説明

熱処理装置

【課題】供給する雰囲気ガスのほぼ全量を効率よく被処理物と接触させることができる熱処理装置を提供すること。
【解決手段】熱処理される被処理物50が収容される通気性セッター10と、通気性セッター10を加熱室20の内部で搬送方向A1に移動自在に保持する一対のセッター受け部30と、を有する熱処理装置である。通気性セッター10は、被処理物50が収容される収容領域が通気性を有し、セッター受け部30と通気性セッター10とにより、加熱室20の横断面を、ガス供給室20aとガス排気室20bとに二分割し、これらのガス供給室20aとガス排気室20bとは、通気性セッター10の両側ではガスの流通が困難で、通気性セッター10の収容部20cを介して主としてガスの流通が可能となるように、一対のセッター受け部30は、通気性セッター10の両側に具備してある非通気部分である枠部材14を保持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のガス雰囲気下で焼成などの熱処理を効率的に行うことができる熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばセラミック電子部品を還元性雰囲気で焼成する場合などのように、所定のガス雰囲気下で被処理物を熱処理したい場合がある。このような場合に従来では、たとえば下記の特許文献1に示すように、ローラハースキルン炉が用いられている。
【0003】
このローラハースキルン炉によれば、加熱室の上部にガス供給管を設けると共に、加熱室の下部にガス排出口を設けてガスの排出を効率的に行っている。また、このキルン炉では、被処理物がセットされているセッターを、加熱室の内部でローラにより搬送している。
【0004】
しかしながら、従来のキルン炉では、ガス供給管から供給されたガスは、加熱室内で非処理物にはほとんど当たらず、搬送用のローラ間の隙間を通過してガス排出口から排出されるガスがほとんどである。特に非処理物が小さな電子部品であり、セッターの内部に多数収容されている場合には、非処理物の隙間にまでは、雰囲気ガスが良好に行き渡らないおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−323738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、供給する雰囲気ガスのほぼ全量を効率よく被処理物と接触させることができる熱処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る熱処理装置は、
熱処理される被処理物が収容される通気性セッターと、
前記通気性セッターを加熱室の内部で搬送方向に移動自在に保持する非通気性の一対のセッター受け部と、を有する熱処理装置であって、
前記通気性セッターは、前記被処理物が収容される収容領域のみが通気性を有し、
一対の前記セッター受け部と前記通気性セッターとにより、前記加熱室の横断面を、ガス供給室とガス排気室とに二分割し、
前記ガス供給室に雰囲気ガスを供給するガス供給手段が前記ガス供給室に具備してあり、
前記ガス排気室内の雰囲気ガスを排出するガス排出手段が前記ガス排気室に具備してあり、
これらのガス供給室とガス排気室とが、前記搬送方向に交差する方向における前記通気性セッターの両側ではガスの流通が困難で、且つ前記通気性セッターの前記収容領域を介して主としてガスの流通が可能となるように、前記一対のセッター受け部は、前記通気性セッターの両側に具備してある非通気部分を保持していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る熱処理装置では、通気性セッターの非通気部分が、同じく非通気性のセッター受け部により保持されることで、通気性セッターの両側では、ガス供給室とガス排気室との間での通気性が阻害される。そのため、ガス供給室とガス排気室との間では、通気性セッターの収容領域を介して主としてガスの流通が可能となる。
【0009】
すなわち、ガス供給室に流入する雰囲気ガスのほぼ全量が、通気性セッターの収容領域(被処理物が収容してある領域)を必ず通過し、供給する雰囲気ガスのほぼ全量を効率よく被処理物と接触させることができ、ガスの利用効率が向上する。
