説明

熱粘着性ラベル及び該ラベルの熱活性化方法並びに熱粘着性ラベルの製造方法

【課題】 各被着体に対する粘着力、特にダンボールに対する粘着力が強く、ディレード時間が長く、かつ耐ブロッキング性が良好な熱粘着性ラベル、感熱記録用熱粘着性ラベル、該熱粘着性ラベルの熱活性化方法、及び該熱粘着ラベルの製造方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に感圧粘着剤層を設け、さらに該感圧粘着剤層の上に、ホットメルト樹脂からなるシール層を設けたことを特徴とする熱粘着性ラベル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は剥離紙の不要な熱粘着性ラベルに関し、特に熱によって粘着性を発現させる剥離紙不要の熱粘着性ラベル、及び該熱粘着性ラベルの熱活性化方法、並びに該熱粘着性ラベルの製造方法関する。
【背景技術】
【0002】
近年、粘着性を有する感熱記録用ラベルはPOS分野を代表として広い分野で使用されているが、このものは通常感圧粘着剤層の上に剥離紙を貼り付けているのが一般的である。しかしながら、このような粘着性を有する感熱記録用ラベルは有用であるものの、その反面多くの欠点を有している。即ち、剥離紙は、ラベルを物品に貼付するときには剥がし、廃棄するものであるため資源の無駄であり、巻装体のスペースの無駄でもあり、それゆえコスト高にも繋がる。またラベルを物品に貼付するとき、剥離紙を剥がす作業は面倒である。
【0003】
これらの問題点を解決するために、剥離紙を使用しない粘着性を有する感熱記録用ラベルがいくつか提案されている。
特開2000−96015号公報(特許文献1)には、ホットメルト型の粘着剤が提案されているが、ホットメルト型粘着剤は、加熱時は粘着性があるが、冷却すると直ぐに固化するため、ディレード性が短く、サーマルヘッド等の短時間での加熱で通常の感圧ラベルのように使用することは難しい。
実開昭59−43979号公報(特許文献2)、実開昭59−46265号公報(特許文献3)、実開昭60−54842号公報(特許文献4)等には、粘着剤をマイクロカプセル化したもの、巻装時保護層を隔離(遮閉乃至シール)するため感熱記録層上に設けられた保護層の上に粘着剤に対する剥離層を設けたもの等、ライナーレスの感熱記録ラベルが提案されている。しかしながら、これら剥離紙を用いない感熱記録用ラベルは粘着力が弱いことや、感熱記録層表面に印刷ができない等の不具合があり、実用に至っていない。
【0004】
また、機能性の粘着剤として、感熱性粘着剤(熱粘着剤)を用いる方法が特開昭63−303387号公報(特許文献5)、実公平5−11573号公報(特許文献6)に提案されているが、これは現行の感熱記録用ラベルに比べ特に粘着性に劣るものである。また、これらの方法で得られる感熱性粘着剤は、紙、PETフィルム等に対する粘着力は比較的良好であるが、食品POS分野で使用される塩ビラップ(PVCラップ)やポリエチレンラップ(PEラップ)等の被着体や物流用途で使用されるダンボールに対しての粘着力が弱く実用レベルに達していない。
【0005】
さらに、感熱記録層を有さない単なる熱粘着性ラベルについては、特開昭63−152686号公報(特許文献7)、特開平6−57226号公報(特許文献8)、特開平6−57233号公報(特許文献9)等で開示されている。この熱粘着性ラベルは、逆に熱時の粘着性が強い材料を用いており、そのため巻装保管時においても保管温度によっては粘着性が一部発現し表裏面がくっつき、ブロッキングが起きる。
このブロッキングを防止するためには粘着性を制御する必要があり、これを解決するため、粘着力と耐ブロッキング性との両立を図るために、粘着剤に適当な樹脂を使用することが提案されているが、未だ粘着力と耐ブロッキング性を完全に両立するには至っておらず、ブロッキングを防ぐと結局粘着性は弱くなり、塩ビラップやポリエチレンラップ、ダンボール等の被着体に対する粘着力と耐ブロッキング性を両立させる熱粘着性ラベルは、単なるラベルでも又感熱記録用ラベルでもいまだ開発されていないのが実情である。
【0006】
さらに、この粘着力とブロッキング性を両立させる技術として、特開平8−41431号公報(特許文献10)、特開2001−66991号公報(特許文献11)には、粘着層上に固体可塑剤層を設けた粘着材料が提案されている。このラベルでは、ダンボールへの粘着が不充分であることや、固体可塑剤が経時で結晶化し、粘着力が経時で低下すること、シール層の機能が充分でなくブロッキングが起こるといった問題がある。
【0007】
特開平9−20079号公報(特許文献12)には巻装時ブロッキング防止の目的で感圧粘着剤層の上に熱により活性化して粘着性を発現する障壁層を設けた感熱記録用ラベルが開示されている。このラベルでは粘着性は感圧粘着剤のため充分強く、更に障壁層自身が熱印加時粘着性を発現するため粘着性は強いが、具体的には常温で固体の可塑剤を含有するため障壁層の機能が充分でなくブロッキングが起こる。そこで耐ブロッキング性を満足させるためには障壁層の厚さを厚くする必要があるが、そうすると、熱印加時の粘着性が不充分となり塩ビラップ、ポリエチレンラップ、ダンボールへの粘着力が不充分となり、耐ブロッキングと粘着力を両立させることが困難である。さらに、障壁層に含まれる固体の可塑剤は、経時で結晶化を起こし、粘着力が低下してくるといった問題がある。特にダンボールへの粘着力の低下が著しい。
