説明

燃料セタン価検出方法および装置

【課題】検出機会が多く、しかも容易にセタン価を検出することができる方法および装置を提供する。
【解決手段】排気浄化装置42に導かれる排気を加熱するための排気加熱装置40が排気浄化装置42よりも上流側に配され、この排気加熱装置40が排気通路13に燃料を添加する燃料添加弁と、排気通路13に添加された燃料を加熱して着火させる着火手段とを有する内燃機関10において、着火手段と排気浄化装置42との間の排気通路13に配される着火検出用温度センサー41と、着火手段の出力状態を変更可能な着火手段駆動装置と、着火検出用温度センサー41からの検出情報およびこの時の着火手段の出力状態に基づいて燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定する手段とを具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気温を高めて排気浄化装置の活性化や活性状態を維持する排気加熱装置を利用して燃料のセタン価を検出するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源としての枯渇や市場への安定供給が懸念される化石燃料に代え、再生産可能な植物資源などを原料として製造されるバイオ燃料や、さらにこのバイオ燃料から製造可能なDME(ジメチルエーテル:Dimethyl ether)などを用いることが試みられている。現時点においては、これらDMEやアルコールを化石燃料に対して完全に置換するのではなく、化石燃料に対して一定の割合のアルコールやDMEなどを加えた混合燃料としての利用が一般的である。このような混合燃料を使用する場合、それらの混合割合を知ることは、機関の負荷に応じた適正な量の混合燃料を機関に供給し、この混合燃料の燃焼を適正に行って円滑な機関の運転を制御する上で極めて重要である。
【0003】
例えば、圧縮点火方式の内燃機関における燃料のセタン価は、例えば特許文献1に記載された方法で検出することが可能である。特許文献1においては、エンジンブレーキ作動中のように筒内への燃料の供給が停止される運転状態において、少量の燃料を筒内に噴射し、その着火状態を燃焼圧センサー(筒内圧センサー)からの検出信号に基づいて把握している。そして、筒内での燃料の着火遅れの変化やこの時の燃料の噴射量などに基づいてセタン価を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−309080号公報
【特許文献2】特開2009−156164号公報
【特許文献3】特開2009−209804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された従来のセタン価の検出方法において、着火の有無を検出しようとすると、機関の駆動トルクが比較的大きく変化するため、実際には失火させずに着火遅れの変化で検出する必要がある。しかしながら、セタン価の影響で着火性が変化する運転条件を設定するために外乱となる温度,圧力,酸素濃度などを一定に調整しにくく、特に着火性を大きく左右する圧縮上死点近傍での筒内の温度が困難であり、これを一定に保つことは非常に難しい。このため、セタン価を検出するための機会が得られにくいという欠点がある。
【0006】
また、セタン価を検出しやすくするために燃料の噴射量を増量すると、駆動トルクや燃焼音が大きくなり、乗員の違和感が増大して乗員を不安にさせる可能性がある。このため、燃料の噴射量を少なくして駆動トルクや燃焼音の増大を抑えることが必要であり、結果として安価であるけれども感度が低い温度センサーを利用することができず、高価な燃焼圧センサーが必要となる。
【0007】
本発明の目的は、従来のものよりも検出機会が多く、しかも容易にセタン価を検出することができる方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ところで、内燃機関の始動時に排気浄化装置の活性化を促進させたり、内燃機関の運転中にその活性状態を維持するため、排気浄化装置よりも上流側の排気通路に排気加熱装置を組み込んだ内燃機関が特許文献2や特許文献3に開示されている。この排気加熱装置は、排気中に加熱ガスを生成し、この生成された加熱ガスを下流側の排気浄化装置に供給することにより、排気浄化装置の活性化を促進させたり、活性状態を維持するものである。このため、排気加熱装置は、燃料を排気通路中に添加する燃料添加弁と、この燃料を加熱して着火させることにより、加熱ガスを生成させるグロープラグなどの着火装置とを一般的に有する。さらに、この加熱ガスの昇温を図るために小型の酸化触媒を着火装置よりも下流側排気通路に配したものも知られている。この酸化触媒は、それ自体の発熱機能と低炭素成分への燃料の改質機能とを有するものであるが、排気浄化装置の一部として用いられる酸化触媒とは構成が相違する。
【0009】
