか否かを判断する。
【0109】
ここで、第1の温度T1が基準温度T0よりも高くない(NO)と判断された場合には、気流Bが空調機20で過剰に冷却されており、空調機20の消費電力を削減する余地がある。
【0110】
よって、この場合は、ステップP4に移り、制御部53の制御下でファン25の回転数を遅くする。
【0111】
また、ステップP3で温度差(T2−T1)が所定温度差ΔTよりも低くない(NO)と判断された場合は、各計算機31の発熱量が多く、それが原因で第2の温度T2が高温になっていると考えられる。
【0112】
よって、この場合は、ステップP4に移り、制御部53の制御下でファン25の回転数を上げ、各計算機31に供給される気流Bの流量を多くする。
【0113】
一方、ステップP3において、第1の温度T1が基準温度T0よりも高く、かつ、温度差(T2−T1)が所定温度差ΔTよりも低い場合(YES)には、制御部53の制御下でファン25の回転数が維持される。
【0114】
この後は、ステップP1に再び戻り、上記した各ステップP1〜P4を繰り返す。
【0115】
以上説明した本実施形態によれば、ステップP3において第1の温度T1が基準温度T0以下であると判断された場合に、ステップP4でファン25の回転数を遅くするので、ファン25における消費電力を低減できる。
【0116】
また、ステップP3において温度差(T2−T1)が所定温度差ΔT以上であると判断された場合に限り、ステップP4でファン25の回転数を速くするので、ファン25における消費電力が必要以上に増大するのを防止できる。
【0117】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0118】
(付記1) 表面が気流に曝される複数のフィンと、
前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする熱交換器。
【0119】
(付記2) 複数の前記フィンの各々の一部が除去され、前記気流の温度の低下により前記一部が前記バイメタル部によって塞がれ、
前記気流の温度の上昇により、前記フィンの前記一部から前記バイメタル部が離れ、前記気流が前記一部を流通するようになることを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0120】
(付記3) 前記バイメタル部は、第1のバイメタルと第2のバイメタルとを備え、
前記気流の温度の上昇により、前記第1のバイメタルと前記第2のバイメタルが互いに反対の方向に反ることを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0121】
(付記4) 前記第1のバイメタルと前記第2のバイメタルは、前記フィンの端部に固定されていることを特徴とする付記3に記載の熱交換器。
【0122】
(付記5) 前記フィンと前記バイメタル部とを収容するハウジングを更に有することを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の熱交換器。
【0123】
(付記6) 前記バイメタル部の端部が前記フィンに固定され、前記端部とは反対側の前記バイメタル部の先端が可動であることを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0124】
(付記7) 前記先端は、前記端部よりも前記気流の上流側にあることを特徴とする付記6に記載の熱交換器。
【0125】
(付記8) 機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
熱交換器を有し、前記機器設置エリアの空調を行う空調機とを備え、
前記熱交換器が、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする情報処理システム。
【0126】
(付記9) 前記計算機が吸気面と排気面とを有すると共に、
前記気流を生成するファンと、
前記吸気面側の前記気流の第1の温度を測定する第1の温度測定部と、
前記第1の温度が基準温度以下になったときに、前記ファンの回転数を下げる制御部とを更に有することを特徴とする付記8に記載の情報処理システム。
【0127】
(付記10) 前記排気面側の前記気流の第2の温度を測定する第2の温度測定部を更に有し、
前記制御部が、前記第2の温度と前記第1の温度との差が所定温度差以上になったときに、前記ファンの回転数を増大させることを特徴とする付記9に記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0128】