また、特開平11−279495号公報(特許文献13)には、固体可塑剤と熱可塑性樹脂からなら感熱性粘着剤層上に熱可塑性樹脂を積層した感熱性粘着シートが開示されている。このものは、感熱性粘着剤層中に固体可塑剤が含まれている為、ダンボールへの粘着が不充分であることや、固体可塑剤が経時で結晶化し、粘着力が経時で低下する問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開2000−96015号公報
【特許文献2】実開昭59−43979号公報
【特許文献3】実開昭59−46265号公報
【特許文献4】実開昭60−54842号公報
【特許文献5】特開昭63−303387号公報
【特許文献6】実公平5−11573号公報
【特許文献7】特開昭63−152686号公報
【特許文献8】特開平6−57226号公報
【特許文献9】特開平6−57233号公報
【特許文献10】特開平8−41431号公報
【特許文献11】特開2001−66991号公報
【特許文献12】特開平9−20079号公報
【特許文献13】特開平11−279495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記のような感熱記録用ラベル又は単なる熱粘着性ラベルの現状に鑑み、支持体の一方の側に感圧粘着剤層及びシール層(遮蔽層)を設け、或いはさらに支持体の他方の側に感熱記録層を設けてなるライナーレスラベルにおいて、各被着体に対する粘着力、特にダンボールに対する粘着力が強く、ディレード時間が長く、かつ耐ブロッキング性が良好な熱粘着性ラベル(感熱記録用の熱粘着性ラベルを含む)を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記熱粘着性ラベルの熱活性化方法、及び該熱粘着性ラベルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、上記課題は本発明の(1)〜(6)によって解決される。
(1)「支持体上に感圧粘着剤層を設け、さらに該感圧粘着剤層の上に、ホットメルト樹脂からなるシール層を設けたことを特徴とする熱粘着性ラベル」;
(2)「前記ホットメルト樹脂が、オレフィン/アクリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)に記載の熱粘着性ラベル」;
(3)「前記シール層の付着量が2〜4g/mであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の熱粘着性ラベル」;
(4)「支持体の、感圧粘着剤層と反対側の面に、感熱記録層を設けたことを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱粘着性ラベル」;
(5)「サーマルヘッドで加熱することを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱粘着性ラベルの熱活性化方法」;
(6)「前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱粘着性ラベルの製造方法であって、前記ホットメルト樹脂からなるシール層を、ホットメルト樹脂のエマルジョン液を塗工・乾燥して形成させることを特徴とする熱粘着性ラベルの製造方法」。
【発明の効果】
【0011】
本発明の熱粘着性ラベルは、支持体上に感圧粘着剤層を設け、さらに該感圧粘着剤層の上に、ホットメルト樹脂からなるシール層を設けたことにより、ダンボール、ラップフィルムに対しての粘着が強く、かつ耐ブロッキング性に優れる熱粘着性ラベルである。
また、本発明の上記熱粘着性ラベルの熱活性化方法は、それに用いる装置が小型で消費電力が小さく優れた方法であり、さらに本発明の上記熱粘着性ラベルの製造方法は優れたラベルが得られ、しかも作業効率にも優れ、感熱記録用の熱粘着性ラベルの製造に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の熱粘着性ラベルは、支持体上に感圧粘着材層、シール層(遮蔽層)を順次積層してなるが、そのシール層はホットメルト樹脂を塗工して形成されるため、非加熱時には、ブロッキングを防ぐことができる。また、加熱時には、粘着性を発現するため、接着力を低下させることがないため、ダンボール、塩ビラップやポリエチレンラップへの粘着力も充分である。加えて保存時には、感圧粘着剤層の保存時の粘着性発現がないため、感熱記録層上への印刷も可能である。
【0013】
本発明の感熱記録用の熱粘着性ラベルは、支持体の表面に無色又は淡色のロイコ染料と顕色剤を主成分とする感熱記録層を設け、一方、支持体の裏面に感圧粘着剤層及びその上に、前記のシール層を順次設けた剥離紙を有さないものである。
【0014】
本発明の熱活性粘着シートにおいて、その熱活性粘着層の粘着性を発現させる加熱手段としては、特に限定されず、熱板、熱風、赤外線、加熱ロール、サーマルヘッドなど、公知のものが使用可能である。