【0010】
好ましくは、前記通気性セッターは、前記被処理物が収容される前記収容領域を構成する金属製網と、前記非通気部分を構成する耐熱性の枠部材とから成る。枠部材は、搬送に耐える強度を実現するとともに、金属製網以外の領域に雰囲気ガスが流れないように隙間を塞ぐ機能を有する。また、金属製網は、セラミックスのセッターと比べて無駄に熱を吸収しないので、被処理物を加熱するためのエネルギーが少なくて済む。さらに、通気性セッターを金属製網と枠部材との組合せとすることで、雰囲気ガスの流路を、被処理物が収容される収容領域のみとすることができる。
【0011】
好ましくは、前記加熱室の内部で、隣接する前記通気性セッター相互が接触するように、複数の前記通気性セッターが、前記搬送方向に沿って列を成して一対の前記セッター受け部に保持されている。また、好ましくは、搬送方向に沿って上流側の前記通気性セッターを、前記搬送方向に押すことで、列を成している複数の前記通気性セッターを搬送方向に移動させるプッシャー装置を熱処理装置がさらに有する。
【0012】
このように構成することで、ガス供給室とガス排気室とが区画される状態を維持しながら、通気性セッターを搬送方向に移動させることが可能である。
【0013】
好ましくは、一対の前記セッター受け部のそれぞれの内側縁は、前記通気性セッターの前記収容領域とは重ならないように、前記非通気部分を保持している。このように構成することで、被処理物が収容される通気性領域の全領域へ確実に雰囲気ガスを流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る熱処理装置の平面側概略図である。
【図2】図2は図1に示すII−II線に沿う概略断面図である。
【図3】図3は図1および図2に示す通気性セッターの概略分解斜視図である。
【図4】図4は加熱室の内部における通気性セッターの配列を示す概略斜視図である。
【図5】図5は図4に示すV−V線に沿う概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る熱処理装置2は、加熱炉4を有する。加熱炉4の内部には、被処理物がそれぞれ収容してある通気性セッター10が、後述するプッシャー装置60により第1搬送方向A1に沿って移動可能になっている。
【0016】
加熱炉4の入口には、入口側予備室4aが接続してあり、加熱炉4で加熱する前の被処理物が収容してある通気性セッター10を予備加熱可能になっている。また、加熱炉4の出口には、出口側予備室4bが接続してあり、加熱炉4で加熱された被処理物が収容してある通気性セッター10を徐々に冷却可能になっている。
【0017】
入口側予備室4aには、入口側置換室5aが接続してあり、第2搬送方向A2から搬送されてきた通気性セッター10を、入口側置換室5a内に入り込ませるようになっている。入口側置換室5aを通して入口側予備室4aに通気性セッター10を送り込むことで、入口側予備室4aおよび加熱室4の内部に外気が入り込むことを防止している。
【0018】
また、出口側予備室4bには、出口側置換室5bが接続してあり、出口側予備室4bから第3搬送方向A3に搬送されてきた通気性セッター10を、出口側置換室5b内に入り込ませるようになっている。出口側置換室5bを通して通気性セッター10を外部に搬送することで、出口側予備室4bおよび加熱室4の内部に外気が入り込むことを防止している。
【0019】
出口側置換室5bを通して第3搬送方向A3に搬送された通気性セッター10は、方向転換部70aにて搬送方向が変えられ、リターンコンベア70により第4搬送方向A4に送られ、方向転換部70bにて、第2搬送方向A2に搬送方向が変えられ入口側置換室5a内に送られる。すなわち、通気性セッター10は、第1搬送方向A1、第3搬送方向A3、第4搬送方向A4および第2搬送方向A2と循環させられる。
【0020】
本実施形態では、第1搬送方向A1と第4搬送方向A4とは、平行であるが方向が逆であり、第2搬送方向A2と第3搬送方向A3とは、平行であるが方向が逆であるが、このような関係には限定されない。たとえば加熱炉4から出て行く通気性セッター10が、再び加熱炉4の入口に送り込まれるような循環経路を形成すれば良く、搬送方向は、特に限定されない。
