説明

熱媒流通管ガイド用パネルおよびそれを用いた床暖房パネル

【課題】未使用の溝を埋める工程を必要とするとなく、しかも、施工現場において熱媒流通管の接続の方向を容易に確認することができて、床暖房パネルの据え付け施工を効率よく行うことが可能な熱媒流通管ガイド用パネルおよびそれを用いた施工性に優れ、施工信頼性の高い床暖房パネルを提供する。
【解決手段】熱媒流通管2を通過させる溝22が一方辺21a側の導出端部から対向辺21b側の導出端部まで、実質的に方向を変えないように配設された第1パネル部P1と、溝22が、一方辺31a側の導出端部と直交辺31b側の導出端部とで、略90゜方向が変わるように配設された第2パネル部P2を備えた構成とし、熱媒流通管をヘッダに導く態様に応じて、第1パネル部と第2パネル部のうちのいずれか一方を選択して用いる。
第1パネル部と第2パネル部とを一体に形成するとともに、第1パネル部と第2パネル部の境界部において分割することができるようする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルにおいて、熱媒流通管をパネル成形体に組み込まれたヘッダに導くための熱媒流通管ガイド用パネルおよび、該熱媒流通管ガイド用パネルを用いた床暖房パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、暖房設備の一つとして、床暖房パネルが広く利用されるに至っている。この床暖房パネルは、例えば、発泡樹脂製の板状体(パネル成形体)の一方面側に熱媒流通管を通すための配管溝を形成し、この配管溝に熱媒流通管を埋設し、その表面をアルミニウム箔などの放熱シートで被覆した構造のものが提案されている。
【0003】
ところで、このような床暖房パネルにおいて、熱媒流通管は、通常、パネル成形体に取り付けられたヘッダを介してパネル成形体に接続されている。
熱媒流通管は、熱源機とヘッダとの間を最短距離で接続できるように配設することが望ましいが、実際には、熱源機の設置位置、パネル成形体が配設される部屋の場所、パネル成形体に取り付けられるヘッダの位置、パネル成形体の枚数、連絡管を湾曲させる際の最小曲率半径などに応じて、L字状、U字状などの種々の態様で曲折した状態で配設されることになる。
【0004】
一方、熱媒流通管をこのような種々の態様でヘッダに接続しようとすると、熱媒流通管をヘッダに案内するための熱媒流通管ガイド用パネルが必要となり、従来の床暖房パネルにおいても種々の熱媒流通管ガイド用パネルが用いられている。
【0005】
しかしながら、熱媒流通管をヘッダに接続するにあたっては、上述のように種々の態様で熱媒流通管を曲折させて配設することが必要であり、それに対応する熱媒流通管ガイド用パネルを用意しようとすると、多種類の熱媒流通管ガイド用パネルを用意しておくことが必要となったり、多数の部材を準備しておくことが必要になったりするという問題点があり、その作製、保管、輸送なども煩雑になるという問題点がある。
【0006】
そこで、このような問題点を解決する目的で、熱源機に接続された熱媒流通管をヘッダに導くための連絡管ガイド用パネルとして、例えば、図11に示すように、表面に、熱媒流通管52が埋設される溝(案内溝)62(62a,62b)を、異なる複数の方向からヘッダ53の接続部54に集めることができるような態様で形成することにより、熱媒流通管52の複数種類の配設態様に対応できるようにした熱媒流通管ガイド用パネル51が提案されている(特許文献1参照)。
なお、図11の構成では、溝62a,62bは、溝62を途中で2つに分岐させることにより形成されている。
【0007】
そして、上述のように構成された熱媒流通管ガイド用パネルでは、溝62aは、熱媒流通管52を、図11の左側からヘッダ53にまっすぐに導く機能を果たし、溝62bは、熱媒流通管52を、図11の上方から、角度を90°振ってヘッダ53に導く機能を果たす。
【0008】
したがって、この熱媒流通管ガイド用パネル51を用いることにより、複数の方向から熱媒流通管52をヘッダ53に接続する場合に対応することが可能になる。
【0009】
しかしながら、上記従来の方法の場合、熱媒流通管ガイド用パネルには、複数の方向から一箇所へ集約されるような態様で溝が刻設されており、熱媒流通管が収容されていない溝が存在している状態で仕上材を施工した場合、溝部への集中荷重により、仕上材表面に段差が生じるおそれがあり、使用しない溝を埋める工程が必要になる。具体的には、従来は、専用の溝埋めパーツを用いて、熱媒流通管が収容されていない溝を埋めるようにしている。そのため、施工現場での作業量が多くなり、施工効率が低下するという問題点がある。
【0010】
また、複数の方向からの熱媒流通管52(52a)および52(52b)を、途中で分岐した溝62aおよび62bと、溝62a,62bが合流した溝62を介して、ヘッダ53の接続部54に導くように構成しているため、施工現場において熱媒流通管の接続の方向がわかりにくい(すなわち、熱媒流通管52をはめ込む際に、例えば、溝62aにはめ込むべき熱媒流通管52が、溝62bにはめ込まれてしまう場合がある)という問題点がある。
【特許文献1】特開2002−228168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は、未使用の溝を埋める工程を必要とするとなく、しかも、施工現場において熱媒流通管の接続の方向を容易に確認することができて、床暖房パネルの据え付け施工を効率よく行うことが可能な熱媒流通管ガイド用パネルおよびそれを用いた施工性に優れ、施工信頼性の高い床暖房パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の熱媒流通管ガイド用パネルは、
熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルにおいて、前記熱媒流通管を、パネル成形体に配設されたヘッダに導くための熱媒流通管ガイド用パネルであって、
(a)熱源機からヘッダへの往路用の熱媒流通管と、ヘッダから熱源機への復路用の熱媒流通管の、一対の熱媒流通管(以下「熱媒流通管」)を通過させる一対の溝(以下「溝」)が配設された第1パネル部であって、前記溝が、一方辺側の導出端部から、該一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で配設され、前記一方辺側の導出端部から導出される熱媒流通管がヘッダに接続されるヘッダ接続側となり、前記対向辺側の導出端部から導出される熱媒流通管が熱源機に至る熱源機側となるように構成された第1パネル部と、
(b)熱源機からヘッダへの往路用の熱媒流通管と、ヘッダから熱源機への復路用の熱媒流通管の、一対の熱媒流通管(以下「熱媒流通管」)を通過させる一対の溝(以下「溝」)が配設された第2パネル部であって、前記溝が、一方辺側の導出端部と、該一方辺と略直交する直交辺側の導出端部とで、略90゜方向が変わるような態様で配設され、前記一方辺側の導出端部から導出される熱媒流通管がヘッダに接続されるヘッダ接続側となり、前記直交辺側の導出端部から導出される熱媒流通管が熱源機に至る熱源機側となるように構成された第2パネル部と
を具備し、
熱媒流通管をパネル成形体に配設されたヘッダに導く態様に応じて、第1パネル部と第2パネル部のうちのいずれか一方を選択して用いるように構成されていること
を特徴としている。
【0013】
また、請求項2の熱媒流通管ガイド用パネルは、請求項1の熱媒流通管ガイド用パネルの構成において、前記第1パネル部と前記第2パネル部とが一体に形成され、第1パネル部と第2パネル部の境界部において分割することができるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項3の熱媒流通管ガイド用パネルは、請求項1または2の熱媒流通管ガイド用パネルの構成において、前記第1パネル部および第2パネル部は、前記パネル成形体に形成されたパネル成形体側係合部と係合する係合構造部を備えており、該係合構造部が前記パネル成形体側係合部と係合することにより、第1パネル部および第2パネル部と、前記パネル成形体の位置関係が定まるように構成されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4の熱媒流通管ガイド用パネルは、請求項1〜3のいずれかに記載の熱媒流通管ガイド用パネルの構成において、前記第1パネル部または第2パネル部を、前記パネル成形体と係合させた場合における全体形状が設計形状となるように、前記第1パネル部および第2パネル部に、所定の領域を分割して除去することができるように分割用予備加工が施されていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項5の熱媒流通管ガイド用パネルは、請求項1〜4のいずれかに記載の熱媒流通管ガイド用パネルの構成において、前記第1パネル部または前記第2パネル部に、熱媒流通管を前記第1パネル部または前記第2パネル部を介して前記ヘッダに導くための他のガイド用パネルを係合させて使用するように構成されており、かつ、前記第1パネル部および、前記第2パネル部には、前記他のガイド用パネルと係合する係合部を備えているか、または該係合部を設けることができるように分割用予備加工が施されていることを特徴している。
【0017】
また、請求項6の熱媒流通管ガイド用パネルは、請求項5記載の熱媒流通管ガイド用パネルの構成において、
前記他のガイド用パネルとして、
(a)一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝が配設された構造を有するガイド用パネルと、
(b)一方辺側の導出端部から、該一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝が配設された構造を有するガイド用パネルと
を組み合わせて使用するか、または前記(a)および(b)のガイド用パネルのいずれか一方を用いることを特徴としている。
【0018】
また、本願発明(請求項7)の床暖房パネルは、
熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルであって、
(a)請求項1〜4のいずれかに記載の熱媒流通管ガイド用パネルと、
(b)表面に形成された、熱媒流通管を通過させる溝と、周辺部近傍に配設された、熱媒流通管が接続されるヘッダと、ヘッダの近傍領域に形成された、前記熱媒流通管ガイド用パネルが係合する係合構造部とを備えたパネル成形体と
を具備し、
熱源機とパネル成形体の間で熱媒を循環させる熱媒流通管が、前記熱媒流通管ガイド用パネルを構成する第1パネル部または第2パネル部により案内されて前記ヘッダに接続されるように構成されていること
を特徴としている。
【0019】
また、本願発明(請求項8)の床暖房パネルは、
熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルであって、