しかしながら、サーマルヘッドは、オンデマンドで発熱制御でき通電と同時に熱活性を行なえるので、エネルギー消費を軽減でき、また効率よく感熱性粘着剤層に熱を伝えられるので、感熱性粘着材料を早い速度で移動させても熱活性化できる等の利点があるため、特に有効である。さらに、サーマルヘッドの中でも、その発熱部をニアエッジ、コーナーエッジあるいは端面に設けたものを用いると、熱活性化された感熱性粘着剤層を構成する成分がサーマルヘッドに転移しにくいので、特に有効である。
熱活性粘着シートは、このような加熱手段で熱活性粘着層を加熱して粘着性を発現させた後、被着体に貼り付けて用いられる。
【0015】
本発明においては、特に塩ビラップやポリエチレンラップ等に対する粘着力が強く、且つ通常ではシール層により表面ベタツキがないため、耐ブロッキング性も改良でき、耐ブロッキング性が強過ぎず、更に感熱記録用の熱粘着性ラベルの場合には感熱記録層表面に耐ブロッキングのための従来のシリコン加工等がないので印刷性も優れる。
【0016】
本発明における感圧粘着剤層で使用される感圧粘着剤としては、この分野で用いられている種々の感圧粘着剤を適宜使用できる。その具体例としては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸エステル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のエマルジョンや、澱粉、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
感圧粘着剤の塗布量は乾燥時基準で5〜35g/mが好ましく、より好ましくは10〜25g/mとするのがよい。
【0017】
本発明でシール層に含有されるホットメルト樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン/アクリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン共重合体等が挙げられる。
本発明のシール層のホットメルト樹脂には、必要に応じて粘着付与剤等の添加剤を添加することができる。
本発明のシール層のホットメルト樹脂の付着量は、2〜4g/mであることが望ましい。これより付着量が少ないと感圧粘着剤のシールが不充分でブロッキングの問題がある。一方、これより付着量が多いと、シール層を加熱したときにシール層の崩壊が不充分で、粘着力が充分に得られないといった問題がある。
【0018】
本発明の熱粘着性ラベルの製造方法としては、ホットメルト樹脂を水中で分散したエマルジョン液をグラビア塗布乾燥して用いることができる。もちろん従来公知のホットメル塗工を用いることもできるが、ホットメルト塗工では、加熱し塗工する必要があり、裏面に感熱記録層を設けた場合には、感熱記録層が発色してしまうので注意が必要である。
本発明の粘着ラベルの活性化方法としては、従来公知のサーマルヘッド、温風、熱ローラ等を用いることができる。中でもサーマルヘッドを用いた活性化方法は、装置が小型で消費電力が小さいといった利点を有する。
【0019】
本発明の感熱記録用の熱粘着性ラベルの感熱記録層において用いるロイコ染料(発色剤)は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱記録材料に適用されている下記のようなものが任意に使用されるが、これだけに限定されるものではない。例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
【0020】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミンフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−〔N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ〕−6−ジエチルアミノフルオラン、2−〔3,6−ビス(ジエチルアミン)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム〕、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3‐ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン等が挙げられる。
【0021】
また、本発明において、感熱記録層で用いる顕色剤としては前記ロイコ染料を熱、溶媒下等で接触させ発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等が適用される。このようなものは従来公知であり、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられるが、これだけに限定されるものではない。
【0022】
4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリ−ブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4−〔β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ〕サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム酸、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2,−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシヤリブチルー2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等が挙げられる。