【0021】
図3に示すように、それぞれの通気性セッター10は、被処理物が収容される収容領域を構成する金属製網12と、非通気部分を構成する耐熱性の枠部材14とから成る。枠部材14は、搬送に耐える強度を実現するとともに、金属製網以外の領域に雰囲気ガスが流れないように隙間を塞ぐ機能を有する。
【0022】
本実施形態では、金属製網12は、矩形状の底板部12aと、この矩形状の底板部の4辺からZ軸方向の上方に立ち上がるように一体化された側板部12bとを有し、通気領域となる収容部12cを構成している。金属製網12における底板部12aの4角部には、X軸方向の外方に突出するX軸係止用凸部13xと、Y軸方向の外方に突出するY軸係止用凸部13yと、Z軸方向の下方に突出するZ軸係止用凸部13zとが形成してある。
【0023】
これらの凸部13x、13y、13zは、金属製網12を構成するワイヤと同じワイヤまたは別のワイヤ、あるいはその他の部材により形成してある。金属製網12を構成するワイヤは、たとえばステンレス、Ni、Mo、W、Pt、Ni−Crなどの金属で構成してある。
【0024】
耐熱性の枠部材14は、たとえばセラミック、金属、耐熱性樹脂などで構成してあり、金属製網12の底板部12aの形状に一致する矩形状の開口部14aを有する。
【0025】
金属製網12の角部に設けられた凸部13zは、枠部材14の開口部14aにおける角部に入り込み、凸部13x、13yは、枠部材14の表面に係止する。凸部13x、13y、13zは、弾力変形が可能であり、枠部材14に対して、金属製網12を装着が容易になっている。
【0026】
図4に示すように、本実施形態では、金属製網12の収容部12cには、被処理物としてのチップ部品50がZ軸方向に折り重なって収容することが可能であるが、底板部12aの上に、チップ部品50が一層で収容されていても良い。その場合には、側板部12bは、必ずしも設けなくとも良いが、収容部12cに多量にチップ部品50を収容する場合には、側板部12bを設けることが好ましい。また、側板部12bは、必ずしも通気性を有する必要はなく、少なくとも底板部12aが通気性を有していれば良い。
【0027】
底板部12aに形成してある通気性の開口部は、チップ部品50のサイズよりも小さく、チップ部品50が落下しない程度で通気性に優れた複数の開口部であれば良い。各開口部の大きさは、特に限定されないが、チップ部品50の縦横高さ寸法の内の最小の寸法に対して30%〜80%の径の大きさであることが好ましい。
【0028】
凸部13zの突出長さは、図3に示す枠部材14の厚みtzに対して、60%〜90%であることが好ましい。また、凸部13x、13yの突出長さは、図3に示す枠部材14のX軸方向幅WxおよびY軸方向幅Wyに対して、それぞれ60%〜80%であることが好ましい。
【0029】
なお、図面において、図1に示す第1搬送方向A1と平行な方向をX軸とし、図3に示す金属製網12の底板部12aと平行でX軸と垂直方向をY軸とし、底板部12aと垂直方向をZ軸とする。
【0030】
図2に示すように、加熱炉4の内部には、加熱室20がX軸方向に沿って細長く形成してあり、図示省略してある加熱手段により、加熱室20の内部は、所定温度に加熱されるようになっている。
【0031】
加熱室20の内部には、通気性セッター10を搬送方向であるX軸方向に沿って移動自在に保持する非通気性の一対のセッター受け部30が装着してある。セッター受け部30は、加熱室20を構成する両側の内側壁のZ軸方向の中間位置に気密に取り付けられ、X軸方向に沿って加熱室20の少なくとも全長にわたり形成してあり、予備室4aおよび/または4bにまで延びていても良い。
【0032】
図5に示すように、本実施形態では、各セッター受け部30は、リニアベアリング部32を有し、通気性セッター10の枠部材14の下面に接触して通気性セッター10をX軸方向移動自在に保持してある。
【0033】
リニアベアリング部32としては、特に限定されず、回転コロを有するベアリング部であっても良いし、単に摺動特性に優れた摺動平面であっても良い。このリニアベアリング部32では、通気性セッター10の枠部材14との間でほとんど隙間が形成されず、そこを通してのガスの流通はほとんどない。
