説明

燃料電池、二次電池、および、電子機器

【課題】 製造コストを上昇させることなく、燃料電池を電子機器に装着させることが容易な燃料電池、二次電池、および電子機器を提供する。
【解決手段】燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体と、前記燃料極に供給される燃料を収容する燃料収容部と、膜電極接合体と燃料収容部とを収容するとともに、燃料収容部に燃料を供給するための燃料供給口を備えた筐体と、膜電極接合体で生成された電力を外部に出力する第1接続端子CN12、CN13と、を備えている燃料電池100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池、二次電池、および、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯ゲームプレイヤー等、携帯可能な様々な電子機器が提供されている。燃料電池、二次電池等の蓄電手段の高電圧、高エネルギー密度の実現が可能となり、携帯型の電子機器等の電源として注目されている。
【0003】
電子機器が電源として二次電池を搭載している場合、電子機器の二次電池を充電するときには、電子機器はプラグ等を介して固定された交流電力源に接続して充電される。そのため、電源供給源が無い場所で、携帯電子機器を長時間継続して使用することは困難であった。
【0004】
一方、燃料電池は、燃料を供給することにより、電力を出力することができる。そのため、屋外での使用が想定される電子機器や、電力の周波数等が異なる国や地域での使用が想定される電子機器の電源として、燃料電池が注目されている。
【0005】
例えば、直接メタノール燃料電池(DMFC : Direct Methanol Fuel Cell)は、エネルギー密度の高いメタノールを燃料に用い、メタノールから電極触媒上で直接電流を取り出す方式を採用した比較的安全性の高い燃料電池であって、電子機器の電源として搭載することが検討されている。
【0006】
特許文献1では、電力を発生する燃料電池を備えた、携帯電話機を充電するための携帯電話用クレイドルが提案されている。特許文献1に開示された携帯電話用クレイドルでは、接続部が携帯電話の充電用コネクタに接続されて燃料電池の発電電力を携帯電話機へ供給している。
【0007】
また、従来、図9に示すように、燃料電池110と二次電池210とを内蔵した燃料電池パックBTが提案されている。燃料電池パックBTは、外部に電力を供給するための接続端子CNB3を備えている。図10に示す電子機器300´に搭載された二次電池を取り外して、電子機器300´の凸部34A´、34B´が燃料電池パックBTの保持部14A´14B´に挿入されるようにスライドさせて、燃料電池パックBTを電子機器300´に取り付けることにより、燃料電池パックBTの接続端子CNB3と、電子機器300´の接続端子CN3Bとが電気的に接続される。
【0008】
このように燃料電池パックBTを電子機器300´に取り付けることによって、固定電源供給源が無い場所でも、燃料を補給することによって携帯電子機器の継続使用を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−303994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような携帯電話用クレイドルは、携帯電話機の充電用コネクタとクレイドルの接続部とを接続して給電を行なうため、携帯電話機の充電用コネクタの形状毎にクレイドルの接続部の形状を変更する必要があり、汎用品を製造することが困難であった。
【0011】
また、燃料電池110と二次電池210とを備えた燃料電池パックBTを電子機器300´に取り付けて使用する場合、電子機器300´の凹部に収納される二次電池の仕様毎に、燃料電池パックBT側の設計を変更する必要があり、汎用品を製造することが困難であった。さらに、燃料電池パックBTに二次電池210を搭載すると、製造コストを抑えることが困難であった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであって、製造コストを上昇させることなく、燃料電池を電子機器に装着させることが容易な燃料電池、二次電池、および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1態様による燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体と、前記燃料極に供給される燃料を収容する燃料収容部と、前記膜電極接合体と前記燃料収容部とを収容するとともに、前記燃料収容部に燃料を供給するための燃料供給口を備えた筐体と、前記膜電極接合体で生成された電力を外部に出力する第1接続端子と、を備えている燃料電池である。
【0014】
本発明の第2態様による二次電池は、正極、および、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータを有する電極体と、前記電極体および電解液を収納した外装容器と、を備え、前記外装容器は、外部の接続端子と接続される第1接続部および第2接続部を含む第2接続端子を備え、前記第1接続部と前記第2接続部とは電気的に接続されている二次電池。
【0015】
