熱収縮性ラベルおよび容器
【課題】 ラベルの熱収縮の確認を容易に行うことができ、さらに容器のキャップ部上面方向から見たときの識別性を有する熱収縮性ラベルおよびその熱収縮性ラベルで包装された容器を提供することを目的とする。
【解決手段】 容器本体5と該容器本体5の取出口に着脱可能に装着されるキャップ部4とを備える点眼薬容器3を包装するために、実質的にキャップ部4を覆うことになる第1領域1Aと容器本体5を覆うことになる第2領域1Bとを備えた熱収縮性ラベル1であって、第1領域1Aと第2領域1Bとは水平方向のミシン目線7を介して互いに連設しており、第1領域1Aには、その上端縁に沿って帯状の着色層2が設けられ、第1領域1Aの上端部は容器のキャップ部4の上端部よりも背高に設定され、熱収縮によって熱収縮性ラベル1を点眼薬容器3に包装した時に、着色層2は少なくともキャップ部4天面の周縁部に帯状の環状着色層2が位置するように形成されたことを特徴とする。
【解決手段】 容器本体5と該容器本体5の取出口に着脱可能に装着されるキャップ部4とを備える点眼薬容器3を包装するために、実質的にキャップ部4を覆うことになる第1領域1Aと容器本体5を覆うことになる第2領域1Bとを備えた熱収縮性ラベル1であって、第1領域1Aと第2領域1Bとは水平方向のミシン目線7を介して互いに連設しており、第1領域1Aには、その上端縁に沿って帯状の着色層2が設けられ、第1領域1Aの上端部は容器のキャップ部4の上端部よりも背高に設定され、熱収縮によって熱収縮性ラベル1を点眼薬容器3に包装した時に、着色層2は少なくともキャップ部4天面の周縁部に帯状の環状着色層2が位置するように形成されたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼薬容器などの液体収納容器に用いられる熱収縮性ラベルおよび容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器本体と容器本体の取出口に締結されたキャップ部とからなる点眼薬容器などの比較的小型の液体収納容器は、キャップ部と容器本体に跨るようにして容器全体を熱収縮性フィルムラベルで被覆されることが一般的である。このラベルには、容器本体を覆う領域の表面に薬剤名や内容量などの情報が印刷されており、液体収納容器の内容物を識別することができる。そして、このラベルによって、キャップ部と容器本体とを一体的に固定するとともに、外部から容器内への異物の混入を防ぐことができ、衛生上非常に有用である。
【0003】
一般的に、ラベルはシート状に形成されており、容器の周側面に巻き回され、このラベルの一方の側端部に形成されている帯状の貼り合わせ部を他方の側端部に貼着して筒状にされ、熱収縮によって容器本体の外周面に密着するように取り付けられる。また、ラベルを予め筒状ラベルとして形成し、容器に外嵌して熱収縮によって包装される場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ラベルは、一般的に透明または無地の合成樹脂で形成されるため、一見しただけでは熱収縮の度合いが判りづらく、製造元において収縮の良否を判別することが難しい問題がある。
【0005】
また、点眼薬等の薬剤はその物質の含有量等によって複数種類存在するが、メーカーの生産効率などの理由から、同程度の充填量とする場合には同一形態の容器を用いることが多い。この場合、容器本体側部のラベルの内容表示のみを変えて出荷される。
【0006】
使用者においては、複数の点眼薬を判別する際には、容器を包装しているラベルの容器本体側部に位置する内容表示を見て内容物を確認する必要があり、特に包装箱等に容器が複数本密接に収納されてキャップ部上面しか見ることができない場合、内容物の識別がし難い問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ラベルの熱収縮の確認を容易に行うことができ、さらに容器のキャップ部上面方向から見たときの識別性を有する熱収縮性ラベルおよびその熱収縮性ラベルで包装された容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段・発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の熱収縮性ラベルは、容器本体と該容器本体の取出口に着脱可能に装着されるキャップ部とを備える容器を包装するために、実質的にキャップ部を覆うことになる第1領域と容器本体を覆うことになる第2領域とを備えた熱収縮性ラベルであって、
第1領域と第2領域とは水平方向のミシン目を介して互いに連設しており、
第1領域には、その上端縁に沿って帯状の着色層が設けられ、
第1領域の上端部は容器のキャップ部の上端部よりも背高に設定され、
熱収縮によって熱収縮性ラベルを容器に包装した時に、着色層は少なくともキャップ部天面の周縁部に帯状の環状着色層が位置するように形成されたことを特徴とする。
【0009】
上記本発明によれば、キャップ部の天面周縁に沿って着色層が設けられ、天面の一部を含むように着色層が形成されているため、容器の上方からキャップ部上面を見ることによって、帯状の環状着色層を確認することができる。このため、内容物の含有量等の違いによって着色層の着色を異ならせることにより、同一形態の容器に充填しても、着色層の色の違いによって簡易に識別することができる。
【0010】
また、熱収縮によって包装した際に、熱収縮が均一であればキャップ部の天面周縁に沿って帯状の環状着色層が形成され、熱収縮が不均一であれば着色層にゆがみを生じるため、この着色層を例えば光学的に確認することによって熱収縮の度合いの良否を自動的に判定することができる。
【0011】
また、本発明の熱収縮性ラベルは、シート状の熱収縮フィルムとして形成され、
この熱収縮フィルムは、一方の側端部に帯状の接着層を備え、
