説明

熱交換器

【課題】乾燥剤を簡単に装着することができる熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器1は、凝縮部2と、過冷却部3と、凝縮部2と過冷却部3との間に配置された気液分離部4とを備えている。気液分離部4および過冷却部3の第1ヘッダ21,15に跨って出口側ジョイント部材を兼ねた乾燥剤装着用部材28を固定する。乾燥剤装着用部材28に、過冷却部3の第1ヘッダ15に形成された冷媒出口31に通じる冷媒通路32、および冷媒通路32と気液分離部4の第1ヘッダ21の挿入穴29とを通じさせる連通穴33を形成する。冷媒通路32の一部と連通穴33とにより貫通状保持容器挿通部34を形成する。乾燥剤25が入れられた保持容器24を、冷媒通路32の外端開口から保持容器挿通部34および挿入穴29を通して気液分離部4の受液管23内に挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえばカーエアコンを構成する冷凍サイクルに使用される熱交換器に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、各図面の上下を上下というものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、カーエアコンを構成する冷凍サイクルの熱交換器として、車体への組み付け性の向上を図るために、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管、および隣り合う熱交管管どうしの間に配置されて熱交換管に接合されたコルゲートフィンからなる凝縮部と、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管、および隣り合う熱交管管どうしの間に配置されて熱交換管に接合されたコルゲートフィンからなる過冷却部と、凝縮部の一方のヘッダと過冷却部の一方のヘッダとに跨って固定された垂直状受液器とを備えており、互いに間隔をおいて配置された1対のタンク内が、それぞれ仕切部材により仕切られることによって、凝縮部および過冷却部の両ヘッダが形成され、受液器が、凝縮部の一方のヘッダに通じる冷媒流入通路および過冷却部の一方のヘッダに通じる冷媒流出通路を有し、かつ両ヘッダに跨って一方のタンクに固定されたブロックと、下端部がブロックに着脱自在に固定された垂直円筒状受液器本体とよりなり、受液器本体内に乾燥剤が入れられているものが知られている。この熱交換器においては、冷凍サイクルの冷凍能力の向上を図るために、凝縮部で凝縮された液状冷媒を、過冷却部においてさらに凝縮温度よりも5〜15℃程度低い温度まで過冷却するようになっている。
【0004】
しかしながら、上述した熱交換器においては、受液器本体の直径が凝縮部および過冷却部の通風方向の幅よりも大きくなるので、この熱交換器をエンジンルーム内に配置した場合、無駄なスペースが生じるという問題がある。また、受液器本体とブロックとの間のシール部材や、受熱器本体をブロックに固定するための固定部材などが必要となり、部品点数が多くなるという問題がある。
【0005】
そこで、このような問題を解決した熱交換器として、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管、および隣り合う熱交管管どうしの間に配置されて熱交換管に接合されたコルゲートフィンからなる凝縮部と、凝縮部の上方に配置され、かつ互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管、および隣り合う熱交管管どうしの間に配置されて熱交換管に接合されたコルゲートフィンからなる過冷却部と、凝縮部と過冷却部との間に配置された気液分離部とを備えており、気液分離部が、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、および両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続されかつ凝縮部および過冷却部の熱交換管よりも通路断面積の大きい1本の直管からなり、互いに間隔をおいて配置された1対のタンク内が、それぞれ仕切部材により仕切られることによって、凝縮部、過冷却部および気液分離部の両ヘッダが形成され、凝縮部から流出した冷媒が気液分離部を通過して過冷却部に流入するようになっている熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
【0006】
ところで、冷凍サイクルにおいては、冷媒中に含まれる水分を除去するための乾燥剤を装着する必要がある。そして、上述したブロックおよび垂直円筒状受液器本体からなる受液器を備えた熱交換器においては、受液器本体内に乾燥剤が入れられている。しかしながら、特許文献1記載の熱交換器においては、タンク、熱交換管、コルゲートフィンおよび直管のろう付後に、気液分離部内の直管内に乾燥剤を入れることは極めて困難である。
【特許文献1】特許第3158509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、上記問題を解決し、乾燥剤を簡単に装着することができる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0009】
1)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管とを備え、内部に冷媒循環経路が形成されている熱交換器であって、
