説明

燃料電池、燃料電池セル、及び燃料電池発電システム

【課題】資源枯渇が懸念される白金触媒を使用せず、常温で運転でき、1セル当たりの発電量が高い燃料電池を提供することにある。また、構造が簡易で、安価な燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料極(アノード)、拡散シート、空気極(カソード)からなる燃料電池であって、筒状のセラミックフィルタに囲まれた反応室内で、両性金属に酸性又はアルカリ性の水溶液を加えて発生させた水素を、前記セラミックフィルタ、前記燃料極(アノード)、前記拡散シートを介して拡散させ、前記空気極(カソード)において酸化することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に係り、より詳しくは、両性金属に酸性又はアルカリ性水溶液を反応させて発生した水素を源エネルギとする燃料電池、燃料電池セル、及び燃料電池発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭、ガソリン、軽油などの化石燃料は、今後のエネルギ消費量を考えると、21世紀中になくなると言われている。また、それ以上に重要な問題として、化石燃料の燃焼によって地球温暖化や酸性雨などの地球環境問題が深刻化している。そこで、燃やしても二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質の発生しない、地球環境に対しやさしいクリーンなエネルギである水素を燃やすクリーンエネルギが注目された。すなわち、外部から水素燃料と酸化剤を送り続けることによって、連続的に電気化学エネルギが得られる燃料電池が、その高効率と高性能によって着目された。
【0003】
燃料電池として、様々なタイプのものが開発されているが、水素を燃焼させて、水の電気分解とは逆の過程により水素と酸素とを化学反応させて、電気エネルギとして出力させる固体高分子型の燃料電池(PEFC)が、家庭用電源や自動車用途で普及し始めている。そこで、燃料電池に必要な水素を生成する方法が従来からいくつか提起されており、天然ガス、石炭ガス、ガソリン、又はメタノール等を改質して水素を発生させ、その水素を燃料に発電することが試みられている。
【0004】
固体高分子型の燃料電池(PEFC)において、燃料極(アノード)は、水素を水素イオンと電子に変換する働きをする。水素分子を水素イオンと電子に分解するためには、触媒が必要であり、白金(Pt)又は白金−ルビジウム(Pt−Ru)が一般に使用されている。これらの触媒はカーボンブラック等の炭素系粉末に担持されて用いられることが一般的で、金属として40〜60wt%が炭素系粉末に担持された触媒が使用されている。
【0005】
産業技術総合開発機構(NEDO)の試算によると、固体高分子電池で車を走らそうとすると1台当たり、小型車(出力80kW)で32g、中型車で60gの白金(Pt)が触媒として必要であり、資源としての白金の枯渇が懸念されている。
【0006】
このため、電極の白金触媒使用量の低減に向けての取り組みも盛んである。カナダのバラード社からの最近の発表によると、低温でも発電できる白金触媒を使用した固体高分子型燃料電池を開発したとのことである。更に、同社は800℃〜1000℃で運転する固体酸化物型燃料電池において白金を使用しない電極を使用しているが、常温では運転できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、資源枯渇が懸念される白金触媒を全く使用せず、常温で運転でき、1セル当たりの発電量が高い燃料電池を提供することにある。また、構造が簡易で、安価な燃料電池を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための、本発明の燃料電池は、燃料極(アノード)、拡散シート、空気極(カソード)からなる燃料電池であって、筒状のセラミックフィルタに囲まれた反応室内で、両性金属に酸性又はアルカリ性の水溶液を加えて発生させた水素を、前記セラミックフィルタ、前記燃料極(アノード)、前記拡散シートを介して拡散させ、前記空気極(カソード)において酸化することを特徴とする。
【0009】
前記両性金属は、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛から選ばれる1種又は2種以上の金属であることが好ましい。
前記の水素の発生は、両性金属にpHが1〜3の酸性の水を滴下してなることが好ましい。
前記の水素の発生は前記両性金属にpHが10以上、14以下のアルカリ性の水を滴下してなることが好ましい。
【0010】
前記の空気極(カソード)は活性炭とカーボンファイバの混合物であることが好ましい。
前記両性金属は、複数の反応板を互いに一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合わせた構造を有することが好ましい。