容器の周側面に巻き回されて、接着層が熱収縮フィルムの他方の側端部に接着し、熱収縮して容器を包装することができる。このように、シート状に形成することによって、内容物を表示する印刷がしやすいものとなり、またラベルを開封するためのミシン目を形成しやすい効果がある。
【0012】
また、着色層がキャップ部の周側面の一部にも形成されるとすることもでき、これによって、容器の側方から容器の側面を見ても、着色層を確認することができる。
【0013】
また、着色層は、キャップ部を包装する状態において、キャップ部天面とキャップ部の周側面との角部にまたがって位置するように形成されるようにすることができる。これにより、天面の一部と周側面の一部を含むように、キャップ部天面の周縁部に沿って帯状に環状着色層を形成しているため、容器の上方からキャップ部上面を見ても、容器の側方から容器の側面を見ても、環状着色層を確認することができる。
【0014】
また、第2領域の裏面には接着剤が塗布され容器本体胴部に固着されるようにすることができる。これによって、ラベルを破断して容器を開封する際に、容器胴部を包装するラベルは接着剤によって容器本体胴部に固着しているため、キャップ部を包装するラベルのみを取り除くことができる。
【0015】
また、本発明の熱収縮性ラベルは、容器を包装している熱収縮性ラベルを開封するための所定のミシン目線につながり、第1領域の上端部から突出するように形成されたつまみ部を備えるように形成することができる。これによって、ラベルを開封する際に、つまみ部を持って第1領域に形成されているミシン目線を破断して開封することができ、開封しやすいラベルとなる。
【0016】
また、着色層はつまみ部を含むようにして形成することができ、これによって、つまみ部の位置がわかり易く、また、キャップ部天面に着色層が大きく設けられるため、容器の上方から見たとき、識別がよりし易いものとなる。
【0017】
また、本発明において、上述のような熱収縮性ラベルで包装された容器として形成することができ、熱収縮性ラベルに形成された着色層がキャップ部天面及び周側面に位置することによって、容器の上方及び側方から見た際に識別性を有する容器を得る。
【0018】
また、本発明の容器は、容器本体内に医薬品を収容している。これによって、収容されている医薬品を簡易に識別することができ、使用者による医薬品の誤使用を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るラベル1の展開正面図である。ラベル1は、熱収縮性の合成樹脂からなり、長方形状のフィルムまたはシートとして成形されている。このラベル1は、上半分の第1領域1Aと、下半分の第2領域1Bとを備えており、この第1領域1Aと第2領域1Bとは水平方向のミシン目線7を介して互いに連設している。
【0020】
本発明で用いられる熱収縮性の合成樹脂としては、通常、包装のために使用される公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等のフィルムを挙げることができる。
【0021】
第1領域1Aには、上端部に帯状に着色された着色層2が形成されている。この着色層2に使用されるインキは、熱収縮性フィルムと接着性があり、必要な耐性を有している、一般的に用いられているインキ、例えば紫外線硬化型インキ等公知のインキを使用することができる。
【0022】
図2に示すように、ラベル1の裏面には、帯状の接着層8が形成されている。また、第2領域1Bの表面または裏面には、図示しないが、例えば、収納された薬液の薬品名、商品名、製造元、販売元、容器・ラベルの材質、使用期限、製造番号等の法定表示が適宜記載された印刷層を設けることができ、第2領域1Bの裏面に接着剤9(例えば、感熱性接着剤、感圧性接着剤等の公知の接着剤)が適宜の箇所に塗布されている。この接着剤9によってラベル1は容器胴部に固着されるため、ラベル1を破断して開封した後も容器に表示を残すことができる。
【0023】
本発明のラベル1は、点眼薬容器3の周側面に巻き回して取付けられ、熱収縮によって点眼薬容器3の形状に密着するように包装される。すなわち、図3に示すように、ラベル1は、上記のように印刷層を形成した後、内容物が充填された点眼薬容器3に対して一端から巻き始め、一周して接着層8をラベル1の他方の側端部に重ね、両端辺の重なり部同士を接着剤、溶剤、熱融着等で接着させる。そして、熱収縮温度のスチームトンネルや熱風トンネルなどの周知の手段で熱収縮させることにより、ラベル1を点眼薬容器3に装着する。この際、点眼薬容器3に外嵌したラベル1は、例えば、100℃において、縦方向は45%以上の熱収縮率で、横方向は10%以下の熱収縮率で熱収縮し、図4に示すように点眼薬容器3の形状に密着する。このように点眼薬容器3を包装すると、第1領域1Aはキャップ部4を、第2領域1Bは容器本体5を覆う。
【0024】
図6は、ラベル1が包装された点眼薬容器3のキャップ部4の断面図である。ラベル1が点眼薬容器3を包装すると、第1領域1Aの上端部に形成された着色層2は、キャップ部4の天面4a周縁に沿って位置し、天面4a周縁を含んで天面4aには着色層2aが、側面4bには着色層2bが位置するように形成される。
【0025】
なお、以上の説明では、シート状の熱収縮フィルムとして形成されているラベル1について説明したが、予め筒状に形成されたラベルを使用することもできる。すなわち、長尺状の筒状フィルムを点眼薬容器3の上端部よりも背高になるように切断して、図5に示すように、所定長さの筒状のラベル10を得る。そして、ラベル10を開口させて、点眼薬容器3へ嵌挿して熱収縮させて包装する。
【0026】
