説明

熱伝導性シート及び半導体装置

【課題】導電性の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される絶縁性の第2の熱伝導性シートとからなり、外周部が絶縁性であり、かつ熱伝導性が良好となり、短絡(ショート)の発生を確実に防止できると共に、粘着性の無い第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間から、ずれることを抑制できる熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた半導体装置の提供。
【解決手段】半導体装置の熱源と放熱部材との間に挟持される熱伝導性シートであって、第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される第2の熱伝導性シートとからなる熱伝導性シートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置が駆動すると多大な熱が発生し、発生した熱が蓄積されると半導体素子の駆動性を悪くし、半導体装置に不具合が生じることがある。そこで、例えば、半導体素子に放熱部材を接合することにより外部に熱を放散させる方法が一般的に用いられており、この放熱部材と半導体素子との接合に、炭素繊維等の熱伝導性フィラーを樹脂に配合し、シート化した熱伝導性シートが使用されている。
【0003】
このような熱伝導性シートとしては、エポキシ樹脂等の樹脂バインダーに導電性の熱伝導性フィラーを含有させる場合、例えば、熱伝導性シートの断面部からのフィラーの粉落ちにより、配線上にフィラーが落下し、短絡(ショート)が発生する。このように、高熱伝導率が要求される箇所には、絶縁性の熱伝導フィラーを含有した熱伝導性シートより、導電性の熱伝導フィラーを含有した熱伝導性シートが用いられることがあり、フィラーの粉落ちを防止することは極めて重要なことであった。
【0004】
例えば特許文献1には、高分子マトリックス材料と、黒鉛化炭素繊維を含有する高分子組成物に、外部から磁場を印加して前記黒鉛化炭素繊維を一定方向に磁場配向させた後、該高分子組成物をシート状に硬化する熱伝導性シートの製造方法が提案されている。しかし、この提案のように、磁場をかけて黒鉛化炭素繊維を一定方向に配向させるには大掛かりな設備が必要であり、高コスト化を招いてしまうという問題がある。
また、特許文献2には、一方の表面に補強層を有する熱伝導性シートが提案されており、熱伝導性シートの厚みが薄い場合には、補強層を設けることにより、取り付け作業が向上することが記載されている。しかし、この提案では、熱伝導性シートの全面、特に外周部を被覆するものではなく、熱伝導性シートの断面部からのフィラーの粉落ちを防止することを全く予定していないものである。
【0005】
したがって導電性の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される絶縁性の第2の熱伝導性シートとからなり、外周部が絶縁性であり、かつ熱伝導性が良好となり、短絡(ショート)の発生を確実に防止できると共に、粘着性の無い第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間から、ずれることを抑制できる熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた半導体装置の速やかな提供が望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−200437号公報
【特許文献2】特開2007−128986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、導電性の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される絶縁性の第2の熱伝導性シートとからなり、外周部が絶縁性であり、かつ熱伝導性が良好となり、短絡(ショート)の発生を確実に防止できると共に、粘着性の無い第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間から、ずれることを抑制できる熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、炭素繊維を含有する第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に第2の熱伝導性シートを配してなる熱伝導性シートを、放熱部材と熱源の間に配置し、前記第2の熱伝導性シートが絶縁性の球状フィラーを含んでいるので、たとえ絶縁性フィラーが粉落ちしたとしても短絡の発生はないことを知見した。
また、本発明の熱伝導性シートは、半導体装置の熱源と放熱部材との間に挟持され、荷重をかけることにより、前記第1の熱伝導性シートと前記第2の熱伝導性シートとは隙間がなくなり、接して1枚のシート状となって、第2の熱伝導性シートが放熱部材及び熱源から構成される側面から突出する。前記第2の熱伝導性シートに含まれる絶縁性の球状フィラーは等方的に熱伝導するので、突出部分の等方性熱伝導により熱伝導性シートの外周部の熱拡散性が向上することを知見した。また、第2の熱伝導性シートは微粘着性を有するので、縦向きに用いる場合に、熱源と放熱部材の間から、第1の熱伝導性シートがずれて配線上に落ちる不具合が発生する恐れも無くなる。