【0023】
本発明において、感熱記録層で用いる顕色剤は、発色剤1重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量部である。これら発色剤、顕色剤はともに単独もしくは二種以上混合して使用することができる。
【0024】
感熱記録層に用いるバインダー樹脂として好ましいものは分子内に水酸基又はカルボキシル基を有する樹脂である。このような樹脂には、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール類、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は単独又は2種以上混合して適用される。
【0025】
本発明における感熱記録層には必要に応じて補助添加成分として、熱可融性物質を単独又は2種以上併用することができる。熱可融性物質としては、例えば高級脂肪酸又はそのエステル、アミドもしくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、その他熱可融性有機化合物等の50〜200℃程度の融点を持つものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
なお、本発明における感熱記録層を得る場合には、ロイコ染料、顕色剤、バインダー樹脂とともに必要に応じこの種の感熱記録媒体に慣用される添加成分、例えば填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤等を感熱記録層の透明性を損なわない範囲で併用することができる。
【0027】
この場合填料として、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などの有機系の微粉末を挙げることができる。滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などが挙げられる。
【0028】
感熱記録層は発色剤、顕色剤、バインダー樹脂をともに溶剤中に均一に分散もしくは溶解し、これを上質紙やフィルム等からなる支持体上に塗布、乾燥して作成するが、塗工方式は特に限定されない。感熱記録層塗布液の分散粒径は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。感熱記録層の膜厚は感熱記録層の組成や熱粘着性ラベルの用途にもよるが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。
【0029】
本発明の感熱記録層の記録方法は使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、特に限定されない。
【0030】
本発明で使用する支持体は特に限定されず、例えば、紙、布、フィルムの他、透明なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらを貼り合わせた透明フィルム等を使用するのが一般的である。
【0031】
本発明では感熱記録層上に保護層を設けることもできる。本発明で使用する保護層は感熱記録層の透明性、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに対する耐久性、耐腐蝕性、滑性等のいわゆるヘッドマッチング性の向上のため本発明の構成要素として重要である。この保護層には水溶性樹脂や疎水性樹脂を主体として形成された成膜や、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主体として形成された成膜等が包含される。このような樹脂としては水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線硬化樹脂、さらに電子線硬化樹脂が包含される。
【0032】
水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0033】
水性エマルジョン用の樹脂または疎水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0034】
また、これらの樹脂とシリコンセグメントとの共重合体も好ましく用いられる。これらは単独もしくは混合して使用され、更に必要に応じて硬化剤を添加して樹脂を硬化させてもよい。
【0035】
紫外線硬化樹脂は紫外線照射によって重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマーあるいはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。
【0036】
電子線硬化型樹脂も特に種類は限定されないが、特に好ましい電子線硬化樹脂としては、ポリエステルを骨格とする5官能以上の分枝状分子構造を有する電子線硬化樹脂及びシリコン変性電子線硬化樹脂を主成分としたものである。
