説明

熱源装置、暖房装置、その凍結防止制御方法及び凍結防止制御プログラム

【課題】熱媒等の凍結予防の効率化を図る。
【解決手段】熱媒を溜める貯留手段(貯湯タンク4)と、外気温度を検出する第1の温度検出手段(温度センサ80)と、熱媒温度を検出する第2の温度検出手段(温度センサ42等)と、前記第1の温度検出手段の検出温度が凍結防止温度以下であって、第2の温度検出手段の検出温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を前記貯留手段から循環路に循環させる制御手段(制御装置82)とを備える構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、太陽熱を熱源に利用する熱源装置、暖房装置、その凍結防止制御方法及び凍結防止制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内暖房等の各種暖房に用いられる熱源装置には燃料ガスや灯油等の燃焼熱に加え、熱源に太陽熱が利用される。熱源装置に太陽熱を用いることは自然エネルギを利用するので、熱エネルギの効率的な利用が図られ、炭酸ガスの排出がない等、有益である。このような熱源装置は、高温水分配式給湯暖房機として知られている。
【0003】
この種の熱源装置に関し、太陽熱給湯暖房装置として上水が供給される貯湯槽に第1及び第2の熱交換器が設置され、第1の熱交換器に太陽熱集熱器で集熱した熱媒を循環させて熱交換し、第2の熱交換器にボイラで加熱した温水の熱を熱交換することが知られている(特許文献1)。この太陽熱給湯暖房装置では、貯湯槽内の上水の加熱に太陽熱が利用され、加熱した上水が温水として供給される。また、ボイラで加熱した温水は暖房や浴槽追焚きに利用される。
【0004】
また、燃焼排気を熱源に用いる熱源装置では、熱媒の熱を第1の熱交換手段により給水又は浴槽水に熱交換し、燃焼排気の潜熱を第2の熱交換手段により給水又は浴槽水に熱交換する熱源装置や、熱交換装置が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59−134432号公報
【特許文献2】特開2007−315700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、太陽熱を熱源に用いた熱源装置や暖房装置では、日照時間中に太陽熱を熱媒に熱交換して蓄熱し、不足した熱量を燃焼熱で補完することにより効率的な給湯、浴槽水追焚及び暖房を行うことができる。熱媒は循環路に循環させるが、通常、屋外に熱源装置を設置し、その熱源装置と需要箇所との間に循環路が設置される。しかも、熱媒には温水の使用が簡易であり、温水が多用されている。このため、寒冷地にあっては、夜間、熱媒循環を停止している場合、熱媒が、凍結温度以下の環境下に晒されていると、凍結に至る恐れがある。また、寒冷地以外でも冬季にあっては、外気温度の低下が熱媒を凍結に至らしめることが予想される。
【0007】
斯かる場合を予想し、夜間、給湯や暖房の需要に関係なく、熱媒を凍結予防のために加熱し、循環路に循環させれば、熱媒の凍結を防止することができる。しかしながら、日照時間においては、熱源に太陽熱を利用して効率的な熱利用を図っても、夜間においては、凍結予防運転のため、燃焼熱を使用するのであれば、燃料ガス等の燃料を消費することになり、熱の効率化を妨げることになる。
【0008】
そこで、本発明の熱源装置、暖房装置、凍結防止制御方法及び凍結防止制御プログラムの目的は、上記課題に鑑み、熱媒の凍結予防の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の熱源装置は、熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える熱源装置であって、熱媒を溜める貯留手段と、外気温度を検出する第1の温度検出手段と、熱媒温度を検出する第2の温度検出手段と、前記第1の温度検出手段の検出温度が凍結防止温度以下であって、前記第2の温度検出手段の検出温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を前記貯留手段から循環路に循環させる制御手段とを備える構成である。
【0010】
斯かる構成では、外気温度が熱媒の凍結温度に低下した場合、熱媒が所定温度以上であれば、その熱媒を循環路に循環させるので、燃焼熱を用いることなく、貯留手段にある熱媒の熱を凍結予防に活用することができる。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の暖房装置は、熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える暖房装置であって、熱媒を溜める貯留手段と、外気温度を検出する第1の温度検出手段と、熱媒温度を検出する第2の温度検出手段と、前記第1の温度検出手段の検出温度が凍結防止温度以下であり、前記第2の温度検出手段の検出温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を前記貯留手段から循環路に循環させる制御手段とを備える構成である。
【0012】
斯かる構成では、既述の熱源装置と同様に暖房装置においても、外気温度が熱媒の凍結温度に低下した場合、熱媒が所定温度以上であれば、その熱媒を循環路に循環させるので、燃焼熱を用いることなく、貯留手段にある熱媒の熱を凍結予防に活用することができる。