本発明は、上述した排気加熱装置を利用して燃料のセタン価を検出することがその特徴である。すなわち、その第1の形態は、排気浄化装置に導かれる排気を加熱するための排気加熱装置が前記排気浄化装置よりも上流側の排気通路に配され、前記排気加熱装置が排気通路に燃料を添加するための燃料添加弁と、この燃料添加弁から排気通路に添加された燃料を加熱して着火させる着火手段とを有する内燃機関において、前記燃料添加弁から排気通路に燃料を添加するステップと、前記着火手段の出力状態を変化させるステップと、前記着火手段の出力状態を変化させた場合の燃料の着火の有無を検出するステップと、前記燃料の着火状態が切り換わった時の前記着火手段の出力状態に基づいて燃料のセタン価を推定するステップとを具えたことを特徴とする内燃機関の燃料セタン価検出方法にある。
【0010】
本発明木第1の形態による内燃機関の燃料セタン価検出方法において、排気浄化装置が活性状態にあるか否かを判定するステップをさらに具えることができる。ここで、排気浄化装置が活性状態にあると判断した場合、着火手段の出力状態を変化させるステップは、着火手段の状態を低出力状態から高出力状態へと増加させる。従って、燃料のセタン価を推定するステップは、燃料が着火し始める時の着火手段の状態を取得すればよい。
【0011】
あるいは、排気浄化装置が非活性状態にあると判断した場合、着火手段の出力状態を変化させるステップは、着火手段の状態を高出力状態から低出力状態へと減少させるものであってよい。この場合、燃料のセタン価を推定するステップは、燃料が着火しなくなり始める時の着火手段の状態を取得すればよい。
【0012】
排気加熱装置が着火した燃料をさらに昇温させるための酸化触媒をさらに有し、この酸化触媒が活性状態にあるか否かを判定するステップをさらに具えることができる。ここで、酸化触媒が非活性状態にあると判断した場合、燃料のセタン価を推定するステップが行われる。
【0013】
本発明の第2の形態は、排気浄化装置に導かれる排気を加熱するための排気加熱装置が前記排気浄化装置よりも上流側の排気通路に配され、前記排気加熱装置が排気通路に燃料を添加するための燃料添加弁と、この燃料添加弁から排気通路に添加された燃料を加熱して着火させる着火手段とを有する内燃機関において、前記着火手段と前記排気浄化装置との間の排気通路に配される着火検出用温度センサーと、前記着火手段の出力状態を変更可能な着火手段駆動装置と、前記着火検出用温度センサーからの検出情報と、この時の前記着火手段駆動装置による前記着火手段の出力状態とに基づいて前記燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定するセタン価推定手段とを具えたことを特徴とする内燃機関の燃料セタン価検出装置にある。
【0014】
本発明においては、燃料添加弁から排気通路に燃料を添加し、着火手段駆動装置によって燃料を着火させ、着火検出用温度センサーによって燃料の着火の有無を検出する。セタン価推定手段は、着火検出用温度センサーからの検出情報と、この時の着火手段駆動装置による着火手段の出力状態とに基づいて燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定する。
【0015】
本発明の第2の形態による内燃機関の燃料セタン価検出装置において、着火手段の出力状態が着火手段の温度または着火手段に与えられたエネルギー量を含むことができる。
【0016】
排気浄化装置の温度を検出するための温度センサーをさらに具え、セタン価推定手段は、この温度センサーからの検出情報に基づいて燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定するものであってよい。
【0017】
排気加熱装置は、着火手段と着火検出用温度センサーとの間の排気通路に配されて着火した燃料をさらに昇温させるための酸化触媒をさらに有することができる。この場合、酸化触媒の温度を検出するための温度センサーをさらに具え、セタン価推定手段は、この温度センサーからの検出情報に基づいて燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定するものであってよい。
【0018】
排気加熱装置よりも上流側の排気通路の排気温度を検出するための排気温センサーをさらに具え、セタン価推定手段は、この排気温センサーからの検出情報に基づいて燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定するものであってよい。この場合、セタン価推定手段は、排気温センサーによって検出される排気温と、着火検出用温度センサーによって検出される排気温との差に応じて燃料成分の混合率をさらに推定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の内燃機関の燃料セタン価検出方法によると、排気通路内に燃料を噴射して着火させるようにしているため、内燃機関の駆動トルクや燃焼音に変化が起こらず、乗員に違和感を持たせることなく、燃料のセタン価を検出することができる。また、温度や圧力などが比較的安定した排気通路内で燃料を着火させるようにしているため、内燃機関の様々な運転条件下でセタン価を検出することが可能となり、従来の方法よりも確実に検出機会を増大させることができる。