1、20…空調機、2、22…熱交換器、3、23…筐体、4、24…ファンユニット、5、25…ファン、9…冷水配管、10…フィン、10a…凸部、27…データセンタ、28…機器設置エリア、29…コールドアイル、30…サーバラック、31…計算機、31a…吸気面、31b…排気面、32…チラー、33…往水ライン、34…還水ライン、40…ハウジング、41…冷水配管、42…フィン、42a…開口、43…バイメタル部、43a…端部、43x…低膨張側金属膜、43y…高膨張側金属膜、47…第1のバイメタル、48…第2のバイメタル、51…第1の温度測定部、52…第2の温度測定部、53…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器及び熱交換器を用いた情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術の発達により、データセンタ内で扱われるデータ量が増大し、これに伴いデータセンタ内のサーバラックにより多くの計算機が搭載されるようになりつつある。その結果、データセンタ内に設置された空調機では、全ての計算機で消費する電力の総和に匹敵するほど大きな電力を消費しているといわれる。
【0003】
その空調機においては、データセンタ内で温められた空気を冷却水との熱交換で冷却するための熱交換器が設けられる。空調機の消費電力を削減するには、その熱交換器における熱交換効率を向上させるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−044755号公報
【特許文献2】特表2002−502135号公報
【特許文献3】特開2010−27649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱交換器及び熱交換器を用いた情報処理システムにおいて、熱交換効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の開示の一観点によれば、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まる熱交換器が提供される。
【0007】
また、その開示の他の観点によれば、機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、熱交換器を有し、前記機器設置エリアの空調を行う空調機とを備え、前記熱交換器が、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まる情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以下の開示によれば、気流の温度上昇によってバイメタル部同士の間隔が狭まるため、バイメタル部によって気流が乱れ、フィンと気流との間の熱伝達率が高められ、ひいては熱交換器の熱交換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、データセンタで使用される空調機の断面図である。
【図2】図2は、データセンタで使用される空調機の熱交換器の要部拡大断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態において、フィンとバイメタル部とを冷水配管の延在方向から見た図である。
【図6】図6は、バイメタル部が反ったときの第1実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図8】図8は、バイメタル部が反ったときの第2実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図9】図9は、第2実施形態において、圧力損失とファンの消費電力との関係を調査して得られたグラフである。
【図10】図10(a)、(b)は、第2実施形態において、熱交換器の熱伝達率の計算結果を示す図である。
【図11】図11(a)、(b)は、第2実施形態において、熱交換器の圧力損失の計算結果を示す図である。
【図12】図12は、第3実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図13】図13は、バイメタル部が反ったときの第3実施形態に係る熱交換器の要部拡大断面図である。
【図14】図14は、第4実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【図15】図15は、第4実施形態に係る制御部の処理内容について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態の説明に先立ち、本実施形態の基礎となる予備的事項について説明する。
【0011】
サーバラックに高密度に搭載された計算機はデータセンタ内に設置された空調機で冷却され、それにより各計算機の情報処理能力が熱で低下するのが防止される。
【0012】
図1は、そのデータセンタで使用される空調機1の断面図である。
【0013】
この空調機1は、熱交換器2と、筐体3と、ファンユニット4とを有する。熱交換器2とファンユニット4は、いずれも筐体3内に収められており、データセンタ内の空気を冷却するのに使用される。
【0014】
また、ファンユニット4は、気流Aを生成するための複数のファン5を有する。