いずれか一方のヘッダに乾燥剤装着用部材が固定され、乾燥剤装着用部材に、乾燥剤を保持した保持部材が着脱自在に取り付けられ、乾燥剤装着用部材に取り付けられた保持部材が、ヘッダに形成された挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されている熱交換器。
【0010】
2)乾燥剤装着用部材に、ヘッダの挿入穴に通じる貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、乾燥剤装着用部材の保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されている上記1)記載の熱交換器。
【0011】
3)乾燥剤装着用部材が、冷媒入口管または冷媒出口管をヘッダに接続するジョイント部材を兼ねており、乾燥剤装着用部材に、ヘッダに形成された冷媒通過穴に通じる冷媒通路と、冷媒通路とヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴とが形成されており、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されている上記1)記載の熱交換器。
【0012】
4)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、および両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管を有する凝縮部と、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、および両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管を有する過冷却部と、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、および両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された受液管を有し、かつ凝縮部と過冷却部との間に配置された気液分離部とを備えており、凝縮部から流出した冷媒が気液分離部を通過して過冷却部に流入するようになされた熱交換器であって、
気液分離部のいずれか一方のヘッダに乾燥剤装着用部材が固定され、乾燥剤装着用部材に、乾燥剤を保持した保持部材が着脱自在に取り付けられ、乾燥剤装着用部材に取り付けられた保持部材が、気液分離部のヘッダに形成された挿入穴を通して受液管内に挿入されている熱交換器。
【0013】
5)乾燥剤装着用部材が、過冷却部のヘッダに冷媒出口管を接続するジョイント部材を兼ねている上記4)記載の熱交換器。
【0014】
6)乾燥剤装着用部材が気液分離部のヘッダと過冷却部のヘッダとに跨って固定されており、乾燥剤装着用部材に、過冷却部のヘッダに形成された冷媒出口に通じる冷媒通路、および冷媒通路と気液分離部のヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴が形成され、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入されている上記5)記載の熱交換器。
【0015】
7)乾燥剤装着用部材が気液分離部のヘッダに固定されており、乾燥剤装着用部材に、管状連通部材を介して過冷却部のヘッダに形成された冷媒出口に通じさせられた冷媒通路、および冷媒通路と気液分離部のヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴が形成され、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入されている上記5)記載の熱交換器。
【0016】
8)保持部材が、一端が開口するとともに他端が閉鎖された筒状本体と、本体の一端部に取り付けられて本体の一端開口を閉鎖するキャップとよりなり、保持部材内に乾燥剤が入れられ、本体の周壁および他端閉鎖壁のうち少なくともいずれか一方に、冷媒を乾燥剤に接触させるための冷媒通過用貫通穴が形成されている上記5)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【0017】
9)保持部材のキャップに外向きフランジ部が設けられ、乾燥剤装着用部材における連通穴の冷媒通路側端部に、保持部材のキャップの外向きフランジ部を気液分離部のヘッダ側から受ける受け部が設けられている上記8)記載の熱交換器。
【0018】
10)保持部材のキャップが、本体の一端部に着脱自在に取り付けられている上記8)または9)記載の熱交換器。
【0019】
11)保持部材のキャップにおける外向きフランジ部を除いた部分が、乾燥剤装着用部材の連通穴内に着脱自在に嵌入されている上記9)または10)記載の熱交換器。
【0020】
12)互いに間隔をおいて配置された1対のタンク内が、それぞれ仕切部材により仕切られることによって、凝縮部、過冷却部および気液分離部の両ヘッダが形成されている上記4)〜11)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【0021】
13)気液分離部の受液管の通風方向の幅が、タンクの通風方向の幅以下となされている上記12)記載の熱交換器。
【0022】
14)気液分離部の上側に凝縮部が配置されるとともに下側に過冷却部が配置されている上記4)〜13)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【0023】