したがって、本発明の熱伝導性シートによれば、短絡(ショート)の発生を確実に防止でき、熱伝導性シートの外周部が絶縁であり、かつ熱伝導性が良好となることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0009】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 半導体装置の熱源と放熱部材との間に挟持される熱伝導性シートであって、
第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される第2の熱伝導性シートとからなることを特徴とする熱伝導性シートである。
<2> 第1の熱伝導性シートが、アスペクト比が8以上である炭素繊維を含有する前記<1>に記載の熱伝導性シートである。
<3> 炭素繊維が、第1の熱伝導性シートの厚み方向に沿って垂直配向している前記<2>に記載の熱伝導性シートである。
<4> 第2の熱伝導性シートが絶縁性の熱伝導性フィラーを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の熱伝導性シートである。
<5> 第1の熱伝導性シートの熱伝導率が第2の熱伝導性シートの熱伝導率よりも高い前記<1>から<4>のいずれかに記載の熱伝導性シートである。
<6> 第1の熱伝導性シートの厚みAと、第2の熱伝導性シートの厚みBとの厚み比(A/B)が1以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の熱伝導性シートである。
<7> 放熱部材と、熱源と、前記熱源と前記放熱部材との間に挟持される熱伝導性シートとを有する半導体装置において、
前記熱伝導性シートが、第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される第2の熱伝導性シートとからなり、
前記第1の熱伝導性シートが、アスペクト比が8以上である炭素繊維を含有し、
前記半導体装置に荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みが、荷重をかける前の第1及び第2の熱伝導性シートの厚みよりも小さいことを特徴とする半導体装置である。
<8> 半導体装置に荷重をかける前において、炭素繊維の前記第1の熱伝導性シートの厚み方向に対する配向角度が0度〜45度である前記<7>に記載の半導体装置である。
<9> 第2の熱伝導性シートが絶縁性の熱伝導性フィラーを含有する前記<7>から<8>のいずれかに記載の半導体装置である。
<10> 第1の熱伝導性シートの熱伝導率が第2の熱伝導性シートの熱伝導率よりも高い前記<7>から<9>のいずれかに記載の半導体装置である。
<11> 半導体装置に荷重をかけた後において、第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出している前記<7>から<10>のいずれかに記載の半導体装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、導電性の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される絶縁性の第2の熱伝導性シートとからなり、外周部が絶縁性であり、かつ熱伝導性が良好となり、短絡(ショート)の発生を確実に防止できると共に、粘着性の無い第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間から、ずれることを抑制できる熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明の半導体装置の一例を示す概略図である。
【図1B】図1Bは、図1Aの熱伝導性シート部分を上から見た図である。
【図2】図2は、荷重をかけた後の本発明の半導体装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(熱伝導性シート)
本発明の熱伝導性シートは、半導体装置の熱源と放熱部材との間に挟持され、
第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される第2の熱伝導性シートとからなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
【0013】
<第1の熱伝導性シート>
前記第1の熱伝導性シートとしては、アスペクト比が8以上である炭素繊維を含有し、ポリマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0014】
前記炭素繊維としては、例えばピッチ系、PAN系、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法(化学気相成長法)、CCVD法(触媒化学気相成長法)等で合成されたものを用いることができる。これらの中でも、熱伝導性の点からピッチ系炭素繊維が特に好ましい。
前記炭素繊維は、必要に応じて、その一部又は全部を表面処理して用いることができる。表面処理としては、具体的には、酸化処理や窒化処理、ニトロ化、スルホン化、あるいはこれらの処理によって表面に導入された官能基若しくは炭素繊維の表面に、金属、金属化合物、有機化合物等を付着あるいは結合させる処理を挙げることができる。前記官能基の具体例としては、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基等の酸素含有基や窒素含有基が挙げられる。
【0015】
前記炭素繊維の平均長軸長さは、10μm〜250μmであることが好ましく、100μm〜180μmであることがより好ましい。
前記炭素繊維の平均短軸長さは、6μm〜15μmであることが好ましく、8μm〜13μmであることがより好ましい。