以上説明したラベル1は、上記のように熱収縮によって点眼薬容器3を包装した状態で、薬局や病院に出荷される。この時、熱収縮によって包装すると、加熱時間や加熱温度によって、例えば加熱が足りず熱収縮が不均一であると、点眼薬容器3への密着が不十分となることがある。このため、点眼薬容器3内に点眼薬等の内容物を充填し、ラベル1によって包装を行う製造元では、ラベル1が均一に熱収縮して点眼薬容器3を包装しているかを確認する必要がある。この時、通常の包装ラベルは透明の合成樹脂で形成されているため、一見しただけでは熱収縮の度合いが判り難い。しかし、本発明のラベル1によれば、熱収縮によって包装した際に、熱収縮が均一であれば、図7の平面図に示すようにキャップ部4の天面4a周縁に沿って着色層2が環状に形成され、熱収縮が不均一であれば着色層2にゆがみが生じるため、キャップ部4の上面方向より着色層2を確認することによって熱収縮の度合いの良否を判定することができる。
【0027】
熱収縮の度合いを検査する手段として、搬送ライン上に設置されたCCDカメラを用いてラベル1で包装された点眼薬容器3を撮像し、その画像をモニターに映し出して確認することが行われる。従来の検査では、CCDカメラは点眼薬容器3を真横から見る位置に配置され、点眼薬容器3を搬送ライン上で一旦停止させると同時にその位置で回転させて、CCDカメラによって点眼薬容器3の周側面を撮像して検査を行っていた。このとき、点眼薬容器3の周側面を撮像するためには何回かシャッターを切る必要があり、また、その複数のモニター画像を確認する必要があるため、処理時間が多くかかる欠点があった。しかし、本発明のラベル1によれば、CCDカメラを点眼薬容器3の真上から天面4aを見る位置に配置して、点眼薬容器3の移動中にCCDカメラによって撮像する。そして、この撮像されたキャップ部4の天面4aの画像のみを確認する。例えば着色層2aの帯の太さによって、着色層2がキャップ部4の天面4a周縁に沿って環状に形成されているかどうか、さらに着色層2の色等を検査し、欠点が1つでもあった場合は系外排出される。このように、キャップ部4の天面4aの画像のみを確認することによって、ラベル1の熱収縮の良否を判断することができるため、効率的に検査をすることができる。
【0028】
次に、薬局や病院などの医療現場において、薬剤師、医師等は、薬の処方箋等に基づいて点眼薬を患者に渡すための準備をする。点眼薬等の薬剤はその物質の含有量等によって複数種類存在するが、メーカーの生産効率などの理由から、同程度の充填量とする場合には同一形態の容器を用いて、容器本体5側部のラベルの内容表示のみを変えて出荷される。このため、使用者側にとっては、容器の形態が同一のため、一見しただけでは内容物を識別し難い。特に、点眼薬の種類が同じで含有量のみが異なる場合、薬剤名は同じであるが、含有量の表示のみを異ならせて記載されるため、たとえ容器本体5側部のラベルの内容表示を確認したとしても、混同してしまうおそれがある。しかし、本発明のラベル1によれば、同じ薬剤名のものでも、例えば含有量が0.05%のものはラベル1の着色層2の色を赤とし、含有量が1%のものは着色層2の色を緑とするなどして着色層2の色を異ならせることによって、内容物を容易に判別することができる。
【0029】
また、図6に示すように、着色層2はキャップ部4の天面4a周縁を含んで天面4aには着色層2aが、側面4bには着色層2bが位置しているため、キャップ部4上方から見たときは着色層2aによって、また、点眼薬容器3の側方から見たときは着色層2bによって確認することができる。特に、製造元から薬局や病院に出荷される際、包装箱に複数本の点眼薬を収納して出荷され、薬局や病院では包装箱のまま保管されるかまたは医薬カートに収納されて保管される場合が多い。この時、包装箱内や医薬カートに収納された点眼薬容器3は、キャップ部4の天面4aしか見ることができないため、点眼薬容器3を持ち上げて、容器本体5側部のラベルの内容表示の薬剤名と含有量表示を確認する必要がある。しかし、図7に示すようにキャップ部天面4aに着色層2aが形成されていると、その着色層2aの色によって識別することができ、内容物の判別が容易となる。
【0030】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は第2実施形態におけるラベルの展開正面図であり、図9はそのラベルによって包装された状態の点眼薬容器の外観斜視図である。図8に示すように、ラベル11にはつまみ部6が設けられている。このつまみ部6は、ラベル11を開封するためのミシン目線71,72につながり、第1領域1Aの上端部から突出するように形成されている。そして、着色層21は、このつまみ部6を含んで形成されている。
【0031】
この構成によれば、つまみ部6が形成されることによって、ラベル11を開封する際に、つまみ部6を持って第1領域1Aに形成されているミシン目線71,72を破断し、さらに続くミシン目線73,74を破断して開封することができ、開封しやすいラベル11となる。本実施例では、ミシン目線の形態として、第1領域1Aと第2領域1Bとの境界に形成されたミシン目線74と、ミシン目線74からキャップ部4の開封ねじり方向とは反対側へ斜め上方に傾斜して延びるミシン目線73と、つまみ部6の一方の側縁からミシン目線73につながるように形成されたミシン目線71と、つまみ部6の他の側縁からミシン目線73にはつながらないように中途で途切れるように形成されたミシン目線72とを備えている。キャップ部4を包装するラベル11の第1領域1Aは、ミシン目線71,72,73,74に沿って破断されて取り除かれるが、裏面に接着剤が塗布されている第2領域1Bは容器本体5胴部に固着されているために、容器本体5胴部に所定の表示を残すことができる。
【0032】
そして、図10に示すようにつまみ部6を着色層21として形成することによって、つまみ部6の位置がわかり易く、さらに、キャップ部天面4aに着色層21が大きく設けられるため、容器の上方から見たとき、識別がよりし易いものとなる。
【0033】