前記両性金属からなる反応板が網目構造又は1枚当たり1〜30個の貫通孔を有することが好ましい。
前記の互いに一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合った2〜30枚の両性金属からなる反応板は、水平面に対し3°〜45°の傾きαを有して支持体により支持されていることが好ましい。
【0011】
本発明の燃料電池セルは、燃料極(アノード)、拡散シート、空気極(カソード)からなる燃料電池において、上側が酸性又はアルカリ性の水を滴下する滴下装置を備えた上蓋で密閉され、下側が排水孔を備えた底板で密閉され、側面が筒状のセラミックフィルタ、前記セラミックフィルタの外周を囲う前記燃料極(アノード)、前記燃料極(アノード)の外周を囲う前記拡散シート、及び前記拡散シートの外周を囲う前記空気極(カソード)で密閉された反応室内で、両性金属と酸性又はアルカリ性の水溶液の反応により、燃料となる水素が供給されることを特徴とする。
【0012】
本発明の燃料電池発電システムは、筒状のセラミックフィルタの反応室に両性金属を収納し、燃料極(アノード)、拡散シート、空気極(カソード)で構成される複数の燃料電池セルを直列に配し、発電された直流の電圧を交流に変換するインバータを備え、
酸性又はアルカリ性の水溶液を蓄えるタンクと、前記タンクから前記複数の燃料電池に前記水溶液を送り出すポンプと、前記ポンプに動力を与えるバッテリと、前記ポンプの出力を制御するポンプコントローラとを備え、
前記ポンプと前記燃料電池セルは、前記燃料電池セルの上蓋に備えられた滴下装置を介してパイプで繋がれ、
前記水溶液を前記両性金属に滴下し、発生した水素を燃料として発電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の燃料電池発電システムは、以下に示す効果を呈する。
本発明によれば、本発明の燃料電池には触媒として白金を使用せず、水素を発生させた後の両性金属は反応副生物を含め回収され、リサイクルすることができるため、資源の枯渇問題を発生することがない。
本発明の燃料電池は、自ら水素を作り、これを燃料に発電するため、爆発の危険性のある水素を大量に備える必要はなく安全であり、また、都市ガス、ガソリン、メタノール等を水素に変換する改質機も不要なため、コンパクトにすることができる。
本発明の燃料電池は、常温で発電ができ、発電温度範囲が広いため様々な温度帯で使用が可能である。
発電電圧は他の燃料電池に比べ1セル当たりの発電電圧が高く、効率的であり、発生する水素の量をコントロールできるので無駄な発電をする必要がないため経済的である。
水素を発生させる両性金属は消耗品として簡単に交換ができるためとり扱いが容易である。
本発明の燃料電池は、構造が簡易であり、使用している原材料にも特殊なものを使用していないため、製造コストが安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る燃料電池セルの断面図である。
【図2】本発明の燃料電池の発電システムを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の燃料電池セル100の断面図である。ここで、1は反応室、2はセラミックフィルタ、3は燃料極(アノード)、4は拡散シート、5は空気極(カソード)である。燃料極(アノード)3はセラミックフィルタ2と拡散シート4に接し、反応室1で発生した水素を水素イオンと電子に分解し、電子を導線を通じて空気極(カソード)5に送る。拡散シート4は、カーボンクロス(又はカーボンペーパー)17に固体高分子電解質18が複合形成されてなるものであり、その両側で燃料極(アノード)3と空気極(カソード)5に接している。拡散シート4は、燃料極(アノード)3で発生した水素イオンを拡散させながら均一に空気極(カソード)5に届ける役目を果たす。空気極(カソード)5では、拡散シート4を介して送られてきた水素イオンと空気極(カソード)5を通過してきた空気中の酸素が反応して水を生じる。その際に、燃料極(アノード)3で発生した電子を消費するため電気が発生する。
【0016】
本願発明は、燃料電池の内部で発生させた水素分子を、セラミックフィルタ2を介して拡散させ、燃料極(アノード)3で水素イオンと電子に分解し、拡散シート4で水素イオンを拡散させ、空気極(カソード)5で酸化するものである。水素の発生は、筒状のセラミックフィルタに囲まれた反応室内で行なわれる。
【0017】
反応室1内では、両性金属に酸性又はアルカリ性の水溶液を加えて水素を発生させる。両性金属とは、酸ともアルカリとも反応し、ともに水素を発生させる金属であり、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、鉛(Pb)が、両性金属に相当する。本願では、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛のいずれの金属も使用できる。本発明では両性金属の1種類又は2種以上の金属を混合して使用できる。