【0034】
図2に示すように、加熱室20の断面において、Y軸方向の両側に位置する加熱室の内壁に気密に取り付けられた一対のセッター受け部30の上に、通気性セッター10の枠部材14が保持されることにより、加熱室20の横断面は、Z軸方向の上下に、ガス供給室20aとガス排気室20bとに二分割される。
【0035】
加熱室20のガス供給室20aに雰囲気ガスを供給するガス供給パイプ40が、図1に示すように、搬送方向A1であるX軸方向に沿って所定間隔で複数位置に設けられ、加熱室20を、所定のガス雰囲気になるように構成してある。また、ガス排気室20b内の雰囲気ガスを排出するガス排出通路42が、加熱室20の底壁下部に具備してある。ガス排出通路42は、X軸方向に連続して設けられても良く、所定間隔で断続的に設けられても良い。
【0036】
これらのガス供給室20aとガス排気室20bとは、通気性セッター10のY軸方向の両側ではガスの流通が困難で、通気性セッター10の通気領域である底板部12aを介して主としてガスの流通が可能となるように、一対のセッター受け部30は、通気性セッター10の両側に具備してある非通気部分である枠部材14を保持している。
【0037】
また、本実施形態では、図4に示すように、加熱室20の内部で、隣接する通気性セッター10における枠部材14の相互がX軸方向に接触するように、複数の通気性セッター10が搬送方向A1に沿って列を成して一対のセッター受け部30に保持されている。しかも、図1に示すように、搬送方向A1に沿って上流側の通気性セッター10を搬送方向A1に押すことで、列を成している複数の通気性セッター10を搬送方向A1に移動させるプッシャー装置60が、入口側予備室4aに装着してある。
【0038】
プッシャー装置60が搬送方向A1に沿って上流側の通気性セッター10を搬送方向A1に押すことで、列を成している複数の通気性セッター10は、加熱室20の内部で、図2に示すセッター受け部30に沿ってX軸方向に直線状に案内される。
【0039】
本実施形態に係る熱処理装置2では、通気性セッター10の非通気部分である枠部材14が、同じく非通気性のセッター受け部30により保持されることで、通気性セッター10のY軸方向の両側では、ガス供給室20aとガス排気室20bとの間での通気性が阻害される。そのため、ガス供給室20aとガス排気室20bとの間では、通気性セッター10の通気領域である底板部12aを介して主としてガスの流通が可能となる。
【0040】
すなわち、ガス供給室20aに流入する雰囲気ガスのほぼ全量が、通気性セッター10の通気領域である底板部12aを必ず通過することから、図5に示すように仮に収容部12cにチップ部品が重ねて収容してあっても、供給する雰囲気ガスのほぼ全量を効率よくチップ部品50と接触させることができ、ガスの利用効率が向上する。
【0041】
また、通気性セッター10における枠部材14は、搬送に耐える強度を実現するとともに、金属製網12以外の領域に雰囲気ガスが流れないように隙間を塞ぐ機能を有する。また、金属製網12は、セラミックスのセッターと比べて無駄に熱を吸収しないので、チップ部品50を加熱するためのエネルギーが少なくて済む。さらに、通気性セッター10を金属製網12と枠部材14との組合せとすることで、雰囲気ガスの流路を、チップ部品50が収容される通気領域である底板部12aのみとすることができる。
【0042】
また本実施形態では、プッシャー装置60が具備してあることから、加熱室20の内部において、加熱室20のX軸方向の全長にわたり、ガス供給室20aとガス排気室20bとが区画される状態を維持しながら、通気性セッター10を搬送方向に移動させることが可能である。
【0043】
しかも、本実施形態では、図5に示すように、一対のセッター受け部30のそれぞれの内側縁30aは、通気性セッター10の通気領域である底板部12aとは重ならないように、非通気部分である枠部材14を保持している。このように構成することで、被処理物であるチップ部品50が収容される収容部12cの全領域へ確実に雰囲気ガスを流すことができ、チップ部品の全てに雰囲気ガスを効率的に行き渡せることが可能になる。