(a)請求項5または6記載の熱媒流通管ガイド用パネルと、
(b)請求項5または6において用いられている、熱媒流通管を前記第1パネル部または前記第2パネル部を介して前記パネル成形体のヘッダに導くための他のガイド用パネルと、
(c)表面に形成された、熱媒流通管を通過させる溝と、周辺部近傍に配設された、熱媒流通管が接続されるヘッダと、ヘッダの近傍領域に形成された、前記熱媒流通管ガイド用パネルが係合する係合構造部とを備えたパネル成形体と
を具備し、
熱源機とパネル成形体の間で熱媒を循環させる熱媒流通管が、前記熱媒流通管ガイド用パネルを構成する第1パネル部または第2パネル部と、前記他のガイド用パネルを介して案内され、前記ヘッダに接続されるように構成されていること
を特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本願発明(請求項1)の熱媒流通管ガイド用パネルは、熱源機とパネル成形体の間で熱媒を循環させる熱媒流通管を、パネル成形体に配設されたヘッダに導くためのものであって、熱媒流通管を通過させる溝が、一方辺側の導出端部から、該一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないように配設され、一方辺側の導出端部から導出される熱媒流通管がヘッダに接続されるヘッダ接続側となり、対向辺側の導出端部から導出される熱媒流通管が熱源機に至る熱源機側となるように構成された第1パネル部と、熱媒流通管を通過させる溝が、一方辺側の導出端部と、該一方辺と略直交する直交辺側の導出端部とで、略90゜方向が変わるような態様で配設され、一方辺側の導出端部から導出される熱媒流通管がヘッダに接続されるヘッダ接続側となり、直交辺側の導出端部から導出される熱媒流通管が熱源機に至る熱源機側となるように構成された第2パネル部と備え、熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに導く態様に応じて、第1パネル部と第2パネル部のうちのいずれか一方を選択して用い、第1パネル部または第2パネル部に形成された所定の溝に熱媒流通管をはめ込むだけで、熱媒流通管を、容易かつ確実に対向辺または直交辺側の導出端部から一方辺側の導出端部を経てヘッダに導くことが可能になる。
【0021】
したがって、上述のように構成された第1パネル部と第2パネル部を備えた本願発明の熱媒流通管ガイド用パネルを用いることにより、従来の熱媒流通管ガイド用パネルを用いる場合のように、未使用の溝を埋める工程を必要としたりすることなく、効率よく床暖房パネルの据え付け施工を行うことが可能になる。
【0022】
また、請求項2の熱媒流通管ガイド用パネルのように、第1パネル部と第2パネル部とを一体に形成し、第1パネル部と第2パネル部の境界部において分割することができるように構成した場合、用意すべき部品の点数を減らすことが可能になり、製造、保管、搬送などの工程を簡略化することが可能になる。
【0023】
また、第1パネル部および第2パネル部には熱媒流通管を通過させるための溝が形成されているため強度の弱い部分があるが、第1パネル部と第2パネル部を一体に形成することにより、機械的強度を向上させて、製造工程や搬送工程などにおける折損などを抑制、防止して、信頼性を向上させることが可能になる。
【0024】
また、請求項3の熱媒流通管ガイド用パネルのように、第1パネル部および第2パネル部が、パネル成形体に形成されたパネル成形体側係合部と係合する係合構造部を備えた構成とした場合、第1パネル部または第2パネル部の係合構造部をパネル成形体側係合部と係合させるだけで、第1パネル部および第2パネル部と、パネル成形体の位置関係が定まるため、施工現場において熱媒流通管の接続の方向を容易に確認することが可能になり、信頼性の高い床暖房パネルの据え付け施工を効率よく行うことが可能になる。
【0025】
また、請求項4の熱媒流通管ガイド用パネルのように、第1パネル部または第2パネル部を、パネル成形体と係合させた場合における全体形状が設計形状(意図する形状)となるように、第1パネル部または第2パネル部に、所定の領域を分割して除去することができるように分割用予備加工を施しておくことにより、例えば、パネル成形体と係合させた第1パネル部または第2パネル部の一部が突出して、他のパネル成形体と突き合わせができなくなったり、他の部材との干渉が生じたりすることを防止して、確実で信頼性の高い床暖房パネルの据え付け施工を行うことが可能になる。
なお、本願発明において、分割用予備加工の態様としては、分割されることになる部分に溝を形成する加工や、分割すべき領域に沿って、所定のピッチで穴を形成する加工などが例示されるが、これに限られるものではない。
【0026】
また、請求項5の熱媒流通管ガイド用パネルは、第1パネル部または第2パネル部に、熱媒流通管を第1パネル部または第2パネル部を介してヘッダに導くための他のガイド用パネルを係合させて使用するように構成されており、かつ、第1パネル部および、第2パネル部には、上記他のガイド用パネルと係合する係合部を備えているか、または該係合部を設けることができるように分割用予備加工が施されているので、上記他のガイド用パネルを使用する場合にも、上記係合部に、上記他のガイド用パネルを確実に係合させて使用することが可能で、信頼性の高い床暖房パネルの据え付け施工を確実に行うことが可能になる。
【0027】