15)圧縮機、上記4)〜14)のうちのいずれかに記載の熱交換器、減圧器、およびエバポレータを備えている冷凍サイクル。
【0024】
16)上記15)記載の冷凍サイクルを備えている車両。
【発明の効果】
【0025】
上記1)の熱交換器によれば、乾燥剤装着用部材は、たとえばヘッダおよび熱交換管のろう付と同時に、ろう付によりヘッダに固定される。そして、乾燥剤を保持した保持部材は、ヘッダにろう付された乾燥剤装着用部材に着脱自在に取り付けられ、ヘッダの挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入される。したがって、乾燥剤の熱交換器への装着作業が簡単になる。また、乾燥剤の交換、補充等を行う場合にも、保持器を乾燥剤装着用部材から簡単に取り外して行うことができる。
【0026】
上記2)の熱交換器によれば、乾燥剤装着用部材に、ヘッダの挿入穴に通じる貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、乾燥剤装着用部材の保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されているので、ヘッダに固定された乾燥剤装着用部材への保持部材の着脱自在の取付を、比較的簡単に行うことができる。
【0027】
上記3)の熱交換器によれば、乾燥剤装着用部材が、冷媒入口管または冷媒出口管をヘッダに接続するジョイント部材を兼ねているので、部品点数が少なくてすみ、コストの低減を図ることができる。また、乾燥剤装着用部材に、ヘッダに形成された冷媒通過穴に通じる冷媒通路と、冷媒通路とヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴とが形成されており、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されているので、ヘッダに固定された乾燥剤装着用部材への保持部材の着脱自在の取付を、比較的簡単に行うことができる。
【0028】
上記4)の熱交換器によれば、乾燥剤装着用部材は、たとえば気液分離部のヘッダおよび受液管のろう付と同時に、ろう付によりヘッダに固定される。そして、乾燥剤を保持した保持部材は、ヘッダにろう付された乾燥剤装着用部材に着脱自在に取り付けられ、ヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入される。したがって、乾燥剤の熱交換器への装着作業が簡単になる。また、乾燥剤の交換、補充等を行う場合にも、保持器を乾燥剤装着用部材から簡単に取り外して行うことができる。
【0029】
上記5)の熱交換器によれば、乾燥剤装着用部材が、過冷却部のヘッダに冷媒出口管を接続するジョイント部材を兼ねているので、部品点数が少なくてすみ、コストの低減を図ることできる。
【0030】
上記6)の熱交換器によれば、乾燥剤装着用部材と保持部材との間に、冷媒の漏れを防止するシール部材を配置する必要がなくなり、これによっても部品点数が少なくなる。すなわち、ジョイント部材には、固定部材を用いて冷媒出口管が接続されるが、通常、ジョイント部材と固定部材との間にはシール部材が配置される。したがって、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入された後、固定部材により冷媒出口管がジョイント部材に接続されると、ジョイント部材と固定部材との間に配置されたシール部材により、乾燥剤装着用部材と保持部材との間からの冷媒の漏れを防止することができる。さらに、乾燥剤装着用部材が気液分離部のヘッダと過冷却部のヘッダとに跨って固定されており、乾燥剤装着用部材に、過冷却部のヘッダに形成された冷媒出口に通じる冷媒通路と、冷媒通路と気液分離部のヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴とが形成され、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入されているので、ヘッダに固定された乾燥剤装着用部材への保持部材の着脱自在の取付を、比較的簡単に行うことができる。
【0031】
上記7)の熱交換器によれば、乾燥剤装着用部材と保持部材との間に、冷媒の漏れを防止するシール部材を配置する必要がなくなり、これによっても部品点数が少なくなる。すなわち、ジョイント部材には、固定部材を用いて冷媒出口管が接続されるが、通常、ジョイント部材と固定部材との間にはシール部材が配置される。したがって、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入された後、固定部材により冷媒出口管がジョイント部材に接続されると、ジョイント部材と固定部材との間に配置されたシール部材により、乾燥剤装着用部材と保持部材との間からの冷媒の漏れを防止することができる。さらに、乾燥剤装着用部材が気液分離部のヘッダに固定されており、乾燥剤装着用部材に、管状連通部材を介して過冷却部のヘッダに形成された冷媒出口に通じさせられた冷媒通路、および冷媒通路と気液分離部のヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴が形成され、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入されているので、ヘッダに固定された乾燥剤装着用部材への保持部材の着脱自在の取付を、比較的簡単に行うことができる。
【0032】