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の凍結防止制御方法は、熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える熱源装置又は暖房装置の凍結防止制御方法であって、熱媒を貯留手段に溜めるステップと、外気温度を検出するステップと、熱媒温度を検出するステップと、検出された外気温度が凍結防止温度以下であり、前記貯留手段の熱媒温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を前記貯留手段から循環路に循環させるステップとを含む構成である。斯かる構成においても、貯留手段にある熱媒の熱を凍結予防に活用することができる。
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の凍結防止制御プログラムは、熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える熱源装置又は暖房装置に搭載されたコンピュータで実行する凍結防止制御プログラムであって、外気温度を表す温度情報を取得する機能と、熱媒温度を表す温度情報を取得する機能と、外気温度が凍結防止温度以下であり、熱媒温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を貯留手段から循環路に循環させる制御機能とを含む構成である。
【0015】
斯かる構成によれば、外気の温度情報、貯留手段にある熱媒の温度情報に応じて、貯留手段の熱媒を循環路に循環させる制御を行うことができ、斯かる制御により熱媒の凍結予防を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明した本発明の熱源装置、暖房装置、その凍結防止制御方法又は凍結防止制御プログラムによれば、次の何れかの効果を得ることができる。
【0017】
(1) 太陽熱を熱媒に熱交換し、貯留手段に貯留した熱媒を凍結予防に利用でき、燃焼熱を削減できるので、燃料消費量を抑制できる。
【0018】
(2) 凍結予防運転を開始する条件である熱媒温度を低く設定しても、熱媒を循環させるので、貯留手段及び循環路内の熱媒の凍結を防止できる。
【0019】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る暖房・給湯・追焚装置の一例を示す図である。
【図2】太陽熱の集熱部、水位検出部及び貯湯タンクの一例を示す図である。
【図3】制御装置及びリモコン装置の一例を示す図である。
【図4】凍結防止動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】凍結防止動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】貯湯タンクにある温水循環の一例を示す図である。
【図7】燃焼熱を用いた温水循環の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図1を参照する。図1は暖房・給湯・追焚装置の一例を示している。
【0022】
この暖房・給湯・追焚装置2は、本発明の熱源装置又は暖房装置の一例であって、外気温度が凍結予想温度に低下した際に熱媒循環により凍結防止を図る。太陽熱を熱媒に熱交換して蓄熱し、その熱を暖房、給湯、浴槽水追焚き、凍結防止に利用する。
【0023】
この暖房・給湯・追焚装置2は、図1に示すように、貯湯タンク4と、太陽熱の集熱回路6と、温水HM1を循環させる循環路8とを備えている。
【0024】
貯湯タンク4は、第1の熱媒体として温水HM1を溜める貯留手段の一例であるとともに、温水HM1を以て蓄熱する蓄熱手段の一例でもある。この貯湯タンク4は通気管11に接続されて大気に開放されている。
【0025】
集熱回路6は、太陽熱を熱源とする集熱手段の一例であって、第2の熱媒体として温水HM2を循環させ、太陽熱を温水HM1に熱交換する手段の一例である。この集熱回路6には、集熱パネル10、熱交換部としての太陽熱用熱交換器12、集熱ポンプ14、ソーラー切替弁16、バイパス路18が備えられている。集熱パネル10は、太陽熱を集熱し、その熱を温水HM2に熱交換する熱交換手段の一例である。集熱パネル10に代え、燃焼熱や排熱を利用した熱源を用いてもよい。太陽熱用熱交換器12は、温水HM2の熱を温水HM1に熱交換する手段の一例である。集熱ポンプ14は、温水HM2に太陽熱を熱交換する際や、温水HM2を温水HM1に熱交換する際に用いられる温水圧送手段の一例である。バイパス路18はソーラー切替弁16を介して集熱回路6を分岐させる太陽熱用熱交換器12の側路であって、温水HM2の温度が低い場合に温水HM2を循環させる。集熱パネル10の入側には温度センサ20、集熱パネル10の出側には温度センサ22が設置され、温度センサ20の検出温度T1が太陽熱用熱交換器12による温水HM2の熱交換前の温度、温度センサ22の検出温度T2が熱交換後の温水HM2の温度であり、これらの検出温度T1、T2がソーラー切替弁16の切替えによるバイパス路18の開閉や集熱ポンプ14の制御に用いられる。
【0026】
循環路8は、分流路24と、循環ポンプ26と、温水HM1を加熱するための一次熱交換器28と、二次熱交換器30とを備えている。この循環路8には、温水HM1の熱を利用する手段として低温暖房回路32、高温暖房回路34、給湯回路36、追焚回路38が接続されている。
【0027】
分流路24は、貯湯タンク4の入側と出側との間の循環路8に連結された管路であって、貯湯タンク4の入側の温水HM1を分流して貯湯タンク4の出側の温水HM1に合流させる手段の一例である。
【0028】