前記炭素繊維は、アスペクト比(平均長軸長さ/平均短軸長さ)が8以上であることが好ましく、12〜30であることがより好ましい。前記アスペクト比が、8未満であると、炭素繊維の繊維長(長軸長さ)が短いため、熱伝導率が低下してしまうことがある。
ここで、前記炭素繊維の平均長軸長さ、及び平均短軸長さは、例えばマイクロスコープ、走査型電子顕微鏡(SEM)などにより測定することができる。
【0016】
前記炭素繊維は、第1の熱伝導性シートの厚み方向に沿って垂直配向していることが好ましい。
前記炭素繊維は、前記第1の熱伝導性シートの厚み方向に沿って垂直配向していることが、熱源から放熱部材に効率的に熱を伝播させることができる点で好ましい。
ここで、前記炭素繊維が、第1の熱伝導性シートの厚み方向に沿って垂直配向していることは、例えばマイクロスコープ、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
前記炭素繊維を第1の熱伝導性シートの厚み方向に沿って垂直配向させる方法としては、例えばポリマー及び炭素繊維を含む熱伝導組成物を押出して炭素繊維が一方向(押し出し方向)に優先的に配向した熱伝導成形体を得る。得られた熱伝導成形体を炭素繊維が優先的に配向している方向に対して垂直にスライス装置(例えば超音波カッター等)によりスライスして、炭素繊維が、第1の熱伝導性シートの厚み方向に沿って垂直配向している第1の熱伝導性シートを作製することができる。
【0017】
−ポリマー−
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、熱伝導性シートに要求される性能に応じて適宜選択することができ、例えば熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーが挙げられる。
【0018】
前記熱可塑性ポリマーとしては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、又はこれらのポリマーアロイなどが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体;ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸又はそのエステル、ポリアクリル酸又はそのエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマーなどが挙げられる。
【0019】
前記熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体又はその水添ポリマー、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水添ポリマー等のスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0020】
前記熱硬化性ポリマーとしては、例えば架橋ゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリイミドシリコーン、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。
【0021】
前記架橋ゴムとしては、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ポリイソブチレンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。
【0022】
これらの中でも、耐熱性に優れると共に、電子部品に対する密着性や追従性の点から、シリコーンゲルが特に好ましい。
前記シリコーンゲルは、その原料であるポリオルガノシロキサンを硬化することによって得られ、該シリコーンゲルの性状にはエラストマー状、ゲル状、フォーム状などがある。
前記シリコーンゲルの硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機過酸化物によるラジカル反応、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンとケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノシロキサンとを白金系触媒下で反応させる付加反応、硬化時に縮合生成物を生成する縮合反応などが挙げられる。
【0023】
前記第1の熱伝導性シートには、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、必要に応じて、溶剤、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、遅延剤、粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤等の公知の添加剤を配合することができる。
【0024】
前記第1の熱伝導性シートの厚みは、特に制限はなく、熱抵抗を考慮して5mm以下の範囲であることが好ましい。
【0025】
<第2の熱伝導性シート>
前記第2の熱伝導性シートは、絶縁性の熱伝導性フィラーを含有し、ポリマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0026】
−絶縁性の熱伝導性フィラー−
前記絶縁性の熱伝導性フィラーとしては、その形状、材質、平均粒径などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば球状、楕円球状、塊状、粒状、扁平状、針状などが挙げられる。これらの中でも、球状、楕円形状が充填性の点から好ましく、球状が特に好ましい。