【0015】
図2は、熱交換器2の要部拡大断面図である。
【0016】
図2に示すように、熱交換器2は、ハウジング8とその中に収められた冷水配管9及びフィン10を有する。
【0017】
このうち、冷水配管9には、不図示のチラー等によって冷却された冷却水が供給される。フィン10は、上記のファン5によって生成された気流Aを冷却すべく設けられ、冷水配管9と熱的に接続される。フィン10の材料は特に限定されない。本例では、熱伝導率が高く、気流Aとの間で熱交換を行い易いアルミニウムをフィン10の材料として使用する。
【0018】
ここで、気流Aとフィン10との間の熱交換効率を更に高めるには、フィン10の表面に複数の凸部10aを設けて気流Aを乱すことが考えられる。
【0019】
しかし、これでは凸部10aによって熱交換器2を通る気流Aの流速が落ちてしまうので、その流速を維持するためにファン5(図1参照)の回転数を増加させなければならず、ファン5の消費電力の分だけ空調機1の消費電力が高くなってしまう。
【0020】
以下、実施形態について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図3は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【0022】
この情報処理システム60は、インターネットデータセンタ(IDC)等のデータセンタ27において使用されるものであって、空調機20とサーバラック30とを有する。
【0023】
空調機20は、熱交換器22と、筐体23と、ファンユニット24とを有する。熱交換器22とファンユニット24は、いずれも筐体23に収められており、データセンタ27内の空気を冷却するのに使用される。
【0024】
熱交換器22には往水ライン33と還水ライン34が接続される。往水ライン33と還水ライン33はチラー32に接続されており、チラー32で生成された冷却水が往水ライン33を介して熱交換器22に供給される。そして、熱交換器22で温められた冷却水は、還水ライン34を通ってチラー32に戻り、当該チラー32において冷却される。
【0025】
また、ファンユニット24は、気流Bを生成するための複数のファン25を有する。
【0026】
その気流Bは、データセンタ27内に区画されたコールドアイル29を通ってサーバラック30に供給される。
【0027】
サーバラック30は、データセンタ27内に区画された機器設置エリア28に設けられており、情報処理を行うためのサーバ等の複数の計算機31を備える。なお、計算機31は、情報処理機器の一例である。
【0028】
各計算機31にはCPU等の発熱部品(不図示)が設けられるが、その発熱部品は、各計算機31の吸気面31a側から取り込まれた気流Bによって冷却される。そして、発熱部品によって温められた気流Bは、各計算機31の排気面31b側からデータセンタ27内に排気された後、空調機20において再び冷却される。
【0029】
図4は、熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0030】
図4に示すように、熱交換器22は、ハウジング40とその中に収められた冷水配管41及びフィン42を有する。
【0031】
このうち、冷水配管41には往水ライン33(図3参照)から冷却水が供給される。フィン42は、その表面が気流Bに曝されており、冷水配管41と熱的に接続される。フィン42の材料は特に限定されない。本例では、熱伝導率が高く、気流Bとの間で熱交換を行い易いアルミニウムをフィン42の材料として使用する。
【0032】
また、フィン42は、開口42aによってその一部が除去される。更に、フィン42には、バイメタル部43の端部43aが接続される。
【0033】
図4の点線円内に示すように、バイメタル部43は、低膨張側金属膜43xと、これよりも熱膨張率が高い高膨張側金属膜43yとを張り合わせてなる。
【0034】
低膨張側金属膜43xと高膨張側金属膜43yの材料は特に限定されないが、低膨張側金属膜43xの材料としてはFeとNiを材料とするインバー合金を使用し得る。そして、高膨張側金属膜43yとしては、Fe、Cr、及びNiを材料とするステンレス、又はCu、Mn、及びNiを材料とする銅合金を使用し得る。
【0035】
なお、低膨張側金属膜43xに代えてアルミナ膜等のセラミックの薄膜を形成してもよい。また、高膨張側金属膜43yに代えて、アルミニウム膜を形成してもよい。
【0036】
更に、低膨張側金属膜43xと高膨張側金属膜43yの各々の厚さも特に限定されないが、本実施形態では低膨張側金属膜43xと高膨張側金属膜43yの各々の厚さをいずれも約0.04mmとする。
【0037】
また、バイメタル部43は、熱伝導率がなるべく小さい接着剤によってその端部43aをフィン42に接続するのが好ましい。そのような接着剤としては、例えば、株式会社サンエイテック製のEMCAST501(熱伝導率0.005W/mk)がある。
【0038】