【0018】
両性金属と反応して水素を発生させる酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸及びギ酸、酢酸、クロル酢酸、酪酸、グリコール酸、リンゴ酸、シュウ酸、フタル酸、トルエンスルホン酸等の有機酸を使用できる。特に、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸及び酢酸を好ましく使用できる。
【0019】
これらの酸は、水溶液として、上記の両性金属に滴下される。滴下する酸のpHは1〜3が好ましい。3以上であれば水素が発生する反応は進行するが、酸の濃度が低いので水素の発生量が少なく、多量の酸性の水溶液の滴下を要し、低濃度の反応副生物を溶解した水溶液が反応室中に溜まるのが早い。一方、酸濃度が高く、pHが1以下では反応が急速に起こり、反応のコントロールが難しくなるからである。
【0020】
両性金属と反応して水素を発生させるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を使用できる。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを好ましく使用できる。また、水を電気分解したときに生成ずる、アルカリ性の電解水もまた好ましく使用できる。
【0021】
これらのアルカリは、水溶液として、上記の両性金属に滴下される。滴下する酸のpHは10〜14が好ましい。10以下でも水素が発生する反応は起きるが生成物が金属を被覆し反応の進行が妨げられる、一方、アルカリの濃度が高くなるとアルカリ性の水の粘度が増し滴下が困難になり、pHが14を超えると反応が急速に起こり、コントロールが難しくなるからである。
【0022】
反応室1の側壁となる、筒状のセラミックフィルタ2は多孔質なものであれば、特に組成を選ばず使用できる。多孔質のセラミックフィルタは反応室1の内部で発生した水素を反応室内の気体圧力の上昇を利用してセラミックフィルタ2の外側まで送り出す。筒の断面形状は円、または多角形から選ばれ、多角形の場合特に、角が鈍角で、多数のセルを集積する場合の空間ロスが無い6角形が好ましい。筒状のセラミックフィルタ2は個々に成形して焼成するか、または、長尺のセラミック管を切断して形成する。
【0023】
筒状のセラミックフィルタ2の外周には燃料極(アノード)3が形成される。燃料極(アノード)3には、炭素系の電極が使用される。具体的には、活性炭、カーボンブラック、ケッチェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の粉末を固体高分子電解質に混合して塗布して作成する。
別の方法としては、拡散シート4の1面に固体高分子電解質を使用した燃料極(アノード)3を複合成形しておき、これをセラミックフィルタ2に巻き付ける。
【0024】
前記の固体高分子電解質としては、ナフィオン(デュポン社)、フレミオン膜(旭ガラス社)等のスルホン基を有するフッ素系ポリマが知られているが、本発明ではそのいずれも好ましく使用できる。炭素系粉末をセラミックフィルタ2に塗布するには、これらの固体高分子電解質を有機溶媒に溶解し、炭素系粉末を分散させて塗布する。固体高分子電解質を溶解する有機溶媒としては、沸点が70℃〜200℃程度の液体が使用される。具体的には、酢酸ブチルが好ましく使用される。
【0025】
燃料極(アノード)3には導線(図示しない)が接続される。この導線は良導電性のものであれば材質に制限はないが、電気抵抗の少ない銅線が好ましい。導線は燃料極(アノード)3との接続部以外では被覆絶縁されている。導線と燃料極(アノード)3の接続部は導線と燃料極(アノード)3が接触し通電できる構造であれば特に制限はないが、導線の先に金属の薄片接続されていると、炭素系粉末をセラミックフィルタ2に塗布する際に導線の薄片部を一緒に塗り込めることができる。通常、前記薄片の厚さは0.1〜0.5mm、大きさは5〜10mm角程度である。
【0026】
燃料極(アノード)3の外周には、拡散シート4が密着される。拡散シート4は水素イオンを均一に拡散させためのシートであり、カーボンクロス、又はカーボンペーパー17に固体高分子電解質18を複合形成したもの等が知られている。拡散シート4を燃料極(アノード)3に密着させるには、拡散シート4に固体電解質の有機溶媒溶液を塗布し、燃料極(アノード)3の上から圧着する。燃料極(アノード)3をセラミックフィルタ2に塗布した際、表面が乾燥する前に圧着して密着してもよい。
【0027】