前記絶縁性の熱伝導性フィラーの材質としては、例えば窒化アルミニウム、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化亜鉛、炭化ケイ素、ケイ素(シリコン)、酸化珪素、酸化アルミニウム、などが挙げられる。これらの中でも、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカが好ましく、熱伝導率の点から窒化アルミニウムが特に好ましい。
なお、前記絶縁性の熱伝導性フィラーは、表面処理を施してもよい。前記表面処理としてカップリング剤で処理すると分散性が向上し、熱伝導性シートの柔軟性が向上する。
前記絶縁性の熱伝導性フィラーの平均粒径としては、例えば0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。
前記平均粒径は、例えば粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができる。
前記絶縁性の熱伝導性フィラーの含有量は、60体積%〜85体積%であることが好ましく、65体積%〜80体積%であることがより好ましい。
【0027】
−ポリマー−
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第1の熱伝導性シート同様なものを用いることができ、シリコーンゲルが特に好ましい。
【0028】
前記第2の熱伝導性シートには、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、必要に応じて、溶剤、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、遅延剤、粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤等の公知の添加剤を配合することができる。
【0029】
前記第2の熱伝導性シートの厚みは、特に制限はなく、熱抵抗を考慮して5mm以下の範囲であることが好ましい。
前記第2の熱伝導性シートは、前記第1の熱伝導性シートの外周部に配される。前記第2の熱伝導性シートを前記第1の熱伝導性シートの外周部に配する方法としては、例えば、図1Bに示すように、前記第2の熱伝導性シート4を、前記第1の熱伝導性シート3よりも大きい打ち抜き部4aを形成し、該打ち抜き部4aに前記第1の熱伝導性シート3を配する態様などが挙げられる。前記打ち抜き部の大きさは、前記第1の熱伝導性シートの大きさよりも大きく形成され、前記打ち抜き部と第1の熱伝導性シートとの隙間L(図1A及び図1B参照)は、0.5mm〜1.0mmであることが好ましい。
【0030】
本発明においては、第1の熱伝導性シートの熱伝導率は、第2の熱伝導性シートの熱伝導率よりも高いことが好ましい。これにより、発熱量が多い箇所の放熱を効率的に行うことができる。
前記第1の熱伝導性シートの熱伝導率は、3W/m・k以上であることが好ましい。
前記第2の熱伝導性シートの熱伝導率は、1W/m・k以上であることが好ましい。
ここで、前記熱伝導性シートの熱伝導率は、例えばASTM−D5470に準拠した方法により測定することができる。
【0031】
前記第1の熱伝導性シートの厚みAと、前記第2の熱伝導性シートの厚みBとの厚み比(A/B)は1以上であることが好ましく、1〜1.05であることがより好ましい。前記比(A/B)が1未満であると、熱源と放熱部材との間に隙間が形成され、熱伝導効率が低下することがある。
【0032】
本発明の熱伝導性シートは、該熱伝導性シートの外周部においても熱伝導性が良好であり、熱伝導性シートの断面部からのフィラーの粉落ちを防止でき、短絡(ショート)の発生を確実に防止できるので、各種分野において好適に用いられるが、以下に説明する半導体装置に用いることが特に好ましい。
【0033】
(半導体装置)
本発明の半導体装置は、放熱部材と、半導体素子(熱源)と、前記半導体素子(熱源)と前記放熱部材との間に挟持される熱伝導性シートとを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記熱伝導性シートとして、本発明の前記熱伝導性シートを用いることができる。
【0034】
本発明においては、前記半導体装置に荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは、荷重をかける前の第1及び第2の熱伝導性シートの厚みよりも小さいことが必要である。前記半導体装置に荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みが、荷重をかける前の第1及び第2の熱伝導性シートの厚みよりも大きいと、半導体装置に荷重をかけても熱源と放熱部材との隙間があり、この隙間から粉落ちが発生する可能性があり、短絡(ショート)が発生するおそれがある。
ここで、前記半導体装置に荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは、第1の熱伝導性シートの厚みと第2の熱伝導性シートの厚みに差異がある場合には、厚い方のシートの厚みを採用する。
【0035】
また、前記半導体装置に荷重をかける前において、炭素繊維の前記第1の熱伝導性シートの厚み方向に対する配向角度が0度〜45度であることが好ましく、0度〜30度であることがより好ましい。前記配向角度が、45度を超えると、熱抵抗が大きくなりすぎ、熱伝導率が低下することがある。
前記炭素繊維の配向角度は、例えば第1の熱伝導性シートの断面をマイクロスコープにより観察することで測定することができる。
【0036】
半導体装置に荷重をかけた後において、第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出していることが、放熱性の観点から好ましい。前記半導体装置にかける荷重としては、0.1kgf/cm〜6kgf/cmであることが好ましい。