また、請求項6の熱媒流通管ガイド用パネルは、他のガイド用パネルとして、 (a)一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝が配設された構造を有するガイド用パネルと、(b)一方辺側の導出端部から、該一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝が配設された構造を有するガイド用パネルとを組み合わせて使用するか、または(a)および(b)のガイド用パネルのいずれか一方を用いるようにしているので、複数の方向からの熱媒流通管を、容易かつ確実にヘッダに導くことが可能になり、効率よく信頼性の高い床暖房パネルの施工を行うことが可能になる。
【0028】
また、本願発明(請求項7)の床暖房パネルは、(a)請求項1〜4のいずれかに記載の熱媒流通管ガイド用パネルと、(b)表面に形成された、熱媒流通管を通過させる溝と、周辺部近傍に配設された、熱媒流通管が接続されるヘッダと、ヘッダの近傍領域に形成された、前記熱媒流通管ガイド用パネルが係合する係合構造部とを備えたパネル成形体とを備えているので、熱媒流通管を、熱媒流通管ガイド用パネルを構成する第1パネル部または第2パネル部により案内して、パネル成形体のヘッダに接続することが可能であり、従来の熱媒流通管ガイド用パネルを用いる場合のように、未使用の溝を埋める工程を必要としたりすることがなく、施工作業が容易で、しかも施工信頼性の高い床暖房パネルを提供することが可能になる。
【0029】
また、本願発明(請求項8)の床暖房パネルのように、(a)請求項5または6記載の熱媒流通管ガイド用パネルと、(b)請求項5または6において用いられている、熱媒流通管を第1パネル部または第2パネル部を介してパネル成形体のヘッダに導くための他のガイド用パネルと、(c)表面に形成された、熱媒流通管を通過させる溝と、周辺部近傍に配設された、熱媒流通管が接続されるヘッダと、ヘッダの近傍領域に形成された、熱媒流通管ガイド用パネルが係合する係合構造部とを備えたパネル成形体とを備えた構成とした場合、熱媒流通管を、熱媒流通管ガイド用パネルを構成する第1パネル部または第2パネル部と、上記他のガイド用パネルを介してヘッダに案内することが可能になるため、複数の方向からの熱媒流通管を、容易かつ確実にヘッダに導くことが可能になり、効率よく信頼性の高い施工を行うことが可能な床暖房パネルを提供することが可能になる。
【実施例1】
【0030】
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0031】
図1は本願発明の熱媒流通管ガイド用パネルが用いられる床暖房パネルの要部構成を示す平面図であり、図2は本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを示す図であり、(a)は平面図、(b)は矢印Aの方向から見た側面図、(c)は矢印Bの方向から見た側面図である。
また、図3〜図8は本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに接続した状態を示す図である。
【0032】
この実施例1の床暖房パネルは、熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルであって、図1に示すように、その表面に、熱媒流通管2を通過させる溝12が形成された、発泡樹脂製の成形体用パネル本体1と、成形体用パネル本体1の周辺部近傍に設けられた、熱媒流通管2が接続されるヘッダ3とを備えたパネル成形体(温水パネル)10と、例えば、図3〜8に示すように、種々の態様で、熱媒流通管2をヘッダ3に導いて、ヘッダ3の接続部4に確実に接続できるようにするための熱媒流通管ガイド用パネル20(図2)を備えている。
【0033】
そして、この床暖房パネルにおいて、パネル成形体(温水パネル)10を構成する成形体用パネル本体1のヘッダ3が設けられた領域の近傍には、上記熱媒流通管ガイド用パネル20の少なくとも一部がはまり込むように配設される切欠き部5と、熱媒流通管ガイド用パネル20の係合構造部(係合用突起)32と係合する係合構造部として機能する凹部(パネル成形体側係合構造部)6が形成されている。
【0034】
また、熱媒流通管ガイド用パネル20は、発泡樹脂製のガイド用パネル本体21に分割用予備加工を施すことにより形成された分割溝(第1分割溝)30に沿って分割することにより、第1パネル部P1と第2パネル部P2とに分割されるように構成されている。
【0035】
そして、第1パネル部P1は、発泡樹脂製のガイド用パネル本体21の表面に、熱源機(図示せず)からヘッダ3への往路用の熱媒流通管2(2a)と、ヘッダ3から熱源機への復路用の熱媒流通管2(2b)の、一対の熱媒流通管(以下、単に「熱媒流通管」という)を通過させる一対の溝(以下、単に「溝」という)22(図2)が、一方辺21a側の導出端部から、該一方辺21aと対向する対向辺21b側の導出端部まで、実質的に方向を変えないように配設され、例えば、図3に示すように、一方辺21a側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2a)がヘッダ3に接続されるヘッダ接続側となり、対向辺21b側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2b)が熱源機に至る熱源機側となるように構成されている。
【0036】