拡散シート4の外周には、空気極(カソード)5が密着して装着される。空気極(カソード)5は活性炭とカーボン系素材を混合した多孔質の筒状部材である。活性炭にはカーボンブラック、ケッチェンブラック等が知られている。カーボン系素材としてはアクリル繊維を炭化したPANカーボンファイバ、ピッチを炭化したPITCHカーボンファイバ等の炭素繊維がある。
【0028】
空気極(カソード)5となる筒状部材を製造するには、活性炭とカーボン系素材を糊剤と混練し、成形した後、還元雰囲気下で焼成する。活性炭とカーボン系素材の混合比は重量で1:9〜9:1が好ましく、3:7〜6:4がより好ましい。活性炭の量が少なくなると、電極としての性能が低下し、カーボン系素材の量が少なくなると物理的強度が不足するからである。混練時に添加される糊剤は、還元焼成で炭化する糊剤であればよく、工業的に入手可能なポリビニルアルコールが好ましく利用できる。糊剤の添加量と、活性炭及びカーボン系素材との混合材の重量比は、1:10程度である。
【0029】
混練した活性炭とカーボン系素材の混合物は成形され、還元雰囲気下で焼成される。形状はセラミックフィルタ2の形状に対応する必要があり、空気極(カソード)5となる筒状部材の内径は、セラミックフィルタ2の外形より3〜10mm大きいことが好ましい。セラミックフィルタ2の空気極(カソード)5となる筒状部材の厚みは10mm程度である。成形された筒状部材は酸素を遮断した還元雰囲気下で300〜800℃で焼成される。
【0030】
空気極(カソード)5を拡散シート4に密着して装着するには、燃料極(アノード)3の外周に密着された拡散シート4に、先述の固体高分子電解質の有機溶媒溶液を塗布して、円筒状の空気極(カソード)5に挿入すればよい。この際、空気極(カソード)5となる円筒部材の内面に固体高分子電解質の有機溶媒溶液を塗布してもよい。
【0031】
空気極(カソード)5には導線(図示しない)が接続される。この導線は良導電性のものであれば材質を問わないが、電気抵抗の少ない銅線が好ましい。導線は空気極(カソード)5との接続部以外では被覆絶縁されている。導線と空気極(カソード)5の接続部は導線と燃料極(アノード)3が接触し通電できる構造であれば特に制限はないが、導線の先に金属の薄片が接続されているもの使用する場合には、空気極(カソード)5に拡散シート4を密着したセラミックフィルタ2を挿入した後、拡散シート4と空気極(カソード)5の隙間に導線に接続された金属の薄片を挟み込めばよい。通常、前記薄片の厚さは0.1〜0.3mm、大きさは5〜10mm角程度である。
導線と空気極(カソード)5の接続部は、空気極(カソード)5の上面、下面、側面のいずれかに形成された導電を差込む孔又は接触する面であってもよい。
【0032】
セラミックフィルタ2、燃料極(アノード)3、拡散シート4,空気極(カソード)5と導線が取り付けられたセットは乾燥して有機溶媒を除去した後、上側には天井板6、天井板に取付ける上蓋8、上蓋に取付けられる滴下装置9が装着され、下側には、底板10及び底板に設けられる排出口13が装着され、固定されて燃料電池セル100となる。このようにして、燃料電池セル100の内部空間は水素を発生させる反応室1となる。
天井板6、上蓋8、底板10の材質は電子及び水素ガスを通さず、酸及びアルカリに耐性のものであれば材質に制限はないが、加工がしやすい合成樹脂が好ましい。
セラミックフィルタ2、燃料極(アノード)3、拡散シート4,空気極(カソード)5と導線が取り付けられたセットと上下方向に取付けられる、天井板6、上蓋8、底板10との間にはパッキング16が施される。パッキング16としては、シリコーンパッキングが好ましい。
【0033】
反応室1には酸性又はアルカリ性の水溶液と反応して水素を発生する両性金属が準備される。両性金属は、厚さが0.1〜10mmの板状体であり、板の大きさは反応室1の形状と大きさに合わせて準備され複数の反応板11とする。反応板11の大きさはセラミックフィルタの内径よりも0.5〜20mm小さく成形され、反応室1への出し入れが容易に行える大きさである。複数の反応板11は、一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合わせた構造であり、重ね合わされる反応板11の数は2〜30枚程度である。反応板11の間隔は0,5〜50mmが好ましく、5〜20mmがより好ましい。
【0034】
両性金属からなる反応板11は網目構造又は1枚当たり1〜30個の貫通孔11aを有する。後述するように、傾斜を持って上下方向に層状に重なった複数の反応板11の最上部に酸性又はアルカリ性の水溶液が滴下されると、水溶液は両性金属と反応しながら、傾斜に沿って滑走し、反応板11に設けられた貫通孔11aに達すると貫通孔11aから、次の下位にある反応板に落下し、新たな反応板の上で反応しながら滑走し、貫通孔を通じて、更に下位の反応板に移動する動作を繰り返し、反応板の最も低い位置に達すると反応室の底に落下する。