本発明の第3態様による電子機器は、第1態様による燃料電池と、第2態様による二次電池と、前記二次電池の第2接続部と電気的に接続される第3接続端子と、を備えた電子機器であって、前記燃料電池の第1接続端子と、前記二次電池の第1接続部とが電気的に接続された電子機器である。
【0016】
本発明の第4態様による電子機器は、請求項1記載の燃料電池と、二次電池と、前記燃料電池の第1接続端子と電気的に接続される第3接続端子と、を備え、前記第3接続端子は、前記第1接続端子と電気的に接続される第3接続部と、前記第2接続端子と電気的に接続される第4接続部と、を備え、前記第3接続部と前記第4接続部とは互いに電気的に接続されている電子機器である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製造コストを上昇させることなく、燃料電池を電子機器に装着させることが容易な燃料電池、二次電池、および電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の構成例を概略的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る二次電池の構成例を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る燃料電池の構成例を説明するための斜視図である。
【図4】図1に示す電子機器に二次電池を搭載したときの構成例について説明するための斜視図である。
【図5A】本発明の一実施形態に係る燃料電池を電子機器に固定するための一構成例を説明するための図である。
【図5B】本発明の一実施形態に係る燃料電池を電子機器に固定するための一構成例を説明するための図である。
【図5C】本発明の一実施形態に係る燃料電池を電子機器に固定するための他の構成例を説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る二次電池の構成例を説明するための斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る燃料電池の構成例を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る電子機器に二次電池を搭載したときの構成例について説明するための図である。
【図9】従来の燃料電池および二次電池の構成例を説明するための斜視図である。
【図10】従来の電子機器の構成例を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態に係る燃料電池、二次電池、および、これら燃料電池と二次電池とを電源として搭載する電子機器について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電子機器は、燃料電池100および二次電池200を搭載する電子機器300である。電子機器300は、例えば、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA等の電子機器である。
【0020】
二次電池200は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の蓄電池である。二次電池200は、正極、負極、および、正極と負極との間に配置されたセパレータを有する電極体(図示せず)と、この電極体および電解液を収納した外装容器と、を備えている。
【0021】
本実施形態に係る二次電池200の外装容器は、略直方体形状であって、電子機器300の凹部32に収容される。二次電池200は、電子機器300側の主壁と、燃料電池100側の主壁と、一対の主面間に延びる4つの側壁とを備えている。電子機器300の凹部32は、二次電池200の主壁と対向する電子機器300の主面と、4つの側壁と対向する側面とに囲まれている。
【0022】
燃料電池100は、図示しない、燃料極、空気極、および電解質膜を備えた膜電極接合体と、燃料極に供給される燃料を収容する燃料収容部と、膜電極接合体および燃料収容部を収容する筐体と、を備えている。膜電極接合体の電解質膜は燃料極と空気極とに挟持されている。また、燃料電池100は、筐体内に燃料電池100の動作を制御する制御回路基板(図示せず)を備えている。
【0023】
制御回路基板は、例えば、膜電極接合体での発電電力に応じて、燃料収容部から燃料極に供給される燃料量を制御するように構成されている。また、燃料電池100が燃料収容部から燃料極へ燃料を送液するポンプ等の送液手段(図示せず)を備える場合には、送液手段の動作は制御回路基板に搭載された制御回路によってその動作を制御される。
【0024】
筐体は、燃料収容部へ燃料を補給するための燃料注入口(図示せず)と、燃料収容部内の燃料残量を視認可能とする燃料残量表示部(図示せず)と、を備えている。本実施形態に係る燃料電池100は、燃料極へ供給する液体燃料としてメタノール燃料を採用した直接メタノール燃料電池(DMFC)である。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、燃料極の触媒層で次の式(1)に示すメタノールの内部改質反応が生じる。
【0025】
CHOH+HO → CO+6H+6e …式(1)
なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、メタノールは、空気極の触媒層で生成した水や電解質膜中の水と上記した式(1)の内部改質反応によって改質されるか、または水を必要としない他の反応機構により改質される。