また、第2パネル部P2は、図2や、例えば図6などに示すように熱媒流通管2を通過させる溝22が、一方辺31a側の導出端部から、該一方辺31aと略直交する直交辺31b側の導出端部まで、略90゜方向が変わるような態様で配設され、一方辺31a側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2a)がヘッダ3に接続されるヘッダ接続側となり、直交辺31b側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2b)が熱源機に至る熱源機側となるように構成されている。
【0037】
また、第1パネル部P1および第2パネル部P2は、パネル成形体10に形成されたパネル成形体側係合構造部6と係合する係合構造部(係合用突起)32を備えており、該係合構造部32がパネル成形体側係合構造部6と係合することにより、第1パネル部P1および第2パネル部P2と、パネル成形体10の位置関係が確実に定まるように構成されている。
【0038】
さらに、第1パネル部P1または第2パネル部P2を、パネル成形体10と係合させた場合における全体形状が設計形状となるように、第1パネル部P1および第2パネル部P2には、所定の領域を分割して除去することができるように分割用予備加工(すなわち、下記の第2分割溝40を形成するための加工)が施されており、第1パネル部P1には、第2分割溝40(40a,40b)が形成され、第2パネル部P2には、第2分割溝40(40c,40d,40e)が形成されている。
なお、この実施例の構成においては、第2分割溝40d,40eに沿って分割されて形成される辺が第2パネル部P2の一方辺31aと略直交する直交辺31bとなる場合がある。
【0039】
また、この実施例1においては、第1パネル部P1または第2パネル部P2に、熱媒流通管2を第1パネル部または第2パネル部を介してパネル成形体10に配設されたヘッダ3に導くための他のガイド用パネル41を係合させて使用するように構成されており、第1パネル部P1および第2パネル部P2に形成された第2分割溝40は、他のガイド用パネル41と係合する係合部43を設けることができるようにするための分割用予備加工部としても機能するように構成されている。
【0040】
また、この実施例1では、他のガイド用パネル41として、方形で、一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝(1/4円弧状の溝)42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41a)と、一方辺側の導出端部から、一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41b)の少なくとも一方を用いることができるように構成されている。
【0041】
次に、上述のように構成された熱媒流通管ガイド用パネル20および他のガイド用パネル41(41a,41b)を用いて、熱媒流通管2を、パネル成形体10に配設されたヘッダ3に接続する方法について、図3〜図8を参照しつつ説明する。なお、図3〜図8において、互いに同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
【0042】
図3は、熱媒流通管ガイド用パネル20を、第1分割溝30で分割して第1パネル部P1と第2パネル部P2に分割した状態の第1パネル部P1を用いて熱媒流通管2をパネル成形体10のヘッダ3に接続した状態を示す図である。
この図3に示す接続態様の場合、一方辺21a側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2a)がヘッダ3に接続されるヘッダ接続側となり、対向辺21b側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2b)が熱源機に至る熱源機側となっており、熱媒流通管2(2a,2b)が一方辺21a側と対向辺21b側とで方向を変えることなくヘッダ3と接続されている。
【0043】
なお、この接続態様の場合、第1パネル部P1の係合部(係合部として機能する凹部)43に、一方辺側の導出端部から、一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝42が配設された構造を有する他のガイド用パネル41(41b)(図4参照)を係合させるように構成することも可能である。
【0044】
図4は、熱媒流通管ガイド用パネル20を、第1分割溝30で分割して第1パネル部P1と第2パネル部P2に分割し、第1パネル部P1を、第2分割溝40(40a)で分割して不要部分を除去したもの(第1パネル部P1)を用い、熱媒流通管2をパネル成形体10のヘッダ3に接続した状態を示す図である。
【0045】
この図4に示す接続態様の場合、係合部43には、方形で、一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝(1/4円弧状の溝)42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41a)と、ガイド用パネル41aの一方辺側の導出端部から、一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41b)が組み合わせて使用されており、熱媒流通管2(2a,2b)は90゜右側に向きを変えて熱源機側に導かれている。
【0046】