上記8)の熱交換器によれば、保持部材がある程度の剛性を有することになり、保持部材を、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入する際および外部へ引き抜く際の作業性が向上する。
【0033】
上記9)の熱交換器によれば、保持部材を、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入する際に、外向きフランジが受け部に受けられので、保持部材の挿入位置の位置決めを簡単に行うことができる。
【0034】
上記10)の熱交換器によれば、保持部材内の乾燥剤の交換、補充等を簡単に行うことができる。
【0035】
上記11)の熱交換器によれば、保持部材のキャップにおける外向きフランジ部を除いた部分が、乾燥剤装着用部材の連通穴内に着脱自在に嵌入されているので、保持部材のぐらつきを防止することができる。
【0036】
上記12)の熱交換器によれば、全体の部品点数を少なくすることができる。
【0037】
上記13)の熱交換器によれば、受液管がタンクよりも通風方向に突出しないので、この熱交換器をエンジンルーム内に配置した場合、無駄なスペースが生じることを防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0039】
以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、以下の説明において、図1の左右を左右といい、図1の紙面裏側(通風方向下流側)を前、これと反対側を後というものとする。
【0040】
図1はこの発明による熱交換器の第1の実施形態の全体構成を示し、図2〜図5はその要部の構成を示す。
【0041】
図1において、熱交換器(1)は、凝縮部(2)および過冷却部(3)が、同一垂直面内において、前者が上方に位置するように上下方向に間隔をおいて設けられ、凝縮部(2)と過冷却部(3)との間に気液分離部(4)が設けられたものであり、凝縮部(2)から流出した冷媒が気液分離部(4)に流入し、気液分離部(4)を通過して過冷却部(3)に流入するようになっている。
【0042】
凝縮部(2)は、左右方向に互いに間隔をおいて並列状に配置されかつ上下方向にのびるアルミニウム製第1および第2ヘッダ(5)(6)と、両ヘッダ(5)(6)間に、幅方向を前後方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部が両ヘッダ(5)(6)にそれぞれ接続された複数のアルミニウム製偏平状熱交換管(7)と、隣接する熱交換管(7)間に配置されて熱交換管(7)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(8)とを備えている。上端の熱交換管(7)の上方にはこの熱交換管(7)と間隔をおいてアルミニウム製サイドプレート(9)が配置され、サイドプレート(9)と熱交換管(7)との間にもアルミニウム製コルゲートフィン(8)が配置されてサイドプレート(9)および熱交換管(7)にろう付されている。
【0043】
第1ヘッダ(5)は、上下方向の中程よりも若干下方の高さ位置に設けられた板状仕切部材(11)により上ヘッダ部(5a)と下ヘッダ部(5b)とに区画されており、上ヘッダ部(5a)の上端部に冷媒入口(図示略)が形成されている。また、上ヘッダ部(5a)の上端部に、冷媒入口に通じる冷媒通路(図示略)を有するアルミニウム製入口側ジョイント部材(10)がろう付されており、冷媒入口管(12)が、アルミニウム製固定部材(13)を用いて入口側ジョイント部材(10)に固定されることによって、上ヘッダ部(5a)に接続されている。凝縮部(2)には、仕切部材(11)よりも上方の部分、および仕切部材(11)よりも下方の部分において、それぞれ上下に連続して並んだ複数の熱交換管(7)からなる通路群(14A)(14B)が設けられている。上側通路群(14A)を構成する熱交換管(7)の本数は、下側通路群(14B)を構成する熱交換管(7)の本数よりも多くなっている。また、各通路群(14A)(14B)を構成する全ての熱交換管(7)における冷媒の流れ方向が同一となっているとともに、両通路群(14A)(14B)における冷媒の流れ方向が異なっている。
【0044】
過冷却部(3)は、左右方向に互いに間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびるアルミニウム製第1および第2ヘッダ(15)(16)と、両ヘッダ(15)(16)間に、幅方向を前後方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部が両ヘッダ(15)(16)にそれぞれ接続された複数のアルミニウム製偏平状熱交換管(17)と、隣接する熱交換管(17)間に配置されて熱交換管(17)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(18)とを備えている。第1ヘッダ(15)に冷媒出口(31)が形成されている(図2参照)。熱交換管(17)は凝縮部(2)の熱交換管(7)と同一のものであり、下端の熱交換管(17)の下方にはこの熱交換管(17)と間隔をおいてアルミニウム製サイドプレート(19)が配置され、サイドプレート(19)と熱交換管(17)との間にもアルミニウム製コルゲートフィン(18)が配置されてサイドプレート(19)および熱交換管(17)にろう付されている。
【0045】