【0020】
排気浄化装置が活性状態の場合に着火手段の状態を低出力状態から高出力状態へと増加させ、燃料が着火し始める時の着火手段の状態を取得することにより、短時間で燃料のセタン価を検出することができる。しかも、未燃燃料および着火手段の駆動に伴うエネルギー消費を最小限に抑えることができ、未燃燃料が排気浄化装置へ送り込まれることにより、その過熱を防止しつつ排気浄化装置の活性状態を保持することが可能である。
【0021】
逆に、排気浄化装置が非活性状態の場合に着火手段の状態を高出力状態から低出力状態へと減少させ、燃料が着火しなくなり始める時の着火手段の状態を取得することにより、未燃燃料の排出を抑制すると共に排気浄化装置の活性化が可能となる。
【0022】
排気加熱装置が着火した燃料をさらに昇温させるための酸化触媒が非活性状態にある場合、燃料のセタン価を推定することにより、この酸化触媒による燃料の着火性の促進による悪影響を回避することができる。
【0023】
本発明の内燃機関の燃料セタン価検出装置によると、内燃機関の運転にほとんど影響を与えることなく、燃料のセタン価を検出することができる。また、燃料の着火時と失火時とでの排気温の差を検出すればよく、安価な温度センサーを用いて信頼性の高い検出を行うことができる。
【0024】
着火手段の出力状態が着火手段の温度または着火手段に与えられたエネルギー量を含む場合、燃料の着火を確実に行うことができる条件を選定することにより、セタン価の検出の失敗を防ぐことができる。
【0025】
排気浄化装置の温度を検出するための温度センサーからの検出情報に基づいてセタン価推定手段が燃料のセタン価を推定する場合、排気浄化装置の状態に応じて着火手段の出力を最適な状態に制御することができる。
【0026】
排気加熱装置が着火した燃料を昇温させるための酸化触媒を有し、この酸化触媒の温度を検出する温度センサーからの情報に基づいてセタン価推定手段が燃料のセタン価を推定する場合、酸化触媒による燃料の着火性の促進による悪影響を回避することができる。
【0027】
排気加熱装置よりも上流側の排気通路の排気温度を検出する排気温センサーからの情報に基づいてセタン価推定手段が燃料のセタン価を推定する場合、着火時の温度差、つまり発熱量により燃料のセタン価を正確に予測することができる。排気温センサーによって検出される排気温と、着火検出用温度センサーによって検出される排気温との差に応じてセタン価推定手段が燃料成分の混合率を推定する場合も同様に、正確にセタン価を予測することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を圧縮点火式内燃機関が搭載された車両に組み込んだ一実施形態の概念図である。
【図2】図1に示した実施形態における排気加熱装置の部分の抽出拡大断面図である。
【図3】図1に示した実施形態の制御ブロック図である。
【図4】投入エネルギー量と排気温センサーとの関係を模式的に表すグラフである。
【図5】着火可能最低投入エネルギー量と燃料のセタン価との関係を模式的に表すグラフである。
【図6】図3に示した制御ブロックに基づくセタン価の推定手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を圧縮点火式内燃機関が搭載された車両に適用させた一実施形態について、図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明をこのような実施形態のみに限らず、その精神に帰属する他の任意の類似技術にも応用することができることは言うまでもない。例えば、ガソリンやアルコールまたはLPG(液化天然ガス)などを燃料として点火プラグを用いる直噴形式の火花点火式内燃機関に対しても有効であり、この場合にはセタン価に代えてオクタン価が対象となる。つまり、本発明におけるセタン価は、オクタン価と同等な概念として考慮すべきである。
【0030】
本実施形態におけるエンジンシステムの概念を図1に示し、排気加熱装置の部分を抽出拡大して図2に示し、このエンジンシステムにおける制御ブロックを図3に示す。本実施形態におけるエンジン10は、燃料である任意の割合の軽油,バイオ燃料,DMEを燃料噴射弁11から圧縮状態にある燃焼室12内に直接噴射することにより、自然着火させる圧縮点火式の多気筒内燃機関である。しかしながら、本発明の特性上、単気筒の内燃機関であってもかまわない。このエンジン10には、排気通路13内を流れる排気の一部を吸気通路14内に導く図示しない排気還流(EGR)装置と、排気通路13内を流れる排気の運動エネルギーを利用して燃焼室12への過給を行う図示しないターボ過給機とが組み込まれている。
【0031】