また、図5は、熱媒流通管ガイド用パネル20を、第1分割溝30で分割して第1パネル部P1と第2パネル部P2に分割し、第1パネル部P1を、第2分割溝40(40b)で分割して不要部分を除去したもの(第1パネル部P1)を用い、熱媒流通管2をパネル成形体10のヘッダ3に接続した状態を示す図である。
【0047】
この図5に示す接続態様の場合、係合部43には、方形で、一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝(1/4円弧状の溝)42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41a)と、ガイド用パネル41aの一方辺側の導出端部から、一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41b)が組み合わせて使用されており、熱媒流通管2(2a,2b)は90゜左側に向きを変えて熱源機側に導かれている。
【0048】
また、図6は、熱媒流通管ガイド用パネル20を、第1分割溝30で分割して第1パネル部P1と第2パネル部P2に分割した状態の第2パネル部P2を用いて熱媒流通管2をパネル成形体10のヘッダ3に接続した状態を示す図である。
【0049】
この図6に示す接続態様の場合、一方辺31a側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2a)がヘッダ3に接続されるヘッダ接続側となり、直交辺31b側の導出端部から導出される熱媒流通管2(2b)が熱源機に至る熱源機側となっており、熱媒流通管2(2a,2b)は、一方辺31a側と直交辺31b側とで方向が90゜変わる(左側に向きを変える)ようにヘッダ3と接続されている。
【0050】
なお、この接続態様の場合、第2パネル部P2の直交辺31b側に、一方辺側の導出端部から、一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41b)が配設され、方向を変えずに熱源機側に導かれている。
【0051】
図7は、熱媒流通管ガイド用パネル20を、第1分割溝30で分割して第1パネル部P1と第2パネル部P2に分割し、第2パネル部P2を、第2分割溝40(40c,40e)で分割して不要部分を除去したもの(第2パネル部P2)を用い、熱媒流通管2をパネル成形体10のヘッダ3に接続した状態を示す図である。
【0052】
この図7に示す接続態様の場合、係合部43には、方形で、一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝(1/4円弧状の溝)42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41a)と、ガイド用パネル41aの一方辺側の導出端部から、一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41b)が組み合わせて使用されており、熱媒流通管2は、第2パネル部P2により90゜左側に向きを変えた後、ガイド用パネル41aにより、さらに左上側に90゜向きを変えて(すなわち全体で180°向きを変えて)熱源機側に導かれている。
【0053】
また、図8は、熱媒流通管ガイド用パネル20を、第1分割溝30で分割して第1パネル部P1と第2パネル部P2に分割し、第2パネル部P2を、第2分割溝40(40d)で分割して不要部分を除去したもの(第2パネル部P2)を用い、熱媒流通管2をパネル成形体10のヘッダ3に接続した状態を示す図である。
【0054】
この図8に示す接続態様の場合、係合部43には、方形で、一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝(1/4円弧状の溝)42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41a)と、ガイド用パネル41aの一方辺側の導出端部から、一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝42が配設された構造を有するガイド用パネル41(41b)が組み合わせて使用されており、熱媒流通管2は、第2パネル部P2により90゜左側に向きを変えた後、ガイド用パネル41aにより、さらに左下側に90゜向きを変えることにより、ヘッダ3から左側に位置はずれたものの、方向はヘッダ3に接続される方向と同じ方向において(すなわち左側に寄っただけで、角度は変えずに)熱源機側に導かれている。
【実施例2】
【0055】
図9は、本願発明の他の実施例(実施例2)にかかる熱媒流通管ガイド用パネル20aの構成を示す図である。
この熱媒流通管ガイド用パネル20aは、上記実施例1の熱媒流通管ガイド用パネル20(図2)と左右が逆になった対称構造を有している。なお、図9において、図2と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
【0056】
上記実施例1では、パネル成形体10(図1参照)の左下コーナ部近傍に配設されたヘッダ3に熱媒流通管2を接続する場合を例にとって説明したが、図10に示すように、パネル成形体10aの右下コーナ部近傍に配設されたヘッダ3に熱媒流通管2を接続する場合には、図2の熱媒流通管ガイド用パネル20の左右が逆になった構成の熱媒流通管ガイド用パネル20a(図9)を用いることにより、上記実施例1の場合と同様の方法で、熱媒流通管2をヘッド3に確実に接続することができるようになる。なお、図10において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