【0037】
保護層にはヘッドマッチングの向上のために無機及び/又は有機フィラーや滑剤を表面の平滑性を落とさない範囲で添加することができる。フィラーの粒径としては0.3μm以下が好ましい。また、この場合のフィラーとしては好ましくは給油量30ml/100以上、より好ましくは80ml/100g以上のものが選択される。
【0038】
これらの無機及び/又は有機フィラーとしては、この種の感熱記録媒体に慣用される顔料中の一種又は二種以上を選択することができる。その具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂などの有機顔料を挙げることができる。また、滑剤としては感熱記録層の説明で挙げたものが使用できる。
【0039】
保護層の塗工方式は特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層の厚さは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。保護層の厚さが薄すぎると、熱粘着性ラベルの保存性やヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると感熱記録層の熱感度が低下するし、コスト的にも不利である。
【0040】
本発明においては、必要に応じて支持体と感圧粘着剤層との間、及び/又は、支持体と感熱記録層との間に断熱層(アンダー層)が設けられる。この断熱層を設けることによって、サーマルヘッドの熱エネルギーの効率を向上させ、もって熱活性化温度を下げることができる。さらに、感圧粘着剤層の熱活性化時、反対面に感熱記録層を設けた場合は該感熱記録層の発色をブロックすることができる。断熱層は微小中空粒子及びバインダーと共に、必要とあれば顔料、またこの種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、熱可融性物質、フィラー、界面活性剤等を併用することができる。この場合、熱可融性物質の具体例としては、感熱記録層の説明において述べた熱可融性物質と同様のものが用いられる。
【0041】
本発明における微小中空粒子を含有する断熱層で用いる樹脂としては、以下のような化合物が例示されるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。SBR、MBR、NBR等のラテックス及びポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそれらの誘導体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体及びその誘導体等の水溶性高分子樹脂等が挙げられる。
【0042】
また、フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。
【0043】
本発明における断熱層としては熱可塑性樹脂を殻としてなる中空度30%以上の微小中空粒子又はポーラスな顔料を用いた非発泡性断熱層及び発泡性フィラーを用いた発泡性断熱層が挙げられるが、好ましくは非発泡性断熱層である。
【0044】
本発明における断熱層に用いられる熱可塑性樹脂を殻としてなる中空度30%以上の微小中空粒子は、内部に空気その他の気体を含有するもので、既に発泡状態になっている微小中空粒子であり、この個数平均粒子は2.0〜20μmのものが好ましく使用できるが、3〜10μmのものがより好ましい。この個数平均粒子径(粒子外径)が2.0μmよりも小さいものは、任意の中空度にするのが難しい等の生産上の問題があって、コストの面で問題があり、逆に20μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、ドット再現性が悪くなるとともに感度向上効果が低下する。従って、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布スペクトラムの均一なものが望ましい。
【0045】
さらに、本発明において用いるプラスチック球状中空粒子は中空度が30%以上のものが好ましく使用できるが、50%以上がより好ましい。この中空度が30%未満のものは断熱性が不充分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて熱粘着性ラベルの外へ放出され、発色感度向上がなされず、また、光照射による熱変換の熱エネルギーの断熱効果が少なく、感圧粘着剤の活性化の効果が劣り、粘着性の発現が弱まる。
【0046】
なお、ここでいう中空度とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表示されるものである。
【0047】
【数1】

【0048】
本発明で用いる微小中空粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、この熱可塑性樹脂としては、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。また、本発明の断熱層に用いられる他のポーラスな顔料としては、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料やシラス土等の無機顔料等があるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0049】
