熱交換器
【課題】ヘッダタンクの製造の際の中間プレートの幅方向内側への変形を防止しうる熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器のヘッダタンクを、外側プレートと内側プレートとこれら両プレート間に介在させられた中間プレート9とを互いに積層してろう付することにより構成する。中間プレート9に、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴22を複数形成する。中間プレート9の所定位置の隣り合う連通穴22どうしを、連通部23によって通じさせて冷媒流通部28を設ける。中間プレート9は、連続して並んだ5つの連通穴22からなる連通穴群24を複数備え、各連通穴群24において隣接する2つの連通穴22よりなる組が4組存在する。前記4組のうち1組の隣接する2つの連通穴22間に連通部23を形成せず、当該1組の隣接する2つの連通穴22間に補強部29を設ける。
【解決手段】熱交換器のヘッダタンクを、外側プレートと内側プレートとこれら両プレート間に介在させられた中間プレート9とを互いに積層してろう付することにより構成する。中間プレート9に、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴22を複数形成する。中間プレート9の所定位置の隣り合う連通穴22どうしを、連通部23によって通じさせて冷媒流通部28を設ける。中間プレート9は、連続して並んだ5つの連通穴22からなる連通穴群24を複数備え、各連通穴群24において隣接する2つの連通穴22よりなる組が4組存在する。前記4組のうち1組の隣接する2つの連通穴22間に連通部23を形成せず、当該1組の隣接する2つの連通穴22間に補強部29を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は熱交換器に関し、さらに詳しくは、たとえばCO2(二酸化炭素)などの超臨界冷媒が用いられる超臨界冷凍サイクルのガスクーラやエバポレータに好適に使用される熱交換器に関する。
【0002】
この明細書において、「超臨界冷凍サイクル」とは、高圧側において、冷媒が臨界圧力を超えた超臨界状態となる冷凍サイクルを意味するものとし、「超臨界冷媒」とは、超臨界冷凍サイクルに用いられる冷媒を意味するものとする。
【背景技術】
【0003】
超臨界冷凍サイクルに用いられる熱交換器として、本出願人は、先に、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、外側プレートにヘッダタンクの長さ方向にのびる外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の端部が管挿入穴に挿入されて内側プレートにろう付され、中間プレートに、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、中間プレートにおける所定位置の隣接する2つの連通穴どうしが、中間プレートに形成された連通部によって通じさせられて冷媒流通部が設けられ、内側プレートの両側縁部に熱交換管とは反対側に突出した突出壁が設けられ、突出壁の先端部に外側プレートに係合する係合爪が設けられており、係合爪が突出部にろう付されている熱交換器を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載の熱交換器のヘッダタンクは、図11に示すように、内側プレート(50)の両側縁部の突出壁(51)に真っ直ぐに連なった係合爪形成用突片(52A)を形成しておき(図11鎖線参照)、外側プレート(53)、中間プレート(54)および内側プレート(50)を重ね合わせるとともに、内側プレート(50)の突出壁(51)に形成された係合爪形成用突片(52A)を曲げて係合爪(52)を形成するとともに、係合爪(52)を外側プレート(53)に係合させることにより3つのプレート(50)(53)(54)を仮止めし、その後熱交換器を構成する他の部品のろう付と同時に3つのプレート(50)(53)(54)をろう付することによりつくられている。
【0005】
しかしながら、図12に示すように、中間プレート(54)には内側プレート(50)の管挿入穴、すなわち熱交換管と同数の連通穴(55)が形成されており、さらに所定位置の隣接する連通穴(55)どうしが、中間プレート(54)に形成された連通部(56)によって通じさせられて冷媒流通部(57)が設けられているので、連通部(56)によって通じさせられる連通穴(55)の数が多い場合、幅方向の強度が低下することになり、ヘッダタンクを製造するにあたって係合爪形成用突片(52A)を曲げた際に中間プレート(54)が幅方向内側に変形し(図12鎖線参照)、冷媒流通部(57)の幅が狭くなって製造されたヘッダタンクにおいて通路抵抗が増大するおそれがある(図11参照)。そして、ヘッダタンクの製造の際に、中間プレート(54)の幅方向内側への変形を生じることなく、係合爪形成用突片(52A)を曲げる作業は困難である。
【特許文献1】特開2005−351520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記問題を解決し、ヘッダタンクの製造の際の中間プレートの幅方向内側への変形を防止しうる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、外側プレートにヘッダタンクの長さ方向にのびる外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の端部が管挿入穴に挿入されて内側プレートにろう付され、中間プレートに、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に複数形成され、中間プレートにおける所定位置の隣接する連通穴どうしが、中間プレートに形成された連通部によって通じさせられて冷媒流通部が設けられている熱交換器において、
中間プレートが、連続して並んだ5つの連通穴からなる連通穴群を複数備えており、各連通穴群において、隣接する2つの連通穴よりなる組が4組存在し、前記4組のうち1組または2組の隣接する2つの連通穴間に連通部が形成されておらず、これにより当該1組または2組の隣接する2つの連通穴間に補強部が設けられている熱交換器。
【0009】
2)補強部の数が、全連通穴の数の20〜40%である上記1)記載の熱交換器。
【0010】
3)内側プレートの両側縁部に熱交換管とは反対側に突出した突出壁が設けられ、突出壁の先端部に外側プレートに係合する係合爪が設けられており、係合爪が突出部にろう付されている上記1)または2)記載の熱交換器。
【発明の効果】
【0011】
上記1)の熱交換器によれば、中間プレートが、連続して並んだ5つの連通穴からなる連通穴群を複数備えており、各連通穴群において、隣接する2つの連通穴よりなる組が4組存在し、前記4組のうち1組または2組の隣接する2つの連通穴間に連通部が形成されておらず、これにより当該1組または2組の隣接する2つの連通穴間に補強部が設けられているので、中間プレートの幅方向の強度が増大し、上述した方法によりヘッダタンクを製造するにあたって係合爪形成用突片を曲げる際に、中間プレートの幅方向内側への変形を防止することができる。したがって、中間プレートの冷媒流通部の幅が狭くなることが防止され、製造されたヘッダタンクにおける通路抵抗の増大が防止される。しかも、中間プレートの幅方向の強度が増大するので、ヘッダタンクの製造の際の中間プレートの幅方向内側への変形を起こすことなく、係合爪形成用突片を曲げる作業が簡単になる。
【0012】