燃焼室12にそれぞれ臨む吸気ポート15および排気ポート16が形成されたシリンダヘッド17には、吸気ポート15を開閉する吸気弁18および排気ポート16を開閉する排気弁19を含む図示しない動弁機構が組み込まれている。また、このシリンダヘッド17にはこれら吸気弁18および排気弁19に挟まれるように燃焼室12の上端中央に臨む先の燃料噴射弁11が取り付けられている。本実施形態では、エンジン10を搭載した車両のECU(electronic control unit)20に組み込まれる燃料噴射量設定部21が燃料噴射弁11からの燃料の噴射量および噴射時期などを設定する。この燃料噴射量設定部21にて設定された噴射量および噴射時期が得られるように、燃料噴射弁駆動部22により燃料噴射弁11の作動が制御される。このような制御を実行するため、アクセル開度センサー23や、クランク角センサー24などを具えている。アクセル開度センサー23は、運転者によって操作されるアクセルペダル25の踏み込み量を検出してこれをECU20の運転状態判定部26に出力する。シリンダブロック27に取り付けられるクランク角センサー24は、連接棒28を介してピストン29が連結されるクランク軸30の回転位相を検出してこれをECU20の運転状態判定部26に出力する。
【0032】
吸気管31は、吸気ポート15に連通するようにシリンダヘッド17に連結されて吸気ポート15と共に吸気通路14を画成する。サージタンク32が途中に形成された吸気管31の上流端側には、エアフローメーター33と、スロットル弁34とが組み付けられている。
【0033】
エアフローメーター33は、エンジン10の燃焼室12に向けて吸気通路14内を流れる吸入空気量を検出し、これをECU20の運転状態判定部26に出力する。
【0034】
スロットル駆動モーター35の作動によって吸気通路14の断面積を変更し得るスロットル弁34は、運転者により操作されるアクセルペダル25の開度と、車両の運転状態とに基づき、ECU20のスロットル開度設定部36にてその開度が設定される。そして、ECU20のスロットル弁駆動部37を介してスロットル駆動モーター35の作動を制御することにより、スロットル弁34はスロットル開度設定部36にて設定された開度に制御される。なお、車両の運転状態は、アクセル開度センサー23やクランク角センサー24などの情報に基づき、ECU20の運転状態判定部26にて把握される。
【0035】
排気ポート16に連通するようにシリンダヘッド17に連結されて排気ポート16と共に排気通路13を画成する排気管38には、第1排気温センサー39と、排気加熱装置40と、第2排気温センサー41と、排気浄化装置42とが組み込まれている。
【0036】
排気加熱装置40よりも上流側に配される第1排気温センサー39は、排気加熱装置40に流入する排気温を検出してこれをECU20の運転状態判定部26に出力する。
【0037】
排気浄化装置42に導かれる排気を加熱するための本実施形態における排気加熱装置40は、燃料添加弁43と、グロープラグ44と、補助酸化触媒45とを有し、これらは排気浄化装置42よりも上流側の排気通路13に配されている。燃料添加弁43により排気通路13に添加される燃料は、燃料噴射弁11によりエンジン10の燃焼室12内に噴射される燃料と同じものである。ECU20の燃料添加量設定部46にて設定された量の燃料が適切なタイミングで燃料添加弁43から排気通路13へと供給されるように、ECU20の燃料添加弁駆動部47が燃料添加弁43の作動を制御する。
【0038】
グロープラグ44は、燃料添加弁43から排気通路13に添加された燃料を加熱して着火させるための本発明の着火手段として機能する。グロープラグ44の発熱温度は、ECU20のグロープラグ温度設定部48により予め設定されたパターンに従ってECU20のグロープラグ駆動部49を介して制御される。つまり、本実施形態におけるグロープラグ温度設定部48およびグロープラグ駆動部49が着火手段の出力状態を変更可能な本発明による着火手段駆動装置として機能し、本実施形態ではグロープラグ44の発熱温度が着火手段の出力となる。
【0039】
なお、本実施形態ではグロープラグ44の発熱温度をエネルギー量として制御するようにしたが、このグロープラグ44に与えられる燃料着火のための投入エネルギー量、より具体的には電流量または電位差などの電気的エネルギー量を制御するようにしてもよい。また、火花点火方式の内燃機関を対象とする場合、点火プラグの放電時間や放電電力量を投入エネルギー量として利用することができる。
【0040】
グロープラグ44と第2排気温センサー41との間の排気管38内には、放射状に配された複数本の支持脚50を介して補助酸化触媒45が保持されている。このようにして排気通路13に配された補助酸化触媒45は、排気通路13の断面積よりも小さな断面積を有し、従って排気の一部がこの補助酸化触媒45を通らずに通過することを可能にする。つまり、補助酸化触媒45を通る排気の流速は、ここを通らない排気の流速よりも低速となり、補助酸化触媒45を通る排気をさらに昇温させることが可能となる。補助酸化触媒45には、その温度を検出するための第1触媒温度センサー51が装着され、その検出信号がECU20に出力されるようになっている。ECU20の運転状態判定部26は、この第1触媒温度センサー51からの検出信号に基づいて補助酸化触媒45が活性状態にあるか、または非活性状態にあるかを判定する。本実施形態では、補助酸化触媒45が活性状態にあると判断した場合、ECU20のセタン価推定部52はセタン価の検出を行わないようになっている。