循環路8と分流路24との分岐点には貯湯タンク切替弁40が設置されているとともに、バイパス路41が形成されている。貯湯タンク切替弁40は、貯湯タンク4側に流れる温水流量と、分流路24に流れる温水流量とに分配する流量分配手段の一例である。バイパス路41は、貯湯タンク切替弁40の切替えに無関係に循環路8を連通させ、温水HM1の循環を可能にする手段の一例である。貯湯タンク切替弁40の入側の循環路8には温度センサ42、貯湯タンク4の入側の循環路8には開閉弁43、貯湯タンク4の出側近傍には温度センサ44が設置されている。開閉弁43は、循環路8を貯湯タンク4の入側で開閉する手段である。温度センサ42、44の検出温度T3、T4は貯湯タンク4側に流れる温水流量と、分流路24に流れる温水流量との分配比率の設定や制御に用いられる。温度センサ44は熱媒である温水HM1の温度を検出する温度検出手段、温度センサ42は負荷側から循環路8に戻る温水HM1の温度を検出する温度検出手段である。貯湯タンク4の出側の循環路8と分流路24との合流点には気液分離部45が設置されている。気液分離部45は、温水HM1から空気を分離する手段である。貯湯タンク4の入側の近傍にある循環路8には排水管51が接続され、この排水管51には排水バルブ53が設置されている。この排水バルブ53は、通常時には閉じられ、温水HM1を排水する際に開かれる。温度センサ42、44、48、50の何れか又は2以上は、請求項1の第2の温度検出手段の一例である。
【0029】
循環ポンプ26は、温水HM1の圧送手段の一例であって、温水HM1の熱利用や一次及び二次熱交換器28、30による加熱の際等に駆動され、循環路8に温水HM1を循環させる。
【0030】
一次熱交換器28は、燃料ガスの燃焼手段の一例として設置されたバーナ46の燃焼排気から主として顕熱を温水HM1に熱交換する第1の熱交換手段である。二次熱交換器30は、バーナ46の燃焼排気から主として潜熱を温水HM1に熱交換する第2の熱交換手段であって、温水HM1の予備加熱に用いられる。一次熱交換器28の出側の循環路8には温度センサ48、二次熱交換器30の出側の循環路8には温度センサ50が設置され、これらの検出温度T5、T6がバーナ46の燃焼制御に用いられる。
【0031】
低温暖房回路32は、循環路8の二次熱交換器30の出側と貯湯タンク切替弁40の入側とから分岐され、低温暖房器52に低温側の温水HM1を循環させる管路である。低温暖房器52は、温水HM1の第1の放熱負荷又は放熱手段の一例であって、例えば、床暖房器である。
【0032】
高温暖房回路34は、循環路8の一次熱交換器28の出側と貯湯タンク切替弁40の入側とから分岐され、高温暖房器54に高温側の温水HM1を循環させる管路である。高温暖房器54は、温水HM1の第2の放熱負荷又は放熱手段の一例であって、例えば、温風暖房器である。
【0033】
給湯回路36は給水Wを温水HM1で加熱して温水HWとして出湯する管路であって、この実施の形態では、給湯用熱交換器56と、二次熱交換器58と、バイパス路60とを備える。
【0034】
給湯用熱交換器56は、温水HM1の熱を給水Wに熱交換する給湯用熱交換手段の一例であって、給湯用熱交換器56には例えば、プレート熱交換器が用いられる。この給湯用熱交換器56には、給水側に上水圧が作用している。この給湯用熱交換器56は、循環路8に高温分配弁62を介して分岐された循環路8Aに設置され、循環路8Aを通して温水HM1が循環する。この給湯用熱交換器56に穿孔による水漏れが生じた場合には、上水圧が温水HM1の圧力に打ち勝って温水HM1側に侵入し、貯湯タンク4の水位を上昇させることになる。
【0035】
二次熱交換器58は、既述のバーナ46の燃焼排気から主として潜熱を給水Wに熱交換する手段であって、給水Wが常温の上水であれば、効率よく潜熱を給水Wに熱交換することができる。この予備加熱された給水Wには、給湯用熱交換器56により温水HM1の熱が熱交換され、高温の温水HWが得られる。バイパス路60は、この温水HWに上水Wをミキシングする手段であって、図示しないミキシング弁を用いて高温の温水HWを適温化することができる。給湯回路36の上水Wの入側には温度センサ64、温水HWの出湯側には温度センサ66が設置され、これらの検出温度T7、T8等が出湯温度の制御としてバーナ46の燃焼制御やバイパス路60側への給水Wとのミキシング比率の制御に用いられる。
【0036】
追焚回路38は、温水HM1の熱を浴槽68にある浴槽水BWに熱交換し、浴槽水BWを入浴に適する温度に昇温する手段の一例である。この追焚回路38は追焚用熱交換器70と、追焚ポンプ72とを備える。追焚用熱交換器70は、温水HM1の熱を浴槽水BWに熱交換する熱交換手段の一例であって、循環路8に高温分配弁62を介して分岐された循環路8Bに設置され、循環路8Bを通して温水HM1が循環する。追焚ポンプ72は、追焚時、浴槽水BWを浴槽68から追焚用熱交換器70を通して浴槽68に循環させる手段である。追焚回路38の浴槽68の出側には温度センサ74が設置され、その検出温度T9が追焚制御に用いられる。
【0037】
この追焚回路38と給湯回路36との間には注湯回路76が接続され、この注湯回路76は、注湯電磁弁78を介して給湯回路36と追焚回路38とを連結している。注湯電磁弁78は、上水W側と浴槽水BWとを絶縁する手段の一例である。
【0038】
循環路8の設置エリアには温度センサ80が設置され、この温度センサ80によって外気温度T10が検出される。この温度センサ80は、請求項1の第1の温度検出手段に対応する。
【0039】