網目構造の反応板の目開きは0.1〜10mmが好ましく、0.3〜0.8mmがより好ましい。目開きが小さいと、通過した水滴が反応板の下面の1カ所に集中してしまう恐れがあり、目開きが大きいと、両性金属との反応が十分に行なわれないうちに水滴が落下する恐れがあるからである。貫通孔を有する反応板は貫通孔を打ち抜いた所謂パンチ板を反応室の形状に合わせて切り抜くか、または、切り抜いた両性金属の板に鋭い先端を持った針で打ち抜いて形成する。1枚当たりの孔の数は、反応板11の大きさにもよるが、直径100mmの反応板で10〜100個が好ましく、10〜30個がより好ましい。
【0035】
両性金属の反応板11が互いに一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合うためには、これを支える支持体が必要である。支持体は、両性金属の反応板が互いに一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合うことができるものであればその構造に制限はないが、上部に位置する反応板から落下する水滴の落下を妨げるようなものであってはならない。また、両性金属との反応が終了し、反応副生物を溶解した排液が底部に堆積するため、両性金属の反応板が排液に浸らないように支持するために下部に高さの余裕を持たせる。
支持体の材質は、pH1〜3の酸性の水及びpH10〜14のアルカリ性の水と反応しないものを選ぶ。特に加工のし易さから、ステンレススチールが好ましい。
【0036】
支持体12に保持される複数の両性金属の反応板11は、水平面に対し3°〜45°の傾きαを有して枠体により支持されていることが好ましく、5°〜30°がより好ましい。傾斜角が3°以下では、酸性又はアルカリ性の水溶液が反応板11の上を殆ど移動しないので、反応板の偏った箇所でのみ反応が起こり全体としての反応効率が低下する恐れがあり、また、反応しないまま終了する両性金属も増えるため不経済であるからである。逆に傾斜角が45°を超えると酸性又はアルカリ性の水が両性金属と反応する間もなく底面に落下してしまうため反応が進行しない恐れがあり、酸性又はアルカリ性の水溶液が無意味に消費されることになり不経済であるからである。
【0037】
両性金属と酸性又はアルカリ性の水溶液との反応は、発熱反応であるため、本発明の燃料電池は、滴下する酸性又はアルカリ性の水溶液が凍結しない限り例えば零下40℃の冷温でも作動できる。また、高温域では天井板6、上蓋8や底板10に使用したプラスチックが変形しない範囲で作動できる。
【0038】
本発明に使用する滴下装置9は、酸性又はアルカリ性の水溶液が送られるホース又はパイプを接続する接続口と、酸性又はアルカリ性の水を両性金属の反応板11上に滴下するノズルを少なくとも備える構造になっている。上蓋8に滴下装置9を取付ける位置は、傾斜を持った反応板11の最も高い位置に、酸性又はアルカリ性の水が滴下されるように、偏心して設けられる。滴下装置9は反応室1で発生した水素が燃料電池セル100から漏出しないように取付けられる。
【0039】
本発明の燃料電池セル100は、上側が酸性又はアルカリ性の水を滴下する滴下装置9を備えた上蓋8及び天井板6で密閉され、下側が排出口13を備えた底板10で密閉され、側面が円筒状のセラミックフィルタ2、セラミックフィルタ2の外周を囲う燃料極(アノード)3、燃料極(アノード)3の外周を囲う拡散シート4、及び拡散シートの外周を囲う空気極(カソード)5で密閉された反応室1内で、両性金属と酸性又はアルカリ性の水溶液の反応により水素が供給されることを特徴としている。
従って、酸又はアルカリと両性金属との反応が進むにつれて、水素が発生し反応室1内の圧力が高まり、滴下速度は遅くなる。反応室1内の圧力が高まると、セラミックフィルタ2を通じて燃料極(アノード)3に到達する水素の量も増加し、発電量が増加する。反応室1内の水素圧力が低下すると、酸性又はアルカリ性の水の滴下速度が早まり、水素の発生が促進されるため起電力は一定に保つことができる。
【0040】
本願発明の燃料電池セル100は、両性金属と酸性又はアルカリ性の水の反応により水素を得ているため、一定の発電をすると両性金属が消費され、水素を発生しなくなるため発電ができなくなる。こうした場合には、ポンプ200を止め滴下装置9を取り外した後、上蓋8を外し、反応室内の支持体12を、残った反応板11とともに取り出し、排出口13のめくら栓14を開放して、反応室1内に堆積した反応副産物を系外に取り出して、反応室1を清浄にする。その後、排出口13をめくら栓14で閉じ、反応室1には複数の反応板11が互いに一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合うように、また、水平面に対し3°〜45°の傾きαを有するよう収納された支持体12を新たにセットすればよい。
支持体はpH1〜3の酸性の水及びpH10〜14のアルカリ性の水とは反応しない材質で製造されているので、両性金属からなる反応板11を装着すれば、何度でも利用することが可能である。