【0041】
補助酸化触媒45が充分に高温、つまり活性化した状態では、グロープラグ44に対する通電を切り、補助酸化触媒45内で混合気を直接燃焼させることも可能である。しかしながら、エンジン10の冷態始動時など、補助酸化触媒45が活性化していない場合には、グロープラグ44に対して通電を行うことが必要である。なお、補助酸化触媒45が高温になると、未燃混合気中の炭素数の多い炭化水素が分解し、炭素数の少ない反応性の高い炭化水素に改質される。換言すれば、この補助酸化触媒45は、一方ではそれ自体が急速に発熱する急速発熱体として機能し、他方では改質された燃料を生成させる燃料改質触媒としても機能する。
【0042】
このようにして、排気通路13にて加熱ガスが生成され、高温となった排気が補助酸化触媒45を通ってさらに昇温し、未燃ガスも補助酸化触媒45によって燃焼するか、あるいは活性の高い炭化水素に改質される。そして、これらが混合された状態となって排気浄化装置42に供給される。この結果、排気浄化装置42の活性化および活性状態の維持を迅速に行うことができる。特にこの排気加熱装置40は、エンジン10の冷態始動直後のいわゆるコールドエミッションの状態を改善するのに極めて有利である。
【0043】
なお、補助酸化触媒45は、燃料添加弁43から排気通路13に噴射された燃料の着火性を高めるため、半円筒形状をなす気化促進部材53を燃料添加弁43およびグロープラグ44と対向して設けることも有効である。湾曲した板状をなす気化促進部材53は、燃料添加弁43から噴射される燃料が衝突することにより、これを飛散させて燃料の霧化、すなわち気化を促進させる機能を持つ。
【0044】
第2排気温センサー41は、グロープラグ44と排気浄化装置42との間の排気通路13に配される本発明の着火検出用温度センサーとして機能し、排気加熱装置40を通った排気温を検出してこれをECU20の運転状態判定部26に出力する。なお、この第2排気温センサー41をグロープラグ44と酸化触媒45との間の排気通路13に配し、燃料の着火・失火の検出が酸化触媒45の存在によって阻害されないように配慮することも有効である。この場合には、先の第1触媒温度センサー51を省略することができる。
【0045】
着火手段に対する投入エネルギー量、つまり本実施形態ではグロープラグ44の発熱温度と第2排気温センサー41の出力との関係を模式的に図4に示す。TCで示した投入エネルギー量(以下、これを着火可能最低投入エネルギー量と記述する)を境に第2排気温センサー41の出力が急変し、この着火可能最低投入エネルギー量TCを境に燃料の着火または失火が起こったと判定することができる。ECU20の着火・失火判定部54は、この第2排気温センサー41からの検出信号の値の急変時期を把握し、これを着火信号または失火信号としてECU20のセタン価推定部52に出力する。このように、第2排気温センサー41の出力の急変に基づいて着火/失火の判定を行うようにしているため、第2排気温センサー41の汚損,劣化,機差などによる応答性や個体差の影響を受けず、信頼性の高い判定が可能である。
【0046】
なお、着火可能最低投入エネルギー量TCは、燃料のセタン価によって変化するものであり、この着火可能最低投入エネルギー量TCと燃料のセタン価との関係を模式的に図5に示す。ECU20のセタン価推定部52は、図5に示すようなマップを予め記憶しており、着火・失火判定部54からの燃料の着火または失火情報とグロープラグ温度設定部48からの発熱温度情報とに基づき、燃料のセタン価を算出する。この場合、排気温や排気圧あるいは排気流量などを考慮して算出されたセタン価を補正することが好ましい。
【0047】
排気中に含まれる有害成分を無害化させるための本実施形態における排気浄化装置42は、排気中の未燃成分の燃焼を促進させる酸化触媒と、粒子成分を捕捉して無害化させるPM(Particulate Matter)触媒と、NOX成分を無害化させるNOX触媒とを含む。しかしながら、これらに限定されるわけではないことに注意されたい。この排気浄化装置42には、排気浄化装置42の温度を検出してこれをECU20に出力する第2触媒温度センサー55が組み付けられている。ECU20は、この第2触媒温度センサー55からの検出信号に基づいて排気浄化装置42を構成する触媒が活性状態にあるか、または非活性状態にあるかを判定する。
【0048】
ECU20は、図示しないCPU,ROM,RAM,A/D変換器および入出力インタフェースなどを含むマイクロコンピュータを含む。このECU20は、円滑なエンジン10の運転がなされるように、上述したセンサー23,24,39,41,51,55およびエアフローメーター33などからの検出信号に基づいて所定の演算処理を行う。そして、予め設定されたプログラムに従って燃料噴射弁11,スロットル駆動モーター35,燃料添加弁43,グロープラグ44などの作動を制御する。
【0049】