前記第2の熱伝導性シートの端部が放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出していることは、例えばシートの断面をマイクロスコープにより観察することで測定することができる。
【0037】
半導体装置に荷重をかけた後において、前記第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出していることが、放熱性の点で好ましい。
【0038】
前記熱源としての半導体素子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU、MPU、グラフィック演算素子などが挙げられる。
前記放熱部材としては、半導体素子から発生する熱を伝導して外部に放散させるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、放熱器、冷却器、ヒートシンク、ヒートスプレッダー、ダイパッド、プリント基板、冷却ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、筐体などが挙げられる。
【0039】
ここで、図1Aは、本発明の半導体装置の一例を示す概略図であり、図1Bは、図1Aの熱伝導性シートを上から見た平面図である。
熱源としての半導体素子1と、放熱部材2との間に、第1の熱伝導性シート3と、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される第2の熱伝導性シート4とからなる熱伝導性シート10が挟持されている。
図2は、図1Aの半導体装置に荷重をかけた後の状態を示す概略図である。第2の熱伝導性シート4の端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出しているが、導電性の第1の熱導電性シートは、放熱部材及び熱源から構成される側面より外に出ないので、端部は絶縁性となり、導電性フィラーの粉落ちが防止される。
【実施例】
【0040】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
−熱伝導性シートの作製−
シリコーン10gに対して球状アルミナ(平均粒径3μm)50gとピッチ系炭素繊維(平均短軸長さ8μm、平均長軸長さ200μm、アスペクト比25)12gを混合して、熱伝導組成物を調製した。
得られた熱伝導組成物を押出し機により押出してピッチ系炭素繊維が一方向(押し出し方向)に優先的に配向した熱伝導成形体を得た。得られた熱伝導成形体をピッチ系炭素繊維が優先的に配向している方向に対して垂直に超音波カッターによりスライスして、厚み1.96mm、縦15mm、横15mmの正方形状の第1の熱伝導性シートを作製した。この第1の熱伝導性シートは、その断面をマイクロスコープ(HiROX Co Ltd製、KH7700)で観察したところ、ピッチ系炭素繊維が第1の熱伝導性シートの厚み方向に対し0度〜5度に配向していた。
次に、シリコーン5gに対して球状アルミナ(平均粒径10μm)30g、窒化アルミニウム(平均粒径1μm)20gを混合してシート化し、第1の熱伝導性シートの外周部に配されるように打ち抜いて、厚み1.96mm、縦16mm、横16mmの正方形状の打ち抜き部を有する縦20mm、横20mmの正方形状の第2の熱伝導性シートを作製した。
【0042】
<評価>
次に、作製した第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に第2の熱伝導性シートを配した実施例1の熱伝導性シートを、熱伝導測定装置(ソニー株式会社製)のヒーター側の金属ロッド(熱源)と冷却側の金属ロッド(放熱部材)との間に介在させて、1kgf/cmの荷重をかけた。荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは1.75mmとなった。
その結果、荷重をかけると熱源と放熱部材の隙間はなくなり、第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出し、熱伝導性シートの端部が絶縁性となる。また、第2の熱伝導性シートは微粘着性を有することから、第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間からずれることがない。よって、半導体装置に応用した場合も、端面から粉落ちすることがないことから、短絡(ショート)が発生する恐れがなかった。
【0043】
(実施例2)
−熱伝導性シートの作製−
実施例1と同様にして作製した、厚み2.08mm、縦15mm、横15mmの正方形状の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配されるように打ち抜いて、厚み2.20mm、縦16mm、横16mmの正方形状の打ち抜き部を有する縦20mm、横20mmの正方形状の第2の熱伝導性シートを作製した。
【0044】
<評価>
次に、作製した第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に第2の熱伝導性シートを配した実施例2の熱伝導性シートを熱伝導測定装置(ソニー株式会社製)のヒーター側の金属ロッド(熱源)と冷却側の金属ロッド(放熱部材)との間に介在させて、2kgf/cmの荷重をかけた。荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは1.81mmとなった。