気液分離部(4)は、左右方向に互いに間隔をおいて並列状に配置されかつ上下方向にのびるアルミニウム製第1および第2ヘッダ(21)(22)と、両ヘッダ(21)(22)間に上下方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部が両ヘッダ(21)(22)にそれぞれ接続された複数、ここでは2つのアルミニウム製受液管(23)とを備えている。受液管(23)は、外径がヘッダ(21)(22)の前後方向の幅と等しいか、またはこれよりも小さい円管からなる。なお、受液管(23)としては、前後方向の幅がヘッダ(21)(22)の前後方向の幅と等しいか、またはこれよりも小さいものであれば、円管に限らず、その横断面形状は変更可能であり、角管等を用いることができる。各受液管(23)の通路断面積は、各熱交換管(7)(17)の通路断面積よりも大きくなっている。なお、上側の受液管(23)と凝縮部(2)の下端の熱交換管(7)との間、および下側の受液管(23)と過冷却部(3)の上端の熱交換管(17)との間にもそれぞれコルゲートフィン(8)(18)が配置され、受液管(23)および熱交換管(7)(17)にろう付されている。
【0046】
図2および図3に示すように、下側の受液管(23)内に、乾燥剤(25)が入れられた保持容器(24)(保持部材)が配置されている。保持容器(24)は、左右方向に長くかつ左端が開口するとともに右端が閉鎖された筒状容器本体(26)と、容器本体(26)の左端部に着脱自在に取り付けられて容器本体(26)の左端開口を閉鎖するキャップ(27)とよりなる。容器本体(26)は、たとえば合成樹脂から形成されており、その周壁および右端閉鎖壁に、それぞれ冷媒を乾燥剤(25)に接触させるための複数の冷媒通過用貫通穴(26a)が形成されている。冷媒通過用貫通穴(26a)は乾燥剤(25)が通過しないような大きさとなっている。保持容器(24)のキャップ(27)は、たとえば合成樹脂から形成された円柱状であり、その左端部に外向きフランジ部(27a)が一体に形成されている。円柱状のキャップ(27)の外径は、容器本体(26)の外径以上の大きさとなっている。
【0047】
保持容器(24)は、過冷却部(3)の第1ヘッダ(15)と気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)とに跨ってろう付されたアルミニウム製乾燥剤装着用部材(28)を使用し、気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)に形成された挿入穴(29)を通して受液管(23)内に装着されている。挿入穴(29)の中心と下側受液管(23)の中心とは同一高さ位置にある。乾燥剤装着用部材(28)は、過冷却部(3)の第1ヘッダ(15)に冷媒出口管(30)を接続する出口側ジョイント部材を兼ねている。
【0048】
図3および図4に示すように、乾燥剤装着用部材(28)には、過冷却部(3)の第1ヘッダ(15)に形成された冷媒出口(31)に通じる冷媒通路(32)、および冷媒通路(32)と気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)の挿入穴(29)とを通じさせる連通穴(33)が形成されている。冷媒通路(32)は、乾燥剤装着用部材(28)の左側面から右方に水平に伸びる第1部分(32a)と、第1部分(32a)の右端部に連なりかつ冷媒出口(31)に向かって右斜め下方に伸びる第2部分(32b)とよりなる。連通穴(33)は、冷媒通路(32)の第1部分(32a)の右端面から右方に水平に伸び、乾燥剤装着用部材(28)の右側面に開口している。連通穴(33)は左端部に大径部(33a)を有する段付きであり、大径部(33a)を除いた小径部(33b)の内径は保持容器(24)のキャップ(27)における外向きフランジ部(32a)を除いた円柱状部分の外径と等しくなっている。また、連通穴(33)の大径部(33a)の内径は保持容器(24)のキャップ(27)における外向きフランジ部(27a)の外径以上の大きさとなっている。連通穴(33)における大径部(33a)と小径部(33b)との間の段部は、保持容器(24)のキャップ(27)の外向きフランジ部(27a)を右側(気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)側)から受ける受け部(33c)となっている。冷媒通路(32)の第1部分(32a)および連通穴(33)の中心は、挿入穴(29)の中心と同一高さ位置にある。そして、冷媒通路(32)の第1部分(32a)および連通穴(33)により、貫通状保持容器挿通部(34)(保持部材挿通部)が形成されている。
【0049】
保持容器(24)は、乾燥剤装着用部材(28)の冷媒通路(32)における第1部分(32a)の左端開口から保持容器挿通部(34)および気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)の挿入穴(29)を通して下側受液管(23)内に着脱自在に挿入されている。保持容器(24)のキャップ(27)の外向きフランジ部(27a)を除いた円柱状部分は連通穴(33)の小径部(33b)内に密に嵌入されており、同じく外向きフランジ部(27a)は連通穴(33)の大径部(33a)内に嵌入されて受け部(33c)に受けられている。なお、キャップ(27)の外向きフランジ部(27a)を除いた円柱状部分の外周面におねじを形成するとともに、連通穴(33)の小径部(33b)の内周面にめねじを形成しており、キャップ(27)の外向きフランジ部(27a)を除いた円柱状部分を連通穴(33)の小径部(33b)内にねじ嵌めるようにしてもよい。
【0050】