支持体と感熱記録層との間及び/又は支持体と感圧粘着剤層との間に非発泡性断熱層を設けるには、前記の微小中空粒子を公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーと共に水と分散し、これを支持体表面に塗布し、乾燥することによって得られる。この場合、微小中空粒子の塗布量は、支持体1m当たり少なくとも1g、好ましくは2〜15g程度であり、またバインダー樹脂の塗布量は、非発泡性断熱層を支持体に強く結合させるような量でよく、通常は該微小中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対して2〜50重量%である。
【0050】
本発明において、前記非発泡性断熱層を形成する際に使用されるバインダーとしては、従来公知の水溶性高分子及び/又は水性高分子エマルジョンから適宜選択される。
【0051】
その具体例としては、水溶性高分子として、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルイン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
【0052】
また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
【実施例】
【0053】
次に本発明を実施例により、更に詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%は、いずれも重量基準である。
【0054】
〔実施例1〕
(A液)染料分散液
3−ジベンジルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン 20部
ポリビニルアルコール10%水溶液 20部
水 60部
(B液)顕色剤分散液
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン 10部
ポリビニルアルコール10%水溶液 25部
炭酸カルシウム 15部
水 50部
上記組成からなる混合物を、それぞれ平均粒子径が2.0μm以下となるようにサンドミルを用いて分散して(A液)及び(B液)を調整した。次に(A液)と(B液)の重量比が(A液):(B液)=1:8となるように混合攪拌して感熱記録層形成液(C液)を得た。この感熱記録層形成液(C液)を、乾燥付着量が5g/mとなるように、坪量80g/mの上質紙の表面に塗布乾燥して、感熱記録層を設けた後、更にペック平滑度が600〜700秒になるようにスーパーキャレンダー処理して感熱記録層形成済紙を得た。
【0055】
次にこの感熱記録層形成済紙の裏面に、感圧粘着剤としてポリ酢酸ビニルエマルジョンを、乾燥付着量18g/mになるよう塗布乾燥し、感圧粘着剤層を設けて感圧粘着シートを得た。
オレフィン/アクリル共重合体エマルジョン液(中央理化工業(株)製:商品名リカボンド ET−1000)を、前記感圧粘着シートの感圧粘着剤層上に乾燥付着量が3.2g/mとなるように塗布乾燥してシール層を設け、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0056】
〔実施例2〕
実施例1のオレフィン/アクリル共重合体をエチレン/酢酸ビニル共重合体(中央理化工業(株)製:商品名アクアテックス EC−1200)に代えた以外は実施例1と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0057】
〔実施例3〕
実施例1のオレフィン/アクリル共重合体をオレフィン共重合体(中央理化工業(株)製:商品名アクアテックス EC−3500)に代えた以外は実施例1と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0058】
〔実施例4〕
実施例1のシール層の乾燥付着量を2g/mに代えた以外は実施例1と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0059】
〔実施例5〕
実施例1のシール層の乾燥付着量を4g/mに代えた以外は実施例1と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0060】
〔実施例6〕
実施例1のシール層の乾燥付着量を1.8g/mに代えた以外は実施例1と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0061】
〔実施例7〕
実施例1のシール層の乾燥付着量を4.3g/mに代えた以外は実施例1と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0062】
〔比較例1〕
実施例1の感熱記録層形成済紙の裏面にオレフィン/アクリル共重合体エマルジョン液(中央理化工業(株)製:商品名リカボンド ET−1000)を乾燥付着量が14g/mとなるように塗布乾燥して、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0063】