これら検出温度T1〜T10は制御情報として制御装置82(図3)に取り込まれ、集熱ポンプ14、循環ポンプ26、追焚ポンプ72の駆動やバーナ46の燃焼が制御装置82(図3)の駆動出力によって制御される。
【0040】
次に、集熱回路6及び循環路8について、図2を参照する。図2は貯湯タンク部分の循環路及び集熱回路の詳細を示している。図2において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0041】
循環路8は貯湯タンク4を含んで形成され、貯湯タンク4の底部側に入側、貯湯タンク4の上部側に出側が接続され、温水HM1を底部側より貯湯タンク4に戻し、貯湯タンク4の上部側から流出させる。
【0042】
貯湯タンク4には、温水HM1の水位確認手段として水位確認タンク5が連通管路7により接続され、水位確認タンク5及び貯湯タンク4は通気管11に連結されて大気に開放されている。貯湯タンク4の温水HM1は連通管路7を通じて水位確認タンク5に流れ込み、水位確認タンク5内の水位は貯湯タンク4の温水HM1の水位と同一レベルを呈する。
【0043】
この水位確認タンク5には補給水を流し込む補給管路13が接続され、この補給管路13は上水管路に接続されている。この補給管路13には補給水電磁弁17が設置され、この補給水電磁弁17によって補給水の供給が制御される。補給水には上水Wが用いられる。
【0044】
水位確認タンク5には、底部に連通管路7、天井部に補給管路13及び通気管11が接続されているとともに、オーバーフローパイプ19が接続されている。オーバーフローパイプ19は、水位確認タンク5の温水HM1の上限レベルULに設定され、温水HM1が上限レベルULを超えた際に温水HM1を流出させる。
【0045】
この水位確認タンク5には温水HM1の水位を検出する手段の一例である水位センサ9が設置されている。この水位センサ9には検出電極9A、9B、9Cと共通電極9Dが備えられ、温水HM1の接触により温水HM1の水位を検出することができ、温水HM1が検出電極9Aのみに触れる範囲にあれば低レベルLL、検出電極9A、9Bに触れる範囲にあれば高レベルHL、検出電極9A、9B、9Cに触れる範囲にあれば上限レベルULを検出できる。
【0046】
そこで、温水HM1が低レベルLLを下回ると、補給モードとなり、補給水電磁弁17を開いて上水Wが高レベルHLに到達するまで補給される。通常状態では、温水HM1が低レベルLLから高レベルHLの範囲に制御される。また、温水HM1が上限レベルULに到達すると、水位センサ9の上限レベルULの検出出力により、異常レベルと判定する。この判定動作は制御装置82のCPU84(図3)等により実行される。
【0047】
また、貯湯タンク4の出側には循環路8の近傍に温度センサ44が設置され、出側の温水HM1の温度が温度センサ44で検出される。この実施の形態の場合、太陽熱用熱交換器12の近傍にも温度センサ49が設置されている。この温度センサ49で熱交換温度が検出される。
【0048】
集熱回路6には、プレッシャータンク21及びリザーブタンク23が備えられている。プレッシャータンク21は集熱回路6に流れる温水HM2の圧力緩衝であるとともに、リザーブタンク23と連結部25により結合されている。この連結部25を通じ、集熱回路6から温水HM2をリザーブタンク23側に逃し、温水HM2が不足すれば、リザーブタンク23にある温水HM2をプレッシャータンク21に引き込み、集熱回路6に補給する。
【0049】
次に、制御装置82について、図3を参照する。図3は制御装置の一例を示している。図3に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図3において、図1、図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0050】
この制御装置82は、コンピュータによって構成されており、CPU(Central Processing Unit )84、ROM(Read-Only Memory)86、RAM(Random-Access Memory)88、タイマ90、カウンタ92等を備える。CPU84はROM86にある制御プログラムを実行し、検出温度等を制御情報に用いてその演算等の処理により、制御出力を発生する。RAM88はプログラムの実行エリアを構成する。タイマ90は計時手段の一例であって、レベル検出時間帯、レベル検出の間隔等の時間制御のための時間情報を生成する。カウンタ92は、計数可能な検出情報を計数し、また、アナログ情報であってもディジタル化された情報を計数する。
【0051】
この制御装置82にはリモコン装置94が有線又は無線により接続されている。リモコン装置94は、ユーザの操作装置であって、制御部96と、操作部98と、表示部100とを備え、ユーザの生活エリアに設置される。
【0052】
制御部96は、操作部98からの操作入力を受け、その操作能力に基づく制御情報を制御装置82に通知する。操作部98はキーボードやタッチセンサ等で構成される。制御部96はコンピュータによって構成されており、CPU102、ROM104、RAM106等を備える。CPU102はROM104にある制御プログラムを実行し、制御出力を発生する。RAM106はプログラムの実行エリアを構成する。この制御部96は制御装置82と連係し、制御装置82に対する制御命令を出力し、制御装置82からの出力情報を受け、制御状態等を表す提示出力を表示部100に提供する。
【0053】
表示部100は制御部96の表示制御に基づき、制御部96から提供される提示出力に基づく視認可能な表示を行う。
【0054】