次に、図11に本発明のラベルの第3実施形態を示す。図1の構成では、ラベル1の第1領域1Aの上端辺に沿って着色層2が形成されているが、図11の構成では、着色層22は第1領域1Aの上端辺から離間した位置に帯状に形成され、熱収縮によって点眼薬容器3を包装したときにキャップ部4の天面4a周縁を含んで位置するように形成されている。このように、キャップ部4の天面4aを覆う部分に、透明領域が含まれていたとしても、天面4aの一部及びキャップ部4の周側面の一部に着色層22が配置するように形成することにより、点眼薬容器3を上方向及び側方から見た時に、着色層22を確認することができる。したがって、この着色層22によって、内容物を判別することができる。さらにこの着色層22が天面4a周縁を含み周方向に全周して形成されることから、これを点眼薬容器3の上方から見たときに着色層22部分がゆがんでいるか確認することによって熱収縮の度合いを判別することができる。
【0034】
次に、第4実施形態として、図12に示すように、キャップ部4の天面4aを覆う部分とキャップ部4の周側面にそれぞれ帯状の着色層23a,23bを設けて形成することもできる。この構成によっても、着色層23のゆがみによって熱収縮の良否を判定することができるとともに、天面4aに形成された着色層23a、及び周側面に形成された着色層23bによって、点眼薬容器3を上方向及び側方から見た時に内容物を識別することができる。さらに、着色層23の色のみでなく着色層23a、23bの配置によってもラベルを異ならせることができるため、多数の識別性を有するラベルとなる。例えば含有量が0.05%のものは図4に示す第1実施形態のように着色層2を1本の帯状として形成し、含有量が1%のものは図12に示す着色層23a、23bの2本線として形成するなどして着色層の配置を異ならせることによって識別性を持たせることができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの形式に限定されるものではなく、これらに具現された発明と同一性の範囲内において適宜変更して実施し得る。例えば、本実施例は、主として液体を収納する点眼薬容器に用いるラベルについて例示しているが、錠剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、液剤などの医薬品や、医薬品以外の内容物を収納した容器に適用してもよい。また、本発明のラベルは、プラスチックやガラス、PET製のボトルなどのほか、種々の容器に適用可能である。
【0036】
この発明によれば、ラベルに形成されている着色層がゆがみを生じることなくキャップ部天面の形状に沿って全周しているかどうかを確認することによって、ラベルの熱収縮の良否を容易に判別することができる。さらに、周側面に着色層を施したときには、容器のキャップ部上面方向及び側面方向の両方向から着色層が確認できる構造のため、着色層によって内容物を容易に識別することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態におけるラベルの展開正面図。
【図2】図1のラベルの裏面図。
【図3】図1のラベルの包装工程を説明する図。
【図4】ラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【図5】筒状フィルムで形成されたラベルの包装工程を説明する図。
【図6】ラベルで包装された容器のキャップ部の断面図。
【図7】ラベルで包装された容器の平面図。
【図8】本発明の第2実施形態におけるラベルの展開正面図。
【図9】第2実施形態におけるラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【図10】第2実施形態におけるラベルで包装された容器の平面図。
【図11】第3実施形態におけるラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【図12】第4実施形態におけるラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【符号の説明】
【0038】
1 ラベル
1A 第1領域
1B 第2領域
2 着色層
3 点眼薬容器
4 キャップ部
5 容器本体
6 つまみ部
7 ミシン目線
8 接着層
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼薬容器などの液体収納容器に用いられる熱収縮性ラベルおよび容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器本体と容器本体の取出口に締結されたキャップ部とからなる点眼薬容器などの比較的小型の液体収納容器は、キャップ部と容器本体に跨るようにして容器全体を熱収縮性フィルムラベルで被覆されることが一般的である。このラベルには、容器本体を覆う領域の表面に薬剤名や内容量などの情報が印刷されており、液体収納容器の内容物を識別することができる。そして、このラベルによって、キャップ部と容器本体とを一体的に固定するとともに、外部から容器内への異物の混入を防ぐことができ、衛生上非常に有用である。
【0003】
一般的に、ラベルはシート状に形成されており、容器の周側面に巻き回され、このラベルの一方の側端部に形成されている帯状の貼り合わせ部を他方の側端部に貼着して筒状にされ、熱収縮によって容器本体の外周面に密着するように取り付けられる。また、ラベルを予め筒状ラベルとして形成し、容器に外嵌して熱収縮によって包装される場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ラベルは、一般的に透明または無地の合成樹脂で形成されるため、一見しただけでは熱収縮の度合いが判りづらく、製造元において収縮の良否を判別することが難しい問題がある。
【0005】
また、点眼薬等の薬剤はその物質の含有量等によって複数種類存在するが、メーカーの生産効率などの理由から、同程度の充填量とする場合には同一形態の容器を用いることが多い。この場合、容器本体側部のラベルの内容表示のみを変えて出荷される。
【0006】