上記2)の熱交換器によれば、中間プレートの幅方向の強度を増大させた上で、冷媒流通部の通路抵抗の増大を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、超臨界冷凍サイクルのガスクーラに適用したものである。
【0014】
なお、以下の説明において、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとし、図1および図2の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【0015】
さらに、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0016】
図1および図2はガスクーラの全体構成を示し、図3〜図6はその要部の構成を示し、図7〜図9はヘッダタンクの製造方法を示す。
【0017】
図1〜図6において、超臨界冷媒、たとえばCO2を使用する超臨界冷凍サイクルのガスクーラ(1)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびる2つのヘッダタンク(2)(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の扁平状熱交換管(4)と、隣接する熱交換管(4)どうしの間の通風間隙、および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたコルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側にそれぞれ配置されてコルゲートフィン(5)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(6)とを備えている。なお、この実施形態において、右側のヘッダタンク(2)を第1ヘッダタンク、左側のヘッダタンク(3)を第2ヘッダタンクというものとする。
【0018】
第1ヘッダタンク(2)は、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された外側プレート(7)と、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された内側プレート(8)と、金属ベア材、ここではアルミニウムベア材から形成されかつ外側プレート(7)と内側プレート(8)との間に介在させられて外側プレート(7)および内側プレート(8)にろう付された中間プレート(9)とを備えており、内部が冷媒流通空間(10a)となった入口ヘッダ部(10)が設けられている。
【0019】
第1ヘッダタンク(2)の外側プレート(7)の前後方向(幅方向)の中央部に、左側(中間プレート(9)側)に開口した横断面略U字状の外方膨出部(7a)が全長にわたって形成されている。外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の前後両側部分はそれぞれ同一平面内に位置する平坦部(7b)となっている。外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の左側を向いた開口は中間プレート(9)により塞がれている。外側プレート(7)の上下両端部に、それぞれ前後方向に長くかつ一方の平坦部(7b)から他方の平坦部(7b)に至る貫通穴(25)が形成されている。
【0020】
外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の頂部における上端部の貫通穴(25)よりも若干下方の位置に冷媒入口(12)が形成されており、外方膨出部(7a)外面に、冷媒入口(12)に通じる冷媒流入路(14)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製の直方体状入口部材(13)が、外側プレート(7)外面のろう材を利用してろう付されている。入口部材(13)には、その後面から前方にのびるねじ穴(35)が形成されている。入口部材(13)のねじ穴(35)は、超臨界冷凍サイクルにおいて、圧縮機からのびる配管の先端部に取り付けられたジョイント部材をねじ止めするのに用いられる。
【0021】
第1ヘッダタンク(2)の内側プレート(8)には、前後方向に長い複数の貫通状管挿入穴(18)が、上下方向に間隔をおいて形成されている。全管挿入穴(18)は、入口ヘッダ部(10)の冷媒流通空間(10a)の上下方向の範囲内に形成されている。管挿入穴(18)の前後方向の長さは、外方膨出部(7a)の前後方向の幅よりも若干長く、管挿入穴(18)の前後両端部は前後の平坦部(7b)に至っている。また、内側プレート(8)の前後両側縁部に、それぞれ右方に突出して先端が外側プレート(7)の外面まで至り、かつ外側プレート(7)および中間プレート(9)の前後両側面を覆う側面被覆壁(19)が一体に形成され、外側プレート(7)および中間プレート(9)の前後両側面にろう付されている。各側面被覆壁(19)の突出端の上下両端部および上下方向中央部に、それぞれ前後方向内方に突出しかつ外側プレート(7)の外面に係合する係合爪(21)が一体に形成され、外側プレート(7)にろう付されている。上下両端部の係合爪(21)は、外側プレート(7)の貫通穴(25)の前後両端部を覆っている。内側プレート(8)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されている。
【0022】
第1ヘッダタンク(2)の中間プレート(9)には、それぞれ内側プレート(8)の管挿入穴(18)を外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)に通じさせる貫通状連通穴(22)が形成されている。各連通穴(22)は、内側プレート(8)の各管挿入穴(18)と対応する位置に形成されており、連通穴(22)は管挿入穴(18)よりも一回り大きくなっている。また、中間プレート(9)における所定位置の隣接する連通穴(22)どうしが、中間プレート(9)における隣接する連通穴(22)間の部分の前後方向中央部を切除することにより形成された連通部(23)により通じさせられて、冷媒が上下方向に流れる冷媒流通部(28)が設けられている。中間プレート(9)は、連続して並んだ5つの連通穴(22)からなる連通穴群(24)を複数備えている。各連通穴群(24)において、隣接する2つの連通穴(22)よりなる組が4組存在しており、前記4組のうち1組の隣接する2つの連通穴(22)間には連通部(23)が形成されておらず、これにより当該1組の隣接する2つの連通穴(22)間に補強部(29)が設けられている(図5参照)。
【0023】
中間プレート(9)における上端の連通穴(22)よりも上側の部分および下端の連通穴(22)よりも下側の部分に、外側プレート(7)の貫通穴(25)と対応するように、それぞれ前後方向に長くかつ貫通穴(25)と同一の幅および長さを有する貫通穴(26)が形成されている。外側プレート(7)の貫通穴(25)と中間プレート(9)の貫通穴(26)とによって、貫通状の仕切板挿入穴(27)が両プレート(7)(9)に跨るように形成されている。仕切板挿入穴(27)の前後両側面は左右方向にのびる直線状となっている。そして、各仕切板挿入穴(27)内に仕切板(11)が挿入されることによって、外側プレート(7)および中間プレート(9)の上下両端部に仕切板(11)が配置され、これにより外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)の上下両端開口が仕切板(11)により閉鎖されている。外側プレート(7)における外方膨出部(7a)内の中空部(70)には冷媒が長さ方向に流れるようになっている。
【0024】