【0041】
発電後、反応室1から回収された反応副生物は従来技術によりリサイクルして、元の両性金属に戻すことができる。例えば、アルミニウムの反応板11に水酸化ナトリウムを滴下する燃料電池では水酸化アルミニウム及びアルミン酸ナトリウムが回収される。これから酸化アルミニウム(アルミナ)を得、さらにこれを電気分解(融解塩電解)することにより金属アルミニウムを得ることができる。
【0042】
図2を参照すると、本発明の燃料電池の発電システムは、反応室1に両性金属を収納し、燃料極(アノード)3、空気極(カソード)5、拡散シート4で構成される燃料電池セル100を複数準備し、それぞれの滴下装置9にタンク300に蓄えられた酸性又はアルカリ性の水溶液をポンプ200の作動により輸送するためのホース又はパイプを接続し、一方、燃料電池セル100の燃料極(アノード)3、空気極(カソード)5から導かれた導線は互いに直列に配線し、発電された直流の電圧を交流に変換するインバータ600に接続するものである。接続される燃料電池100の数は通常10個程度である。
【0043】
滴下装置9の接続口には酸性又はアルカリ性の水溶液が送られるホース又はパイプが接続される。滴下装置9に一端が接続されたホース又はパイプの他端は、ポンプ200を介して酸性又はアルカリ性の水溶液を入れるタンク300に接続される。酸性又はアルカリ性の水溶液を入れるタンク300はpH1〜3の酸性の水溶液又はpH10〜14のアルカリ性の水溶液に耐えるものであれば材質は問わない。容量も燃料電池セル100の容量と数に合わせて適宜設定すればよい。ポンプ200は、ポンプ用バッテリ500により動力を得、ポンプコントローラ400により制御される。
【0044】
複数の燃料電池セル100に、両性金属の反応板11をセットし、酸性又はアルカリ性の水溶液を蓄えるタンク300から給水するホース又はパイプを導通状態にし、輸送ポンプ200を制御するポンプコントローラ400より、ポンプ200に対し作動指令を出すと、ポンプ用バッテリ500の動力によりポンプ200が作動し、酸性又はアルカリ性の水溶液が各燃料電池セル100に送られて、滴下装置9を介して両性金属よりなる反応板11の表面に滴下され、水素が発生する。各燃料電離セルでは反応室1内に発生した水素を燃料として発電する。発電された直流の電気はインバータ600に供給されて交流出力(AC_100V)に変換され使用される。
【実施例1】
【0045】
本発明の実施の形態について、実施例に基づいて詳細に説明する。
セラミックフィルタ2は内径10cm厚さ5mmの多孔質セラミックの管を10cmの長さに切断した。セラミックフィルタ2の外周に、カーボンブラック0.5gをナフィオン(デュポン社製)20mlと酢酸ブチル30mlの混合液によく分散させて均一に塗布した。塗布層が乾燥する前に燃料極(アノード)3の導線となるビニール被覆単芯銅線の一端から10mm程銅線を露出させ、金床で叩いて薄片を作り、セラミックフィルタ2の上側に、通電可能に設置し、導線はセラミックフィルタ2の上方に伸びるように配した。カーボンクロス17に、縦10cm、横35cmに切断したシートを巻き着け、セラミックフィルタ2に密着させた。更に、カーボンクロス17の上からナフィオン(デュポン社製)と酢酸ブチルの2:3混合液を塗布し、直ちに、高さ10cm、内径11,5cm、厚さ1cmの円筒状の空気極(カソード)5に嵌入した。
【0046】
空気極(カソード)5はカーボンファイバと活性炭を1:1に混合し、カーボンファイバと活性炭の合量100部(重量)に対し、ポバール(信越化学工業製)を10部混ぜて練り、型に入れて成形したものを、還元条件下に600℃で焼成したものである。
空気極(カソード)5には導線となるビニール銅線を燃料極(アノード)3の場合と同様に薄片にして拡散シート4と空気極(カソード)5の間隙に挿入し、導線は空気極(カソード)5の上方に伸びるように配した。セラミックフィルタ2及び燃料極(アノード)3、拡散シート4を嵌合した空気極(カソード)5は通風乾燥機内で一夜乾燥させた。
【0047】
乾燥した空気極(カソード)5の上側に13cm角で厚さ1cmのアクリル製の天井板6を設置した。天井板6の中央には反応室1の横断面に相当するする直径10cmの天井孔7を設け、この天井孔7に上蓋8が螺合するようにした。天井板6には、空気極(カソード)2及び燃料極(アノード)から伸びる導線を通す2つの孔(図示しない)と、後述する底板とをボルト15aとナット15bで締合するための孔を四隅に設けた。上蓋8には、周縁から1cmの位置に酸性又はアルカリ性の水を反応室1内に滴下する滴下装置9を設置するための孔を設け、滴下装置9をシリコーンパッキング16を使用して水素の漏出がないように固定した。
【0048】