使用者においては、複数の点眼薬を判別する際には、容器を包装しているラベルの容器本体側部に位置する内容表示を見て内容物を確認する必要があり、特に包装箱等に容器が複数本密接に収納されてキャップ部上面しか見ることができない場合、内容物の識別がし難い問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ラベルの熱収縮の確認を容易に行うことができ、さらに容器のキャップ部上面方向から見たときの識別性を有する熱収縮性ラベルおよびその熱収縮性ラベルで包装された容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段・発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の熱収縮性ラベルは、容器本体と該容器本体の取出口に着脱可能に装着されるキャップ部とを備える容器を包装するために、実質的にキャップ部を覆うことになる第1領域と容器本体を覆うことになる第2領域とを備えた熱収縮性ラベルであって、
第1領域と第2領域とは水平方向のミシン目を介して互いに連設しており、
第1領域には、その上端縁に沿って帯状の着色層が設けられ、
第1領域の上端部は容器のキャップ部の上端部よりも背高に設定され、
熱収縮によって熱収縮性ラベルを容器に包装した時に、着色層は少なくともキャップ部天面の周縁部に帯状の環状着色層が位置するように形成されたことを特徴とする。
【0009】
上記本発明によれば、キャップ部の天面周縁に沿って着色層が設けられ、天面の一部を含むように着色層が形成されているため、容器の上方からキャップ部上面を見ることによって、帯状の環状着色層を確認することができる。このため、内容物の含有量等の違いによって着色層の着色を異ならせることにより、同一形態の容器に充填しても、着色層の色の違いによって簡易に識別することができる。
【0010】
また、熱収縮によって包装した際に、熱収縮が均一であればキャップ部の天面周縁に沿って帯状の環状着色層が形成され、熱収縮が不均一であれば着色層にゆがみを生じるため、この着色層を例えば光学的に確認することによって熱収縮の度合いの良否を自動的に判定することができる。
【0011】
また、本発明の熱収縮性ラベルは、シート状の熱収縮フィルムとして形成され、
この熱収縮フィルムは、一方の側端部に帯状の接着層を備え、
容器の周側面に巻き回されて、接着層が熱収縮フィルムの他方の側端部に接着し、熱収縮して容器を包装することができる。このように、シート状に形成することによって、内容物を表示する印刷がしやすいものとなり、またラベルを開封するためのミシン目を形成しやすい効果がある。
【0012】
また、着色層がキャップ部の周側面の一部にも形成されるとすることもでき、これによって、容器の側方から容器の側面を見ても、着色層を確認することができる。
【0013】
また、着色層は、キャップ部を包装する状態において、キャップ部天面とキャップ部の周側面との角部にまたがって位置するように形成されるようにすることができる。これにより、天面の一部と周側面の一部を含むように、キャップ部天面の周縁部に沿って帯状に環状着色層を形成しているため、容器の上方からキャップ部上面を見ても、容器の側方から容器の側面を見ても、環状着色層を確認することができる。
【0014】
また、第2領域の裏面には接着剤が塗布され容器本体胴部に固着されるようにすることができる。これによって、ラベルを破断して容器を開封する際に、容器胴部を包装するラベルは接着剤によって容器本体胴部に固着しているため、キャップ部を包装するラベルのみを取り除くことができる。
【0015】
また、本発明の熱収縮性ラベルは、容器を包装している熱収縮性ラベルを開封するための所定のミシン目線につながり、第1領域の上端部から突出するように形成されたつまみ部を備えるように形成することができる。これによって、ラベルを開封する際に、つまみ部を持って第1領域に形成されているミシン目線を破断して開封することができ、開封しやすいラベルとなる。
【0016】
また、着色層はつまみ部を含むようにして形成することができ、これによって、つまみ部の位置がわかり易く、また、キャップ部天面に着色層が大きく設けられるため、容器の上方から見たとき、識別がよりし易いものとなる。
【0017】
また、本発明において、上述のような熱収縮性ラベルで包装された容器として形成することができ、熱収縮性ラベルに形成された着色層がキャップ部天面及び周側面に位置することによって、容器の上方及び側方から見た際に識別性を有する容器を得る。
【0018】
また、本発明の容器は、容器本体内に医薬品を収容している。これによって、収容されている医薬品を簡易に識別することができ、使用者による医薬品の誤使用を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るラベル1の展開正面図である。ラベル1は、熱収縮性の合成樹脂からなり、長方形状のフィルムまたはシートとして成形されている。このラベル1は、上半分の第1領域1Aと、下半分の第2領域1Bとを備えており、この第1領域1Aと第2領域1Bとは水平方向のミシン目線7を介して互いに連設している。
【0020】
本発明で用いられる熱収縮性の合成樹脂としては、通常、包装のために使用される公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等のフィルムを挙げることができる。
【0021】
第1領域1Aには、上端部に帯状に着色された着色層2が形成されている。この着色層2に使用されるインキは、熱収縮性フィルムと接着性があり、必要な耐性を有している、一般的に用いられているインキ、例えば紫外線硬化型インキ等公知のインキを使用することができる。
【0022】
図2に示すように、ラベル1の裏面には、帯状の接着層8が形成されている。また、第2領域1Bの表面または裏面には、図示しないが、例えば、収納された薬液の薬品名、商品名、製造元、販売元、容器・ラベルの材質、使用期限、製造番号等の法定表示が適宜記載された印刷層を設けることができ、第2領域1Bの裏面に接着剤9(例えば、感熱性接着剤、感圧性接着剤等の公知の接着剤)が適宜の箇所に塗布されている。この接着剤9によってラベル1は容器胴部に固着されるため、ラベル1を破断して開封した後も容器に表示を残すことができる。