次に、この暖房・給湯・追焚装置2について、温水HM1を加熱のための集熱動作、温水HM1を利用する低温暖房動作、高温暖房動作、給湯動作、浴槽注湯動作、浴槽水追焚動作及び凍結防止動作を説明する。
【0055】
(1) 太陽熱集熱動作
【0056】
太陽熱による温水HM2の温度上昇は、日射量に関係し、その試験結果によれば、冬季でも約30〔℃〕の上昇が期待できることが確認されている。季節にかかわらず、貯湯タンク4の温水温度は約30〔℃〕であるため、太陽熱用熱媒である温水HM2と熱交換する太陽熱用熱交換器12を備える貯湯タンク4では、冬期でも30〔℃〕の温度上昇があり、貯湯タンク4の温水温度は30〔℃〕+30〔℃〕で約60〔℃〕に上昇させることができる。この場合、既述の低温暖房器52の要求温度が例えば、60〔℃〕であれば、貯湯タンク4に蓄えられた温水HM1の熱を低温暖房器52の放熱に利用できる。夏期であれば、これ以上の熱利用ができることは勿論である。
【0057】
この集熱回路6に利用できる太陽熱について、季節により日の出、日の入り時刻が変わり、日射のある時間帯も変化する。季節(夏季・冬季・中間期)により集熱ポンプ14の運転開始時刻及び停止時刻をリモコン装置94を通して制御装置82に設定する。季節の判断は、温度センサ80の検出温度T10を用いればよい。
【0058】
そこで、設定時刻が集熱ポンプ14の運転開始時刻になると集熱ポンプ14を運転する。温水HM2が集熱回路6に循環し、温度センサ20が集熱パネル10に入る温水HM2の温度を検出する。集熱パネル10は温水HM2を太陽熱で加熱する手段であるから、日射があれば、集熱パネル10を通過した温水HM2の検出温度T2が上昇する。そこで、T2>T1であれば、太陽熱の集熱有りと判断し、集熱ポンプ14の運転を継続する。これに対し、T2≦T1であれば、集熱パネル10を通過した温水HM2の温度が低下したのであるから、太陽熱の集熱無しと判断し、集熱ポンプ14の運転を停止し、集熱動作を終了する。
【0059】
この場合、集熱パネル10においては温度上昇(T2>T1)があれば、その検出温度T2が温度センサ44の検出温度T4より低い場合(T2<T4)には、貯湯タンク4の温水HM1の熱が温水HM2に奪われることになり、熱損失を来す。これを防止するため、ソーラー切替弁16をバイパス路18側に切り替えて循環させる。この循環は、T2>T4になるまで継続し、T2>T4になれば、ソーラー切替弁16を太陽熱用熱交換器12側に切り替え、温水HM2の熱を貯湯タンク4内の温水HM1に熱交換を行う。そして、設定時刻が集熱ポンプ10の停止時刻になれば、集熱ポンプ10の運転を停止する。
【0060】
この結果、太陽熱の集熱を温水HM2に行い、その温水HM2の熱を温水HM1に熱交換することにより、貯湯タンク4に温水HM1を通じて蓄熱することができる。
【0061】
(2) 低温暖房動作
【0062】
この低温暖房動作では、低温暖房器52に循環させて低温化した温水HM1に貯湯タンク4にある高温の温水HM1を混合し、低温暖房器52に要求温度の温水HM1を循環させる。
【0063】
(3) 高温暖房動作
【0064】
高温暖房器54から運転信号が制御装置82に入力されると、循環ポンプ26の運転を開始する。温度センサ42の検出温度T3と温度センサ44の検出温度T4とを比較し、T4>T3の場合、貯湯タンク切替弁40を貯湯タンク4側を開状態にする。貯湯タンク4の温水HM1は、循環ポンプ26から二次熱交換器30、一次熱交換器28に送り込まれる。一次熱交換器28の出側にある温度センサ48の検出温度T5が放熱暖房に適する一定温度として例えば、80〔℃〕になるようにバーナ46の燃焼を制御する。なお、貯湯タンク4の温水HM1が放熱暖房に適する一定温度である例えば、80〔℃〕であれば、一次熱交換器28による加熱は行わない。
【0065】
高温化された温水HM1は、高温暖房器54に流れ、放熱を行う。この場合、循環路8、高温分配弁62に流れた温水HM1は循環路8Aに分流されて給湯用熱交換器56を通り、高温暖房器54からの戻り温水HM1と合流し、貯湯タンク4に至る。この場合、循環路8Aで形成された給湯用熱交換器56の回路は高温暖房器54が運転可能になるまでの循環回路及び給湯要求の際に即応可能な給湯用加熱路として使用される。
【0066】
高温暖房器54を通過して熱が奪われた温水HM1と、給湯用熱交換器56からの戻り温水HM1とが混合されるが、この混合温水HM1は温度センサ42で検出される。この温度センサ42の検出温度T3は、貯湯タンク4の出側にある温度センサ44の検出温度T4と比較される。T4<T3であれば、貯湯タンク切替弁40の開度は貯湯タンク4側から分流路24側へ切り替えられ、貯湯タンク4の温水HM1の使用を停止する。即ち、温水HM1による蓄熱を行い、その節減を図る。
【0067】
(4) 給湯動作
【0068】
給水口から暖房・給湯・追焚装置2に入った給水Wは、温度センサ64、水量センサ、水制御弁等を経てバイパス路60の分岐点に至る。バイパス路60側に流れる給水Wはミキシングのために温水HWに混合される。また、二次熱交換器58を経て給湯用熱交換器56に流れた給水Wは、給湯用熱交換器56で温水HM1の熱と熱交換が行われ、温水HWとなってバイパス路60の分岐点に設置されているミキシング弁を通過する。ミキシング弁の開度は、温度センサ66の検出温度T8が設定温度になるように調整され、給湯用熱交換器56により加熱された高温の温水HWが給水Wと混合されて設定温度に調整され、出湯口から出湯される。
【0069】