このように熱伝導率が小さい接着剤を使用することで、冷水配管41によってバイメタル部43が冷却されるのを防止し、気流Bの温度変化に対してバイメタル部43の形状が速やかに変化するようになる。
【0039】
なお、上記の図4は、気流Bが室温(20℃)程度の低温である場合を例示している。この場合は、バイメタル部43は変形しないため、バイメタル部43の主面43zが気流Bと平行になると共に、開口42aがバイメタル部43で塞がれた状態となる。
【0040】
また、ハウジング40を設けたことで、ハウジング40の内側に気流Bが閉じ込められ、気流Bとフィン42との間の熱交換が促進される。
【0041】
図5は、上記したフィン42とバイメタル部43とを冷水配管41の延在方向から見た図である。
【0042】
図5に示すように、開口42aの平面形状は円形であり、バイメタル部43はその開口42aを覆う大きさの長方形状の平面形状を有する。なお、開口42aの平面形状はこれに限定されず、矩形状等の多角形状に開口42aを形成してもよい。
【0043】
次に、この熱交換器22の動作について説明する。
【0044】
図6は、データセンタ27内の気温が高くなり、図4におけるよりも気流Bの温度が上昇した場合の熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0045】
図6に示すように、気流Bの温度が高くなると、バイメタル部43が反って開口42aから離れ、気流Bが開口42aを流通するようになる。その結果、ハウジング40内で気流Bが乱され、気流Bからフィン42への熱伝達率が向上し、ひいては熱交換器22の熱交換効率を高めることができる。
【0046】
更に、上記のように反ることで、隣り合うフィン42に接続されたバイメタル部43の先端同士の間隔Dが狭まるので、気流Bの流れを効率的に阻害して、気流Bからフィン42への熱伝達率が一層向上する。
【0047】
特に、バイメタル部43の両端のうち、気流Bの下流側の端部43aを固定して上流側の先端43wを可動にしたことで、温度上昇時に先端43wが気流Bに対して逆らうようになり、気流Bを更に効率的に乱すことができる。
【0048】
本願発明者が流体解析により計算をしたところ、フィン42に開口42aとバイメタル部43とを設けないストレートフィン構造と比較して、本実施形態ではバイメタル部43が反ったときのフィン42の熱伝達率を約1.3倍にできることが明らかとなった。
【0049】
また、上記のストレートフィン構造と比べて、本実施形態ではバイメタル部43が反ったときの圧力損失が約1.1倍になることも明らかとなった。なお、圧力損失とは、熱交換器22内における気流Bの圧力の最大値と最小値との差をいう。
【0050】
その圧力損失は、一つのフィン42に設けるバイメタル部43の個数を増やすことで、さらに増大すると考えられる。
【0051】
更に、本実施形態では、対向する二つのフィン42の中線Lに対してその両脇のバイメタル部43が左右対称に変形する。そのため、気流Bの流れの方向が中線Lに対して左右どちらかに偏るのを防ぐこともできる。
【0052】
以上説明した本実施形態によれば、図4に示したように、気流Bの温度が低く、熱交換器22に高い熱交換率が要求されない場合には、バイメタル部43が気流Bに沿うようになるので、気流Bの流速を落とすことなくファン25の回転数を低減することができる。
【0053】
そのため、図2のように気流Aの温度の如何によらず凸部10aで常に気流を乱す場合と比較して、本実施形態ではファン25の消費電力を低減することができ、ひいては空調機20の省エネルギ化を実現することができる。
【0054】
しかも、図6に示したように、気流Bの温度が高くなるとバイメタル部43が反って気流Bの流れを乱すようになるので、フィン42と気流Bとの間の熱伝達率が高められ、熱交換器22の熱交換効率を向上させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
図7は、本実施形態に係る熱交換器22の要部拡大断面図である。なお、図7において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0056】
図7に示すように、本実施形態におけるバイメタル部43は、フィン42の先端42gに固定された第1のバイメタル47と第2のバイメタル48とを有する。
【0057】
図7の点線円内に示すように、第1のバイメタル47は、第1の低膨張側金属膜47xと、これよりも熱膨張率が高い第1の高膨張側金属膜47yとを張り合わせてなる。
【0058】
一方、第2のバイメタル48は、第2の低膨張側金属膜48xと、これよりも熱膨張率が高い第2の高膨張側金属膜48yとを張り合わせてなる。
【0059】
これら第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の材料は特に限定されない。本実施形態では、第1の低膨張側金属膜47x及び第2の低膨張側金属膜48xの材料として、FeとNiを材料とするインバー合金を使用する。