【0023】
本発明のラベル1は、点眼薬容器3の周側面に巻き回して取付けられ、熱収縮によって点眼薬容器3の形状に密着するように包装される。すなわち、図3に示すように、ラベル1は、上記のように印刷層を形成した後、内容物が充填された点眼薬容器3に対して一端から巻き始め、一周して接着層8をラベル1の他方の側端部に重ね、両端辺の重なり部同士を接着剤、溶剤、熱融着等で接着させる。そして、熱収縮温度のスチームトンネルや熱風トンネルなどの周知の手段で熱収縮させることにより、ラベル1を点眼薬容器3に装着する。この際、点眼薬容器3に外嵌したラベル1は、例えば、100℃において、縦方向は45%以上の熱収縮率で、横方向は10%以下の熱収縮率で熱収縮し、図4に示すように点眼薬容器3の形状に密着する。このように点眼薬容器3を包装すると、第1領域1Aはキャップ部4を、第2領域1Bは容器本体5を覆う。
【0024】
図6は、ラベル1が包装された点眼薬容器3のキャップ部4の断面図である。ラベル1が点眼薬容器3を包装すると、第1領域1Aの上端部に形成された着色層2は、キャップ部4の天面4a周縁に沿って位置し、天面4a周縁を含んで天面4aには着色層2aが、側面4bには着色層2bが位置するように形成される。
【0025】
なお、以上の説明では、シート状の熱収縮フィルムとして形成されているラベル1について説明したが、予め筒状に形成されたラベルを使用することもできる。すなわち、長尺状の筒状フィルムを点眼薬容器3の上端部よりも背高になるように切断して、図5に示すように、所定長さの筒状のラベル10を得る。そして、ラベル10を開口させて、点眼薬容器3へ嵌挿して熱収縮させて包装する。
【0026】
以上説明したラベル1は、上記のように熱収縮によって点眼薬容器3を包装した状態で、薬局や病院に出荷される。この時、熱収縮によって包装すると、加熱時間や加熱温度によって、例えば加熱が足りず熱収縮が不均一であると、点眼薬容器3への密着が不十分となることがある。このため、点眼薬容器3内に点眼薬等の内容物を充填し、ラベル1によって包装を行う製造元では、ラベル1が均一に熱収縮して点眼薬容器3を包装しているかを確認する必要がある。この時、通常の包装ラベルは透明の合成樹脂で形成されているため、一見しただけでは熱収縮の度合いが判り難い。しかし、本発明のラベル1によれば、熱収縮によって包装した際に、熱収縮が均一であれば、図7の平面図に示すようにキャップ部4の天面4a周縁に沿って着色層2が環状に形成され、熱収縮が不均一であれば着色層2にゆがみが生じるため、キャップ部4の上面方向より着色層2を確認することによって熱収縮の度合いの良否を判定することができる。
【0027】
熱収縮の度合いを検査する手段として、搬送ライン上に設置されたCCDカメラを用いてラベル1で包装された点眼薬容器3を撮像し、その画像をモニターに映し出して確認することが行われる。従来の検査では、CCDカメラは点眼薬容器3を真横から見る位置に配置され、点眼薬容器3を搬送ライン上で一旦停止させると同時にその位置で回転させて、CCDカメラによって点眼薬容器3の周側面を撮像して検査を行っていた。このとき、点眼薬容器3の周側面を撮像するためには何回かシャッターを切る必要があり、また、その複数のモニター画像を確認する必要があるため、処理時間が多くかかる欠点があった。しかし、本発明のラベル1によれば、CCDカメラを点眼薬容器3の真上から天面4aを見る位置に配置して、点眼薬容器3の移動中にCCDカメラによって撮像する。そして、この撮像されたキャップ部4の天面4aの画像のみを確認する。例えば着色層2aの帯の太さによって、着色層2がキャップ部4の天面4a周縁に沿って環状に形成されているかどうか、さらに着色層2の色等を検査し、欠点が1つでもあった場合は系外排出される。このように、キャップ部4の天面4aの画像のみを確認することによって、ラベル1の熱収縮の良否を判断することができるため、効率的に検査をすることができる。
【0028】
次に、薬局や病院などの医療現場において、薬剤師、医師等は、薬の処方箋等に基づいて点眼薬を患者に渡すための準備をする。点眼薬等の薬剤はその物質の含有量等によって複数種類存在するが、メーカーの生産効率などの理由から、同程度の充填量とする場合には同一形態の容器を用いて、容器本体5側部のラベルの内容表示のみを変えて出荷される。このため、使用者側にとっては、容器の形態が同一のため、一見しただけでは内容物を識別し難い。特に、点眼薬の種類が同じで含有量のみが異なる場合、薬剤名は同じであるが、含有量の表示のみを異ならせて記載されるため、たとえ容器本体5側部のラベルの内容表示を確認したとしても、混同してしまうおそれがある。しかし、本発明のラベル1によれば、同じ薬剤名のものでも、例えば含有量が0.05%のものはラベル1の着色層2の色を赤とし、含有量が1%のものは着色層2の色を緑とするなどして着色層2の色を異ならせることによって、内容物を容易に判別することができる。
【0029】
また、図6に示すように、着色層2はキャップ部4の天面4a周縁を含んで天面4aには着色層2aが、側面4bには着色層2bが位置しているため、キャップ部4上方から見たときは着色層2aによって、また、点眼薬容器3の側方から見たときは着色層2bによって確認することができる。特に、製造元から薬局や病院に出荷される際、包装箱に複数本の点眼薬を収納して出荷され、薬局や病院では包装箱のまま保管されるかまたは医薬カートに収納されて保管される場合が多い。この時、包装箱内や医薬カートに収納された点眼薬容器3は、キャップ部4の天面4aしか見ることができないため、点眼薬容器3を持ち上げて、容器本体5側部のラベルの内容表示の薬剤名と含有量表示を確認する必要がある。しかし、図7に示すようにキャップ部天面4aに着色層2aが形成されていると、その着色層2aの色によって識別することができ、内容物の判別が容易となる。