運転状態判定部26は、アクセル開度センサー23や第1および第2触媒温度センサー51,55などからの検出情報に基づき、車両の運転状態が燃料のセタン価が検出可能な状態にあるか否かを判定する。具体的には、車両が減速中の状態やEGR装置の非作動時あるいは燃料噴射弁11からの燃料の噴射を停止している燃料カット時などが燃料のセタン価を検出できる状態である。換言すれば、エンジン10の燃焼室12に燃料噴射弁11から燃料が供給されている状態の場合、燃料のセタン価が検出不可能な状態である。また、酸化触媒45が活性化している場合もこれが燃料の着火判定に対して外乱となり得るので、燃料のセタン価が検出不可能な状態であると言える。
【0050】
なお、燃料のセタン価を検出する場合、着火した燃料が排気の流によって失火しないように、スロットル弁34の開度が所定の開度まで絞られ、排気通路13を流れる排気流量が少なくなるように設定される。このため、排気管38に排気流量センサーや排気圧センサーなどを組み込み、これらからの検出情報に基づいてスロットル弁34の開度を制御することが好ましい。本実施形態では、エアフローメーター33でこれを代用している。
【0051】
グロープラグ温度設定部48は、排気浄化装置42が活性状態にあるか否かに応じてグロープラグ44の発熱温度を適切に設定する。より具体的には、排気浄化装置42が活性状態にある場合、未燃燃料を排気通路13に供給しても問題が少ないことから、グロープラグ44の発熱温度を最も低い最低初期値に設定し、燃料が着火し始めるまで発熱温度を一定割合、例えば2度Cずつ増大させる。この場合の最低初期値は、着火可能最低温度が最も低い燃料(一般的にはDME100%)よりもさらに着火可能最低温度が低い燃料を想定した値となる。逆に、排気浄化装置42が非活性状態にある場合、グロープラグ44の発熱温度を最も高い最高初期値に設定し、燃料が失火するまで発熱温度を一定割合、例えば2度Cずつ減少させる。この場合の最高初期値は、着火可能最低温度が最も高い燃料(一般的には軽油100%)よりもさらに着火可能最高温度が高い燃料を想定した値となる。
【0052】
着火・失火判定部54は、着火可能最低投入エネルギー量TCを取得し、その取得情報をセタン価推定部52に出力する。しかしながら、失火状態から着火状態への変化、または着火状態から失火状態への変化が起こらなかった場合、つまり着火可能最低投入エネルギー量TCを取得することができなかった場合、その情報をグロープラグ温度設定部48に出力する。グロープラグ温度設定部48は、この着火・失火判定部54からの情報に基づいてグロープラグ44の発熱温度を所定量ずつ増大または減少させる。
【0053】
セタン価推定部52は、着火・失火判定部54での判定結果に基づき、燃料のセタン価を図5のマップから読み出す。
【0054】
また、本実施形態におけるセタン価推定部52は、燃料が2種類の既知の成分を混合したものである場合、これら2種類の燃料成分の混合率をさらに算出することが可能である。原理的には、第1の燃料成分の密度および低位発熱量をρ1,q1、第2の燃料成分の密度および低位発熱量をρ2,q2とし、第1の燃料成分の割合をx,y、所定量の混合燃料を燃焼させた場合の発熱量をQとした場合、以下の関係式が得られる。
【0055】
(ρ1/q1)x+(ρ2/q2)y=Q
ここでx+y=1であるから、x=1−yまたはy=1−xを上式に代入することにより、x,yを算出することができる。つまり、セタン価推定部52は燃料添加量設定部46にて設定された燃料添加量と、第1および第2排気温センサー39,41によって検出される排気温の差とに応じて既知の2種類の燃料成分を混合してなる燃料中の燃料成分の混合率を算出する。一般的な軽油の密度および低位発熱量は、0.835g/cm3,10960cal/gであり、バイオ燃料の密度および低位発熱量は、0.887g/cm3,9560cal/gであり、DMEの密度および低位発熱量は、0.670g/cm3,6900cal/gである。これらのうちの何れか2種類を混合していることが分かっている場合、これらのデータを予めECU20に記憶させておくことにより、2種類の燃料成分の混合比を検出することができ、これをエンジン10の円滑な運転のための制御に利用することが可能となる。
【0056】
次に、本実施形態におけるセタン価判定手順を図6のフローチャートを参照しつつ説明するが、この判定処理は例えば車両の燃料キャップが開閉される度に行うことが好ましいと言えよう。
【0057】
まずS11のステップにて車両が燃料のセタン価を検出可能な運転状態にあるか否かを判定する。ここで、車両が燃料のセタン価を検出可能な運転状態にないと判断した場合には、車両が燃料のセタン価を検出可能な運転状態となるまでS11の判断ルーチンを繰り返す。このS11のステップにて車両が燃料のセタン価を検出可能な運転状態にあると判断した場合、S12のステップに移行して排気浄化装置42が活性状態にあるか否かを判定する。
【0058】