温水HM1の循環動作では、給湯回路36にある水量センサが流水を感知すると、循環ポンプ26が運転を開始する。温度センサ42の検出温度T3と温度センサ44の検出温度T4とが比較される。T4>T3の場合には、貯湯タンク切替弁40を貯湯タンク4側を開状態にする。貯湯タンク4の温水HM1は、循環ポンプ26に吸い込まれ、二次熱交換器30及び一次熱交換器28に送り込まれる。これら一次熱交換器28及び二次熱交換器30を通過した温水HM1の温度は温度センサ48で検出され、その検出温度T5が一定の温度として例えば、80〔℃〕になるように、バーナ46の燃焼制御が行われる。なお、貯湯タンク4の温水HM1がその一定温度である例えば、80〔℃〕であれば、バーナ46による加熱は行わない。
【0070】
一定温度例えば、80〔℃〕の温水HM1は給湯用熱交換器56で給水W側との熱交換を行う。例えば、給湯能力を24号とした場合、その熱量は41.86〔kW〕(36,000〔kcal/h〕)である。貯湯タンク4の温水温度が80〔℃〕で循環ポンプ26の循環量が約12〔リットル/min〕であれば、貯湯タンク4に戻る温水HM1の温度が約30〔℃〕で、貯湯タンク4の温水HM1の全てを給湯熱交換に使用したとすれば、貯湯タンク4内の温水温度は約30〔℃〕となる。給湯号数が減少すれば、貯湯タンク4に戻る温水HM1の温度低下が少なく、貯湯タンク4の温水温度は、常に30〔℃〕以上となる。
【0071】
また、給湯用熱交換器56で熱を奪われた温水HM1の検出温度T3と温度センサ44の検出温度T4とを比較する。T4<T3であれば、貯湯タンク切替弁40を貯湯タンク4側から分流路24側へ切り替え、貯湯タンク4の温水HM1を使用しない。これにより、貯湯タンク4の温水HM1の使用による熱損失が抑制される。
【0072】
(5) 浴槽注湯動作
【0073】
給湯時、注湯電磁弁78を開くと、給湯回路36が追焚回路38に連結され、給湯回路36から分岐された注湯回路76に流れる温水HWが追焚用熱交換器70を経て浴槽68に注湯される。この場合、追焚ポンプ72は使用しない。給水Wが上水であれば、十分な水圧があるので、温水HWはその水圧を利用して浴槽68に注湯される。
【0074】
(6) 浴槽水追焚動作
【0075】
リモコン装置94から追焚運転信号が制御装置82に入力されると、追焚ポンプ72の運転を開始させる。これにより、浴槽水BWは、追焚回路38に循環され、追焚用熱交換器70で温水HM1の熱が熱交換され、加熱される。温度センサ74の検出温度T9が設定温度に達すれば、追焚運転を終了し、追焚ポンプ72の運転を停止させる。
【0076】
この場合、追焚運転信号が制御装置82に入力されると、循環ポンプ26の運転を開始する。温度センサ42の検出温度T3と温度センサ44の検出温度T4とが比較され、T4>T3であれば、貯湯タンク切替弁40を貯湯タンク4側に切り替える。貯湯タンク4の温水HM1は、循環ポンプ26に吸い込まれ、二次熱交換器30及び一次熱交換器28に送り込まれる。これら一次熱交換器28及び二次熱交換器30を通過した温水HM1の温度は温度センサ48で検出され、その検出温度T5が一定の温度として例えば、80〔℃〕になるように、バーナ46の燃焼制御が行われる。なお、貯湯タンク4の温水HM1がその一定温度である例えば、80〔℃〕であれば、バーナ46による加熱は行わない。
【0077】
高温分配弁62を循環路8B側にも開き、循環路8B側に温水HM1を流し、追焚回路38と循環路8Bとの間で温水HM1の熱を浴槽水BWに熱交換する。この場合、高温分配弁62は給湯用熱交換器56側にも温水HM1を流す。追焚用熱交換器70で浴槽水BWに熱を奪われた温水HM1は、循環路8Aにある給湯用熱交換器56を通過した温水HM1と合流し、貯湯タンク4に戻される。高温分配弁62から給湯用熱交換器56を通る循環路8Aは、給湯要求の際に即応可能な給湯用回路として使用する。
【0078】
追焚用熱交換器70で熱を奪われた温水HM1は、給湯用熱交換器56を通過した温水HM1と混合され、その混合温水HM1の検出温度T3と検出温度T4とを比較し、T4<T3であれば、貯湯タンク切替弁40を貯湯タンク4側から分流路24側へ切り替え、貯湯タンク4の温水HM1を使用しない。即ち、温水HM1による蓄熱を行い、その節減を図る。
【0079】
(7) 凍結防止動作
【0080】
この凍結防止動作について、図4、図5、図6及び図7を参照する。図4及び図5は凍結防止動作の処理手順の一例を示し、図6は貯湯タンクにある温水循環、図7は燃焼熱を用いた温水循環の一例を示している。図4及び図5において、a、b、c、dはフローチャート間の結合部分である。図6及び図7において、図1、図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0081】
この処理手順は、既述の暖房・給湯・追焚装置2の凍結防止動作の手順であるとともに、本発明の凍結防止制御方法及び凍結防止制御プログラムの一例であって、温水HM1の温度が高い場合と低い場合の処理を含んでいる。
【0082】
この処理手順は、図4に示すように、温度センサ80の検出温度が一定温度以下であるか否か即ち外気温の推移を監視し、この実施の形態では、外気温が3〔℃〕未満であるか否かを判定する(ステップS101)。外気温が3〔℃〕未満であれば(ステップS101のYES)、この外気温の検出温度をデータ記憶手段の一例であるRAM88に記憶し(ステップS102)、循環ポンプ26を駆動する(ステップS103)。これにより循環する温水HM1の温度を例えば温度センサ44で検出し、この検出温度T4が所定温度として例えば、25〔℃〕未満か否かを判定する(ステップS104)。
【0083】