【0030】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は第2実施形態におけるラベルの展開正面図であり、図9はそのラベルによって包装された状態の点眼薬容器の外観斜視図である。図8に示すように、ラベル11にはつまみ部6が設けられている。このつまみ部6は、ラベル11を開封するためのミシン目線71,72につながり、第1領域1Aの上端部から突出するように形成されている。そして、着色層21は、このつまみ部6を含んで形成されている。
【0031】
この構成によれば、つまみ部6が形成されることによって、ラベル11を開封する際に、つまみ部6を持って第1領域1Aに形成されているミシン目線71,72を破断し、さらに続くミシン目線73,74を破断して開封することができ、開封しやすいラベル11となる。本実施例では、ミシン目線の形態として、第1領域1Aと第2領域1Bとの境界に形成されたミシン目線74と、ミシン目線74からキャップ部4の開封ねじり方向とは反対側へ斜め上方に傾斜して延びるミシン目線73と、つまみ部6の一方の側縁からミシン目線73につながるように形成されたミシン目線71と、つまみ部6の他の側縁からミシン目線73にはつながらないように中途で途切れるように形成されたミシン目線72とを備えている。キャップ部4を包装するラベル11の第1領域1Aは、ミシン目線71,72,73,74に沿って破断されて取り除かれるが、裏面に接着剤が塗布されている第2領域1Bは容器本体5胴部に固着されているために、容器本体5胴部に所定の表示を残すことができる。
【0032】
そして、図10に示すようにつまみ部6を着色層21として形成することによって、つまみ部6の位置がわかり易く、さらに、キャップ部天面4aに着色層21が大きく設けられるため、容器の上方から見たとき、識別がよりし易いものとなる。
【0033】
次に、図11に本発明のラベルの第3実施形態を示す。図1の構成では、ラベル1の第1領域1Aの上端辺に沿って着色層2が形成されているが、図11の構成では、着色層22は第1領域1Aの上端辺から離間した位置に帯状に形成され、熱収縮によって点眼薬容器3を包装したときにキャップ部4の天面4a周縁を含んで位置するように形成されている。このように、キャップ部4の天面4aを覆う部分に、透明領域が含まれていたとしても、天面4aの一部及びキャップ部4の周側面の一部に着色層22が配置するように形成することにより、点眼薬容器3を上方向及び側方から見た時に、着色層22を確認することができる。したがって、この着色層22によって、内容物を判別することができる。さらにこの着色層22が天面4a周縁を含み周方向に全周して形成されることから、これを点眼薬容器3の上方から見たときに着色層22部分がゆがんでいるか確認することによって熱収縮の度合いを判別することができる。
【0034】
次に、第4実施形態として、図12に示すように、キャップ部4の天面4aを覆う部分とキャップ部4の周側面にそれぞれ帯状の着色層23a,23bを設けて形成することもできる。この構成によっても、着色層23のゆがみによって熱収縮の良否を判定することができるとともに、天面4aに形成された着色層23a、及び周側面に形成された着色層23bによって、点眼薬容器3を上方向及び側方から見た時に内容物を識別することができる。さらに、着色層23の色のみでなく着色層23a、23bの配置によってもラベルを異ならせることができるため、多数の識別性を有するラベルとなる。例えば含有量が0.05%のものは図4に示す第1実施形態のように着色層2を1本の帯状として形成し、含有量が1%のものは図12に示す着色層23a、23bの2本線として形成するなどして着色層の配置を異ならせることによって識別性を持たせることができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの形式に限定されるものではなく、これらに具現された発明と同一性の範囲内において適宜変更して実施し得る。例えば、本実施例は、主として液体を収納する点眼薬容器に用いるラベルについて例示しているが、錠剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、液剤などの医薬品や、医薬品以外の内容物を収納した容器に適用してもよい。また、本発明のラベルは、プラスチックやガラス、PET製のボトルなどのほか、種々の容器に適用可能である。
【0036】
この発明によれば、ラベルに形成されている着色層がゆがみを生じることなくキャップ部天面の形状に沿って全周しているかどうかを確認することによって、ラベルの熱収縮の良否を容易に判別することができる。さらに、周側面に着色層を施したときには、容器のキャップ部上面方向及び側面方向の両方向から着色層が確認できる構造のため、着色層によって内容物を容易に識別することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態におけるラベルの展開正面図。
【図2】図1のラベルの裏面図。
【図3】図1のラベルの包装工程を説明する図。
【図4】ラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【図5】筒状フィルムで形成されたラベルの包装工程を説明する図。
【図6】ラベルで包装された容器のキャップ部の断面図。
【図7】ラベルで包装された容器の平面図。
【図8】本発明の第2実施形態におけるラベルの展開正面図。
【図9】第2実施形態におけるラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【図10】第2実施形態におけるラベルで包装された容器の平面図。
【図11】第3実施形態におけるラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【図12】第4実施形態におけるラベルで包装された容器を示す外観斜視図。
【符号の説明】
【0038】
1 ラベル
1A 第1領域
1B 第2領域