【0060】
一方、第1の高膨張側金属膜47y及び第2の高膨張側金属膜48yの材料としては、Fe、Cr、及びNiを材料とするステンレス、又はCu、Mn、及びNiを材料とする銅合金を使用し得る。
【0061】
更に、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の厚さは、いずれも約0.08mm程度とされる。
【0062】
なお、必要に応じてフィン42の全体をバイメタル部43としてもよい。
【0063】
また、上記の図7は、気流Bが室温(20℃)程度の低温の場合を例示している。この場合は、バイメタル部43は変形せず、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々の主面47a、48aは気流Bと平行になる。
【0064】
次に、この熱交換器22の動作について説明する。
【0065】
図8は、データセンタ27内の気温が高くなり、図7におけるよりも気流Bの温度が上昇した場合の熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0066】
図8に示すように、気流Bの温度が高くなると、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48が互いに反対の方向に反り、バイメタル部43の表面積が増大する。
【0067】
例えば、図8の例では、気流Bに曝される部分のフィン42とバイメタル部43の総表面積は、フィン42の長さL1とバイメタル部43の長さL2の長さが等しいとき、バイメタル部43が反る前と比較して1.5倍程度に増える。
【0068】
そして、そのような表面積の増大により気流Bが乱されるため、気流Bからバイメタル部43への熱伝達率が向上し、ひいては熱交換器22の熱交換効率を高めることができる。
【0069】
本願発明者が計算したところ、バイメタル部43に通常の金属膜を使用するストレートフィンと比較して、本実施形態のバイメタル部43の熱伝導率は約1.6倍になり、その圧力損失は約1.4倍となった。
【0070】
また、熱交換器22への熱負荷が100%のときに図8のようにバイメタル部43が反り、熱負荷が30%のときに図7のようにバイメタル部43が平坦に戻ると場合に、気流Bの流速を同一に保つのに要するファン25の電力を以下のように求めた。
【0071】
図9は、圧力損失(静圧)とファン25の消費電力との関係を調査して得られたグラフである。なお、このグラフの作成に際してはファン25のP(静圧)−Q(風量)曲線を利用した。図9に示されるように、圧力損失と消費電力は略線形の関係にある。
【0072】
その結果、気流Bの流速を2200m3/hに保とうとする場合、圧力損失(静圧)が50Paのときの消費電力が204Wであったのに対し、圧力損失が35Paのときには消費電力が189Wに低減した。データセンタ内では複数のファン25が運用されるため、ファン25の台数に比例して電力の削減効果を大きくすることができる。
【0073】
これにより、図7のようにバイメタル部43が平坦な場合では、図8のようにバイメタル部43が反っている場合と比較して、ファン25の消費電力を約10%低減することができる。
【0074】
次に、この熱交換器22の熱伝達率と圧力損失のシミュレーション結果について説明する。
【0075】
図10(a)、(b)は、熱伝達率のシミュレーション結果を示す図である。
【0076】
これらのうち、図10(a)は、バイメタル部43に代えて熱変形しない通常の金属からなるストレートフィンを使用した場合の計算結果を示す図である。そのストレートフィンは、気流の温度が約20℃と低温で反りが発生していないバイメタル部43と同視できる。
【0077】
一方、図10(b)は、本実施形態に係る熱交換器22についての計算結果を示す図である。なお、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々の平面形状は長辺が20mmで短辺が8mmの長方形とし、それらの厚さは0.08mmとした。また、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々の湾曲係数は20.5×10-6/℃とし、気流の温度は40℃とした。
【0078】
図10(a)に示すように、ストレートフィンの熱伝達率は約400〜600W/m2K程度である。
【0079】
一方、図10(b)に示すように、本実施形態では約750〜900W/m2Kの熱伝導率が得られ、ストレートフィン(図10(a))と比較して熱伝導率を約1.5〜1.9倍に高めることができる。この値に基づいて熱交換器22全体の交換熱量を計算すると、ストレートフィンよりも本実施形態では約2.3〜2.9倍の交換熱量が得られることになる。
【0080】