検出温度T4が25〔℃〕以上であれば、凍結予防に必要な温水HM1が貯湯タンク4に存在し(ステップS104のNO)、25〔℃〕未満であれば、凍結予防に必要な温水HM1が貯湯タンク4に存在しない(ステップS104YES)と判断する。なお、凍結防止動作の間、貯湯タンク切替弁40は循環路8側に切り替え、貯湯タンク4への循環はバイパス路41を通じ、開閉弁43の開閉により制御される。
【0084】
ア) 温水HM1の利用
【0085】
温水HM1が25〔℃〕以上であれば(ステップS104のNO)、燃焼熱は不要であり、温水HM1の循環で凍結防止動作を行い、4分タイマをクリア(ステップS105)、開閉弁43を開(ステップS106)、貯湯タンク切替弁40を循環側に切替える(ステップS107)。これにより、貯湯タンク4にある温水HM1の循環路8への循環が可能となる。この実施の形態では、4分タイマは、凍結予防のための温水循環時間として一定時間例えば、4〔分〕を設定する手段の一例である。
【0086】
この切替え操作のため、所定時間例えば、15〔秒〕の経過を待ち(ステップS108)、所定時間例えば、4〔分〕経過前であるか否かを判定し(ステップS109:図5)、4〔分〕経過前であれば(ステップS109のYES)、開閉弁43を開(ステップS110)、貯湯タンク切替弁40を循環路8側に維持し(ステップS111)、温度センサ42の検出温度T3により、温水HM1が25〔℃〕以上であるかを確認する(ステップS112)。この場合、4〔分〕が経過していれば(ステップS109のNO)、ステップS117に移行する。
【0087】
温水HM1が25〔℃〕以上でなければ(ステップS112のNO)、ステップS109に戻り、温水HM1が25〔℃〕以上であれば(ステップS112のYES))、貯湯タンク切替弁40を循環側(ステップS113)、開閉弁43を閉に切り替える(ステップS114)。各温度センサ42、48、50の検出温度T3、T5、T6が所定温度例えば、20〔℃〕以上であるかを判定し(ステップS115)、これら全てが20〔℃〕以上でなければ(ステップS115のNO)、ステップS109に戻り、ステップS109〜ステップS115の処理を再度実行する。
【0088】
また、これらの検出温度T3、T5、T6が20〔℃〕以上であれば(ステップS115のYES)、所定時間である既述の4〔分〕が経過したかを判定し(ステップS116)、4〔分〕が経過していなければ(ステップS116のNO)、ステップS113に戻る。4〔分〕が経過していれば(ステップS116のYES)、循環ポンプ26の動作を停止し(ステップS117)、循環ポンプ26に設定された一定の動作停止時間が経過したか否かを判定し(ステップS118)、動作停止時間が経過していれば(ステップS118のYES)、ステップS101(図4)に戻る。また、動作停止時間が経過していなければ(ステップS118のNO)、温度低下を判定し(ステップS119)、温度低下がなければ(ステップS119のNO)、ステップS118に戻り、温度低下があれば(ステップS119のYES)、ステップS101に戻る。
【0089】
このように、外気温度が凍結予想温度例えば、3〔℃〕以下に低下し、貯湯タンク4にある温水HM1が所定温度以上であれば、図6に示すように、循環路8に温水HM1を循環させ、循環路8、熱交換器56を介して給湯回路36、熱交換器70を介して追焚回路38を保温し、凍結を防止できる。
【0090】
イ) 燃焼熱の利用
【0091】
また、温度センサ44の検出温度T4が25〔℃〕未満(T4<25〔℃〕)であれば(ステップS104のYES)、開閉弁43を開(ステップS120)、貯湯タンク切替弁40を循環路8側に切り替える(ステップS121)。これにより、バーナ46の燃焼許可(高温例えば、60〔℃〕設定)(ステップS122)となる。そこで、各温度センサ44、49の検出温度T4、T11が一定温度例えば、9〔℃〕以上であるか、かつ、所定時間例えば、15〔秒〕経過したかを判定し(ステップS123)、各温度センサ44、49の検出温度T4、T11が9〔℃〕以上でなければ、又は15〔秒〕経過していなければ(ステップS123のNO)、ステップS120に戻り、各温度センサ44、49の検出温度T4、T11が9〔℃〕以上、かつ、15〔秒〕経過していれば(ステップS123のYES)、燃焼許可(高温例えば、60〔℃〕設定)(ステップS124:図5)となる。貯湯タンク切替弁40を循環路8側にし(ステップS125)、開閉弁43を閉(ステップS126)、温度センサ42の検出温度T3即ち、温水HM1が25〔℃〕以上であるかを確認する(ステップS127)。温水HM1が25〔℃〕以上でなければ(ステップS127のNO)、ステップS124に戻り、温水HM1が25〔℃〕以上であれば(ステップS127のYES)、燃焼禁止とする(ステップS128)。
【0092】
そして、4〔分〕タイマをクリアとし(ステップS129)、4〔分〕経過を確認し(ステップS130)、4〔分〕が経過していれば(ステップS130のYES)、温度センサ42の検出温度T3が一定温度例えば、5〔℃〕以上かを確認する(ステップS131)。5〔℃〕以上でなければ(ステップS131のNO)、ステップS120に戻り、また、5〔℃〕以上であれば(ステップS131のYES)、温度センサ42、48、50の検出温度T3、T5、T6が所定温度例えば、20〔℃〕以上であるかを判定し(ステップS132)、これら全てが20〔℃〕以上でなければ(ステップS132のNO)、ステップS124に戻り、ステップS124〜ステップS132の処理を再度実行する。
【0093】
また、これらの検出温度T3、T5、T6が20〔℃〕以上であれば(ステップS132のYES)、循環ポンプ26の動作の停止(ステップS117)に移行する。