2 着色層
3 点眼薬容器
4 キャップ部
5 容器本体
6 つまみ部
7 ミシン目線
8 接着層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と該容器本体の取出口に着脱可能に装着されるキャップ部とを備える容器を包装するために、実質的に前記キャップ部を覆うことになる第1領域と前記容器本体を覆うことになる第2領域とを備えた熱収縮性ラベルであって、
前記第1領域と前記第2領域とは水平方向のミシン目を介して互いに連設しており、
前記第1領域には、その上端縁に沿って帯状の着色層が設けられ、
前記第1領域の上端部は前記容器のキャップ部の上端部よりも背高に設定され、
熱収縮によって前記熱収縮性ラベルを前記容器に包装した時に、前記着色層は少なくともキャップ部天面の周縁部に帯状の環状着色層が位置するように形成されたことを特徴とする熱収縮性ラベル。
【請求項2】
シート状の熱収縮フィルムとして形成され、
この熱収縮フィルムは、一方の側端部に帯状の接着層を備え、
前記容器の周側面に巻き回されて、前記接着層が前記熱収縮フィルムの他方の側端部に接着し、熱収縮して前記容器を包装する請求項1に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項3】
前記着色層が前記キャップ部の周側面の一部にも形成される請求項1または2に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項4】
前記着色層は、前記キャップ部を包装する状態において、前記キャップ部天面と前記キャップ部の周側面との角部にまたがって位置するように形成される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項5】
前記第2領域の裏面には接着剤が塗布され容器本体胴部に固着される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項6】
前記容器を包装している前記熱収縮性ラベルを開封するための所定のミシン目線につながり、前記第1領域の上端部から突出するように形成されたつまみ部を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項7】
前記着色層は前記つまみ部を含むようにして形成される請求項6に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベルで包装されたことを特徴とする容器。
【請求項9】
容器本体内に医薬品を収容した請求項8記載の容器。
【請求項1】
容器本体と該容器本体の取出口に着脱可能に装着されるキャップ部とを備える容器を包装するために、実質的に前記キャップ部を覆うことになる第1領域と前記容器本体を覆うことになる第2領域とを備えた熱収縮性ラベルであって、
前記第1領域と前記第2領域とは水平方向のミシン目を介して互いに連設しており、
前記第1領域には、その上端縁に沿って帯状の着色層が設けられ、
前記第1領域の上端部は前記容器のキャップ部の上端部よりも背高に設定され、
熱収縮によって前記熱収縮性ラベルを前記容器に包装した時に、前記着色層は少なくともキャップ部天面の周縁部に帯状の環状着色層が位置するように形成されたことを特徴とする熱収縮性ラベル。
【請求項2】
シート状の熱収縮フィルムとして形成され、
この熱収縮フィルムは、一方の側端部に帯状の接着層を備え、
前記容器の周側面に巻き回されて、前記接着層が前記熱収縮フィルムの他方の側端部に接着し、熱収縮して前記容器を包装する請求項1に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項3】
前記着色層が前記キャップ部の周側面の一部にも形成される請求項1または2に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項4】
前記着色層は、前記キャップ部を包装する状態において、前記キャップ部天面と前記キャップ部の周側面との角部にまたがって位置するように形成される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項5】
前記第2領域の裏面には接着剤が塗布され容器本体胴部に固着される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項6】
前記容器を包装している前記熱収縮性ラベルを開封するための所定のミシン目線につながり、前記第1領域の上端部から突出するように形成されたつまみ部を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項7】
前記着色層は前記つまみ部を含むようにして形成される請求項6に記載の熱収縮性ラベル。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱収縮性ラベルで包装されたことを特徴とする容器。
【請求項9】
容器本体内に医薬品を収容した請求項8記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−68907(P2008−68907A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251379(P2006−251379)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(591037476)株式会社岩田レーベル (32)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(591037476)株式会社岩田レーベル (32)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】
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