仕切板(11)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにより形成されたものであり、各仕切板挿入穴(27)内に外側から挿入されている。仕切板(11)は、上側から見て、各仕切板挿入穴(27)内に嵌め入れられる横長方形状の第1部分(11a)と、第1部分(11a)の外側縁部における前後両端部を除いた部分に一体に形成され、かつ外方に突出した弓形状の第2部分(11b)とよりなる(図6参照)。仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両側縁部および内側縁部は直線状である。なお、前後両側縁部と内側縁部との間の角部は、仕切板挿入穴(27)内への挿入の際の作業性向上のために斜めに切除されている。第1部分(11a)における第2部分(11b)よりも前後両側部分の外面は、外側プレート(7)の平坦部(7b)の外面と面一となっている。第2部分(11b)の外面は外側プレート(7)の外方膨出部(7)の外面と面一となっている。そして、仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両側縁部が仕切板挿入穴(27)の前後両側面にろう付され、同じく内側縁部が内側プレート(8)の左右方向外側面にろう付されている。また、仕切板(11)の上下両面(ヘッダタンク(2)の長さ方向の両面)が、仕切板挿入穴(27)の上下両面(ヘッダタンク(2)の長さ方向両面)にろう付されている。さらに、内側プレート(8)の上下両端部の係合爪(21)が、外側プレート(7)の貫通穴(25)と対応する位置に、貫通穴(25)の前後両端部を覆うように形成されていることにより、係合爪(21)は仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両端部の外面にも係合し、仕切板(11)にろう付されている。
【0025】
そして、第1ヘッダタンク(2)の外側プレート(7)、内側プレート(8)および中間プレート(9)における中空部(70)と対応する部分により、入口ヘッダ部(10)が形成されており、外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)と、中間プレート(9)の冷媒流通部(28)とによって、入口ヘッダ部(10)の冷媒流通空間(10a)が形成されている。
【0026】
図2に示すように、第2ヘッダタンク(3)は、第1ヘッダタンク(2)とほぼ同様な構成であり、同一物および同一部分に同一符号を付す。両ヘッダタンク(2)(3)は、内側プレート(8)どうしが対向するように配置されている。
【0027】
第2ヘッダタンク(3)においては、外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の頂部における下端部の貫通穴(25)よりも若干上方の位置に冷媒出口(15)が形成されており、外方膨出部(7a)外面に、冷媒出口(15)に通じる冷媒流出路(17)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製の直方体状出口部材(16)が、外側プレート(7)外面のろう材を利用してろう付されている。出口部材(16)には、その後面から前方にのびるねじ穴(36)がそれぞれ形成されている。出口部材(16)のねじ穴(36)は、中間熱交換器からのびる配管の先端部に取り付けられたジョイント部材をねじ止めするのに用いられる。
【0028】
第2ヘッダタンク(3)のその他の構成は第1ヘッダタンク(2)と同様である。
【0029】
そして、第2ヘッダタンク(2)の外側プレート(7)、内側プレート(8)および中間プレート(9)における中空部(70)と対応する部分により、出口ヘッダ部(20)が形成されており、外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)と、中間プレート(9)の冷媒流通部(28)とによって、出口ヘッダ部(20)の冷媒流通空間(20a)が形成されている。
【0030】
熱交換管(4)は、金属、ここではアルミニウム製押出形材からなり、前後方向に幅広の扁平状で、その内部に長さ方向にのびる複数の冷媒通路(4a)が並列状に形成されている。熱交換管(4)の両端部は、それぞれ両ヘッダタンク(2)(3)の管挿入穴(18)に挿入された状態で、内側プレート(8)のろう材層を利用して内側プレート(8)にろう付されている。なお、熱交換管(4)の両端は中間プレート(9)の厚さ方向の中間部まで連通穴(22)内に入り込んでおり、中間プレート(9)の冷媒流通部(28)内に臨んでいる。
【0031】
コルゲートフィン(5)は両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものである。
【0032】
両ヘッダタンク(2)(3)は、図7〜図9に示すようにして製造されている。
【0033】
まず、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、外方膨出部(7a)、平坦部(7b)および貫通穴(25)を有する外側プレート(7)を形成する。ここで、第1ヘッダタンク(2)に用いられる外側プレート(7)には冷媒入口(12)を形成し、第2ヘッダタンク(3)に用いられる外側プレート(7)には冷媒出口(15)を形成しておく。また、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、管挿入穴(18)、側面被覆壁(19)、ならびに側面被覆壁(19)に真っ直ぐに連なったプレート係合爪形成用突片(21A)を有する内側プレート(8)を形成する。また、アルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより、連通穴(22)、連通部(23)、冷媒流通部(28)、補強部(29)および貫通穴(26)を有する中間プレート(9)を形成する。さらに、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、第1および第2部分(11a)(11b)を有する仕切板(11)を形成する(図7および図8参照)。
【0034】
ついで、3つのプレート(7)(8)(9)を中間プレート(9)が中間部に来るように積層し、外側プレート(7)および中間プレート(9)の貫通穴(25)(26)により形成された仕切板挿入穴(27)内に外側から仕切板(11)を挿入する。ついで、図9に示すように、内側プレート(8)の係合爪形成用突片(21A)を内方に曲げて係合爪(21)を形成するとともに係合爪(21)を外側プレート(7)の平坦部(7b)外面に係合させ、さらに上下両端部の係合爪(21)を仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両端部の外面に係合させることにより、3つのプレート(7)(9)(8)を仮止めするとともに仕切板(11)を仮止めしてして第1および第2ヘッダタンク(2)(3)用の仮止め体をつくる。このとき、中間プレート(9)の補強部(29)の働きにより、中間プレート(9)が、図11に示す従来の中間プレートのように幅方向内側に変形することが防止される。
【0035】
ついで、適当な手段により、第1ヘッダタンク(2)を形成する仮止め体に入口部材(13)を仮止めするとともに、第2ヘッダタンク(3)を形成する仮止め体に出口部材(16)を仮止めする。その後、仮止め体を所定温度に加熱し、外側プレート(7)のろう材層および内側プレート(8)のろう材層を利用して3つのプレート(7)(8)(9)を相互にろう付するとともに、仕切板(11)のろう材層、外側プレート(7)のろう材層および内側プレート(8)のろう材層を利用して、仕切板(11)と3つのプレート(7)(8)(9)とをろう付する。また、第1ヘッダタンク(2)を形成する仮止め体においては、外側プレート(7)のろう材層を利用して外側プレート(7)と入口部材(13)とをろう付し、さらに第2ヘッダタンク(3)を形成する仮止め体においては、外側プレート(7)のろう材層を利用して外側プレート(7)と出口部材(16)とをろう付する。こうして、両ヘッダタンク(2)(3)が製造されている。