【0044】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば上述した実施形態では、加熱炉4の加熱室20の内部にX軸方向に沿って一列の通気性セッター20を配置したが、X軸方向に沿って複数列の通気性セッター20を配置しても良い。
【0045】
また、被処理物としては、セラミック電子部品などのチップ部品に限定されず、たとえば金属部品、樹脂成形品などを熱処理するための装置としても使用することができる。そして、形状についても略直方体に限らず、色々な形状の被処理物を処理することができる。
【0046】
さらに上述した実施形態では、加熱室20において、Z軸方向の上側にガス供給室20aを形成し、下側にガス排気室20bを形成したが、その上下が逆であっても良い。すなわち下側にガス供給室20aを作り、上側にガス排気室20bが作るように、ガス供給パイプ40とガス排出通路42とを上下逆に設けても良い。
【0047】
さらにまた、上述した実施形態では、通気性セッター10において、金属製網12と枠部材14とを係合するための凸部13x,13y,13zを、各底板部12aの4つの角部に設けたが、必ずしも角部に設ける必要はなく、しかも、少なくとも周方向に沿って3カ所以上に設ければ良い。
【符号の説明】
【0048】
2… 熱処理装置
4… 加熱炉
10… 通気性セッター
12… 金属製網
12a… 底板部
12b… 側板部
12c… 収容部
14… 枠部材
14a… 開口部
20… 加熱室
20a… ガス供給室
20b… ガス排気室
30… セッター受け部
30a… 内側縁
32… リニアベアリング部
40… ガス供給管(ガス供給手段)
42… ガス排出通路(ガス排出手段)
50… チップ部品(被処理物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理される被処理物が収容される通気性セッターと、
前記通気性セッターを加熱室の内部で搬送方向に移動自在に保持する非通気性の一対のセッター受け部と、を有する熱処理装置であって、
前記通気性セッターは、前記被処理物が収容される収容領域のみが通気性を有し、
一対の前記セッター受け部と前記通気性セッターとにより、前記加熱室の横断面を、ガス供給室とガス排気室とに二分割し、
前記ガス供給室に雰囲気ガスを供給するガス供給手段が前記ガス供給室に具備してあり、
前記ガス排気室内の雰囲気ガスを排出するガス排出手段が前記ガス排気室に具備してあり、
これらのガス供給室とガス排気室とが、前記搬送方向に交差する方向における前記通気性セッターの両側ではガスの流通が困難で、且つ前記通気性セッターの前記収容領域を介して主としてガスの流通が可能となるように、前記一対のセッター受け部は、前記通気性セッターの両側に具備してある非通気部分を保持していることを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
前記通気性セッターは、前記被処理物が収容される前記収容領域を構成する金属製網と、前記非通気部分を構成する耐熱性枠部材とから成る請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記加熱室の内部で、隣接する前記通気性セッター相互が接触するように、複数の前記通気性セッターが、前記搬送方向に沿って列を成して一対の前記セッター受け部に保持されており、
前記搬送方向に沿って上流側の前記通気性セッターを、前記搬送方向に押すことにより、列を成している複数の前記通気性セッターを搬送方向に移動させるプッシャー装置をさらに有する請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
一対の前記セッター受け部のそれぞれの内側縁は、前記通気性セッターの前記収容領域とは重ならないように、前記非通気部分を保持している請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−24528(P2013−24528A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162577(P2011−162577)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】