冷媒出口管(30)は、アルミニウム製固定部材(35)を用いて乾燥剤装着用部材(28)に固定されることによって、過冷却部(3)の第1ヘッダ部(15)に接続されている。固定部材(35)の下端部には左右方向に伸びる貫通穴(36)が形成されており、貫通穴(36)の左端部内に冷媒出口管(30)の端部が挿入されて固定されている。また、固定部材(35)の右側面における貫通穴(36)の右端開口の周囲の部分には、右方に突出しかつ乾燥剤装着用部材(28)の冷媒通路(32)における第1部分(32a)の左端部内に挿入される筒状突出部(37)が一体に形成されている。筒状突出部(37)の外周面に、シール部材としてのOリング(38)が装着されている。また、固定部材(35)の上端部には左右方向に伸びるボルト挿通穴(39)が形成されている。乾燥剤装着用部材(28)の上端部には、左右方向に伸びるめねじ穴(41)が貫通状に形成されている。そして、固定部材(35)は、筒状突出部(37)が乾燥剤装着用部材(28)の冷媒通路(32)における第1部分(32a)の左端部内に挿入された状態で、ボルト挿通穴(39)に左方から通されたボルト(42)が乾燥剤装着用部材(28)のめねじ穴(41)にねじ嵌められることにより、乾燥剤装着用部材(28)に固定されている。固定部材(35)と乾燥剤装着用部材(28)との間はOリング(38)によりシールされている。また、このOリング(38)は、乾燥剤装着用部材(28)の連通穴(33)の内周面と保持容器(24)のキャップ(27)の外周面との間から冷媒が漏れた際のシールも行う。
【0051】
凝縮部(2)の両ヘッダ(5)(6)、気液分離部(4)の両ヘッダ(21)(22)および過冷却部(3)の両ヘッダ(15)(16)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ上下方向に伸びる1対のアルミニウム製タンク(43)(44)内が、それぞれ仕切部材(45)(46)(47)(48)により仕切られることによって形成されている。凝縮部(2)および気液分離部(4)の第1ヘッダ(5)(21)間の仕切部材(45)には、その周縁部を除いて全体にわたる冷媒流入口(50)が形成され、過冷却部(3)および気液分離部(4)の第2ヘッダ(16)(22)間の仕切部材(48)には、その外側寄りの部分に、冷媒流入口(50)に比較してかなり小さい冷媒流出口(51)が形成されている。過冷却部(3)および気液分離部(4)の第1ヘッダ(15)(21)間の仕切部材(46)は、乾燥剤装着用部材(28)に一体に形成されている。
【0052】
熱交換器(1)において、冷媒入口管(12)から凝縮部(2)の第1ヘッダ(5)の上ヘッダ部(5a)内に流入した冷媒は、上側通路群(14A)を通って第2ヘッダ(6)内に流入し、さらに下側通路群(14B)を通って第1ヘッダ(5)の下ヘッダ部(5b)内に流入する。下ヘッダ部(5b)内に流入した冷媒は、冷媒流入口(50)を通って気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)内に流入し、気液分離部(4)内、すなわち両ヘッダ(21)(22)内および受液管(23)内に溜まり、冷媒流出口(51)を通って過冷却部(3)の第2ヘッダ(16)内に流入する。第2ヘッダ(16)内に流入した冷媒は、熱交換管(17)を通って第1ヘッダ(15)内に流入し、冷媒出口(31)および冷媒通路(32)を通って冷媒出口管(30)に流出する。
【0053】
図2および図5に示すように、気液分離部(4)に、凝縮部(2)から気液分離部(4)内に流入する冷媒の流速を低下させる流速低下手段が設けられている。流速低下手段は、仕切部材(45)の冷媒流入口(50)内に張設された多孔質部材としてのメッシュ(52)と、第2ヘッダ(22)内において冷媒流出口(51)を囲むように設けられ、かつ冷媒流入口(50)から流入した冷媒の冷媒流出口(51)までの流路長を延長する流路長延長部材(53)とを備えている。
【0054】
流路長延長部材(53)は、冷媒流出口(51)に通じるように仕切部材(48)に上方突出状に設けられたアルミニウム製管状内側部材(54)と、仕切部材(48)に内側部材(54)を囲繞するように上方突出状に設けられ、かつ上端が閉鎖されるとともに周壁下端部に貫通穴(56)が形成されたアルミニウム製中空状外側部材(55)とからなる。内側部材(54)は、その下端部が冷媒流出口(51)内に挿入されて仕切部材(48))に固定されている。外側部材(55)は仕切部材(48)と一体に形成されて上方に突出した横断面略半円形の周壁(55a)と、周壁(55a)の上端に一体に形成されかつ周壁(55a)の上端開口を閉鎖する頂壁(55b)とを備えており、周壁(55a)の平坦壁部の下端部に貫通穴(56)が形成されている。外側部材(55)の上端は、仕切部材(47)よりも下方の高さ位置にある。流路長延長部材(53)は、仕切部材(48)とともに右タンク(44)の周壁に形成された貫通穴(57)を通して右タンク(44)内に嵌め入れられ、右タンク(44)にろう付されている。
【0055】
上述した熱交換器(1)は、圧縮機、減圧器(膨張弁)および蒸発器とともに冷凍サイクルを構成するようになっている。このような冷凍サイクルは、たとえば自動車のような車両のエアコンとして用いられる。
【0056】