【0036】
ガスクーラ(1)は、次のようにして製造される。すなわち、ヘッダタンク(2)(3)を製造する際の上述した2つの仮止め体を、内側プレート(8)どうしが対向するように間隔をおいて配置するとともに、複数の熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)とを交互に配置し、熱交換管(4)の両端部をそれぞれ両仮止め体の内側プレート(8)の管挿入穴(18)および中間プレート(9)の連通穴(22)に挿入するとともに、両端のコルゲートフィン(5)の外側にサイドプレート(6)を配置して適当な治具で固定することにより、全部品の組立体を得る。
【0037】
その後、組立体を所定のろう付温度に加熱し、上述したようにして両ヘッダタンク(2)(3)を製造すると同時に、内側プレート(8)と熱交換管(4)、熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)、およびコルゲートフィン(5)とサイドプレート(6)とを一括してろう付する。こうして、ガスクーラ(1)が製造されている。
【0038】
ガスクーラ(1)は、圧縮機、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とともに超臨界冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
【0039】
上述したガスクーラ(1)において、圧縮機を通過したCO2 が、入口部材(13)の冷媒流入路(14)を通って冷媒入口(12)から第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10)内に入り、冷媒流通空間(10a)内を下方に流れながら分流してすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入する。冷媒通路(4a)内に流入したCO2は、冷媒通路(4a)内を左方に流れて第2ヘッダタンク(3)の出口ヘッダ部(20)内に流入する。出口ヘッダ部(20)内に流入したCO2は、冷媒流通空間(20a)内を下方に流れ、冷媒出口(15)および出口部材(16)の冷媒流出路(17)を通って流出する。そして、CO2が熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内を流れる間に、通風間隙を図1に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換し、冷却される。
【0040】
図10は中間プレートの変形例を示す。
【0041】
図10に示す中間プレート(40)の場合、中間プレート(40)における所定位置の隣接する連通穴(22)どうしが、中間プレート(40)における隣接する連通穴(22)間の部分の前後方向中央部を切除することにより形成された連通部(23)により通じさせられて、冷媒が上下方向に流れる冷媒流通部(28)が設けられている。また、中間プレート(40)は、連続して並んだ5つの連通穴(22)からなる連通穴群(24)を複数備えている。各連通穴群(24)において、隣接する2つの連通穴(22)よりなる組が4組存在しており、1つの連通穴群(24)においては、前記4組のうち1組の隣接する2つの連通穴(22)間には連通部(23)が形成されておらず、これにより当該1組の隣接する2つの連通穴(22)間に補強部(29)が設けられている。また、他の1つの連通穴群(24)においては、前記4組のうち連続して並んだ2組の隣接する2つの連通穴(22)間には連通部(23)が形成されておらず、これにより当該2組の隣接する2つの連通穴(22)間に補強部(29)が設けられており、当該連通穴群(24)には2つの補強部(29)が設けられている。
【0042】
上記の実施形態においては、中間プレート(9)(40)には連続して並んだ5つの連通穴(22)からなる連通穴群(24)が2つ備えられているが、これに限定されるものではなく、連通穴(22)の数および連通穴群(24)の数は適宜変更可能である。実際のガスクーラにおいては、熱交換管(4)の数はもっと多くなるので、連通穴(22)の数および連通穴群(24)の数も多くなる。
【0043】
また、上記の実施形態においては、超臨界冷凍サイクルの超臨界冷媒として、CO2が使用されているが、これに限定されるものではなく、エチレン、エタン、酸化窒素などが使用可能である。
【0044】
また、上記の実施形態においては、熱交換管(4)は、アルミニウム押出形材からなるが、これに両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる管製造用金属板を曲げた折り曲げ体からなるものであってもよい。
【0045】
さらに、上記の実施形態においては、この発明による熱交換器が超臨界冷凍サイクルのガスクーラに用いられているが、これに限定されるものではなく、他の熱交換器に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の方法による熱交換器を適用したガスクーラの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のガスクーラの後方から前方を見た一部省略垂直断面図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2のB−B線拡大断面図である。
【図5】図1のガスクーラのヘッダタンクにおける中間プレートを示す平面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】図1のガスクーラを製造するにあたり、第1ヘッダタンクを構成する3つのプレートと入口部材を示す分解斜視図である。
【図8】図1のガスクーラを製造するにあたり、第2ヘッダタンクを構成する3つのプレートと出口部材を示す分解斜視図である。
【図9】図1のガスクーラを製造するにあたり、第1および第2ヘッダタンクを構成する3つのプレートを仮止めした状態を示す横断面図である。
【図10】図1のガスクーラのヘッダタンクにおける中間プレートの変形例を示す平面図である。
【図11】従来のガスクーラのヘッダタンクを構成する3つのプレートを仮止めした状態を示す横断面図である。
【図12】従来のガスクーラのヘッダタンクにおける中間プレートを示す平面図である。
【符号の説明】
【0047】
(1):ガスクーラ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダタンク
(4):熱交換管
(7):外側プレート
(7a):外方膨出部
(8):内側プレート
(9)(40):中間プレート
(18):管挿入穴
(22):連通穴
(23):連通部
(24):連通穴群
(28):冷媒流通部
(29):補強部
【技術分野】
【0001】
この発明は熱交換器に関し、さらに詳しくは、たとえばCO2(二酸化炭素)などの超臨界冷媒が用いられる超臨界冷凍サイクルのガスクーラやエバポレータに好適に使用される熱交換器に関する。
【0002】
この明細書において、「超臨界冷凍サイクル」とは、高圧側において、冷媒が臨界圧力を超えた超臨界状態となる冷凍サイクルを意味するものとし、「超臨界冷媒」とは、超臨界冷凍サイクルに用いられる冷媒を意味するものとする。
【背景技術】
【0003】