【0057】
なお、本願発明は、上記実施例1,2に限定されるものではなく、熱媒流通管の具体的な配設態様や、経路、熱媒流通管ガイド用パネルを構成するガイド用パネル本体の形状、構造、熱媒流通管ガイド用パネルと組み合わせて用いられる上述の他のガイド用パネルの具体的な構成や組み合わせ態様、パネル成形体を構成する成形体用パネル本体の、熱媒流通管ガイド用パネルを係合させる係合構造部の具体的な形状、成形体用パネル本体に組み込まれるヘッダの配設位置、ヘッダへの熱媒流通管の接続数などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
上述のように、本願発明の熱媒流通管ガイド用パネルは、熱媒流通管を通過させる溝が一方辺側の導出端部から対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないように配設された第1パネル部と、熱媒流通管を通過させる溝が、一方辺側の導出端部と直交辺側の導出端部とで、略90゜方向が変わるような態様で配設された第2パネル部を備え、熱媒流通管をパネル成形体に配設されたヘッダに導く態様に応じて第1パネル部と第2パネル部のうちのいずれか一方を選択して用いるように構成されているので、本願発明の熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管を接続するようにした場合、接続方向を間違えたりすることなく、また、未使用の溝を埋める工程を必要とするとなく、熱媒流通管をヘッダに確実に導いて、容易に信頼性の高い床暖房パネルの施工を行うことが可能になる。
したがって、本願発明は、熱媒流通管をヘッダに接続する工程を経て施工される床暖房パネルに広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本願発明の熱媒流通管ガイド用パネルが用いられる床暖房パネルの要部構成を示す平面図である。
【図2】本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを示す図であり、(a)は平面図、(b)は矢印Aの方向から見た側面図、(c)は矢印Bの方向から見た側面図である。
【図3】本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに接続する場合の接続態様を示す図である。
【図4】本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに接続する場合の接続態様を示す図である。
【図5】本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに接続する場合の接続態様を示す図である。
【図6】本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに接続する場合の接続態様を示す図である。
【図7】本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに接続する場合の接続態様を示す図である。
【図8】本願発明の一実施例(実施例1)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管をパネル成形体のヘッダに接続する場合の接続態様を示す図である。
【図9】本願発明の他の実施例(実施例2)にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを示す平面図である。
【図10】本願発明の実施例2にかかる熱媒流通管ガイド用パネルを用いて熱媒流通管が接続される床暖房パネルの要部構成を示す平面図である。
【図11】熱源機に接続された熱媒流通管をヘッダに導くための従来の連絡管ガイド用パネルを示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 成形体用パネル本体
2 熱媒流通管
2(2a) 往路用の熱媒流通管
2(2b) 復路用の熱媒流通管
3 ヘッダ
4 接続部
5 切欠き部
6 凹部(パネル成形体側係合構造部)
10 パネル成形体(温水パネル)
10a パネル成形体
12 溝
20 熱媒流通管ガイド用パネル
20a 熱媒流通管ガイド用パネル
21 ガイド用パネル本体
21a 一方辺
21b 対向辺
22 一対の溝(溝)
30 分割溝(第1分割溝)
31a 一方辺
31b 直交辺
32 係合構造部(係合用突起)
40(40a,40b,40c,40d,40e) 第2分割溝
41(41a,41b) 他のガイド用パネル
42 溝
43 係合部(係合部として機能する凹部)
P1 第1パネル部
P2 第2パネル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルにおいて、前記熱媒流通管を、パネル成形体に配設されたヘッダに導くための熱媒流通管ガイド用パネルであって、
(a)熱源機からヘッダへの往路用の熱媒流通管と、ヘッダから熱源機への復路用の熱媒流通管の、一対の熱媒流通管(以下「熱媒流通管」)を通過させる一対の溝(以下「溝」)が配設された第1パネル部であって、前記溝が、一方辺側の導出端部から、該一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で配設され、前記一方辺側の導出端部から導出される熱媒流通管がヘッダに接続されるヘッダ接続側となり、前記対向辺側の導出端部から導出される熱媒流通管が熱源機に至る熱源機側となるように構成された第1パネル部と、