上述した熱交換器(1)において、冷媒が、凝縮部(2)の第1ヘッダ(5)の下ヘッダ部(5b)から冷媒流入口(50)を通って気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)内に流入する際に、メッシュ(52)の働きによりその流速が低下させられる。また、冷媒は、受液管(23)を通って第2ヘッダ(22)内に流入した後、気液分離部(4)内、すなわち両ヘッダ(21)(22)内および受液管(23)内に溜まり、さらに冷媒流出口(51)を通って過冷却部(3)の第2ヘッダ(16)内に流出する際に、流路長延長部材(53)の貫通穴(56)を通って外側部材(55)内に入り、外側部材(55)内を上方に流れた後、上端開口から内側部材(54)内に入り、冷媒流出口(51)を通って過冷却部(3)の第2ヘッダ(16)に流出するので、ここでも流速が低下させられる。したがって、凝縮部(2)から気液分離部(4)内に流入した冷媒の流速が低下させられ、気液分離部(4)内に滞留している時間が比較的長くなって、気液分離部(4)での気液分離効果が向上する。その結果、過冷却部(3)内に流入する気相冷媒の量が少なくなり、過冷却部(3)での過冷却効果が十分となって冷凍サイクル全体の冷却効果が向上する。
【0057】
図6は、この発明による熱交換器の他の実施形態を示す。
【0058】
図6に示す熱交換器の場合、保持容器(24)は、気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)にろう付され、かつ過冷却部(3)の第1ヘッダ(15)に冷媒出口管(30)を接続する出口側ジョイント部材を兼ねているアルミニウム製乾燥剤装着用部材(60)を使用し、気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)に形成された挿入穴(29)を通して受液管(23)内に装着されている。
【0059】
乾燥剤装着用部材(60)には、その左側面から右方に水平に伸びる冷媒通路(61)、下面から上方に伸びかつ冷媒通路(61)の右端部を乾燥剤装着用部材(60)の外部に通じさせる段付き貫通穴(62)、および冷媒通路(61)と気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)の挿入穴(29)とを通じさせる連通穴(33)が形成されている。そして、アルミニウム製管状連通部材(63)の一端部が段付き貫通穴(62)の下部大径部内に挿入されて乾燥剤装着用部材(60)にろう付されるとともに、同じく他端部が過冷却部(3)の冷媒出口(31)に挿入されて第1ヘッダ(15)にろう付されており、これにより乾燥剤装着用部材(60)の冷媒通路(61)が管状連通部材(63)を介して冷媒出口(31)に通じさせられている。また、冷媒通路(61)および連通穴(33)により、貫通状保持容器挿通部(64)(保持部材挿通部)が形成されている。
【0060】
保持容器(24)は、乾燥剤装着用部材(60)の冷媒通路(61)の左端開口から保持容器挿通部(64)および気液分離部(4)の第1ヘッダ(21)の挿入穴(29)を通して下側受液管(23)内に着脱自在に挿入されている。
【0061】
また、過冷却部(3)および気液分離部(4)の第1ヘッダ(15)(21)間の仕切部材(46)は乾燥剤装着用部材(60)とは別体である。
【0062】
その他の構成は上述した第1の実施形態の熱交換器を同様であり、同一物および同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明による熱交換器の第1の実施形態の全体構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す熱交換器の一部分を示す部分拡大垂直断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図1に示す熱交換器における気液分離部および過冷却部の第1ヘッダの部分を拡大して示す分解斜視図である。
【図5】図1に示す熱交換器の気液分離部の第2ヘッダの部分を拡大して示す分解斜視図である。
【図6】この発明による熱交換器の第2の実施形態を示す図3相当の図である。
【符号の説明】
【0064】
(1):熱交換器
(2):凝縮部
(3):過冷却部
(4):気液分離部
(5)(6):ヘッダ
(7):熱交換管
(15)(16):ヘッダ
(17):熱交換管
(21)(22):ヘッダ
(23):受液管
(24):保持容器(保持部材)
(25):乾燥剤
(26):容器本体
(26a):冷媒通過用貫通穴
(27):キャップ
(27a):外向きフランジ部
(28)(60):乾燥剤装着用部材
(29):挿入穴
(30):冷媒出口管
(31):冷媒出口
(32)(61):冷媒通路
(33):連通穴
(33c):受け部
(34)(64):保持容器挿通部(保持部材挿通部)
(43)(44):タンク
(45)(46)(47)(48):仕切部材
(63):管状連通部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管とを備え、内部に冷媒循環経路が形成されている熱交換器であって、
いずれか一方のヘッダに乾燥剤装着用部材が固定され、乾燥剤装着用部材に、乾燥剤を保持した保持部材が着脱自在に取り付けられ、乾燥剤装着用部材に取り付けられた保持部材が、ヘッダに形成された挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されている熱交換器。
【請求項2】
乾燥剤装着用部材に、ヘッダの挿入穴に通じる貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、乾燥剤装着用部材の保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されている請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