超臨界冷凍サイクルに用いられる熱交換器として、本出願人は、先に、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、外側プレートにヘッダタンクの長さ方向にのびる外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の端部が管挿入穴に挿入されて内側プレートにろう付され、中間プレートに、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、中間プレートにおける所定位置の隣接する2つの連通穴どうしが、中間プレートに形成された連通部によって通じさせられて冷媒流通部が設けられ、内側プレートの両側縁部に熱交換管とは反対側に突出した突出壁が設けられ、突出壁の先端部に外側プレートに係合する係合爪が設けられており、係合爪が突出部にろう付されている熱交換器を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載の熱交換器のヘッダタンクは、図11に示すように、内側プレート(50)の両側縁部の突出壁(51)に真っ直ぐに連なった係合爪形成用突片(52A)を形成しておき(図11鎖線参照)、外側プレート(53)、中間プレート(54)および内側プレート(50)を重ね合わせるとともに、内側プレート(50)の突出壁(51)に形成された係合爪形成用突片(52A)を曲げて係合爪(52)を形成するとともに、係合爪(52)を外側プレート(53)に係合させることにより3つのプレート(50)(53)(54)を仮止めし、その後熱交換器を構成する他の部品のろう付と同時に3つのプレート(50)(53)(54)をろう付することによりつくられている。
【0005】
しかしながら、図12に示すように、中間プレート(54)には内側プレート(50)の管挿入穴、すなわち熱交換管と同数の連通穴(55)が形成されており、さらに所定位置の隣接する連通穴(55)どうしが、中間プレート(54)に形成された連通部(56)によって通じさせられて冷媒流通部(57)が設けられているので、連通部(56)によって通じさせられる連通穴(55)の数が多い場合、幅方向の強度が低下することになり、ヘッダタンクを製造するにあたって係合爪形成用突片(52A)を曲げた際に中間プレート(54)が幅方向内側に変形し(図12鎖線参照)、冷媒流通部(57)の幅が狭くなって製造されたヘッダタンクにおいて通路抵抗が増大するおそれがある(図11参照)。そして、ヘッダタンクの製造の際に、中間プレート(54)の幅方向内側への変形を生じることなく、係合爪形成用突片(52A)を曲げる作業は困難である。
【特許文献1】特開2005−351520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記問題を解決し、ヘッダタンクの製造の際の中間プレートの幅方向内側への変形を防止しうる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、外側プレートにヘッダタンクの長さ方向にのびる外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の端部が管挿入穴に挿入されて内側プレートにろう付され、中間プレートに、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に複数形成され、中間プレートにおける所定位置の隣接する連通穴どうしが、中間プレートに形成された連通部によって通じさせられて冷媒流通部が設けられている熱交換器において、
中間プレートが、連続して並んだ5つの連通穴からなる連通穴群を複数備えており、各連通穴群において、隣接する2つの連通穴よりなる組が4組存在し、前記4組のうち1組または2組の隣接する2つの連通穴間に連通部が形成されておらず、これにより当該1組または2組の隣接する2つの連通穴間に補強部が設けられている熱交換器。
【0009】
2)補強部の数が、全連通穴の数の20〜40%である上記1)記載の熱交換器。
【0010】
3)内側プレートの両側縁部に熱交換管とは反対側に突出した突出壁が設けられ、突出壁の先端部に外側プレートに係合する係合爪が設けられており、係合爪が突出部にろう付されている上記1)または2)記載の熱交換器。
【発明の効果】
【0011】
上記1)の熱交換器によれば、中間プレートが、連続して並んだ5つの連通穴からなる連通穴群を複数備えており、各連通穴群において、隣接する2つの連通穴よりなる組が4組存在し、前記4組のうち1組または2組の隣接する2つの連通穴間に連通部が形成されておらず、これにより当該1組または2組の隣接する2つの連通穴間に補強部が設けられているので、中間プレートの幅方向の強度が増大し、上述した方法によりヘッダタンクを製造するにあたって係合爪形成用突片を曲げる際に、中間プレートの幅方向内側への変形を防止することができる。したがって、中間プレートの冷媒流通部の幅が狭くなることが防止され、製造されたヘッダタンクにおける通路抵抗の増大が防止される。しかも、中間プレートの幅方向の強度が増大するので、ヘッダタンクの製造の際の中間プレートの幅方向内側への変形を起こすことなく、係合爪形成用突片を曲げる作業が簡単になる。
【0012】
上記2)の熱交換器によれば、中間プレートの幅方向の強度を増大させた上で、冷媒流通部の通路抵抗の増大を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、超臨界冷凍サイクルのガスクーラに適用したものである。
【0014】
なお、以下の説明において、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとし、図1および図2の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【0015】
さらに、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0016】
図1および図2はガスクーラの全体構成を示し、図3〜図6はその要部の構成を示し、図7〜図9はヘッダタンクの製造方法を示す。
【0017】
図1〜図6において、超臨界冷媒、たとえばCO2を使用する超臨界冷凍サイクルのガスクーラ(1)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびる2つのヘッダタンク(2)(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の扁平状熱交換管(4)と、隣接する熱交換管(4)どうしの間の通風間隙、および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたコルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側にそれぞれ配置されてコルゲートフィン(5)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(6)とを備えている。なお、この実施形態において、右側のヘッダタンク(2)を第1ヘッダタンク、左側のヘッダタンク(3)を第2ヘッダタンクというものとする。
【0018】
第1ヘッダタンク(2)は、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された外側プレート(7)と、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された内側プレート(8)と、金属ベア材、ここではアルミニウムベア材から形成されかつ外側プレート(7)と内側プレート(8)との間に介在させられて外側プレート(7)および内側プレート(8)にろう付された中間プレート(9)とを備えており、内部が冷媒流通空間(10a)となった入口ヘッダ部(10)が設けられている。