S12のステップにて排気浄化装置42が活性状態にあると判断した場合には、S13のステップに移行してフラグがセットされているか否かを判定する。最初はフラグがセットされていないので、S14のステップに移行し、着火エネルギーの初期値、すなわち本実施形態ではグロープラグ44の発熱温度を最も低く予想される燃料の着火可能最低温度よりも例えば5度C程度低い温度に設定する。そして、S15のステップにてフラグをセットし、S16のステップにて所定量の燃料を燃料添加弁43から排気通路13内に供給し、この燃料が着火したか否かをS17のステップにて判定する。最初は着火しないはずなので、S18のステップに移行し、着火エネルギー、すなわちグロープラグ44の発熱温度を2度C上昇させ、S11のステップに戻る。
【0059】
2回目以降は、フラグがセットされているので、S13のステップに続いてS16のステップに移行し、発熱温度が前回よりも2度C上昇したグロープラグ44によって燃料が着火するか否かをS17のステップにて判定する。このようにして、燃料が着火するまでグロープラグ44の発熱温度を2度Cずつ上昇させて行く。これにより、未燃燃料は排気浄化装置42により浄化され、燃料が着火に至るまでのグロープラグ44に対する投入エネルギー量を最小限に抑えることができ、酸化触媒45からの受熱による着火判定への悪影響を回避することが可能となる。そして、S17のステップにて燃料が着火したと判断した場合には、S19のステップに移行して着火時点におけるグロープラグ44の発熱温度を着火可能最低投入エネルギー量TCと見なし、燃料のセタン価を求める。さらに、S20のステップに移行してフラグをリセットしてセタン価の判定処理を終了する。
【0060】
なお、取得されたセタン価は、エンジン10の円滑な運転を実施するために燃料噴射弁11からの燃料の噴射量と噴射時期との制御に利用される。
【0061】
一方、S12のステップにて排気浄化装置42が非活性状態であると判断した場合には、S21のステップに移行してフラグがセットされているか否かを判定する。最初はフラグがセットされていないので、S22のステップに移行し、着火エネルギーの初期値、すなわち本実施形態ではグロープラグ44の発熱温度を最も高く予想される燃料の着火可能最低温度よりも例えば5度C程度高い温度に設定する。そして、S23のステップにてフラグをセットし、S24のステップにて所定量の燃料を燃料添加弁43から排気通路13内に供給し、この燃料が失火したか否かをS25のステップにて判定する。最初は着火しているはずなので、S26のステップに移行し、着火エネルギー、すなわちグロープラグ44の発熱温度を2度C低下させ、S11のステップに戻る。
【0062】
2回目以降は、フラグがセットされているので、S21のステップに続いてS24のステップに移行し、発熱温度が前回よりも2度C低下したグロープラグ44によって燃料が失火するか否かをS25のステップにて判定する。このようにして、燃料が失火するまでグロープラグ44の発熱温度を2度Cずつ下降させて行く。これにより、未燃燃料の排出を最小限に抑えることができると共に排気浄化装置42の活性化を促進させることが可能となる。そして、S25のステップにて燃料が失火したと判断した場合には、S27のステップに移行して失火時点におけるグロープラグ44の発熱温度を着火可能最低投入エネルギー量TCと見なし、燃料のセタン価を求める。さらに、S28のステップに移行してフラグをリセットしてセタン価の判定処理を終了する。
【0063】
本実施形態によると、給油直後のエンジン10の始動前や始動中に排気通路13に燃料を添加してセタン価をチェックし、検出されたセタン価に最適な始動制御を行うことも可能である。このため、エンジン10の始動性に影響を与えるほどセタン価が低い燃料を給油した場合であっても、エンジン10を破綻なく始動させることができる。
【0064】
なお、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
【符号の説明】
【0065】
10 エンジン
11 燃料噴射弁
12 燃焼室
13 排気通路
14 吸気通路
15 吸気ポート
16 排気ポート
17 シリンダヘッド
18 吸気弁
19 排気弁
20 ECU
21 燃料噴射量設定部
22 燃料噴射弁駆動部
23 アクセル開度センサー
24 クランク角センサー
25 アクセルペダル
26 運転状態判定部
27 シリンダブロック
28 連接棒
29 ピストン
30 クランク軸
31 吸気管
32 サージタンク
33 エアフローメーター
34 スロットル弁
35 スロットル駆動モーター
36 スロットル開度設定部
37 スロットル弁駆動部
38 排気管
39 第1排気温センサー
40 排気加熱装置
41 第2排気温センサー
42 排気浄化装置
43 燃料添加弁
44 グロープラグ
45 補助酸化触媒
46 燃料添加量設定部
47 燃料添加弁駆動部
48 グロープラグ温度設定部
49 グロープラグ駆動部
50 支持脚
51 第1触媒温度センサー
52 セタン価推定部
53 気化促進部材
54 着火・失火判定部
55 第2触媒温度センサー
TC 着火可能最低投入エネルギー量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気浄化装置に導かれる排気を加熱するための排気加熱装置が前記排気浄化装置よりも上流側の排気通路に配され、前記排気加熱装置が排気通路に燃料を添加するための燃料添加弁と、この燃料添加弁から排気通路に添加された燃料を加熱して着火させるための着火手段とを有する内燃機関において、