乾燥剤装着用部材が、冷媒入口管または冷媒出口管をヘッダに接続するジョイント部材を兼ねており、乾燥剤装着用部材に、ヘッダに形成された冷媒通過穴に通じる冷媒通路と、冷媒通路とヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴とが形成されており、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して冷媒循環経路内に挿入されている請求項1記載の熱交換器。
【請求項4】
互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、および両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管を有する凝縮部と、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、および両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管を有する過冷却部と、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダ、および両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された受液管を有し、かつ凝縮部と過冷却部との間に配置された気液分離部とを備えており、凝縮部から流出した冷媒が気液分離部を通過して過冷却部に流入するようになされた熱交換器であって、
気液分離部のいずれか一方のヘッダに乾燥剤装着用部材が固定され、乾燥剤装着用部材に、乾燥剤を保持した保持部材が着脱自在に取り付けられ、乾燥剤装着用部材に取り付けられた保持部材が、気液分離部のヘッダに形成された挿入穴を通して受液管内に挿入されている熱交換器。
【請求項5】
乾燥剤装着用部材が、過冷却部のヘッダに冷媒出口管を接続するジョイント部材を兼ねている請求項4記載の熱交換器。
【請求項6】
乾燥剤装着用部材が気液分離部のヘッダと過冷却部のヘッダとに跨って固定されており、乾燥剤装着用部材に、過冷却部のヘッダに形成された冷媒出口に通じる冷媒通路、および冷媒通路と気液分離部のヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴が形成され、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入されている請求項5記載の熱交換器。
【請求項7】
乾燥剤装着用部材が気液分離部のヘッダに固定されており、乾燥剤装着用部材に、管状連通部材を介して過冷却部のヘッダに形成された冷媒出口に通じさせられた冷媒通路、および冷媒通路と気液分離部のヘッダの挿入穴とを通じさせる連通穴が形成され、冷媒通路の一部と連通穴とにより貫通状保持部材挿通部が形成され、保持部材が、冷媒通路の外端開口から保持部材挿通部およびヘッダの挿入穴を通して受液管内に挿入されている請求項5記載の熱交換器。
【請求項8】
保持部材が、一端が開口するとともに他端が閉鎖された筒状本体と、本体の一端部に取り付けられて本体の一端開口を閉鎖するキャップとよりなり、保持部材内に乾燥剤が入れられ、本体の周壁および他端閉鎖壁のうち少なくともいずれか一方に、冷媒を乾燥剤に接触させるための冷媒通過用貫通穴が形成されている請求項5〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項9】
保持部材のキャップに外向きフランジ部が設けられ、乾燥剤装着用部材における連通穴の冷媒通路側端部に、保持部材のキャップの外向きフランジ部を気液分離部のヘッダ側から受ける受け部が設けられている請求項8記載の熱交換器。
【請求項10】
保持部材のキャップが、本体の一端部に着脱自在に取り付けられている請求項8または9記載の熱交換器。
【請求項11】
保持部材のキャップにおける外向きフランジ部を除いた部分が、乾燥剤装着用部材の連通穴内に着脱自在に嵌入されている請求項9または10記載の熱交換器。
【請求項12】
互いに間隔をおいて配置された1対のタンク内が、それぞれ仕切部材により仕切られることによって、凝縮部、過冷却部および気液分離部の両ヘッダが形成されている請求項4〜11のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項13】
気液分離部の受液管の通風方向の幅が、タンクの通風方向の幅以下となされている請求項12記載の熱交換器。
【請求項14】
気液分離部の上側に凝縮部が配置されるとともに下側に過冷却部が配置されている請求項4〜13のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項15】
圧縮機、請求項4〜14のうちのいずれかに記載の熱交換器、減圧器、およびエバポレータを備えている冷凍サイクル。
【請求項16】
請求項15記載の冷凍サイクルを備えている車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−258415(P2006−258415A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42786(P2006−42786)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】