(b)熱源機からヘッダへの往路用の熱媒流通管と、ヘッダから熱源機への復路用の熱媒流通管の、一対の熱媒流通管(以下「熱媒流通管」)を通過させる一対の溝(以下「溝」)が配設された第2パネル部であって、前記溝が、一方辺側の導出端部と、該一方辺と略直交する直交辺側の導出端部とで、略90゜方向が変わるような態様で配設され、前記一方辺側の導出端部から導出される熱媒流通管がヘッダに接続されるヘッダ接続側となり、前記直交辺側の導出端部から導出される熱媒流通管が熱源機に至る熱源機側となるように構成された第2パネル部と
を具備し、
熱媒流通管をパネル成形体に配設されたヘッダに導く態様に応じて、第1パネル部と第2パネル部のうちのいずれか一方を選択して用いるように構成されていること
を特徴とする熱媒流通管ガイド用パネル。
【請求項2】
前記第1パネル部と前記第2パネル部とが一体に形成され、第1パネル部と第2パネル部の境界部において分割することができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の熱媒流通管ガイド用パネル。
【請求項3】
前記第1パネル部および第2パネル部は、前記パネル成形体に形成されたパネル成形体側係合部と係合する係合構造部を備えており、該係合構造部が前記パネル成形体側係合部と係合することにより、第1パネル部および第2パネル部と、前記パネル成形体の位置関係が定まるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱媒流通管ガイド用パネル。
【請求項4】
前記第1パネル部または第2パネル部を、前記パネル成形体と係合させた場合における全体形状が設計形状となるように、前記第1パネル部および第2パネル部に、所定の領域を分割して除去することができるように分割用予備加工が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱媒流通管ガイド用パネル。
【請求項5】
前記第1パネル部または前記第2パネル部に、熱媒流通管を前記第1パネル部または前記第2パネル部を介して前記ヘッダに導くための他のガイド用パネルを係合させて使用するように構成されており、かつ、前記第1パネル部および、前記第2パネル部には、前記他のガイド用パネルと係合する係合部を備えているか、または該係合部を設けることができるように分割用予備加工が施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱媒流通管ガイド用パネル。
【請求項6】
前記他のガイド用パネルとして、
(a)一辺側(第1の辺側)の導出端部から、該第1の辺と直交する辺側の導出端部に至るように、略90゜方向が変わるような態様で熱媒流通管を通過させる溝が配設された構造を有するガイド用パネルと、
(b)一方辺側の導出端部から、該一方辺と対向する対向辺側の導出端部まで、実質的に方向を変えないような態様で熱媒流通管を通過させる溝が配設された構造を有するガイド用パネルと
を組み合わせて使用するか、または前記(a)および(b)のガイド用パネルのいずれか一方を用いることを特徴とする請求項5記載の熱媒流通管ガイド用パネル。
【請求項7】
熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルであって、
(a)請求項1〜4のいずれかに記載の熱媒流通管ガイド用パネルと、
(b)表面に形成された、熱媒流通管を通過させる溝と、周辺部近傍に配設された、熱媒流通管が接続されるヘッダと、ヘッダの近傍領域に形成された、前記熱媒流通管ガイド用パネルが係合する係合構造部とを備えたパネル成形体と
を具備し、
熱源機とパネル成形体の間で熱媒を循環させる熱媒流通管が、前記熱媒流通管ガイド用パネルを構成する第1パネル部または第2パネル部により案内されて前記ヘッダに接続されるように構成されていること
を特徴とする床暖房パネル。
【請求項8】
熱媒を加熱する熱源機と、床に配設されたパネル成形体の間で、熱媒流通管を介して熱媒を循環させることにより床暖房を行う床暖房パネルであって、
(a)請求項5または6記載の熱媒流通管ガイド用パネルと、
(b)請求項5または6において用いられている、熱媒流通管を前記第1パネル部または前記第2パネル部を介して前記パネル成形体のヘッダに導くための他のガイド用パネルと、
(c)表面に形成された、熱媒流通管を通過させる溝と、周辺部近傍に配設された、熱媒流通管が接続されるヘッダと、ヘッダの近傍領域に形成された、前記熱媒流通管ガイド用パネルが係合する係合構造部とを備えたパネル成形体と
を具備し、
熱源機とパネル成形体の間で熱媒を循環させる熱媒流通管が、前記熱媒流通管ガイド用パネルを構成する第1パネル部または第2パネル部と、前記他のガイド用パネルを介して案内され、前記ヘッダに接続されるように構成されていること
を特徴とする床暖房パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−98032(P2006−98032A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288202(P2004−288202)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【Fターム(参考)】