【0026】
この反応で生成した電子(e)は、後に説明するように、図3に示す接続端子CN12を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として電子機器300および二次電池200に供給された後、空気極に導かれる。
【0027】
また、式(1)の内部改質反応で生成したプロトン(H)は、電解質膜を経て空気極に導かれる。空気極には、保湿層を介して、酸化剤ガスとして空気が供給される。筐体には複数の穴が設けられ、これら複数の穴を介して空気極へ空気が供給される。空気極に到達した電子(e)とプロトン(H)とは、空気極の触媒層で空気中の酸素と次の式(2)に示す反応を生じ、この発電反応に伴って水が生成する。
【0028】
(3/2)O+6e+6H → 3HO …式(2)
上記式(2)の反応によって生じた水(HO)は保湿層に吸収される、あるいは、筐体に設けられた複数の穴を介して水蒸気として外部に放出される。
【0029】
燃料電池100は、外部に電力を供給するための接続端子CN12を備えている。二次電池200は、外部に電力を供給するとともに、外部からの電力が供給される接続端子CN2を備えている。電子機器300は、外部から電力が供給される接続端子CN32を備えている。
【0030】
二次電池200の接続端子CN2は、燃料電池100の接続端子CN12と電気的に接続される接続部CN21と、電子機器300の接続端子CN32と電気的に接続される接続部CN23と、を備えている。すなわち、燃料電池100および二次電池200を電子機器300に取り付けると、接続端子CN12、接続端子CN2、および接続端子CN32は、互いに電気的に接続される。
【0031】
図2に、二次電池200の接続端子CN2近傍を拡大して示す。図2に示すように、二次電池200は、燃料電池100側の主壁に配置された接続部CN21と、凹部32の一側面と対向する側壁に配置された接続部CN23とを備えている。接続部CN21は、燃料電池100側の主壁において端部近傍に配置されている。接続部CN21と接続部CN23とは、燃料電池100側の主壁と凹部32の一側面と対向する側壁との境界部分において電気的に接続された、略L字状の導電部材である。
【0032】
図4に、二次電池200の接続部CN23と、電子機器300の接続端子CN32とを対向させて、二次電池200を凹部32に装着したときの概略的な構成例を示す。このように、二次電池200を凹部32に装着すると同時に、二次電池200の接続部CN23と電子機器300の接続端子CN32とを電気的に接続させることができる。
【0033】
燃料電池100は、図4に示すように二次電池200が装着された電子機器300に取り付けられる。図3に示すように、燃料電池100は、電子機器300に設けられたL字状の凸部34Aを保持するように凹んだ保持部14Aと、L字状の凸部34Bの一部を保持する保持部14Bと、電子機器300に設けられたL字状に凹んだ保持部36に勘合する凸部16と、を備えている。
【0034】
燃料電池100を電子機器300に装着するときには、まず、図5Aに示す矢印のように凸部34Aを保持部14Aの開口に挿入する。その後、燃料電池100を電子機器300に対して、その長手方向(Y方向)と略平行な方向にスライドさせる。そうすると、凸部34Aの一部が保持部14AのY方向と略平行な方向に凹んだ凹部に挿入されるとともに、凸部34Bの一部が保持部14BのY方向と略平行な方向に凹んだ凹部に挿入される。
【0035】
このときに、燃料電池100の凸部16が電子機器300の保持部36に挿入される。なお、燃料電池100の凸部16は、電子機器300の凸部34Bと同様にL字状に突出している。電子機器300の保持部36は、燃料電池100の保持部14Bと同様に、Y方向と略平行な方向に凹んだ凹部を備えている。
【0036】
このように燃料電池100を電子機器300に取り付けることによって、燃料電池100と電子機器300とは、X方向、Y方向およびZ方向において互いに固定されると同時に、燃料電池100の接続端子CN12と二次電池200の接続部CN21とが電気的に接続される。
【0037】
上記のように、二次電池200および燃料電池100を電子機器300に装着することによって、接続端子CN12、接続端子CN2、および、接続端子CN32を電気的に接続させることができる。したがって、燃料電池100の接続端子CN12から、膜電極接合体で生成された電力を、二次電池200および電子機器300へ供給することが可能となる。
【0038】
また、取り付ける際に、燃料電池100を電子機器300に対して、その長手方向(Y方向)と略平行な方向にスライドさせることによって、接続端子CN12と接続部CN21との表面が擦れ合うことによって、接続端子CN12と接続部CN21との表面の酸化・腐食等が防止され、接続端子CN12と接続部CN21との接続不良を回避することができる。
【0039】
なお、燃料電池100を電子機器300に装着する方法は上記の方法に限られない。図5Cに示すように、電子機器300に凹部3を設けて、燃料電池100に可動の凸部1と固定された凸部2とを設けてもよい。
【0040】
この場合、燃料電池100を電子機器300に取り付けるときには、まず、燃料電池100の固定された凸部2のL字状に延びた先端部を凹部3に挿入する。次に、燃料電池100の筐体に設けられたボタンBを押して、凸部1を燃料電池100の内側に移動させて、凸部2と凹部3とが頭接した部分を支点として燃料電池100を電子機器300側に回転させる。凸部1が電子機器300に頭接したら、ボタンBを解除してL字状に延びた凸部1の先端部を凹部3に挿入させる。