その結果、荷重をかけると熱源と放熱部材の隙間はなくなり、第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出し、熱伝導性シートの端部が絶縁性となる。また、第2の熱伝導性シートは微粘着性を有することから、第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間からずれることがない。よって、半導体装置に応用した場合も、端面から粉落ちすることがないことから、短絡(ショート)が発生する恐れがなかった。
【0045】
(実施例3)
−熱伝導性シートの作製−
実施例1と同様にして作製した、厚み2.01mm、縦15mm、横15mmの正方形状の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配されるように打ち抜いて、厚み2.48mm、縦16mm、横16mmの正方形状の打ち抜き部を有する縦20mm、横20mmの正方形状の第2の熱伝導性シートを作製した。
【0046】
<評価>
次に、作製した第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に第2の熱伝導性シートを配した実施例3の熱伝導性シートを熱伝導測定装置(ソニー株式会社製)のヒーター側の金属ロッド(熱源)と冷却側の金属ロッド(放熱部材)との間に介在させて、3kgf/cmの荷重をかけた。荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは1.51mmとなった。
その結果、荷重をかけると熱源と放熱部材の隙間はなくなり、第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出し、熱伝導性シートの端部が絶縁性となる。また、第2の熱伝導性シートは微粘着性を有することから、第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間からずれることがない。よって、半導体装置に応用した場合も、端面から粉落ちすることがないことから、短絡(ショート)が発生する恐れがなかった。
【0047】
(実施例4)
−熱伝導性シートの作製−
実施例1と同様にして作製した、厚み2.01mm、縦15mm、横15mmの正方形状の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配されるように打ち抜いて、厚み1.91mm、縦16mm、横16mmの正方形状の打ち抜き部を有する縦20mm、横20mmの正方形状の第2の熱伝導性シートを作製した。
【0048】
<評価>
次に、作製した第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に第2の熱伝導性シートを配した実施例4の熱伝導性シートを熱伝導測定装置(ソニー株式会社製)のヒーター側の金属ロッド(熱源)と冷却側の金属ロッド(放熱部材)との間に介在させて、1kgf/cmの荷重をかけた。荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは1.76mmとなった。
その結果、荷重をかけると熱源と放熱部材の隙間はなくなり、第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出し、熱伝導性シートの端部が絶縁性となる。また、第2の熱伝導性シートは微粘着性を有することから、第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間からずれることがない。よって、半導体装置に応用した場合も、端面から粉落ちすることがないことから、短絡(ショート)が発生する恐れがなかった。
【0049】
(比較例1)
−熱伝導性シートの作製−
実施例1と同様にして作製した、厚み1.98mm、縦15mm、横15mmの正方形状の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配されるように打ち抜いて、厚み1.78mm、縦16mm、横16mmの正方形状の打ち抜き部を有する縦20mm、横20mmの正方形状の第2の熱伝導性シートを作製した。
【0050】
<評価>
次に、作製した第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に第2の熱伝導性シートを配した比較例1の熱伝導性シートを、熱伝導測定装置(ソニー株式会社製)のヒーター側の金属ロッド(熱源)と冷却側の金属ロッド(放熱部材)との間に介在させて、1kgf/cmの荷重をかけた。荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは1.86mmとなった。
その結果、荷重をかけても熱源と放熱部材との隙間があり、隙間から粉落ちが発生する可能性があり、短絡(ショート)が発生する恐れがある。
【0051】
(比較例2)
−熱伝導性シートの作製−
実施例1と同様にして作製した、厚み1.98mm、縦20mm、横20mmの正方形状の第1の熱伝導性シートのみを用いて、比較例2の熱伝導性シートとした。
【0052】
<評価>
次に、作製した比較例2の熱伝導性シートを、熱伝導測定装置(ソニー株式会社製)のヒーター側の金属ロッドと冷却側の金属ロッドとの間に介在させて、1kgf/cmの荷重をかけた。荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みは1.94mmとなった。
その結果、熱伝導性シートの端部が導電性となるので、導電性フィラーの粉落ちが発生するおそれがあり、短絡(ショート)が発生するおそれがある。
【0053】
(比較例3)