また、本実施形態では第1のバイメタル47と第2のバイメタル48が熱により変形する。その変形により、第1のバイメタル47と第2のバイメタル48の各々は、変形していない場合と比較してそれらの先端が約2mm程度反る。
【0081】
実使用下においては、低温時と高温時の気流の温度差や約5〜15℃程度であるため、バイメタル部43の反りの量は上記よりも小さくなる。そのため、隣り合うバイメタル部43同士の間隔を2〜3mm程度とすれば、隣り合うバイメタル部43同士が接触することはなく、十分実用に耐え得る。
【0082】
図11(a)、(b)は、圧力損失の計算結果を示す図である。
【0083】
これらのうち、図11(a)は、バイメタル部43に代えて熱変形しない通常の金属からなるストレートフィンを使用した場合の計算結果を示す図である。そして、図11(b)は、図10(b)におけるのと同様に、本実施形態に係る熱交換器22についての計算結果を示す図である。
【0084】
圧力損失は、熱交換器22内における気流の圧力の最大値と最小値との差で定義される。
【0085】
図11(a)に示すように、ストレートフィンの場合には、圧力損失は約36.6Pa(36.6Pa−0Pa)となる。
【0086】
一方、図11(b)に示すように、本実施形態では、温度上昇で変形したバイメタル部43により熱交換器22内の気流が乱されるため、圧力損失は約50.3Pa(約50.3Pa−0Pa)となり、ストレートフィンよりも高くなる。
【0087】
このことから、ストレートフィンを使用した場合(図11(a))の圧力損失は、本実施形態における圧力損失よりも27%低減できることになる。
【0088】
ここで、図7を参照して説明したように、気流Bの温度が低いときは、本実施形態でもバイメタル部43に反りが発生しないため、バイメタル部43をストレートフィンとみなすことができる。
【0089】
そのため、本実施形態でも、気流Bの温度が低くバイメタル部43に反りが発生していない場合には、バイメタル部43に反りが発生している場合と比較して圧力損失を約27%抑制することができる。
【0090】
図9に示したように、圧力損失が小さくなると気流Bを同一に保つのに要するファン25の消費電力を抑制できるので、本実施形態でもファン25の消費電力を低減することが可能となる。
【0091】
(第3実施形態)
図12は、本実施形態に係る熱交換器22の要部拡大断面図である。なお、図12において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0092】
本実施形態では、図12に示すように、フィン42の両面にバイメタル43を設ける。各バイメタル43は、その端部43aがフィン42に接続されており、フィン42を基準にして線対称となるようにフィン42の両面に対となって設けられる。
【0093】
次に、この熱交換器22の動作について説明する。
【0094】
図13は、データセンタ27内の気温が高くなり、図12におけるよりも気流Bの温度が上昇した場合の熱交換器22の要部拡大断面図である。
【0095】
図13に示すように、気流Bの温度が高くなると、端部43aを支点にしてバイメタル部43が反り、気流Bが乱されるようになる。そのため、気流Bからフィン42への熱伝達率が向上し、熱交換器22の熱交換効率を高めることができる。
【0096】
しかも、第1実施形態と同様に、このように反ることで隣り合うフィン42に接続されたバイメタル部43の先端同士の間隔Dが狭まり、気流Bの流れを効率的に阻害することができる。
【0097】
また、気流Bの上流側の先端43xを可動にしたため、温度上昇時に先端43xが気流Bに対して逆らうようになり、気流Bを更に効率的に乱して熱交換器22の熱交換効率を更に向上させることができる。
【0098】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態で説明した空調機20のファンの回転数の制御方法について説明する。
【0099】
図14は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。なお、図14において、図3で説明したのと同じ要素には図3におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0100】
図14に示すように、この情報処理システム70は、第1の温度測定部51、第2の温度測定部52、及び制御部53を有する。
【0101】
このうち、第1の温度測定部51は計算機31の吸気面31a側の温度T1を測定し、第2の温度測定部52は排気面31b側の第2の温度T2を測定する。このように測定された第1の温度T1と第2の温度T2は、それぞれ第1の温度監視信号ST1と第2の温度監視信号ST2として制御部53に出力される。
【0102】
そして、制御部53は、各々のファン25に対してその回転数を制御する制御信号Srを出力する。また、ファン25には不図示のエンコーダが設けられており、そのエンコーダから制御部53にファン25の回転数を示す回転数信号Smが出力される。
【0103】