【0019】
第1ヘッダタンク(2)の外側プレート(7)の前後方向(幅方向)の中央部に、左側(中間プレート(9)側)に開口した横断面略U字状の外方膨出部(7a)が全長にわたって形成されている。外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の前後両側部分はそれぞれ同一平面内に位置する平坦部(7b)となっている。外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の左側を向いた開口は中間プレート(9)により塞がれている。外側プレート(7)の上下両端部に、それぞれ前後方向に長くかつ一方の平坦部(7b)から他方の平坦部(7b)に至る貫通穴(25)が形成されている。
【0020】
外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の頂部における上端部の貫通穴(25)よりも若干下方の位置に冷媒入口(12)が形成されており、外方膨出部(7a)外面に、冷媒入口(12)に通じる冷媒流入路(14)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製の直方体状入口部材(13)が、外側プレート(7)外面のろう材を利用してろう付されている。入口部材(13)には、その後面から前方にのびるねじ穴(35)が形成されている。入口部材(13)のねじ穴(35)は、超臨界冷凍サイクルにおいて、圧縮機からのびる配管の先端部に取り付けられたジョイント部材をねじ止めするのに用いられる。
【0021】
第1ヘッダタンク(2)の内側プレート(8)には、前後方向に長い複数の貫通状管挿入穴(18)が、上下方向に間隔をおいて形成されている。全管挿入穴(18)は、入口ヘッダ部(10)の冷媒流通空間(10a)の上下方向の範囲内に形成されている。管挿入穴(18)の前後方向の長さは、外方膨出部(7a)の前後方向の幅よりも若干長く、管挿入穴(18)の前後両端部は前後の平坦部(7b)に至っている。また、内側プレート(8)の前後両側縁部に、それぞれ右方に突出して先端が外側プレート(7)の外面まで至り、かつ外側プレート(7)および中間プレート(9)の前後両側面を覆う側面被覆壁(19)が一体に形成され、外側プレート(7)および中間プレート(9)の前後両側面にろう付されている。各側面被覆壁(19)の突出端の上下両端部および上下方向中央部に、それぞれ前後方向内方に突出しかつ外側プレート(7)の外面に係合する係合爪(21)が一体に形成され、外側プレート(7)にろう付されている。上下両端部の係合爪(21)は、外側プレート(7)の貫通穴(25)の前後両端部を覆っている。内側プレート(8)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されている。
【0022】
第1ヘッダタンク(2)の中間プレート(9)には、それぞれ内側プレート(8)の管挿入穴(18)を外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)に通じさせる貫通状連通穴(22)が形成されている。各連通穴(22)は、内側プレート(8)の各管挿入穴(18)と対応する位置に形成されており、連通穴(22)は管挿入穴(18)よりも一回り大きくなっている。また、中間プレート(9)における所定位置の隣接する連通穴(22)どうしが、中間プレート(9)における隣接する連通穴(22)間の部分の前後方向中央部を切除することにより形成された連通部(23)により通じさせられて、冷媒が上下方向に流れる冷媒流通部(28)が設けられている。中間プレート(9)は、連続して並んだ5つの連通穴(22)からなる連通穴群(24)を複数備えている。各連通穴群(24)において、隣接する2つの連通穴(22)よりなる組が4組存在しており、前記4組のうち1組の隣接する2つの連通穴(22)間には連通部(23)が形成されておらず、これにより当該1組の隣接する2つの連通穴(22)間に補強部(29)が設けられている(図5参照)。
【0023】
中間プレート(9)における上端の連通穴(22)よりも上側の部分および下端の連通穴(22)よりも下側の部分に、外側プレート(7)の貫通穴(25)と対応するように、それぞれ前後方向に長くかつ貫通穴(25)と同一の幅および長さを有する貫通穴(26)が形成されている。外側プレート(7)の貫通穴(25)と中間プレート(9)の貫通穴(26)とによって、貫通状の仕切板挿入穴(27)が両プレート(7)(9)に跨るように形成されている。仕切板挿入穴(27)の前後両側面は左右方向にのびる直線状となっている。そして、各仕切板挿入穴(27)内に仕切板(11)が挿入されることによって、外側プレート(7)および中間プレート(9)の上下両端部に仕切板(11)が配置され、これにより外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)の上下両端開口が仕切板(11)により閉鎖されている。外側プレート(7)における外方膨出部(7a)内の中空部(70)には冷媒が長さ方向に流れるようになっている。
【0024】
仕切板(11)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにより形成されたものであり、各仕切板挿入穴(27)内に外側から挿入されている。仕切板(11)は、上側から見て、各仕切板挿入穴(27)内に嵌め入れられる横長方形状の第1部分(11a)と、第1部分(11a)の外側縁部における前後両端部を除いた部分に一体に形成され、かつ外方に突出した弓形状の第2部分(11b)とよりなる(図6参照)。仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両側縁部および内側縁部は直線状である。なお、前後両側縁部と内側縁部との間の角部は、仕切板挿入穴(27)内への挿入の際の作業性向上のために斜めに切除されている。第1部分(11a)における第2部分(11b)よりも前後両側部分の外面は、外側プレート(7)の平坦部(7b)の外面と面一となっている。第2部分(11b)の外面は外側プレート(7)の外方膨出部(7)の外面と面一となっている。そして、仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両側縁部が仕切板挿入穴(27)の前後両側面にろう付され、同じく内側縁部が内側プレート(8)の左右方向外側面にろう付されている。また、仕切板(11)の上下両面(ヘッダタンク(2)の長さ方向の両面)が、仕切板挿入穴(27)の上下両面(ヘッダタンク(2)の長さ方向両面)にろう付されている。さらに、内側プレート(8)の上下両端部の係合爪(21)が、外側プレート(7)の貫通穴(25)と対応する位置に、貫通穴(25)の前後両端部を覆うように形成されていることにより、係合爪(21)は仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両端部の外面にも係合し、仕切板(11)にろう付されている。
【0025】
そして、第1ヘッダタンク(2)の外側プレート(7)、内側プレート(8)および中間プレート(9)における中空部(70)と対応する部分により、入口ヘッダ部(10)が形成されており、外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)と、中間プレート(9)の冷媒流通部(28)とによって、入口ヘッダ部(10)の冷媒流通空間(10a)が形成されている。
【0026】
図2に示すように、第2ヘッダタンク(3)は、第1ヘッダタンク(2)とほぼ同様な構成であり、同一物および同一部分に同一符号を付す。両ヘッダタンク(2)(3)は、内側プレート(8)どうしが対向するように配置されている。