前記燃料添加弁から排気通路に燃料を添加するステップと、
前記着火手段の出力状態を変化させるステップと、
前記着火手段の出力状態を変化させた場合の燃料の着火の有無を検出するステップと、
前記燃料の着火状態が切り換わった時の前記着火手段の出力状態に基づいて燃料のセタン価を推定するステップと
を具えたことを特徴とする内燃機関の燃料セタン価検出方法。
【請求項2】
前記排気浄化装置が活性状態にあるか否かを判定するステップをさらに具え、
前記排気浄化装置が活性状態にあると判断した場合、前記着火手段の出力状態を変化させるステップは、前記着火手段の状態を低出力状態から高出力状態へと増加させ、
燃料のセタン価を推定するステップは、燃料が着火し始める時の前記着火手段の状態を取得することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料セタン価検出方法。
【請求項3】
前記排気浄化装置が活性状態にあるか否かを判定するステップをさらに具え、
前記排気浄化装置が非活性状態にあると判断した場合、前記着火手段の出力状態を変化させるステップは、前記着火手段の状態を高出力状態から低出力状態へと減少させ、
燃料のセタン価を推定するステップは、燃料が着火しなくなり始める時の前記着火手段の状態を取得することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料セタン価検出方法。
【請求項4】
前記排気加熱装置は、着火した燃料をさらに昇温させるための酸化触媒をさらに有し、
この酸化触媒が活性状態にあるか否かを判定するステップをさらに具え、当該酸化触媒が非活性状態にあると判断した場合、燃料のセタン価を推定するステップが行われることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の内燃機関の燃料セタン価検出方法。
【請求項5】
排気浄化装置に導かれる排気を加熱するための排気加熱装置が前記排気浄化装置よりも上流側の排気通路に配され、前記排気加熱装置が排気通路に燃料を添加するための燃料添加弁と、この燃料添加弁から排気通路に添加された燃料を加熱して着火させるための着火手段とを有する内燃機関において、
前記着火手段と前記排気浄化装置との間の排気通路に配される着火検出用温度センサーと、
前記着火手段の出力状態を変更可能な着火手段駆動装置と、
前記着火検出用温度センサーからの検出情報と、この時の前記着火手段駆動装置による前記着火手段の出力状態とに基づいて前記燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定するセタン価推定手段と
を具えたことを特徴とする内燃機関の燃料セタン価検出装置。
【請求項6】
前記着火手段の出力状態が着火手段の温度または着火手段に与えられたエネルギー量を含むことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
【請求項7】
前記排気浄化装置の温度を検出するための温度センサーをさらに具え、前記セタン価推定手段は、この温度センサーからの検出情報に基づいて前記燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
【請求項8】
前記排気加熱装置は、前記着火手段と前記着火検出用温度センサーとの間の排気通路に配されて着火した燃料をさらに昇温させるための酸化触媒をさらに有することを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
【請求項9】
前記酸化触媒の温度を検出するための温度センサーをさらに具え、前記セタン価推定手段は、この温度センサーからの検出情報に基づいて前記燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
【請求項10】
前記排気加熱装置よりも上流側の排気通路の排気温度を検出するための排気温センサーをさらに具え、前記セタン価推定手段は、この排気温センサーからの検出情報に基づいて前記燃料添加弁から添加される燃料のセタン価を推定することを特徴とする請求項5から請求項9の何れかに記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
【請求項11】
前記セタン価推定手段は、前記排気温センサーによって検出される排気温と、前記着火検出用温度センサーによって検出される排気温との差に応じて2種類の燃料成分の混合率をさらに推定することを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−231747(P2011−231747A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105613(P2010−105613)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】