〔比較例2〕
実施例1のオレフィン/アクリル共重合体を固体可塑剤を使用したディレードタック糊(レヂテックス社製:DT−200)に代えた以外は実施例1と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0064】
〔比較例3〕
(D液)固体可塑剤分散液の調製
固体可塑剤としてフタル酸ジシクロへキシル(融点64℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会社製)2.4部と水を均一に混合して濃度56%としボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液を作製した。
(E液)感熱性粘着剤層塗液の調製
固体可塑剤分散液(D液)を200部に、熱可塑性樹脂として酢酸ビニル/エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス910;ガラス転移温度 −20℃)100部と、粘着付与剤としてロジンエステル分散液(荒川化学工業株式会社製、スーパーエステルE−730)70部とを混合して、固形分濃度50重量%の感熱性粘着剤層塗液を調製した。
実施例1の感熱記録層形成済紙の裏面に、上記方法で作製した感熱性粘着剤層塗液(E液)を25g/mとなるように塗工乾燥し感熱性粘着剤層を形成した。
次に感熱性粘着剤層上に熱可塑性樹脂塗工液(スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン:日本エヌエスシー株式会社製、GD902;ガラス転移温度 40℃)を2g/mとなるように熱可塑性樹脂層を塗工乾燥し、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0065】
〔比較例4〕
比較例3において、感熱性粘着剤層上に熱可塑性樹脂塗工液として、スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョンの代りに実施例1で用いたオレフィン/アクリル共重合体エマルジョンを用いた以外は比較例3と同様にして、ライナーレスの熱粘着性ラベルを得た。
【0066】
続いて、これら実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたサンプル(熱粘着性ラベル)についての評価(粘着性、ブロッキング性)を行った。結果を表1に示す。
【0067】
[粘着性]:
実施例及び比較例で作成したラベルサンプルと、松下電子部品(株)製の薄膜ヘッドを有する感熱印字装置を、常温(20℃、60%RH)にて、1時間以上放置した後、ヘッド電力0.60W/dot、1ライン記録時間10msec/11ine、走査線密度8×7:7dot/mmの条件下で、パルス巾0.5msecで感圧粘着剤層を活性化させ、10秒後にこれを被着体(ダンボール、PEラップ)に貼り付けて直後と1週間後の粘着力を下のようなランクで評価した。
◎:強く粘着している
○:粘着している
△:やや粘着している
×:粘着しない(剥れている)
【0068】
[ブロッキング性]:
同一のラベルサンプルの表面と裏面とを接触させ、2kg/cmの圧カで40℃の条件下で24時間試験した後、室温で放置後、サンプルを剥がし、そのときのブロッキング性を下のようなランクで評価した。
◎:ブロッキング発生なし(ハクリ音なし)
○:ブロッキング発生なし(ハクリ音あり)
△:若干ブロッキング発生
【0069】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に感圧粘着剤層を設け、さらに該感圧粘着剤層の上に、ホットメルト樹脂からなるシール層を設けたことを特徴とする熱粘着性ラベル。
【請求項2】
前記ホットメルト樹脂が、オレフィン/アクリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の熱粘着性ラベル。
【請求項3】
前記シール層の付着量が2〜4g/mであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱粘着性ラベル。
【請求項4】
支持体の、感圧粘着剤層と反対側の面に、感熱記録層を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱粘着性ラベル。
【請求項5】
サーマルヘッドで加熱することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱粘着性ラベルの熱活性化方法。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載の熱粘着性ラベルの製造方法であって、前記ホットメルト樹脂からなるシール層を、ホットメルト樹脂のエマルジョン液を塗工・乾燥して形成させることを特徴とする熱粘着性ラベルの製造方法。

【公開番号】特開2006−84607(P2006−84607A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267812(P2004−267812)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】