【0094】
このように、外気温度が凍結予想温度例えば、3〔℃〕以下に低下し、貯湯タンク4にある温水HM1が所定温度未満であれば、図7に示すように、バーナ46による燃焼熱を熱交換器28で熱交換した温水HM1を循環路8に循環させ、循環路8、熱交換器56を介して給湯回路36、熱交換器70を介して追焚回路38を保温し、凍結を防止できる。
【0095】
上記実施の形態の利点や効果は以下の通りである。
【0096】
(1) 熱媒等の凍結予防運転に燃焼熱を熱媒に熱交換して循環させると、燃料ガス等の燃料を消費し不経済であるが、上記実施の形態では斯かる課題を解決することができる。燃料ガスの消費等、燃料消費量を抑制できる。
【0097】
(2) 暖房回路32、34を接続した循環路8に貯湯タンク4が接続されているため、太陽熱で温められた温水HM1を循環路8に循環させ、燃料ガスを燃焼せずに凍結予防をすることができる。
【0098】
(3) 貯湯タンク4に温水HM1があっても、凍結予防に必要な熱量がない場合即ち、温水HM1の温度が低い場合には、貯湯タンク4の温水HM1を利用しない回路に切り替え、燃焼熱で加熱した温水HM1に熱交換する。この場合、貯湯タンク4の温水HM1の凍結を予防するため、一定時間だけ、貯湯タンク4側に加熱した温水HM1を循環させる回路に切替え、その温水HM1を循環する制御を行う。斯かる構成によれば、貯湯タンク4の温水温度が低い場合、貯湯タンク4の凍結予防を行うことができる。
【0099】
〔他の実施の形態〕
【0100】
(1) 上記実施の形態では、高温水分配式の暖房給湯用熱源機の暖房回路に集熱回路6を接続し、太陽熱を熱源に利用し、太陽熱との熱交換により得られた高温水を給湯、低温暖房にも利用しているが、本発明はこのような熱源に太陽熱を利用するものに限定されない。上記実施の形態は一例であって、太陽熱に代え燃焼熱やエンジンの排熱を熱源に用いてもよい。
【0101】
(2) 上記実施の形態では、熱媒体として温水HM1、HM2を利用したが、温水以外の熱媒流体を用いてもよい。
【0102】
(3) 上記実施の形態では、貯湯タンク4にある温水HM1の温度を検出する温度センサ44を貯湯タンク4外の循環路8側に設置しているが、循環路8への貯湯タンク4内の出口近傍に設置して温水HM1の温度を検出してもよい。
【0103】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、太陽熱や燃焼熱を熱源に用いた給湯装置や、暖房・給湯・追焚装置等の熱源装置に広く利用できる。
【符号の説明】
【0105】
2 暖房・給湯・追焚装置
4 貯湯タンク
6 集熱回路
8 循環路
24 分流路
32 低温暖房回路
40 貯湯タンク切替弁
42、44、48、50 温度センサ
80 温度センサ
82 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える熱源装置であって、
熱媒を溜める貯留手段と、
外気温度を検出する第1の温度検出手段と、
熱媒温度を検出する第2の温度検出手段と、
前記第1の温度検出手段の検出温度が凍結防止温度以下であって、前記第2の温度検出手段の検出温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を前記貯留手段から循環路に循環させる制御手段と、
を備えることを特徴とする熱源装置。
【請求項2】
熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える暖房装置であって、
熱媒を溜める貯留手段と、
外気温度を検出する第1の温度検出手段と、
熱媒温度を検出する第2の温度検出手段と、
前記第1の温度検出手段の検出温度が凍結防止温度以下であり、前記第2の温度検出手段の検出温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を前記貯留手段から循環路に循環させる制御手段と、
を備えることを特徴とする暖房装置。
【請求項3】
熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える熱源装置又は暖房装置の凍結防止制御方法であって、
熱媒を貯留手段に溜めるステップと、
外気温度を検出するステップと、
熱媒温度を検出するステップと、
検出された外気温度が凍結防止温度以下であり、前記貯留手段の熱媒温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を前記貯留手段から循環路に循環させるステップと、
を含むことを特徴とする凍結防止制御方法。
【請求項4】
熱媒を上水に熱交換する熱交換手段を備える熱源装置又は暖房装置に搭載されたコンピュータで実行する凍結防止制御プログラムであって、
外気温度を表す温度情報を取得する機能と、
熱媒温度を表す温度情報を取得する機能と、
外気温度が凍結防止温度以下であり、熱媒温度が所定温度以上である場合、前記熱媒を貯留手段から循環路に循環させる制御機能と、
を前記コンピュータに実行させる凍結防止制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−237083(P2011−237083A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107802(P2010−107802)
【出願日】平成22年5月9日(2010.5.9)
【出願人】(000170130)高木産業株式会社 (87)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】