【0027】
第2ヘッダタンク(3)においては、外側プレート(7)の外方膨出部(7a)の頂部における下端部の貫通穴(25)よりも若干上方の位置に冷媒出口(15)が形成されており、外方膨出部(7a)外面に、冷媒出口(15)に通じる冷媒流出路(17)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製の直方体状出口部材(16)が、外側プレート(7)外面のろう材を利用してろう付されている。出口部材(16)には、その後面から前方にのびるねじ穴(36)がそれぞれ形成されている。出口部材(16)のねじ穴(36)は、中間熱交換器からのびる配管の先端部に取り付けられたジョイント部材をねじ止めするのに用いられる。
【0028】
第2ヘッダタンク(3)のその他の構成は第1ヘッダタンク(2)と同様である。
【0029】
そして、第2ヘッダタンク(2)の外側プレート(7)、内側プレート(8)および中間プレート(9)における中空部(70)と対応する部分により、出口ヘッダ部(20)が形成されており、外側プレート(7)の外方膨出部(7a)内の中空部(70)と、中間プレート(9)の冷媒流通部(28)とによって、出口ヘッダ部(20)の冷媒流通空間(20a)が形成されている。
【0030】
熱交換管(4)は、金属、ここではアルミニウム製押出形材からなり、前後方向に幅広の扁平状で、その内部に長さ方向にのびる複数の冷媒通路(4a)が並列状に形成されている。熱交換管(4)の両端部は、それぞれ両ヘッダタンク(2)(3)の管挿入穴(18)に挿入された状態で、内側プレート(8)のろう材層を利用して内側プレート(8)にろう付されている。なお、熱交換管(4)の両端は中間プレート(9)の厚さ方向の中間部まで連通穴(22)内に入り込んでおり、中間プレート(9)の冷媒流通部(28)内に臨んでいる。
【0031】
コルゲートフィン(5)は両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものである。
【0032】
両ヘッダタンク(2)(3)は、図7〜図9に示すようにして製造されている。
【0033】
まず、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、外方膨出部(7a)、平坦部(7b)および貫通穴(25)を有する外側プレート(7)を形成する。ここで、第1ヘッダタンク(2)に用いられる外側プレート(7)には冷媒入口(12)を形成し、第2ヘッダタンク(3)に用いられる外側プレート(7)には冷媒出口(15)を形成しておく。また、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、管挿入穴(18)、側面被覆壁(19)、ならびに側面被覆壁(19)に真っ直ぐに連なったプレート係合爪形成用突片(21A)を有する内側プレート(8)を形成する。また、アルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより、連通穴(22)、連通部(23)、冷媒流通部(28)、補強部(29)および貫通穴(26)を有する中間プレート(9)を形成する。さらに、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、第1および第2部分(11a)(11b)を有する仕切板(11)を形成する(図7および図8参照)。
【0034】
ついで、3つのプレート(7)(8)(9)を中間プレート(9)が中間部に来るように積層し、外側プレート(7)および中間プレート(9)の貫通穴(25)(26)により形成された仕切板挿入穴(27)内に外側から仕切板(11)を挿入する。ついで、図9に示すように、内側プレート(8)の係合爪形成用突片(21A)を内方に曲げて係合爪(21)を形成するとともに係合爪(21)を外側プレート(7)の平坦部(7b)外面に係合させ、さらに上下両端部の係合爪(21)を仕切板(11)の第1部分(11a)の前後両端部の外面に係合させることにより、3つのプレート(7)(9)(8)を仮止めするとともに仕切板(11)を仮止めしてして第1および第2ヘッダタンク(2)(3)用の仮止め体をつくる。このとき、中間プレート(9)の補強部(29)の働きにより、中間プレート(9)が、図11に示す従来の中間プレートのように幅方向内側に変形することが防止される。
【0035】
ついで、適当な手段により、第1ヘッダタンク(2)を形成する仮止め体に入口部材(13)を仮止めするとともに、第2ヘッダタンク(3)を形成する仮止め体に出口部材(16)を仮止めする。その後、仮止め体を所定温度に加熱し、外側プレート(7)のろう材層および内側プレート(8)のろう材層を利用して3つのプレート(7)(8)(9)を相互にろう付するとともに、仕切板(11)のろう材層、外側プレート(7)のろう材層および内側プレート(8)のろう材層を利用して、仕切板(11)と3つのプレート(7)(8)(9)とをろう付する。また、第1ヘッダタンク(2)を形成する仮止め体においては、外側プレート(7)のろう材層を利用して外側プレート(7)と入口部材(13)とをろう付し、さらに第2ヘッダタンク(3)を形成する仮止め体においては、外側プレート(7)のろう材層を利用して外側プレート(7)と出口部材(16)とをろう付する。こうして、両ヘッダタンク(2)(3)が製造されている。
【0036】
ガスクーラ(1)は、次のようにして製造される。すなわち、ヘッダタンク(2)(3)を製造する際の上述した2つの仮止め体を、内側プレート(8)どうしが対向するように間隔をおいて配置するとともに、複数の熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)とを交互に配置し、熱交換管(4)の両端部をそれぞれ両仮止め体の内側プレート(8)の管挿入穴(18)および中間プレート(9)の連通穴(22)に挿入するとともに、両端のコルゲートフィン(5)の外側にサイドプレート(6)を配置して適当な治具で固定することにより、全部品の組立体を得る。
【0037】
その後、組立体を所定のろう付温度に加熱し、上述したようにして両ヘッダタンク(2)(3)を製造すると同時に、内側プレート(8)と熱交換管(4)、熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)、およびコルゲートフィン(5)とサイドプレート(6)とを一括してろう付する。こうして、ガスクーラ(1)が製造されている。
【0038】
ガスクーラ(1)は、圧縮機、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とともに超臨界冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
【0039】
上述したガスクーラ(1)において、圧縮機を通過したCO2 が、入口部材(13)の冷媒流入路(14)を通って冷媒入口(12)から第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10)内に入り、冷媒流通空間(10a)内を下方に流れながら分流してすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入する。冷媒通路(4a)内に流入したCO2は、冷媒通路(4a)内を左方に流れて第2ヘッダタンク(3)の出口ヘッダ部(20)内に流入する。出口ヘッダ部(20)内に流入したCO2は、冷媒流通空間(20a)内を下方に流れ、冷媒出口(15)および出口部材(16)の冷媒流出路(17)を通って流出する。そして、CO2が熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内を流れる間に、通風間隙を図1に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換し、冷却される。