【0041】
上記のように、燃料電池100を電子機器300に取り付ける構成としても、燃料電池100および二次電池200を電子機器300に取り付けると同時に、接続端子CN1と接続端子CN2と接続端子CN32とを電気的に接続させることができる。
【0042】
また、二次電池200の接続端子CN2の他の構成例を図6に示す。図6に示すように、接続部CN21と接続部CN23とが二次電池200の外装容器によって独立して露出するように配置されてもよい。このように接続部CN21と接続部CN23とが配置されている場合でも、接続部CN21と接続部CN23とは二次電池200内部で電気的に接続され(あるいは一体に形成され)ている。図6に示すように二次電池200を構成した場合であっても、接続端子CN2を介して接続端子CN12と接続端子CN32とを電気的に接続させることが可能である。
【0043】
上記のように燃料電池100、二次電池200、および、電子機器300を構成すると、燃料電池100の筐体内に収容され、燃料電池100の動作を制御する制御回路基板(図示せず)に接続端子CN12を配置することが可能となり、電力出力の際のロスが低減できる。すなわち、燃料電池100の接続端子CN12は制御回路基板に配置され、筐体の開口(図示せず)により筐体外部に露出されている。
【0044】
また、燃料電池100と二次電池200とを一体に構成する場合よりも、電子機器200に本来搭載される二次電池200を使用することが可能なため、燃料電池100の構成および構造も単純化することができ、二次電池200の仕様毎に設計を変更させる必要もないため汎用性を増すことができる。したがって、燃料電池100の製造コストを抑えることができる。さらに、接続端子CN12として、電力供給のための端子の他に、電子機器300と燃料電池100との間の制御通信用の端子も設けることが可能である。
【0045】
上記のように、本実施形態に係る燃料電池100、二次電池200、および、電子機器を構成することにより、製造コストを上昇させることなく、燃料電池を電子機器に装着させることが容易な燃料電池、二次電池、および電子機器を提供することができる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態に係る燃料電池、二次電池、および、電子機器について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、上述の第1実施形態に係る燃料電池、二次電池、および、電子機器と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図7に示すように、本実施形態に係る電子機器300は、二次電池200の接続端子(図示せず)と接続される接続部CN32と、燃料電池100の接続端子CN13と接続される接続部CN31とを含む接続端子を備えている。接続部CN32と接続部CN31とは互いに電気的に接続されている。
【0048】
本実施形態に係る燃料電池100は、電子機器300の接続部CN31と電気的に接続する接続端子CN13を備えている。接続端子13は、燃料電池100の筐体内に収容された制御回路基板に配置され、筐体に設けられた開口(図示せず)により筐体外部に露出されている。燃料電池100の制御回路基板は、上述の第1実施形態の場合と同様に、燃料電池100の動作を制御する制御回路が搭載されている。
【0049】
図8には、電子機器300に二次電池200が装着された状態の構成例を示している。二次電池200は、上述の第1実施形態と同様に、電子機器の凹部32に収容されている。本実施形態では、二次電池200の接続端子は、接続端子CN32と接続される接続部(上述の第1実施形態における接続部CN23)を備えている。すなわち、二次電池200の接続端子は、電子機器300と対向する側壁に配置されている。
【0050】
なお、図8には、電子機器300の接続端子は、接続部CN31のみが示されている。電子機器300の接続部32は、上述の第1実施形態における接続端子CN32と同様の構成である。
【0051】
燃料電池100を電子機器300に装着するときには、上述の第1実施形態の場合と同様に、凸部34Aを保持部14Aの開口に挿入する。その後、燃料電池100を電子機器300に対して、その長手方向(Y方向)と略平行な方向にスライドさせて、凸部34Aの一部を保持部14AのY方向と略平行な方向に凹んだ凹部に挿入するとともに、凸部34Bの一部を保持部14BのY方向と略平行な方向に凹んだ凹部に挿入する。このときに、燃料電池100の凸部16が電子機器300の保持部36に挿入される。
【0052】
このように燃料電池100を電子機器300に取り付けることによって、燃料電池100と電子機器300とは、X方向、Y方向およびZ方向において互いに固定されると同時に、燃料電池100の接続端子CN13と電子機器300の接続部CN31とが電気的に接続される。
【0053】
したがって、上記のように、二次電池200および燃料電池100を電子機器300に装着することによって、接続端子CN13、接続端子CN2、および、電子機器300の接続端子を電気的に接続させることができる。すなわち、電子機器300に、二次電池200および燃料電池100を取り付けると同時に、燃料電池100の接続端子CN13から、膜電極接合体で生成された電力を、二次電池200および電子機器300へ供給することが可能となる。