実施例1において、厚み1.96mm、縦15mm、横15mmの正方形状の第1の熱伝導性シートの外周部を、第2の熱伝導性シートの代わりにシリコーンのみでシートを作製しようとしたが、外周部のシリコーンにはフィラーが含有されていないので、加熱時にシリコーンが流動してしまい、半導体装置が作製できなかった。
【0054】
<熱伝導性シートの熱伝導率>
各熱伝導性シートの熱伝導率は、ASTM−D5470に準拠して、熱伝導率測定装置(ソニー株式会社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0055】
<端面からの粉落ち>
熱源と放熱部材との間の第1の熱伝導性シートの外周に絶縁性の熱伝導性シートが存在し(端部が絶縁性)、熱源と放熱部材との隙間が無いものは、端面からの粉落ちは無いと判断した。一方、端部が導電性であるか、又は熱源と放熱部材との隙間があるものは、端面からの粉落ちが有りと判断した。結果を表1に示す。
【0056】
<側面からのはみ出しの有無>
放熱部材及び熱源から構成される側面からの熱伝導性シートのはみ出しの有無は、熱源と放熱部材との間に配置し、荷重をかけた各熱伝導性シートについて、放熱部材側の上方向や横方向からみて判断した。結果を表1に示す。
【0057】
<荷重をかける前における炭素繊維の配向角度>
荷重をかける前の各熱伝導性シートにおける炭素繊維の配向角度は、熱伝導性シートの断面をマイクロスコープ(HiROX Co Ltd製、KH7700)で観察することにより測定した。結果を表1に示す。
【0058】
<熱源と放熱部材との隙間の有無>
目視によって熱源と放熱部材との間の隙間の有無を確認した。結果を表1に示す。
【0059】
<熱伝導性シートの端部が絶縁性又は導電性>
熱伝導性シートの端部にテスターを当てて電気抵抗を測定し、電気抵抗が10Ω以上を「絶縁性」とし、電気抵抗が10Ω以下を「導電性」とした。結果を表1に示す。
【0060】
【表1−1】

【表1−2】

【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の熱伝導性シートは、導電性の第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される絶縁性の第2の熱伝導性シートとからなり、外周部が絶縁性であり、かつ熱伝導性が良好となり、短絡(ショート)の発生を確実に防止できると共に、粘着性の無い第1の熱伝導性シートが熱源と放熱部材との間から、ずれることを抑制できるので、例えば各種半導体装置に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0062】
1 熱源(半導体素子)
2 放熱部材
3 第1の熱伝導性シート
4 第2の熱伝導性シート
4a 打ち抜き部
L 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の熱源と放熱部材との間に挟持される熱伝導性シートであって、
第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される第2の熱伝導性シートとからなることを特徴とする熱伝導性シート。
【請求項2】
第1の熱伝導性シートが、アスペクト比が8以上である炭素繊維を含有する請求項1に記載の熱伝導性シート。
【請求項3】
炭素繊維が、第1の熱伝導性シートの厚み方向に沿って垂直配向している請求項2に記載の熱伝導性シート。
【請求項4】
第2の熱伝導性シートが絶縁性の熱伝導性フィラーを含有する請求項1から3のいずれかに記載の熱伝導性シート。
【請求項5】
第1の熱伝導性シートの熱伝導率が第2の熱伝導性シートの熱伝導率よりも高い請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導性シート。
【請求項6】
第1の熱伝導性シートの厚みAと、第2の熱伝導性シートの厚みBとの厚み比(A/B)が1以上である請求項1から5のいずれかに記載の熱伝導性シート。
【請求項7】
放熱部材と、熱源と、前記熱源と前記放熱部材との間に挟持される熱伝導性シートとを有する半導体装置において、
前記熱伝導性シートが、第1の熱伝導性シートと、該第1の熱伝導性シートの外周部に配される第2の熱伝導性シートとからなり、
前記第1の熱伝導性シートが、アスペクト比が8以上である炭素繊維を含有し、
前記半導体装置に荷重をかけた後の熱伝導性シートの厚みが、荷重をかける前の第1及び第2の熱伝導性シートの厚みよりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
半導体装置に荷重をかける前において、炭素繊維の前記第1の熱伝導性シートの厚み方向に対する配向角度が0度〜45度である請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
第2の熱伝導性シートが絶縁性の熱伝導性フィラーを含有する請求項7から8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
第1の熱伝導性シートの熱伝導率が第2の熱伝導性シートの熱伝導率よりも高い請求項7から9のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項11】
半導体装置に荷重をかけた後において、第2の熱伝導性シートの端部が、放熱部材及び熱源から構成される側面よりも突出している請求項7から10のいずれかに記載の半導体装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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