次に、この制御部53によるファン25の回転数の制御方法について説明する。
【0104】
図15は、制御部53の処理内容について説明するためのフローチャートである。
【0105】
最初のステップP1では、回転数信号Smに基づいて、制御部53がファン25の回転数をモニタする。
【0106】
続いて、ステップP2に移り、第1の温度監視信号ST1と第2の温度監視信号ST2に基づいて、制御部53が、吸気面31a側の気流Bの第1の温度T1と、排気面31b側の気流Bの第2の温度T2をモニタする。
【0107】
次に、ステップP3に移る。本ステップでは、制御部53が、第1の温度T1が基準温度T0よりも高いか否かを判断する。
【0108】
また、これと共に、制御部53が、第2の温度T2と第1の温度T1との温度差(T2−T1)が所定温度差ΔTよりも低いか否かを判断する。
【0109】
ここで、第1の温度T1が基準温度T0よりも高くない(NO)と判断された場合には、気流Bが空調機20で過剰に冷却されており、空調機20の消費電力を削減する余地がある。
【0110】
よって、この場合は、ステップP4に移り、制御部53の制御下でファン25の回転数を遅くする。
【0111】
また、ステップP3で温度差(T2−T1)が所定温度差ΔTよりも低くない(NO)と判断された場合は、各計算機31の発熱量が多く、それが原因で第2の温度T2が高温になっていると考えられる。
【0112】
よって、この場合は、ステップP4に移り、制御部53の制御下でファン25の回転数を上げ、各計算機31に供給される気流Bの流量を多くする。
【0113】
一方、ステップP3において、第1の温度T1が基準温度T0よりも高く、かつ、温度差(T2−T1)が所定温度差ΔTよりも低い場合(YES)には、制御部53の制御下でファン25の回転数が維持される。
【0114】
この後は、ステップP1に再び戻り、上記した各ステップP1〜P4を繰り返す。
【0115】
以上説明した本実施形態によれば、ステップP3において第1の温度T1が基準温度T0以下であると判断された場合に、ステップP4でファン25の回転数を遅くするので、ファン25における消費電力を低減できる。
【0116】
また、ステップP3において温度差(T2−T1)が所定温度差ΔT以上であると判断された場合に限り、ステップP4でファン25の回転数を速くするので、ファン25における消費電力が必要以上に増大するのを防止できる。
【0117】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0118】
(付記1) 表面が気流に曝される複数のフィンと、
前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする熱交換器。
【0119】
(付記2) 複数の前記フィンの各々の一部が除去され、前記気流の温度の低下により前記一部が前記バイメタル部によって塞がれ、
前記気流の温度の上昇により、前記フィンの前記一部から前記バイメタル部が離れ、前記気流が前記一部を流通するようになることを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0120】
(付記3) 前記バイメタル部は、第1のバイメタルと第2のバイメタルとを備え、
前記気流の温度の上昇により、前記第1のバイメタルと前記第2のバイメタルが互いに反対の方向に反ることを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0121】
(付記4) 前記第1のバイメタルと前記第2のバイメタルは、前記フィンの端部に固定されていることを特徴とする付記3に記載の熱交換器。
【0122】
(付記5) 前記フィンと前記バイメタル部とを収容するハウジングを更に有することを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の熱交換器。
【0123】
(付記6) 前記バイメタル部の端部が前記フィンに固定され、前記端部とは反対側の前記バイメタル部の先端が可動であることを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0124】
(付記7) 前記先端は、前記端部よりも前記気流の上流側にあることを特徴とする付記6に記載の熱交換器。
【0125】
(付記8) 機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
熱交換器を有し、前記機器設置エリアの空調を行う空調機とを備え、
前記熱交換器が、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする情報処理システム。
【0126】
(付記9) 前記計算機が吸気面と排気面とを有すると共に、
前記気流を生成するファンと、
前記吸気面側の前記気流の第1の温度を測定する第1の温度測定部と、