【0040】
図10は中間プレートの変形例を示す。
【0041】
図10に示す中間プレート(40)の場合、中間プレート(40)における所定位置の隣接する連通穴(22)どうしが、中間プレート(40)における隣接する連通穴(22)間の部分の前後方向中央部を切除することにより形成された連通部(23)により通じさせられて、冷媒が上下方向に流れる冷媒流通部(28)が設けられている。また、中間プレート(40)は、連続して並んだ5つの連通穴(22)からなる連通穴群(24)を複数備えている。各連通穴群(24)において、隣接する2つの連通穴(22)よりなる組が4組存在しており、1つの連通穴群(24)においては、前記4組のうち1組の隣接する2つの連通穴(22)間には連通部(23)が形成されておらず、これにより当該1組の隣接する2つの連通穴(22)間に補強部(29)が設けられている。また、他の1つの連通穴群(24)においては、前記4組のうち連続して並んだ2組の隣接する2つの連通穴(22)間には連通部(23)が形成されておらず、これにより当該2組の隣接する2つの連通穴(22)間に補強部(29)が設けられており、当該連通穴群(24)には2つの補強部(29)が設けられている。
【0042】
上記の実施形態においては、中間プレート(9)(40)には連続して並んだ5つの連通穴(22)からなる連通穴群(24)が2つ備えられているが、これに限定されるものではなく、連通穴(22)の数および連通穴群(24)の数は適宜変更可能である。実際のガスクーラにおいては、熱交換管(4)の数はもっと多くなるので、連通穴(22)の数および連通穴群(24)の数も多くなる。
【0043】
また、上記の実施形態においては、超臨界冷凍サイクルの超臨界冷媒として、CO2が使用されているが、これに限定されるものではなく、エチレン、エタン、酸化窒素などが使用可能である。
【0044】
また、上記の実施形態においては、熱交換管(4)は、アルミニウム押出形材からなるが、これに両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる管製造用金属板を曲げた折り曲げ体からなるものであってもよい。
【0045】
さらに、上記の実施形態においては、この発明による熱交換器が超臨界冷凍サイクルのガスクーラに用いられているが、これに限定されるものではなく、他の熱交換器に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の方法による熱交換器を適用したガスクーラの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のガスクーラの後方から前方を見た一部省略垂直断面図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2のB−B線拡大断面図である。
【図5】図1のガスクーラのヘッダタンクにおける中間プレートを示す平面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】図1のガスクーラを製造するにあたり、第1ヘッダタンクを構成する3つのプレートと入口部材を示す分解斜視図である。
【図8】図1のガスクーラを製造するにあたり、第2ヘッダタンクを構成する3つのプレートと出口部材を示す分解斜視図である。
【図9】図1のガスクーラを製造するにあたり、第1および第2ヘッダタンクを構成する3つのプレートを仮止めした状態を示す横断面図である。
【図10】図1のガスクーラのヘッダタンクにおける中間プレートの変形例を示す平面図である。
【図11】従来のガスクーラのヘッダタンクを構成する3つのプレートを仮止めした状態を示す横断面図である。
【図12】従来のガスクーラのヘッダタンクにおける中間プレートを示す平面図である。
【符号の説明】
【0047】
(1):ガスクーラ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダタンク
(4):熱交換管
(7):外側プレート
(7a):外方膨出部
(8):内側プレート
(9)(40):中間プレート
(18):管挿入穴
(22):連通穴
(23):連通部
(24):連通穴群
(28):冷媒流通部
(29):補強部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、外側プレートにヘッダタンクの長さ方向にのびる外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の端部が管挿入穴に挿入されて内側プレートにろう付され、中間プレートに、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に複数形成され、中間プレートにおける所定位置の隣接する連通穴どうしが、中間プレートに形成された連通部によって通じさせられて冷媒流通部が設けられている熱交換器において、
中間プレートが、連続して並んだ5つの連通穴からなる連通穴群を複数備えており、各連通穴群において、隣接する2つの連通穴よりなる組が4組存在し、前記4組のうち1組または2組の隣接する2つの連通穴間に連通部が形成されておらず、これにより当該1組または2組の隣接する2つの連通穴間に補強部が設けられている熱交換器。
【請求項2】
補強部の数が、全連通穴の数の20〜40%である請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
内側プレートの両側縁部に熱交換管とは反対側に突出した突出壁が設けられ、突出壁の先端部に外側プレートに係合する係合爪が設けられており、係合爪が突出部にろう付されている請求項1または2記載の熱交換器。
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、外側プレートにヘッダタンクの長さ方向にのびる外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の端部が管挿入穴に挿入されて内側プレートにろう付され、中間プレートに、内側プレートの管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に複数形成され、中間プレートにおける所定位置の隣接する連通穴どうしが、中間プレートに形成された連通部によって通じさせられて冷媒流通部が設けられている熱交換器において、
中間プレートが、連続して並んだ5つの連通穴からなる連通穴群を複数備えており、各連通穴群において、隣接する2つの連通穴よりなる組が4組存在し、前記4組のうち1組または2組の隣接する2つの連通穴間に連通部が形成されておらず、これにより当該1組または2組の隣接する2つの連通穴間に補強部が設けられている熱交換器。
【請求項2】
補強部の数が、全連通穴の数の20〜40%である請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
内側プレートの両側縁部に熱交換管とは反対側に突出した突出壁が設けられ、突出壁の先端部に外側プレートに係合する係合爪が設けられており、係合爪が突出部にろう付されている請求項1または2記載の熱交換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−41797(P2009−41797A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204979(P2007−204979)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]