セラミックフィルタ2及び燃料極(アノード)3、拡散シート4を嵌合した空気極(カソード)5の下側には、13cm角で厚さ1cmのアクリル製の底板10を設置した。底板には、四隅に前述の天井板6とボルト15aとナット15bで締合するための孔と反応室に堆積する反応副生物及び反応未反応物を抜き取るための排出口13が設け、めくら栓14をパッキング16を介して螺合した。セラミックフィルタ2及び燃料極(アノード)3、拡散シート4を嵌合した空気極(カソード)5の上下側には天井板6及び底板10との間にそれぞれドーナッツ型のシリコーンパッキング16を挿入した。シリコーンパッキング16に開けた穴の内径は、セラミックフィルタ2の内径と同じ10cmで、外径は空気極(カソード)5と同じ12.5cmとし、天井板6と底板10を4組のボルト15aとナット15bで締合することにより、反応室で発生する水素が漏出しない密閉構造を作った。天井板6側のパッキング16には燃料極(アノード)3及び空気極(カソード)5に結合する導線(図示しない)を通すためのそれぞれの孔(図示しない)を設け、燃料極(アノード)3及び空気極(カソード)5に結合する導線(図示しない)を、それぞれパッキングに開けられた当該孔(図示しない)に通したのち、天井板6に開けられた孔(図示しない)を通して外部に引き出した。導線の先には可変抵抗器を接続し電圧計をこれに並列に接続した。
【0049】
密閉された反応室の中には両性金属の反応板11を支持する支持体12が収められる。支持体は巾1cm、長さ9.5cm、厚さ0.4mmのステンレス板を短軸方向に中央から2つ折りにし、互いに60°の角度を保つようにした略L字板を3本と、長さ7cm、巾0.5cm、厚さ0.4mmのステンレス製の長尺板の6枚とを準備し、略L字板の両端に外側から長尺板をビスで固定することにより、断面が正三角形で略L字板の60°の角は三角形の内側を向いた三角柱を作った。それぞれ略L字板の長軸側の両辺に端からの距離が同じになるように5mm間隔で10組の溝を刻んだ。それぞれの溝の深さは3mm、巾は2mmとした。
【0050】
支持体を構成する3本の略L字板の内、1本の略L字板に刻まれた溝は上端より1cmの位置から下方に向かって5mm間隔で10個作成した。残りの2本の略L字板はそれぞれ上端より3cmの位置から下方に向かって5mm間隔で10個作成した。その結果、最下端に刻まれた溝から略L字板に下端までの距離は1本が3.5cmとなり、残り2本の略L字板は1.5cmとなった。
【0051】
厚さ0.5mmのアルミニウムのパンチ板より直径8cmの円盤状をした反応板11を10枚切り出した。アルミニウム板には、直径0.55mmの孔が全面に1.1ピッチで開けられていた。
【0052】
穴のあいた円盤状の反応板11は、板の弾力性を使って、支持体12の溝に端から順番に挿入し、板と板が互いに5mmの間隔を保ちながら、水平面に対し19°の角度αを持つようにセットした。
【0053】
アルミニウムの反応板11がセットされた支持体12は燃料電池セル100の天井板6に開けた天井孔7から反応室1内に設置した。その際、支持体12にセットされた反応板11の最も高い位置が滴下装置9の滴下口の真下に位置するように設置した。上蓋8を天井孔7にパッキング16を介して螺合し、酸性又はアルカリ性の水溶液を送るポンプ200とシリコーン製ホースで結合した。
【0054】
酸性又はアルカリ性の水溶液を入れるタンク300に0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液(pH14)を入れ、シリコーンホースの一端をタンクの底面に着くようにし、ホースの他端はポンプ200に接続した。ポンプ200はポンプ用バッテリ500により動力を得、ポンプコントローラ400により制御される。滴下開始時の滴下装置9からの滴下速度を1ml/分として起電力を測定したところ1.5Vであった。
【実施例2】
【0055】
本発明の第2の実施例は、滴下する水を0.1N塩酸に変えて行った他は第1の実施例と同じ条件で行った。その結果、起電力は1.3Vであった。
【実施例3】
【0056】
本発明の第3の実施例は、アルミニウム製の反応板11に代えて、鉛製の網状物で行い、滴下する水をpH12の電解水を用いた他は第1の実施例と同じに行った。鉛製の網状物は目開き1mmのネットを切り抜いて作成した。滴下開始時の電解水の滴下速度を1ml/分として起電力を測定したところ1.6Vであった。
【実施例4】
【0057】
本発明の第4の実施例は、実施例1の燃料電池セル100を10基直列に結線してインバータ600に接続した。各燃料電池セル100に、発電開始時に1ml/分の速度で0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を滴下したところ15Vの起電圧があり、インバータ600から燃料電池セル100Vの交流電圧が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の燃料電池は、燃料電池セル内に水素を発生させる装置を持つため、水素ボンベ等の危険な装備を付帯することなく発電が行えること、また、起電力が従来の燃料電池よりも高く、必要に応じて発電が行えるため、経済的であることから、設置型の燃料電池として好適である。