【0054】
上記のように燃料電池100、二次電池200、および、電子機器300を構成することによって、上述の第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態に係る燃料電池100、二次電池200、および、電子機器300によれば、製造コストを上昇させることなく、燃料電池を電子機器に装着させることが容易な燃料電池、二次電池、および電子機器を提供することができる。
【0055】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上述の第1実施形態において、燃料電池100の接続端子CN12の配置位置は図面のように二次電池200の接続端子CN2と接続端子CN3とが接続する位置の近傍でなくても良い。すなわち、接続端子CN12と接続部CN21とが電気的に接続するように配置されれば、接続端子CN2と接続端子CN3とが接続する位置に関わらず、適宜設計を変更することが可能である。
【0056】
同様に、上述の第2実施形態において、電子機器300の接続部CN31の配置位置は図面のように二次電池200の接続端子CN2と電子機器300の接続端子とが接続する位置の近傍でなくても良い。すなわち、接続端子CN13と接続部CN31とが電気的に接続するように配置されれば、接続端子CN2と接続端子CN3とが接続する位置に関わらず、適宜設計を変更することが可能である。
【0057】
なお、上記の実施形態において、二次電池200は蓄電池であればよく、上述した種類および形状に限られるものではない。第1実施形態に係る二次電池200は、燃料電池100の接続端子CN12と接続される接続部CN21と、電子機器300の接続端子CN3と接続される接続部CN23とを備えていればよく、外装容器の形状等に合わせて適宜配置位置の設計を変更することが可能である。
【0058】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0059】
例えば、第1実施形態に係る燃料電池および二次電池と、第2実施形態に係る電子機器とを組み合わせてもよく、第2実施形態に係る燃料電池および電子機器と、第1実施形態に係る二次電池とを組み合わせてもよい。燃料電池と二次電池とを電子機器に取り付けることによって、燃料電池の接続端子と、二次電池の接続端子と、電子機器の接続端子とが互いに電気的に接続されるように構成することによって、上述の第1実施形態および第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
CN12、CN13…接続端子(第1接続端子)、CN2…接続端子(第2接続端子)、CN3…接続端子(第3接続端子)、CN21…接続部(第1接続部)、CN23…接続部(第2接続部)、CN31…接続部(第3接続部)、100…燃料電池、200…二次電池、300…電子機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを備えた膜電極接合体と、
前記燃料極に供給される燃料を収容する燃料収容部と、
前記膜電極接合体と前記燃料収容部とを収容するとともに、前記燃料収容部に燃料を供給するための燃料供給口を備えた筐体と、
前記膜電極接合体で生成された電力を外部に出力する第1接続端子と、を備えている燃料電池。
【請求項2】
前記第1接続端子を含む制御回路基板をさらに備え、
前記制御回路基板は前記筐体内に収容され、前記筐体は前記第1接続端子を露出させる開口を備えている請求項1記載の燃料電池。
【請求項3】
正極、および、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータを有する電極体と、
前記電極体および電解液を収納した外装容器と、を備え、
前記外装容器は、外部の接続端子と接続される第1接続部および第2接続部を含む第2接続端子を備え、
前記第1接続部と前記第2接続部とは電気的に接続されている二次電池。
【請求項4】
前記外装容器は、互いに対向する2つの主壁と、前記2つの主壁間に延びる側壁とを備え、
前記第1接続部は前記主壁に配置され、前記第2接続部は前記側壁に配置されている請求項3記載の二次電池。
【請求項5】
請求項1記載の燃料電池と、請求項3記載の二次電池と、前記二次電池の第2接続部と電気的に接続される第3接続端子と、を備えた電子機器であって、
前記燃料電池の第1接続端子と、前記二次電池の第1接続部とが電気的に接続された電子機器。
【請求項6】
請求項1記載の燃料電池と、二次電池と、前記燃料電池の第1接続端子と電気的に接続される第3接続端子と、を備え、
前記第3接続端子は、前記第1接続端子と電気的に接続される第3接続部と、前記第2接続端子と電気的に接続される第4接続部と、を備え、前記第3接続部と前記第4接続部とは互いに電気的に接続されている電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−119041(P2011−119041A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272778(P2009−272778)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】