前記第1の温度が基準温度以下になったときに、前記ファンの回転数を下げる制御部とを更に有することを特徴とする付記8に記載の情報処理システム。
【0127】
(付記10) 前記排気面側の前記気流の第2の温度を測定する第2の温度測定部を更に有し、
前記制御部が、前記第2の温度と前記第1の温度との差が所定温度差以上になったときに、前記ファンの回転数を増大させることを特徴とする付記9に記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0128】
1、20…空調機、2、22…熱交換器、3、23…筐体、4、24…ファンユニット、5、25…ファン、9…冷水配管、10…フィン、10a…凸部、27…データセンタ、28…機器設置エリア、29…コールドアイル、30…サーバラック、31…計算機、31a…吸気面、31b…排気面、32…チラー、33…往水ライン、34…還水ライン、40…ハウジング、41…冷水配管、42…フィン、42a…開口、43…バイメタル部、43a…端部、43x…低膨張側金属膜、43y…高膨張側金属膜、47…第1のバイメタル、48…第2のバイメタル、51…第1の温度測定部、52…第2の温度測定部、53…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が気流に曝される複数のフィンと、
前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
複数の前記フィンの各々の一部が除去され、前記気流の温度の低下により前記一部が前記バイメタル部によって塞がれ、
前記気流の温度の上昇により、前記フィンの前記一部から前記バイメタル部が離れ、前記気流が前記一部を流通するようになることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記バイメタル部は、一部同士が互いに固定された第1のバイメタルと第2のバイメタルとを備え、
前記気流の温度の上昇により、前記第1のバイメタルと前記第2のバイメタルが互いに反対の方向に反ることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記バイメタル部の端部が前記フィンに固定され、前記端部とは反対側の前記バイメタル部の先端が可動であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記先端は、前記端部よりも前記気流の上流側にあることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
熱交換器を有し、前記機器設置エリアの空調を行う空調機とを備え、
前記熱交換器が、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする情報処理システム。
【請求項1】
表面が気流に曝される複数のフィンと、
前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
複数の前記フィンの各々の一部が除去され、前記気流の温度の低下により前記一部が前記バイメタル部によって塞がれ、
前記気流の温度の上昇により、前記フィンの前記一部から前記バイメタル部が離れ、前記気流が前記一部を流通するようになることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記バイメタル部は、一部同士が互いに固定された第1のバイメタルと第2のバイメタルとを備え、
前記気流の温度の上昇により、前記第1のバイメタルと前記第2のバイメタルが互いに反対の方向に反ることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記バイメタル部の端部が前記フィンに固定され、前記端部とは反対側の前記バイメタル部の先端が可動であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記先端は、前記端部よりも前記気流の上流側にあることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
熱交換器を有し、前記機器設置エリアの空調を行う空調機とを備え、
前記熱交換器が、表面が気流に曝される複数のフィンと、前記フィンに接続されたバイメタル部とを有し、
前記気流の温度の上昇により、隣り合う前記フィンに接続された前記バイメタル部同士の間隔が狭まることを特徴とする情報処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−2735(P2013−2735A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134308(P2011−134308)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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