【符号の説明】
【0059】
1 反応室
2 セラミックフィルタ
3 燃料極(アノード)
4 拡散シート
5 空気極(カソード)
6 天井板
7 天井孔
8 上蓋
9 滴下装置
10 底板
11 反応板
12 支持体
13 排出口
14 めくら栓
15a ボルト
15b ナット
16 パッキング
17 カーボンクロス(又はカーボンペーパー)
18 固体高分子電解質
100 燃料電池セル
200 ポンプ
300 タンク
400 ポンプコントローラ
500 ポンプ用バッテリ
600 インバータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極(アノード)、拡散シート、空気極(カソード)からなる燃料電池において、
筒状のセラミックフィルタに囲まれた反応室内で、両性金属に酸性又はアルカリ性の水溶液を加えて発生させた水素を、前記セラミックフィルタ、前記燃料極(アノード)、前記拡散シートを介して拡散させ、前記空気極(カソード)において酸化することを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
前記両性金属がアルミニウム、亜鉛、スズ、鉛から選ばれる1種又は2種以上の金属であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記水素の発生は前記両性金属にpHが1以上、3以下の酸性の水を滴下してなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記水素の発生は前記両性金属にpHが10以上、14以下のアルカリ性の水を滴下してなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記空気極(カソード)は活性炭とカーボンファイバの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記両性金属は、複数の反応板を互いに一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合わせた構造を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記両性金属からなる反応板が網目構造又は1枚当たり1〜30個の貫通孔を有することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
【請求項8】
前記の互いに一定の間隔を保ちながら上下の層状に重なり合った2〜30枚の両性金属からなる反応板は、水平面に対し3°〜45°の傾きαを有して支持体により支持されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
【請求項9】
燃料極(アノード)、拡散シート、空気極(カソード)からなる燃料電池において、
上側が酸性又はアルカリ性の水を滴下する滴下装置を備えた上蓋で密閉され、下側が排水孔を備えた底板で密閉され、側面が筒状のセラミックフィルタ、前記セラミックフィルタの外周を囲う前記燃料極(アノード)、前記燃料極(アノード)の外周を囲う前記拡散シート、及び前記拡散シートの外周を囲う前記空気極(カソード)で密閉された反応室内で、両性金属と酸性又はアルカリ性の水溶液の反応により、燃料となる水素が供給されることを特徴とする燃料電池セル。
【請求項10】
筒状のセラミックフィルタの反応室に両性金属を収納し、燃料極(アノード)、拡散シート、空気極(カソード)で構成される複数の燃料電池セルを直列に配し、発電された直流の電圧を交流に変換するインバータを備え、
酸性又はアルカリ性の水溶液を蓄えるタンクと、前記タンクから前記複数の燃料電池に前記水溶液を送り出すポンプと、前記ポンプに動力を与えるバッテリと、前記ポンプの出力を制御するポンプコントローラとを備え、
前記ポンプと前記燃料電池セルは、前記燃料電池セルの上蓋に備えられた滴下装置を介してパイプで繋がれ、
前記水溶液を前記両性金属に滴下し、発生した水素を燃料として発電することを特徴とする燃料電池発電システム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−181236(P2011−181236A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42169(P2010−42169)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケッチェンブラック
【出願人】(503416881)
【Fターム(参考)】